JP6249241B2 - 金属板の表面欠陥検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板などの金属板表面の凹凸欠陥を光学的に検出するための検出方法に関するものであり、特に、溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する微小ドロス欠陥を検出するのに好適な検出方法に関する。
溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する欠陥の一つにドロス欠陥がある。このドロス欠陥は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造プロセスにおいて、亜鉛ポット内でボトムドロスが鋼板表面に付着して生成される凸状の欠陥であるが、亜鉛ポット下流でスキンパスミルの圧下を受けると鋼板内部に押し込められて潜在化してしまう。このため、溶融亜鉛めっき製造プロセス出側においては、特に微小なドロス欠陥は目視で認識できない場合が多い。一方、溶融亜鉛めっき鋼板はプレス成型により自動車のドア材やパネル材などに加工される。亜鉛を主成分とするドロス欠陥は母板である鋼板よりも硬いため、プレス加工によって欠陥発生面と反対の面に凸状の欠陥となって顕在化し、鋼板表面の美観を損ねる。このため、種々の表面欠陥の中でもドロス欠陥は最も有害性の高い欠陥の一つとされている。
溶融亜鉛めっき鋼板の表面品質に対する要求レベルは近年厳格化が進んでおり、寸法が0.2mm程度の欠陥(ドロス欠陥など)であっても問題にされるようになってきている。したがって、そのような欠陥を有する製品を出荷しないよう品質保証を行うことが重要である。
また、これらの欠陥は鋼板表面にランダムに発生する形態のものもあるため、鋼板全長に渡って検査を行う必要があり、そのための自動検査装置(特に、光学的な手法を用いた検査装置)の開発が進められている。
特許文献1には、照明手段と撮像手段を鋼板の進行方向に対して後方側に配置するとともに、照明手段による照明光の鋼板表面に対する入射角と、撮像手段の受光角を所定の角度範囲とした欠陥検査装置が示されており、この装置によれば、欠陥ではないバックグラウンドの影響を抑制し、微小な欠陥を撮像することができるとしている。
また、特許文献2では、照明手段と撮像手段に加えて、検査対象の画像を反射する反射面を有する画像反射手段を備えた表面検査装置が示されており、複数の角度からの欠陥画像を解析することにより、有害疵と汚れなどの無害疵の識別や、欠陥種類の判別が可能であるとしている。
特開2012−103017号公報 特開2011−53228号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、欠陥部分とバックグラウンド部分の輝度差によって欠陥識別は可能であるが、その欠陥種類の判別や重篤度の判別という処理については言及されておらず、このためそれらの判別は困難であると考えられる。
また特許文献2の装置では、画像反射手段があるため設備が複雑になること、反射板の手入れが適切に行われないと欠陥検出能力に影響を与えること、画像処理が複雑になるため検査対象が高速で移動する際には通信速度・計算速度を十分確保する必要があること、などの点が問題として挙げられる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、金属板の表面欠陥を検出する方法において、簡便な設備構成で欠陥種類や重篤度の判別を的確に行うことができる表面欠陥検出方法を提供することにある。
上記課題解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]金属板表面を照明して、金属板上の照明部分を撮像し、得られた画像情報をしきい値処理して金属板の表面欠陥を抽出する金属板の表面欠陥検査方法において、
得られた画像情報のなかで、画像輝度が暗部しきい値(a1)未満となる画像情報(s1)と画像輝度が明部しきい値(a2)を超える画像情報(s2)であって、両画像情報(s1),(s2)の部位(p1),(p2)間の距離が所定値(x)以下となる関係の画像情報(s1),(s2)がある場合、これら画像情報(s1),(s2)の部位(p1),(p2)(但し、当該部位(p1),(p2)間に他の部位がある場合にはこれを含む。)を合わせて1つの欠陥箇所として抽出することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[2]上記[1]の表面欠陥検出方法において、所定値(x)を0.1〜2.0mmの範囲で設定することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[3]上記[1]または[2]の表面欠陥検出方法において、一つの欠陥箇所において、画像情報(s1)の最低輝度点が、暗部しきい値(a1)よりも低輝度に設定された暗部しきい値(a10)未満となり、画像情報(s2)の最高輝度点が、明部しきい値(a2)よりも高輝度に設定された明部しきい値(a20)を超える場合に、当該欠陥箇所を有害欠陥と判定することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの表面欠陥検出方法において、欠陥箇所のアスペクト比(但し、金属板長手方向での長さ/金属板幅方向での長さ)が所定値(y)以下のものを有害