JP6247279B2 - マンガン含有担持銀触媒中間体の製造方法 - Google Patents

マンガン含有担持銀触媒中間体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マンガン含有担持銀触媒の製造方法に関する。
酸化エチレンは、工業的には、高温においてエチレンを担持銀含有触媒上で直接エポキシ化することによって製造することができる。エチレンの酸化エチレンへの直接酸化において、触媒は重要な要素であることから、酸化エチレンの製造における触媒の安定性、効率、選択性、及び/又は触媒性能のその他の面を改良するために多くの努力が費やされてきた。
酸化エチレンの製造において、適切な促進剤を用いることが、触媒性能を高めるための有効且つ証明された方法であり、このことは当業者に周知である。少なくとも2種類の促進剤、固体促進剤及び気体促進剤、がある。固体促進剤は、キャリア(すなわち担体)の一部、或いは銀成分に塗布される銀成分の一部のいずれかとして、触媒を使用する前に触媒中に組み込むことができる。一般的には、銀含有担持触媒は、担体を、銀及び任意選択で1種又は2種以上の促進剤を含む含浸溶液で含浸することによって調製される。
米国特許第5,504,053号は、安定性、効率及び/又は活性を高める量のマンガン含有成分を含む銀含有担持触媒を記載する。マンガンは、銀含有担持触媒中に、触媒全重量を基準としたマンガンの重量として算出される、少なくとも100万重量部当たり20重量部(重量ppm)、又は少なくとも60重量ppm、好ましくは70〜1000重量ppm、より好ましくは80〜500重量ppmの量で存在する。
WO2005/023417A1、WO2008/054564A1及びUS2007/0111886は、含浸溶液中においてマンガン含有成分を安定化させるために、マンガン含有成分と共にエチレンジアミン四酢酸二アンモニウムを添加することを記載する。
US2007/0032670においては、含浸溶液に促進剤及び可溶化剤が添加され、該含浸溶液は固体の硝酸カリウム、マンガンEDTA(KMnEDTA)溶液及びEDTA二アンモニウム溶液を含む。含浸溶液中におけるマンガン含有イオンの安定性を増加させるために、マンガン促進剤と共に1当量のEDTA二アンモニウムが添加される。
EP480,537A1は、エチレンジアミンテトラアセタトマンガンII酸(HMnEDTA)四水和物の固体マンガン錯体の調製を開示し、次に該錯体を含浸溶液中に導入することができる。EP480,537A1は、マンガンを始めとする金属含有促進剤(複数可)が、担体と結合される前に、銀を含む含浸溶液中において錯体として存在し得ることを開示する。かかる錯体は、(a)銀含有含浸溶液中又は(b)金属含有促進剤前駆体を含む溶液中において、含浸溶液又は溶液前駆体中の金属含有促進剤の溶解性及び/又は溶解安定性を高めるために有効な量で、少なくとも1種の金属種と錯体を形成するために有効な1種又は2種以上の錯化剤を含むことによって、簡便に誘導し得る。用語「溶解安定性」は、金属含有促進剤が経時的に溶液状態を保つ能力の尺度として定義され、溶液状態である時間が長い程、金属含有促進剤の溶解性がより安定である。EP480,537A1に記載されるような金属含有促進剤溶液の溶解性及び/又は溶解安定性の向上は、錯化された形態の金属含有促進剤を含まない溶液との対比による。
一般的には、所望の目標濃度に相当する化学量論量のマンガン含有成分が、担体を含浸するための含浸溶液中に供給される。しかしながら、多くの場合に、含浸された担体又は触媒が所望の目標濃度のマンガンを有していない、又は含浸された担体若しくは触媒がマンガン量の変動を示すことが起こり得る。得られる触媒が所望の目標濃度から10%程度以上の変動を示す場合、触媒性能は悪影響を受ける。従って、十分に簡素化され、工業的に実施可能であり、更に信頼性のある、担持銀触媒中へのマンガン成分の供給方法が求められている。
本発明の実施形態によれば、本発明のマンガン含有担持銀触媒中間体の製造方法に従うことにより、マンガン含有担持銀触媒上のマンガン量の変動を低減することができる。上記方法は、マンガン成分及び錯化剤を含む第1の溶液を調製するステップ(i)を含む。ステップ(i)の間又はその後の任意の時間における第1の溶液のpHは7以下である。ステップ(ii)においては、第1の溶液が、銀を含む第2の溶液と混合されて含浸溶液を形成する。ステップ(iii)においては、続いて、担体が、上記含浸溶液の少なくとも一部で含浸されて触媒中間体を形成する。該含浸溶液は7よりも大きいpHを有する。触媒上のマンガン量の変動を低減することにより、効率、活性、劣化及び/又は触媒性能のその他の面などの触媒性能が向上する。
従来技術の方法を用いて調製された含浸溶液バッチに対する、含浸溶液中のマンガン量の変動のプロットを示す図であり、マンガン含有量の所望の目標濃度からのパーセンテージでの変量で表される。 本発明の実施形態を用いて調製された含浸溶液バッチに対する、含浸溶液中のマンガン量の変動のプロットを示す図であり、マンガン含有量の所望の目標濃度からのパーセンテージでの変量で表される。 従来技術の方法である例4及び本発明の方法である例3を用いて調製された触媒バッチの性能の比較を示す図である。 従来技術の方法である例5及び本発明の方法である例4を用いて調製されたマンガンを含有する銀−アミン−シュウ酸塩溶液バッチ中のマンガン量の変量の比較を示す図である。
マンガン促進剤を含む担持銀触媒は、触媒中にマンガン促進剤を有しない銀触媒と比較したときに、酸化エチレンの製造のためのエチレンのエポキシ化において、高い安定性、活性及び/又は選択性を示す。我々は、驚くべきことに、マンガン成分及び錯化剤を含む第1の溶液が銀を含む第2の溶液と混合されて含浸溶液を形成するときに、この含浸溶液の含浸によって得られる触媒が、マンガン成分及び錯化剤を含む第1の溶液を調製することを含まない方法を用いて調製された含浸溶液を用いて得られる触媒に比較して、より良好な性能特性を示すことを見出した。一つの実施形態において、本発明の方法は、当該第1の溶液を調製することを含まない従来技術の方法に比較して、マンガン含有担持銀触媒上のマンガン量の変動をより小さくする。
一般的なエポキシ化反応において、エチレンなどのアルキレンが、反応器中で担持銀触媒の存在下で酸素又は酸素を含む気体と反応して、酸化エチレンなどの酸化アルキレンを生成する。このエポキシ化反応は、エポキシ化反応の「活性」、「生産性」及び/又は「選択性」の面から特徴付けられる。
エポキシ化反応の活性は多くの方法により定量化することができるが、その一つが、反応温度が実質的に一定に維持されるときの、反応器への供給流中の酸化アルキレンのモルパーセント(供給流中の酸化アルキレンのモルパーセントは、必ずしもそれに限られるものではないが、一般的にはゼロパーセントに近い。)との対比における、反応器からの排出流中に含まれる酸化アルキレンのモルパーセントであり、また、別な方法としては、所与の酸化アルキレン生産速度を維持するために必要な温度である。多くの例において、活性は、特定の一定の温度において生産される酸化アルキレンのモルパーセントとして、経時的に測定される。活性は、反応器中の単位触媒容積当たりの酸化アルキレン生成に対する反応速度として定義することができる。或いは、活性は、圧力及び供給原料中の全モル数などの所与のその他の条件下で、酸化エチレンなどの酸化アルキレンの特定の一定のモルパーセントでの生産を維持するために必要な温度の関数として測定することができる。
