JP6243975B1 - 異物混入時期判別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カタラーゼテストでは判別できないタンパク質系異物の混入時期を判別可能な異物混入時期判別方法を提供する。【解決手段】混入が予測されるタンパク質系予測異物を設定し、該予測異物から、少なくとも1個の非加熱の分析サンプルと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルとを、作成し、全ての上記分析サンプルに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルの予測熱分析情報を、データベースZに記憶させ、食品から検出されたタンパク質系異物に対し示差走査熱量測定を行い、上記データベースZに記憶させた予測異物の上記予測熱分析情報とを、比較して、上記異物の熱量収支が、上記分析サンプルの熱量収支の何れに一致するかを判別する判別工程3を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、異物混入時期判別方法に関する。
加熱調理された食品から、昆虫や人の毛髪又は爪片等のタンパク質系異物が検出された際、その異物が、食品の加熱前に混入したものなのか、又は、食品の加熱後に混入したものなのか、を判別することは、事故原因や混入箇所を検討する上で重要である。
従来、食品への昆虫等の混入時期を調べる方法として、一般的に、カタラーゼテストが行われている(特許文献1参照)。
特開2003−169698号公報
カタラーゼテストは、カタラーゼ酵素が加熱を受けることで、過酸化水素を分解する働き(分解機能)を失う特性を利用して、食品から検出された異物を過酸化水素水に浸漬し、異物のカタラーゼ酵素の分解機能の有無を調べることにより、異物が加熱を受けているか否かを判断する方法である。
しかし、カタラーゼ酵素が分解機能を失うには、100℃近い温度で加熱される必要がある。つまり、食品の加熱温度が80℃程度である場合には、カタラーゼテストでは異物の混入時期を判別できないという欠点があった。
また、人の爪等のカタラーゼ酵素をほとんど含まない異物は、カタラーゼテストが実施できなかった。
そこで、本発明は、カタラーゼテストでは判別できないタンパク質系異物の混入時期を判別可能な異物混入時期判別方法を提供することを目的とする。
本発明に係る異物混入時期判別方法は、所定の加熱条件での加熱工程を経て製造された食品から検出されたタンパク質系異物の混入した時期が、上記加熱工程前であるか、上記加熱工程後であるか、を判別する異物混入時期判別方法であって、混入が予測されるタンパク質系予測異物を設定し、該予測異物から、少なくとも1個の非加熱の分析サンプルと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルとを、作成し、全ての上記分析サンプルに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルの予測熱分析情報を、データベースに記憶させる予測情報記憶工程を備え、食品から検出されたタンパク質系異物に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって検出異物熱分析情報を得る検出異物熱分析工程と、上記異物の上記検出異物熱分析情報を、上記データベースに記憶させた予測異物の上記予測熱分析情報に、比較して、上記異物の熱量収支が、上記分析サンプルの熱量収支の何れに一致するかを判別する判別工程を備える方法である。
また、上記タンパク質系異物及び上記予測異物は、昆虫である。
また、上記タンパク質系異物及び上記予測異物は、人の毛髪又は爪片等の身体破片である。
本発明の異物混入時期判別方法によれば、カタラーゼテストでは判別できないようなタンパク質系異物の混入時期を、調べることができる。異物に含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、食品の加熱温度が100℃未満の比較的低温(43℃〜85℃)であっても、異物が加熱を受けているか否かを判別できる。予め、複数個の分析サンプルの予測熱分析情報を集めておくことで、食品から検出されたタンパク質系異物の混入時期を、迅速に調べることができる。また、混入時期の判別精度を向上できる。