欠陥と判定することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[5]上記[4]の表面欠陥検出方法において、所定値(y)を0.2〜2.0の範囲で設定することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの表面欠陥検出方法において、欠陥箇所の金属板幅方向での長さが所定値(z)以上のものを有害欠陥と判定することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[7]上記[6]の表面欠陥検出方法において、所定値(z)を0.05〜2.00mmの範囲で設定することを特徴とする金属板の表面欠陥検出方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの表面欠陥検出方法による表面欠陥検出を行う画像処理装置と欠陥判定装置を備えることを特徴とする表面欠陥検査装置。
本発明によれば、金属板の表面欠陥を検出する際に、暗い画像と明るい画像が近接しているときに、それらを合わせて1つの欠陥箇所として抽出することにより、従来法に較べて簡便な設備構成で欠陥種類や重篤度の判別を的確に行うことができる。
本発明に実施に供される表面欠陥検査装置の一例を示す説明図 本発明法の概念図 本発明において欠陥抽出を行う画像を模式的に示す図面 本発明において、欠陥抽出を行い且つ抽出された欠陥箇所が有害欠陥であるか否かを判定する画像を模式的に示す図面 本発明において、欠陥抽出を行い且つ抽出された欠陥箇所が有害欠陥であるか否かを判定する画像を模式的に示す図面
微小な欠陥には、実際の使用状況では害とならない汚れや微小異物と、加工・塗装時に問題となる欠陥がある。例えば、前者には極微量の油滴の飛散による汚れが、後者には溶融亜鉛めっき鋼板におけるドロス付着によるものがある。従来の手法では、上記の有害欠陥と無害欠陥を判別することが困難である。その理由は、有害欠陥と無害欠陥の表面粗さや光学的特性に差が無い場合、光学的手法では差異を見出すことができないからである。
そこで本発明では、欠陥部分だけでなく、その周辺の金属板部分が受ける影響を加味して欠陥の判定を行うものである。例えば、溶融亜鉛めっき鋼板におけるドロス付着の場合、ドロスが付着した付近の鋼板部分は、プロセスライン中にロールへの巻き付けや圧延の荷重がかかる際に微小な変形を起こす場合がある。この変形の有無は、鋼板をプレス成型や塗装して使用する場合に有害欠陥となるか否かに強い関係があることが分かっている。また、変形の大きさは、有害欠陥となる場合の重篤度の高さと相関があることが分かっている。
例えば、鋼板の進行方向に対して後方側に照明手段と撮像手段を有する検査装置の場合、溶融亜鉛めっき鋼板におけるドロス付着を考えると、ドロス付着部分は金属光沢を有するためバックグラウンドに対して暗い画像となる。また、その周辺の鋼板の変形部分は、照明の入射角度がバックグラウンドと異なるため、バックグラウンドに対して明るく見える部分が存在する。そこで、本発明では、この暗い画像と明るい画像が近接しているときに合わせて一つの欠陥箇所として抽出を行うことで、欠陥種類や重篤度の判別を的確に行うことができるようにしたものである。
本発明法は、金属板表面を照明して、金属板上の照明部分を撮像し、得られた画像情報をしきい値処理して金属板の表面欠陥を抽出する金属板の表面欠陥検査方法である。図1は、本発明に実施に供される表面欠陥検査装置の一例を示しており、この装置は、投光器1、撮像器2、画像処理装置3、欠陥判定装置4などで構成される。
前記投光器1は、金属板5(溶融亜鉛めっき鋼板など)の表面に光を投射するものである。照明の種類は特に限定されず、例えば、従来の表面欠陥検査で使われているハロゲン照明、メタルハライド照明、蛍光灯、LED照明、キセノンストロボ照明などを用いることができる。
前記撮像器2は、金属板5の表面から反射された光を撮像するものであり、例えばCCDエリアセンサカメラやCCDラインセンサカメラなどを用いることができる。撮像器2の空間分解能は、φ0.5mm以下の微小なドロス欠陥を検出するため、0.2mm以下にするのが適当である。
図1の例では、撮像器2が金属板5の法線に対して投光器1と同じ側(金属板5の進行方向に対して後方側)に配置されるとともに、投光器1の入射角αを金属板5の法線方向に対して50°〜80°に設定し、かつ、撮像器3の受光角βを金属板5の法線方向に対して0°〜40°に設定してある。
前記画像処理装置3は、撮像器2により得られた画像をしきい値処理して欠陥判定に必要な画像情報とする。前記欠陥判定装置4は、画像処理装置3で得られた画像情報に基づき、欠陥箇所の抽出と有害欠陥の判定などを行う。
撮像器2による撮像は、連続搬送される金属板(鋼板など)の全幅全長に対して所定の設備分解能(好ましくは0.2mm以下)のスポットで行われる。
