以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、実施形態における通信システム1000の構成例を示す模式図である。通信システム1000では、各通信装置は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)1901の規格に準拠して通信される。
通信システム1000では、電力線1Aに、複数のPLCモデム10が接続される。複数のPLCモデム10は、PLCモデム10A,10W(10WM,10WS),10G(10G1,10G2),10O(10O1,10O2)を含む。
通信システム1000では、複数のPLCモデム10が電力線1Aに接続される。通信システムでは、異なる通信方式が共存し、各PLCモデム10が通信帯域を共有して通信する。PLCモデム10は、通信装置の一例であり、電力線1Aは、伝送路の一例である。各通信装置が通信帯域を共有するための制御方式は、例えばISP(Inter System Protocol)を含む。
通信システム1000において共存するPLCの通信方式は、例えば以下の4つの通信方式を含む。具体的には、例えば、「ACC」、「IH−W」、「IH−O」、及び「IH−G」を含む。
PLCモデム10Aは、電力会社のPLCインターネットサービス用の通信方式である「ACC(Access)」に従って通信する。
PLCモデム10Wは、宅内用のPLCインターネットサービス用の通信方式である「IH(In Home)−W(Wavelet)」に従って通信する。また、PLCモデム10WMは、IH−W方式に従う複数の通信装置において、親機(Master)として動作する。PLCモデム10WMは、例えばエネルギー管理機器である。PLCモデム10WSは、IH−W方式に従う複数の通信装置において、子機(Slave)として動作する。
PLCモデム10Oは、宅内用のPLCインターネットサービス用の通信方式である「IH−O(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)」に従って通信する。
PLCモデム10Gは、宅内用のPLCインターネットサービス用の通信方式である「IH−G(G.HN))」に従って通信する。G.HNは、ITU−T(Internet Telecommunication Union Standardization Sector)による有線を用いたホームネットワーク向けの統一規格である。
PLCモデム10は、例えば、LAN(Local Area Network)用のモジュラージャック(例えばRJ(Registered Jack)45)を有する。モジュラージャックには、例えば、各種機器が接続される。各種機器には、電話機51、エアコン52、テレビ(TV)53、パーソナルコンピュータ(PC)54、冷蔵庫55、ビデオサーバ56、及びブロードバンドルータ(BBルータ)57が含まれる。
図1では、ブロードバンドルータ57とPLCモデム10A,10WMとは、例えばイーサネット(登録商標)ケーブルを介して接続される。
各PLCモデム10が接続された電力線1Aは、例えば宅外の電力線(例えば電力会社の電力線又は他の通信回線(例えば光ファイバ)を経由して、インターネットに接続される。
なお、各種機器に接続されるPLCモデム10の通信方式は、図1に示した通信方式に限られず、他の通信方式でもよい。例えば、電話機51にはPLCモデム10G1が接続されているが、PLCモデム10WS1が接続されてもよい。
なお、通信システム1000が電力線通信システムであることは一例であり、他の通信システム(無線LAN)でもよい。通信方式についても、PLCの通信方式以外の通信方式を含んでもよい。
次に、図1に示すPLCモデム10の具体的な構成例について説明する。
図2(A),(B)は、PLCモデム10の外観構成例を示す斜視図である。図2(A)は、PLCモデム10の前面を示す外観斜視図であり、図2(B)は、PLCモデム10の背面を示す外観斜視図である。
図2(A)では、PLCモデム10は筐体100を有する。筐体100の前面には、LED(Light Emitting Diode)23A,23B,23Cを含む表示部23が設けられる。
図2(B)では、筐体100の背面には、電源コネクタ21、及びLAN用のモジュラージャック22が設けられる。電源コネクタ21には、電源ケーブル1Bが接続され、モジュラージャック22には、LANケーブル(図2では図示せず)が接続される。
なお、PLCモデム10には、更にDsub(D−subminiature)コネクタが設けられ、Dsubケーブルが接続されてもよい。
図3は、PLCモデム10のハードウェア構成例を示すブロック図である。PLCモデム10は、回路モジュール30及びスイッチング電源20を有する。スイッチング電源20は、各種の電圧(例えば、+1.2V、+3.3V、+12V)を回路モジュール30に供給し、例えば、スイッチングトランス、DC−DCコンバータ(いずれも図示せず)を含む。スイッチング電源20への電源は、電源コネクタ21からインピーダンスアッパー27、交流直流変換器24を介して供給される。
回路モジュール30は、メインIC(Integrated Circuit)11、及びAFE・IC(Analog Front END・Integrated Circuit)12、を含む。また、回路モジュール30は、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)13、ドライバIC15、カプラ16、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)17、及びメモリ18を含む。また、回路モジュール30は、イーサネット(登録商標)PHY・IC(Physical layer・Integrated Circuit)19、及びACサイクル検出器60を含む。
カプラ16は、電源コネクタ21に接続され、更に電源ケーブル1B、電源プラグ25、コンセント2を介して電力線1Aに接続される。表示部23は、メインIC11に接続される。モジュラージャック22には、各種機器(例えばパーソナルコンピュータ)に接続するためのLANケーブル26が接続される。
メインIC11は、CPU(Central Processing Unit)11A、及びPLC・MAC(Power Line Communication・Media Access Control layer)ブロック11C1,11C2を含む。また、メインIC11は、PLC・PHY(Power Line Communication・Physical layer)ブロック11B1,11B2を含む。
CPU11Aは、32ビットのRISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサを実装する。PLC・MACブロック11C2は、送信信号のMAC層(Media Access Control layer)を管理し、PLC・MACブロック11C1は、受信信号のMAC層を管理する。PLC・PHYブロック11B2は、送信信号のPHY層(Physical layer)を管理し、PLC・PHYブロック11B1は、受信信号のPHY層を管理する。
AFE・IC12は、DA変換器(DAC:Digital to Analog Converter)12A、AD変換器(ADC:Analog to Digital Converter)12D、及び可変増幅器(VGA:Variable Gain Amplifier)12B,12Cを含む。
カプラ16は、コイルトランス16A、及びカップリング用コンデンサ16B,16Cを含む。なお、CPU11Aは、メモリ18に記憶されたデータを利用して、PLC・MACブロック11C1,11C2、及びPLC・PHYブロック11B1,11B2の動作を制御し、PLCモデム10全体を制御する。
図3では、PLCモデム10が、PLC・MACブロック11C1,11C2と、PLC・PHYブロック11B1,11B2と、を含み、それぞれ送信用と受信用として用いることを例示した。この代わりに、PLCモデム10が、PLC・MACブロック11C及びPLC・PHYブロック11B(図示せず)を含み、送信及び受信共通に使用してもよい。
メインIC11は、一般的なモデムと同様に、例えばデータ通信のための基本的な制御又は変復調を含む信号処理を行う電気回路(LSI:Large Scale Integration)である。例えば、メインIC11は、通信端末(例えばPC)から出力される受信データを変調し、送信信号(データ)としてAFE・IC12に出力する。また、メインIC11は、電力線1A側からAFE・IC12を介して入力される信号を、受信信号(データ)として復調し、通信端末(例えばPC)に出力する。
ACサイクル検出器60は、各々のPLCモデム10が共通のタイミングにおいて制御するために必要な同期信号を生成する。ACサイクル検出器60は、ダイオードブリッジ60a、抵抗60b,60c、DC(Direct Current)電源供給部60e、及びコンデンサ60dを含む。
ダイオードブリッジ60aは、抵抗60bに接続される。抵抗60bは、抵抗60cと直列に接続される。抵抗60b,60cは、コンデンサ60dの一方の端子に並列に接続される。DC電源供給部60eは、コンデンサ60dの他方の端子に接続される。
ACサイクル検出器60による同期信号の生成は、具体的には、次のように行う。即ち、電力線1Aに供給される商用電源の交流電力波形AC(50Hz又は60Hzの正弦波からなる交流波形)の電圧のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点のタイミングを基準とする同期信号を生成する。同期信号の一例としては、交流電力波形のゼロクロス点に同期した複数のパルスからなる矩形波が挙げられる。
なお、ACサイクル検出器60は必須ではない。この場合、PLCモデム10間の同期は、例えば通信信号に含まれる同期信号を用いる。
PLCモデム10による通信は、概略次のように行われる。
モジュラージャック22から入力されたデータは、イーサネット(登録商標)PHY・IC19を介してメインIC11に送られ、デジタル信号処理を施すことによってデジタル送信信号が生成される。生成されたデジタル送信信号は、AFE・IC12のDA変換器(DAC)12Aによってアナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号は、ローパスフィルタ13、ドライバIC15、カプラ16、電源コネクタ21、電源ケーブル1B、電源プラグ25、コンセント2を介して電力線1Aに出力される。
また、電力線1Aから受信された信号は、カプラ16を経由してバンドパスフィルタ17に送られ、AFE・IC12の可変増幅器12Cによりゲイン調整された後、AD変換器12Dによりデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号は、メインIC11に送られ、デジタル信号処理を施すことによって、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、イーサネット(登録商標)PHY・IC19を介してモジュラージャック22から出力される。
なお、例えばメインIC11は、制御部としての機能を有する。また、例えばAFE・IC12、ローパスフィルタ13、ドライバIC15、カプラ16及びバンドパスフィルタ17は、通信部としての機能を有する。
制御部は、例えば、PLCモデム10の動作状態(ACTIVE状態/SLEEP状態)を制御する。ACTIVE状態とは、PLCモデム10の動作を制限していない状態であり、CPUを含め全てが動作する状態である。SLEEP状態とは、PLCモデムのCPU以外が少なくとも1つの構成部が動作していない状態であり。動作していない状態とは、スイッチング電源20から電力供給されておらず動作していない状態、又は、スイッチング電源20から電力供給されているが動作していない状態、の双方を含む。
通信部は、伝送路(例えば電力線1A)を介して、所定のタイミングにおいて、各種信号、各種データを通信する。
図4は、PLCモデム10のハードウェアの他の例を示すブロック図である。図4のPLCモデム10は、通信処理するためのハードウェアを2組有する他は、図3のPLCモデム10と同一である。即ち、回路モジュール30及びスイッチング電源20を有し、スイッチング電源20への電源は、電源コネクタ21からインピーダンスアッパー27、交流直流変換器24を介して供給される。
回路モジュール30は、メインIC31、AFE・IC32、ローパスフィルタ33、ドライバIC35を含む1組の通信処理するためのハードウェアを含む。また、回路モジュール30は、サブIC41、AFE・IC42、ローパスフィルタ43、ドライバIC45を含む他の1組の通信処理するためのハードウェアを含む。
これらのハードウェアは、基本的に、図3のPLCモデム10のメインIC11、AFE・IC12、ローパスフィルタ13、ドライバIC15と同一であるので、詳細な説明は省略する。また、カプラ16、バンドパスフィルタ17、メモリ18、及びイーサネット(登録商標)PHY・IC19が設けられている点も、図3のPLCモデム10と同一である。
次に、通信システム1000における通信に使用される通信スロットについて説明する。
図5は、通信システム1000における通信サイクル、制御サイクル、及び通信スロットの一例を示す模式図である。図5では、通信システム1000の通信方式として、上記4つの通信方式、つまり「ACC」、「IH−W」、「IH−O」、及び「IH−G」の通信方式が共存することを想定する。
図5では、各通信サイクルTHは、4つの制御サイクルTISPを含む。各制御サイクルTISPは、各制御サイクルTISPの先頭に、「ISP Window」と称される区間を含む。ISP Windowは、各々の通信方式が順に独占的に通信できる専用帯域であり、全ての通信方式の通信装置が認識可能な信号(ISP信号)が通信される。
通信サイクルTHは、例えば480msの時間区間である。制御サイクルTISPは、例えば約120msの時間区間である。ISP Windowは、例えば約500μsの時間区間である。