本発明の実施の一形態を説明するためのフローチャート図である。 本発明に係る予測情報記憶工程を説明するためのフローチャート図である。 タンパク質系予測異物を説明するための簡略図である。 タンパク質系異物を説明するための簡略図である。 昆虫の分析サンプルの熱量収支を示すグラフ図である。 昆虫のタンパク質系異物の熱量収支を示すグラフ図である。 昆虫のタンパク質系異物の熱量収支を示すグラフ図である。 人の爪片の分析サンプルの熱量収支を示すグラフ図である。 人の爪片のタンパク質系異物の熱量収支を示すグラフ図である。 人の爪片のタンパク質系異物の熱量収支を示すグラフ図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明の異物混入時期判別方法は、加熱工程を経て製造される食品から検出されたタンパク質系異物Xが、食品が加熱を受ける前(加熱工程前)に混入したのか、食品が加熱を受けた後(加熱工程後)に混入したのか、を判別する異物混入時期判別方法である。
本発明に於て対象となる食品は、調理や殺菌のために、1回又は複数回(2回〜3回)の加熱工程を経て製造される加工食品(食料製品)であって、例えば、惣菜、食肉加工品、レトルト食品、冷凍食品、乳製品、飲料、お菓子等である。
タンパク質系異物Xとは、例えば、ゴキブリ、ハエ、ハチ、アリ、クモ等の食品に混入する虞のある昆虫、あるいは、人の毛髪又は爪片、皮膚片等の身体破片である。
図1と図2に示すように、本発明の異物混入時期判別方法では、予め、混入が予測されるタンパク質系予測異物Yを設定し、予測異物Yの予測熱分析情報Dを得る予測情報記憶工程4を行う。
図3に示すように、タンパク質系予測異物Yを昆虫(具体的には、クロゴキブリ)と設定した場合について説明する。
先ず、タンパク質系予測異物Yから、5mg〜10mg程度の小切片を複数個採取する。この際、生きたままの昆虫(クロゴキブリ)を捕獲して、その昆虫を凍死させた後、各脚の腿節と脛節を切開して筋肉を必要量(5mg〜10mg)ずつ取り出した各小切片を、小皿10に入れた後、蓋(アルミ板)11を被せ、小皿10と蓋11をプレスして縁を圧着して密封状態とし、アルミニウムシールセル12に密封する。アルミニウムシールセル12は、加熱に伴う予測異物Yの小切片(昆虫の筋肉)の水分の蒸発を防止する。
予測異物Yの小切片を内有する複数個のアルミニウムシールセル12の内、1個を非加熱とし、残りの複数個を相違する加熱条件で加熱処理する。即ち、予測異物Yから、1個の分析サンプルSと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルSを作成する。なお、分析サンプルに付した符号「S」は、n=自然数とし、「S,S,S,…」と表記しても良い。
各分析サンプルS〜Sの加熱条件を、下記〔表1〕に示す。
Figure 0006243975
次に、全ての分析サンプルS,S,S,S,…に対し示差走査熱量測定を行う。
ここで、示差走査熱量測定(DSC)とは、分析対象物の温度を所定の条件下で変化させ、その際の熱量収支(エネルギー収支)を求める分析方法である。例えば、昆虫(クロゴキブリ)の筋肉の構成要素には、100℃未満の熱で変性するものが含まれており、これが変性しているかどうかを、示差走査熱量測定によって、熱エネルギーの吸収・放出(吸熱・発熱)を検出して熱量収支を測定する。
実際の示差走査熱量測定に於て、常温(約20℃)から分析をスタートし、10℃〜15℃/分の加熱速度で温度を上昇させて、100℃に至るまでを1stサイクルとし、次に、100℃から−15℃〜−20℃/分の冷却速度で温度を降下させて常温(20℃)に戻してから、再び、10℃〜15℃/分の加熱速度で温度を上昇させて、100℃に至るまでを2ndサイクルとして、分析には、1stサイクルと2ndサイクルの昇温時の熱量収支を利用する。
この示差走査熱量測定によって得られる複数個の分析サンプルS,S,S,S,…の予測熱分析情報Dを、データベースZに記憶させる。
図5は、昆虫の分析サンプルS〜Sについて、温度変化に伴う熱量収支を示したグラフ図である。なお、図5に示す線グラフを、DSC曲線と呼び、複数のDSC曲線が重なって読み取り辛くなるのを避けるため、上下に分離して表示している。
図5のグラフ図の中央部、2点鎖線で囲った領域に着目すると、各DSC曲線には50℃〜55℃に吸熱ピークPが存在することが判る。
