JP6250486B2 - Icタグ発行装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ICタグが複数列に整列しているICタグ連続体のそれぞれのICタグに非接触で所望の識別データをそれぞれ書き込んで発行するICタグ発行装置に関する。
ICチップとアンテナとを備え、非接触で情報の電気的な書き込み/読み込みを可能とするICタグを用いるRFID(radio frequency identification)によって商品の在庫管理や販売管理等を容易にする技術が提案されている。一般的にICチップとアンテナとはフィルム上に形成されたインレイ(インレット)としてラベルや値札用タグ等の用紙に内包され、ICタグが構成される。なお、ICチップとアンテナとを備えたインレイ自体をICタグや電子タグ、無線タグ、RFIDタグと呼称することもあるが、本明細書では、ICチップとアンテナとを備えた商品タグ(値札用タグ)やラベル等の用紙をICタグと称する。
ICタグは、一般的にICタグが連続して連なったICタグ連続体として提供されることが多く、ICタグ連続体に非接触で製品番号等の所望のデータを書き込むと共に、それぞれの表面に製品や生産者のデータやそれらをコード化したバーコード等の印字を施して発行するICタグ発行装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また近年は、ICタグの使用量が増加しており、ICタグを高速で大量に発行するニーズが高まっている。ICタグの発行速度を向上させるためには、ICタグが1列に整列しているICタグ連続体では限界がある。そこで、ICタグが複数列に整列しているICタグ連続体を用いて発行することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−338179号公報 特開2013−210823号公報
ICタグに情報を書き込み、又は読み取る通信アンテナとして、一般的に、電磁方式の場合にはループアンテナが用いられ、電波方式の場合にはパッチアンテナ等が使用される。電磁方式の場合、通信アンテナのループ面を、搬送されるICタグのアンテナ面と平行に配置し、通信アンテナに対向する箇所に搬送されてきたICタグと、ループ内部の磁束を使用して通信を行っている。しかしながら、ループアンテナでは、内側に向かうほど電磁波の強さが弱くなるため、ループ近傍とループ中心とでは磁束密度が異なる。従って、安定した結合を図るためには、ループ中心の磁束密度を考慮して通信アンテナからの出力を高くする必要がある。このように、通信アンテナからの出力を高くした場合には、ループ近傍の磁束密度がより高くなるため、通信アンテナから放射される電磁波が対象のICタグの周囲に広がってしまい、隣接した他列のICタグと干渉してしまうという問題点があった。従って、特許文献2のように、通信アンテナを搬送方向に間隔をおいて配置しなければならず、装置が大型化してしまうという問題点もあった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑みて従来技術の上記問題を解決し、出力(電力)を上げることなく、確実に読み書きすることができ、隣接したICタグとの干渉を防止することができるICタグ発行装置を提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明のICタグ発行装置は、ICタグ連続体として整列している複数列のICタグに対して列毎にそれぞれ対向して配置された複数の列アンテナ部を備え、搬送される前記ICタグ連続体のそれぞれの前記ICタグと複数の前記列アンテナ部を用いてそれぞれ電磁方式で通信を行うICタグ発行装置であって、前記列アンテナ部のアンテナ素子は、前記ICタグ連続体の搬送方向と平行に配置された近接アンテナ線と、当該近接アンテナ線と平行に、且つ搬送される前記ICタグ連続体から前記近接アンテナ線よりも離れて配置された離隔アンテナ線とを有するループ状アンテナ素子であることを特徴とする。
さらに、本発明のICタグ発行装置において、前記ループ状アンテナ素子は、前記ICタグ連続体の搬送方向を長手方向とする略矩形状に形成され、前記近接アンテナ線と前記離隔アンテナ線とが長辺に配置されていても良い。
さらに、本発明のICタグ発行装置において、前記ループ状アンテナ素子は、前記ICタグ連続体の搬送方向を長手方向とする略矩形状のプリント基板に形成され、前記近接アンテナ線は、前記プリント基板の一辺に沿って形成されていても良い。
さらに、本発明のICタグ発行装置において、ループ状アンテナ素子のアンテナ面は、搬送される前記ICタグ連続体と垂直に配置されていても良い。
さらに、本発明のICタグ発行装置において、前記ICタグ連続体を搬送ベルトに吸引しながら搬送する搬送部を備え、複数の前記列アンテナ部は、前記搬送部によって搬送される前記ICタグ連続体の前記ICタグと対向して配置されていても良い。
さらに、本発明のICタグ発行装置において、前記ループ状アンテナ素子の前記ICタグに対向する向き以外の面を覆う導電性物質で構成されたアンテナケースを具備し、前記アンテナケースには、反射抑制用開口が形成されていても良い。
本発明によれば、近接アンテナ線から放射される電磁波を用いてICタグと通信を行うことで、通信アンテナからの出力(電力)を上げることなく、確実に読み書きすることができ、離隔アンテナ線がICタグから近接アンテナ線よりも離れて配置されているため、離隔アンテナ線から放射される電磁波による隣接のICタグとの干渉を防止することができるという効果を奏する。
本発明に係るICタグ発行装置の実施の形態の構成を示す概略側面図である。 図1に示すICタグ連続体の一部分の構成を示す上面図である。 図2に示すICタグの構成を示す拡大正面図及び断面図である。 図3に示すインレイの構成を示す正面図である。 図1に示す前処理装置の構成を示す概略側面図である。 図1に示す前処理装置の構成を示す概略上面図である。 図1に示す前処理装置における支持板の構成を示す概略上面図である。 図5に示す第1アンテナ部の構成を示す斜視図である。 図8に示す列アンテナ部の構成を示す分解斜視図である。 図8に示す列アンテナ部の構成を示す断面図である。 図1に示す印字装置の構成を示す概略側面図である。 図1に示す後処理装置の構成を示す概略側面図である。 本発明に係るICタグ発行装置の実施の形態の動作を制御する制御部の構成を示すブロック図である。 図13に示す情報記憶部に記憶される製品情報例を示す図である。 図13に示す情報記憶部に記憶される頁情報例及び再発行情報例を示す図である。 本発明に係るICタグ発行装置の実施の形態のタグID読み取り動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係るICタグ発行装置の実施の形態のタグID読み取り動作を説明するための説明図である。 本発明に係るICタグ発行装置の実施の形態の識別データ書き込み動作を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態のICタグ発行装置は、ICタグ連続体1に対し、それぞれのICチップに非接触で所望のデータをそれぞれ書き込むと共に、それぞれの表面に製品や生産者の情報やそれらをコード化したバーコード等の印字を施して発行する。ICタグ発行装置は、図1を参照すると、発行前のICタグ連続体1が載置される載置台2と、前処理装置3と、印字装置4と、後処理装置5と、発行されたICタグ連続体1が載置される載置台2とを備えている。
ICタグ連続体1は、図2を参照すると、複数列のICタグ10が整列している頁が交互に畳まれた連続用紙(ファンフォールド紙)である。本実施の形態では、第1列から第10列の10枚*2行の20枚のICタグ10が1頁に配置されている。ICタグ連続体1の両側にはスプロケットホール11が等間隔に形成されている。また、スプロケットホール11が形成されている領域における搬送方向の先頭付近には、頁の開始を示す検出マーク12が印刷されている。なお、ICタグ連続体1は、ロール状に巻回されたロール紙であっても良く、この場合には、ICタグ10の開始を示す検出マーク12を1行毎に印刷すると良い。
図3(a)を参照すると、ICタグ10には、インレイ13が内包されている。なお、図3(a)は、図2に矢印Aで示す領域の拡大正面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すX−X断面図である。本実施の形態のICタグ10は、商品タグであり、図3(b)に示すように、インレイ13は、表紙10aと、裏紙10bとの間に介装されて内包されている。
インレイ13は、図3(b)及び図4を参照すると、基材13aと、アンテナ14と、ICチップ15とで構成されている。インレイ13は、例えば、基材13aを合成樹脂フィルムで構成し、基材13a上に導電体から成る線状のアンテナ14を形成した後、このアンテナ14上に導電性接着剤を使用してICチップ15を接着して構成される。アンテナ14は、搬送方向を長手方向とする細長い形状を有しており、長手方向中央部にループ状アンテナ素子14aが設けられている。そして、ループ状アンテナ素子14aに接続され、長手方向の前後両端に向かって直線状に延びるダイポールアンテナ素子14bが設けられている。さらにダイポールアンテナ素子14bに接続され、搬送方向と直交する幅方向にジグザグに折り返してなるメアンダラインアンテナ素子14cがループ状アンテナ素子14aの長手方向の前後にそれぞれ設けられている。