ISP Windowは、制御サイクルTISP毎に、異なる通信方式に順に割り当てられる。例えば、第1の制御サイクルTISPにおけるISP Windowは、ACCの通信方式に割り当てられ、第2の制御サイクルTISPにおけるISP Windowは、IH−Wの通信方式に割り当てられる。また、例えば、第3の制御サイクルTISPにおけるISP Windowは、IH−Oの通信方式に割り当てられ、第4の制御サイクルTISPにおけるISP Windowは、IH−Gの通信方式に割り当てられる。
第1〜第4の制御サイクルTISPにより1つの通信サイクルTHが構成され、この通信サイクルTHが反復される。
ISP Windowには、2つの「ISP Field」と称される区間として、「ISP Field 1」,「ISP Field 2」が含まれる。各「ISP Field」では、ISP信号として、例えば5種類の異なる位相ベクトル(Ph1〜Ph5)の信号を電力線1Aにおいて伝送可能である。位相ベクトルは、例えば所定信号が位相変調されたデータである。ISP信号は、共存信号の一例である。
各通信方式に従うPLCモデム10は、例えば1つの位相ベクトル又は2つの位相ベクトルの組み合わせにより、通信システム100における各通信方式(例えばIH−W)のの存在を通知する。
また、制御サイクルTISPは、複数のTDMU(TDM(Time Division Multiplexing) Unit)を含む。ここでは、制御サイクルTISPは、3つのTDMU(TDMU#0,TDMU#1,TDMU#2)を含む。TDMUは、交流電力波形の2サイクル分に相当し、例えば40msの時間区間である。従って、通信サイクルTHは、交流電力波形の24サイクル分に相当する。
TDMUは、複数のTDMS(TDM Slot)を含む。ここでは、TDMUは、8個のTDMSを含む。TDMSは、例えば5msの時間区間であり、データスロットであり、最小単位の通信スロットである。なお、ISP Windowは、例えば、TDMU0のTDMS0の先頭に位置する。
なお、TDMSは、TDMによるスロットであるが、TDMSの代わりにFDM(Frequency division multiplexing)によるスロットを含んでもよい。
次に、共存マトリクスについて説明する。
図6は、共存マトリクスC1の一例を示す模式図である。共存マトリクスC1は、通信システム1000に各通信方式が存在する場合のTDMS0〜7の割り当てを規定する。共存マトリクスC1では、どの通信方式が存在するかに基づいて、TDMSの割当パターンが複数定められている。TDMSの割当パターンは、Indexにより識別される。
つまり、共存マトリクスC1は、割当パターン情報の一例である。割当パターン情報は、通信システム1000に存在する通信方式に応じて異なり、所定のスロット周期(例えばTDMU)における複数の通信スロット(例えばTDMS)の割当パターンを複数有する。図6では、共存マトリクスC1は、Index「1」〜「22」により識別される22種類の割当パターンの情報を保持する。
例えば、Indexが「1」である場合、IH−Gの通信要求のみ発生していることを示す。この場合、TDMS0〜7の全データスロットは、IH−Gの通信方式に従う通信装置に割り当てられる。IH−Gに従うPLCモデム10Gは、IH−Gに割り当てられたISP WindowにおいてISP信号を電力線1A上に送信し、他の通信方式に従うPLCモデム10A,10W,10OがISP信号を受信する。これにより、全通信方式のPLCモデム10G,10A,10W,10Oは、通信システム1000に共存する通信方式を把握できる。
なお、Indexが「n」であることを、「Index#n」とも称する。
図6では、ACCの通信方式の場合、2種類の割当パターンFB(Full Bandwidth),PB(Partial Bandwidth)が存在する。FBは、TDMS0〜7の全ての通信スロットを使用する方式であり、データ通信が大量である場合に用いられる。PBは、TDMS0〜7の一部の通信スロットを使用する方式であり、データ通信が少量である場合に用いられる。
PLCモデム10の各々は、共存マトリクスC1のテーブルを、例えばメモリ18に保持する。PLCモデム10の各々は、ISP Windowの区間において、ISP信号を受信してもよい。この場合、PLCモデム10は、共存マトリクスC1を参照し、異なる通信方式の存在を認識することにより、ISP信号が受信されたデータスロットを含む制御サイクルTISPにおけるIndexを判定する。
また、ISP信号を、各通信方式の親機として動作するPLCモデム10(例えばPLCモデム10WM)が受信し、子機として動作するPLCモデム10(例えばPLCモデム10WS1,10WS2)が受信しなくてもよい。この場合、親機として動作するPLCモデム10は、所定のタイミングにおいて、子機として動作するPLCモデム10へIndexの情報を通知する。これにより、子機として動作するPLCモデム10は、通信システム1000における通信方式の共存状態を把握できる。
図6において、例えばIH−Wの通信方式に注目する。通信システム1000にIH−Wの通信方式が存在する場合のIndexは、Index#2,#4,#5,#7,#11,#12,#15,#16,#17,#18,#21,#22である。この場合、いずれのIndexの場合でも、少なくともTDMS1,2の2つのデータスロットがIH−Wに割り当てられる。
即ち、IH−Wの通信方式では、例えば重要度の高い信号(例えば後述するビーコン信号又は情報通知コマンド)又はデータは、TDMS1又はTDMS2を用いて通信することにより、Indexが変更されても、通信可能なTDMSが変更されない。従って、所定信号を通信するTDMSを変更するための複雑な制御が不要となり、PLCモデム10Wの設計が容易になる。
いずれの通信方式でも、図6における複数のIndexにおいて共通して割り当てられたTDMSを通信に用いた場合、PLCモデム10の設計が容易になり、後述のように省電力化できる。例えばIH−Oの通信方式の場合、TDMS0〜4,6,7である。
また、図6における複数のIndexにおいて共通して割り当てられた回数が、他のTDMSに割り当てられた回数よりも多いTDMSを通信に用いた場合も、PLCモデム10の設計が容易になり、省電力化できる。例えばIH−Wの通信方式の場合、TDMS0,1の割当回数は、TDMS4,5の割当回数よりも多い。
また、図6における複数のIndexに共通して割り当てられた回数が所定回数以上であるTDMSを通信に用いた場合も、PLCモデム10の設計が容易になり、省電力化できる。例えば、IH−Wの通信方式の場合、IH−Wが存在するIndexにおいてTDMS0,1が常に割り当てられる。IH−Oの通信方式の場合、IH−Oが存在するIndexにおいてTDMS2が常に割り当てられる。ACCかつPBの通信方式の場合、ACCかつPBが存在するIndexにおいてTDMS3,6が常に割り当てられる。ACCかつFBの通信方式の場合、ACCかつFBが存在するIndexにおいてTDMS4,5が常に割り当てられる。IH−Gの通信方式の場合、IH−Gが存在するIndexにおいてTDMS7が常に割り当てられる。
また、2つのTDMSが連続して割り当てられたTDMSを通信に用いた場合、連続して通信可能となり、通信効率が向上する。また、例えば割り当てられたTDMS以外のTDMSにおいてSLEEP状態に遷移する場合、PLCモデム10の動作を制限又は制限解除するタイミングの無駄が低減され、より省電力化を容易に実現できる。
次に、各PLCモデム10の動作例について説明する。ここでは、PLCモデム10WM及びPLCモデム10WSの動作を例示するが、他の通信方式に従うPLCモデム10についても同様である。
以下の各動作例では、通信システム1000において、複数のPLCモデム10WS間の直接通信が禁止され、PLCモデム10WMとPLCモデム10WSとの間の通信が許可されていることを想定する。他の通信方式に従う通信装置の子機−子機間及び親機−子機間も同様である。
また、PLCモデム10WMは、所定の場合、特定のPLCモデム10WS(10WS1,10WS2)に対して、電力線1Aを介してトラフィック情報(Traffic Information)を送信する。トラフィック情報は、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへ送信されるデータ(通信トラフィック)の有無を示す情報を含む。また、トラフィック情報は、Indexの情報を含んでもよい。トラフィック情報は、制御信号の一例である。
第1動作例〜第3動作例では、トラフィック情報が、PLCモデム10WMにより送信されるビーコン信号に含まれる。ビーコン信号は、例えばIH−Wの通信方式に従う複数のPLCモデム10Wが同期するための同期情報を含み、通信方式毎に異なってもよい。ビーコン信号は、定期的に送信される。ビーコン信号は、同期信号の一例であり、制御信号の一例である。
PLCモデム10WSは、ビーコン信号の送信タイミングにおいてACTIVE状態となるように、PLCモデム10WSの動作状態を制御する。
また、PLCモデム10WSは、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが存在する場合には、ビーコン信号が通信されるタイミングから所定期間、ACIVE状態となるように、所定のPLCモデム10WSの動作状態を制御する。一方、PLCモデム10WMは、上記所定期間の経過後、SLEEP状態となるように、所定のPLCモデム10WSの動作状態を制御する。
上記データとしては、例えば、家電制御データ(例えば、家電をオン又はオフとするための指示、電力消費量を示す情報)、画像データ、音声データ、が考えられる。
ビーコン信号が通信されるデータスロットは、ISPにより割り当てられたデータスロットであれば、どのスロットでもよい。複数のPLCモデム10W間では、例えば、ビーコン信号が通信されるデータスロットの位置が予め定められ、共有される。
図7は、トラフィック情報の格納領域を含むビーコン信号のフォーマットの一例を示す模式図である。図7は、IEEE1901に規定されたWavelet Beacon frame formatを示す。
図7では、ビーコン信号は、データ本体が格納される「Data Body」を含む。「Data Body」は、拡張領域として、複数のEIB(Extended Information Block)を含む。EIBは、情報本体が格納される「Information Body」と、「Information Body」に格納される情報を識別する「Infomation ID」と、を含む。
「Information ID」は、例えば、トラフィック情報(Traffic Information)であることを示す識別番号(例えば「77」)を含む。
「Information Body」は、トラフィック情報の本体である「Traffic Information」を含む。「Traffic Information」は、n台の各PLCモデム10WSに対するトラフィック情報「ID#1」、「ID#2」、・・・「ID#n」を含む。
例えば、「ID#n」が「1」である場合、PLCモデム10WMからPLCモデムWSnへのデータが存在することを示す。また、例えば、「ID#n」が「0」である場合、PLCモデム10WMからPLCモデムWSnへのデータが存在しないことを示す。
(第1動作例)
図8(A)〜(C)は、通信システム1000による第1動作例を説明する模式図である。図8(A)は、PLCモデム10WMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図8(B)は、PLCモデム10WS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図8(C)は、PLCモデム10WS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図8(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10WSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
図8(A)では、ビーコン信号がTDMS0において定期的に送信されている。第1のビーコン信号BS11の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS11に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
この場合、PLCモデム10WS(10WS1,10WS2)は、PLCモデム10WSからPLCモデム10WMへのデータが存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS11が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS11の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第2のビーコン信号BS12の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータが発生している。よって、ビーコン信号BS12に、PLCモデム10WS2宛ての通信データがある旨のトラフィック情報(以下、「Traffic情報:Slave#2」とも称する)が含まれる。また、第2のビーコン信号BS12の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#5であることを想定する。
この場合、PLCモデム10WS2は、PLCモデム10WMからデータが送信されることを認識し、ビーコン信号BS12の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、ACTIVE状態を維持する。また、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータは、Index#5に従って、TDMS0,1,5,6の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される。
