JP6244236B2 - 3次元地図表示システム - Google Patents
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Description
3次元地図内では、文字も種々の態様で表示される。特許文献1は、道路等を鳥瞰図で描くとともに、道路に沿って文字を2次元的に表示する出力例を示している。また、道路の名称等を、道路に垂直に立てた道路標識のように立体的に表示する出力例も開示している。立体的な表示は、文字を貼り付けた板ポリゴンを用意し、これを仮想3次元空間に配置して、透視投影することによって実現することもできる。
かかる弊害を回避する方法として、予め文字を立体的に表した2次元画像を用意しておき、これを透視投影上に貼り付ける方法も考えられる。しかし、かかる方法によって、多様な視点および視線方向からの3次元地図を表示させようとすれば、これらの視点および視線方向に応じた多種多様な文字画像を用意しておく必要が生じ、そのデータ量が膨大なものとなる。
本発明は、これらの課題に鑑み、3次元地図において、文字の視認性を確保しつつ、立体的な表示を実現することを目的とする。
地物および文字列を含む3次元地図を表示する3次元地図表示システムであって、
前記地物の3次元形状を表す地物データおよび前記文字列を表示させるための文字データを記憶する地図データベースと、
前記地物データを用いて、仮想3次元空間に配置された前記地物を透視投影することで地物画像を生成する地物画像生成部と、
前記文字データを用いて、仮想3次元空間内に前記文字列を表したポリゴンを配置して、平行投影することで文字画像を生成する文字画像生成部と、
前記文字画像を、前記地物画像に重畳して表示する重畳部とを備える3次元地図表示システムとして構成することができる。
本発明において、文字を表したポリゴンは、平板状、円筒状など多様な形状のものを利用することができる。
文字画像を生成する際の平行投影の方向は、垂直方向から斜めに傾けた方向であれば任意に設定可能である。ただし、投影方向は、垂直からの傾きと、投影方位によって表すことができるが、投影方位については、透視投影の視線方向との相違が90度より小さくなる範囲、より好ましくは45度よりも小さくなる範囲程度に抑えておくことが好ましい。
文字画像の地物画像への重畳も種々の方法で行うことができる。例えば、文字を表示すべき3次元の位置座標に応じてポリゴンを仮想空間内に配置して平行投影し、得られた文字画像をそのまま地物画像に重畳してもよい。また、平行投影によって文字ごとに個別の文字画像を生成し、さらに、文字の表示位置を透視投影に従って座標変換することで地物画像上の表示位置を求め、得られた表示位置に文字画像を個別に配置する方法をとってもよい。
前記文字画像生成部は、前記透視投影における視線方向と同方向からの平行投影を行うものとしてもよい。
上述の通り、平行投影の方向は、垂直からの傾きと投影方位によって表されるが、この態様は、両者を視線方向にほぼ合わせる状態を意味する。ただし、同方向とは、厳密に同一角度という意味ではなく、投影された画像に有意な差違が生じない程度の誤差範囲を含む意味である。このように、視線方向と平行投影の方向とを合わせることによって、透視投影による地物画像と、文字画像との違和感をさらに軽減することができる。
前記文字画像生成部は、
前記文字列を貼付した文字板ポリゴンを生成し、
前記文字板ポリゴンと地表面との間の角度が、前記投影画像内における前記文字の配置方向と配置位置に基づいて設定される所定値となるよう、前記仮想3次元空間内で該文字板ポリゴンを配置して、
前記平行投影を行うものとしてもよい。
こうすることにより、文字板ポリゴンを看板のように地表面に斜めにたてかけた状態で文字を表示することができる。また、その角度を、文字の配置方向および配置位置に応じて変化させることができる。この結果、文字を立体的に表現できるだけでなく、文字の傾きによって、奥行きを感じさせることができる。
前記文字画像生成部は、前記文字画像を、前記文字データに格納された文字列ごとに個別に生成し、
前記重畳部は、前記文字画像の前記投影画像内での配置を個別に設定して、前記重畳を行うものとしてもよい。
本発明では、地物を透視投影で、文字を平行投影で表示するため、仮想3次元空間に両者を配置したとしても、投影結果の座標値にはずれが生じることがある。しかし、上記態様によれば、文字の配置を個別に設定するため、こうしたずれを生じることなく、適切な位置に文字を表示させることが可能となる。
前記地物には道路が含まれ、前記文字列には該道路の名称が含まれており、
前記文字画像生成部は、前記道路の名称を表す文字列を、該道路に沿う方向に配置して前記文字画像を生成するものとしてもよい。