反応の生産性は、触媒量によって規格化された反応速度の尺度である。多くの例において、生産性は、時間当たり、反応器の充填容積として測定される触媒容積当たりの酸化アルキレンのモル数又はキログラム数として表すことができる。ある例において、生産性は、空間速度などの特定のプロセス条件における、反応器の排出流中の酸化アルキレンのモルパーセントとして表すことができる。
エポキシ化反応の「選択性」とは、「効率」と同義であり、特定の生成物を生成する、転化したすなわち反応したオレフィンの(分率又はパーセントとしての)相対量をいう。例えば、「酸化アルキレンへの効率」とは、酸化アルキレンを生成する転化したすなわち反応したアルキレンのモル基準でのパーセンテージをいう。
本明細書中で用いられる「失活」又は「劣化」とは、永続的な活性及び/又は効率の損失をいい、これは回復することができない活性及び/又は効率の低下である。一般的には、より低い失活速度が望ましい。
本明細書中で用いられる用語「化合物」とは、ある元素の、1種又は2種以上の異なる元素との、イオン結合及び/又は共有結合及び/又は配位結合などの表面結合及び/又は化学結合による組み合わせをいう。用語「イオン性」又は「イオン」とは、荷電した化学部分をいい、「カチオン性」又は「カチオン」は正であり、「アニオン性」又は「アニオン」は負である。用語「オキシアニオン性」又は「オキシアニオン」とは、別な元素と結合した少なくとも一つの酸素原子を含む、負に荷電した部分をいう。オキシアニオンは、このように、酸素含有アニオンである。イオンは、化合物として触媒に添加される場合、孤立して存在せず、電荷を均衡させる対イオンとの組み合わせで存在することが理解される。
本明細書において用いられる用語「溶液」とは、透明な溶液をいい、また、懸濁液及びコロイド溶液をも包含する。
本明細書において用いられる用語「担体」とは、エポキシ化触媒の調製に一般的に用いられる担体、すなわちキャリアをいう。「含浸された担体」とは、銀により含浸された担体又は上に銀が沈着した担体をいう。本明細書において用いられる用語「触媒中間体」とは、マンガン含有担持銀触媒中間体の製造方法のステップ(i)〜(iii)に従うことで、本発明の実施形態によって少なくともマンガン及び銀により含浸された又はこれらが沈着した担体をいう。「触媒中間体」は、他に、「マンガン含有担持銀触媒中間体」とも呼ばれる。
本明細書において用いられる用語「触媒」とは、「触媒中間体」を更に加工した後に得られる完成した触媒をいう。「触媒」は、他に、本発明の実施形態によって調製される「マンガン含有担持銀触媒」とも呼ばれ、工業的な酸化エチレンの生産において用いるための、反応器に直接充填することができる触媒である。
本明細書において用いられる用語「変動」とは、触媒中間体上、又は完成した触媒上、或いは含浸溶液中に、沈着した又は存在するマンガンの量における、所望の目標濃度からの変量又は偏差として定義される。一つの実施形態において、変動は、マンガン量の所望の目標濃度からの変量のパーセンテージとして表される。
本明細書において用いられる用語「ステップ(i)の間又はその後の任意の時間における第1の溶液のpH」とは、マンガン成分と錯化剤との混合後の、時間上の少なくとも一点における第1の溶液のpHを意味する。これは、マンガン成分と錯化剤との混合に続く「任意且つ全ての時間における」を意味するものではない。
マンガン成分(マンガン促進剤)は、種々の形態で、例えば、二酸化マンガンなどの共有結合性化合物として、カチオンとして、又はマンガン酸アニオンなどのアニオンとして、供給することができる。第1の溶液中に存在するマンガン成分としては、それらに限定されないが、酢酸マンガン、硫酸アンモニウムマンガン、クエン酸マンガン、ジチオン酸マンガン、シュウ酸マンガン、硝酸第一マンガン、硫酸第一マンガン、並びにマンガン酸アニオン、例えば過マンガン酸アニオン、マンガン酸アニオンなど、を挙げることができる。マンガン成分の混合物を用いてもよい。高い活性及び/又は安定性をもたらすマンガン種は未確定であり、該種は添加される成分、又は触媒調製の間若しくは触媒としての使用の間のいずれかに生成する種であり得る。触媒に有益な特性をもたらす上記マンガン種は具体的に判明していないが、一般的に、マンガン成分が過マンガン酸イオン(MO1−の形態及び/又は第1マンガンカチオン、例えば、Mn(NO中の第1マンガンカチオンとして、第1の溶液に添加される場合に満足できる結果が得られる。更に、異なるマンガン成分を添加すると、上記結果を得るための最適濃度もまた異なり得る。多くの場合、マンガン成分中のマンガンは、+2、+3、+4及び/又は+7、好ましくは+2、+3、及び/又は+7の酸化状態を有する。
触媒中間体又は触媒上のマンガン促進剤の所望の量は、触媒中間体又は触媒の銀含有量、存在する他の促進剤の量及び種類並びに担体の化学的及び物理的特性に基づいて決定し得る。一つの実施形態において、マンガンは、マンガンの重量として計算して、触媒中間体又は触媒上に少なくとも20重量ppm、より好ましくは少なくとも60重量ppmの量で存在する。一部の実施形態において、触媒中間体又は触媒上のマンガン量は、マンガンの重量として計算して、70重量ppm〜1000重量ppm、好ましくは80重量ppm〜500重量ppmの範囲内に収められる。過剰のマンガンが存在する場合、触媒性能、例えば、安定性、効率及び/又は活性が悪化することがある。過少のマンガンが存在する場合もまた、触媒性能が悪化することになる可能性がある。所望のマンガン量の決定において、触媒をその性能について評価しながら、触媒組成物中のマンガン濃度を変化させることを行うことができる。一部の例において、効果と最適な触媒性能との有利な組み合わせを達成するために、他の成分、例えば銀及び他の促進剤、の量を変化させることが望ましいことがある。
第1の溶液における錯化剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸、1,2−シクロヘキシレンジニトリロ四酢酸(CDTA)、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、N−ジヒドロキシエチルグリシン及びそれらの任意の誘導体が挙げられる。一つの実施形態において、錯化剤はEDTAである。
用いる錯化剤の量は、例えば、具体的な錯化剤及び錯化される具体的なマンガン成分、並びに錯化されるマンガン成分の量にも依存して大幅に変化する。錯化剤の量は、第1の溶液中においてマンガン成分と錯体を形成するために必要な量の少なくとも50%が好ましく、より好ましくは少なくとも100%である。例えば、当該錯体が相対的に長い期間維持できるように、所望の錯体を形成するために必要な錯化剤を超える過剰な錯化剤を用いてもよい。例えば、錯化剤は、所望の錯体を形成するために必要な量の少なくとも150%、又は少なくとも200%、又は少なくとも400%又はそれを超える量で含まれてもよい。
ステップ(i)において、マンガン成分溶液と錯化剤溶液とは、一度に又は連続的に混合することができ、第1の溶液を形成する。一つの実施形態において、錯化剤溶液はマンガン成分を含む水溶液と混合される。別な実施形態において、マンガン成分は固体の形態にあり、これを錯化剤溶液に添加することができる。加えて、錯化剤、マンガン成分又はこれらの両方を溶解するために、加熱を必要とすることがある。第1の溶液の調製の間又はその後の任意の時間における第1の溶液のpHは7以下である。第1の溶液のpHは、従来のpH計を用いて又はpH試験紙を用いて測定することができる。一つの実施形態において、マンガン成分と錯化剤とを混合した後、又は第1の溶液の調製の間に、第1の溶液のpHは7以下である。別の実施形態において、第1の溶液の調製に続いて、第1の溶液は7以下のpHで貯蔵される。如何なる理論にも拘束されるものではないが、マンガン成分は、錯化剤を含む第1の溶液中で、7以下のpHにおいて高い溶解性を示し得ると考えられる。当業者に公知であるように、第1の溶液のpHは、必要であれば酸の使用によって7以下のpHに調整することができる。好適な酸の例としては、酢酸及びギ酸並びに、その後の含浸された担体の焼成に際して、残渣を残さないその他の酸が挙げられる。更にその他の実施形態において、本発明によって調製される第1の溶液のpHは、その後ステップ(ii)の前に、例えばモノエタノールアミンであるアミンなどの塩基性化合物の添加により、7を超えて上昇せしめてもよい。
