JP6243671B2 - 研磨用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
近年、LSIの高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、単にCMPとも記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線(ダマシン配線)形成において頻繁に利用される技術である。
半導体デバイスの配線を形成する場合には、一般にまず、トレンチを有する絶縁膜の上にバリア層および導電性物質層を順次に形成する。その後、化学機械研磨(CMP)により少なくともトレンチの外に位置する導電性物質層の部分(導電性物質層の外側部分)およびトレンチの外に位置するバリア層の部分(バリア層の外側部分)を除去する。この少なくとも導電性物質層の外側部分およびバリア層の外側部分を除去するための研磨は通常、第1研磨工程と第2研磨工程とに分けて行なわれる。第1研磨工程では、バリア層の上面を露出させるべく、導電性物質層の外側部分の一部を除去する。続く第2研磨工程では、絶縁膜を露出させるとともに平坦な表面を得るべく、少なくとも導電性物質層の外側部分の残部およびバリア層の外側部分を除去する。
このような半導体デバイスの配線を形成するためのCMPでは、酸などの研磨促進剤および酸化剤を含有し、さらに必要に応じて砥粒も含有した研磨用組成物を使用することが一般的である。また、研磨後の研磨対象物の平坦性を改善する、すなわち配線部が過研磨されるディッシングを抑制すべく、金属防食剤をさらに添加した研磨用組成物を使用することも提案されている。例えば、特許文献1には、アミノ酢酸および/またはアミド硫酸、酸化剤、ベンゾトリアゾールおよび水を含有する研磨用組成物が開示されている。特許文献2には特許文献1に開示されている研磨用組成物に更にアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を加えた研磨用組成物が開示されている。
特開平8−83780号公報 特開2008−041781号公報
特許文献1や特許文献2において開示されている、研磨用組成物に通常含まれる成分である、ベンゾトリアゾール等の金属防食剤や界面活性剤等は、それらが研磨済みの研磨対象物に付着して、洗浄しても取れないという、いわゆる有機残の問題があった。そして、このような有機残があると、半導体デバイス生産の歩留まりが低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、有機残を減らし、半導体デバイス生産の歩留まりを向上させることのできる、研磨用組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。
その結果、ヒドロキシ基を2〜3個有する有機化合物を、研磨用組成物に含有させることによって、驚くべきことに、有機残を有意に低減させた研磨済みの研磨対象物を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明は、研磨対象物の研磨に用いられる、研磨用組成物であって、金属防食剤および界面活性剤の少なくとも一方と;酸化剤と;有機化合物と;を含み、前記有機化合物が、ヒドロキシ基を2〜3個有する、研磨用組成物である。
本発明は、有機残を減らし、半導体デバイス生産の歩留まりを向上させることのできる、研磨用組成物を提供することができる。また、本発明の研磨用組成物によれば、研磨速度を維持しつつ、有機残を減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」および「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
本発明は、研磨対象物の研磨に用いられる、研磨用組成物であって、金属防食剤および界面活性剤の少なくとも一方と;酸化剤と;有機化合物と;を含み、前記有機化合物が、ヒドロキシ基を2〜3個有する、研磨用組成物である。なお、本明細書中、研磨用組成物を単に「組成物」と称する場合もある。
以下、本発明の研磨用組成物につき、詳説する。
[ヒドロキシ基含有有機化合物]
本発明の研磨用組成物は、有機化合物を含み、当該有機化合物は、ヒドロキシ基を2〜3個有する。上記のように、研磨用組成物に通常含まれる成分であるベンゾトリアゾール等の金属防食剤や界面活性剤等は、研磨表面に疎水性の保護膜を形成し、ディッシングを抑制する上で有用であることができる。しかし、このような有機物は、研磨対象物(例えば、銅)に付着したまま、洗浄してもとれない有機残となってしまう。
このような問題を解決するため、研磨用組成物がヒドロキシ基を2〜3個有する有機化合物を含む、という構成にすることによって、有機残を抑制することができる。また、本発明の研磨用組成物によれば研磨速度を抑えず、高速に維持することができるという効果も有する。
このような効果を有するメカニズムは必ずしも明確ではないが、本発明者らは、以下のとおりであると推測している。ただし、本発明の技術的範囲が、以下のメカニズムによって制限されないのは言うまでもない。
すなわち、通常含まれる成分である、ベンゾトリアゾール等の金属防食剤や界面活性剤等は、研磨表面に疎水性の保護膜を形成し、ディッシングを抑制することができる。しかし、このような有機物は同時に、溶解した研磨対象物(例えば、銅)と、不溶性錯体を形成し、疎水性の保護膜に付着してしまう。この場合洗浄しても、上層部のみ洗浄されるため、結果として有機残として残ってしまう。そこにヒドロキシ基を2〜3個有する有機化合物を含有させると、疎水性の保護膜にこの有機化合物が付着し、ヒドロキシ基によって保護膜全体が親水化する。結果、不溶性錯体の付着を防ぐことができるので、洗浄によって保護膜を含めた有機残を抑制できるものと考えている。