非加熱の分析サンプルSのDSC曲線は、55℃付近に吸熱ピークPを有している。43℃で5時間加熱された分析サンプルSのDSC曲線は、吸熱ピークPが約1℃低温側にシフトして54℃近くに存在し、45℃で30分間加熱された分析サンプルSのDSC曲線は、52℃付近に吸熱ピークPが移動する。即ち、分析サンプルS,S,S,…の加熱温度が高くなるにつれて、吸熱ピークPの温度が次第に低温側へ移動していく傾向にある。なお、85℃で2分間加熱された分析サンプルSは、DSC曲線を図示省略したが、分析サンプルS〜SのDSC曲線が示す77℃付近の吸熱ピークPが消失し、分析サンプルSのDSC曲線に出現する50℃付近の吸熱ピークPは、分析サンプルSの分析結果でも変化しなかった。
次に、図4に示すように、実際に食品から検出された異物Xを、顕微鏡で見て、種類の同定を実施する。異物Xが、予測異物Yに設定した昆虫(クロゴキブリ)であれば、その体の一部(5mg〜10mg程度)を採取して小切片とし、アルミニウムシールセル12に密封する。
次に、図1に示すように、異物Xに対し、示差走査熱量測定を行う。示差走査熱量測定によって検出異物熱分析情報Dを得る工程を、検出異物熱分析工程5とする。
検出異物熱分析工程5に於て、異物Xの熱量収支を検出した結果、図6に示すようなDSC曲線(i)が得られたとする。
次に、異物Xの検出異物熱分析情報Dを、データベースZに記憶させた予測異物Y(分析サンプルS〜S)の予測熱分析情報Dと、比較して、異物Xの熱量収支が、分析サンプルS〜Sの熱量収支の何れに一致するか判別する判別工程3を行う。
判別工程3は、異物Xの熱量収支を、非加熱の分析サンプルSの熱量収支と、比較して、相互に一致するか判別する第1判別手段1を有している。
図6に示す異物XのDSC曲線(i)は、55℃付近に吸熱ピークPを有し、全体の波形が、図5に示す非加熱の分析サンプルSのDSC曲線の波形に一致している。
なお、本発明に於て、「熱量収支が一致する」とは、吸熱ピーク・発熱ピークが高温側・低温側±0.5℃の範囲で相互に近接し、かつ、全体の波形に大きな相違がないことと定義する。
図1に示すように、第1判別手段1で、異物Xの熱量収支が、非加熱の分析サンプルSの熱量収支と一致していると判別されると、異物X(昆虫)が加熱を受けていない(非加熱)ものと推定され、異物Xは食品の加熱後に混入したと判断する。
次に、他の異物X(昆虫)が、食品から検出され、同定を実施したところ、異物Xがクロゴキブリであった場合、示差走査熱量測定を行って、異物Xの熱量収支を検出する。その結果、図7に示すようなDSC曲線(ii)が得られたとする。
先ず、第1判別手段1で、異物Xの熱量収支を、非加熱の分析サンプルSの熱量収支と、比較して、相互に一致するか判別する。
図7に示すDSC曲線(ii)は、52℃付近に吸熱ピークPを有し、全体の波形も、非加熱の分析サンプルSのDSC曲線と少し相違している。従って、異物Xの熱量収支が、非加熱の分析サンプルSの熱量収支と一致していないと判別される。
次に、異物Xの熱量収支を、加熱された分析サンプルS〜Sの熱量収支と、比較して、相互に一致するか判別する第2判別手段2を有している。
図7に示すDSC曲線(ii)は、52℃付近に吸熱ピークPを有し、全体の波形が、図5に示す分析サンプルSのDSC曲線の波形に一致している。
第2判別手段2で、異物Xの熱量収支が、分析サンプルSの熱量収支と一致していると判別した場合、異物X(昆虫)が加熱を受けたものと推定され、異物Xは食品の加熱前に混入したと判断する。
このように、異物Xの熱量収支を、分析サンプルS〜Sの熱量収支と比較することで、異物Xが加熱を受けたか否かを判別することができる。また、加熱された分析サンプルS〜Sの熱量収支に於ける吸熱ピークPの出現傾向を利用して、食品及び異物Xが、どのような加熱条件で加熱されたのかを推定することも可能となる。
なお、判別工程3では、異物Xの熱量収支が、どの分析サンプルS〜Sの熱量収支とも一致しないこともあり、その場合、分析サンプルS,S,S,S,…の中に、異物Xと同じ加熱条件で加熱されたものがなかったと判断する。
次に、タンパク質系予測異物Yを、人の爪片と設定した場合について説明する。
図2に示すように、人の爪片から複数個の小爪片を採取して、その内の少なくとも1個を非加熱の分析サンプルSとし、他の複数個の分析サンプルSを相違する複数の加熱条件で加熱処理する。分析サンプルS〜Sの加熱条件を、下記〔表2〕に示す。
Figure 0006243975
次に、全ての分析サンプルS,S,S,Sに対し示差走査熱量測定を行う。
示差走査熱量測定によって得られる複数個の分析サンプルS,S,S,Sの予測熱分析情報Dを、データベースZに記憶させる。