第1の溶液は、1種又は2種以上のマンガン以外の促進剤を追加で含んでもよい。一つの実施形態において、上記1種又は2種以上のその他の促進剤はカリウムを含まない。
ステップ(ii)において、銀を含む第2の溶液が第1の溶液と混合され、含浸溶液を形成する。一つの実施形態において、第2の溶液と混合される時点での第1の溶液のpHは7以下である。別な実施形態において、第2の溶液と混合される時点での第1の溶液のpHは7よりも大きい。銀を含む第2の溶液は、溶媒又は本技術分野で開示されている銀溶液などの可溶化剤中に銀化合物を含む。用いられる特定の銀化合物としては、例えば、銀錯体、硝酸銀、酸化銀、又は酢酸銀、シュウ酸銀、クエン酸銀、フタル酸銀、乳酸銀、プロピオン酸銀、酪酸銀、及び高級脂肪酸塩などの銀カルボン酸塩の中から選択し得る。一つの実施形態において、アミンにより錯化された酸化銀化合物が、第2の溶液における銀の好ましい形態である。
第2の溶液において所望の濃度まで銀化合物を可溶化するために、幅広い種類の溶媒又は可溶化剤を用い得る。この目的のために好適であるとして開示される溶媒又は可溶化剤の中に、乳酸(米国特許第2,477,436号及び第3,501,417号)、アンモニア(米国特許第2,463,228号)、エチレングリコールなどのアルコール(米国特許第2,825,701号及び第3,563,914号)、並びにアミン及びアミンの水性混合物(米国特許第2,459,896号、第3,563,914号、第3,215,750号、第3,702,259号、第4,097,414号、第4,374,260号、及び第4,321,206号)がある。本発明の好ましい実施形態において、可溶化剤はアミン/シュウ酸塩の組み合わせ又はアミン及びシュウ酸塩の水性混合物であり、得られる含浸溶液は7よりも大きいpHを有する。
酸化銀(AgO)は、シュウ酸及びエチレンジアミンの溶液中に銀の重量として概略30%までの範囲で溶解することができる。かかる溶液を概略0.7cc/gの多孔度のアルファアルミナ担体上に減圧含浸することにより、全触媒重量を基準として概略25重量%の銀を含有する触媒が得られる。
一部の実施形態において、触媒中間体又は触媒は、全触媒重量を基準として、一般的には少なくとも25重量パーセント又は30重量パーセント、より一般的には25又は30重量パーセントから60重量パーセントまでの範囲の、高濃度の銀を含有する。そこで、25又は30重量パーセントよりも大きい、及びそれよりも大きい銀担持量を有する触媒を得るために、詳細を後述するように、促進剤の共存又は非共存において、所望の量の銀が担体上に沈着するまで、担体又は触媒中間体を1回又は2回以上の逐次的な銀の含浸に供することが必要なことがある。
一つの実施形態において、マンガン含有銀触媒上の銀の粒子の大きさは、直径で10オングストローム〜10,000オングストロームの範囲である。好ましい銀粒子の大きさは、直径で100オングストロームより大きく5,000オングストローム未満の範囲である。銀は、マンガン含有銀触媒内で、該触媒全体にわたって、及び/又は該触媒上で比較的に均一に分散していることが望ましい。
第2の溶液は、追加で、1種又は2種以上のマンガン以外の促進剤を含んでもよく、これらはまた、第1及び第2の溶液の混合の後であって担体の含浸の前に添加し得る。これらの促進剤は促進する量で供給される。本明細書中で用いられる用語「促進する量」とは、一つの触媒成分の量であって、当該成分を含まない触媒と比較した場合に、1又は2以上のその触媒の触媒特性の向上をもたらすために有効に作用する、上記成分の量をいう。触媒特性の例としては、なかんずく、運転性(暴走防止性)、効率、活性、転化率、安定性及び収率が挙げられる。「促進する量」により1又は2以上の個々の触媒特性を向上し得る一方で、他の触媒特性を向上し得たり向上し得なかったり、或いは他の特性を低下させることすら起こり得ることは、当業者に理解されるところである。更に、異なる運転条件においては、異なる触媒特性が向上し得ることも理解されるところである。例えば、ある一組の運転条件において高い効率を有する触媒を、効率よりもむしろ活性における向上が際立つ、異なる一組の運転条件で運転し得る。
促進剤によってもたらされる促進効果は、例えば、運転条件、触媒調製技法、担体の表面積及び細孔構造及び表面の化学的特性、触媒の銀及び他の促進剤の含有量、触媒上に存在する他のカチオン及びアニオンの存在などの、多数の変数によって影響され得る。他の活性化剤、安定化剤、促進剤、増強剤又は他の触媒改良剤の存在もまた促進効果に影響を与え得る。酸化エチレンを製造するための反応中の、触媒上の促進剤の具体的な形態は恐らく未知であり、促進剤は、触媒調製の間に添加された対イオンを伴わずに存在し得る。例えば、水酸化セシウムを用いて調製された触媒は、完成した触媒中にセシウムは含有するが水酸基は含有しないことを分析し得る。同様に、アルカリ金属酸化物などの化合物、例えば酸化セシウム、又は遷移金属酸化物、例えばMoOは、イオン性でないにもかかわらず、触媒調製の間又は使用中にイオン性化合物に転化し得る。理解を容易にするために、促進剤は、運転条件下での触媒中のそれらの形態にかかわらず、カチオン及びアニオンとして言及することとする。
固体促進剤組成物及びそれらの特性並びに促進剤を触媒の一部として組み込む方法の例が、米国特許第5,187,140号、特に11〜15欄、米国特許第6,511,938号、第5,102,848号、第4,916,243号、第4,908,343号、第5,059,481号、第4,761,394号、第4,766,105号、第4,808,738号、第4,820,675号及び第4,833,261号に記載される。
酸化エチレンの製造に用いられる触媒のための、周知のマンガン以外の促進剤としては、酸素以外であって、5〜83の原子番号を有し、且つ周期表の第3b〜7b族、及び第3a〜7a族である元素のハロゲン化物及び/又はオキシアニオンが挙げられる。窒素、イオウ、タンタル、モリブデン、タングステン及びレニウムのオキシアニオンの1種又は2種以上が、一部の用途に好適であり得る。一部の実施形態において、促進剤としては、レニウム、ルビジウム、セシウム、イオウ、モリブデン、及びタングステンの化合物が挙げられる。一つの実施形態において、1種又は2種以上の促進剤が、第IA族の金属、第IIA族の金属、リン、ホウ素、イオウ、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオブ、ガリウム、ゲルマニウム及びそれらの任意の混合物からなる群より選択され、別な実施形態において、カリウムが排除される。更に別な実施形態において、1種又は2種以上の促進剤が、セシウム、リチウム、ナトリウム及びそれらの任意の混合物より選択される第IA族の金属を含む。
本発明の触媒中に用いるために好適なマンガン以外のアニオン促進剤の種類は、例示のみとして、硫酸アニオンSO −2、リン酸アニオン、例えばPO −3、チタン酸アニオン、例えばTiO −2、タンタル酸アニオン、例えばTa −2、モリブデン酸アニオン、例えばMoO −2、バナジン酸アニオン、例えばV −2、クロム酸アニオン、例えばCrO −2、ジルコン酸アニオン、例えばZrO −2、ポリリン酸アニオン、硝酸アニオン、塩素酸アニオン、臭素酸アニオン、ホウ酸アニオン、ケイ酸アニオン、炭酸アニオン、タングステン酸アニオン、チオ硫酸アニオン、セリウム酸アニオン及びその他などのオキシアニオンを含む。フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物を含むハロゲン化物もまた、存在してもよい。