一方、PLCモデム10WS1は、他装置宛てのトラフィック情報を確認するので、PLCモデム10WS1宛てのデータはないことを認識する。従って、PLCモデム10WS1は、PLCモデム10WS1からPLCモデム10GMへのデータが存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS12が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS12の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第3のビーコン信号BS13の送信時には、例えばPLCモデム10WSからPLCモデム10WS2への通信は終了している。つまり、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS13に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。この場合、PLCモデム10WS(10WS1,10WS2)は、ビーコン信号BS13が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS13の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
通信システム1000による第1動作例によれば、PLCモデム10WMとPLCモデム10WS2との間において、通信データが存在する場合にはデータ通信を実現できる。また、データ通信が不要な制御サイクルでは、PLCモデム10WSをSLEEP状態とすることができ、省電力化できる。
(第2動作例)
図9(A)〜(C)は、通信システム1000による第2動作例を説明する模式図である。図9(A)は、PLCモデム10WMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図9(B)は、PLCモデム10WS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図9(C)は、PLCモデム10WS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図9(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10WSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
第2動作例において第1動作例と異なる点は、PLCモデム10WS2が第2のビーコン信号BS12を受信した後のPLCモデム10WS2の動作状態である。
第2のビーコン信号BS12の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータが発生している。よって、ビーコン信号BS12に、PLCモデム10WS2宛ての通信データがある旨のトラフィック情報が含まれる。また、第2のビーコン信号BS12の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#5であることを想定する。
この場合、PLCモデム10WS2は、PLCモデム10WMからデータが送信されることを認識し、ビーコン信号BS12の通信区間を含むTDMU#0において、ACTIVE状態を維持する。また、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータは、Index#5に従って、TDMU#0におけるTDMS0,1,5,6の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される。PLCモデム10WS2は、TDMU#0に後続するTDMU#1,TDMU#2において、SLEEP状態に遷移する。
通信システム1000による第2動作例によれば、PLCモデム10WMとPLCモデム10WS2との間において、通信データが存在する場合にはデータ通信を実現できる。また、データ通信が不要なTDMUでは、PLCモデム10WSをSLEEP状態とすることができ、省電力化できる。
(第3動作例)
図10(A)〜(C)は、通信システム1000による第3動作例を説明する模式図である。図10(A)は、PLCモデム10WMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図10(B)は、PLCモデム10WS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図10(C)は、PLCモデム10WS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図10(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10WSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
第3動作例において第1動作例及び第2動作例と異なる点は、PLCモデム10WS2が第2のビーコン信号BS12を受信した後のPLCモデム10WS2の動作状態である。
第2のビーコン信号BS12の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータが発生している。よって、ビーコン信号BS12に、PLCモデム10WS2宛ての通信データがある旨のトラフィック情報が含まれる。また、第2のビーコン信号BS12の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#5であることを想定する。
この場合、PLCモデム10WS2は、共存マトリクスC1を参照し、動作状態を制御する。即ち、PLCモデム10WMからデータが送信されることを認識し、Index#5の場合にPLCモデム10Wが通信可能なTDMS0,1,5,6においてACTIVE状態となるよう制御する。一方、PLCモデム10WS2は、Index#5の場合にPLCモデム10Wが通信不可能なTDMS2,3,4,7において、SLEEP状態となるよう制御する。
また、PLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータは、Index#5に従って、TDMU#0におけるTDMS0,1,5,6の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される。
通信システム1000による第3動作例によれば、PLCモデム10WMとPLCモデム10WS2との間において、通信データが存在する場合にはデータ通信を実現できる。また、データ通信が不要なTDMSでは、PLCモデム10WSをSLEEP状態とすることができ、省電力化できる。
図11は、第1〜第3の動作例におけるPLCモデム10WM及びPLCモデム10WS1の動作例を示すタイムチャートである。図11の処理開始時点では、PLCモデム10WS1の動作状態がACTIVE状態であることを想定する。
なお、図11では、「Slave PLC CPU」は、例えばPLCモデム10WS1のCPU(例えばCPU11A)である。「Slave CPU」は、例えばPLCモデム10WS1のCPU以外の構成部(例えば通信部)である。「Master PLC CPU」は、例えばPLCモデム10WMのCPU(例えばCPU11A)である。「Master CPU」は、例えばPLCモデム10WMの他構成部(例えば通信部)である。なお、CPU以外の構成部を、「他構成部」とも称する。
例えば、ビーコン信号BS11の受信後、ビーコン信号BS11に通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれていない場合、PLCモデム10WS1のCPUは、PLCモデム10WS1の他構成部に対して、SLEEP要求を送る(S101)。
PLCモデム10WS1の他構成部は、PLCモデム10WS1のCPUに対して、SLEEP要求に対するSLEEP応答を送る(S102)。
PLCモデム10WS1のCPUは、SLLEP応答を受けると、SLEEP状態への遷移時点からACTIVE状態に遷移するまでの時間(Wakeup時間)を決定する(S103)。Wakeup時間は、制御サイクルTISP、TDMUの区間長、又はTDMSの区間長に応じて、決定される。
Wakeup時間の決定後、PLCモデム10WS1のCPUは、PLCモデム10WS1の他構成部に対するクロックの供給を停止する(S104)。
PLCモデム10WS1の他構成部は、PLCモデム10WS1のCPUからのクロック供給が停止されると他構成部の動作が停止し、SLEEP状態に遷移する(S105)。
PLCモデム10WS1のCPUは、PLCモデム10WS1の他構成部に対するクロックの供給を停止するとCPUの動作が停止し、SLEEP状態に遷移する(S106)。PLCモデム10WS1のCPUのSLEEP状態では、タイマは動作しており、タイマカウントできる。
PLCモデム10WS1のCPUは、SLEEP状態に遷移後、Wakeup時間が経過した場合にCPUの動作を開始し、ACTIVE状態に遷移する(S107)。CPUのACTIVE状態への遷移タイミングは、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。すなわち、ビーコン信号の到来前にPLCモデム10WS1のCPUが起動する。
PLCモデム10WS1のCPUは、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10WS1の他構成部に対するクロックの供給を開始する(S108)。他構成部のACTIVE状態への遷移タイミングは、CPUと同様に、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。
PLCモデム10WMでは、PLCモデム10WS1へのデータが存在しない(S201)。従って、PLCモデム10WMの通信部は、PLCモデム10WSに対して、PLCモデム10WSへの通信データが存在しない旨のトラフィック情報を含む第2のビーコン信号BS12を送信する(S202)。
PLCモデム10WS1の通信部は、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10WMからのビーコン信号BS12を受信する(S109)。
PLCモデム10WS1の通信部は、ビーコン信号BS12を受信すると、ビーコン信号BS12に含まれる情報を、PLCモデム10WS1のCPUへ送る(S110)。
PLCモデム10WS1のCPUは、ビーコン信号に含まれるトラフィック情報を参照し、自局(PLCモデム10WS1)宛てのデータの存在の有無を判定する(S111)。ここでは、ビーコン信号BS12に自局宛てのデータが存在しないことを示す情報が含まれる。
PLCモデム10WS1のCPUは、少なくともビーコン信号BS12が通信されるTDMS0の区間において、ACTIVE状態を維持する。
第2のビーコン信号BS12の受信後、PLCモデム10WS1からPLCモデム10WMへの送信要求がない場合、PLCモデム10WS1のCPUは、PLCモデム10WS1の他構成部に対して、SLEEP要求を送る(S112)。
以降、先に説明した処理を繰り返す(S102〜S110,S201,S202)。ただし、2回目のS202におけるビーコン信号は、第3のビーコン信号BS13となる。
図12は、第1〜第3の動作例におけるPLCモデム10WM及びPLCモデム10WS2の動作例を示すタイムチャートである。図12の処理開始時点では、PLCモデム10WS2の動作状態が、SLEEP状態であることを想定する。
なお、図12では、「Slave PLC CPU」は、例えばPLCモデム10WS2のCPU(例えばCPU11A)である。「Slave CPU」は、例えばPLCモデム10WS2のCPU以外の他構成部(例えば通信部)である。「Master PLC CPU」は、例えばPLCモデム10WMのCPU(例えばCPU11A)である。「Master CPU」は、例えばPLCモデム10WMの他構成部(例えば通信部)である。
まず、PLCモデム10WS2のCPUは、設定されたWakeup時間が経過した場合にCPUの動作を開始し、ACTIVE状態に遷移する(S301)。CPUのACTIVE状態への遷移タイミングは、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。即ち、ビーコン信号の到来前にPLCモデム10WS2のCPUが起動する。
PLCモデム10WS2のCPUは、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10WS2の他構成部に対するクロックの供給を開始する(S302)。他構成部のACTIVE状態への遷移タイミングは、CPUと同様に、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。
PLCモデム10WMのCPUは、PLCモデム10WS2へのデータが存在する場合、PLCモデム10WS2宛てのデータを、PLCモデム10WMの通信部へ送る(S401)。
但し、PLCモデム10WMの通信部は、PLCモデム10WS2の動作状態を把握し、PLCモデム10WS2がSLEEP状態の場合には、データを送信せず、一時的に蓄積する。PLCモデム10WMは、例えば、PLCモデム10WSとの間において予め取り決めすることにより、任意のタイミングにおけるPLCモデム10WS2の動作状態を把握してもよい。また、PLCモデム10WMは、例えば、PLCモデム10WSと通信する過程において、PLCモデム10WS2の動作状態の遷移方法を通知されることにより、任意のタイミングにおけるPLCモデム10WS2の動作状態を把握してもよい。
PLCモデム10WMの通信部は、PLCモデム10WSに対して、ビーコン信号BS12を送信する(S402)。ビーコン信号BS12は、PLCモデム10WS2宛てのデータが存在することを示すトラフィック情報を含む。
