JP6249230B2 - スラスト軸受及び該スラスト軸受を備える回転機械 - Google Patents

スラスト軸受及び該スラスト軸受を備える回転機械 Download PDF

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Description

本発明は、スラスト軸受及び該スラスト軸受を備える回転機械に関する。
蒸気タービンやガスタービン、ポンプ、エンジン等の回転軸を有した回転機械においては、回転軸を回転可能に支持するために軸受装置が用いられている。このような軸受装置としては、回転軸に摺接するパッド面を有する軸受パッドを備えたジャーナル軸受やスラスト軸受がある。これらの軸受パッドを備える軸受装置においては、回転機械の安全な運転を可能にするために、軸受パッドのパッド面と回転軸との間に潤滑油が流れている。この潤滑油によってパッド面と回転軸との間に油膜が形成され、この油膜を介して軸受装置は回転軸を支持している。
この潤滑油は、パッド面と熱交換することで、パッド面で発生した熱を冷却する作用も有している。ところが、一つの軸受パッドを冷却した後の潤滑油は、その軸受パッドに隣接する軸受パッドのパッド面と回転軸との隙間に、キャリオーバ油として高温のまま流入してしまう。高温となった潤滑油であるキャリオーバ油が隣接する軸受パッドに流入すると、その軸受パッドを十分に冷却することができず、潤滑油の油粘度低下や軸受パッドの熱変形の増加等が生じて潤滑状態が悪化してしまう。
そのため、軸受装置では、軸受パッドを効率的に冷却する構造が用いられている。例えば、特許文献1には、ジャーナル軸受において、隣接する軸受パッドへ流入するキャリオーバ油を減少させる構造が開示されている。具体的には、このジャーナル軸受は、軸受パッドに対して回転軸の回転方向の前方側に配置された給油ノズルに、キャリオーバ油の流れ方向を回転軸の径方向の外側に変更させるシールフィンを設けている。このシールフィンによって、軸受パッドと回転軸との隙間を流れる潤滑油のうち、回転軸の外周面から離れて軸受パッド側を流れるキャリオーバ油の流れ方向を変えることができる。これにより、このジャーナル軸受は、隣接する軸受パッドへ流入するキャリオーバ油の流量を効率よく減少させることができる。
特開2000‐274432号公報
ところで、スラスト軸受は、ジャーナル軸受と異なり、回転軸のスラストカラーを回転軸の軸線方向に支持している。そのため、スラスト軸受において、潤滑油は軸受パッド側に寄らずに軸受パッドとスラストカラーとの間を流通する。
しかしながら、上記のようなシールフィンを用いた場合、回転軸の外周面から離れた軸受パッド側を流れるキャリオーバ油の流れ方向を変えることはできても、回転軸の外周面に沿って流れるキャリオーバ油を十分に排除することができない。即ち、ジャーナル軸受とは異なり、スラスト軸受のように潤滑油が軸受パッド側に寄らずに軸受パッドとスラストカラーとの間を流通する場合には、上記のようなシールフィンを用いても隣接する軸受パッドへ流入するキャリオーバ油の流量を十分に低減できない。そのため、キャリオーバ油の影響を受けて軸受パッドを効率的に冷却することができないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、軸受パッドを効率的に冷却することが可能なスラスト軸受、及び、該スラスト軸受を備える回転機械を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様におけるスラスト軸受は、軸線回りに回転する回転軸本体と、該回転軸本体の径方向の外側に前記回転軸本体から張り出すスラストカラーとを有する回転軸を支持するスラスト軸受であって、前記スラストカラーに前記軸線の延びる軸線方向から摺接するように、前記回転軸本体の回転方向に間隔をあけて複数が設けられる軸受パッドと、隣り合う前記軸受パッドの間に設けられ、前記スラストカラーに向かって潤滑油を噴出する第一ノズルと、隣り合う前記軸受パッドの間で前記第一ノズルと隣接して設けられ、前記スラストカラーに向かうにしたがって前記径方向の外側に向かって傾斜するように流体を噴出する第二ノズルと、を備え、前記第二ノズルが、前記第一ノズルに対して前記回転方向の後方側に隣接して配置される。
このような構成によれば、第二ノズルがスラストカラーに向かうにしたがって径方向の外側に向かって傾斜するように流体を噴出することで、回転方向の後方側から流れてくるキャリオーバ油を第二ノズルが配置されている位置で回転軸本体の径方向に向かって押し流すことができる。そのため、冷却された軸受パッドに対して回転方向の前方側に隣接する他の軸受パッドに流入してしまうキャリオーバ油の流量を低減することができる。即ち、軸受パッドを冷却して温度の上昇したキャリオーバ油によって、隣接する他の軸受パッドが加熱されてしまうこと抑えて、第一ノズルから新たに供給される潤滑油によって他の軸受パッドを冷却することができる。したがって、軸受パッドに温度の高いキャリオーバ油が流入してしまうことを低減することができる。
このような構成によれば、第二ノズルから噴出する流体によって、第一ノズルから噴出される潤滑油が回転方向の前方側の他の軸受パッドに向かって流れることが阻害されることがない。即ち、第二ノズルから流体を噴出しても、回転方向の後方側から流れてくるキャリオーバ油を押し流して排除するだけで、第一ノズルから噴出されて回転方向の前方側に隣接する軸受パッドに流入する潤滑油に対して、影響を与えることがない。そのため、第一ノズルから供給される潤滑油は妨げられることなく冷却されていない軸受パッドに向かって流入でき、冷却されていない軸受パッドを冷却することができる。これにより、より効率的に軸受パッドを冷却することができる。