本発明は、種々の文字を対象とすることができるが、上記態様のように、道路の名称に適用する場合に特に有用性が高い。道路の名称を表す文字は、道路に沿う方向に表示することが、道路との対応関係を把握しやすくする上で有用である。また、道路は透視投影によって視点から遠い領域では幅が狭くなる。このような状態で、2次元的な文字を同サイズで表示していては、文字によって道路が隠れてしまうなどの支障が生じることがある。本発明によれば、道路に沿った方向に文字を表示しつつ、その文字を道路面から3次元的に傾けるなどして立体的に表示することが可能となるため、道路幅に応じた多様な表示が可能となる。しかも、文字は平行投影されるため、視点から遠い領域でも視認性が劣化しない。従って、本発明では、道路に沿った文字を、視認性を損ねることなく、また道路を文字が隠してしまうなどの支障を回避する態様で表示することが可能となる。
本発明は、その他、コンピュータによって3次元地図を表示する3次元地図表示方法として構成してもよいし、かかる表示をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして構成してもよい。また、かかるコンピュータプログラムを記録したCD−R、DVDその他のコンピュータが読み取り可能な記録媒体として構成してもよい。
図1は、3次元地図表示システム10の構成を示す説明図である。3次元地図を表示しながら、ユーザに指定された出発地から目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置としての構成例を示した。本実施例では、ナビゲーション装置としての構成に限らず、単に地図を表示するためのシステムとして構成することも可能である。また、本実施例では、スタンドアロンで稼働するシステムを例示するが、図中に示す機能の一部を、ネットワークで接続された複数のサーバ等によって構成してもよい。
地図データベース20は、3次元地図表示に用いられる地図データを記憶する。地図データとしては、ネットワークデータ21、地物データ22、文字データ23がある。ネットワークデータ21は、道路をリンク、ノードで表したデータであり、経路探索に使用されるデータである。地物データ22は、道路、建物などの地物の3次元形状を表す3次元モデルを格納したデータである。文字データ23は、地図中に表示される文字列を格納したデータである。
主制御部14は、各機能ブロックの動作を制御する機能を奏する。
コマンド入力部11は、ユーザによるコマンドを入力する。入力されるコマンドとしては、例えば、経路案内の出発地、目的地の指定、地図の表示範囲の指定などがあげられる。
経路探索部12は、ネットワークデータ21を用いて、指定された出発地から目的地までの経路探索を行う。経路探索は、ダイクストラ法などの周知の方法を適用することができる。
GPS13は、GPS(Global Positioning System)などから位置情報を取得し、現在位置を特定する。
表示制御部15は、地図表示を行う。本実施例では、3次元地図を表示するが、併せて2次元地図を表示可能としてもよい。
表示制御部15は、地物画像生成部16、文字画像生成部17、重畳部18を有している。地物画像生成部16は、地物データ22に格納されている3次元モデルを仮想3次元空間に配置し、指定された視点位置、視線方向から透視投影する。この投影図を本実施例では、地物画像と呼ぶ。文字画像生成部17は、文字データ23に格納されている文字列を貼付したポリゴン(以下、これを「文字ポリゴン」ということもある)を仮想3次元空間に配置し、平行投影する。この投影図を本実施例では、文字画像と呼ぶ。重畳部18は、この文字画像を地物画像に重畳することで、3次元地図を表示する。
図の下側には、文字データ23の構造を示した。IDは、各文字データに対する識別情報である。地物は、文字データが紐付けられる地物を特定する情報である。本実施例では、地物データ22のIDを格納している。例えば、図中のCID1が付された文字データに対しては、地物としてID1が格納されているから、この文字データは、地物データ22のID1で表された建物の名称等を表すものであることを意味している。また、CID2の文字データに対しては、地物としてID2が格納されているから、この文字データは、地物データ22のID2で表された道路の名称等を表すものであることを意味している。文字列は、表示されるべき文字である。位置は、文字を表示する3次元の位置座標である。属性は、文字の種別を表す情報であり、本実施例では、「一般」、「通り名称」の2種類が用意されている。「通り名称」は、道路の名称等であることを表し、「一般」は、その他の文字列であることを表している。属性は、後述する文字の表示制御において使用される情報である。文字データ23には、この他、文字サイズ、フォントなど種々の情報を格納してもよい。