多くのアニオンが複雑な化学を有すること、また多くのアニオンが、例えば、オルトバナジン酸アニオン及びメタバナジン酸アニオン、並びにMoO −2、及びMo24 −6、及びMo −2などの種々のモリブデン酸オキシアニオンなどの、1種又は2種以上の形態で存在し得ることはよく認識されていることである。これらのオキシアニオンはまた、ポリオキシアニオン構造を包含する、混合金属を含有するオキシアニオンを含んでもよい。例えば、マンガン及びモリブデンは混合金属オキシアニオンを形成することができる。同様に、他の金属が、アニオン性、カチオン性、元素状又は共有結合性のいずれの形態であっても、アニオン性構造中に入り得る。
オキシアニオン又はオキシアニオンの前駆体は、担体を含浸するための溶液として用い得るが、触媒の調製条件の間及び/又は使用の間に、初期に存在する特定のオキシアニオン又は前駆体が別な形態に転化し得ることが可能である。実際に、元素がカチオン性の又は共有結合性の形態に転化し得る。多くの例では、分析技法が、存在する種を正確に同定するには不十分であり得る。本発明は、触媒の使用中に触媒上に最終的に存在するであろう正確な種によって限定されることを意図するものではない。
マンガン以外の促進剤の量は幅広く変化し得て、例えば、触媒の全重量を基準として0.0005重量パーセント〜2重量パーセント、好ましくは0.001重量パーセント〜0.5重量パーセントである。
本発明の実施形態を用いて調製される触媒は、レニウム促進剤を含んでもよい。レニウム促進剤は、種々の形態で、例えば、金属として、共有結合性化合物として、カチオン又はアニオンとして、供給することができる。レニウムで促進された担持銀含有触媒は、米国特許第4,761,394号及び米国特許第4,766,105号から公知である。これらの触媒は、担体材料上に、銀、レニウム又はその化合物、及び一部の実施形態においては、更なる金属又はその化合物などの第2の促進剤、及び任意選択で、イオウ、リン、ホウ素、及びそれらの化合物の1種又は2種以上などの第3の促進剤を含む。
高い効率及び/又は活性をもたらすレニウム種は未確定であり、該種は添加される成分、又は触媒調製の間若しくは触媒としての使用の間のいずれかに生成する種であり得る。レニウム化合物の例としては、ハロゲン化レニウム、オキシハロゲン化レニウム、レニウム酸塩、過レニウム酸塩などのレニウム塩、レニウムの酸化物及びレニウムの酸が挙げられる。但し、アルカリ金属の過レニウム酸塩、過レニウム酸アンモニウム、アルカリ土類金属の過レニウム酸塩、過レニウム酸銀、その他の過レニウム酸塩及び七酸化二レニウムもまた好適に利用することができる。七酸化二レニウム、Reは、水に溶解させると、過レニウム酸、HReO、すなわち過レニウム酸水素に加水分解する。従って、本明細書の目的にとっては、七酸化二レニウムは、ReOである過レニウム酸基と見なすことができる。モリブデン及びタングステンなどの他の金属によっても、類似の化学が示され得る。
レニウム成分は、用いる場合、多くの場合、触媒の全重量を基準とするレニウムの重量として計算して、少なくとも1重量ppm、例えば少なくとも5重量ppm、例えば10重量ppm〜2000重量ppm、多くの場合20重量ppm〜1000重量ppmの量で供給される。
一部の例では、米国特許第4,916,243号に開示されるように、相乗的な効率の向上を得るために、上記1種又は2種以上のマンガン以外の促進剤が、カチオンの混合物、例えばセシウム及び少なくとも1種の他のアルカリ金属、を含む。一部の本発明の実施形態において、カリウムはこれらのアルカリ金属促進剤の一つではない。
完成した触媒中のアルカリ金属促進剤の濃度は狭いものではなく、広い範囲にわたって変化し得る。ある特定の触媒に対する最適なアルカリ金属促進剤の濃度は、触媒効率、触媒劣化の速度及び反応温度などの触媒性能特性に依存することとなる。
完成した触媒中のアルカリ金属の濃度(カチオン、例えばセシウム、の重量を基準として)は、0.0005〜1.0wt%、好ましくは0.005〜0.5wt%で変化し得る。担体又は触媒の表面上に沈着する又は存在するカチオン促進剤の好ましい量は、一般的には、全担体材料に対して計算されるカチオンの重量で、10ppm及び4000ppmの間、好ましくは15ppm及び3000ppmの間、より好ましくは20ppm及び2500ppmの間である。50ppm及び2000ppmの間の量が多くの場合最も好ましい。他のカチオンとの混合物中でアルカリ金属のセシウムが用いられる場合、所望の性能を達成するために、他の全てのアルカリ金属及び、用いられる場合には、アルカリ土類金属塩(複数可)に対するセシウムの比率は狭いものではなく、広い範囲にわたって変化し得る。セシウムの他のカチオン促進剤に対する比率は、0.0001:1〜10,000:1、好ましくは0.001:1〜1,000:1で変化し得る。
ステップ(iii)において、担体又は含浸された担体が、含浸溶液の少なくとも一部で含浸され、触媒中間体を形成する。本発明の好ましい実施形態によれば、担体の含浸に用いられる含浸溶液は、7よりも大きいpHを有する。触媒中間体の好適な担体材料としては、多孔性の耐火性担体、又は、エポキシ化のために導入される反応混合物及び生成物であるエポキシドの存在下で比較的不活性であり、触媒へ転化される際の調製条件に耐え得る材料を挙げることができる。例えば、担体は、アルファ−アルミナ、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、ジルコニア、マグネシア、軽石、ゼオライト、活性炭、種々のクレー、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩及びそれらの混合物を含むことができる。一つの実施形態において、担体はアルファ−アルミナを含む。
多くの周知の、酸化アルキレン触媒における使用に好適な担体の調製方法がある。かかる方法の一部が、例えば、米国特許第4,379,134号、第4,806,518号、第5,063,195号、第5,384,302号、第6,831,037号などに記載される。例えば、少なくとも95%純度のアルファ−アルミナ担体を、原料の配合(混合)、押出、乾燥及び高温での焼成によって調製することができる。この場合、出発原料は、通常、1種又は2種以上の異なる特性を有するアルファ−アルミナ粉体、物理的強度を与えるためのバインダとして添加してもよいクレー型材料、及び、焼成ステップの間にそれを除去した後に所望の多孔度及び/又は細孔径分布を与えるために混合物中で用いられる(通常は有機化合物である)焼失材料を含む。完成した担体中の不純物濃度は、用いる原料の純度及びそれらの、焼成ステップの間における揮散の程度によって決定される。一般的な不純物としては、シリカ、アルカリ及びアルカリ土類金属酸化物及び微量の金属及び/又は非金属含有添加剤を挙げ得る。酸化アルキレン触媒への使用に特に好適な特性を有する担体の別な調製方法は、任意選択で、ケイ酸ジルコニウムをベーマイトアルミナ(AlOOH)及び/又はガンマ−アルミナと混合すること、アルミナを酸性成分及びハロゲン化物アニオン(好ましくはフッ化物アニオン)を含む混合物により解膠し、解膠ハロゲン化アルミナを供給すること、(例えば押出又は圧縮により)解膠ハロゲン化アルミナを成型し、成型解膠ハロゲン化アルミナを供給すること、成型解膠ハロゲン化アルミナを乾燥し、乾燥成型アルミナを供給すること、及び乾燥成型アルミナを焼成して、変性アルファ−アルミナ担体の錠剤を供給することを含む。