また、上記スラスト軸受では、前記第二ノズルは、前記流体を噴出する噴出口を有し、
前記噴出口が、前記径方向に隣接して複数配置されていてもよい。
このような構成によれば、第二ノズルから回転方向に流れるキャリオーバ油に対して径方向の広範囲にわたって流体を噴出させることができる。そのため、回転方向の後方側から流れてくるキャリオーバ油の大部分を径方向に向かって押し流すことができる。したがって、冷却された軸受パッドに隣接する他の軸受パッドに流入してしまう高温のキャリオーバ油の流量をより低減することができる。即ち、軸受パッドを冷却して温度の上昇したキャリオーバ油によって、冷却されていない他の軸受パッドが加熱されてしまうことをより効果的に抑えることができる。したがって、軸受パッドにキャリオーバ油が流入してしまうことをより低減することで、軸受パッドをより効率的に冷却することができる。
また、上記スラスト軸受では、複数の前記噴出口のうち、前記径方向の外側に配置される前記噴出口は、前記径方向の内側に配置される前記噴出口よりも噴出する前記流体の前記スラストカラーに対して傾斜する角度が鋭角となるよう形成されていてもよい。
このような構成によれば、第二ノズルにおいて、径方向の外側に形成される噴出口ほど流体をスラストカラーに対して傾斜する角度をより鋭角に形成されることで、径方向の外側に向かうにしたがって、第二ノズルから噴出する流体の流速における径方向の外側に向かう成分を大きくできる。即ち、径方向の外側に向かうにしたがって、キャリオーバ油を径方向の外側に押し流す力を強めることができる。したがって、回転方向に流れるキャリオーバ油に対して径方向の内側から外側に向かって徐々に押し流す力が大きくすることができ、キャリオーバ油を効率的に径方向の外側に押し流すことができる。
また、上記スラスト軸受では、前記流体が前記潤滑油であってもよい。
このような構成によれば、第二ノズルから噴出させる流体として、第一ノズルから噴出される潤滑油と同じ潤滑油を用いることで、第二ノズルから噴出させた流体を第一ノズルから噴出された潤滑油とともに回収することできる。そのため、第二ノズルから噴出された流体と第一ノズルから噴出された潤滑油とを分けて回収するための構造が不要となり、スラスト軸受を簡易な構成で形成することができる。したがって、冷却効率の高いスラスト軸受を容易に形成することができる。
また、上記スラスト軸受では、前記流体が気体であってもよい。
このような構成によれば、同じ圧力の液体を噴出させるよりも速い流速で流体を第二ノズルから噴出させることができる。そのため、液体を噴出口から噴出させる場合と同じ流速で気体を噴出口から噴出させることで、液体を用いる場合に比べて小さな圧力を加えることで対応することができる。したがって、回転方向に高速で流れるキャリオーバ油と同等の流速で気体を噴出することが容易にできる。これにより、キャリオーバ油を効果的に径方向の外側に押し流すことができる。
また、本発明の第二の態様における回転機械は、前記スラスト軸受を備える。
このような構成によれば、軸受パッドを効率的に冷却でき、スラスト軸受として高周速、高面圧を必要とするスラストカラーを安定的に支持することができる。したがって、運転効率を向上させて回転機械の運転性能を向上させることができる。
本発明によれば、第二ノズルから流体を噴出させることで、隣接する軸受パッドへのキャリオーバ油の流入を抑え、軸受パッドを効率的に冷却することができる。
本発明の各実施形態における蒸気タービンの概略構成図である。 本発明の第一実施形態におけるスラスト軸受の断面図である。 本発明の各実施形態における第一ノズルを説明する要部断面図である。 本発明の第一実施形態における第二ノズルを説明する要部断面図である。 本発明の第一実施形態における潤滑油の流れを説明する要部拡大図である。 本発明の第二実施形態における第二ノズルを説明する要部断面図である。 本発明の第二実施形態における潤滑油の流れを説明する要部拡大図である。 本発明の第三実施形態における第二ノズルを説明する要部断面図である。 本発明の第三実施形態に関して気体と液体とにおける流速と圧力との関係を説明するグラフである。
《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態について図1から図5を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る蒸気タービン100(回転機械)について説明する。
蒸気タービン100は、蒸気Sのエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられるものである。
図1に示すように、蒸気タービン100は、タービンケーシング110と、該タービンケーシング110を貫通するように軸線Oに沿って延びる回転軸120と、タービンケーシング110に保持された静翼140と、回転軸120に設けられた動翼150と、回転軸120を軸線O回りに回転可能に支持する軸受部160とを備えている。
なお、軸受部160は、ジャーナル軸受161及びスラスト軸受1を備えており、回転軸120を回転可能に支持している。
このような蒸気タービン100では、タービンケーシング110内に導入される蒸気Sが静翼140及び動翼150の間の流路を通過する。この際、蒸気Sが動翼150を回転させることで該動翼150に伴って回転軸120が回転し、該回転軸120に接続された発電機等の不図示の機械に動力(回転エネルギー)が伝達される。