本実施例では、文字データ23に格納された文字列の表示を次の態様で制御する。まず、文字を、通り名称と、その他の一般に分け、通り名称のみを制御対象とする。一般の文字列については、地図画像に2次元で表示するようにしてもよいし、地物とともに透視投影によって表示してもよい。
通り名称については、文字列は、対応する道路に沿う方向に表示させる。また、文字列は、地表面に対して文字の下端周りに回転、即ちティルトさせることにより、地表面に斜めにたてかけた看板のように表示させる。この傾き角度を、以下では、ティルト角と称する。ティルト角は、透視投影図内での道路の方向、および透視投影図内での文字の表示位置、即ち視点からの距離に応じて設定する。以下では、具体的に文字のティルト角の設定方法について説明する。
最上段には、2次元地図での道路の状態を示した。
中段には、この道路を透視投影した状態を示した。透視投影すると、視点から遠くなるにつれて道路間の間隔が徐々に狭くなるが、道路の方向は透視投影においても左右方向である。道路の方向は、透視投影図の上下方向(図中の一点鎖線)を基準とする角度AV1、AV2、AV3などで表される(以下、この角度を表示方向と呼ぶこともある。)。左右方向の道路の場合、表示方向AV1、AV2、AV3は、約90度となる。
下段には、この道路に対して文字を重ねて表示した3次元地図の表示例を示した。道路は、透視投影図で表示される。透視投影図内での位置座標は、横方向u、縦方向vの座標で表される。通り名称の文字列CH1、CH2、CH3のティルト角は、図の右側に示すように視点手前から奥に行くにつれて、即ち、透視投影図内でのv軸方向の位置V1、V2、V3が大きくなるにつれて、角TA1〜TA3のように、0度から徐々に大きく設定される。かかる制御を適用する範囲は、表示方向AV1〜AV3が厳密に90度である必要はなく、一定の幅を持たせても良い。
最上段には、2次元地図での道路の状態を示した。垂直方向とは、道路の2次元的な方向がほぼ上下方向であることを意味する。
中段には、この道路を透視投影した状態を示した。透視投影しても、道路の方向は垂直方向のまま変化しない。表示方向AVは約0度となる。
下段には、この道路に対して文字を重ねて表示した3次元地図の表示例を示した。道路は、透視投影図で表示される。通り名称の文字列CH4、CH5は、道路に沿って表示する場合、どのように傾けても不自然となってしまう。中央の道路の両側に、斜めの道路を示し、文字をティルトさせて表示した例を示した。垂直の道路において、このようにティルトさせて文字を表示すると、どのようにティルトさせても、違和感が残る表示となってしまうのである。従って、垂直の道路に対しては、ティルト角は、図の右側に示すように視点手前から奥まで、透視投影図内でのv軸方向の位置V4、V5の値に関わらず0度とする。
ただし、文字の表示状態によって奥行きを感じさせるようにするため、垂直に表示されている道路については、文字の位置が視点から奥に行くにつれて、即ち奥行き方向の位置V4、V5が大きくなるにつれて上下方向、道路に沿う方向の幅を縮小するようにしている。この表示は、例えば、文字列のうち視点に近い側の端、図中の文字列では、「SFLOWERST」の末尾の「T」の文字側を軸にして地表面に対してティルトさせることによって実現することができる。これを実施例では、文字幅縮小と呼ぶ。図の右側にあるように、垂直の道路に対しては、ティルト角は0度であるが、奥行き方向の位置に応じて、文字幅の縮小を施すことになる。
かかる制御を適用する範囲は、表示方向AVが厳密に0度の場合に限る必要はなく、一定の幅を持たせても良い。
最上段には、2次元地図での道路の状態を示した。ほぼ平行に右下がりの道路が描かれている。
中段には、この道路を透視投影した状態を示した。透視投影すると、視点から遠くなるにつれて道路間の間隔が徐々に狭くなるとともに、道路の表示方向AV10、AV11が変化する。2次元では平行な道路も、視点から奥に行くほど、表示方向AV10、AV11は90度に近くなる。右下がりの道路の場合、表示方向は0度より大きく、90度より小さい範囲となる。
下段には、この道路に対して文字を重ねて表示した3次元地図の表示例を示した。通り名称の文字列CH10〜CH13のティルト角は、透視投影図内でのv軸方向の位置と、表示方向に応じて設定される。
まず、表示方向とティルト角との関係については、図の下側に示すように、表示方向が小さいほど、つまり道路が垂直に近いほどティルト角が小さく、表示方向が大きいほど、つまり道路が水平に近いほどティルト角が大きくなる。例えば、文字列CH10の表示方向Av10よりも文字列CH11の表示方向Av11は大きいため、文字列CH11のティルト角TA11は、文字列CH10よりも大きくなる。同様に、文字列CH13のティルト角TA13は、さらに大きくなる。