PLCモデム10WS2の通信部は、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10WMからのビーコン信号BS12を受信する(S303)。
PLCモデム10WS2の通信部は、ビーコン信号BS12を受信すると、ビーコン信号BS12に含まれる情報を、PLCモデム10WS2のCPUへ送る(S304)。
PLCモデム10WS2のCPUは、ビーコン信号BS12に含まれるトラフィック情報を参照し、自局(PLCモデム10WS2)宛てのデータの存在の有無を判定する(S305)。ここでは、ビーコン信号BS12に自局宛てのデータが存在することを示す情報が含まれる。
従って、PLCモデム10WS2は、通信予定のデータが存在すると認識できるので、ビーコン信号BS12が通信される区間を含む制御サイクルTISP、TDMU、又はTDMSの期間において、SLEEP状態に遷移せず、ACTIVE状態を維持する。PLCモデム10WS2のCPUは、次のSLEEP状態に遷移するか否かの判断を、例えば次のビーコン信号の受信時に行う。
PLCモデム10WMの通信部は、ビーコン信号BS12の送信後、PLCモデム10WS2へのデータを順次送信する(S403)。
また、PLCモデム10WMのCPUは、ビーコン信号BS12の送信後に発生したPLCモデム10WS2宛てのデータが発生した場合、このデータをPLCモデム10WMの通信部に送る(S404)。
PLCモデム10WMの通信部は、PLCモデム10WS2がACTIVE状態であることを認識できるので、S404におけるデータを、即時にPLCモデム10WS2へ送信する(S405)。
PLCモデム10WMの通信部は、ビーコン信号BS12の送信から制御サイクルTISPの期間が経過すると、第3のビーコン信号BS13を送信する(S406)。
本実施形態の通信システム1000によれば、通信システム1000に通信方式が共存する場合でも、消費電力を低減(省電力化)できる。また、複数の割当パターンにおいて使用可能な通信スロットが割り当てられることにより、例えば割当パターンが変更される場合でも、第1の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を抑制できる。従って、通信装置の設計を容易化できる。また、ビーコン信号にトラフィック情報が含まれることにより、同期に必要な同期情報とトラフィック情報とを同時に取得できるので、これらの情報を通信するTDMS必要量が低減され、動作制限の効率を向上できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、通信システム1000の構成及び各PLCモデム10の構成については、第1の実施形態と同様である(図1〜図4参照)。また、通信サイクル、制御サイクル、データスロットは、第1の実施形態と同様である(図5参照)。また、共存マトリクスC1は、第1の実施形態と同様である(図6参照)。第1の実施形態と同様である事項については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
第2の実施形態では、トラフィック情報が、PLCモデム10WMにより送信される情報通知コマンドに含まれる。情報通知コマンドは、ビーコン信号とは異なる信号であり、所定信号の一例である。
PLCモデム10WMは、所定のPLCモデム10WSへのデータが存在する場合、情報通知コマンドが通信されるTDMSの時点から所定期間、ACIVE状態となるように、所定のPLCモデム10WSの動作状態を制御する。一方、PLCモデム10WMは、上記所定期間の経過後、SLEEP状態となるように、所定のPLCモデム10WSの動作状態を制御する。
従って、各PLCモデム10WSは、情報通知コマンドが通信されるTDMSにおいてACTIVE状態となるように、PLCモデム10WSの動作状態を制御する。なお、情報通知コマンドが通信されるTDMSは、例えば、複数のPLCモデム10W間において予め定められ、共有される。また、ビーコン信号が通信されるTDMSは、例えば、複数のPLCモデム10W間において予め定められ、共有される。
図13は、トラフィック情報の格納領域を含む情報通知コマンドのフォーマットの一例を示す模式図である。図13は、IEEE1901に規定されたManagement frame formatを示す。
図13に示すように、情報通知コマンドは、可変領域として、「Variant Field」を含む。「Variant Field」は、「Data Body」に格納される情報を識別する「Subtype」を含む。
「Subtype」は、例えば、トラフィック情報(Traffic Information)であることを示す識別番号(例えば「77」)が含む。
また、情報通知コマンドは、データが格納される「Data Body」を含む。「Data Body」は、トラフィック情報の本体である「Traffic Information」を含む。「Traffic Information」は、n台の各PLCモデム10WSに対するトラフィック情報「ID#1」、「ID#2」、・・・「ID#n」を含む。
例えば、「ID#n」が「1」である場合、PLCモデム10WMからPLCモデムWSnへの通信要求が存在すること(つまり、PLCモデム10Wsnへのデータが存在すること)を示す。また、例えば、「ID#n」が「0」である場合、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSnへの通信要求が存在しないこと(つまり、PLCモデム10WSnへのデータが存在しないこと)を示す。なお、PLCモデム10Wsnへのデータの送信元はPLCモデム10WMでなくてもよい。すなわち、PLCモデム10WMは、他のPLCモデム10がPLCモデム10Wsnへ送信するデータがあることをPLCモデム10Wsnに通知してもよい。
図14(A)〜(C)は、本実施形態の通信システム1000による動作例を説明する模式図である。図14(A)は、PLCモデム10WMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図14(B)は、PLCモデム10WS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図14(C)は、PLCモデム10WS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図14(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10WSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
図14(A)では、ビーコン信号がTDMS0において定期的に送信されている。また、情報通知コマンドがTDMS0においてビーコン信号に後続して定期的に送信されている。なお、ビーコン信号及び情報通知コマンドの通信タイミングは、TDMS0でなくてもよい。
第1のビーコン信号BS21に後続する第1の情報通知コマンドIC1の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、情報通知コマンドIC1には、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
情報通知コマンドIC1の受信時点において、PLCモデム10WS1からPLCモデム10WMへのデータは存在しないことを想定する。この場合、PLCモデム10WS1は、情報通知コマンドIC1が通信されるTDMSの後、情報通知コマンドIC1の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
一方、情報通知コマンドIC1の受信時点において、PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへの送信データは存在することを想定する。この場合、PLCモデム10WS2は、情報通知コマンドIC1の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、ACTIVE状態を維持する。
また、ビーコン信号BS21の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#5であることを想定する。PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータは、例えばIndex#5に従って、TDMS0,1,5,6の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される。データ送信が完了した場合、PLCモデム10WS2は、制御サイクルTISPの区間内でも、SLEEP状態に遷移してもよい。
第2のビーコン信号BS22に後続する第2の情報通知コマンドIC2の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、情報通知コマンドIC2には、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
情報通知コマンドIC2の受信時点において、PLCモデム10WS1,10WS2からPLCモデム10WMへの送信データは存在しないことを想定する。この場合、PLCモデム10WS1,10WS2は、情報通知コマンドIC2が通信されるTDMSの後、情報通知コマンドIC2の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第3のビーコン信号BS23に後続する第3の情報通知コマンドIC3の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、情報通知コマンドIC3には、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
情報通知コマンドIC3の受信時点において、PLCモデム10WS1,10WS2からPLCモデム10WMへの送信データは存在しないことを想定する。この場合、PLCモデム10WS1,10WS2は、情報通知コマンドIC3が通信されるTDMSの後、情報通知コマンドIC3の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
なお、第1の実施形態における第2動作例又は第3動作例と同様に、PLCモデム10WM及びPLCモデム10WS2間のデータ通信後、TDMU又はTDMSの区間経過後、SLEEP状態に遷移してもよい。
図15は、本実施形態におけるPLCモデム10WM及びPLCモデム10WS2の動作例を示すタイムチャートである。図15の処理開始時点では、PLCモデム10WS2の動作状態がACTIVE状態であることを想定する。
なお、図15では、「Slave PLC CPU」は、例えばPLCモデム10WS2のCPU(例えばCPU11A)である。「Slave CPU」は、例えばPLCモデム10WS2の他構成部である。「Master PLC CPU」は、例えばPLCモデム10WMのCPU(例えばCPU11A)である。「Master CPU」は、例えばPLCモデム10WMの他構成部である。
まず、例えば、ビーコン信号BS20(不図示)の受信し、ビーコン信号BS20にPLCモデム10WMからPLCモデム10WS2へのデータが存在しない旨を示すトラフィック情報が含まれることを想定する。また、PLCモデムWS2からPLCモデム10WMへの送信データが存在しないことを想定する。この場合、PLCモデム10WS2のCPUは、PLCモデム10WS2の他構成部に対して、SLEEP要求を送る(S501)。
PLCモデム10WS2の他構成部は、PLCモデム10WS2のCPUに対して、SLEEP要求に対するSLEEP応答を送る(S502)。
PLCモデム10WS2のCPUは、SLEEP応答を受けると、Wakeup時間を決定する(S503)。Wakeup時間は、例えば、制御サイクルTISP、TDMUの区間長、又はTDMSの区間長に応じて、決定される。
Wakeup時間の決定後、PLCモデム10WS2のCPUは、PLCモデム10WS2の他構成部に対するクロックの供給を停止する(S504)。
PLCモデム10WS2の他構成部は、PLCモデム10WS2のCPUからのクロック供給が停止されると他構成部の動作が停止し、SLEEP状態に遷移する(S505)。
PLCモデム10WS2のCPUは、PLCモデム10WS2の他構成部に対するクロックの供給を停止するとCPUの動作が停止し、SLEEP状態に遷移する(S506)。PLCモデム10WS2のCPUのSLEEP状態では、タイマは動作しており、タイマカウントできる。
PLCモデム10WS2のCPUは、SLEEP状態に遷移後、Wakeup時間が経過した場合にCPUの動作を開始し、ACTIVE状態に遷移する(S507)。CPUのACTIVE状態への遷移タイミングは、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。すなわち、ビーコン信号の到来前にPLCモデム10WS2のCPUが起動する。
PLCモデム10WS2のCPUは、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10WS2の他構成部に対するクロックの供給を開始する(S508)。他構成部のACTIVE状態への遷移タイミングは、CPUと同様に、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。
PLCモデム10WMのCPUは、PLCモデム10WS2へのデータが存在しない(S601)。PLCモデム10の通信部は、PLCモデム10WS2に対して、ビーコン信号BS21及び情報通知コマンドIC1を、例えばTDMS0を用いて順次送信する(S602,S603)。情報通知コマンドIC1は、PLCモデム10WS2へのデータが存在しない旨を示すトラフィック情報を含む。
PLCモデム10WS2の通信部は、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10WMからのビーコン信号BS21及び情報通知コマンドIC1を受信する(S509)。情報通知コマンドIC1は、例えばTDMS0において通信される。