ICチップ15には、EEPROM等の電源が供給されなくても記憶が保持される不揮発性メモリが内蔵されている。ICチップ15の不揮発性メモリは、インレイ13毎の固有番号(以下、タグIDと称する)が予め記憶されているタグID記憶領域と、ユーザによって書き換え可能なユーザ記憶領域とを備えている。ICチップ15は、リーダライタのアンテナコイルとアンテナ14のループ状アンテナ素子14aとを磁束結合させて、エネルギー及び信号を伝達する電磁方式による通信機能と、リーダライタのアンテナとアンテナ14のダイポールアンテナ素子14b及びメアンダラインアンテナ素子14cとで電波をやりとりし、エネルギー及び信号を伝達する電波方式による通信機能とを備えている。
載置台2は、ICタグ連続体1が載置される載置板21を有している。載置板21は、前処理装置3及び後処理装置5に対する載置面の位置や、載置面の角度をICタグ連続体1のサイズや紙質に応じて変更可能に構成されている。これにより、載置台2に載置されたICタグ連続体1を前処理装置3に対してスムーズに供給することができると共に、後処理装置5から発行されたICタグ連続体1を載置台2に整然と載置させることができる。
前処理装置3は、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10(ICチップ15のユーザ記憶領域)に対して製品番号等のユーザ所望のデータを書き込むエンコード装置である。前処理装置3は、図1及び図5を参照すると、第1アンテナ部31と、第2アンテナ部32と、第3アンテナ部33と、第1トラクタフィーダ部61と、第1搬送部62と、第2搬送部63と、第1負圧吸引部71と、第2負圧吸引部72と、第3負圧吸引部73と、第4負圧吸引部74と、第1センサ81と、第2センサ82と、第3センサ83と、第1ロータリエンコーダ部91を備えている。
第1トラクタフィーダ部61は、発行前のICタグ連続体1を受け入れる最上流に配置され、図5乃至図7を参照すると、駆動ローラ61aと従動ローラ61bとの間に掛け渡されて回動する無端ベルト61cと、駆動ローラ61aを介して無端ベルト61cを回動させる第1トラクタフィーダ駆動モータ61dとを備え、無端ベルト61cには、ICタグ連続体1のスプロケットホール11と係合する送りピン61eが形成されている。これにより、第1トラクタフィーダ部61は、無端ベルト61cを回動させることにより、送りピン61eが順次、スプロケットホール11に係脱可能に係合してICタグ連続体1を下流側の第1搬送部62に向けて牽引搬送する。また、第1トラクタフィーダ部61の駆動ローラ61aには、駆動ローラ61aの回転を検出する第1ロータリエンコーダ部91が備えられている。第1トラクタフィーダ部61の近傍には、ICタグ連続体1の検出マーク12を検出する第1センサ81が設けられている。これにより、第1センサ81及び第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、前処理装置3におけるICタグ連続体1(ICタグ10)の位置が検出可能に構成されている。
第1搬送部62は、第1トラクタフィーダ部61の下流側に配置されており、駆動ローラ62aと従動ローラ62bとの間に掛け渡されて回動する無端の搬送ベルト62cと、駆動ローラ62aを介して搬送ベルト62cを回動させる第1搬送ベルト駆動モータ62dとを備えている。第1搬送部62は、搬送ベルト62cを回動させることにより、搬送ベルト62cの上面に載置されたICタグ連続体1を下流側の第2搬送部63に向けて搬送する。なお、第1搬送部62と、第2搬送部63との間には、ICタグ連続体1の検出マーク12を検出する第2センサ82が設けられ、頁の先頭が第1搬送部62と、第2搬送部63との間に到達したことを検出可能に構成されている。
また、上側の搬送ベルト62c下方の駆動ローラ62aと従動ローラ62bとの間の位置には、支持板62eが上側の搬送ベルト62c下面(内周面)と接触する位置に配置されている。従って、ICタグ連続体1を上流側から下流側に向かって搬送する際には、搬送ベルト62cは、支持板62e上を摺動されながら回動されることになる。
支持板62eの搬送ベルト62cと対向する箇所には、第1負圧吸引部71の第1吸引ファン71aの回転によって空気が吸引される吸引孔71bと、第2負圧吸引部72の第2吸引ファン72aの回転によって空気が吸引される吸引孔72bとが搬送方向に沿って複数形成されている。そして、搬送ベルト62cには、多数の貫通孔62fが形成されている。従って、第1負圧吸引部71及び第2負圧吸引部72による負圧によってICタグ連続体1は、搬送ベルト62cに密着された状態で搬送されることになる。
第2搬送部63は、第1搬送部62の下流側に配置されており、駆動ローラ63aと従動ローラ63bとの間に掛け渡されて回動する無端の搬送ベルト63cと、駆動ローラ63aを介して搬送ベルト63cを回動させる第2搬送ベルト駆動モータ63dとを備えている。第2搬送部63は、搬送ベルト63cを回動させることにより、搬送ベルト63cの上面に載置されたICタグ連続体1を下流側の印字装置4に向けて搬送する。なお、第2搬送部63と印字装置4との間には、ICタグ連続体1の検出マーク12を検出する第3センサ83が設けられ、頁の先頭が第2搬送部63と印字装置4との間に到達したことを検出可能に構成されている。
また、上側の搬送ベルト63c下方の駆動ローラ63aと従動ローラ63bとの間の位置には、支持板63eが上側の搬送ベルト63c下面(内周面)と接触する位置に配置されている。従って、ICタグ連続体1を上流側から下流側に向かって搬送する際には、搬送ベルト63cは、支持板63e上を摺動されながら回動されることになる。
支持板63eの搬送ベルト63cと対向する箇所には、第3負圧吸引部73の第3吸引ファン73aの回転によって空気が吸引される吸引孔73bと、第4負圧吸引部74の第4吸引ファン74aの回転によって空気が吸引される吸引孔74bとが搬送方向に沿って複数形成されている。そして、搬送ベルト63cには、多数の貫通孔63fが形成されている。従って、第3負圧吸引部73及び第4負圧吸引部74による負圧によってICタグ連続体1は、搬送ベルト63cに密着された状態で搬送されることになる。
第1アンテナ部31及び第2アンテナ部32は、第1搬送部62の上方に近接対向して配置されている。第1アンテナ部31と第2アンテナ部32とは、例えば920MHz帯域を用いた電磁方式でICタグ10と通信を行う通信アンテナであり、同一の構成を有している。第1アンテナ部31は、ICタグ10からタグIDを読み取るために用いられる。第2アンテナ部32は、ICタグ10(ICチップ15のユーザ記憶領域)に製品番号等の所望のデータを書き込むために用いられる。以下、ICタグ10に書き込むデータを識別データと称する。
第1アンテナ部31の構成について図8乃至図10を参照して詳細に説明する。
図8(a)を参照すると、第1アンテナ部31は、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1の第一列から第十列のICタグ10にそれぞれ対向する位置に列アンテナ部31a〜31jが配置されている。列アンテナ部31a〜31jは、上流側の列アンテナ部31a〜31eと、下流側の列アンテナ部31f〜31jに分かれて千鳥状に配置されており、上流側の列アンテナ部31a〜31eは、奇数列のICタグ10にそれぞれ対向して配置され、下流側の列アンテナ部31f〜31jは、偶数列のICタグ10にそれぞれ対向して配置されている。
シールド板310は、第1アンテナ部31及び第2アンテナ部32を支持する支持板であり、アルミ等の金属や、導電性樹脂等の導電性物質により構成されている。なお、図8(a)には、シールド板310によって第1アンテナ部31の列アンテナ部31a〜31jが支持されている状態が示されている。シールド板310は、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1に近接して平行に配置され、図8(b)に示すように、列アンテナ部31a〜31jにそれぞれ対応した開口部311a〜311jが上流側の開口部311a〜311eと、下流の開口部311f〜311jとに分かれて千鳥状に形成されている。開口部311a〜311jは、搬送方向を長手方向とする略矩形状である。シールド板310において、上流側の開口部311a〜311eの間と、下流の開口部311f〜311jの間にそれぞれ形成された領域は、互いの通信が干渉することを防止する干渉防止領域となる。
列アンテナ部31a〜31jは、図9及び図10を参照すると、略矩形状のプリント基板312と、プリント基板312に形成されたループ状アンテナ素子313と、プリント基板312の長辺部に設けられたアンテナ端子314と、上側からプリント基板312を覆うアンテナケース315と、プラスチック等の樹脂製のカバー板316とからなる。なお、本実施の形態では、1重ループのループ状アンテナ素子31を採用したが、ループ状アンテナ素子313は、2重又は3重等の多重ループであっても良い。ループ状アンテナ素子313を多重ループで構成した場合には、より省電力(より少ない電力)で通信が可能となる。