表示位置とティルト角との関係については、図の右側に示すように、表示位置が奥に行くほどティルト角が大きくなるよう設定する。例えば、文字列CH12、CH13を比較すると、表示方向は同じであるが、表示位置V12>表示位置V13となっているため、ティルト角TA12>ティルト角TA13となる。文字列CH10、CH11の表示位置V10、V11は、文字列CH12の表示位置V12よりも小さく、表示方向Av10、Av11も文字列CH12よりも小さくなるため、文字列CH10、CH11のティルト角は、文字列CH12よりも小さくなる。
最上段には、2次元地図での道路の状態を示した。ほぼ平行に右上がりの道路が描かれている。
中段には、この道路を透視投影した状態を示した。透視投影すると、視点から遠くなるにつれて道路間の間隔が徐々に狭くなるとともに、道路の表示方向AV20、AV21が変化する。2次元では平行な道路も、視点から奥に行くほど、表示方向AV20、AV21は90度に近くなる。右上がりの道路の場合、表示方向は90度より大きく、180度より小さい範囲となる。
下段には、この道路に対して文字を重ねて表示した3次元地図の表示例を示した。道路は、透視投影図で表示される。通り名称の文字列CH20〜CH23のティルト角は、透視投影図内でのv軸方向の位置と、表示方向に応じて設定される。
表示方向とティルト角との関係については、図の下側に示すように、表示方向が大きいほど、つまり道路が垂直に近いほどティルト角が小さく、表示方向が小さいほど、つまり道路が水平に近いほどティルト角が大きくなる。例えば、文字列CH20の表示方向Av20よりも文字列CH21の表示方向Av21は大きいため、文字列CH21のティルト角は、文字列CH20よりも小さくなる。同様に、文字列CH23のティルト角TA23は、さらに小さくなる。
表示位置とティルト角との関係については、図の右側に示すように、表示位置が奥に行くほどティルト角が大きくなるよう設定する。例えば、文字列CH22、CH23を比較すると、表示方向は同じであるが、表示位置V22<表示位置V23となっているため、ティルト角TA22<ティルト角TA23となる。
図の上段に、ティルト角TAの定義を示した。ティルト角は、文字板ポリゴンと地表面とのなす角度を言う。図の左上に示すように文字列が記載される方向をx軸とするとき、x軸を中心としてy軸からz軸方向の回転角がティルト角である。
図3〜6で示した通り、ティルト角は道路の表示方向AVと、文字の表示位置Vcによって設定される。
表示方向AV=0度のとき、即ち道路が垂直方向のときは、図4で説明した通り、表示位置Vcに関わらずティルト角は0度である。また、本実施例では、表示方向AVに関わらず、視点に最も近い位置では、ティルト角を0度と設定した。表示方向AV=90度のとき、即ち道路が左右方向のときは、図3で説明した通り、表示位置Vcが奥に行くほどティルト角は大きくなる。表示方向AVが0〜90度の範囲は道路が右下がりの状態を示し、表示方向AVが90〜180度の範囲は道路が右上がりの状態を示す。これらの範囲では、表示方向AVと表示位置Vcに応じてティルト角度が定まる。
図7に示した設定例は、一例に過ぎず、ティルト角は、表示方向AV、表示位置Vcに応じて任意に設定可能である。図7では表示方向AV、表示位置Vcに対してティルト角が線形に変化する例を示したが、これらは曲線的に変化するように設定してもよい。また単調増加または単調減少などとせず、極値を有する設定としてもよい。
以上で説明した文字列のティルト角の設定を用いて地図を表示する処理例について、本実施例では、ナビゲーション装置(図1参照)が経路案内を行う場合を例にとって説明する。
図8は、経路案内処理のフローチャートである。処理を開始すると、ナビゲーション装置は、出発地、目的地を入力し(ステップS10)、経路探索を行う(ステップS11)。経路探索は、ネットワークデータを用いて、ダイクストラ法などによって行うことができる。そして、得られた経路を表す経路案内データ、例えば経路となるべきリンク列を特定する情報などを作成し(ステップS12)、これに基づいて経路案内を実行する。
経路案内では、ナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出し(ステップS13)、地図表示処理を行って、経路を案内するための3次元地図を表示する(ステップS14)。これを車両が目的地に到着するまで(ステップS15)、繰り返し実行する。