非常に高い純度を有するアルミナ、すなわち、少なくとも98wt%アルファ−アルミナであって、残余の全ての成分がシリカ、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム)及び微量の他の金属含有及び/又は非金属含有添加剤又は不純物であるアルミナが用いられてきた。同様に、より低純度のアルミナ、すなわち、80wt%アルファ−アルミナであって、残余は非晶性及び/又は結晶性アルミナ及び他のアルミナ酸化物、シリカ、シリカアルミナ、ムライト、種々のアルカリ金属酸化物(例えば、酸化カリウム及び酸化セシウム)、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物(例えば、酸化鉄及び日酸化チタン)、並びにその他の金属及び非金属酸化物の1種又は2種以上であるアルミナも用いられてきた。加えて、担体を製造するために用いられる材料は、触媒性能を向上することが知られている化合物、例えば、レニウム(レニウム酸塩など)及びモリブデン、を含んでもよい。
一つの実施形態において、担体材料は、少なくとも80重量パーセントのアルファ−アルミナを含み、100万重量部当たり30重量部未満の酸浸出性のアルカリ金属を含む。なお、アルファ−アルミナの重量パーセント及び酸浸出性のアルカリ金属の濃度は、担体の重量に対して計算され、酸浸出性のアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、及びそれらの混合物より選択される。
アルファ−アルミナ担体は、好ましくは少なくともグラム当たり0.3立方センチメートル(cm/g)、より好ましくは0.4cm/g〜2.0cm/gの細孔容積、及び1〜50ミクロンのメジアン細孔径を有する。
アルファ−アルミナ担体は、好ましくは少なくともグラム当たり0.5平方メートル(m/g)、より好ましくは少なくとも0.7m/gの比表面積を有する。表面積は、一般的には10m/g未満、好ましくは5m/g未満である。
一つの実施形態において、アルファ−アルミナ担体は、それぞれが、六角板状の形状に近いラメラ又は板状晶モルフォロジを有する、少なくとも一つの実質的に平面である主表面を有する粒子を含み(一部の粒子は2つ以上の平面を有する)、それらの少なくとも50パーセント(数による)が、50ミクロン未満の長径を有する。
アルファ−アルミナ担体は、任意の適宜の形状とすることができる。担体の代表的な形状としては、丸薬状、塊状、錠剤状、破片状、ペレット状、輪状、球状、荷馬車の車輪状、星型の内部及び/又は外部表面を有する環状などが挙げられる。担体は、反応器内での使用に適した任意の大きさとすることができる。例えば、(適宜の外殻内に)複数の平行に延在する、1〜3インチ(2.5〜7.5cm)の外径及び15〜45フィート(4.5〜13.5m)の長さの、触媒が充填された管を有する固定床酸化エチレン反応器においては、例えば、0.1インチ(0.25cm)〜0.8インチ(2cm)の径を有する、球状、ペレット状、輪状、交差区分された輪状、五角輪状、錠剤状などの丸い形状を有するアルファアルミナ担体を用いることが望ましい。
担体又は含浸された担体は、含浸溶液の少なくとも一部で含浸され、触媒中間体を形成する。類似する担体の含浸が、米国特許第6,511,938号及び第5,187,140号に記載される。含浸に続いて、触媒中間体は、全ての吸収されずに残った含浸溶液から分離される。これは、過剰の含浸溶液を排出することにより、或いは、ろ過又は遠心分離などの別な分離技法を用いることにより、簡便に達成される。
含浸ステップ(iii)に続いて、吸収されない含浸溶液を分離した後に、焼成又は他の銀を不溶化するための操作を行ってもよい。一般的に、焼成プロセスにおいては、触媒中間体は、例えば銀金属化合物(殆どの場合錯体)である触媒物質の金属形態への分解及び還元、並びにマンガン及び全てのその他の促進剤の沈着を実施するために、加熱処理される。かかる焼成は、100℃〜900℃、好ましくは200℃〜700℃の温度で、例えば、例えば銀塩である全ての塩を、例えば金属銀である金属へ、実質的に全て転化するために十分な時間行うことができる。
本技術分野において、含浸された担体を加熱処理するために、幅広い加熱時間の範囲が示唆されているが(例えば、米国特許第3,563,914号は、触媒物質を乾燥するために300秒未満加熱するが、還元するための焼成は行わないことを示唆し、米国特許第3,702,259号は、触媒中の銀塩を還元するために100℃〜375℃の温度で2〜8時間加熱することを開示する。)、重要なことは、例えば銀塩の金属への実質的に完全な還元が達成されるように、還元時間を温度と関連付けることのみである。この目的のために、望ましくは、連続的な又は段階的な加熱プログラムが用いられる。1時間以内などの短期間での触媒中間体の連続的な焼成が好ましく、本発明の触媒の製造において効果的に行うことができる。1回を超える焼成が行われる場合、それぞれの焼成において、焼成条件は必ずしも同一である必要はない。
加熱処理は好ましくは空気中で行われるが、窒素、水素、二酸化炭素又はその他の雰囲気が用いられてもよい。かかる加熱処理に用いられる装置は、還元を実施するためのかかる気体の、静的な雰囲気又は流通する雰囲気を用い得るが、流通する雰囲気の方が大幅に好ましい。一部の実施形態において、触媒中間体は、如何なる銀化合物をも金属銀へと還元するために、化学的に処理することができる。
一つの実施形態において、マンガン含有担持銀触媒の製造方法は、ステップ(i)〜(iii)に従って触媒中間体を形成することを含み、該触媒中間体は次に焼成され又は化学的に処理されて、マンガン含有銀触媒を形成する。一部の実施形態において、マンガン含有担持銀触媒を製造するために、2以上の含浸ステップが用いられる。例えば逐次的な含浸においては、ステップ(i)〜(iii)に従うことにより、担体が、銀、マンガン及び任意選択で1種又は2種以上のマンガン以外の促進剤を含む第1の含浸溶液の少なくとも一部で含浸されて、第1の触媒中間体を形成する。第1の触媒中間体は、次に、焼成され又は化学的に処理されて、第2の触媒中間体を形成する。続く含浸に関しては、第2の触媒中間体が、ステップ(i)〜(iii)に従うことにより、又は任意の公知の含浸プロセスにより、第2の含浸溶液の少なくとも一部で含浸される。別な実施形態において、担体が、銀を含有する第1の含浸溶液の少なくとも一部で含浸されて、第1の含浸された担体を形成する。第1の含浸された担体は焼成されて、銀が含浸された担体を形成する。銀が含浸された担体は、ステップ(i)〜(iii)に従う第2の含浸ステップに供されて、第1の触媒中間体を形成する。
逐次的含浸が行われる実施形態においては、第2の含浸溶液中の銀の濃度は、第1の含浸溶液中の濃度よりも高くてもよい。例えば、触媒中において30%の全銀濃度が所望される場合、第1の含浸の結果として、10重量%という低い量の銀が担体上に沈着され、続いて担体上への第2の銀の含浸が行われ、残りの20重量%が沈着される。なお、全てのパーセンテージは完成した触媒を基準として計算される。その他の実施形態において、それぞれの含浸ステップの間に、概略等量の銀が沈着される。多くの場合、それぞれの含浸ステップにおいて等しい沈着を実施するためには、次の含浸溶液中の銀濃度は、初めの含浸溶液中の濃度よりも大きいことが必要となり得る。更なる実施形態において、初めの含浸において、次の含浸において沈着される銀の量よりも大きい量の銀が担体上に沈着される。触媒担体の含浸は、一回での又は逐次的な沈着のための周知の手法に従って、銀及び促進剤を含有する1又は2以上の溶液を用いて実施し得る。一回での沈着に関しては、含浸に続いて、含浸された担体が加熱され又は化学的に処理されて、銀化合物を銀金属へと還元し、塩を触媒表面上に沈着させる。