アンテナケース315は、アルミ等の金属や、導電性樹脂等の導電性物質により構成された箱状体であり、ループ状アンテナ素子313から上方及び側方に向かって放射される電磁波を遮蔽する。アンテナケース315には、アンテナ端子314が貫通する端子用開口315aと、複数の反射抑制用開口315bとが形成されている。
アンテナ端子314は、同軸ケーブルに取り付けられたコネクタ(栓座)と結合されるコネクタ(接栓座)であり、プリント基板312の一方の長辺における略中央に、プリント基板312の表面と平行な方向に突出するように取り付けられている。また、アンテナケース315の端子用開口315aは、アンテナケース315上面の略中央に形成されている。そして、プリント基板312は、アンテナ端子314を端子用開口315aに貫通させ、アンテナ端子314に図示しない止め輪やナット等を装着することで、アンテナケース315内に固定される。反射抑制用開口315bは、アンテナケース315に万遍なく形成されている。アンテナケース315に反射抑制用開口315bが形成されていない場合には、ループ状アンテナ素子313から上方及び側方に向かって放射される電磁波がアンテナケース315によって反射され、通信の障害になってしまう。そこで、本実施の形態では、アンテナケース315に反射抑制用開口315bを万遍なく形成することで、ループ状アンテナ素子313から上方及び側方に向かって放射される電磁波の反射を防止し、通信を良好に行うことができるように構成されている。
カバー板316は、アンテナケース315の開口部を塞ぐ板状部材であり、プリント基板312の他端部が嵌合するアンテナ用開口316aが形成されている。また、カバー板316の下面には、シールド板310の開口部311a〜311jに嵌り込む嵌合部316bが、シールド板310の厚さ分、突出して形成されている。カバー板316の嵌合部316bをシールド板310の開口部311a〜311jに嵌合させ、図示しないねじによってカバー板316及びアンテナケース315をシールド板310の上面側に固定させる。この状態では、プリント基板312は、長手方向が搬送方向と平行に、且つシールド板310と垂直、すなわち第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と垂直に配置される。そして、シールド板310の下面と、開口部311a〜311jに嵌合されたカバー板316の嵌合部316bの下面と、プリント基板312のアンテナ端子314が設けられていない他方の長辺とが略同一平面上に位置し、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と近接して対向する。これにより、プリント基板312のアンテナ端子314が設けられていない他方の長辺は、搬送方向と平行に、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と近接して配置される。以下、プリント基板312のアンテナ端子314が設けられていない他方の長辺を近接端部312aと称す。そして、プリント基板312のアンテナ端子314が設けられている一方の長辺は、近接端部312aと同様に搬送方向と平行に配置されるが、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1から近接端部312aよりも離れて配置される。以下、プリント基板312のアンテナ端子314が設けられている一方の長辺を離隔端部312bと称す。
図10を参照すると、ループ状アンテナ素子313は、アンテナ端子314の信号端子に接続された第1コネクタパターンCN1と、アンテナ端子314の接地端子に接続された第2コネクタパターンCN2及び第3コネクタパターンCN3と、第1アンテナパターン313aと、第2アンテナパターン313bと、第3アンテナパターン313cと、第4アンテナパターン313dとを備え、第1コネクタパターンCN1、第1アンテナパターン313a、第2アンテナパターン313b、第3アンテナパターン313c及び第4アンテナパターン313dが搬送方向を長手方向とする略矩形状に接続されている。
図10に示すように、プリント基板312の長手方向の中心線をXとすると、第1コネクタパターンCN1は、中心線X上に、離隔端部312bから中央に向かって形成されている。第1アンテナパターン313aは、一端部がコンデンサC4を介して第1コネクタパターンCN1に接続され、一端部から搬送方向上流側に向かって、搬送方向と平行に延びた後、近接端部312aに向かって延びる略L字状のアンテナパターンである。第1アンテナパターン313aの他端部は拡幅されており、同じく拡幅された第2アンテナパターン313bの一端部と抵抗R1とコンデンサC1とからなる並列回路を介して接続されている。第2アンテナパターン313bは、一端部から近接端部312a近傍まで延びた後、搬送方向下流側に向かって、近接端部312aに沿って搬送方向と平行に中心線X付近まで延びる略L字状のアンテナパターンである。第3アンテナパターン313cは、中心線Xを対称軸として第1アンテナパターン313aと線対称に形成されている。第3アンテナパターン313cは、一端部がインダクタL1を介して第1コネクタパターンCN1に接続され、一端部から搬送方向下流側に向かって、搬送方向と平行に延びた後、近接端部312aに向かって延びる略L字状のアンテナパターンである。第3アンテナパターン313cの他端部は拡幅されており、同じく拡幅された第4アンテナパターン313dの一端部と抵抗R2とコンデンサC2とからなる並列回路を介して接続されている。第4アンテナパターン313dは、中心線Xを対称軸として第2アンテナパターン313bと線対称に形成されている。第4アンテナパターン313dは、一端部から近接端部312a近傍まで延びた後、搬送方向上流側に向かって、近接端部312aに沿って搬送方向と平行に中心線X付近まで延びる略L字状のアンテナパターンである。そして、第2アンテナパターン313bの他端部と、第4アンテナパターン313dの他端部とは、互いに拡幅されており、抵抗R3とコンデンサC3とからなる並列回路によって接続されている。
また、第1コネクタパターンCN1を挟んで、中心線Xを対称軸として線対称な位置に、第2コネクタパターンCN2と第3コネクタパターンCN3とが離隔端部312bから中央に向かって形成されている。そして、第1コネクタパターンCN1よりも搬送方向上流側に形成された第2コネクタパターンCN2は、第1アンテナパターン313aの一端部付近にインダクタL2を介して接続され、第1コネクタパターンCN1よりも搬送方向下流側に形成された第3コネクタパターンCN3は、第3アンテナパターン313cの一端部付近にコンデンサC5を介して接続されている。なお、抵抗R1〜R3、コンデンサC1〜C5、インダクタL1〜L2は、第1アンテナ部31の共振周波数及びインピーダンスを調整するために設けられている。
プリント基板312の他方の長辺である近接端部312aに沿って延びる第2アンテナパターン313b及び第4アンテナパターン313dは、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と近接して搬送方向と平行に配置された近接アンテナ線となり、略矩形状であるループ状アンテナ素子313の第1の長辺に配置される。そして、第1アンテナパターン313a及び第3アンテナパターン313cは、近接アンテナ線と平行に、且つ第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1から近接アンテナ線よりも離れて配置された離隔アンテナ線となり、略矩形状であるループ状アンテナ素子313の第1の長辺に対向する第2の長辺に配置される。これにより、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と近接アンテナ線及び離隔アンテナ線とのそれぞれの距離が異なり、主に、近接アンテナ線から放射される電磁波を用いてICタグ10との通信が行われる。そして、ICタグ連続体1の搬送方向において、近接アンテナ線から放射される電磁波は略均一である。従って、近接アンテナ線から放射される電磁波、すなわちループ近傍を基準として通信アンテナからの出力を設定することができるため、ループ状アンテナ素子313からの出力(電力)を上げることなく、確実に読み書きすることができる。また、ICタグ連続体1の搬送方向において、近接アンテナ線から放射される電磁波は略均一であるため、第1アンテナ部31(ループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線)とICタグ10(ループ状アンテナ素子14a)とが対向した状態では、第1アンテナ部31とICタグ10との相対位置に拘わらず、同じ条件で通信を行うことができる。従って、安定した通信特性で書き込み又は読み取りを行うことができ、例えば大量発行を目的としてICタグの搬送速度を上げても、通信を確実に行うことができる。
さらに、離隔アンテナ線がICタグ10から近接アンテナ線よりも離れて配置されているため、離隔アンテナ線と隣接したICタグ10との距離が確保されている。従って、離隔アンテナ線から放射される電磁波による他列のICタグ10との干渉を防止することができる。これにより、列アンテナ部31a〜31jを搬送方向に間隔をおいて配置しなくてもよく、装置を小型化することができる。