回転軸120は、軸線O回りに回転する回転軸本体121と、回転軸本体121の径方向Dの外側に回転軸本体121から張り出すスラストカラー122とを有する。
回転軸本体121は、軸線Oを中心とする円柱形状をなしており、タービンケーシング110に対して軸線Oの延びる軸線O方向に延在している。
スラストカラー122は、軸線Oを中心として円板形状をなしている。即ち、本実施形態のスラストカラー122は、フランジ状をなすように回転軸本体121の外周面から回転軸本体121の径方向Dの外側に一体的に張り出している。
次に、本実施形態におけるスラスト軸受1について、図2を参照して説明する。
スラスト軸受1は、スラストカラー122を回転軸120の軸線O方向に支持する。スラスト軸受1は、スラストカラー122を挟んで軸線O方向に同一の構造が設けられている。本実施形態では、軸線O方向の一方側(図1紙面右側)に配置されたスラスト軸受1を例に挙げて説明する。
図2に示すように、本実施形態のスラスト軸受1は、外装である軸受ケーシング10と、回転軸本体121の回転方向Rに間隔をあけて複数が設けられる軸受パッド20と、隣り合う軸受パッド20の間に配置されて低温の潤滑油Gを供給する第一ノズル30と、隣り合う軸受パッド20の間で第一ノズル30と隣接して配置されて流体を噴出する第二ノズル40と、を備えている。
軸受ケーシング10は、複数の軸受パッド20、第一ノズル30及び第二ノズル40を外側から覆っている。軸受ケーシング10は、軸線O方向の断面形状が軸線Oを中心とする環状をなし、中心部を回転軸本体121が挿通している。軸受ケーシング10は、軸線O方向に対向する不図示の面で、軸受パッド20を揺動可能に支持する。軸受ケーシング10は、第一ノズル30及び第二ノズル40を固定している。
軸受パッド20は、潤滑油Gを介してパッド面21でスラストカラー122を軸線O方向から支持することで、回転軸120を支持する。即ち、軸受パッド20は、図3に示すように、パッド面21がスラストカラー122と対向し、スラストカラー122に軸線O方向から潤滑油Gを介して摺接するように配置される。軸受パッド20は、軸受ケーシング10内で回転軸本体121を外周側から囲むように、回転方向Rに隣接して複数配置されている。具体的には、本実施形態では、六個の軸受パッド20が回転方向Rに均等に離間して環状に配置される。また、軸受パッド20のパッド面21は、異物等が付着した際にスラストカラー122を損傷させないような材料で形成される。具体的には、本実施形態のパッド面21は、ホワイトメタルのような軟質金属や耐熱性の高い樹脂材料によって形成される。本実施形態の軸受パッド20のパッド面21は、例えば、樹脂材料であるPEEKやPTFE等の耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックによって構成される。
ここで、本実施形態の軸受パッド20においては、軸線O方向のスラストカラー122側から軸受パッド20を見た場合に、パッド面21における回転方向Rの後方側をパッド入口側21aとし、パッド面21における回転方向Rの前方側をパッド出口側21bとする。また、本実施形態では、図2に示すように、回転方向Rに隣接する軸受パッド20の回転軸本体121の径方向Dの中間位置を通過して、軸線Oを中心とする環状の仮想線をパッド中心線CLとする。
第一ノズル30は、回転方向Rに互いに隣り合う軸受パッド20の間に設けられている。第一ノズル30は、スラストカラー122に向かって低温の潤滑油Gを噴出するための開口である給油口300が複数設けられている。第一ノズル30は、不図示の供給源から供給される潤滑油Gを圧縮するオイルポンプPを介して、給油口300から軸受ケーシング10内に圧縮された潤滑油Gを噴出する。本実施形態の第一ノズル30は、回転方向Rに隣接する軸受パッド20の間に配置される一対のノズルを有する。具体的には、第一ノズル30は、隣接する軸受パッド20の間で回転方向Rの前方側に配置される前方第一ノズル31と、隣接する軸受パッド20の間で回転方向Rの後方側に配置される後方第一ノズル32とを有する。
前方第一ノズル31は、軸受パッド20対して回転方向Rの後方側に隣接するように配置される。本実施形態の前方第一ノズル31は、径方向Dの長さが軸受パッド20と同程度の長さに形成される。前方第一ノズル31は、回転軸本体121の径方向Dに離間して配置される四カ所の給油口300を有している。前方第一ノズル31は、図3に示すように、給油口300が軸線O方向に沿って開口していることで、スラストカラー122に対して垂直に潤滑油Gを噴出する。
後方第一ノズル32は、軸受パッド20に対して回転方向Rの前方側に隣接するように配置される。本実施形態の後方第一ノズル32は、前方第一ノズル31と同様の構造を有している。具体的には、本実施形態の後方第一ノズル32は、径方向Dの長さが軸受パッド20と同程度の長さに形成され、径方向Dに離間して配置される四カ所の給油口300を有している。後方第一ノズル32は、前方第一ノズル31と同様に、給油口300が軸線O方向に沿って開口していることで、スラストカラー122に対して垂直に潤滑油Gを噴出する。
なお、本実施形態の前方第一ノズル31と後方第一ノズル32とは、不図示の供給管が途中で分岐することで、同じオイルポンプPを介して供給源に接続されている。したがって、オイルポンプPを駆動させることで前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32に潤滑油Gが供給される。