本発明のマンガン含有担持銀触媒は、気相において、エチレンを酸素又は酸素を含有する気体と接触せしめることによる、連続的な酸化エチレンの製造のための気相プロセスにおいて特に好適である。このエポキシ化反応は、空気に基づく又は酸素に基づくことができ、Kirk−Othmerによる、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第9巻、1980年、445〜447ページを参照されたい。工業的に実施されるプロセスは、200℃〜300℃の温度、及び所望の質量速度及び生産性に依存する5気圧〜30気圧の変化し得る圧力で、エチレン及び酸素を含有する供給流を、マンガン含有担持銀触媒を収容する反応器に連続的に導入することによって行われる。大きな規模の反応器における滞留時間は、一般的に0.1〜5秒間程度である。供給流は、また、有機塩化物、エタン、二酸化炭素、及び水などの気相の改質剤を含んでもよい。
酸素は純粋な分子状酸素として、或いはその代りに、酸素を含有する気体としてプロセスに供給することができ、上記気体は、例えば、酸化プロセスとの観点で基本的に不活性である窒素、ヘリウム、メタン、及びアルゴンなどの気体状希釈剤である1種又は2種以上の気体状の成分を更に含んでもよい。原料のエチレン供給流は、また、不純物として存在するエタンなどのその他の炭化水素を含有してもよい。エタンは、また、有機塩化物のインヒビタの作用のよりよい制御をもたらすために、工業的な反応器に添加することもできる。反応混合物中のエチレンの酸素に対する相対的な容積比率は、任意のかかる公知の従来の値に従った範囲とすることができる。
上記気相の改質剤は、改質剤とは別に、インヒビタ及び/又は増強剤とも呼ばれる。好適な気相の改質剤は、C1〜C8の塩素化炭化水素を含む群より選択することができる。気相の改質剤の、エポキシ化プロセスの効率及び/又は活性を向上させる能力は、気相の改質剤が、例えば、原子状塩素又は塩化物イオンなどの特定の塩素種の触媒上への沈着によって、触媒の表面をどこまで塩素化するかの程度に依存すると考えられる。しかし、塩素原子を含まない炭化水素は触媒から塩化物を剥ぎ取り、それ故に、気相の塩素含有促進剤種によりもたらされる全体としての効率向上は減じられると考えられる。この現象の議論は、Berty、「Inhibitor Action of Chlorinated Hydrocarbons in the Oxidation of Ethylene to Ethylene Oxide」、Chemical Engineering Communications、第82巻(1989)、229〜232及びBerty、「Ethylene Oxide Synthesis」、Applied Industrial Catalysis、第I巻(1983)207〜238に見ることができる。エタン又はプロパンなどのパラフィン系化合物は、触媒からの塩化物の剥ぎ取りに特に有効と考えられる。しかし、エチレン及びプロピレンなどのオレフィンもまた、触媒から塩化物を剥ぎ取る作用をすると考えられる。これらの炭化水素の一部はまた、エチレン供給原料中の不純物として導入され得るか、又は(循環流の使用などの)他の理由で供給流中に存在し得る。
二酸化炭素は一般的にインヒビタと見なされ、二酸化炭素のプロセス効率に対するインヒビタ効果は、その濃度によって変化し得る。ある工業的なプロセスにおいて、本発明の触媒の調製において用いられる促進剤が異なると、異なる二酸化炭素濃度がより望ましいことがあり得る。一般的には、工業的なプロセスにおいて用いられる二酸化炭素の量は、空気プロセスの条件及び酸素プロセスの条件の両方の下で最適化を達成するためには、2モルパーセント未満から15モルパーセントまで変化し得る。二酸化炭素の量は、用いられる二酸化炭素洗浄システムの大きさ及び種類にも依存し得る。
一般的には、反応混合物中の酸素に対するアルキレンの容量比は、1/1〜10/1で変化し得る。同様に、不活性気体、希釈剤、又は水、二酸化炭素、気相の改質剤及び気体状の副生物抑制剤(副生物インヒビタ)などのその他の気体状成分の量は、本技術分野において見られるような公知の従来の範囲に従って変化し得る。
好適なエポキシ化反応の反応器としては、固定床反応器、固定床管状反応器、連続撹拌槽反応器(Continuously Stirred Tank Reactors、CSTR)、流動床反応器及び当業者に周知の多種多様の反応器が挙げられる。エポキシ化反応を行うための反応条件は周知であり、従来技術に広範に記載される。このことは、温度、圧力、滞留時間、反応剤の濃度、気相の希釈剤(例えば、窒素、メタン及び二酸化炭素)、気相のインヒビタ(例えば、有機塩化物)等の反応条件に当てはまる。未反応原料の再循環、又は単回通過システムの採用、又は直列配置の複数の反応器の採用によりエチレン転化率を増加させるための逐次的反応の使用の望ましさは、当業者により容易に決定され得る。選択される特定の運転様式は、通常、プロセスの経済性に支配されることとなる。本発明の実施形態により製造される酸化エチレンは、従来の方法により反応生成物から分離及び回収される。
本エポキシ化プロセスにより製造される酸化エチレンは、一般的には、処理されて、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールエーテル、炭酸エチレン、及びエタノールアミンなどの更に下流の製品を提供してもよい。酸化エチレンのエチレングリコール又はエチレングリコールエーテルへの転化は、例えば、好適には酸性又は塩基性の触媒の存在下で、所望の酸化エチレンを水と反応せしめることを含み得る。例えば、エチレングリコールエーテルに対してエチレングリコールを優先して生産するためには、液相反応において、例えば、全反応混合物を基準として0.5〜1.0wt%の硫酸などの酸触媒の存在下、50〜70℃、1バール(絶対圧)で、或いは、気相反応において、130〜240℃及び20〜40バール(絶対圧)、好ましくは触媒の非存在下で、酸化エチレンを10倍モル過剰の水と反応させることができる。水の比率がより低くなると、反応混合物中のエチレングリコールエーテルの比率が増加することとなる。或いは、エチレングリコールエーテルは、酸化エチレンをメタノール又はエタノールなどのアルコールと共に転化することにより、又は水の少なくとも一部をアルコールで置き換えることによって製造し得る。得られるエチレングリコール及びエチレングリコールエーテルは、食品、飲料、タバコ、化粧品、熱可塑性ポリマー、硬化性樹脂システム、洗剤、熱伝達システム等の産業において、多種多様な最終用途に利用することができる。
本発明の方法によって製造された酸化エチレンのエタノールアミンへの転化は、例えば、酸化エチレンをアンモニアと反応させることを含み得る。無水又は水性アンモニアを用いることができる。得られるエタノールアミンは、例えば、天然ガスの処理に用い得る。酸化エチレンは、酸化エチレンを二酸化炭素と反応させることにより、相当する炭酸エチレンへと転化され得る。所望であれば、続いて炭酸エチレンを水又はアルコールと反応させてエチレングリコールを生成することにより、エチレングリコールが製造され得る。適用可能な方法については、米国特許第6,080,897号が参照される。
エチレングリコールは、ポリエステル繊維、フィルム、及び容器に用いられるポリ(エチレンテレフタレート)の原料として、及び自動車用不凍液としての、2つの重要な用途において使用される。ジ−、トリ−、及びテトラエチレングリコールはエチレングリコールの併産品である。
