JP2018025470A - 食肉検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食肉の加熱温度を確実に判別できる食肉検査方法を提供する。【解決手段】食肉製造ラインの加熱工程前の未加熱食肉から食肉試料を採取して、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルを作成し、全ての分析サンプルに対し示差走査熱量測定を行い、試料熱分析情報D1を、データベースZに記憶させる試料熱分析情報記憶工程4を備え、食肉製造ラインの加熱工程後に抜き取った加熱済食肉から、最も加熱されにくい難加熱部を採取する難加熱部採取工程3と、加熱済食肉の難加熱部に対し示差走査熱量測定を行い、加熱済食肉熱分析情報D2を得る加熱済食肉熱分析工程5と、加熱済食肉熱分析情報D2を、データベースZに記憶させた食肉試料の試料熱分析情報D1に、比較して、難加熱部の熱量収支が、分析サンプルの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程6を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、食肉検査方法に関する。
従来、食品の安全を確保するための管理方法の一つに、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)がある。
HACCPとは、食品を製造する際に工程上の危害要因を分析(Hazard Analysis)して、危害要因を失くすために効率よく食品を管理できる重要管理ポイント(Critical Control Point)を設定し、重要管理ポイントでの食品の管理状態(具体的には、例えば、加熱工程に於ける加熱温度や加熱時間等)を日々監視(モニタリング)して、食品が安全かつ衛生的に管理されたことを保証するシステムである(特許文献1参照)。
特開2011−204171号公報
例えば、食肉の加熱工程を重要管理ポイントとして、食中毒の原因となる細菌を殺菌可能な温度まで食肉が十分に加熱されているかを判別する際、従来、カタラーゼテストや、食肉に針状の温度計を刺して中心部の温度(芯温)を測定する方法が一般的であった。
しかし、カタラーゼテストは、食肉全体が100℃近い温度で加熱される事例では有効であるが、食肉の加熱温度が80℃程度である場合には、実施できないという欠点があった。
温度計を使用する方法では、加熱工程の最中か直後でなければ、食肉の芯温を測定することができなかった。即ち、食肉の包装前や、あるいは、出荷の直前に、加熱工程で食肉が受けた加熱の温度を判断する手法は確立されていなかった。
また、一旦出荷された食肉が加熱不十分であると疑いを持たれる案件もあり、加熱不十分と疑われる食肉が、事故や苦情(クレーム)によって返品されてきても、食品製造の際の加熱工程での加熱温度を調べることができなかった。
そこで、本発明は、食肉の加熱温度を確実に判別できる食肉検査方法を提供することを目的とする。
本発明に係る食肉検査方法は、加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているかを検査する食肉検査方法であって、食肉製造ラインの加熱工程前の未加熱食肉から食肉試料を採取して、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルを作成し、全ての上記分析サンプルに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルの試料熱分析情報を、データベースに記憶させる試料熱分析情報記憶工程を備え、上記食肉製造ラインの加熱工程後に抜き取った加熱済食肉から、最も加熱されにくい難加熱部を採取する難加熱部採取工程と、上記加熱済食肉の上記難加熱部に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって加熱済食肉熱分析情報を得る加熱済食肉熱分析工程と、該加熱済食肉熱分析情報を、上記データベースに記憶させた食肉試料の上記試料熱分析情報に、比較して、上記難加熱部の熱量収支が、上記分析サンプルの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程を備えるものである。