本発明のポイントはこれだけではない。本発明は、研磨用組成物に含有される有機化合物のヒドロキシ基の数にも特徴を有している。本発明の有機化合物のヒドロキシ基は、2〜3個である。ヒドロキシ基の数が、0個や1個の場合は、有機残の数を抑制することができない。他方で、ヒドロキシ基の数が4個以上の場合も同様に有機残の数を抑制することができない。なぜヒドロキシ基の数が特定の範囲に収まることによって、本発明の所期の効果を奏することができるかは定かではなく、換言すれば、当業者の予測を超えるものである。
一方、このようなヒドロキシ基を含有する添加剤を含有させると、研磨対象物に吸着し保護膜として機能するため、研磨速度が低下するようにも考えられる。また砥粒に吸着することで、砥粒の凝集が起こり、研磨速度が低下するようにも考えられる。しかしながら、このような予想に反し、ヒドロキシ基の数が2〜3個である場合は、研磨速度を維持するという驚くべき効果を奏する。
本発明は、このように、発明者らの試行錯誤、鋭意研究の下で創作されたものである。
本発明において使用できる有機化合物は、ヒドロキシ基の数が2〜3個であれば特に制限なく使用することができるが、好ましくは、下記式1:
式1中、Xが、炭素数1〜3のアルキレン基であり、nが、1〜100であり、ただし、nが1のときは、前記アルキレン基の1つの水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよい、で示される。
ここで、炭素数1〜3のアルキレン基の具体例にも特に制限はなく、直鎖状または分岐状であってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基などが挙げられ、特に、エチレン基、プロピレン基であると、本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。
また、式1中、nは、1〜100であるが、好ましくは1〜50であり、より好ましくは1〜30である。このような範囲であることによって研磨速度を維持しつつ、有機残を低減できる効果を有する。
以上を鑑みると、式1で示される有機化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジオール、ポリアセタールジオールが挙げられる。なお、上記のように、nが1のときは、アルキレン基の1つの水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよく、このような形態は、グリセリンとなる。
研磨用組成物中の有機化合物の含有量の下限は、0.0001(g/L)以上であることが好ましく、0.001(g/L)以上であることがより好ましく、0.01(g/L)以上であることがさらに好ましい。また、研磨用組成物中の有機化合物の含有量の上限は、100(g/L)以下であることが好ましく、50(g/L)以下であることがより好ましく、10(g/L)以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。また、このような範囲であれば、有機残を抑制することができる。また、有機残除去のみに効果的であり、例えば、銅の研磨速度を低下させない利点がある。
[金属防食剤]
本発明の研磨用組成物中には、金属防食剤(本明細書中、単に「防食剤」とも称する)が含まれうる。本発明の研磨用組成物中に界面活性剤が含まれない場合は、金属防食剤は必須の成分となる。無論、界面活性剤と組み合わせて使用してもよい。研磨用組成物中に金属防食剤を加えることにより、研磨用組成物を用いた研磨で配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシング等の段差欠陥が生じるのをより抑えることができる。このように金属防食剤を含有させることによって各種の効果があるが、上記のように、研磨済みの研磨対象物に付着して、洗浄しても取れないという、いわゆる有機残の問題があった。このような有機残があると、半導体デバイス生産の歩留まりが低下するという問題がある。これに対し、本発明の研磨用組成物は、ヒドロキシ基を2〜3個有する有機化合物を含むため、有機残を低減させ、(有機残の多い異常品を減らす意味で、)半導体デバイス生産の歩留まりを向上させることができる。また、洗浄プロセスを簡略化できることから、プロセスコストの低減とプロセス時間の低減両面に効果がある。
また、本発明の研磨用組成物には、ヒドロキシ基を2〜3個有する有機化合物が含まれ、このような構成にすることによって有機残を簡単に洗浄できるという効果を有している。つまり、洗浄に掛けなければならない時間も短縮することができるし、洗浄回数も低減させることができ、さらには洗浄液の低減にも繋がり、環境に対しても好ましいと言える。
本発明において使用可能な金属防食剤は、特に制限されないが、好ましくは複素環式化合物である。複素環化合物は、研磨対象物表面への化学的または物理的吸着力が高いため、研磨対象物表面の撥水性をより高め、且つ強固な保護膜を形成することができる。このことは、本発明の研磨用組成物を用いて研磨した後の、研磨対象物の表面の平坦性を向上させる上で有利である。特に、下記で具体的に列挙している化合物で、そのような効果が顕著である。
本発明において使用可能な金属防食剤の一例である複素環式化合物中の複素環の員数は特に限定されない。そして、複素環式化合物は、単環化合物であってもよいし、縮合環を有する多環化合物であってもよい。該金属防食剤は、単独でもまたは二種以上混合して用いてもよい。また、該金属防食剤は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