PLCモデム10WS2の通信部は、情報通知コマンドIC1を受信すると、情報通知コマンドIC1に含まれる情報を、PLCモデム10WS2のCPUへ送る(S510)。
PLCモデム10WS2のCPUは、情報通知コマンドIC1に含まれるトラフィック情報を参照し、自局(PLCモデム10WS2)宛てのデータの存在の有無を判定する(S511)。ここでは、ビーコン信号BS12に自局宛てのデータが存在しないことを示す情報が含まれる。ただし、PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータは存在することを想定する。
従って、PLCモデム10WS2は、通信予定のデータが存在するので、情報通知コマンドIC1が通信される区間を含む制御サイクルTISP、TDMU、又はTDMSの期間において、SLEEP状態に遷移せず、ACTIVE状態を維持する。PLCモデム10WS2のCPUは、次のSLEEP状態に遷移するか否かの判断を、例えば次の情報通知コマンドの受信時に行う。
PLCモデム10WS2のCPUは、ISPにより許可された期間に、送信対象のデータを、PLCモデム10WS2の通信部に送る(S512)。ISPにより許可された期間は、例えばIndex#5である場合、TDMS0,1,5,6である。
PLCモデム10WS2の通信部は、送信対象のデータをPLCモデム10WMへ送信する(S513)。
PLCモデム10WS2の通信部は、送信対象のデータを受けた旨を示す応答(Data受信応答)を、PLCモデム10WS2のCPUへ送る(S514)。
PLCモデム10WMのCPUは、PLCモデム10WS2へのデータが存在しない(S604)。PLCモデム10の通信部は、PLCモデム10WS2に対して、ビーコン信号BS22及び情報通知コマンドIC2を、例えばTDMS0を用いて順次送信する(S605,S606)。情報通知コマンドIC2は、PLCモデム10WS2へのデータが存在しない旨を示すトラフィック情報を含む。
PLCモデム10WS2の通信部は、PLCモデム10WMからのビーコン信号BS22及び情報通知コマンドIC2を受信する(S515)。情報通知コマンドIC2は、例えばTDMS0において通信される。
PLCモデム10WS2の通信部は、情報通知コマンドIC2を受信すると、情報通知コマンドIC2に含まれる情報を、PLCモデム10WS2のCPUへ送る(S516)。
PLCモデム10WS2のCPUは、情報通知コマンドIC2に含まれるトラフィック情報を参照し、自局(PLCモデム10WS2)宛てのデータの存在の有無を判定する(S517)。ここでは、情報通知コマンドIC2に自局宛てのデータが存在しないことを示す情報が含まれ、PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータが存在しない。
情報通知コマンドIC2の受信後、PLCモデム10WS2とPLCモデム10WMとの間において通信されるデータがない場合、PLCモデム10WS2のCPUは、PLCモデム10WS2の他構成部に対して、SLEEP要求を送る(S518)。
以降、先に説明した処理を繰り返す(S502〜S506)。
本実施形態の通信システム1000によれば、通信方式が共存する場合でも、通信データの有無に応じて、必要なデータ通信ができ、適切に省電力化できる。また、情報通知コマンドにトラフィック情報を含めるので、ビーコン信号とは別にトラフィック情報を取得できる。従って、ビーコン信号の長さを短縮化できる。また、例えば既存の通信装置の中には、特定のビーコン信号のみに対応する通信装置が存在する。このように、既存のビーコン信号以外のビーコン信号を認識困難な通信装置でも、トラフィック情報を容易に認識できる。
(第3の実施形態)
図16は、通信システム1000Bの構成例を示す模式図である。図1に示した通信システム1000と比較すると、通信システム1000Bでは、PLCモデム10GとPLCモデム10Wとが入れ替わっている。他の部分については、両者同じである。
また、各PLCモデム10の構成については、第1の実施形態と同様である(図2〜図4参照)。また、通信サイクル、制御サイクル、データスロットは、第1の実施形態と同様である(図5参照)。また、共存マトリクスC1は、第1の実施形態と同様である(図6参照)。第1の実施形態と同様である事項については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
また、本実施形態では、ビーコン信号にトラフィック情報が含まれることを例示するが、第2の実施形態と同様に、情報通知コマンドにトラフィック情報を含めてもよい。
図17(A)〜(C)は、通信システム1000Bによる動作例を説明する模式図である。図17(A)は、PLCモデム10GMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図17(B)は、PLCモデム10GS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図17(C)は、PLCモデム10GS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図17(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10GSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
図17(A)では、ビーコン信号がTDMS7において定期的に送信されている。第1のビーコン信号BS31の送信時には、PLCモデム10GMからPLCモデム10GSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS31に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
この場合、PLCモデム10GS(10GS1,10GS2)は、PLCモデム10GSからPLCモデム10GMへのデータが存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS31が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS31の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第2のビーコン信号BS32の送信時には、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータが発生している。よって、ビーコン信号BS32に、PLCモデム10GS2宛ての通信データがある旨のトラフィック情報(以下、「Traffic情報:Slave#2」とも称する)が含まれる。また、ビーコン信号BS32の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#4であることを想定する。
この場合、PLCモデム10GS2は、PLCモデム10GMからデータが送信されることを認識し、ビーコン信号BS32の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、ACTIVE状態を維持する。また、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータは、Index#4に従って、TDMS2,5,6,7の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される。
一方、PLCモデム10GS1は、他装置宛てのトラフィック情報を確認するので、PLCモデム10GS1宛てのデータはないことを認識する。従って、PLCモデム10GS1からPLCモデム10GMへのデータが存在しない場合、PLCモデム10GS1は、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS32が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS32の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第3のビーコン信号BS33の送信時には、例えばPLCモデム10GSからPLCモデム10GS2への通信は終了している。つまり、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータは発生していない。よって、ビーコン信号BS33に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。この場合、PLCモデム10GS(10GS1,10GS2)は、ビーコン信号BS33が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS33の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
図18は、PLCモデム10GM及びPLCモデム10GS2の動作例を示すタイムチャートである。図18の処理開始時点では、PLCモデム10GS2の動作状態が、SLEEP状態であることを想定する。
なお、図18では、「Slave PLC CPU」は、例えばPLCモデム10GS2のCPU(例えばCPU11A)である。「Slave CPU」は、例えばPLCモデム10GS2の他構成部(例えば通信部)である。「Master PLC CPU」は、例えばPLCモデム10GMのCPU(例えばCPU11A)である。「Master CPU」は、例えばPLCモデム10GMの他構成部(例えば通信部)である。
まず、PLCモデム10GS2のCPUは、設定されたWakeup時間が経過した場合にCPUの動作を開始し、ACTIVE状態に遷移する(S701)。CPUのACTIVE状態への遷移タイミングは、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。即ち、ビーコン信号の到来前にPLCモデム10GS2のCPUが起動する。
PLCモデム10GS2のCPUは、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10GS2の他構成部に対するクロックの供給を開始する(S702)。他構成部のACTIVE状態への遷移タイミングは、CPUと同様に、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。
PLCモデム10GMのCPUは、PLCモデム10GS2へのデータが存在する場合、PLCモデム10GS2宛てのデータを、PLCモデム10GMの通信部へ送る(S801)。
但し、PLCモデム10GMの通信部は、PLCモデム10GS2の動作状態を把握し、PLCモデム10GS2がSLEEP状態の場合には、データを送信せず、一時的に蓄積する。PLCモデム10GMは、例えば、PLCモデム10GSとの間において予め取り決めすることにより、任意のタイミングにおけるPLCモデム10GS2の動作状態を把握してもよい。また、PLCモデム10GMは、例えば、PLCモデム10GSと通信する過程において、PLCモデム10GS2の動作状態の遷移方法を通知されることにより、任意のタイミングにおけるPLCモデム10GS2の動作状態を把握してもよい。
PLCモデム10GMの通信部は、PLCモデム10GSに対して、ビーコン信号BS32を送信する(S802)。PLCモデム10GS2へのデータが存在する場合、ビーコン信号BS32は、PLCモデム10GS2宛てのデータが存在することを示すトラフィック情報を含む。
PLCモデム10GS2の通信部は、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10GMからのビーコン信号BS32を受信する(S703)。
PLCモデム10GS2の通信部は、ビーコン信号BS32を受信すると、ビーコン信号BS32に含まれる情報を、PLCモデム10GS2のCPUへ送る(S704)。
PLCモデム10GS2のCPUは、ビーコン信号BS32に含まれるトラフィック情報を参照し、自局(PLCモデム10GS2)宛てのデータの存在の有無を判定する(S705)。ここでは、ビーコン信号BS32に自局宛てのデータが存在することを示す情報が含まれる。
従って、PLCモデム10GS2は、通信予定のデータが存在すると認識できるので、ビーコン信号BS32が通信される区間を含む制御サイクルTISP、TDMU、又はTDMSの期間において、SLEEP状態に遷移せず、ACTIVE状態を維持する。PLCモデム10GS2のCPUは、次のSLEEP状態に遷移するか否かの判断を、例えば次のビーコン信号の受信時に行う。
PLCモデム10GMの通信部は、ビーコン信号BS32の送信後、PLCモデム10GS2へのデータを順次送信する(S803)。
また、PLCモデム10GMのCPUは、ビーコン信号BS32の送信後に発生したPLCモデム10GS2宛てのデータを、PLCモデム10GMの通信部に送る(S804)。
PLCモデム10GMの通信部は、PLCモデム10GS2がACTIVE状態であることを認識できるので、S804におけるデータを、即時にPLCモデム10GS2へ送信する(S805)。
PLCモデム10GMの通信部は、ビーコン信号BS32の送信から制御サイクルTISPの期間が経過すると、第3のビーコン信号BS33を送信する(S806)。
図17(A)〜(C)及び図18に示した動作例によれば、IH−W以外の通信方式(例えばIH−G)の場合でも、PLCモデム10GMとPLCモデム10GS2との間において、通信データが存在する場合にはデータ通信を実現できる。また、データ通信が不要な制御サイクルでは、PLCモデム10GSをSLEEP状態とすることができ、省電力化できる。
次に、通信システム1000Bによる他の動作例について説明する。