なお、本実施の形態では、近接アンテナ線(第2アンテナパターン313b及び第4アンテナパターン313d)及び離隔アンテナ線(第1アンテナパターン313a及び第3アンテナパターン313c)が形成されたプリント基板312が第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と垂直に配置されている。従って、ループ状アンテナ素子313のアンテナ面も第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と垂直に配置され、離隔アンテナ線は、近接アンテナ線に対して鉛直上方に配置されている。このレイアウトでは、離隔アンテナ線からICタグ連続体1の幅方向に放射される電磁波が最小化され、好適である。しかし、ループ状アンテナ素子313のアンテナ面を第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1に対し斜めに配置して、離隔アンテナ線を近接アンテナ線に対して斜め上方に配置しても、離隔アンテナ線は、依然として第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1から近接アンテナ線よりも離れて配置されているため、一定の効果を奏することは明らかである。
第3アンテナ部33は、第2搬送部63の上方に対向して配置されている。第3アンテナ部33は、第1アンテナ部31及び第2アンテナ部32とは異なる電波方式でICタグ10と通信を行う通信アンテナである。第3アンテナ部33は、ICタグ10に識別データを書き込むために用いられる。
印字装置4は、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10の表面に製品や生産者のデータやそれらをコード化したバーコード等の印字を施す印字手段である。以下、ICタグ10の表面に印字する製品や生産者のデータやそれらをコード化したバーコード等のデータを印字データと称する。印字装置4は、図11を参照すると、印字部41と、光定着部42と、フィルター部43と、図1を参照すると、第2トラクタフィーダ部64と、第3搬送部65と、排出ローラ66と、第5負圧吸引部75とを備えている。
第2トラクタフィーダ部64は、前処理装置3からのICタグ連続体1を受け入れる最上流に配置され、図11を参照すると、駆動ローラ64aと従動ローラ64bとの間に掛け渡されて回動する無端ベルト64cと、駆動ローラ64aを介して無端ベルト64cを回動させる第2トラクタフィーダ駆動モータ64dとを備え、無端ベルト64cには、ICタグ連続体1のスプロケットホール11と係合する送りピン64eが形成されている。これにより、第2トラクタフィーダ部64は、無端ベルト64cを回動させることにより、送りピン64eが順次、スプロケットホール11に係脱可能に係合してICタグ連続体1を下流側の印字部41に向けて牽引搬送する。また、第2トラクタフィーダ部64の駆動ローラ64aには、駆動ローラ64aの回転を検出する第2ロータリエンコーダ部92が備えられている。第2トラクタフィーダ部64と印字部41との間には、ICタグ連続体1の検出マーク12を検出する第4センサ84が設けられている。これにより、第4センサ84及び第2ロータリエンコーダ部92の検出結果によって、印字装置4におけるICタグ連続体1(ICタグ10)の位置が検出可能に構成されている。
印字部41は、レーザ光によって感光ドラムに潜像を形成し、この潜像をトナーで現像した後、ICタグ10の表面に転写するレーザ等の電子写真方式が採用されている。印字部41は、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10の表面に製品や生産者のデータやそれらをコード化したバーコード等の印字を施すと共に、ICタグ10以外の頁先頭付近の領域、例えばスプロケットホール11が形成されている領域に頁番号を印字する。なお、印字部41の印字方式は、電子写真方式に限定するものではなく、熱転写式、感熱式やインクジェット式であっても良い。
第3搬送部65は、印字部41の下流側に配置されており、駆動ローラ65aと従動ローラ65bとの間に掛け渡されて回動する無端の搬送ベルト65cと、駆動ローラ65aを介して搬送ベルト65cを回動させる第3搬送ベルト駆動モータ65dとを備えている。第3搬送部65は、搬送ベルト65cを回動させることにより、搬送ベルト65cの上面に載置されたICタグ連続体1を下流側の排出ローラ66を介して後処理装置5に向けて搬送する。
また、上側の搬送ベルト65c下方の駆動ローラ65aと従動ローラ65bとの間の位置には、支持板65eが上側の搬送ベルト65c下面(内周面)と接触する位置に配置されている。従って、ICタグ連続体1を上流側から下流側に向かって搬送する際には、搬送ベルト65cは、支持板65e上を摺動されながら回動されることになる。
支持板65eの搬送ベルト65cと対向する箇所には、第5負圧吸引部75の第5吸引ファン75aの回転によって空気が吸引される吸引孔が搬送方向に沿って複数形成されている。そして、搬送ベルト65cには、多数の貫通孔が形成されている。従って、第5負圧吸引部75による負圧によってICタグ連続体1は、搬送ベルト65cに密着された状態で搬送されることになる。
光定着部42は、第3搬送部65によって搬送されるICタグ連続体1の表面に対して、キセノン管等を使用したフラッシュ光を照射することで、印字部41よって転写されたトナーを融解させてトナー像を定着させる。これにより、ICタグ10にダメージ(外力)を与えることなく、非接触でトナー像を定着させることができる。
フィルター部43は、光定着部42による光定着の際に発生するガスや異臭を消すためのエアフィルターである。
後処理装置5は、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10に識別データが正しく書き込まれたことを検証すると共に、識別データを正しく書き込めなかったICタグ10に目印を施す。後処理装置5は、図12を参照すると、第4アンテナ部51と、エンボス処理部52と、第4搬送部67と、第6負圧吸引部76と、第7負圧吸引部77と、頁番号読取部93と、第5センサ85と、第6センサ86と、第7センサ87とを備えている。
第4搬送部67は、印字装置4からのICタグ連続体1を受け入れる後処理装置5の最上流に配置され、駆動ローラ67aと従動ローラ67bとの間に掛け渡されて回動する無端の搬送ベルト67cと、駆動ローラ67aを介して搬送ベルト67cを回動させる第4搬送ベルト駆動モータ67dとを備えている。第4搬送部67は、搬送ベルト67cを回動させることにより、搬送ベルト67cの上面に載置されたICタグ連続体1を下流側のエンボス処理部52に向けて搬送する。なお、第4搬送部67と、エンボス処理部52との間には、ICタグ連続体1の検出マーク12を検出する第6センサ86が設けられ、頁の先頭が第4搬送部67とエンボス処理部52との間に到達したことを検出可能に構成されている。また、エンボス処理部52の排出口には、ICタグ連続体1の検出マーク12を検出する第7センサ87が設けられ、エンボス処理部52でのジャム等を検出可能に構成されている。
また、上側の搬送ベルト67c下方の駆動ローラ67aと従動ローラ67bとの間の位置には、支持板67eが上側の搬送ベルト67c下面(内周面)と接触する位置に配置されている。従って、ICタグ連続体1を上流側から下流側に向かって搬送する際には、搬送ベルト67cは、支持板67e上を摺動されながら回動されることになる。
支持板67eの搬送ベルト67cと対向する箇所には、第6負圧吸引部76の第6吸引ファン76aの回転によって空気が吸引される吸引孔と、第7負圧吸引部77の第7吸引ファン77aの回転によって空気が吸引される吸引孔とが搬送方向に沿って複数形成されている。そして、搬送ベルト67cには、多数の貫通孔が形成されている。従って、第6負圧吸引部76及び第7負圧吸引部77による負圧によってICタグ連続体1は、搬送ベルト67cに密着された状態で搬送されることになる。
第5センサ85は、印字装置4からのICタグ連続体1を受け入れる後処理装置5における最上流付近に配置され、頁の先頭が後処理装置5に到達したことを検出可能に構成されている。また、頁番号読取部93も、印字装置4からのICタグ連続体1を受け入れる最上流付近に配置され、第5センサ85によって頁の先頭が後処理装置5に到達したことが検出されると、ICタグ連続体1の表面を撮影することで、印字装置4で印字された頁番号を読み取る。
第4アンテナ部51は、第4搬送部67の上方に対向して配置されている。第4アンテナ部51は、第1アンテナ部31及び第2アンテナ部32とは異なる電波方式でICタグ10と通信を行う通信アンテナである。第4アンテナ部51は、第4搬送部67によって搬送されているICタグ10からタグIDとICタグ10に書き込んだ識別データとを読み取るために用いられる。
エンボス処理部52は、図12を参照すると、複数列のICタグ10のそれぞれに対応してカッター部材53がそれぞれ設けられている。カッター部材53は、ICタグ10の端部の一部を切断して、折り曲げるエンボス処理を行う目印付与手段である。そして、エンボス処理部52は、識別データを正しく書き込めなかったICタグ10に対し、カッター部材53を用いてその端部の一部を切起こして、折り曲げるエンボス処理を行う。