また、加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているか検査する食肉検査方法であって、加熱不十分となる虞のある予測食肉を設定し、未加熱の予測食肉から食肉試料を採取して、少なくとも1個の非加熱の分析サンプルと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルとを、作成し、全ての上記分析サンプルに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルの試料熱分析情報を、データベースに記憶させる試料熱分析情報記憶工程を備え、上記予測食肉に対応する種類の食肉であって、加熱が不十分であると疑われる被疑食肉から、最も加熱されにくい難加熱部を採取する難加熱部採取工程と、上記被疑食肉の上記難加熱部に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって被疑食肉熱分析情報を得る被疑食肉熱分析工程と、上記被疑食肉の上記被疑食肉熱分析情報を、上記データベースに記憶させた食肉試料の上記試料熱分析情報に、比較して、上記難加熱部の熱量収支が、上記分析サンプルの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程を備えるものである。
本発明の食肉検査方法によれば、食肉に含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、食肉の加熱温度が100℃未満の比較的低温(50℃〜85℃)であっても、食肉の加熱温度を確実に判断できる。予め、複数個の分析サンプルの試料熱分析情報を集めておくことで、食肉の加熱温度を、迅速に調べることができる。また、加熱工程の最中や直後だけでなく、食肉の包装前や出荷の直前(あるいは、出荷後に返品されてきた食肉)であっても、食肉の加熱温度を判断できる。
本発明の実施の一形態を示したフローチャート図である。 本発明の他の実施形態を示したフローチャート図である。 試料熱分析情報記憶工程を説明するためのフローチャート図である。 加熱済食肉の抜取時期を示す食肉製造工程上の時系列図である。 分析サンプルの熱量収支を示すグラフ図である。 試料熱分析情報記憶工程を説明するための簡略図である。 難加熱部採取工程を説明するための簡略図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明の食肉検査方法は、加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているかを検査する方法である。
本発明に於て検査対象となるのは、調理や殺菌のために、1回又は複数回(2回〜3回)の加熱工程を経て製造される食肉であって、例えば、鶏肉、豚肉、牛肉、及び、ハムやソーセージ等の食肉加工品、あるいは、魚肉や貝類、エビ、カニ等の水産物である。
図1に示すように、本発明の食肉検査方法は、予め、食肉試料Sから試料熱分析情報Dを得る試料熱分析情報記憶工程4を備えている。
図3と図6に示すように、試料熱分析情報記憶工程4は、食肉製造ラインの加熱工程前の未加熱食肉A(具体的には、冷凍状態の鶏肉)から、必要量の食肉試料Sを採取して、食肉試料Sから5mg〜10mg程度の小切片を複数個切り取る。切り取った各小切片を、アルミ製の小皿21に入れた後、蓋(アルミ板)22を被せ、小皿21と蓋22をプレスして縁を圧着して密封状態とし、アルミニウムシールセル20に密封する。アルミニウムシールセル20は、小切片の加熱に伴う水分の蒸発を防止する。
小切片を内有する複数個のアルミニウムシールセル20を相違する加熱条件で加熱する。こうして、食肉試料S(未加熱食肉A)から、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルSを作成する。分析サンプルに付した符号「S」は、n=自然数とし、「S,S,S,…」と表記しても良い。各分析サンプルS〜Sの加熱条件を、下記〔表1〕に示す。
なお、1個のアルミニウムシールセル20を非加熱とし、非加熱の分析サンプルSを作成しても良い。
Figure 2018025470
次に、全ての分析サンプルS,S,S,S,S…に対し示差走査熱量測定を行う。
ここで、示差走査熱量測定(DSC)とは、分析対象物の温度を所定の条件下で変化させ、その際の熱量収支(エネルギー収支)を求める分析方法である。例えば、示差走査熱量測定は、鶏肉に含まれるタンパク質の熱による変性や、筋肉中に残存するATP(アデノシン三リン酸)の変性が、熱エネルギーの吸収・放出(吸熱・発熱)に与える影響を検出して、熱量収支を測定する。
実際の示差走査熱量測定に於て、常温(約20℃)から分析をスタートし、10℃〜15℃/分の加熱速度で温度を上昇させて、100℃に至るまでを1stサイクルとし、次に、100℃から−15℃〜−20℃/分の冷却速度で温度を降下させて常温(20℃)に戻してから、再び、10℃〜15℃/分の加熱速度で温度を上昇させて、100℃に至るまでを2ndサイクルとして、分析には、1stサイクルと2ndサイクルの昇温時の熱量収支を利用する。
この示差走査熱量測定によって得られる複数個の分析サンプルS,S,S,S,…の試料熱分析情報Dを、データベースZに記憶させる。
図5は、未加熱食肉A(鶏肉)から採取した分析サンプルS〜Sについて、示差走査熱量測定時の温度変化に伴う熱量収支を示したグラフ図である。なお、図5では、複数のグラフが重なって読み取り辛くなるのを避けるため、上下に分離して表示している。
