JP6247044B2 - 二相流体の固相率計測装置及び冷却システム - Google Patents

二相流体の固相率計測装置及び冷却システム Download PDF

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Description

本発明は、固相成分と液相成分とを含んでなる二相流体の固相率測定装置、及び、該固相率測定装置を備える冷却システムの技術分野に関する。
固相成分と液相成分とが混合してなる二相流体の一例として、スラッシュ窒素が広く知られている。スラッシュ窒素は微粒化された固体窒素と液体窒素との混合物のスラリーであり、その流動性の高さから、例えば超電導機器等の冷却システムに適している。超電導機器の一例である高温超電導送電ケーブルを冷却する場合、冷却ステーションの設置間隔が数kmに及ぶことが想定されるが、数km先のケーブル出口側においても固相成分が残っていれば窒素温度は融解温度である63Kに保たれ、その結果、超電導ケーブルはその能力、すなわち63Kにおける臨界電流値に対応する送電量を維持することができる。
このような二相流体における固相成分の割合(すなわち、固相率)は、冷却対象の熱負荷と密接な関係がある。そのため、冷却対象の熱負荷が変動する場合には、その変動に応じて固相率を制御することが重要である。このような固相率制御では、基準となる固相率を精度よく検出する必要がある。固相率は固体成分の質量割合を示すが、体積と質量の変換は容易にできることから、以下には体積割合を固相率として説明を行う。
この種の二相流体の固相率を測定する方法として、二相流体における固相成分と液相成分とが互いに異なる誘電率を有する性質に着目し、二相流体に浸漬した電極によって構成されるキャパシタの静電容量に基づいて二相流体の密度を求め、固相率を測定するものがある。例えば特許文献1では、二相流体であるスラッシュ水素について固相率の測定を行っている。ここで、図9は特許文献1において二相流体の固相率を測定する際に使用されるキャパシタの電極構造を示す模式図である。この例では、平板電極31と該平板電極31の両サイドに対向するように配置された円筒型電極32a及び32bとを、測定対象であるスラッシュ水素に浸漬し、これらの電極間の静電容量を検出することで固相率を求めている。特許文献1では特に、キャパシタを構成する一方の電極を円筒形状に形成し、電極間にスラッシュ水素を導くことで、精度のよい固相率測定を行うことができるとされている。
特許第3572200号
一般的に、静電容量Cは電極の面積S、電極間の距離L、及び、電極間に存在する物質が有する誘電率εを用いて、
C∝εS/L (1)
と表される。(1)式に示されているように、静電容量Cは電極の面積Sに比例するため、測定感度を向上するためには、電極の面積が大きいことが好ましい。しかしながら、特許文献1では平板形状の電極を用いているため、狭い配管中を流れる二相流体の固相率を測定しようとした場合、電極面積が狭くならざるを得ず、十分な測定精度を確保することが困難であるという問題がある。
また特許文献1では、平板電極31と円筒電極32a及び32bという非類似形状を有する電極によって形成されるキャパシタの静電容量に基づいて固相率を求めている。このような形状を有するキャパシタを例えば丸い断面を有する配管内に設置しようとすると、キャパシタの電極間には該配管内を流れる二相流体の一部しか導入されない(すなわち、配管とキャパシタとの間に少なからず隙間が生じるため、配管内を流れる二相流体全体を電極間に導くことができない)。そのため、二相流体における固相成分の分布が不均一な場合には、測定結果の不正確さが増してしまうという問題点が有る。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、配管内を流れる二相流体の固相率を高精度で測定することが可能な二相流体の固相率測定装置及び該固相率測定装置を備える冷却システムを提供することを目的とする。
本発明に係る二相流体の固相率測定装置は上記課題を解決するために、固相成分及び液相成分を含む二相流体の固相率を測定する二相流体の固相率測定装置であって、前記二相流体の流れ方向に沿って延在するように配設された中心電極と、該中心電極の外周側に同心に設けられた第1の円筒電極と、該第1の円筒電極の外周側に同心に設けられ、且つ、前記第1の円筒電極に比べて大径に形成された第2の円筒電極と、前記中心電極及び前記第1の円筒電極によって形成される第1のキャパシタの静電容量、並びに、前記第1の円筒電極及び前記第2の円筒電極によって形成される第2のキャパシタの静電容量をそれぞれ検出することにより、前記二相流体の固相率を測定する測定部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、中心電極の周りに第1の円筒電極及び第2の円筒電極を同心配置した構成を有するキャパシタを用いることで、狭い配管内においても大きな静電容量を確保し、良好な測定感度で固相率を測定することができる。また、電極間に導入される二相流体の割合を平板電極を用いた場合に比べて大幅に向上できるので、固相成分の分布にバラツキがある二相流体に対しても測定精度を向上できる。