金属防食剤として使用可能な複素環化合物の具体例としては、例えば、ピロール化合物、ピラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、ピリジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物、ピリンジン化合物、インドリジン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、インダゾール化合物、プリン化合物、キノリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、ナフチリジン化合物、フタラジン化合物、キノキサリン化合物、キナゾリン化合物、シンノリン化合物、ブテリジン化合物、チアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、フラザン化合物等の含窒素複素環化合物が挙げられる。中でも、研磨対象物の表面の平坦性向上の観点から、テトラゾール化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、特に、トリアゾール化合物が好適である。
トリアゾール化合物の中でも、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基で置換されたアミノ基を有する、ベンゾトリアゾール基であることが、本発明の所期の効果を奏する上で好ましい。ここで、ヒドロキシアルキル基の数にも特に制限はないが、研磨用組成物中の分散安定性の観点から、好ましくは1つまたは2つである。また、ヒドロキシアルキル基におけるアルキル基の炭素数についても、特に制限はないが、研磨対象物(例えば、銅)の研磨速度低下の抑制の観点から、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは2〜3である。また、ヒドロキシアルキル基の数が2つ以上になる場合のアルキル基の数は、それぞれ同じであっても異なるものであってもよいが、化合物としての保管安定性の観点や、化合物の酸化防止の観点から同じであることが好ましい。
トリアゾール化合物は、縮合環を有しているものが好ましく、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等と縮合しているものが、化合物としての安定性の観点や、研磨用組成物の酸化防止の観点から同じであることが好ましい。また、トリアゾール化合物には、炭素数1〜3のアルキル基や、ヒドロキシ基、あるいはハロゲン原子などの置換基を有するものであってもよい。
以上を鑑みると、トリアゾール化合物の例としては、例えば、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−ベンジル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、3−ブロモ−5−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェノール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジペプチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3,4−ジアミン、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−カルボキシベンゾトリアゾール、5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−(1',2'−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−4−メチルベンゾトリアゾール等が好適である。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏するという観点で、また、所望の銅研磨速度を得ながら低段差を実現できる観点で、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1,2,3−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−4−メチルベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、および1,2,4−トリアゾールなどが好ましい。
また、ピラゾール化合物の例としては、例えば、1H−ピラゾール、4−ニトロ−3−ピラゾールカルボン酸、3,5−ピラゾールカルボン酸、3−アミノ−5−フェニルピラゾール、5−アミノ−3−フェニルピラゾール、3,4,5−トリブロモピラゾール、3−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、1−メチルピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、4−アミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、アロプリノール、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン、3,4−ジヒドロキシ−6−メチルピラゾロ(3,4−B)−ピリジン、6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン等が挙げられる。
イミダゾール化合物の例としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルピラゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、2−クロロベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−(1−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,5−ジメチルベンズイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、1H−プリン等が挙げられる。