他の動作例では、通信システム1000Bにおける共存の状態が、PLCモデム10WとPLCモデム10Gが存在するIndex#4の状態から、PLCモデム10OとPLCモデム10Gが存在するIndex#6の状態に変更されることを想定する。例えば、Index#4の状態から、PLCモデム10Wの電源がオフされ、PLCモデム10Oの電源がオンされると、Index#6の状態になる。また、ビーコン信号にトラフィック情報が含まれることを想定する。
図19(A)〜(C)は、通信システム1000Bによる他の動作例を説明する模式図である。図19(A)は、PLCモデム10GMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図19(B)は、PLCモデム10GS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図19(C)は、PLCモデム10GS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図19(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10GSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
図19(A)では、ビーコン信号がTDMS7において定期的に送信されている。第1のビーコン信号BS41の送信時には、PLCモデム10GMからPLCモデム10GSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS41に、通信データが存在しない旨を示すトラフィック情報が含まれる。また、ビーコン信号BS41の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#4であることを想定する。
この場合、PLCモデム10GS(10GS1,10GS2)は、PLCモデム10GSからPLCモデム10GMへのデータも存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS41が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS41の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第2のビーコン信号BS42の送信時には、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータが発生している。よって、ビーコン信号BS42に、PLCモデム10GS2宛ての通信データがある旨のトラフィック情報が含まれる。また、ビーコン信号BS42の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#6であることを想定する。つまり、Indexが変更されている。
ここで、Index変更前のIndex#4の場合、PLCモデム10Gには、TDMS2,5,6,7が割り当てられている。Index変更後のIndex#6の場合、PLCモデム10Gには、TDMS0,5,6,7が割り当てられている。
この場合、PLCモデム10GMの制御部は、Index#6に対応して、ビーコン信号をTDMS5において送信するよう動的に変更してもよい。これにより、ビーコン信号を受信した後、割り当てられたTDMSが4スロット連続することになり、連続領域を確保し易くなり、通信効率が向上する。ビーコン信号が送信されるTDMSの変更情報は、例えばビーコン信号BS42に含められ、PLCモデム10GSに送信される。TDMSの変更情報は、変更後のデータスロットの識別情報(例えばTDMS5)を含む。TDMSの変更情報は、割当パターンの変更通知の一例であり、例えば制御信号に含まれる。
PLCモデム10GS2は、PLCモデム10GMからデータが送信されることを認識し、ビーコン信号BS42の通信区間を含み、次のビーコン信号が送信されるまでの区間、つまりTDMS7,0〜5の区間、ACTIVE状態を維持する。また、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータは、Index#6に従って通信される。
一方、PLCモデム10GS1は、他装置宛てのトラフィック情報を確認するので、PLCモデム10GS1宛てのデータはないことを認識する。この場合、PLCモデム10GS1は、ビーコン信号BS42の受信から次のビーコン信号の受信までの期間、SLEEP状態に遷移してもよいし、ACTIVE状態を維持してもよい。ビーコン信号BS42の受信から次のビーコン信号の受信までの期間は、例えば、TDMS7,0〜5の期間である。
第3のビーコン信号BS43の送信時には、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータが発生している。よって、ビーコン信号BS43に、PLCモデム10GS2宛ての通信データがある旨のトラフィック情報が含まれる。また、ビーコン信号BS43の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#6であることを想定する。
この場合、PLCモデム10GS2は、PLCモデム10GMからデータが送信されることを認識し、ビーコン信号BS43の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、ACTIVE状態を維持する。また、PLCモデム10GMからPLCモデム10GS2へのデータは、Index#6に従って、TDMS0,5,6,7の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される。
一方、PLCモデム10GS1は、他装置宛てのトラフィック情報を確認するので、PLCモデム10GS1宛てのデータはないことを認識する。従って、PLCモデム10GS1からPLCモデム10GMへのデータが存在しない場合、PLCモデム10GS1は、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS43が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS43の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
ビーコン信号BS43の通信後、制御サイクルTISPが経過する度に、ビーコン信号(例えばビーコン信号BS44)が通信される。
なお、図19(B)では、ビーコン信号のTDMSの変更情報を受信した後、次のビーコン信号の受信タイミングまでACTIVE状態を維持することを例示した。ACTIVE状態を維持する場合、制御処理を簡略化できる。例えば、TDMSの変更に伴う各種処理(例えば、ビーコン信号の受信タイミングの設定変更)を実行できる。
一方、図19(C)のように、ビーコン信号のTDMSの変更情報を受信した後、次のビーコン信号の受信タイミングの前までSLEEP状態に遷移してもよい。SLEEP状態となる場合、更に省電力化できる。
図20は、PLCモデム10GM及びPLCモデム10GS2の他の動作例を示すタイムチャートである。図20の処理開始時点では、PLCモデム10GS2の動作状態が、SLEEP状態であることを想定する。
なお、図20では、「Slave PLC CPU」は、例えばPLCモデム10GS2のCPU(例えばCPU11A)である。「Slave CPU」は、例えばPLCモデム10GS2の他構成部(例えば通信部)である。「Master PLC CPU」は、例えばPLCモデム10GMのCPU(例えばCPU11A)である。「Master CPU」は、例えばPLCモデム10GMの他構成部(例えば通信部)である。
まず、PLCモデム10GS2のCPUは、設定されたWakeup時間が経過した場合にCPUの動作を開始し、ACTIVE状態に遷移する(S901)。CPUのACTIVE状態への遷移タイミングは、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。即ち、ビーコン信号の到来前にPLCモデム10GS2のCPUが起動する。
PLCモデム10GS2のCPUは、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10GS2の他構成部に対するクロックの供給を開始する(S902)。他構成部のACTIVE状態への遷移タイミングは、CPUと同様に、次のビーコン信号の受信タイミングよりも前である。
PLCモデム10GMのCPUは、PLCモデム10GS2へのデータが存在する場合、PLCモデム10GS2宛てのデータを、PLCモデム10GMの通信部へ送る(S1001)。
但し、PLCモデム10GMの通信部は、PLCモデム10GS2の動作状態を把握し、PLCモデム10GS2がSLEEP状態の場合には、データを送信せず、一時的に蓄積する。PLCモデム10GMは、例えば、PLCモデム10GSとの間において予め取り決めすることにより、任意のタイミングにおけるPLCモデム10GS2の動作状態を把握してもよい。また、PLCモデム10GMは、例えば、PLCモデム10GSと通信する過程において、PLCモデム10GS2の動作状態の遷移方法を通知されることにより、任意のタイミングにおけるPLCモデム10GS2の動作状態を把握してもよい。
PLCモデム10GMの通信部は、PLCモデム10GSに対して、ビーコン信号BS42を送信する(S1002)。PLCモデム10GS2へのデータが存在する場合、ビーコン信号BS32は、PLCモデム10GS2宛てのデータが存在することを示すトラフィック情報を含む。また、ここでは、ビーコン信号が通信されるTDMSを変更するので、ビーコン信号BS42は、TDMSの変更情報を含む。
PLCモデム10GS2の通信部は、ACTIVE状態に遷移後、PLCモデム10GMからのビーコン信号BS42を受信する(S903)。
PLCモデム10GS2の通信部は、ビーコン信号BS42を受信すると、ビーコン信号BS42に含まれる情報を、PLCモデム10GS2のCPUへ送る(S904)。
PLCモデム10GS2のCPUは、ビーコン信号BS42に含まれるトラフィック情報を参照し、自局(PLCモデム10GS2)宛てのデータの存在の有無を判定する(S905)。ここでは、ビーコン信号BS42に自局宛てのデータが存在することを示す情報が含まれる。
従って、PLCモデム10GS2は、通信予定のデータが存在すると認識できるので、変更後のビーコン信号が通信されるTDMSの時点まで、SLEEP状態に遷移せず、ACTIVE状態を維持する。PLCモデム10GS2のCPUは、次のSLEEP状態に遷移するか否かの判断を、例えば次のビーコン信号の受信時に行う。
図20では不図示であるが、PLCモデム10GMの通信部は、ビーコン信号BS42の送信後、PLCモデム10GS2へのデータを順次送信してもよい。この場合、Index#6であるので、PLCモデム10Gは、TDMS0,5,6,7の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信する。
PLCモデム10GMの通信部は、ビーコン信号BS42の送信後、変更後のビーコン信号が通信されるTDMS5の時点において、ビーコン信号BS43を送信する(S1003)。PLCモデム10GS2へのデータが存在する場合、このビーコン信号BS43は、PLCモデム10GS2宛てのデータが存在することを示すトラフィック情報を含む。
PLCモデム10GMの通信部は、ビーコン信号BS43の送信後、PLCモデム10GS2へのデータを順次送信する。(S1004)。この場合、Index#6であるので、PLCモデム10Gは、TDMS0,5,6,7の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信する。
また、PLCモデム10GMのCPUは、ビーコン信号BS43の送信後に発生したPLCモデム10GS2宛てのデータを、PLCモデム10GMの通信部に送る(S1005)。
PLCモデム10GMの通信部は、PLCモデム10GS2がACTIVE状態であることを認識できるので、S1005におけるデータを、即時にPLCモデム10GS2へ送信する(S1006)。
PLCモデム10GMの通信部は、ビーコン信号BS43の送信から制御サイクルTISPの期間が経過すると、ビーコン信号BS44を送信する(S1007)。
従って、他の動作例では、PLCモデム10GS2は、PLCモデム10GMとの間において通信されるデータが存在するので、ビーコン信号BS42を受信してからビーコン信号BS44を受信するまでの期間、SLEEP状態に遷移しなくてもよい。つまり、PLCモデム10GS2は、制御サイクルTISPの期間と、ビーコン信号を通信するTDMSを移動した期間(補正期間)と、が経過するまで、ACTIVE状態を維持してもよい。
図19(A)〜(C)及び図20に示した他の動作例によれば、PLCモデム10GMは、ビーコン信号が通信されるデータスロットを動的な変更でき、PLCモデム10GSは、ビーコン信号が通信されるデータスロットを動的な変更に対応できる。従って、ISPに割り当てられたTDMSの連続領域を用いたデータ通信が容易になり、通信効率を向上できる。また、通信システム1000Bにおける通信方式の共存状態の変化に対して、TDMSの利用方法を柔軟に設定できる。
なお、第3の実施形態では、ビーコン信号が通信されるTDMSの変更を、変更情報により通知することを例示したが、各Indexの場合にビーコンが通信されるTDMSを、複数のPLCモデム10W間において予め定めておいてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、通信システム1000の構成及び各PLCモデム10の構成については、第1の実施形態と同様である(図1〜図4参照)。また、通信サイクル、制御サイクル、データスロットは、第1の実施形態と同様である(図5参照)。また、共存マトリクスC1は、第1の実施形態と同様である(図6参照)。第1の実施形態と同様である事項については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