本発明の一態様によれば、前記第1の静電容量及び前記第2の静電容量の各々において、内側に配置された電極の半径r、及び、外側に配置された電極の半径rは、前記二相流体における固相成分の偏在割合η、測定許容誤差α、前記二相流体の固相率f、前記固相成分の比誘電率ε、及び、前記液相成分の比誘電率εを用いて、次式
Figure 0006247044
を満たす。
二相流体に含まれる固相成分の分布が径方向にバラツキを有している場合、厳密には、その分布に応じてキャパシタの静電容量も変化する。この態様では、キャパシタを構成する電極の径を上記(2)を満足するように設計することにより、固相成分の径方向分布に起因する静電容量のバラツキを実質的に無視する(測定許容誤差αより小さくする)ことができる。そのため、不均一な二相流体に対しても、固相率を精度よく測定することができる。
また他の態様では、前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの前記二相流体の流れ方向に沿った長さは、それぞれの電極間距離の10倍以上に設定されている。
この態様によれば、各キャパシタを構成する電極の長さを、電極間の距離の10倍以上に設定することで、電極の端部におけるエッジ効果を実質的に無視することができ、精度のよい固相率測定が可能となる。
また他の態様では、前記中心電極の半径r、前記第1の円筒電極の半径r、及び、前記第2の円筒電極の半径rは、次式
/r=r/r (3)
を満たす。
この態様によれば、第1のキャパシタの静電容量及び第2のキャパシタの静電容量を互いに等しく構成することができ、キャパシタらを流れる固相成分の分岐比が変わっても固相率計の総静電容量は変わらないようになる。
また他の態様では、前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの上流側に、前記二相流体に含まれる固相成分の粒径を揃えるフィルタを備える。
この態様によれば、固相率測定装置の上流側にフィルタを設けることによって、装置に導入される固相成分の粒径を揃えることができるので、各静電容量における測定精度を効果的に向上させることができる。
本発明に係る冷却システムは、前記二相流体を冷媒として循環する循環回路上に設けられた熱負荷を冷却する冷却システムであって、該循環経路上に、前記二相流体を生成する生成装置と、前記生成装置の下流側に設置された請求項1から5のいずれか一項に記載の二相流体の固相率測定装置と、前記固相率測定装置の測定値に基づいて前記生成装置の動作状態を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
この冷却システムによれば、上述した二相流体の固相率測定装置(上記各種態様を含む)を備えることによって、生成装置の制御精度を向上し、熱負荷の効率的な冷却が可能となる。特に、熱負荷が時間的に変化することによって循環経路を流れる二相流体の固相率が変化する場合であっても、固相率測定装置の測定結果に応じて生成装置の動作状態を制御して、熱負荷に最適な固相率を維持することができる。
また本発明に係る二相流体の固相率測定装置は上記課題を解決するために、固相成分及び液相成分を含む二相流体の固相率を測定する二相流体の固相率測定装置であって、前記二相流体の流れ方向に沿って延在するように配設された中心電極と、前記中心電極の外周側に、互いに異なる半径を有すると共に同心配置されたM(Mは3以上の自然数)個の円筒電極と、前記M個の円筒電極のうち互いに隣り合う電極間に形成されるキャパシタの静電容量をそれぞれ検出することにより、前記二相流体の固相率を測定する測定部と
を備え、前記M個の円筒電極の半径r1、r2、・・・、rM-1、rMは次式
/r=r/r・・・=rM /rM-1
を満たすように設定されていることを特徴としてもよい。
この場合、前記キャパシタにおいて、内側に配置された電極の半径r、及び、外側に配置された電極の半径rは、前記二相流体における固相成分の偏在割合η、測定許容誤差α、前記二相流体の固相率f、前記固相成分の比誘電率ε、及び、前記液相成分の比誘電率εを用いて、次式
Figure 0006247044
を満たすように設定されているとよい。
本発明によれば、上述した第1及び第2のキャパシタを用いた固相率測定装置を拡張することにより、同様の原理に基づいて、中心電極の外周に設けられたM個の円筒電極によって形成される(M-1)個のキャパシタの静電容量を検出することによって固相率を測定することができる。