第1アンテナ部31及び第2アンテナ部32と、第3アンテナ部33と、第4アンテナ部51とは、第1搬送部62の搬送ベルト62c及び支持板62eと、第2搬送部63の搬送ベルト63c及び支持板63eと、第4搬送部67の搬送ベルト67c及び支持板67eとそれぞれ対向配置されている。従って、搬送ベルト62c、63c、67cと、支持板62e、63e、67eとは、各アンテナ部と相対するICタグ連続体1(ICタグ10)との間で行われる交信を良好に保つために、ICタグ連続体1(ICタグ10)のアンテナの共振周波数が変動しないよう低誘電率であることが好ましい。また、搬送ベルト62c、63c、67cは、支持板62e、63e、67eの方向にそれぞれ負圧された状態で摺動するため、搬送ベルト62c、63c、67cと、支持板62e、63e、67eとの摺動による摩耗が少ないこと、搬送ベルト62c、63c、67c及び支持板62e、63e、67eが耐摩擦性に優れ(摩擦係数の低い素材)、帯電しづらいことが重要である。そこで、本実施の形態では、搬送ベルト62c、63c、67cとしてウレタンベルトを採用すると共に、支持板62e、63e、67eとしてPOM(ポリアセタール樹脂)プレートを採用した。
次に、本実施の形態のICタグ発行装置の動作を制御する制御部の構成について図13乃至図15を参照して詳細に説明する。
本実施の形態のICタグ発行装置は、図13を参照すると、搬送制御部101と、書込制御部102と、印字制御部103と、情報記憶部110と、タグID読取部121と、第1識別データ書込部122と、第2識別データ書込部123と、識別データ読取部124とを備えている。
搬送制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューター等の情報処理部である。搬送制御部101のROMには、ICタグ連続体1の搬送制御を行うための制御プログラムが記憶されている。搬送制御部101は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、位置センサ群(第1センサ81、第1ロータリエンコーダ部91、第2センサ82、第3センサ83、第4センサ84、第2ロータリエンコーダ部92、第5センサ85、第6センサ86、第7センサ87)からの入力に応じて搬送構成要素群(第1トラクタフィーダ駆動モータ61d、第1搬送ベルト駆動モータ62d、第2搬送ベルト駆動モータ63d、第2トラクタフィーダ駆動モータ64d、第3搬送ベルト駆動モータ65d、第4搬送ベルト駆動モータ67d)と、吸引構成要素群(第1吸引ファン71a、第2吸引ファン72a、第3吸引ファン73a、第4吸引ファン74a、第5吸引ファン75a、第6吸引ファン76a、第7吸引ファン77a)とを制御してICタグ連続体1を搬送させる。
書込制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューター等の情報処理部である。書込制御部102のROMには、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10に識別データを書き込むための制御プログラムが記憶されている。書込制御部102は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、通信構成要素群(タグID読取部121、第1識別データ書込部122、第2識別データ書込部123、識別データ読取部124)を制御してICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10に識別データを書き込む。
印字制御部103は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューター等の情報処理部である。印字制御部103のROMには、印字部41及び光定着部42を動作させる制御プログラムが記憶されている。印字制御部103は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、印字部41及び光定着部42を制御してICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10の表面に印字データを印字させる。
情報記憶部110は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、製品情報記憶部111と、頁情報記憶部112と、再発行情報記憶部113とを備えている。
製品情報記憶部111は、図示しないネットワークや各種記録メディアを介して入力された製品情報を記憶する記憶手段である。製品情報は、図14に示すように、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10に書き込む識別データ(管理番号等)と、ICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10の表面に印字する印字データ(製品番号、製品名等)と、識別データを書き込んだICタグ10のタグIDとからなる一覧情報である。なお、タグIDは、ICタグ10に識別データを書き込むまでは、図14(a)に示すように空欄であり、ICタグ10に識別データを書き込んだ後に、図14(b)に示すように識別データを書き込んだICタグ10のタグIDが記述される。
頁情報記憶部112は、ICタグ連続体1の1頁毎に生成される頁情報を記憶する記憶手段である。頁情報は、図15(a)を参照すると、タグIDの頁上の位置を示す行列情報と、読み取ったタグIDと、1頁のそれぞれのICタグ10に書き込む識別データ(管理番号等)と、1頁のそれぞれのICタグ10の表面に印字する印字データ(製品番号、製品名等)と、識別データを書き込んだICタグ10のタグIDとからなる。なお、頁情報記憶部112として、書込制御部102や印字制御部103のRAM上に記憶領域を確保して、バッファとして用いるようにしても良い。
再発行情報記憶部113は、最後にまとめて再発行する再発行情報を記憶する記憶手段である。再発行情報は、図15(b)を参照すると、ICタグ10への書き込みに失敗した識別データと、対応する印字データ(製品番号、製品名等)とからなる。
タグID読取部121は、第1アンテナ部31を用いて、第1搬送部62によって搬送されているICタグ連続体1のICタグ10からタグIDを電磁方式で読み取るリーダライタである。なお、タグID読取部121は、周波数の異なる複数のチャンネルでICタグ10と通信を行う機能を有しており、少なくとも幅方向及び斜め方向に隣り合う列アンテナ部31a〜31jでは、異なるチャンネルを用いるように構成されている。
第1識別データ書込部122は、第2アンテナ部32を用いて、第1搬送部62によって搬送されているICタグ連続体1のICタグ10に識別データを電磁方式で書き込むリーダライタである。なお、第1識別データ書込部122は、周波数の異なる複数のチャンネルでICタグ10と通信を行う機能を有しており、少なくとも幅方向及び斜め方向に隣り合う列アンテナ部32a〜32jでは、異なるチャンネルを用いるように構成されている。
第2識別データ書込部123は、第3アンテナ部33を用いて、第2搬送部63によって搬送されているICタグ連続体1のICタグ10に識別データを電波方式で書き込むリーダライタである。
識別データ読取部124は、第4アンテナ部51を用いて、第4搬送部67によって搬送されているICタグ連続体1のICタグ10からタグIDと識別データとを電波方式で読み取るリーダライタである。
次に、本実施の形態のICタグ発行装置の発行動作について図16乃至図18を参照して詳細に説明する。
ICタグ連続体1が第1トラクタフィーダ部61にセットされ、図示しないスタートボタンが押下されると、搬送制御部101は、搬送構成要素群(第1トラクタフィーダ駆動モータ61d、第1搬送ベルト駆動モータ62d、第2搬送ベルト駆動モータ63d、第2トラクタフィーダ駆動モータ64d、第3搬送ベルト駆動モータ65d、第4搬送ベルト駆動モータ67d)を制御してICタグ連続体1を搬送させる。なお、本実施の形態のICタグ発行装置では、印字装置4の印字速度を基準としてICタグ連続体1の搬送が行われ、前処理装置3及び後処理装置5では、ICタグ連続体1が常に搬送されている状態で一連の処理が行われることになる。
図16を参照すると、搬送制御部101は、第1トラクタフィーダ部61の近傍に設けられた第1センサ81による検出マーク12の検出を待機する(ステップA01)。そして、第1センサ81によって頁の開始を知らせる検出マーク12が検出されると、書込制御部102に検出マーク12の検出を通知する。