本発明法では、例えば、以上のような表面欠陥検査装置において、撮像器2で撮像された画像を画像処理装置3で画像処理し、その画像情報(画像信号)のなかから欠陥判定装置4で欠陥部を検出するに当たり、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1(画像信号)と画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2(画像信号)であって、両画像情報s1,s2の部位p1,p2間の距離が所定値x以下となる関係の画像情報s1,s2がある場合、これら画像情報s1,s2の部位p1,p2(但し、当該部位p1,p2間に他の部位がある場合にはこれを含む。)を合わせて一つの欠陥箇所として抽出する。ここで、カッコ書きの意味は、部位p1,p2間の距離が所定値x以下であれば、部位p1と部位p2の間に他の部位、すなわち画像輝度が暗部しきい値a1以上、明部しきい値a2以下の画像情報の部位があっても、これも合わせて一つの欠陥箇所として抽出するということである。
ここで、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1は、通常、金属板上の付着物の画像情報であり、例えば、ドロス付着部分は金属光沢を有するためバックグラウンドに対して暗い画像となる。一方、画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2は、通常、付着物の周辺での金属板の変形部の画像情報であり、付着物周辺の金属板の変形部分は、照明の入射角度がバックグラウンドと異なるため、バックグラウンドに対して明るく見える部分が存在する。
図2(ア),(イ)は本発明法の概念図である。図2(ア)は、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1(画像信号)と画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2(画像信号)が得られた場合を示しており、検出画像に写っているのはドロス欠陥である。この例では、画像情報s1の両側に画像情報s2(画像情報s2、画像情報s2)がある。この場合、例えば、画像情報s1の部位p1と画像情報s2の部位p2間の距離xと、画像情報s1の部位p1と画像情報s2の部位p2間の距離xがいずれも所定値x以下であれば、画像情報s1の部位p1と画像情報s2,s2の両部位p2を合わせて1つの欠陥箇所として抽出する。また、画像情報s1の部位p1と画像情報s2の部位p2間の距離xが所定値x以下であるが、画像情報s1の部位p1と画像情報s2の部位p2間の距離xが所定値xを超える場合には、画像情報s2の部位p2は欠陥箇所から除外し、画像情報s1の部位p1と画像情報s2の部位p2のみを合わせて1つの欠陥箇所として抽出する。
また、図2(イ)は、画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2(画像信号)は得られず、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1(画像信号)のみが得られた場合を示しており、検出画像に写っているのは無害な黒点である。この場合には、画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2が得られていないので、欠陥箇所としては抽出されない。
従来法では、図2(イ)のような黒点と図2(ア)のようなドロス欠陥は判別できなかったが、本発明では、暗い画像と明るい画像が近接しているときに合わせて一つの欠陥箇所として抽出を行うことで、両者を的確に判別できる。
本発明において、画像情報s1の部位p1と画像情報s2の部位p2間の距離に関する所定値xは、小さすぎると暗い画像と明るい画像が離れている場合に一つの欠陥箇所として抽出ができず、一方、大きすぎると実際には別の欠陥である2つの画像を結合してしまい、欠陥の種類・重篤度を正しく判定することができない。このため所定値xは0.1〜2.0mmの範囲で設定する(例えば、所定値x=1mm)ことが好ましい。
また、画像輝度の暗部しきい値a1は、低すぎると有害欠陥を検知できない場合があり、一方、高すぎると無害な色調ムラなどを検知して過検出の原因となる。このため暗部しきい値a1は70〜110の範囲で設定する(例えば、暗部しきい値a1=90)ことが好ましい。
また、画像輝度の明部しきい値a2は、低すぎると無害な色調ムラなどを検知して過検出の原因となり、一方、高すぎると有害欠陥を検知できない場合がある。このため明部しきい値a2は140〜190の範囲で設定する(例えば、明部しきい値a2=145)ことが好ましい。
図3は、本発明において欠陥部抽出を行う画像を模式的に示したものである。
図3(ア)〜(ウ)において、左図は金属板表面の画像であり、1マスが1画素(例えば、幅0.11mm×長手0.16mm)を示している。また、右図が画像から抽出された欠陥箇所である。
図3(ア)では、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1の部位(4画素からなる部位)と、その両側に接して、画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2,s2の部位(各1画素からなる部位)があり、画像情報s1の部位と画像情報s2,s2の各部位間の距離がいずれも所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所(欠陥部)として抽出される。