第二ノズル40は、回転方向Rに互いに隣り合う軸受パッド20の間で第一ノズル30に隣接して設けられている。第二ノズル40は、スラストカラー122に向かうにしたがって回転軸本体121の径方向Dの外側に向かって傾斜するように流体を噴出する。第二ノズル40は、スラストカラー122に対して傾斜して開口する噴出口400が設けられている。
具体的には、本実施形態の第二ノズル40は、前方第一ノズル31と後方第一ノズル32との間に挟まれるように配置されている。即ち、第二ノズル40は、前方第一ノズル31に対して回転方向Rの後方側、かつ、後方第一ノズル32に対して回転方向Rの前方側に隣接して配置されている。本実施形態の第二ノズル40では、流体として第一ノズル30が噴出するものと同じ低温の潤滑油Gが用いられる。第二ノズル40は、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32よりも径方向Dの長さが短く形成されている。第一実施形態の第二ノズル40は、潤滑油Gを噴出するための噴出口400が一つ形成されている。第二ノズル40は、不図示の供給管が途中で分岐することで、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32と同じオイルポンプPを介して供給源に接続されている。したがって、オイルポンプPを駆動させることで、前方第一ノズル31や後方第一ノズル32と同様に、潤滑油Gが供給される。
本実施形態の噴出口400は、図4に示すように、第二ノズル40においてパッド中心線CLよりも径方向Dの内側に形成される。噴出口400は、スラストカラー122に対してパッド中心線CLよりも径方向Dの外側の位置に潤滑油Gが噴出するよう傾斜して形成されている。即ち、噴出口400は、軸線Oに直交するスラストカラー122の面に対して、径方向Dの外側に向かって傾斜するよう潤滑油Gを噴出する角度である噴出角度が鋭角に形成されている。
次に、上記第一実施形態のスラスト軸受1の作用について説明する。
第一実施形態のスラスト軸受1によれば、蒸気タービン100が駆動することで回転軸本体121がスラストカラー122とともに回転する。そして、オイルポンプPが駆動することで、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32に潤滑油Gが供給される。供給された潤滑油Gは、スラストカラー122に向かって給油口300から垂直に噴出され、スラストカラー122と軸受パッド20のパッド面21との間の隙間に流入する。同時に、スラスト軸受1では、オイルポンプPが駆動することで、第二ノズル40にも潤滑油Gが供給され、噴出口400からも潤滑油Gがスラストカラー122に向かって噴出される。
ここで、軸受パッド20や第一ノズル30がほぼ静止しているのに対して、スラストカラー122が非常に高周速で回転するため、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32からスラストカラー122に対して垂直に噴出されて、スラストカラー122とパッド面21との間の狭い隙間に満たされた潤滑油Gには、非常に大きな速度差が生じる。このような速度差が生じると、この隙間に流入している潤滑油Gにせん断力が働き、粘性力が潤滑油Gの内部で発生する。この粘性作用と、スラストカラー122に対して軸受パッド20のパッド面21が傾くことにより、くさび効果が発生し、スラストカラー122とパッド面21との隙間内の潤滑油Gに油膜圧力が発生してスラストカラー122を軸線O方向に支持することができる。
また、潤滑油Gは、スラストカラー122と軸受パッド20との間で油膜圧力を発生させながら潤滑作用をもたらすとともに、軸受ケーシング10内を流通しながら軸受パッド20を冷却している。具体的には、潤滑油Gは、スラストカラー122が高周速で回転することで、図5に示しように、回転軸本体121の回転方向Rに沿って軸受ケーシング10内を高速で流れている。そのため、前方第一ノズル31の給油口300から垂直に噴出された潤滑油Gは、前方第一ノズル31に対して回転方向Rの前方側に隣接する軸受パッド20(一例として、前方第一ノズル31から噴出された潤滑油Gによって最初に冷却される軸受パッド20を第一軸受パッド20Aとする)のパッド入口側21aから、パッド面21とスラストカラー122との隙間に流入して、パッド出口側21bに向かって流れる。
さらに、流通する潤滑油Gには、回転軸本体121の径方向Dの外側に向かって遠心力も生じている。そのため、第一軸受パッド20Aのパッド面21とスラストカラー122との隙間に流入した潤滑油Gは、回転軸本体121の回転方向Rの前方側、かつ、径方向Dの外側に向かうように流れる。
そして、潤滑油Gは、第一軸受パッド20Aのパッド面21とスラストカラー122との隙間を流れながら、パッド面21と熱交換することで、軸受パッド20を冷却する。このとき、軸受パッド20と熱交換することで潤滑油Gは、潤滑油Gの流れ方向の手前側であるパッド入口側21aから、潤滑油Gの流れ方向の奥側であるパッド出口側21bに向かうにしたがって、次第に温度が上昇していく。特に、パッド出口側21bの中でもパッド中心線CLよりも径方向Dの外側から流出する潤滑油Gは高温となる。そして、パッド入口側21aから流入した時点よりも温度の上昇した潤滑油Gは、第一軸受パッド20Aのパッド出口側21bから、第一軸受パッド20Aに対して回転方向Rの前方側に隣接する冷却されていない他の軸受パッド20(一例として、第二軸受パッド20Bとする)のパッド入口側21aに向かって、キャリオーバ油として流出する。