第4の実施形態では、例えばCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式による衝突回避機能を考慮する。PLCモデム10WSは、この衝突回避機能を考慮し、PLCモデム10WSの動作状態を制御する。
図21(A)〜(C)は、本実施形態の通信システム1000による動作例を説明する模式図である。図21(A)は、PLCモデム10WMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図21(B)は、PLCモデム10WS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図21(C)は、PLCモデム10WS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図21(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10WSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
この動作例では、LCモデム10WMとPLCモデム10WSとの間において通信されるデータとして、リアルタイム性を要するデータ(例えば、音声データ、画像データ、ストリーミングデータ、その他重要度の高いデータ)を想定する。
図21(A)では、ビーコン信号がTDMS0において定期的に送信されている。第1のビーコン信号BS51の送信時には、PLCモデム10WMからのPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS51に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
この場合、PLCモデム10WS(10WS1,10WS2)は、PLCモデム10WSからPLCモデム10WMへのデータが存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS51が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS51の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第2のビーコン信号BS52の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS52に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
一方、ここでは、PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータが存在することを想定する。また、ビーコン信号BS52の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#5であることを想定する。
この場合、PLCモデム10WS2は、Index#5の場合にPLCモデム10Wが通信可能なTDMS0,1,5,6においてACTIVE状態となるよう制御する。一方、PLCモデム10WS2は、Index#5の場合にPLCモデム10Wが通信不可能なTDMS2,3,4,7において、SLEEP状態となるよう制御する。
また、PLCモデム10WS2は、通信対象のデータの通信が完了した後には、ビーコン信号BS52が通信される通信区間を含む制御サイクル内でもSLEEP状態となるよう制御する。これにより、省電力化できる。
PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータは、Index#5に従って、TDMS0,1,5,6の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される通信候補となる。PLCモデム10WS2は、CDMA/CA方式に応じて送信権を獲得した場合、通信可能な所定のTDMSを用いて、通信候補のデータを送信する。
例えば、PLCモデム10WS2は、TDMS1を用いて通信を試みたが、TDMS1を用いた送信権を獲得できなかった場合、後続のTDMS5,6,0,1,5,6,・・・の順に通信を試みる。
つまり、PLCモデム10WS2は、ビーコン信号BS52の通信区間を含む制御サイクルTISPの期間の経過前でも、データ通信が完了するまで、ISPにより割り当てられたTDMSにおいて、ACTIVE状態となるよう制御する。
一方、PLCモデム10WS1は、他装置宛てのトラフィック情報を確認するので、PLCモデム10WS1宛てのデータはないことを認識する。従って、PLCモデム10WS1は、PLCモデム10WS1からPLCモデム10WMへのデータが存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS52が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS52の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第3のビーコン信号BS53の送信時には、例えばPLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへの通信は終了していることを想定する。また、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS53に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
この場合、PLCモデム10WS(10WS1,10WS2)は、ビーコン信号BS53が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS53の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
図21(A)〜(C)に示した動作例によれば、重要度の高いデータ(例えばリアルタイム性を要するデータ)の通信遅延を抑制し、省電力化できる。
次に、本実施形態の通信システム1000の他の動作例について説明する。
図22(A)〜(C)は、本実施形態の通信システム1000による他の動作例を説明する模式図である。図22(A)は、PLCモデム10WMによるビーコン信号(Beacon)の送信タイミングを示す模式図である。図22(B)は、PLCモデム10WS1(Slave#1)の動作状態の一例を示す模式図である。図22(C)は、PLCモデム10WS2(Slave#2)の動作状態の一例を示す模式図である。
図22(B),(C)では、網掛け部分がISPにより割り当てられたデータスロットの少なくとも一部を示し、太線部分がPLCモデム10WSの動作状態(ACTIVE状態又はSLEEP状態)を示す。
また、他の動作例では、PLCモデム10WMとPLCモデム10WSとの間において通信されるデータとして、リアルタイム性を要しないデータ(例えば、制御データ(例えば家電をON又はOFFにする指示、電力消費量を含む家電制御データ)、その他重要度の低いデータ)を想定する。
また、他の動作例では、Index#5の場合、PLCモデム10Wが通信可能なTDMU#0のTDMS0,1,5,6のうち、TDMS0,1を用いて通信し、TDMS5,6を用いて通信しないことを想定する。
図22(A)では、ビーコン信号がTDMS0において定期的に送信されている。第1のビーコン信号BS61の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS61に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
この場合、PLCモデム10WS(10WS1,10WS2)は、PLCモデム10WSからPLCモデム10WMへのデータが存在しない場合、SLEEP状態に遷移する。具体的には、ビーコン信号BS61が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS61の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
第2のビーコン信号BS62の送信時には、PLCモデム10WMからPLCモデム10WSへのデータが発生していない。よって、ビーコン信号BS62に、通信データが存在しない旨のトラフィック情報が含まれる。
一方、ここでは、PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータが存在することを想定する。また、ビーコン信号BS62の送信時を含む制御サイクルTISPでは、Index#5であることを想定する。
この場合、PLCモデム10WS2は、Index#5の場合にPLCモデム10Wが通信可能なTDMU#0のTDMS0,1においてACTIVE状態となるよう制御する。一方、PLCモデム10WS2は、Index#5の場合に上記のTDMU#0のTDMS0,1以外のTDMSにおいて、SLEEP状態となるよう制御する。
なお、PLCモデム10WS2は、通信対象のデータの通信が完了しない場合でも、TDMU#0のTDMS0,1以外のTDMSにおいて、SLEEP状態となるよう制御する。
PLCモデム10WS2からPLCモデム10WMへのデータは、Index#5に従って、TDMS0,1の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される通信候補となる。PLCモデム10WS2は、CDMA/CA方式に応じて送信権を獲得した場合、通信可能な所定のTDMSを用いて、通信候補のデータを送信する。
例えば、PLCモデム10WS2は、TDMS1を用いて通信を試みたが、TDMS1を用いた送信権を獲得できなかった場合、後続のTDMS5,6,0,1,5,6,・・・のデータスロットを用いた通信を試みず、SLEEP状態に遷移する。PLCモデム10WS2がTDMS1を用いて通信したが、データが残存している場合も同様に、SLEEP状態に遷移する。これらの場合、PLCモデム10WS2は、TDMS2以降において次のビーコン信号の通信直前まで、SLLEP状態に遷移する。
第3のビーコン信号BS63の送信時には、PLCモデム10WS2は、前の制御サイクルにおいて保留されたデータが残存している。この残存データは、Index#5に従って、TDMS0,1の少なくとも1つのデータスロットを用いて通信される通信候補となる。PLCモデム10WS2は、例えばTDMS1において、CDMA/CA方式に応じて送信権を獲得した場合、TDMS1を用いて通信候補のデータを送信する。
一方、PLCモデム10WS1は、ビーコン信号BS62,63を参照して、他装置宛てのトラフィック情報を確認するので、PLCモデム10WS1宛てのデータはないことを認識する。従って、PLCモデム10WS1は、ビーコン信号BS62,BS63が通信されるTDMSの後、ビーコン信号BS62の通信区間を含む制御サイクルTISPにおいて、SLEEP状態に遷移する。
図22(A)〜(C)に示した他の動作例によれば、例えば重要度の低いデータ(例えばリアルタイム性を要するデータ)の通信を保留し、省電力化を優先できる。
また、PLCモデム10WSは、データ種別に応じて、図21(A)〜(C)に示した動作又は図22(A)〜(C)に示した動作を選択してもよい。これにより、データ種別に応じて、通信遅延の抑制と省電力化との優先順位を適切に決定できる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
例えば、上記実施形態では、各通信方式は、電力線通信の通信方式に限らず、他の通信の通信方式(例えば無線LAN(Local Area Network)方式)を含んでもよい。
また、上記実施形態では、異なる通信方式が共存する場合を例示したが、同じ通信方式であって複数の通信装置が通信スロットを共有して通信する場合にも、上記実施形態を適用できる。
また、上記実施形態では、PLCモデム10に対して、図6に示した共存マトリクスC1に基づいて通信スロットが割り当てられることを例示したが、通信スロットの割当の基礎となる情報は、共存マトリクスC1に限らない。例えば、共存マトリクスC1に例示される割当パターンが予め用意されておらず、複数の通信スロットを含むスロット周期が連続的に繰り返される場合でも、上記実施形態を適用できる。このスロット周期は、予め決定されたパターンでなくてもよい。
例えば、時間的に連続する複数のスロット周期(例えばTDMU)において、繰り返し同じ通信スロット(例えばTDMS2)を通信に用いる場合にも、本実施形態を適用できる。この場合、PLCモデム10は、繰り返し用いられる通信スロットとは異なる通信スロットにおいて、SLEEP状態に遷移する。
また、共存マトリクスC1を用いる場合でも用いない場合でも、全てのスロット周期において同じ通信スロットを通信に用いなくてもよい。例えば、図5を用いて例示すると、TDMU#0及びTDMU#2において同じ通信スロットを用い、TDMU#1において同じ通信スロットを用いない場合でも、本実施形態を適用できる。つまり、PLCモデム10は、繰り返されるスロット周期において、例えば所定回数以上又は所定頻度以上同じ通信スロットを通信に用いる場合、この通信スロットとは異なる通信スロットにおいて、SLEEP状態に遷移してもよい。
また、上記実施形態では、共存マトリクスC1を用いる場合でも用いない場合でも、スロット周期は、子機として動作するPLCモデム10により生成又は取得されてもよい。また、親機として動作するPLCモデム10により生成又は取得されてもよい。また、他の通信方式に従うPLCモデム10により生成又は取得されてもよい。また、通信システムが所在するネットワーク上の他の通信装置により生成又は取得されてもよい。
第1の実施形態〜第4の実施形態は、適宜組み合わせてもよい。
(本発明の一態様の概要)
本発明の一態様の通信装置は、複数の通信装置が共存する通信システムにおける通信装置であって、複数の通信スロットを有するスロット周期において、当該通信装置に割当てられた少なくとも1つの通信スロットで通信を行う通信部と、前記スロット周期における第1の通信スロットとは異なる他の通信スロットにおいて、当該通信装置の動作を制限する制御部と、を備え、前記スロット周期が複数回繰り返される場合、前記第1の通信スロットは、各スロット周期における共通の位置の通信スロットであると共に、当該通信装置に複数回割り当てられた通信スロットである。