この処理では、ナビゲーション装置は、3次元地図を透視投影によって描くための視点位置、視線方向、および表示スケールを設定する(ステップS20)。視点位置は、例えば、現在位置よりも後方の所定の相対位置に設定する方法をとることができる。視線方向は、視点位置から現在位置等を見る方向に設定することができる。この他、視点位置、視線方向等はユーザからの指定に従うようにしてもよい。
ナビゲーション装置は、3次元地図の表示に必要となる地図データを読み込む(ステップS21)。そして、まず、地物を透視投影して地物画像を生成する(ステップS22)。
次に、通り名称について地物画像内での表示位置、表示方向を算出する(ステップS23)。表示方向Avは、先に図3〜図6で説明した通り、垂直方向からの角度で表すことができる。まず、文字データ23の属性に基づいて通り名称を抽出し、それぞれの通り名称に対応づけられている道路を特定する。その上で、道路の地物画像内での表示方向を求めることができる。表示位置は、文字データに設定された3次元の表示位置を透視投影に従って座標変換することによって求めることができる。
そして、ナビゲーション装置は、設定されたティルト角で、文字板ポリゴンを仮想空間内に配置する(ステップS25)。図中に配置例を示した。ティルト角TA0、TA1などの設定値に応じて板ポリゴンを配置し、この表面に文字列を貼付するのである。通り名称については、文字を道路に沿って表示するものとしているから、文字の板ポリゴンの配置方向は、その下端が道路に沿うように配置されている。表示位置は、文字の表示位置として設定された3次元座標に従って配置する。
平行投影の投影方向は、任意に設定可能である。投影方向は、垂直下方からの傾き角と、投影方位によって表すことができるが、投影方位は、視線方向と合わせることが好ましい。こうすることによって、文字画像を地物画像に重畳したときの違和感を軽減することができる。垂直下方からの傾き角は、必ずしも一致させる必要はないが、これも視線方向と一致させれば、より違和感を軽減することができる。
平行投影は、視点位置と無関係の投影方法である。透視投影では、視点から遠方に位置する文字列はつぶれて見づらくなることが生じるが、平行投影によって得られる文字画像に含まれる文字列は、表示位置に関わらず十分な視認性を確保できる。
第1の方法は、文字画像と地物画像とをそのまま重畳する方法である。地物画像は透視投影で生成され、文字画像は平行投影で生成されているため、両者の画像内の座標系は必ずしも一致しない。従って、文字画像内の文字列は、本来の位置からずれて表示され得る。しかし、透視投影の視点位置、視線方向および平行投影の投影方向によっては、地物画像と文字画像とのずれは、事実上、視認できない場合がある。かかる場合には、文字画像と地物画像とをそのまま重畳しても、違和感のない地図を表示することができる。
第2の方法は、文字画像を文字列ごとに地図画像上に配置する方法である。この方法では、文字列ごとに文字画像を構成し、その表示位置を表す3次元座標を透視投影に従って座標変換し、地物画像上の表示位置を求める。そして、この文字画像を、地物画像の上に重畳する。これを文字列ごとに実行することにより、それぞれの文字列を、地物画像上の適切な位置に表示させることができる。
地物画像と文字画像との重畳が完了すると、ナビゲーション装置は、その他の文字を表示して(ステップS28)、地図表示処理を終了する。
図11は、3次元地図の表示例を示す説明図である。ここでは、通り名称の文字列だけを表示した状態を例示した。図示する通り、道路は上空からの視点位置、視線方向によって透視投影で描かれている。そして、通り名称は、それぞれの道路に沿うように表示される。こうすることにより、道路とその通り名称との対応関係を視覚的に容易に把握することができる。また、通り名称は、種々のティルト角によって立体的に表示される。こうすることにより、地図全体の立体感を与えるとともに、文字も多様な態様で立体的に表現することが可能となる。
本実施例では、通り名称のティルト角は道路の表示方向および表示位置に基づいて設定される。従って、文字のティルト角によって、ユーザは、文字列の奥行き感を直感的に感じることができ、それぞれの通りの位置を直感的に認識することができる。
また、本実施例では、視点から奥に行くほどティルト角を大きく設定している。透視投影では、視点から遠方ほど、道路の幅が狭くなり、また道路間の間隔が狭くなるため、道路の文字列を表示できる領域も狭くなるが、このように文字列のティルト角を大きくすることにより、視点から遠方の文字列を、領域の狭さに応じた態様で表現することが可能となる。
本発明の3次元地図表示システムは、必ずしも上述した実施例の全ての機能を備えている必要はなく、一部のみを実現するようにしてもよい。また、上述した内容に追加の機能を設けてもよい。