第一軸受パッド20Aのパッド出口側21bから流出したキャリオーバ油は、後方第一ノズル32が配置されている位置に到達することで、後方第一ノズル32の給油口300からスラストカラー122に向かって垂直に噴出された低温の潤滑油Gと混合される。そのため、キャリオーバ油は、冷却されつつ、回転方向Rに向かう流れが弱められて流速が低下する。そして、後方第一ノズル32を通過して流速の低下したキャリオーバ油のうち、パッド中心線CLよりも径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油に対して、第二ノズル40の噴出口400から潤滑油Gが噴出される。噴出口400からスラストカラー122の径方向Dの外側に向かって鋭角に噴出される潤滑油Gによって、パッド中心線CLよりも径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油の流れ方向が径方向Dの外側に向かう方向に強制的に変更される。その結果、パッド中心線CLよりも径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油は、回転方向Rの前方側に隣接する第二軸受パッド20Bのパッド入口側21aに到達することなく、第二ノズル40が配置された位置で径方向Dの外側に向かって押し流される。キャリオーバ油を押し流した第二ノズル40に対して回転方向Rの前方側に隣接する前方第一ノズル31の給油口300からは、低温の潤滑油Gが噴出されている。そのため、この前方第一ノズル31から噴出された低温の潤滑油Gは、第二軸受パッド20Bとスラストカラー122との隙間に流入し、第一軸受パッド20Aを冷却したように第二軸受パッド20Bを冷却する。
上記のようなスラスト軸受1によれば、第二ノズル40がスラストカラー122に向かうにしたがって径方向Dの外側に向かって傾斜するように潤滑油Gを噴出することで、回転方向Rの後方側から流れてくるキャリオーバ油を第二ノズル40が配置されている位置で回転軸本体121の径方向Dに向かって押し流すことができる。そのため、第一軸受パッド20Aに対して回転方向Rの前方側に隣接する第二軸受パッド20Bに流入してしまうキャリオーバ油の流量を低減することができる。即ち、第一軸受パッド20Aを冷却して温度の上昇した潤滑油Gであるキャリオーバ油によって、第二軸受パッド20Bが加熱されてしまうこと抑えて、前方第一ノズル31から新たに供給される低温の潤滑油Gによって第二軸受パッド20Bを冷却することができる。したがって、第二軸受パッド20Bに温度の高いキャリオーバ油が流入してしまうことを低減することで、軸受パッド20を効率的に冷却することができる。
また、第二ノズル40が、前方第一ノズル31に対して回転方向Rの後方側に隣接して配置されていることで、噴出口400から噴出される潤滑油Gによって、第一ノズル31の給油口300から噴出される潤滑油Gが回転方向Rの前方側の第二軸受パッド20Bのパッド入口側21aに向かって流れることが阻害されることがない。即ち、第二ノズル40の噴出口400から潤滑油Gを噴出しても、回転方向Rの後方側から流れてくる第一軸受パッド20Aを冷却して高温となったキャリオーバ油を押し流して排除するだけで、前方第一ノズル31の給油口300から噴出される潤滑油Gに対して、影響を与えることがない。そのため、前方第一ノズル31の給油口300から供給される潤滑油Gは妨げられることなく第二軸受パッド20Bに向かって流入し、第二軸受パッド20Bを冷却することができる。これにより、より効率的に軸受パッド20を冷却することができる。
さらに、第二ノズル40の噴出口400から噴出させる流体として、スラストカラー122を支持するために第一ノズル30から噴出される潤滑油Gと同じ潤滑油Gを用いることで、第二ノズル40の噴出口400から噴出させた流体を第一ノズル30から噴出された潤滑油Gとともに回収することできる。そのため、軸受ケーシング10内から第二ノズル40から噴出された流体と第一ノズル30から噴出された潤滑油Gとを分けて回収するための構造が不要となり、スラスト軸受1を簡易な構成で形成することができる。したがって、冷却効率の高いスラスト軸受1を容易に形成することができる。
また、第二ノズル40の噴出口400が、パッド中心線CLよりも径方向Dの外側のスラストカラー122に向かって潤滑油Gを噴出するように噴出角度を鋭角に形成されている。そのため、スラストカラー122と軸受パッド20の隙間を流れるキャリオーバ油の中でも径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油を押し流すことができる。即ち、第一軸受パッド20Aを冷却して温度の上昇したキャリオーバ油の中でも、パッド出口側21bにおいて径方向Dの外側に流れる特に高温となったキャリオーバ油を集中的に押し流すことができる。また、第二ノズル40が配置された位置で径方向Dの全域にわたって流通するキャリオーバ油を押し流すために必要な力よりも小さな力ですむため、第二ノズル40から噴出させる潤滑油Gの速度を抑えることができ、大規模なオイルポンプPを用いる必要がなくなる。したがって、第二軸受パッド20Bを冷却する際に強く悪影響を及ぼすキャリオーバ油を押し流すことができる第二ノズル40を簡易な構成で形成することができる。これにより、キャリオーバ油を効率よく排除することができる第二ノズル40を容易に形成することができる。