本発明によれば、中心電極の周りに第1の円筒電極及び第2の円筒電極を同心配置した構成を有することで、狭い配管内においても大きな静電容量を確保し、良好な測定感度で固相率を測定することができる。また、電極間に導入される二相流体の割合を平板電極を用いた場合に比べて大幅に向上できるので、固相成分の分布にバラツキがある二相流体に対しても測定精度を向上できる。
本実施例に係る固相率測定装置の全体構成を示す模式図である。 固相率計の斜視図である。 第1のキャパシタの電極間を流れる二相流体に含まれる固相成分の分布をモデル化したものである。 固相率計の設計例を示す模式図である。 固相率計の具体的な構成を示した模式図である。 本実施例に係る冷却システムの全体構成を示す模式図である。 図6の破線で囲んだ領域を部分的に拡大して示したものである。 変形例に係る冷却システムにおける固相率測定装置の近傍を部分的に拡大して示したものである。 先行技術において二相流体の固相率を測定する際に使用される電極構造を示す模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
以下の本実施例では二相流体として、固相成分である固体窒素と、液相成分である液体窒素とを含んでなるスラッシュ窒素を例に説明することとする。尚、スラッシュ水素などの他の二相流体についても、同様に本発明を適用可能であることはいうまでもない。
(固相率測定装置)
図1は本実施例に係る固相率測定装置1の全体構成を示す模式図である。固相率測定装置1は、測定対象であるスラッシュ窒素が図1で矢印で示す向きに流れる配管2内に設置された固相率計(静電容量C)と、該固相率計に接続された測定器10とを含んで構成されている。固相率計は、スラッシュ窒素の流れ方向に沿って延在するように設けられた中心電極3及び該中心電極3の外周側に同心に設けられた第1の円筒電極4から構成される第1のキャパシタ(静電容量C)と、前記第1の円筒電極4及び該第1の円筒電極4の更に外側に同心に設けられた第2の円筒電極5から構成される第2のキャパシタ(静電容量C)とが並列に設けられるように構成されている。測定器10は、静電容量Cを計測可能な機器(例えばLCRメータ)であり、固相率計を構成する各電極に配線を介して接続されている。
図2は固相率計の斜視図である。中心電極3、第1の円筒電極4及び第2の円筒電極5はそれぞれ半径r、r、r(r<r<r)を有しており、同心配置されることによって半径rの円筒構造内に2つのキャパシタが効率的なレイアウトで形成されるようになっている。ここで各電極の長さをLとすると、真空中における第1のキャパシタの静電容量CA,0及び第2のキャパシタの静電容量CB,0は次式
A,0=2πLε/ln(r/r) (4−1)
B,0=2πLε/ln(r/r) (4−2)
で表される(ここでε(=8.85×10−12F/m)は真空の誘電率である)。従って、真空中の静電容量C
=CA,0+CB,0 (5)
となる。
本実施例では特に、第1のキャパシタの静電容量Cと第2のキャパシタの静電容量Cとが等しくなるように設計されている。すなわち、(4−1)と(4−2)式により次式
/r=r/r (6)
を満たすように設計されている。この場合、キャパシタの数をn(=2)とすると、Cは次式
=n×2πεL/ln(r/r) (7)
と表される。
このような構造を有する固相率計は、半径r(>r)を有する配管2内に、スラッシュ窒素の流れに沿った方向に向けて配置されており、各電極間には測定対象であるスラッシュ窒素が流れる。ここで、スラッシュ窒素の比誘電率εslは、固体窒素の比誘電率ε、液体窒素の比誘電率ε、固相率f(0≦f≦1)を用いると次式
εsl=f×ε+(1−f)×ε (8)
により表されので、スラッシュ窒素に浸漬された静電容量Cは、
C = C0 ε sl (9)
となる。
固相率fが0%から10%に変化した場合、比誘電率εslの変化量Δεslは、(8)式に基づいて次式
Δεsl=εsl(f=0.1)−εsl(f=0) (10)
により得られる。本実施例では静電容量をLCRメータなどの測定器10を用いて測定するが、その際、電源ノイズや外部ノイズのような測定ノイズの影響を少なからず受けることとなる。ここで測定ノイズの大きさをNとすると、比誘電率εslの変化量Δεslを測定するために必要な測定感度(C0)を得るためには、次式
×Δεsl>N (11)
を満足すればよいこととなる。
例えば、圧力1atm、温度63.2Kの条件下では、固体窒素の比誘電率ε=1.520、液体窒素の比誘電率ε=1.469であるので、固相率が10%変化する際の比誘電率の変化量は(10)式よりΔεsl=0.0051となる。従って、LCRメータの測定値に含まれる測定ノイズの大きさがN=0.04pFであると仮定すると、(11)式は