そして、検出マーク12の検出が通知された書込制御部102は、空欄の頁情報を生成する(ステップA02)。次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第1行目のICタグ10の第1アンテナ部31において上流側に位置する列アンテナ部31a〜31eへの到達を待機する(ステップA03)。具体的には、第1行目奇数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部31a〜31eのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第1行目のICタグ10が第1アンテナ部31において上流側に位置する列アンテナ部31a〜31eに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、タグID読取部121によって第1行目の奇数列のICタグ10からタグIDをそれぞれ読み取り(ステップA04)、読み取ったタグIDをステップA02で生成した頁情報に記述する(ステップA05)。タグIDを読み取ることができなかったICタグ10のデータレコードは空欄の状態で維持される。図17(a)には、第1行目の奇数列の全てのICタグ10からタグIDをそれぞれ読み取ることに成功し、読み取ったタグIDが頁情報に記述されている状態が示されている。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第1行目のICタグ10の第1アンテナ部31において下流側に位置する列アンテナ部31f〜31jへの到達を待機する(ステップA06)。具体的には、第1行目偶数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部31f〜31jのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第1行目のICタグ10が第1アンテナ部31において下流側に位置する列アンテナ部31f〜31jに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、タグID読取部121によって第1行目の偶数列のICタグ10からタグIDをそれぞれ読み取り(ステップA07)、読み取ったタグIDをステップA02で生成した頁情報に記述する(ステップA08)。
この時点で、タグIDが記述されているか否かで第1行目の正常なICタグ10が判断される。書込制御部102は、第1行目の正常なICタグ10に記憶させる識別データと印字データとを製品情報から順次読み出して、タグIDが記述されている頁情報のデータレコードに読み出した識別データ及び印字データを記述する(ステップA09)。図17(b)には、第1行目の偶数列の全てのICタグ10からもタグIDをそれぞれ読み取ることに成功し、頁情報において第1行目の全てのデータレコードにタグIDがそれぞれ記述され、さらに製品情報から読み出した識別データ及び印字データが記述されている状態が示されている。なお、製品情報から読み出されて頁情報に記述された識別データ及び印字データは、再び製品情報から読み出されて頁情報に記述されることがないようにフラグ等によって制御される。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第2行目のICタグ10の第1アンテナ部31において上流側に位置する列アンテナ部31a〜31eへの到達を待機する(ステップA10)。具体的には、第2行目奇数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部31a〜31eのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第2行目のICタグ10が第1アンテナ部31において上流側に位置する列アンテナ部31a〜31eに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、タグID読取部121によって第2行目の奇数列のICタグ10からタグIDをそれぞれ読み取り(ステップA11)、読み取ったタグIDをステップA02で生成した頁情報に記述する(ステップA12)。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第2行目のICタグ10の第1アンテナ部31において下流側に位置する列アンテナ部31f〜31jへの到達を待機する(ステップA13)。具体的には、第2行目偶数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部31f〜31jのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第2行目のICタグ10が第1アンテナ部31において下流側に位置する列アンテナ部31f〜31jに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、タグID読取部121によって第2行目の偶数列のICタグ10からタグIDをそれぞれ読み取り(ステップA14)、読み取ったタグIDをステップA02で生成した頁情報に記述する(ステップA15)。この時点で、タグIDが記述されているか否かで第2行目の正常なICタグ10が判断される。書込制御部102は、第2行目の正常なICタグ10に記憶させる識別データと印字データとを製品情報から順次読み出して、タグIDが記述されている頁情報のデータレコードに読み出した識別データ及び印字データを記述する(ステップA16)。図15(a)には、第2行第1列のICタグ10からタグIDを読みとることができず、第2行第1列のデータレコードが空欄になっている状態が示されている。
なお、ステップA04、A07、A11、A14でのタグIDの読み取りは、ICタグ10が列アンテナ部31a〜31jの通信領域から外れるまで(ICタグ10のループ状アンテナ素子14aが列アンテナ部31a〜31jのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線から外れるまで)、複数回行うようにしても良い。
ステップA1〜A16で行われるタグIDの読み取り動作は、ICタグ10が正常に機能しているか否かを判断するために行われている。従って、頁情報においてタグIDが記述されているか否かでICタグ10が正常か否を判断されることになる。
また、ステップA06での第1行目のICタグ10が第1アンテナ部31において下流側に位置する列アンテナ部31f〜31jに到達するタイミングと、ステップA10での第2行目のICタグ10が第1アンテナ部31において上流側に位置する列アンテナ部31a〜31eに到達するタイミングとは、ICタグ10のピッチや列アンテナ部31a〜31jの大きさやレイアウトによって相前後したり、ほぼ同時になったりすることがある。この場合、上流側に位置する列アンテナ部31a〜31eと、下流側に位置する列アンテナ部31f〜31jとで同時に通信が行われることになるが、斜め方向に隣り合う列アンテナ部31a〜31jでは、異なるチャンネルを用いて通信を行っているため、干渉を防止して対象とするICタグ10と確実に通信を行うことができる。
図18を参照すると、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第1行目のICタグ10の第2アンテナ部32において上流側に位置する列アンテナ部32a〜32eへの到達を待機する(ステップB01)。具体的には、第1行目奇数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部32a〜32eのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第1行目のICタグ10が第2アンテナ部32において上流側に位置する列アンテナ部32a〜32eに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、第1識別データ書込部122によって第1行目の奇数列のICタグ10に対して頁情報に記述された識別データを書き込み(ステップB02)、全てで書き込みが成功したか否かを判断する(ステップB03)。そして、ステップB03で全ての書き込みが成功することなく、書込制御部102は、識別データの書き込みに失敗したICタグ10がある場合には、書き込みに失敗した識別データを含むデータレコード(タグIDと識別データ)を頁情報から抽出して(ステップB04)、RAM等に一時記憶する。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第1行目のICタグ10の第2アンテナ部32において下流側に位置する列アンテナ部32f〜32jへの到達を待機する(ステップB05)。具体的には、第1行目偶数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部32f〜32jのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第1行目のICタグ10が第2アンテナ部32において下流側に位置する列アンテナ部32f〜32jに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、第1識別データ書込部122によって第1行目の偶数列のICタグ10に対して頁情報に記述された識別データを書き込み(ステップB06)、全てで書き込みが成功したか否かを判断する(ステップB07)。そして、ステップB07で全ての書き込みが成功することなく、書込制御部102は、識別データの書き込みに失敗したICタグ10がある場合には、書き込みに失敗した識別データを含むデータレコード(タグIDと識別データ)を頁情報から抽出して(ステップB08)、RAM等に一時記憶する。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第2行目のICタグ10の第2アンテナ部32において上流側に位置する列アンテナ部32a〜32eへの到達を待機する(ステップB09)。