一方、本実施形態の第二ノズル40では、パッド中心線CLよりも径方向Dの内側に対しては第二ノズル40から潤滑油Gが噴出されていないため、径方向Dの内側を流れるキャリオーバ油を第二軸受パッド20Bに向かって流すことができる。パッド出口側21bから流出するキャリオーバ油のうち、径方向Dの内側を流れるキャリオーバ油は、径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油に比べて温度がそこまで高くなく流量の少ない。そのため、第二軸受パッド20Bとスラストカラーとの隙間に流入しても、加熱して第二軸受パッド20Bの冷却を阻害してしまう等の影響を及ぼすことが少ない。したがって、径方向Dの内側を流れるキャリオーバ油を第二軸受パッド20Bに向かって流すことで、第二軸受パッド20Bの冷却に利用でき、前方第一ノズル31から供給する潤滑油Gの流量を抑えてことができる。
また、第二ノズル40が、軸受パッド20と径方向Dの長さが同じ前方第一ノズル31や後方第一ノズル32よりも径方向Dの長さが短く形成されていることで、第二ノズル40の径方向Dの外側に開放された空間を形成できる。そのため、第二ノズル40によって径方向Dの外側にキャリオーバ油が流れ込むための空間を大きく確保でき、キャリオーバ油を押し流しやすくすることができる。
さらに、後方第一ノズル32を設けることで、第二ノズル40に到達する前にキャリオーバ油を冷却しつつ、その流速を抑えることができる。したがって、第二ノズル40の噴出口400から噴出する潤滑油Gによって回転方向Rに流れるキャリオーバ油の流れ方向を径方向Dに向かう方向へと変えるために必要な力を低減することができる。そのため、第二ノズル40から噴出させる潤滑油Gの速度をより抑えて、径方向Dへの速度の成分が小さくなっても、効率よく潤滑油Gを押し流すことができる。これにより、大規模なオイルポンプPを用いる必要がなくなることで、第二ノズル40をより簡易な構成で形成することができる。加えて、第一軸受パッド20Aを冷却しても温度がそこまで上昇していないパッド中心線CLよりも径方向Dの内側を流れるキャリオーバ油をさらに冷却することができる。そのため、このような径方向Dの内側を流れるキャリオーバ油をより効果的に第二軸受パッド20Bの冷却に利用でき、前方第一ノズル31から供給する潤滑油Gの流量をより抑えることができる。
また、回転機械である蒸気タービン100がこのようなスラスト軸受1を備えることで、軸受パッド20を効率的に冷却でき、スラスト軸受1として高周速、高面圧を必要とするスラストカラー122を安定的に支持することができる。したがって、高周速の回転軸120や大型化して高面圧が軸受パッに負荷されてしまう回転軸120を安定的に支持できるため、運転効率を向上させて蒸気タービン100の運転性能を向上させることができる。
《第二実施形態》
次に、図6及び図7を参照して第二実施形態のスラスト軸受1aについて説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態のスラスト軸受1aは、第二ノズル41について第一実施形態と相違する。
第二実施形態の第二ノズル41では、図6に示すように、噴出口410が径方向Dに隣接して複数配置される。具体的には、第二実施形態の第二ノズル41は、第一実施形態の第二ノズル40よりも径方向Dの外側の位置に配置され、径方向Dの長さが長く形成される。第二ノズル41は、三つの噴出口410が径方向Dに均等に離間して形成される。
第二実施形態における噴出口410は、潤滑油Gを噴出する噴出角度がそれぞれ異なる第一噴出口411と、第二噴出口412と、第三噴出口413とを有する。各噴出口410は、第二ノズル41に対して径方向Dの内側から第一噴出口411、第二噴出口412、第三噴出口413の順に形成される。噴出口410は、第一噴出口411から第三噴出口413のうち、径方向Dの外側に配置される噴出口410の方が、径方向Dの内側に配置される噴出口410よりも、噴出角度がより傾斜して鋭角となるよう形成される。
第一噴出口411は、三つの噴出口410の中でも、最も径方向Dの内側に形成され、噴出角度が最も大きく形成されている。具体的には、第一噴出口411は、第二ノズル41においてパッド中心線CLよりも径方向Dの内側に形成される。本実施形態の第一噴出口411は、スラストカラー122に対してパッド中心線CLよりもわずかに径方向Dの外側の位置に潤滑油Gを噴出させるよう傾斜して形成される。
第二噴出口412は、噴出角度が第一噴出口411よりも小さく、第三噴出口413よりも大きく形成される。第二噴出口412は、第二ノズル41においてパッド中心線CLよりも径方向Dの外側で第一噴出口411と第三噴出口413との間に形成される。
第三噴出口413は、三つの噴出口410の中でも、最も径方向Dの外側に形成され、噴出角度が最も小さく形成される。具体的には、第三噴出口413は、第二ノズル41において、径方向Dの最も外側に形成される。本実施形態の第三噴出口413は、スラストカラー122の外周端に向かって潤滑油Gを噴出させるよう傾斜して形成される。
次に、上記第二実施形態のスラスト軸受1aの作用について説明する。