テトラゾール化合物の例としては、例えば、1H−テトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、および5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
インダゾール化合物の例としては、例えば、1H−インダゾール、5−アミノ−1H−インダゾール、5−ニトロ−1H−インダゾール、5−ヒドロキシ−1H−インダゾール、6−アミノ−1H−インダゾール、6−ニトロ−1H−インダゾール、6−ヒドロキシ−1H−インダゾール、3−カルボキシ−5−メチル−1H−インダゾール等が挙げられる。
インドール化合物の例としては、例えば1H−インドール、1−メチル−1H−インドール、2−メチル−1H−インドール、3−メチル−1H−インドール、4−メチル−1H−インドール、5−メチル−1H−インドール、6−メチル−1H−インドール、7−メチル−1H−インドール、4−アミノ−1H−インドール、5−アミノ−1H−インドール、6−アミノ−1H−インドール、7−アミノ−1H−インドール、4−ヒドロキシ−1H−インドール、5−ヒドロキシ−1H−インドール、6−ヒドロキシ−1H−インドール、7−ヒドロキシ−1H−インドール、4−メトキシ−1H−インドール、5−メトキシ−1H−インドール、6−メトキシ−1H−インドール、7−メトキシ−1H−インドール、4−クロロ−1H−インドール、5−クロロ−1H−インドール、6−クロロ−1H−インドール、7−クロロ−1H−インドール、4−カルボキシ−1H−インドール、5−カルボキシ−1H−インドール、6−カルボキシ−1H−インドール、7−カルボキシ−1H−インドール、4−ニトロ−1H−インドール、5−ニトロ−1H−インドール、6−ニトロ−1H−インドール、7−ニトロ−1H−インドール、4−ニトリル−1H−インドール、5−ニトリル−1H−インドール、6−ニトリル−1H−インドール、7−ニトリル−1H−インドール、2,5−ジメチル−1H−インドール、1,2−ジメチル−1H−インドール、1,3−ジメチル−1H−インドール、2,3−ジメチル−1H−インドール、5−アミノ−2,3−ジメチル−1H−インドール、7−エチル−1H−インドール、5−(アミノメチル)インドール、2−メチル−5−アミノ−1H−インドール、3−ヒドロキシメチル−1H−インドール、6−イソプロピル−1H−インドール、5−クロロ−2−メチル−1H−インドール等が挙げられる。
研磨用組成物中の金属防食剤の含有量の下限は、0.001(g/L)以上であることが好ましく、0.005(g/L)以上であることがより好ましく、0.01(g/L)以上であることがさらに好ましい。また、研磨用組成物中の金属防食剤の含有量の上限は、10(g/L)以下であることが好ましく、5(g/L)以下であることがより好ましく、1(g/L)以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、有機残の数を低減させることができる。また、研磨用組成物を用いた研磨で配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシング等の段差欠陥が生じるのをより抑えることができる。
[界面活性剤]
本発明の研磨用組成物中には、界面活性剤が含まれうる。本発明の研磨用組成物中に金属防食剤が含まれない場合は、界面活性剤は必須の成分となる。無論、金属防食剤と組み合わせて使用してもよい。研磨用組成物中に界面活性剤を加えることにより、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みがより生じにくくなるのに加え、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシングがより生じにくくなる利点がある。このように界面活性剤を含有させることによって各種の効果があるが、上記のように、研磨済みの研磨対象物に付着して、洗浄しても取れないという、いわゆる有機残の問題があった。そして、このような有機残があると、半導体デバイス生産の歩留まりが低下するという問題がある。これに対し、本発明の研磨用組成物は、ヒドロキシ基を2〜3個有する有機化合物を含むため、有機残を低減させ、半導体デバイス生産の歩留まりを向上させることができる。このメカニズムは上記の説明が同様に妥当する。
本発明において使用される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のいずれであってもよいが、中でも陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が好ましい。複数種類の界面活性剤を組み合わせて使用してもよく、特に陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用することが好ましい。
陰イオン性界面活性剤は、研磨対象物表面への化学的または物理的吸着力が高いために、研磨対象物の撥水性をより高め、且つより強固な保護膜を研磨対象物表面に形成する。このことは、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性を向上させるうえで有利である。
陰イオン性界面活性剤は、酸化銅の溶解を防止する観点から、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基(硫酸基)、ポリオキシアルキレンアリールエーテル基、モノオキシエチレン基あるいはポリオキシエチレン基を有していることが好ましい。
陰イオン性界面活性剤の具体例としては、特に制限されないが、ポリオキシアルキレンアリールリン酸、エーテルポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、およびそれらの塩が挙げられる。