図3(イ)では、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1の部位(4画素からなる部位)と、その一端側に接して、画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2の部位(1画素からなる部位)があり、他端側に1画素分あけて画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2の部位(1画素からなる部位)がある。この場合も、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離が所定値x以下であり、また、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離xも所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所(欠陥部)として抽出される。
図3(ウ)では、画像輝度が暗部しきい値a1未満となる画像情報s1の部位(3画素からなる部位)と、その一端側に接して、画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2の部位(1画素からなる部位)があり、他端側に2画素分あけて画像輝度が明部しきい値a2を超える画像情報s2の部位(1画素からなる部位)がある。この場合は、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離は所定値x以下であるが、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離xは所定値xを超えるため、画像情報s2の部位が除外され、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位を合わせて1つの欠陥箇所(欠陥部)として抽出される。
また、本発明では、上述のようにして抽出された欠陥箇所について、それが有害欠陥(重篤な欠陥)であるか否かを、下記(i)〜(iii)のような基準で判定するのが好ましい。ここで、抽出された欠陥箇所が下記(i)〜(iii)の1つ以上を満足する場合に、その欠陥箇所が有害欠陥であると判定してもよいが、好ましくは2つ以上、特に好ましくは全部を満足する場合に有害欠陥であると判定するのが望ましい。
(i)一つの欠陥箇所において、画像情報s1の最低輝度点が、暗部しきい値a1よりも低輝度に設定された暗部しきい値a10未満となり、画像情報s2の最高輝度点が、明部しきい値a2よりも高輝度に設定された明部しきい値a20を超える場合、当該欠陥箇所を有害欠陥と判定する。
(ii)欠陥箇所のアスペクト比(但し、金属板長手方向での長さ/金属板幅方向での長さ)が所定値y以下のものを有害欠陥と判定する。
(iii)欠陥箇所の金属板幅方向での長さが所定値z以上のものを有害欠陥と判定する。
上記(i)のように暗部しきい値a10と明部しきい値a20を用いて有害欠陥か否かを判定するのは、金属板にとって特に重篤な欠陥を効果的に選別するためである。すなわち、重篤な欠陥は、異物・押し込み疵等の欠陥自身だけでなく、その周辺の金属板部分に微小な変形が現れる場合がある。上記(i)の手法を用いることで、暗部しきい値未満の欠陥自身と、明部しきい値を超える板変形部のそれぞれを評価し、重篤度を評価することが可能となる。
ここで、暗部しきい値a10(輝度)は、小さすぎると重篤欠陥を軽度欠陥と判定してしまう場合があり、一方、大きすぎると軽度欠陥を重篤欠陥と判定してしまう場合がある。このため暗部しきい値a10(輝度)は65〜105の範囲で設定する(例えば、暗部しきい値a10=85)ことが好ましい。
また、明部しきい値a20(輝度)は、小さすぎると軽度欠陥を重篤欠陥と判定してしまう場合があり、一方、大きすぎると重篤欠陥を軽度欠陥と判定してしまう場合がある。このため明部しきい値a20(輝度)は145〜195の範囲で設定する(例えば、明部しきい値a20=150)ことが好ましい。
上記(ii)のように欠陥箇所のアスペクト比(但し、金属板長手方向での長さ/金属板幅方向での長さ)で判定するのは、スリキズなどのような走行方向に長い欠陥は、本手法で検出したい欠陥とは区別されるべきものであり、これを排除するためである。アスペクト比で判定することにより、そのような欠陥を最も効果的に排除することができる。
このアスペクト比についての所定値yは、小さすぎると金属板に付着している異物やドロス欠陥が大きい場合に有害欠陥と判定できない場合があり、一方、大きすぎるとスリキズなどのような走行方向に長い欠陥を区別して判定できない場合がある。このため所定値yは0.2〜2.0の範囲で設定する(例えば、所定値y=1.5)ことが好ましい。
上記(iii)のように欠陥箇所の金属板幅方向での長さで判定するのは、欠陥箇所があまりに小さいものは有害とは言えないので、過検出抑制の観点からこれを排除するためである。
この金属板幅方向での長さについての所定値zは、小さすぎると過検出の要因となり、一方、大きすぎると有害欠陥を検知できない場合がある。このため所定値zは0.05〜2.00mmの範囲で設定する(例えば、所定値z=0.3mm)ことが好ましい。
なお、上記(iii)の基準と同様の観点から、欠陥箇所の金属板長手方向での長さが所定値z´以上のものを有害欠陥と判定してもよい。この場合、金属板長手方向での長さについての所定値z´も、上記(iii)の基準と同様の理由で、0.05〜2.00mmの範囲で設定する(例えば、所定値z´=0.3mm)ことが好ましい。
図4(図4−1、図4−2)は、本発明において、欠陥部抽出を行い且つ上記(i)〜(iii)の判定基準で判定を行う画像を模式的に示したものである。ここでは、(i)〜(iii)をすべて満足する場合に有害欠陥と判定する。