銀−アミン−シュウ酸塩溶液の調製:
11.47重量部のエチレンジアミン(高純度グレード)を20.00重量部の蒸留水と混合することにより、アミン溶液を調製する。次に、11.60重量部のシュウ酸二水和物(試薬グレード)を、周囲条件においてアミン溶液にゆっくりと添加する。シュウ酸二水和物の添加は、発熱によりアミン−シュウ酸塩溶液の温度が40℃を超えて上昇することがない速度においてである。次に、19.82重量部の酸化銀を添加し、続いて4.01重量部の(Fe及びClを含まない)モノエタノールアミンを添加する。次に、蒸留水を添加して溶液の重量を70.00重量部に調整し、銀−アミン−シュウ酸塩溶液を形成する。銀−アミン−シュウ酸塩溶液は11〜12の範囲のpHを有する。
溶液中におけるマンガンの安定性の検討
比較例1
溶液中におけるマンガンの安定性の検討のための溶液Aの調製:
約0.293gの硝酸マンガン(II)水溶液(0.157g−Mn/g−溶液)を588.3gの上記銀−アミン−シュウ酸塩溶液に添加する。次に、他の(Mn非含有)促進剤含有化合物を水溶液(全体で約16.14g)として添加し、続いて20℃で30分間撹拌して溶液Aを得る。溶液Aの試料を抜き出し、0.1μのろ紙を通してろ過し、ろ液中のマンガン濃度をX線蛍光分析法(XRF)により分析する。XRF分析の誤差は一般的には約±3ppmであり、結果を表1に示す。表において、Mn(マンガン)計算値とは、溶液中のマンガンの化学量論的な量をいう。XRF Mnは、XRFにより測定されるろ過後の溶液中に残存するマンガンの量である。XRF Mn値は約60.9±3ppmであり、溶液Aからのマンガンの析出を示している。
比較例2
溶液中におけるマンガンの安定性の検討のための溶液Bの調製:
約1.0724gのEDTA二アンモニウム水溶液(EDTA46wt%)を溶液Aに添加し、20℃において30分間撹拌して溶液Bを得る。溶液Bの試料をXRF分析用に抜き出し、上述の方法に従って分析する。溶液Bは、表1に示すように約54.6±3ppmのXRF値を有し、溶液Aに比較してより多くのマンガンの析出を示している。
実施例1
溶液中におけるマンガンの安定性の検討のための溶液Cの調製:
銀−アミン−シュウ酸塩溶液に添加する前に、約0.293gの硝酸マンガン(II)水溶液(0.157g−Mn/g−溶液)を約1.072gのEDTA二アンモニウム水溶液(EDTA46wt%)と混合し、完全に混合して第1の溶液を形成すること以外は、比較例2の実験を繰り返す。上記の方法で調製した第1の溶液は、7以下のpHを有する。次に、第1の溶液を銀−アミン−シュウ酸塩溶液に添加し、続いて他の(Mn非含有)促進剤溶液を添加し、20℃で30分間撹拌し、溶液Cを得る。溶液Cは7よりも大きいpHを有する。溶液Cは約80.0±3ppmのXRF Mn値を示し、これはMn計算値と一致し、溶液からのマンガンの析出が極僅かであることを示している。
含浸溶液バッチにおけるマンガン量の変動の検討
比較例3
従来技術の方法による触媒バッチの調製
第1の含浸された担体の調製:
アルファ−アルミナ担体を、典型的には31重量パーセントの酸化銀、18重量パーセントのシュウ酸、18重量パーセントのエチレンジアミン、6重量パーセントのモノエタノールアミン及び27重量パーセントの蒸留水を含有する第1の銀含浸溶液で減圧含浸する。第1の銀含浸溶液は、1.14部のエチレンジアミン(高純度グレード)を1.75部の蒸留水と混合してエチレンジアミン水溶液を形成することにより調製する。次に、このエチレンジアミン水溶液に、1.16部のシュウ酸二水和物(試薬グレード)を、溶液の温度が40℃を超えないようにゆっくりと添加し、次に、1.98部の酸化銀及び0.40部の(Fe及びClを含まない)モノエタノールアミンを添加して、第1の銀含浸溶液を形成する。第1の銀含浸溶液は11及び12の間の範囲のpHを有する。
アルファ−アルミナ担体を第1の銀含浸溶液で含浸する。周囲条件において5〜30分間、担体を第1の銀含浸溶液中に浸漬した状態に維持する。次に、含浸された担体を取り出し、10〜30分間過剰な溶液を排出する。
次に、担体表面上の銀の還元を実施するために含浸された担体を焼成して、第1の含浸された担体を形成する。焼成のために、含浸された担体を、ステンレス鋼針金製の網目皿上に一層に拡げ、これをベルト上に載置し、2.5分間加熱領域に移動する。加熱領域は、ベルト及び含浸された担体を通して上向きに加熱空気を通過させることで、500℃に維持される。加熱領域での焼成後に、第1の含浸された担体を解放状態のまま室温とし、秤量する。
第1の触媒中間体の調製:
第1の含浸された担体を第2の銀含浸溶液で減圧含浸して、第1の触媒中間体を形成する。第2の銀含浸溶液は、以前の銀含浸溶液(複数可)から排出された溶液並びに、銀−アミン−シュウ酸塩溶液に直接、別途に添加された硝酸マンガン及びEDTA二アンモニウムのそれぞれ新しい分割液を含む。第2の含浸溶液は、セシウム、リチウム、ナトリウム及びそれらの任意の混合物から選択される1種又は2種以上の促進剤を含む。含浸に続いて、第1の触媒中間体から過剰な溶液を排出し、該中間体を第1の含浸された担体に関して上述したようにして焼成し、第1の触媒を形成する。銀の重量パーセントを、第1の触媒及び担体の重量を基準として算出する。促進剤に関して、銀に関する沈着速度と類似の沈着速度を仮定して促進剤の濃度を算出する。第1の触媒のマンガン含有量は、含浸溶液のマンガン含有量と関係付けることができ、溶液中でのマンガンの安定性の検討についての以前の例において記載したようにして、XRFを用いて測定される。この方法に従って、幅広い範囲の所望の目標濃度を有し、また、種々のスケールアップ水準にある種々の第1の触媒バッチを調製する。含浸溶液の化学量論を変化させることにより、幅広い範囲の所望の目標濃度を達成することができる。図1は、第1の触媒バッチの調製に使用するために調製された銀含浸溶液バッチ中の、XRF分析により測定されるマンガン量の変動のプロットであり、マンガン含有量の所望の目標濃度からのパーセンテージでの変量で表される。この例は、含浸溶液中のマンガン量における、目標値に比較して約+20%から約−90%に及ぶ大きな変動を示している。かかる含浸溶液を用いて調製される触媒は、マンガンのこの変動を同様に反映することが予想される。
実施例2
本発明の方法による触媒バッチの調製
本発明の方法による第2の触媒中間体の調製:
第1の含浸された担体を、比較例3の方法によって調製し、次にこれを第3の銀含浸溶液で減圧含浸して、第2の触媒中間体を形成する。第3の銀含浸溶液は、以前の銀含浸溶液(複数可)から排出された溶液並びに、第1の溶液及び第2の溶液のそれぞれ新しい分割液を含む。第1の溶液は、硝酸マンガン(II)及びEDTA二アンモニウムを含み、任意の時間において、すなわち、第1の溶液調製の間又はその後の時間の少なくとも一点において、7以下のpHを有する。第2の溶液は銀−アミン−シュウ酸塩溶液を含む。第3の銀含浸溶液は、セシウム、リチウム、ナトリウム及びそれらの任意の混合物から選択される1種又は2種以上の促進剤を含む。第3の銀含浸溶液は7より大きいpHを有する。含浸に続いて、第2の触媒中間体から過剰な溶液が排出され、該中間体を第1の含浸された担体に関して上述したようにして焼成し、第2の触媒を形成する。銀の重量パーセント及び促進剤の濃度を算出する。第2の触媒中のマンガン含有量は、第3の含浸溶液のマンガン含有量と関係付けることができ、XRFを用いて測定される。幅広い範囲の所望の目標濃度を有し、また、種々のスケールアップ水準にある種々の第2の触媒バッチを調製する。図2は、第2の触媒バッチの調製に使用するために、本発明によって調製された含浸溶液バッチ中の、XRFにより測定されたマンガン量の変動のプロットであり、マンガン含有量の所望の目標濃度からのパーセンテージでの変量で表される。マンガン濃度の変動は目標に対して±10%である。この例は、銀を含有する第2の溶液に添加する前に、硝酸マンガンとEDTA二アンモニウムとを混合する本発明の第1の溶液の形成方法が、得られる含浸溶液中のマンガン量の変動を低減することを示している。かかる含浸溶液を用いて調製される触媒は、このより小さな変動を同様に反映することが予想される。