>7.84pF (11´)
となる。すなわち、スラッシュ窒素の10%の固相率変化を測定するためには、各電極の半径r、r、rを(6)と(11´)式を満たすように設計すればよいこととなる。
以上の説明では電極間を流れる二相流体が均一である場合について説明した。一方、電極間を流れる二相流体の分布が不均一である場合、固相成分の分布に応じて二相流体の比誘電率にバラツキが生じ、測定精度が低下するおそれがある。このような問題点は、以下により解決することができる。
図3は第1のキャパシタの電極間を流れる二相流体に含まれる固相成分が不均一な分布を有する場合をモデル化して示したものである。このモデルでは固相成分の分布が半径方向にバラツキを有しており、図3(a)は外側に設けられた第1の円筒電極4側に固相成分が偏って分布している場合を示しており、図3(b)は内側に設けられた中心電極3側に固相成分が分布している場合を示している。
まず図3(a)の場合、固相成分と液相成分との境界半径をrとすると、第1の静電容量CA,uは固相成分による静電容量と液相成分による静電容量とを合成したものとなる。境界半径rは二相流体における固相成分の体積割合ηを用いると、次式
Figure 0006247044
により得られるので、第1の静電容量CA,u
Figure 0006247044
と求められる。
一方、図3(b)の場合、固相成分と液相成分との境界半径をrとすると、第1の静電容量CA,dは固相成分による静電容量と液相成分による静電容量とを合成したものとなる。境界半径rは二相流体における固相成分の体積割合ηを用いると、次式
Figure 0006247044
により得られるので、第1の静電容量CA,d
Figure 0006247044
と求められる。
従って、固相成分の分布の異なる2つモデルにおける第1の静電容量CA,u及びCA,dの差異Δ duは、次式
Figure 0006247044
と求められる。このように求められた差異Δ duは固相成分の分布の違いによって静電容量の測定値に現れる最大誤差の大きさを表しているため、このような誤差を十分小さくするためには、測定許容誤差をαとすると、Δ du<αから次の上限式
Figure 0006247044
を満足すればよい。すなわち、(17)式を満たすように第1のキャパシタを構成する電極の半径r及びrを設計することで、固相成分の分布の違いに起因する測定誤差を実質的に無視することができるようになるので、高精度な固相率測定が可能となる。
尚、ここでは図3に示すモデルを用いて第1のキャパシタの静電容量Cに関する条件式(17)を導いたが、同様の考えに基づいて、第2のキャパシタの静電容量Cにおいても同様の条件式を導くことができる。すなわち、第2のキャパシタの静電容量Cに関しては、(17)式のrとrを、それぞれr及びrに入れ替えれば足りる。
上記各種条件を具備した具体的な設計例について説明する。ここでは、固相率計が設置される配管2の径をr=10mmとし、測定可能なスラッシュ窒素の固相率fの最小値が10%となるようなスペックを満たすように設計を行った場合を想定する。
配管2は5000m級の高温超電導ケーブルの冷却システムに用いられ、該配管2を流れるスラッシュ窒素は、入口において通常運転時は流速0.35m/s(30l/min)、圧力1.06MPa、温度63.38K、固相率20%であり、出口において圧力0.3MPa、温度81.1Kになる条件下にあるとし、固体窒素の比誘電率はε=1.520、液体窒素の比誘電率はε=1.469であるとする。また、測定対象であるスラッシュ窒素の固体相成分の偏在割合がη=0.1f(すなわち、固相率の10%)であるとする。検出器10の測定値に含まれる測定ノイズをN=±0.02pF(大きさ=0.04pF)とし、最小測定感度をα=0.1(すなわち、測定値の10%)とする。
このような条件下では、η=0.01、α=0.1、f=0.1、ε=1.520、ε=1.469を(17)式に代入することにより、
Figure 0006247044
となり、第1と第2のキャパシタにおける半径比は、それぞれ次式
/r=r/r≦1.625 (18)
として得られる。図4は(18)式を満たす設計例の具体的構成を示している。この設計例では、より実際の設計例に近づけるために、第1の円筒電極4及び第2の円筒電極5はそれぞれ厚みt=1mmを有するとして計算しており(すなわち、第1の円筒電極4の内径比はr2/r1として、第1の円筒電極4の厚みtが加わった場合の第2の円筒電極5の内径比はr3/(r2+t)として求めた)、r=2.9mmとして、各円筒内径をr=4.6mm、r=9mmと設定している。