具体的には、第2行目奇数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部32a〜32eのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第2行目のICタグ10が第2アンテナ部32において上流側に位置する列アンテナ部32a〜32eに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、第1識別データ書込部122によって第2行目の奇数列のICタグ10に対して頁情報に記述された識別データを書き込み(ステップB10)、全てで書き込みが成功したか否かを判断する(ステップB11)。そして、ステップB11で全ての書き込みが成功することなく、書込制御部102は、識別データの書き込みに失敗したICタグ10がある場合には、書き込みに失敗した識別データを含むデータレコード(タグIDと識別データ)を頁情報から抽出して(ステップB12)、RAM等に一時記憶する。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、第2行目のICタグ10の第2アンテナ部32において下流側に位置する列アンテナ部32f〜32jへの到達を待機する(ステップB13)。具体的には、第2行目偶数列のICタグ10のループ状アンテナ素子14aの全てが列アンテナ部32f〜32jのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線と対向する位置に到達したと判断される。
第2行目のICタグ10が第2アンテナ部32において下流側に位置する列アンテナ部32f〜32jに到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、第1識別データ書込部122によって第2行目の偶数列のICタグ10に対して頁情報に記述された識別データを書き込み(ステップB14)、全てで書き込みが成功したか否かを判断する(ステップB015)。そして、ステップB15で全ての書き込みが成功することなく、書込制御部102は、識別データの書き込みに失敗したICタグ10がある場合には、書き込みに失敗した識別データを含むデータレコード(タグIDと識別データ)を頁情報から抽出して(ステップB16)、RAM等に一時記憶する。
なお、ステップB02、B06、B10、B13での識別データの書き込みは、ICタグ10が列アンテナ部32a〜32jの通信領域から外れるまで(ICタグ10のループ状アンテナ素子14aが列アンテナ部32a〜32jのループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線から外れるまで)、複数回行うようにしても良い。
なお、ステップB02、B06、B10、B14での識別データの書き込みは、タグIDを読み取ることができ、頁情報に識別データが記述されているICタグ10に対して行われる。また、ステップB02、B06、B10、B14での識別データの書き込みは、対象のICタグ10が特定されているため、ICタグ10のタグIDを確認することなく、直接行われる。さらに、ステップB05での第1行目のICタグ10が第2アンテナ部32において下流側に位置する列アンテナ部32f〜32jに到達するタイミングと、ステップB09での第2行目のICタグ10が第2アンテナ部32において上流側に位置する列アンテナ部32a〜32eに到達するタイミングとは、ICタグ10のピッチや列アンテナ部32a〜32jの大きさやレイアウトによって相前後したり、ほぼ同時になったりすることがある。この場合、上流側に位置する列アンテナ部32a〜32eと、下流側に位置する列アンテナ部32f〜32jとで同時に通信が行われることになるが、斜め方向に隣り合う列アンテナ部32a〜32jでは、異なるチャンネルを用いて通信を行っているため、干渉を防止して対象とするICタグ10と確実に通信を行うことができる。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、ステップB02、B06、B10、B13で識別データの書き込みを行ったICタグ10の第3アンテナ部32の通信領域への到達を待機する(ステップB17)。そして、ステップB02、B06、B10、B13で識別データの書き込みを行ったICタグ10が第3アンテナ部33の通信領域に到達すると、その旨が搬送制御部101から書込制御部102に通知される。書込制御部102は、ステップB02、B06、B10、B13での識別データの書き込みに失敗したICタグ10に対し、第2識別データ書込部123によって識別データを書き込む(ステップB18)。第2識別データ書込部123は、ステップB04、B08、B12、B16で抽出したデータレコードに基づき、タグIDを指定してICタグ10に識別データを書き込む。
なお、第2識別データ書込部123は第3アンテナ部33を用いて電波方式でICタグ10と通信を行うため、電磁方式に比べて通信領域は広いが、第1アンテナ部31と第2アンテナ部32はICタグ連続体1に対向する面以外が電磁的にシールドされているため、タグID読取部121や第1識別データ書込部122による通信との干渉が防止されている。
次に、搬送制御部101は、第1ロータリエンコーダ部91の検出結果によって、ICタグ連続体1の搬送距離を把握し、印字装置4に該当頁の到達を通知する。そして、印字装置4は、第4センサ84によって検出マーク12を検出することで該当頁の先頭を検出し、該当頁に頁番号を印字すると共に、該当頁のICタグ10の表面に頁情報に記述されている印字データをそれぞれ印字する(ステップB19)。
次に、搬送制御部101は、後処理装置5の第5センサ85は、第5センサ85によって該当頁の検出マーク12が検出されると、頁番号読取部93及び書込制御部102に検出マーク12の検出を通知し、頁番号読取部93に該当頁に印字された頁番号を読み取る(ステップB20)。頁番号の読み取りは、頁を特定するために行われる。従って、頁番号以外にバーコード等の記号を印字して読み取るようにしても良いが、ユーザが頁を直接認識することができる頁番号を印字することで、人手による点検を容易に行うことができる。
次に、書込制御部102は、識別データ読取部124によって第4アンテナ部51を用いて、第4搬送部67によって搬送されているICタグ連続体1のICタグ10からタグID及び識別データを読み取る(ステップB21)。そして、書込制御部102は、ステップB21で読み取ったタグID及び識別データと、頁番号読取部93によって読み取った頁番号の頁情報とを比較し(ステップB22)、全てが一致するか否かを判断する(ステップB23)。
ステップB23で不一致のデータレコードがある場合、すなわち頁情報に記述されている識別データを読み取ることができなかったり、頁情報とは異なるタグIDのICタグ10に識別データが書き込まれていたりした場合には、不一致のデータレコードとして識別データと印字データとを再発行情報記憶部113に再発行情報として記述する(ステップB24)。図15(b)には、第1行第5列のICタグ10から頁情報に記述されている識別データを読み取ることができず、第1行第5列の識別データと印字データが再発行情報として記述された例が示されている。
次に、図14(b)に示すように、識別データをキーにしてステップB23で一致のデータレコードのタグIDを製品情報に記述して(ステップB25)、1頁の発行動作を終了する。なお、ステップA01〜ステップB25の発行動作は、頁毎に並行処理される。そして、製品情報に基づく発行動作が終了した後、再発行情報に基づく発行動作が行われる。
書込制御部102は、タグIDを読み取ることができなかったICタグ10と、識別データが頁情報と一致しなかったICタグ10との位置情報をエンボス処理部52に通知する。そして、エンボス処理部52は、タグIDを読み取ることができなかったICタグ10と、識別データが頁情報と一致しなかったICタグ10とにエンボス処理を施して発行する。
これにより、発行されたICタグ連続体1を切断して整列させた際に、識別データを正しく書き込むことができなかったICタグ10を簡単に選別することができ、再発行情報に基づいて発行されたICタグ10と差し替えることができる。
なお、本実施の形態では、ICタグ10が10列*2行で1頁を構成するようにしたが、1頁を構成する列数及び行数は任意である。そして、1頁を構成するICタグ10の列数やサイズに応じて、第1アンテナ部31における列アンテナ部31a〜31jと、第2アンテナ部32における列アンテナ部32a〜32jとの数やレイアウトが適宜設定される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ICタグ連続体1として整列している複数列のICタグ10に対して列毎にそれぞれ対向して配置された複数の列アンテナ部31a〜31jを備え、搬送されるICタグ連続体1のそれぞれのICタグ10と複数の列アンテナ部31a〜31jを用いてそれぞれ電磁方式で通信を行うICタグ発行装置であって、列アンテナ部31a〜31jのアンテナ素子は、ICタグ連続体1の搬送方向と平行に配置された近接アンテナ線(第2アンテナパターン313b及び第4アンテナパターン313d)と、当該近接アンテナ線と平行に、且つ搬送されるICタグ連続体1から近接アンテナ線よりも離れて配置された離隔アンテナ線(第1アンテナパターン313a及び第3アンテナパターン313c)とを有するループ状アンテナ素子313である。