図8は、分析サンプルS〜Sについて、温度変化に伴う熱量収支を示したグラフ図である。なお、図8に於て、複数のDSC曲線が重なって読み取り辛くなるのを避けるため、上下に分離して表示している。
図8に示すように、非加熱の分析サンプルSのDSC曲線と、加熱された分析サンプルS〜SのDSC曲線では、波形が明らかに相違していることが判る。
非加熱の分析サンプルSのDSC曲線は、55℃付近に第1の吸熱ピークPを有し、87℃付近に第2の吸熱ピークPを有している。
一方、分析サンプルSのDSC曲線は、57℃付近に第1の発熱ピークPを有し、86℃付近に第2の発熱ピークPを有している。
このように、人の爪片から採取した分析サンプルS〜Sには、加熱すると熱量収支が大きく変化する傾向があることが判る。
次に、図1に示すように、実際に食品から検出された異物Xを、顕微鏡で見て、予測異物Yと設定した人の爪片であった場合、異物Xに対し示差走査熱量測定を行い、示差走査熱量測定によって検出異物熱分析情報Dを得る検出異物熱分析工程5を行う。
異物熱分析工程5に於て、異物Xの熱量収支を検出した結果、図9に示すようなDSC曲線(iii)が得られたとする。
次に、異物Xの検出異物熱分析情報Dを、データベースZに記憶させた予測異物Y(分析サンプルS〜S)の予測熱分析情報Dと、比較して、異物Xの熱量収支が、分析サンプルS〜Sの熱量収支の何れに一致するかを判別する判別工程3を行う。
判別工程3は、異物Xの熱量収支を、非加熱の分析サンプルSの熱量収支と比較して、相互に一致するか判別する第1判別手段1を有している。
図9に示す異物XのDSC曲線(iii)の波形は、図8に示す非加熱の分析サンプルSのDSC曲線の波形に一致している。また、55℃付近に第1の吸熱ピークPを有し、87℃付近に第2の吸熱ピークPを有していることからも、異物Xの熱量収支が、非加熱の分析サンプルSの熱量収支に一致していると判別でき、異物X(人の爪片)が加熱を受けていない(非加熱)ものと推定され、異物Xは食品の加熱後に混入したと判断する。
次に、他の異物X(人の爪片)が、食品から検出された際、異物熱分析工程5に於て、その異物Xの熱量収支を検出し、図10に示すようなDSC曲線(iv)が得られたとする。
先ず、第1判別手段1で、異物Xの熱量収支を、非加熱の分析サンプルSの熱量収支と比較して、相互に一致か判別する。
図10に示すDSC曲線(iv)は、非加熱の分析サンプルSのDSC曲線とは全体の波形が相違しており、熱量収支が一致していないと判別される。
次に、第2判別手段2で、異物Xの熱量収支を、加熱された分析サンプルS〜Sの熱量収支と比較して、相互に一致か判別する。
図10に示すDSC曲線(iv)は、分析サンプルSのDSC曲線の波形に一致している。57℃付近に第1の発熱ピークPを有し、86℃付近に第2の発熱ピークPを有していることから、異物Xの熱量収支が、分析サンプルSの熱量収支に一致していると判別でき、異物X(人の爪片)が、分析サンプルSと同じ加熱条件(似た加熱条件)で加熱を受けたものと推定され、異物Xは食品の加熱前に混入したと判断する。
なお、図1に示すように、判別工程3の判別結果を、記憶する工程を備えていても良く、また、必要に応じて判別結果をプリントアウトしても良い。
以上、タンパク質系異物X及び予測異物Yが、ある1種の昆虫(クロゴキブリ)である場合と、人の爪片である場合について説明したが、本発明の異物混入時期の判別対象は、これに限定されず、その他の各種昆虫や、人の毛髪、皮膚等のような対象物でも良い。即ち、混入の虞のある物を予測異物Yとして設定し、複数個の分析サンプルS,Sの予測熱分析情報Dを集めれば、異物Xの示差走査熱量測定によって、異物Xの混入時期を判別することが可能である。例えば、昆虫や身体破片の他にも、エビやカニ等のアレルギー症状を引き起こす虞のある物についても、加熱の有無を判別することが可能となる。
以上のように、本発明に係る異物混入時期判別方法は、所定の加熱条件での加熱工程を経て製造された食品から検出されたタンパク質系異物Xの混入した時期が、上記加熱工程前であるか、上記加熱工程後であるか、を判別する異物混入時期判別方法であって、混入が予測されるタンパク質系予測異物Yを設定し、該予測異物Yから、少なくとも1個の非加熱の分析サンプルSと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルSとを、作成し、全ての上記分析サンプルS,Sに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルS,Sの予測熱分析情報Dを、データベースZに記憶させる予測情報記憶工程4を備え、食品から検出されたタンパク質系異物Xに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって検出異物熱分析情報Dを得る検出異物熱分析工程5と、上記異物Xの上記検出異物熱分析情報Dを、上記データベースZに記憶させた予測異物Yの上記予測熱分析情報Dに、比較して、上記異物Xの熱量収支が、上記分析サンプルS,Sの熱量収支の何れに一致するかを判別する判別工程3を備えるので、カタラーゼテストでは判別できないようなタンパク質系異物Xの混入時期を、調べることができる。