この構成によれば、複数の通信装置が共存する場合でも、消費電力を低減できる。また、スロット周期における共通の位置の通信スロットが割り当てられるので、例えば割当てられる通信スロットが変更される場合でも、第1の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を抑制できる。従って、通信装置の設計を容易化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記スロット周期に含まれる第2の通信スロットが当該通信装置に割り当てられ、前記第2の通信スロットは、前記第1の通信スロットに連続する通信スロットである。
この構成によれば、第1の通信スロットに連続する第2の通信スロットを用いてデータ送信できるので、通信装置の動作の制限又は制限解除に無駄がなく、省電力化を実現できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記スロット周期における前記第1の通信スロットの位置は、動的に変更される。
この構成によれば、通信装置に割り当てられる通信スロットが変更された場合でも、動作制限されない第1の通信スロットを確保できる。従って、例えば、優先度の高い信号(例えば同期信号)が通信される通信スロットを確保できる。また、例えば連続的に通信データが発生する場合に、第1の通信スロットを、割り当てられた連続する通信スロットの最初に変更できる。この場合、第1の通信スロットに続く通信スロットを用いてデータ通信でき、通信効率が向上する。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記第1の通信スロットが、複数回繰り返された前記スロット周期において、当該通信装置に割り当てられる回数が、他の通信スロットよりも多い通信スロットである。
この構成によれば、例えば優先度の高い信号が通信される第1の通信スロットとして、他の通信スロットよりも割当回数の多い通信スロットが選択される。従って、割当てられる通信スロットが変更される場合でも、第1の通信スロットのスロット周期における位置の変更頻度を小さくできる。また、複数回繰り返されるスロット周期において割当回数の多い通信スロットが選択されるので、通信装置の設計を容易化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記第1の通信スロットが、複数回繰り返された前記スロット周期において、当該通信装置に割り当てられる回数が所定回数以上である。
この構成によれば、例えば優先度の高い信号が通信される第1の通信スロットとして、割当回数の多い通信スロットが選択される。従って、割当てられる通信スロットが変更される場合でも、第1の通信スロットのスロット周期における位置の変更頻度を小さくできる。また、複数回繰り返されるスロット周期において割当回数の多い通信スロットが選択されるので、通信装置の設計を容易化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、前記第1の通信スロットを用いて、同期信号を受信する。
この構成によれば、動作制限されない通信スロットを用いるので、同期信号の受信精度が向上する。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、前記第1の通信スロットを用いて、データを送信する。
この構成によれば、例えば重要度の高い信号(例えば同期信号)と同じ通信スロットを用いてデータ通信できるので、通信装置の動作制限が容易になり、より電力消費を低減できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、割り当てられた所定の通信スロットを用いてデータの送信が完了しなかった場合、次の同期信号を受信するまで、前記データの送信を待機する。
この構成によれば、所定の通信スロットにおいてデータ通信が完了しない場合でも、省電力化を優先できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、割り当てられた所定の通信スロットを用いてデータの送信が完了しなかった場合、複数回繰り返されるスロット周期に基づいて、前記所定の通信スロットに後続する第3の通信スロットを用いて、前記データを送信する。
この構成によれば、例えば重要度の高いデータ(例えばリアルタイム性を要するデータ)の通信遅延を抑制できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、割り当てられた所定の通信スロットを用いてデータの送信が完了しなかった場合、前記データの種別に応じて、次の同期信号を受信するまで前記データの送信を待機するか、前記所定の通信スロットに後続する第3の通信スロットを用いて前記データを送信するか、を選択する。
この構成によれば、所定の通信スロットにおいてデータ通信が完了しない場合に、省電力化を優先するか、又は、通信遅延の抑制を優先するかを選択できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信システムには、異なる通信方式が含まれ、前記スロット周期の各通信スロットは各通信方式に割当てられ、前記各通信方式への割当は、前記通信システムに存在する通信方式に応じて、複数の割当パターンから選択される。
この構成によれば、複数の通信方式が共存する場合でも、消費電力を低減できる。また、スロット周期における共通の位置の通信スロットが割り当てられるので、例えばスロット周期における通信スロットの割当パターンが変更される場合でも、第1の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を抑制できる。従って、通信装置の設計を容易化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、第1の通信方式に従って通信し、前記第1の通信方式と異なる第2の通信方式に従って通信する他の第2の通信装置から、前記第2の通信方式の存在を通知する共存信号を受信する。
この構成によれば、複数回繰り返されるスロット周期における通信スロットの割当パターンを適切に選択できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記共存信号が、位相ベクトルの信号である。
この構成によれば、簡単な信号を用いて、通信システムにおける通信方式の共存状態を認識できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記通信部が、第1の通信方式に従って通信し、前記第1の通信方式に従って通信する他の第1の通信装置から当該通信装置へ通信されるデータの有無を示すトラフィック情報を受信し、前記制御部が、前記通信部により受信された前記トラフィック情報に基づいて、当該通信装置の動作状態を制御する。
この構成によれば、同一の通信方式に従う他の第1の通信装置からデータが受信される通信スロットでは動作制限しないので、データ受信でき、省電力化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記制御部が、前記他の第1の通信装置と当該通信装置との間において通信されるデータが存在する場合、次の前記第1の通信スロットの時点まで、当該通信装置の動作を制限しない。
この構成によれば、同一の通信方式に従う他の第1の通信装置との間において、高精度にデータ通信できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記制御部が、前記他の第1の通信装置と当該通信装置との間において通信されるデータが存在する場合、最後の前記第1の通信スロットを基点として前記スロット周期の期間が経過した後、当該通信装置の動作を制限する。
この構成によれば、同一の通信方式に従う他の第1の通信装置との間においてデータ通信でき、省電力化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記制御部が、前記第1の通信方式に従って通信する他の通信装置と当該通信装置との間において通信されるデータが存在する場合、前記複数の割当パターンに基づいて、当該通信装置に対して未割当の通信スロットの期間において、当該通信装置の動作を制限する。
この構成によれば、同一の通信方式に従う他の第1の通信装置との間においてデータ通信でき、省電力化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記制御部が、前記第1の通信方式に従って通信する他の通信装置と当該通信装置との間において通信されるデータが存在しない場合、前記第1の通信スロットの直後のスロットから当該通信装置の動作を制限する。
この構成によれば、同一の通信方式に従う他の第1の通信装置との間においてデータ通信でき、より省電力化できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記トラフィック情報が、同期信号に含まれる。
この構成によれば、同期に必要な同期情報とトラフィック情報とを同時に取得できるので、動作制限の効率を向上できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、前記トラフィック情報が、同期信号とは異なる所定信号に含まれる。
この構成によれば、同期信号とは別にトラフィック情報を取得できる。従って、同期信号の長さを短くできる。また、既存の同期信号以外の同期信号を認識することが困難な既存の通信装置であっても、トラフィック情報を容易に認識できる。
また、本発明の一態様の通信装置は、複数の通信装置が共存する通信システムにおける通信装置であって、複数の通信スロットを有するスロット周期において、当該通信装置に割当てられた少なくとも1つの通信スロットで通信を行う通信部と、前記スロット周期における所定の通信スロットにおいて、当該通信装置の動作を制限する制御部を備え、前記スロット周期が複数回繰り返される場合、前記所定の通信スロットは、各スロット周期における共通の位置の通信スロットであると共に、当該通信装置に割り当てられる回数が他の通信スロットよりも少ない通信スロットである。
この構成によれば、複数の通信装置が共存する場合でも、消費電力を低減できる。また、繰り返されるスロット周期において、他の通信スロットよりも割当回数の少ない通信スロットにおいて動作制限される。よって、例えば割当てられる通信スロットが変更される場合、所定の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を高くできる。従って、通信装置の設計を容易化できる。
また、本発明の一態様の通信システムは、少なくとも第1の通信装置および第2の通信装置を備える通信システムであって、前記第1の通信装置は、複数の通信スロットを有するスロット周期において、前記第1の通信装置に割当てられた少なくとも1つの通信スロットで、制御信号を前記第2の通信装置へ送信する送信部を備え、前記第2の通信装置は、前記制御信号を受信する受信部と、前記スロット周期における第1の通信スロットとは異なる他の通信スロットにおいて、前記第2の通信装置の動作を制限する制御部と、を備え、前記スロット周期が複数回繰り返される場合、前記第1の通信スロットは、各スロット周期における共通の位置の通信スロットであると共に、前記第2の通信装置に複数回割り当てられた通信スロットである。
この構成によれば、複数の通信装置が共存する場合でも、消費電力を低減できる。また、スロット周期における共通の位置の通信スロットが割り当てられるので、例えば割当てられる通信スロットが変更される場合でも、第1の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を抑制できる。従って、通信装置の設計を容易化できる。また、第1の通信装置は、第2の通信装置からデータが受信される通信スロットでは動作制限しないので、データ受信でき、省電力化できる。
また、本発明の一態様の通信方法は、複数の通信装置が共存する通信システムにおける通信装置における通信方法であって、複数の通信スロットを有するスロット周期において、前記通信装置に割当てられた少なくとも1つの通信スロットで通信を行うステップと、前記スロット周期における第1の通信スロットとは異なる他の通信スロットにおいて、前記通信装置の動作を制限するステップと、を有し、前記スロット周期が複数回繰り返される場合、前記第1の通信スロットは、各スロット周期における共通の位置の通信スロットであると共に、前記通信装置に複数回割り当てられた通信スロットである。
この方法によれば、複数の通信装置が共存する場合でも、消費電力を低減できる。また、スロット周期における共通の位置の通信スロットが割り当てられるので、例えば割当てられる通信スロットが変更される場合でも、第1の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を抑制できる。従って、通信装置の設計を容易化できる。
また、本発明の一態様の通信方法は、複数の通信装置が共存する通信システムにおける通信装置における通信方法であって、複数の通信スロットを有するスロット周期において、当該通信装置に割当てられた少なくとも1つの通信スロットで通信を行うステップと、前記スロット周期における所定の通信スロットにおいて、前記通信装置の動作を制限するステップと、を有し、前記スロット周期が複数回繰り返される場合、前記所定の通信スロットは、各スロット周期における共通の位置の通信スロットであると共に、前記通信装置に割り当てられる回数が他の通信スロットよりも少ない通信スロットである。
この方法によれば、複数の通信装置が共存する場合でも、消費電力を低減できる。また、繰り返されるスロット周期において、他の通信スロットよりも割当回数の少ない通信スロットにおいて動作制限される。よって、例えば割当てられる通信スロットが変更される場合、所定の通信スロットに用いる通信スロットの変更頻度を高くできる。従って、通信装置の設計を容易化できる。