図4(ア)〜(カ)において、左図は金属板表面の画像であり、1マスが1画素(例えば、幅0.11mm×長手0.16mm)を示している。また、右図が画像から抽出され且つ有害欠陥か否かの判定がなされる欠陥箇所である。
図4(ア)では、さきに説明した図3(ア)と同様に、画像情報s1の部位と画像情報s2,s2の各部位間の距離がいずれも所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所として抽出される。さらに、この欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定がなされるが、この欠陥箇所は、画像情報s1の最低輝度点(部位)が暗部しきい値a10未満となり、且つ画像情報s2の最高輝度点(部位)が明部しきい値a20を超えており、また、アスペクト比は所定値y以下、金属板幅方向での長さは所定値z以上である。したがって、上記(i)〜(iii)の全部を満足しており、有害欠陥と判定される。
図4(イ)では、さきに説明した図3(イ)と同様に、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離が所定値x以下であり、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離xも所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所として抽出される。さらに、この欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定がなされるが、この欠陥箇所は、画像情報s1の最低輝度点(部位)が暗部しきい値a10未満となり、且つ画像情報s2の最高輝度点(部位)が明部しきい値a20を超えており、また、アスペクト比は所定値y以下、金属板幅方向での長さは所定値z以上である。したがって、上記(i)〜(iii)の全部を満足しており、有害欠陥と判定される。
図4(ウ)では、さきに説明した図3(ウ)と同様に、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離は所定値x以下であるが、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離xは所定値xを超えるため、画像情報s2の部位が除外され、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位のみを合わせて1つの欠陥箇所として抽出される。さらに、この欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定がなされるが、この欠陥箇所は、画像情報s1の最低輝度点(部位)が暗部しきい値a10未満となるが、画像情報s2の最高輝度点(部位)が明部しきい値a20を超えないため、上記(i)を満足せず、したがって、有害欠陥とは判定されない。
図4(エ)では、画像情報s1の部位と画像情報s2,s2の各部位間の距離がいずれも所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所として抽出される。さらに、この欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定がなされるが、この欠陥箇所は、画像情報s1の最低輝度点(部位)が暗部しきい値a10未満となり、且つ画像情報s2の最高輝度点(部位)が明部しきい値a20を超えており、また、アスペクト比は所定値y以下、金属板幅方向での長さは所定値z以上である。したがって、上記(i)〜(iii)の全部を満足しており、有害欠陥と判定される。
図4(オ)では、画像情報s1の部位と画像情報s2,s2の各部位間の距離がいずれも所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所として抽出される。さらに、この欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定がなされるが、この欠陥箇所は、画像情報s1の最低輝度点(部位)が暗部しきい値a10未満となり、且つ画像情報s2の最高輝度点(部位)が明部しきい値a20を超えているが、アスペクト比が所定値yを超えているため、上記(ii)を満足せず、したがって、有害欠陥とは判定されない。
図4(カ)では、画像情報s1の部位と画像情報s2の部位間の距離が所定値x以下であるため、これらを合わせて1つの欠陥箇所として抽出される。さらに、この欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定がなされるが、この欠陥箇所は、画像情報s1の最低輝度点(部位)が暗部しきい値a10未満となり、且つ画像情報s2の最高輝度点(部位)が明部しきい値a20を超えているが、金属板幅方向での長さが所定値z未満であるため、上記(iii)を満足せず、したがって、有害欠陥とは判定されない。
なお、本発明を実施するに当たっては、従来の検査装置でも用いられている欠陥寸法・積算濃度等のパラメータにも適切なしきい値を設定し、判別精度を高めることが望ましい。