異物Xに含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、食品の加熱温度が100℃未満の比較的低温(43℃〜85℃)であっても、異物Xが加熱を受けているか否かを判別できる。予め、複数個の分析サンプルの予測熱分析情報Dを集めておくことで、食品から検出されたタンパク質系異物Xの混入時期を、迅速に調べることができる。また、混入時期の判別精度を向上できる。
また、上記タンパク質系異物X及び上記予測異物Yは、昆虫であるので、カタラーゼテストでは判別できないような昆虫の混入時期を、調べることができる。昆虫の体に含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、食品の加熱温度が100℃未満の比較的低温(43℃〜85℃)であっても、昆虫が加熱を受けているか否かを判別できる。予め、混入が予測される昆虫の体から複数個の分析サンプルの予測熱分析情報Dを集めておくことで、食品から検出された昆虫の混入時期を、迅速に調べることができる。また、混入時期の判別精度を向上できる。
また、上記タンパク質系異物X及び上記予測異物Yは、人の毛髪又は爪片等の身体破片であるので、カタラーゼテストでは判別できないような身体破片の混入時期を、調べることができる。身体破片に含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、食品の加熱温度が100℃未満の比較的低温(43℃〜85℃)であっても、身体破片が加熱を受けているか否かを判別できる。予め、混入が予測される身体破片から複数個の分析サンプルの予測熱分析情報Dを集めておくことで、食品から検出された身体破片の混入時期を、迅速に調べることができる。また、混入時期の判別精度を向上できる。
3 判別工程
4 予測情報記憶工程
5 検出異物熱分析工程
X タンパク質系異物
Y タンパク質系予測異物
Z データベース
,S 分析サンプル
予測熱分析情報
検出異物熱分析情報

Claims (3)

  1. 所定の加熱条件での加熱工程を経て製造された食品から検出されたタンパク質系異物(X)の混入した時期が、上記加熱工程前であるか、上記加熱工程後であるか、を判別する異物混入時期判別方法であって、
    混入が予測されるタンパク質系予測異物(Y)を設定し、該予測異物(Y)から、少なくとも1個の非加熱の分析サンプル(S)と、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプル(S)とを、作成し、全ての上記分析サンプル(S)(S)に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプル(S)(S)の予測熱分析情報(D)を、データベース(Z)に記憶させる予測情報記憶工程(4)を備え、
    食品から検出されたタンパク質系異物(X)に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって検出異物熱分析情報(D)を得る検出異物熱分析工程(5)と、
    上記異物(X)の上記検出異物熱分析情報(D)を、上記データベース(Z)に記憶させた予測異物(Y)の上記予測熱分析情報(D)に、比較して、上記異物(X)の熱量収支が、上記分析サンプル(S)(S)の熱量収支の何れに一致するかを判別する判別工程(3)を備えることを特徴とする異物混入時期判別方法。
  2. 上記タンパク質系異物(X)及び上記予測異物(Y)は、昆虫である請求項1記載の異物混入時期判別方法。
  3. 上記タンパク質系異物(X)及び上記予測異物(Y)は、人の毛髪又は爪片等の身体破片である請求項1記載の異物混入時期判別方法。
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