第二実施形態のスラスト軸受1aによれば、第一実施形態と同様に、第一軸受パッド20Aのパッド出口側21bから流出して後方第一ノズル32を通過したキャリオーバ油に対して、第二ノズル41の第一噴出口411、第二噴出口412及び第三噴出口413からスラストカラー122の径方向Dの外側に向かって鋭角に潤滑油Gが噴出される。第二ノズル41の複数の噴出口410からの噴出される潤滑油Gによって、パッド中心線CLよりも径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油の流れ方向が径方向Dの外側に向かう方向に強制的に変更される。その結果、パッド中心線CLよりも径方向Dの外側を流れるキャリオーバ油は、回転方向Rの前方側に隣接する第二軸受パッド20Bのパッド入口側21aに到達することなく、第二ノズル41が配置された位置で径方向Dの外側に向かって押し流される。
上記のようなスラスト軸受1aによれば、第一噴出口411から第三噴出口413のように複数の噴出口410が径方向Dに隣接して第二ノズル41に形成されていることで、回転方向Rに流れるキャリオーバ油に対して径方向Dの広範囲にわたって潤滑油Gを噴出させることができる。そのため、回転方向Rの後方側から流れてくるキャリオーバ油の大部分を径方向Dに向かって押し流すことができる。したがって、第一軸受パッド20Aに隣接する第二軸受パッド20Bに流入してしまうキャリオーバ油の流量をより低減することができる。即ち、第一軸受パッド20Aを冷却して温度の上昇した潤滑油Gであるキャリオーバ油によって、第二軸受パッド20Bが加熱されてしまうことをより効果的に抑えて、前方第一ノズル31から新たに供給される低温の潤滑油Gによって第二軸受パッド20Bをより効率的に冷却することができる。したがって、第二軸受パッド20Bに温度の高いキャリオーバ油が流入してしまうことをより低減することで、軸受パッド20をより効率的に冷却することができる。
また、第二ノズル41において、第一噴出口411、第二噴出口412、第三噴出口413の順に、径方向Dの外側に形成される噴出口410ほど潤滑油Gを噴出する噴出角度をより小さく鋭角にすることで、径方向Dの外側に向かうにしたがって、噴出する潤滑油Gの流速における径方向Dの外側に向かう速度の成分が大きくなる。そのため、キャリオーバ油を径方向Dの外側に押し流す力を強めることができる。したがって、回転方向Rに流れるキャリオーバ油に対して径方向Dの内側から外側に向かって徐々に押し流す力が大きくすることができ、キャリオーバ―油を効率的に径方向Dの外側に押し流すことができる。
《第三実施形態》
次に、図8及び図9を参照して第三実施形態のスラスト軸受1bについて説明する。
第三実施形態においては第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第三実施形態のスラスト軸受1bは、第二ノズル42の噴出口420から噴出させる流体について第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
即ち、第三実施形態の第二ノズル42は、図8に示すように、第二ノズル42の噴出口420から流体として液体ではなく気体を噴出する。具体的には、第三実施形態の第二ノズル42は、形状自体は第一実施形態の第二ノズル40と同様の形状をなしているが、オイルポンプPの代わりに空気を圧縮するコンプレッサCを有している。そのため、第三実施形態の第二ノズル42は、コンプレッサCを介して圧縮空気Aが生成されることで、噴出口420から圧縮空気Aを噴出する。第三実施形態の噴出口420は、圧縮空気Aを噴出する噴出角度が第一実施形態において潤滑油Gを噴出した噴出口400と同じ角度となるように形成されている。即ち、第三実施形態の噴出口420も、潤滑油Gが噴出される軸線Oに直交するスラストカラー122の面に対して噴出角度が径方向Dの外側に向かって傾斜して鋭角となるように形成されている。
上記のようなスラスト軸受1bによれば、噴出口420から圧縮空気Aを噴出させることで、同じ圧力で潤滑油G等の液体を噴出させるよりも速い流速で噴出させることができる。具体的には、流速は密度の平方根の逆数に比例するため、液体に対して密度が非常に小さい気体では、液体と同じ流量に対して同じ圧力をかけた場合、図9に示すように、液体に対して20〜30倍の流速となる。そのため、コンプレッサCを介して圧縮空気Aを噴出口420から噴出させることで、第一実施形態のように潤滑油GをオイルポンプPで圧縮して噴出口400から噴出させる場合に比べて、小さな圧力を加えるだけで流速を上げることができる。したがって、回転方向Rに高速で流れるキャリオーバ油に対して高速の圧縮空気Aを噴出することが容易にできる。これにより、キャリオーバ油をより一層効果的に径方向Dの外側に押し流すことができる。
また、空気等の気体を圧縮するコンプレッサCは、潤滑油Gを圧縮するオイルポンプPのような液体を圧縮する装置に比べて、同等の流速で流体を噴射させる場合に小規模な装置とすることができる。したがって、冷却効率の高い第二ノズル42を容易に形成することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、第二ノズル40、41から噴出する流体は、第一実施形態及び第二実施形態のように、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32から供給される潤滑油Gと同じであることに限定されるものではない。例えば、第二ノズル40、41から噴出する流体は、潤滑油Gを冷却することが可能な冷却油等の潤滑油Gとは異なる他の液体であってもよい。さらに、第三実施形態のように、第二ノズル42から噴出させる気体は、圧縮空気Aに限定されるものではない。例えば、第二ノズル42から噴出する気体は、潤滑油Gよりも密度が小さければよく、窒素等のガスであってもよい。