また本願発明者らの検証によると、上記条件を満たすことに加えて、各電極の長さLは、電極間距離(すなわち、(r−r)又は(r−r))の10倍以上に設定することが好ましいことが判明した。これは、キャパシタを構成する電極の端部において電気力線が回り込むような分布を形成することにより生じるエッジ効果の影響を実質的に無視できるからである。図4に示す設計例では、例えば長さをL=35mmと設定することで、良好な測定結果が得られることができる。
図5は固相率計の具体的な構成を示した模式図である。この例では、固相率計の入口側と出口側において、各電極の端部を覆うように円形に形成された円形部材21と、該円形部材21間を半径方向に沿って連結する線形部材22とによって形成される支持部材20が設けられている。この支持部材20は例えばベークライトを材料として形成されており、各電極間の配置を安定的に支持している。
尚、支持部材20は固相率計に導かれる二相流体の流れを妨げないように、固相率計の強度を十分に確保できる範囲内で、二相流体の流れ方向から見て極力面積が少なくなるように構成するとよい。
(冷却システム)
続いて、上記固相率測定装置を備えた冷却システムについて説明する。本実施例に係る冷却システムは、超電導ケーブルなどの熱負荷に対して二相流体であるスラッシュ窒素を循環供給することで冷却を行うものであり、図6にその全体構成を模式的に示す。
冷却システム100は冷媒としてスラッシュ窒素が循環する循環経路110を有しており、該循環経路110上には上流側からスラッシュ窒素を圧送するための循環ポンプ120と、液体窒素を冷却する冷凍機130と、スラッシュ窒素を生成する生成装置140とが設けられている(尚、図6では循環経路110上にある熱負荷は省略)。生成装置140は、スラッシュ窒素及びサブクール窒素を貯槽する低温容器141を有しており、2台の冷凍機142と143を用いて液体窒素を冷却面に固化させ、固化した窒素をモータ144で駆動される掻き取り羽根145で剥離することによって、スラッシュ窒素の生成が行われる。
但、本スラッシュ窒素の生成方法は一例を示したものであり、例えば、本出願人の先行技術である特許第4346037号などの方法もある。
図7は図6の破線で囲んだ領域Aを部分的に拡大して示したものである。図7に示されているように、循環経路110は上述の配管2を含んでおり、該配管2のうち生成装置140の下流側に固相率測定装置1を構成する固相率計が配置されている。静電容量Cは測定器10(LCRメータ)によって検出され、その検出値は冷却システム100の制御装置であるコントローラ150に送信される。コントローラ150では、LCRメータの検出値に基づいて配管2を流れるスラッシュ窒素の固相率を求め、その結果が予め設定された目標値になるように生成装置140の制御を行う。
本実施例に係る冷却システム100では、上述した固相率測定装置を用いることによって、生成装置140の制御に用いられるスラッシュ窒素の固相率を精度よく測定することができるので、熱負荷の状態に応じた最適な制御を行うことができる。特に超電導送電ケーブルのように熱負荷が時間的に変化する場合には、循環経路110を流れるスラッシュ窒素の固相率が逐次変化する。このような場合のおいても、固相率測定装置によって正確に固相率をリアルタイムで精度よく測定することで、生成装置140を制御によって冷却に必要な冷熱を効率的に生成し、高温超電導送電ケーブルを適切な温度条件に保持して安定な運用を行うことができる。
(変形例)
図8は変形例に係る冷却システム100における固相率測定装置1の近傍を部分的に拡大して示したものである。変形例では、固相率測定装置1の上流側(すなわち、生成装置140との間)の配管2に、生成装置140で生成されたスラッシュ窒素に含まれる固体窒素の粒径を揃えるためのフィルタ160が設けられている。
本変形例では、生成装置140によって生成される固体窒素の粒径に少なからずバラツキがあることを考慮して、固相率測定装置の上流側にフィルタ160を設けている。これにより、配管2内に設置された静電容量に導入されるスラッシュ窒素に含まれる固体窒素の粒径を揃えることができるので、各静電容量における測定精度を効果的に向上させることができる。
本発明は、固相成分と液相成分とを含んでなる二相流体の固相率測定装置及び該固相率測定装置を備える冷却システムに利用可能である。
1 固相率測定装置
2 配管
3 中心電極
4 第1の円筒電極
5 第2の円筒電極
10 測定器
20 支持部材
100 冷却システム
110 循環経路
140 生成装置
150 コントローラ

Claims (7)

  1. 固相成分及び液相成分を含む二相流体の固相率を測定する二相流体の固相率測定装置であって、
    前記二相流体の流れ方向に沿って延在するように配設された中心電極と、
    該中心電極の外周側に同心に設けられた第1の円筒電極と、
    該第1の円筒電極の外周側に同心に設けられ、且つ、前記第1の円筒電極に比べて大径に形成された第2の円筒電極と、