この構成により、第1搬送部62によって搬送されるICタグ連続体1と近接アンテナ線及び離隔アンテナ線とのそれぞれの距離が異なり、近接アンテナ線から放射される電磁波を用いてICタグ10と通信を行うことで、ループ状アンテナ素子313からの出力(電力)を上げることなく、確実に読み書きすることができる。また、離隔アンテナ線がICタグ10から近接アンテナ線よりも離れて配置されているため、離隔アンテナ線と隣接したICタグ10との距離が確保され、離隔アンテナ線から放射される電磁波による隣接したICタグ10との干渉を防止することができる。さらに、第1アンテナ部31(ループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線)とICタグ10(ループ状アンテナ素子14a)とが対向した状態では、第1アンテナ部31とICタグ10との相対位置に拘わらず、同じ条件で通信を行うことができる。従って、安定した通信特性で書き込み又は読み取りを行うことができ、例えば大量発行を目的としてICタグの搬送速度を上げても、通信を確実に行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、ループ状アンテナ素子313は、ICタグ連続体1の搬送方向を長手方向とする略矩形状に形成され、近接アンテナ線と離隔アンテナ線とが長辺に配置されている。
この構成により、ICタグ連続体1の搬送方向において、近接アンテナ線から放射される電磁波が略均一な領域を長い距離確保することができ、安定した通信特性で書き込み又は読み取りを行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、ループ状アンテナ素子313は、ICタグ連続体1の搬送方向を長手方向とする略矩形状のプリント基板312に形成され、近接アンテナ線は、プリント基板312の一辺(近接端部312a)に沿って形成されている。
この構成により、プリント基板312を位置決めすることで、ICタグ連続体1に対して近接配置するループ状アンテナ素子313の近接アンテナ線を簡単に位置決めすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ループ状アンテナ素子303のアンテナ面は、搬送されるICタグ連続体1と垂直に配置されている。
この構成により、離隔アンテナ線からICタグ連続体1の幅方向に放射される電磁波が最小化される。
さらに、本実施の形態によれば、ICタグ連続体1を搬送ベルト62cに吸引しながら搬送する第1搬送部62を備え、複数の列アンテナ部31a〜31jは、第1搬送部62よって搬送されるICタグ連続体1のICタグ10と対向して配置されている。
この構成により、ICタグ連続体1のICタグ10が列アンテナ部31a〜31jと確実に正対した状態で通信を行うことができ、通信精度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ループ状アンテナ素子313のICタグ10に対向する向き以外の面を覆う導電性物質で構成されたアンテナケース315を備え、アンテナケース315には、反射抑制用開口315bが形成されている。
この構成により、ループ状アンテナ素子313から上方及び側方に向かって放射される電磁波の反射を防止し、通信を良好に行うことができる。
以上、本発明を具体的な実施形態で説明したが、上記実施形態は一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更して実施できることは言うまでも無い。
1 ICタグ連続体
2 載置台
3 前処理装置
4 印字装置
5 後処理装置
10 ICタグ
11 スプロケットホール
12 検出マーク
13 インレイ
13a 基材
14 アンテナ
14a ループ状アンテナ素子
14b ダイポールアンテナ素子
14c メアンダラインアンテナ素子
15 ICチップ
21 載置板
31 第1アンテナ部
31a〜31j 列アンテナ部
32 第2アンテナ部
32a〜32j 列アンテナ部
33 第3アンテナ部
41 印字部
42 光定着部
43 フィルター部
51 第4アンテナ部
52 エンボス処理部
53 カッター部材
61 第1トラクタフィーダ部
61a 駆動ローラ
61b 従動ローラ
61c 無端ベルト
61d 第1トラクタフィーダ駆動モータ
61e 送りピン
62 第1搬送部
62a 駆動ローラ
62b 従動ローラ
62c 搬送ベルト
62d 第1搬送ベルト駆動モータ
62e 支持板
62f 貫通孔
63 第2搬送部
63a 駆動ローラ
63b 従動ローラ
63c 搬送ベルト
63d 第2搬送ベルト駆動モータ
63e 支持板
63f 貫通孔
64 第2トラクタフィーダ部
64a 駆動ローラ
64b 従動ローラ
64c 無端ベルト
64d 第2トラクタフィーダ駆動モータ
64e 送りピン
65 第3搬送部
65a 駆動ローラ
65b 従動ローラ
65c 搬送ベルト
65d 第3搬送ベルト駆動モータ
65e 支持板
66 排出ローラ
67 第4搬送部
67a 駆動ローラ
67b 従動ローラ
67c 搬送ベルト
67d 第4搬送ベルト駆動モータ
67e 支持板
71 第1負圧吸引部
71a 第1吸引ファン
71b 吸引孔
72 第2負圧吸引部
72a 第2吸引ファン
72b 吸引孔
73 第3負圧吸引部
73a 第3吸引ファン
73b 吸引孔
74 第4負圧吸引部
74a 第4吸引ファン
74b 吸引孔
75 第5負圧吸引部
75a 第5吸引ファン
76 第6負圧吸引部
76a 第6吸引ファン
77 第7負圧吸引部
77a 第7吸引ファン
81 第1センサ
82 第2センサ
83 第3センサ
84 第4センサ
85 第5センサ
86 第6センサ
87 第7センサ
91 第1ロータリエンコーダ部
92 第2ロータリエンコーダ部
93 頁番号読取部
101 搬送制御部
102 書込制御部
103 印字制御部
110 情報記憶部
111 製品情報記憶部
112 頁情報記憶部
113 再発行情報記憶部
121 タグID読取部
122 第1識別データ書込部
123 第2識別データ書込部
124 識別データ読取部
310 シールド板
311a〜311j 開口部
312 プリント基板
312a 近接端部
312b 離隔端部
313 ループ状アンテナ素子
313a 第1アンテナパターン
313b 第2アンテナパターン
313c 第3アンテナパターン
313d 第1アンテナパターン
314 アンテナ端子
315 アンテナケース
315a 端子用開口
315b 反射抑制用開口
316 カバー板
316a アンテナ用開口
316b 嵌合部
C1〜C5 コンデンサ
CN1 第1コネクタパターン
CN2 第2コネクタパターン
CN3 第3コネクタパターン
L1〜L2 インダクタ
R1〜R3 抵抗

Claims (6)

  1. ICタグ連続体として整列している複数列のICタグに対して列毎にそれぞれ対向して配置された複数の列アンテナ部を備え、搬送される前記ICタグ連続体のそれぞれの前記ICタグと複数の前記列アンテナ部を用いてそれぞれ電磁方式で通信を行うICタグ発行装置であって、
    前記列アンテナ部のアンテナ素子は、前記ICタグ連続体の搬送方向と平行に配置された近接アンテナ線と、当該近接アンテナ線と平行に、且つ搬送される前記ICタグ連続体から前記近接アンテナ線よりも離れて配置された離隔アンテナ線とを有するループ状アンテナ素子であることを特徴とするICタグ発行装置。
  2. 前記ループ状アンテナ素子は、前記ICタグ連続体の搬送方向を長手方向とする略矩形状に形成され、前記近接アンテナ線と前記離隔アンテナ線とが長辺に配置されていることを特徴とする請求項1記載のICタグ発行装置。
  3. 前記ループ状アンテナ素子は、前記ICタグ連続体の搬送方向を長手方向とする略矩形状のプリント基板に形成され、
    前記近接アンテナ線は、前記プリント基板の一辺に沿って形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のICタグ発行装置。
  4. ループ状アンテナ素子のアンテナ面は、搬送される前記ICタグ連続体と垂直に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のICタグ発行装置。
  5. 前記ICタグ連続体を搬送ベルトに吸引しながら搬送する搬送部を備え、
    複数の前記列アンテナ部は、前記搬送部によって搬送される前記ICタグ連続体の前記ICタグと対向して配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のICタグ発行装置。
  6. 前記ループ状アンテナ素子の前記ICタグに対向する向き以外の面を覆う導電性物質で構成されたアンテナケースを具備し、
    前記アンテナケースには、反射抑制用開口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のICタグ発行装置。
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