非加熱の分析サンプルSと、43℃で1時間加熱された分析サンプルSは、58℃〜60℃の第1吸熱ピークPと、64℃〜66℃の第2吸熱ピークPと、78℃〜80℃の第3吸熱ピークPとを、有している。
50℃で15分間加熱された分析サンプルSは、58℃〜60℃の第1吸熱ピークPが消失し、第2吸熱ピークPと第3吸熱ピークPには明確な変化が認められなかった。
60℃で15分間加熱された分析サンプルSは、第1吸熱ピークPの消失に加え、64℃〜66℃の第2吸熱ピークPが消失し、第3吸熱ピークPのみが残っている。また、85℃で2分間加熱された分析サンプルSは、第1吸熱ピークP・第2吸熱ピークP・第3吸熱ピークPの全てが消失している。
なお、図示省略するが、43℃で5時間加熱された分析サンプルは、分析サンプルS(50℃で15分間加熱)と同じ傾向を示した。
図5に示すように、鶏肉の熱量収支に見られる第1吸熱ピークP・第2吸熱ピークP・第3吸熱ピークPは、各種タンパク質の熱変性によるものであり、具体的には、58℃〜60℃の第1吸熱ピークPがミオシン、64℃〜66℃の第2吸熱ピークPが結合組織、78℃〜80℃の第3吸熱ピークPがアクチンの変性に対応しているものと推測される。
次に、図1と図7に示すように、食肉製造ラインの加熱工程後に抜き取った加熱済食肉Bから、最も加熱されにくい難加熱部Bを採取する難加熱部採取工程3を行う。
なお、加熱済食肉Bの難加熱部Bとは、加熱工程での加熱方法によって最も加熱されにくい部位が異なるが、図例では、加熱済食肉B内部の中心部位を示している。
難加熱部Bを5mg〜10mg程度採取して、アルミニウムシールセル20に密封する。
加熱済食肉Bの難加熱部Bに対し示差走査熱量測定を行う。示差走査熱量測定によって加熱済食肉熱分析情報Dを得る工程を、加熱済食肉熱分析工程5とする。
次に、加熱済食肉Bの難加熱部Bから得た加熱済食肉熱分析情報Dを、データベースZに記憶させた食肉試料Sの試料熱分析情報Dに、比較して、難加熱部Bの熱量収支が、分析サンプルSの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程6を行う。
判断工程6では、難加熱部Bの熱量収支が、所定の分析サンプルS,Sの熱量収支に一致している場合、加熱済食肉Bが十分に加熱されていると判断する。即ち、加熱済食肉Bの中心部位(難加熱部B)が60℃以上の加熱温度で加熱されていれば、加熱は十分で、加熱済食肉Bの安全性は確保されていると言うことができる。
なお、本発明に於て、「熱量収支が一致する」とは、吸熱ピーク(又は発熱ピーク)が高温側・低温側±0.5℃の範囲で相互に近接し、かつ、全体の波形に大きな相違がないことと定義する。
判断工程6で、難加熱部Bの熱量収支が、所定の分析サンプルS,Sの熱量収支に一致しておらず、他の分析サンプルS,S,Sの熱量収支に一致している際は、加熱済食肉Bが加熱不十分と判断される。この際、加熱済食肉Bの中心部位(難加熱部B)は、60℃未満の加熱温度であったと推定され、食中毒を引き起こす危険性がある。
加熱済食肉Bが加熱不十分と判断された場合には、緊急通報と共にフィードバックを行い、加熱工程を見直し、又は、加熱済食肉Bを再加熱する等の必要が生じる。
図4に示すように、食肉製造ラインから加熱済食肉Bを抜き取る(抜き出す)時期は、加熱工程後であれば良く、例えば、(i)加熱工程の直後とし、(ii)味付工程を備える場合には、味付工程後の包装前とし、あるいは、(iii)包装後に保管する場合には、出荷の前としても良い。
HACCPに従って、加熱工程を重要管理ポイントとして監視(モニタリング)する際、所定の加熱温度で所定の加熱時間以上の(所定の加熱条件で)加熱を行ったことの証明を、上記(i)(ii)(iii)のタイミングで取ることが可能となる。即ち、従来の加熱工程直後の検温による手法に比較すると、加熱済食肉Bの抜取時期(i)(ii)(iii)が増えて、しかも、加熱済食肉熱分析情報Dが客観的な証拠として残る為、加熱の証明をし易いという利点がある。
図1に示すように、加熱済食肉熱分析情報D、及び、判断工程6での判断結果を、記憶する工程を備えていても良く、また、必要に応じて判断結果をプリントアウトしても良い。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図2は、一旦市場に出回った食肉製品が、加熱不十分と疑われ、事故や苦情(クレーム)によって返品されてきた場合に、食肉が十分に加熱されていたかを検査する食肉検査方法である。
図2では、予め、加熱不十分となる虞のある予測食肉Yを設定し、未加熱の予測食肉Yから食肉試料Sを採取して、食肉試料Sから試料熱分析情報Dを得る試料熱分析情報記憶工程14を備えている。
試料熱分析情報記憶工程14では、図6に示すように、食肉試料Sから、少なくとも1個の非加熱の分析サンプルSと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルSとを、作成する。