    前記中心電極及び前記第1の円筒電極によって形成される第1のキャパシタの静電容量、並びに、前記第1の円筒電極及び前記第2の円筒電極によって形成される第2のキャパシタの静電容量をそれぞれ検出することにより、前記二相流体の固相率を測定する測定部と
    を備え
    前記中心電極の半径r 、前記第1の円筒電極の半径r 、及び、前記第2の円筒電極の半径r は、次式
    /r =r /r
    を満たすことを特徴とする二相流体の固相率測定装置。
  2. 固相成分及び液相成分を含む二相流体の固相率を測定する二相流体の固相率測定装置であって、
    前記二相流体の流れ方向に沿って延在するように配設された中心電極と、
    該中心電極の外周側に同心に設けられた第1の円筒電極と、
    該第1の円筒電極の外周側に同心に設けられ、且つ、前記第1の円筒電極に比べて大径に形成された第2の円筒電極と、
    前記中心電極及び前記第1の円筒電極によって形成される第1のキャパシタの静電容量、並びに、前記第1の円筒電極及び前記第2の円筒電極によって形成される第2のキャパシタの静電容量をそれぞれ検出することにより、前記二相流体の固相率を測定する測定部と
    を備え、
    前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの各々において、内側に配置された電極の半径r、及び、外側に配置された電極の半径rは、前記二相流体における固相成分の偏在割合η、測定許容誤差α、前記二相流体の固相率f、前記固相成分の比誘電率ε、及び、前記液相成分の比誘電率εを用いて、次式

    Figure 0006247044
    を満たすことを特徴とする二相流体の固相率測定装置。
  3. 前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの前記二相流体の流れ方向に沿った長さは、それぞれの電極間距離の10倍以上に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二相流体の固相率測定装置。
  4. 前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの上流側に、前記二相流体に含まれる固相成分の粒径を揃えるフィルタを備えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の二相流体の固相率測定装置。
  5. 前記二相流体を冷媒として循環する循環回路上に設けられた熱負荷を冷却する冷却システムであって、
    該循環経路上に、
    前記二相流体を生成する生成装置と、
    前記生成装置の下流側に設置された請求項1からのいずれか一項に記載の二相流体の固相率測定装置と、
    前記固相率測定装置の測定値に基づいて前記生成装置の動作状態を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする冷却システム。
  6. 固相成分及び液相成分を含む二相流体の固相率を測定する二相流体の固相率測定装置であって、
    前記二相流体の流れ方向に沿って延在するように配設された中心電極と、
    前記中心電極の外周側に、互いに異なる半径を有すると共に同心配置されたM(Mは3以上の自然数)個の円筒電極と、
    前記M個の円筒電極のうち互いに隣り合う電極間に形成されるキャパシタの静電容量をそれぞれ検出することにより、前記二相流体の固相率を測定する測定部と
    を備え、
    前記M個の円筒電極の半径r1、r2、・・・、rM-1、rMは次式
    /r=r/r=・・・=rM /rM-1
    を満たすように設定されていることを特徴とする二相流体の固相率測定装置。
  7. 固相成分及び液相成分を含む二相流体の固相率を測定する二相流体の固相率測定装置であって、
    前記二相流体の流れ方向に沿って延在するように配設された中心電極と、
    前記中心電極の外周側に、互いに異なる半径を有すると共に同心配置されたM(Mは3以上の自然数)個の円筒電極と、
    前記M個の円筒電極のうち互いに隣り合う電極間に形成されるキャパシタの静電容量をそれぞれ検出することにより、前記二相流体の固相率を測定する測定部と
    を備え、
    前記キャパシタにおいて、内側に配置された電極の半径r、及び、外側に配置された電極の半径rは、前記二相流体における固相成分の偏在割合η、測定許容誤差α、前記二相流体の固相率f、前記固相成分の比誘電率ε、及び、前記液相成分の比誘電率εを用いて、次式

    Figure 0006247044
    を満たすことを特徴とする二相流体の固相率測定装置。
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