比較例4
概括的には比較例3において記載したような操作により、マンガンを含有する第1の触媒バッチ4−1〜4−5を大きな規模で調製する。第1の触媒バッチ4−1〜4−5上のマンガン濃度をXRFを用いて測定し、表2に提示する。
触媒性能の検討:
多数の80ccの試料を各第1の触媒バッチから抜き出し、逆混合(CSTR)Berty型オートクレーブ反応器中、次の条件下で評価を行う:供給流濃度 酸素8.0vol%、二酸化炭素6.5vol%、エチレン30.0vol%、エタン0.50vol%、塩化エチル3.5体積ppm、残余は窒素;圧力 1900kPa(ゲージ圧);全流量 時間当たり640標準リットル(窒素として測定);反応開始温度 230℃。反応開始に続いて、排出流中の酸化エチレン濃度が2.0vol%となるように温度を調節する。各バッチについて、7日間の試験後に2.0vol%の排出流中の酸化エチレン濃度を得るために必要なオートクレーブの平均温度を表2に示す。
実施例3
この例は、本発明の方法を用いて調製されるマンガン含有銀触媒の性能向上を例証する。
概括的には実施例2において概説した操作により、マンガンを含有する第2の触媒バッチ3−1〜3−6を大きな規模で調製する。第2の触媒バッチ3−1〜3−6上のマンガン濃度をXRFを用いて測定し、表3に提示する。比較例4に提示した触媒性能検討の操作に従って、第2の触媒バッチ3−1〜3−6を評価する。第2の触媒バッチのマンガン濃度、及び7日間の試験後に2.0vol%の排出流中の酸化エチレン濃度を得るために必要なオートクレーブの平均温度である温度を表3に示す。
図3は、例3の第2の触媒バッチと比較例4の第1の触媒バッチの活性の比較である。例3の第2の触媒バッチに関する、2.0vol%の酸化エチレンを製造するために必要な顕著により低い温度は、比較例4の第1の触媒バッチに対する触媒活性の向上を示している。有利なことに、触媒活性の向上は、例3の第2の触媒バッチの寿命にも恩恵を与え得る。
比較例5
この例は、比較例4に記載されるような、大きな規模の第1の触媒バッチ(4−1〜4−5)の調製過程の間におけるマンガン含有量の変動を強調する。図4は、第1の触媒バッチ4−1〜4−5(5と記す)の調製において用いるために調製された、マンガンを含有する銀−アミン−シュウ酸塩溶液バッチの規格化されたマンガン含有量のプロットであり、ここで、規格化されたマンガン含有量は、目標マンガン含有量に対する(XRFにより分析した)測定された溶液バッチ中のマンガン含有量の比であり、全ての溶液バッチにわたっての当該比の平均値で除したものである。従って、図4のプロット上の多数の点は、各比較例4の大きな規模での第1の触媒バッチに相当し、従来技術の方法によりマンガンを含有する銀触媒を調製する場合は、各第1の触媒バッチ内であっても、各溶液バッチ間のマンガン含有量の変量があることを示すものである。
実施例4
この例は、実施例3に記載されるような、大きな規模での第2の触媒バッチ(3−1〜3−6)の調製の間に見られる、本発明の方法の利点を例証する。図4は、第2の触媒バッチ3−1〜3−6(4と記す)の調製の間に用いるために本発明の方法によって調製された、Mnを含有する銀−アミン−シュウ酸塩溶液バッチの規格化されたマンガン含有量のプロットであり、ここで、規格化されたマンガン含有量は、目標マンガン含有量に対する(XRFにより分析した)測定された溶液バッチ中のマンガン含有量の比であり、全ての溶液バッチにわたっての当該比の平均値で除したものである。従って、図4のプロット上の多数の点は、各例3の大きな規模での第2の触媒バッチに相当する。従来技術の方法を用いて調製されたMnを含有する銀−アミン−シュウ酸塩溶液バッチ(5と記す)と比較して、本発明の方法を用いて調製された溶液バッチは、より小さいバッチ間のマンガン量の変動を示す。

Claims (10)

  1. (i)マンガン成分及び錯化剤を含み、ステップ(i)の間又はステップ(i)の後の任意の時間におけるpHが7以下である第1の溶液を調製するステップと、
    (ii)第1の溶液を、銀を含む第2の溶液と混合して含浸溶液を調製するステップと、
    (iii)担体を、7を超えるpHを有する前記含浸溶液の少なくとも一部で含浸して、触媒中間体を形成するステップと、
    を含む、マンガン含有担持銀触媒中間体の製造方法。
  2. 前記マンガン成分が、酢酸マンガン、硫酸アンモニウムマンガン、クエン酸マンガン、ジチオン酸マンガン、シュウ酸マンガン、硝酸第一マンガン、硫酸第一マンガン、過マンガン酸アニオン、マンガン酸アニオン及びこれらの任意の組み合わせの1種又は2種以上を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記錯化剤が、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、1,2−シクロヘキシレンジニトリロ四酢酸、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、N−ジヒドロキシエチルグリシン及びこれらの任意の誘導体からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記錯化剤がエチレンジアミン四酢酸である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 第1の溶液、又は第2の溶液、又はそれらの両者が、マンガン成分以外の1種又は2種以上の促進剤を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記マンガン成分以外の1種又は2種以上の促進剤が、第IA族の金属、第IIA族の金属、リン、ホウ素、イオウ、レニウム、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオブ、ガリウム、ゲルマニウム及びこれらの任意の混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記マンガン含有担持銀触媒中間体中に、マンガンが、前記触媒の全重量を基準としたマンガンの重量として算出される、少なくとも20重量ppmの量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記マンガン含有担持銀触媒中間体中に、マンガンが、前記触媒の全重量を基準としたマンガンの重量として算出される、20重量ppm〜1000重量ppmの量で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のマンガン含有担持銀触媒中間体から調製されるマンガン含有担持銀触媒の存在下で、気相において、エチレンを酸素又は酸素を含有する気体と接触せしめることを含む、酸化エチレンの製造のための気相プロセス。
  10. 更に、前記酸化エチレンを炭酸エチレン、エチレングリコール、エタノールアミン又はエチレングリコールエーテルの1種又は2種以上へ転化することを含む、請求項9に記載のプロセス。
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