全ての分析サンプルS,Sに対し示差走査熱量測定を行い、示差走査熱量測定によって得た分析サンプルS,Sの試料熱分析情報D11を、データベースZに記憶させる。
予測食肉Yは、鶏肉、豚肉、牛肉、ハムやソーセージ等の食肉加工品、あるいは、魚肉や貝類、エビ、カニ等の水産物等が挙げられるが、ここでは、鶏肉に設定した例を示す。即ち、予測食肉Y(鶏肉)の分析サンプルS,Sが示す熱量収支のグラフ図は、図5に示す通りである。
次に、図2と図7に示すように、予測食肉Yに対応する種類の食肉(鶏肉)であって、加熱が不十分であると疑われる被疑食肉Xから、最も加熱されにくい難加熱部Xを採取する難加熱部採取工程13を行う。図7では、難加熱部Xは、被疑食肉X内部の中心部位とする。
被疑食肉Xの難加熱部Xに対し示差走査熱量測定を行い、示差走査熱量測定によって被疑食肉熱分析情報D12を得る被疑食肉熱分析工程15を、行う。
次に、被疑食肉Xの被疑食肉熱分析情報D12を、データベースZに記憶させた食肉試料Sの試料熱分析情報D11に、比較して、難加熱部Xの熱量収支が、分析サンプルS,Sの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程16を行う。
判断工程16では、難加熱部Xの熱量収支が、所定の分析サンプルS,Sの熱量収支に一致している場合、被疑食肉Xが十分に加熱されていたものと判断する。即ち、被疑食肉Xの中心部位(難加熱部X)が60℃以上の加熱温度で加熱されていたことが明らかとなり、被疑食肉Xは安全で、加熱不十分であるという疑いは無くなる。
一方、判断工程16で、難加熱部Xの熱量収支が、所定の分析サンプルS,Sの熱量収支に一致しておらず、他の分析サンプルS,S,Sの熱量収支に一致している際は、被疑食肉Xが加熱不十分であったと判断される。この際、被疑食肉Xの中心部位(難加熱部B)は、60℃未満の加熱温度であったと推定される。
被疑食肉Xが加熱不十分と判断された場合には、食肉製造業者での加熱工程を見直し、被疑食肉Xと同じ加熱条件で加熱された食肉の自主回収や、苦情(クレーム)に対応する等の対策を検討する。
以上、本発明の食肉検査方法の1例を、鶏肉を検査対象として説明してきたが、検査対象は鶏肉に限定されず、例えば、豚肉、牛肉、及び、ハムやソーセージ等の食肉加工品、あるいは、魚肉や貝類、エビ、カニ等の水産物についても、同様に、加熱が十分にされているかの検査を行うことが可能である。
以上のように、本発明に係る食肉検査方法は、加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているかを検査する食肉検査方法であって、食肉製造ラインの加熱工程前の未加熱食肉Aから食肉試料Sを採取して、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルSを作成し、全ての上記分析サンプルSに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルSの試料熱分析情報Dを、データベースZに記憶させる試料熱分析情報記憶工程4を備え、上記食肉製造ラインの加熱工程後に抜き取った加熱済食肉Bから、最も加熱されにくい難加熱部Bを採取する難加熱部採取工程3と、上記加熱済食肉Bの上記難加熱部Bに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって加熱済食肉熱分析情報Dを得る加熱済食肉熱分析工程5と、該加熱済食肉熱分析情報Dを、上記データベースZに記憶させた食肉試料Sの上記試料熱分析情報Dに、比較して、上記難加熱部Bの熱量収支が、上記分析サンプルSの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程6を備えるので、加熱済食肉Bに含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、加熱済食肉Bの加熱温度が100℃未満の比較的低温(50℃〜85℃)であっても、加熱済食肉Bの加熱温度を確実に判断できる。予め、複数個の分析サンプルSの試料熱分析情報Dを集めておくことで、加熱済食肉Bの加熱温度を、迅速に調べることができる。また、加熱工程の最中や直後だけでなく、加熱済食肉Bの包装前や出荷の直前であっても、加熱済食肉Bの加熱温度を判断できる。