本発明法で検出対象となる表面欠陥に制限はなく、ドロス欠陥に限られるものではない。例えば、亜鉛粉付着、ドロス以外の異物付着、酸洗溶接時に発生するスパッタ疵などによる表面欠陥を検査対象とすることができる。但し、実際にはドロス欠陥は大きな問題であり、本発明は簡便な設備構成でこれを的確に検出できることから、本発明はドロス欠陥の検出に特に有用であるといえる。
連続溶融亜鉛めっきラインに図1に示すような表面欠陥検査装置を設置し、めっき鋼板の表面欠陥の検出を行った。連続溶融亜鉛めっきラインは、鋼帯の通板速度:80〜140mpm、鋼帯の寸法:鋼帯幅820〜1840mmである。
検査設備分解能は、幅方向0.11mm×通板方向0.16mmであり、画像処理では、各画素の輝度を256段階(0〜255)に分類し処理を行った。
表面欠陥検査では、さきに述べた方法で欠陥箇所の抽出を行った上で、その欠陥箇所について有害欠陥か否かの判定を行い、下記(1)〜(4)のすべてを満たす場合にドロス付着欠陥(有害欠陥)と判定した。
(1)画像情報s1の最低輝度点の輝度が85(暗部しきい値a10)未満
(2)画像情報s2の最高輝度点の輝度が150(明部しきい値a20)超
(3)アスペクト比(但し、金属板長手方向での長さ/金属板幅方向での長さ)が1.5(所定値y)以下
(4)金属板幅方向での長さが0.3mm(所定値z)以上
本発明法と従来法について、鋼帯の微小な座屈を含むドロス付着欠陥(寸法φ0.2mm程度)の検出状況を比較した。
従来法では、検査設備では無害な汚れ・微小異物と有害なドロス付着欠陥との判別は不能であり、鋼板走行を止めた状態での検査員の目視検査でのみ発見が可能であった。このため製品全長を確認することは不可能であった。
これに対して、本発明を適用した場合、検査設備で無害な汚れ・微小異物と有害なドロス付着欠陥を以下のように判別することが可能になった。このため製品全長検査が可能となった。
具体的には、実際にドロス付着欠陥400個を調査し、これらの検出状況を評価した。その結果、完全一致(判定:有害、実欠陥:有害)=332個、未検出(判定:無害、実欠陥:有害)=68個であり、信頼率(有害な実欠陥を有害と判定する割合)は83%であり、有害な表面欠陥を的確に検出できることが確認できた。
1 投光器
2 撮像器
3 画像処理装置
4 欠陥判定装置
5 金属板

Claims (8)

  1. 金属板表面を照明して、金属板上の照明部分を撮像し、得られた画像情報をしきい値処理して金属板の表面欠陥を抽出する金属板の表面欠陥検査方法により、連続搬送される溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥を検出する方法であって、
    照明手段と撮像手段がめっき鋼板の進行方向においてめっき鋼板の法線よりも後方側に配置された検査装置を用いてめっき鋼板の照明および撮像を行い、
    得られた画像情報のなかで、画像輝度が暗部しきい値(a1)未満となる画像情報(s1)と画像輝度が明部しきい値(a2)を超える画像情報(s2)であって、両画像情報(s1),(s2)の部位(p1),(p2)間の距離が所定値(x)以下となる関係の画像情報(s1),(s2)がある場合、これら画像情報(s1),(s2)の部位(p1),(p2)(但し、当該部位(p1),(p2)間に他の部位がある場合にはこれを含む。)を合わせて1つの欠陥箇所として抽出することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  2. 所定値(x)を0.1〜2.0mmの範囲で設定することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  3. 一つの欠陥箇所において、画像情報(s1)の最低輝度点が、暗部しきい値(a1)よりも低輝度に設定された暗部しきい値(a10)未満となり、画像情報(s2)の最高輝度点が、明部しきい値(a2)よりも高輝度に設定された明部しきい値(a20)を超える場合に、当該欠陥箇所を有害欠陥と判定することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  4. 欠陥箇所のアスペクト比(但し、金属板長手方向での長さ/金属板幅方向での長さ)が所定値(y)以下のものを有害欠陥と判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  5. 所定値(y)を0.2〜2.0の範囲で設定することを特徴とする請求項4に記載の溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  6. 欠陥箇所の金属板幅方向での長さが所定値(z)以上のものを有害欠陥と判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  7. 所定値(z)を0.05〜2.00mmの範囲で設定することを特徴とする請求項6に記載の溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検出方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のドロス欠陥検出方法によるドロス欠陥検出を行う画像処理装置と欠陥判定装置を備えることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥検査装置。
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