また、第二実施形態において、第一噴出口411から第三噴出口413までの噴出角度を徐々に鋭角となるように変更して形成したが、このように限定されるものではなく、スラストカラー122に向かうにしたがって径方向Dの外側に向かって傾斜して流体を噴出できるように形成されていればよい。したがって、例えば、第二実施形態の第二ノズル41の第一噴出口411から第三噴出口413までがすべて同じ噴出角度で形成されていたり、第二噴出口412のみ噴出角度が変更されて形成されていたりしてもよい。
さらに、複数の噴出口によって流体をスラストカラー122に向かって噴出させる場合には、第二実施形態のように一つの第二ノズル42に対して複数の噴出口420が形成されている構造に限定されるものでない。例えば、一つの第二ノズル40に対して第一実施形態と同様に一つの噴出口400が形成され、この第二ノズル40が径方向Dに複数配置される構造であってもよい。即ち、スラストカラー122に対して複数の噴出口から流体を噴出させることができる構造であればよい。したがって、第二ノズル40、41に形成される噴出口400、410の数も、本実施形態のように一つや三つに限定されるものではない。例えば、第二ノズル41は、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32のように四つの噴出口410を有していてもよく、それ以上の数の噴出口410を有していてもよい。
また、第一ノズル30は、本実施形態のように前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32の二つの構成を有することに限定されるものではなく、隣接する軸受パッド20の間でスラストカラー122に向かって潤滑油Gを噴出することができればよい。例えば、第一ノズル30として前方第一ノズル31のみを有していてもよく、さらに前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32以外の他の潤滑油Gを噴出する構造を有していてもよい。したがって、前方第一ノズル31及び後方第一ノズル32に形成される給油口300の数も本実施形態のように四つに限定されるものでなく、一つや二つであってもよく、四つ以上であってもよい。
さらに、本発明は、第一実施形態から第三実施形態の組み合わせに限定されるものではなく、それぞれの実施形態を組み合わせてもよい。例えば、第二実施形態のように複数の噴出口410を有する第二ノズル41から第三実施形態のように圧縮空気Aのような気体を噴出させてもよい。
さらに、本願発明の回転機械は、本実施形態のように蒸気タービン100に限定されるものではなく、回転軸120を有する機械であれば良い。例えば、回転機械は、ガスタービン、ポンプ、エンジンであってもよい。
100…蒸気タービン S…蒸気 110…タービンケーシング 120…回転軸 O…軸線 121…回転軸本体 122…スラストカラー R…回転方向 D…径方向 140…静翼 150…動翼 160…軸受部 161…ジャーナル軸受 1、1a、1b…スラスト軸受 10…軸受ケーシング 20…軸受パッド 21…パッド面 21a…パッド入口側 21b…パッド出口側 CL…パッド中心線 30…第一ノズル 31…前方第一ノズル 32…後方第一ノズル 300…給油口 P…油圧ポンプ 40、41、42…第二ノズル 400、410、420…噴出口 G…潤滑油 20A…第一軸受パッド 20B…第二軸受パッド 411…第一噴出口 412…第二噴出口 413…第三噴出口 C…コンプレッサ A…圧縮空気

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転する回転軸本体と、該回転軸本体の径方向の外側に前記回転軸本体から張り出すスラストカラーとを有する回転軸を支持するスラスト軸受であって、
    前記スラストカラーに前記軸線の延びる軸線方向から摺接するように、前記回転軸本体の回転方向に間隔をあけて複数が設けられる軸受パッドと、
    隣り合う前記軸受パッドの間に設けられ、前記スラストカラーに向かって潤滑油を噴出する第一ノズルと、
    隣り合う前記軸受パッドの間で前記第一ノズルと隣接して設けられ、前記スラストカラーに向かうにしたがって前記径方向の外側に向かって傾斜するように流体を噴出する第二ノズルと、
    を備え
    前記第二ノズルが、前記第一ノズルに対して前記回転方向の後方側に隣接して配置されるスラスト軸受。
  2. 前記第二ノズルは、前記流体を噴出する噴出口を有し、
    前記噴出口が、前記径方向に隣接して複数配置される請求項1に記載のスラスト軸受。
  3. 複数の前記噴出口のうち、前記径方向の外側に配置される前記噴出口は、前記径方向の内側に配置される前記噴出口よりも噴出する前記流体の前記スラストカラーに対して傾斜する角度が鋭角となるよう形成される請求項2に記載のスラスト軸受。
  4. 前記流体が前記潤滑油である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  5. 前記流体が気体である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスラスト軸受を備える回転機械。
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