また、加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているか検査する食肉検査方法であって、加熱不十分となる虞のある予測食肉Yを設定し、未加熱の予測食肉Yから食肉試料Sを採取して、少なくとも1個の非加熱の分析サンプルSと、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプルSとを、作成し、全ての上記分析サンプルS,Sに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプルS,Sの試料熱分析情報D11を、データベースZに記憶させる試料熱分析情報記憶工程14を備え、上記予測食肉Yに対応する種類の食肉であって、加熱が不十分であると疑われる被疑食肉Xから、最も加熱されにくい難加熱部Xを採取する難加熱部採取工程13と、上記被疑食肉Xの上記難加熱部Xに対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって被疑食肉熱分析情報D12を得る被疑食肉熱分析工程15と、上記被疑食肉Xの上記被疑食肉熱分析情報D12を、上記データベースZに記憶させた食肉試料Sの上記試料熱分析情報D11に、比較して、上記難加熱部Xの熱量収支が、上記分析サンプルS,Sの熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程16を備えるので、被疑食肉Xに含まれるタンパク質の熱による変性の有無を、示差走査熱量測定によって、熱量収支(エネルギー収支)という観点で検出でき、被疑食肉Xの加熱温度が100℃未満の比較的低温(50℃〜85℃)であっても、被疑食肉Xの加熱温度を確実に判断できる。予め、複数個の分析サンプルS,Sの試料熱分析情報D11を集めておくことで、被疑食肉Xの加熱温度を、迅速に調べることができる。また、出荷後に返品されてきた被疑食肉Xであっても、被疑食肉Xの加熱温度を判断できる。
3 難加熱部採取工程
4 試料熱分析情報記憶工程
5 加熱済食肉熱分析工程
6 判断工程
13 難加熱部採取工程
14 試料熱分析情報記憶工程
15 被疑食肉熱分析工程
16 判断工程
A 未加熱食肉
B 加熱済食肉
難加熱部
S 食肉試料
分析サンプル
分析サンプル
試料熱分析情報
加熱済食肉熱分析情報
11 試料熱分析情報
12 被疑食肉熱分析情報
X 被疑食肉
難加熱部
Y 予測食肉
Z データベース

Claims (2)

  1. 加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているかを検査する食肉検査方法であって、
    食肉製造ラインの加熱工程前の未加熱食肉(A)から食肉試料(S)を採取して、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプル(S)を作成し、全ての上記分析サンプル(S)に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプル(S)の試料熱分析情報(D)を、データベース(Z)に記憶させる試料熱分析情報記憶工程(4)を備え、
    上記食肉製造ラインの加熱工程後に抜き取った加熱済食肉(B)から、最も加熱されにくい難加熱部(B)を採取する難加熱部採取工程(3)と、
    上記加熱済食肉(B)の上記難加熱部(B)に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって加熱済食肉熱分析情報(D)を得る加熱済食肉熱分析工程(5)と、
    該加熱済食肉熱分析情報(D)を、上記データベース(Z)に記憶させた食肉試料(S)の上記試料熱分析情報(D)に、比較して、上記難加熱部(B)の熱量収支が、上記分析サンプル(S)の熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程(6)を備えることを特徴とする食肉検査方法。
  2. 加熱工程を経て製造される食肉が、十分に加熱されているか検査する食肉検査方法であって、
    加熱不十分となる虞のある予測食肉(Y)を設定し、未加熱の予測食肉(Y)から食肉試料(S)を採取して、少なくとも1個の非加熱の分析サンプル(S)と、相違する複数の加熱条件で加熱処理された複数個の分析サンプル(S)とを、作成し、全ての上記分析サンプル(S)(S)に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって得た上記分析サンプル(S)(S)の試料熱分析情報(D11)を、データベース(Z)に記憶させる試料熱分析情報記憶工程(14)を備え、
    上記予測食肉(Y)に対応する種類の食肉であって、加熱が不十分であると疑われる被疑食肉(X)から、最も加熱されにくい難加熱部(X)を採取する難加熱部採取工程(13)と、
    上記被疑食肉(X)の上記難加熱部(X)に対し示差走査熱量測定を行い、該示差走査熱量測定によって被疑食肉熱分析情報(D12)を得る被疑食肉熱分析工程(15)と、
    上記被疑食肉(X)の上記被疑食肉熱分析情報(D12)を、上記データベース(Z)に記憶させた食肉試料(S)の上記試料熱分析情報(D11)に、比較して、上記難加熱部(X)の熱量収支が、上記分析サンプル(S)(S)の熱量収支の何れに一致するかを判断する判断工程(16)を備えることを特徴とする食肉検査方法。
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