本発明は上述の実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、実施例においてハードウェア的に構成されている部分は、ソフトウェア的に構成することもでき、その逆も可能である。
11…コマンド入力部
12…経路探索部
13…GPS
14…主制御部
15…表示制御部
16…地物画像生成部
17…文字画像生成部
18…重畳部
20…地図データベース
21…ネットワークデータ
22…地物データ
23…文字データ
Claims (7)
- 地物および文字列を含む3次元地図を表示する3次元地図表示システムであって、
前記地物の3次元形状を表す地物データおよび前記文字列を表示させるための文字データを記憶する地図データベースと、
前記地物データを用いて、仮想3次元空間に配置された前記地物を透視投影することで地物画像を生成する地物画像生成部と、
前記文字データを用いて、仮想3次元空間内に前記文字列を表したポリゴンを配置して、平行投影することで文字画像を生成する文字画像生成部と、
前記文字画像を、前記地物画像に重畳して表示する重畳部とを備え、
前記文字画像生成部は、
前記文字列を貼付した文字板ポリゴンを生成し、
前記文字板ポリゴンと地表面との間の角度が、前記地物画像内における前記文字列の配置方向と配置位置に基づいて設定される所定値となるよう、前記仮想3次元空間内で該文字板ポリゴンを配置して、
前記平行投影を行う3次元地図表示システム。 - 請求項1記載の3次元地図表示システムであって、
前記文字画像生成部は、前記透視投影における視線方向と同方向からの平行投影を行う3次元地図表示システム。 - 請求項1または2記載の3次元地図表示システムであって、
前記文字板ポリゴンと地表面との間の角度は、前記地物画像内における前記文字列の配置位置が前記透視投影の視点側から奥に行くにつれて徐々に大きく設定される3次元地図表示システム。 - 請求項1〜3いずれか記載の3次元地図表示システムであって、
前記文字画像生成部は、前記文字画像を、前記文字データに格納された文字列ごとに個別に生成し、
前記重畳部は、前記文字画像の前記地物画像内での配置を個別に設定して、前記重畳を行う3次元地図表示システム。 - 請求項1〜4いずれか記載の3次元地図表示システムであって、
前記地物には道路が含まれ、前記文字列には該道路の名称が含まれており、
前記文字画像生成部は、前記道路の名称を表す文字列を、該道路に沿う方向に配置して前記文字画像を生成する3次元地図表示システム。 - コンピュータによって、地物および文字列を含む3次元地図を表示する3次元地図表示方法であって、
前記コンピュータが実行するステップとして、
前記地物の3次元形状を表す地物データおよび前記文字列を表示させるための文字データを記憶する地図データベースにアクセスするステップと、
前記地物データを用いて、仮想3次元空間に配置された前記地物を透視投影することで地物画像を生成するステップと、
前記文字データを用いて、仮想3次元空間内に前記文字列を表したポリゴンを配置して、平行投影することで文字画像を生成するステップと、
前記文字画像を、前記地物画像に重畳して表示するステップとを備え、
前記文字画像の生成は、
前記文字列を貼付した文字板ポリゴンを生成し、
前記文字板ポリゴンと地表面との間の角度が、前記地物画像内における前記文字列の配置方向と配置位置に基づいて設定される所定値となるよう、前記仮想3次元空間内で該文字板ポリゴンを配置して平行投影することにより行われる
3次元地図表示方法。 - コンピュータによって、地物および文字列を含む3次元地図を表示するためのコンピュータプログラムであって、
前記地物の3次元形状を表す地物データおよび前記文字列を表示させるための文字データを記憶する地図データベースにアクセスする機能と、
前記地物データを用いて、仮想3次元空間に配置された前記地物を透視投影することで地物画像を生成する機能と、
前記文字データを用いて、仮想3次元空間内に前記文字列を表したポリゴンを配置して、平行投影することで文字画像を生成する機能と、
前記文字画像を、前記地物画像に重畳して表示する機能とをコンピュータによって実現し、
前記文字画像の生成は、
前記文字列を貼付した文字板ポリゴンを生成し、
前記文字板ポリゴンと地表面との間の角度が、前記地物画像内における前記文字列の配置方向と配置位置に基づいて設定される所定値となるよう、前記仮想3次元空間内で該文字板ポリゴンを配置して平行投影することにより行われる
ためのコンピュータプログラム。
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