中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏するという観点や、所望の研磨対象物(例えば、銅)の研磨速度を得ながら低段差を実現できる観点から、ポリオキシアルキレンアリールリン酸、アルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
また、研磨用組成物と研磨対象物間の撥水作用を向上させるという観点からは、研磨用組成物中に含まれる陰イオン性界面活性剤は、アルキル基を有することが好ましく、より具体的にはアルキル基の繰り返し炭素数は8個以上であることがより好ましく、さらに具体的には、炭素数8〜14であることが好ましく、炭素数10〜14であることがより好ましい。つまり、上記で列挙した陰イオン性界面活性剤の具体例においてアルキル基が含まれている場合(例えば、アルキル硫酸等)は、そのアルキル基の炭素数が8〜14であることが好ましく、より好ましくは炭素数が10〜14である。より具体的には、オクチル硫酸塩、デシル硫酸塩、ラウリル(ドデシル)硫酸塩、オクタデシル硫酸塩がより好ましい。
また、所望の研磨対象物(例えば、銅)の研磨速度を得ながら、より低段差を実現できるという観点からは、研磨用組成物中に含まれる陰イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアリールエーテル基を有することが好ましく、より具体的には、
下記式2:
で示され、式2中、A1〜A3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基またはポリオキシアルキレンアリールエーテル基であり、ただし、A1〜A3のうち少なくとも一つは、ポリオキシアルキレンアリールエーテル基であり、前記ポリオキシアルキレンアリールエーテル基は、
式3中、Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、Eは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは、1〜100である、で示される化合物またはその塩で示される。
上記式2において、A1〜A3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基またはポリオキシアルキレンアリールエーテル基であり、ただし、A1〜A3のうち少なくとも一つは、ポリオキシアルキレンアリールエーテル基である。ただし、金属表面のエッチング抑制効果の観点から、A1〜A3のうち一つがポリオキシアルキレンアリールエーテル基であると好ましい。また、界面活性剤の研磨用組成物中での分散性の観点から、A1〜A3のうち少なくとも一つは水素原子であることが好ましい。また、高研磨速度を維持しながら低段差を実現できる観点、A1〜A3のうち、一つがArとして後述する式4を有するポリオキシアルキレンアリールエーテル基であり、残部が水素原子であると好ましい。なお、式2の化合物は一種でもいいし、二種以上であってもよい。また、モノエステル、ジエステル、トリエステルを併用してもよい。
ポリオキシアルキレンアリールエーテル基は、上記のように、
式3中、Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、Eは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは、1〜100である、で示されることがよい。
ここで「Ar」における、アリール基の炭素数は、炭素数6〜20であるが、好ましくは炭素数6〜15であり、より好ましくは炭素数6〜13であり、さらに好ましくは炭素数6〜8である。炭素数がこのような範囲にあることによって、本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。また「Ar」の具体例にも特に制限はなく、例えば、フェニル基、ナフチル基またはアントラセニル基などが挙げられるが、特にフェニル基であると本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。
上記を鑑みると、前記Arは、下記式4:
式4中、
1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜21のアルキル基または置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基である、で示されると好ましい。
置換または非置換の炭素数1〜21のアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、分散安定性の観点から、より好ましくは1〜18であり、さらに好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5であり、特に好ましくは1〜3である。また、アルキル基の具体例にも特に制限はなく、直鎖でも分岐していてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏するという観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
また置換または非置換の炭素数1〜21のアルキル基における置換基としては、アリール基やハロゲン原子であることが好ましく、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが好ましく、ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素などが好適である。特に、置換基としてアリール基を有すると、研磨対象物(例えば銅)の表面に吸着した際に研磨対象物(例えば銅)が撥水性となり、砥粒や錯化剤が研磨対象物(例えば銅)に接液し難くなることで、バリア膜露出後の過剰研磨を防止できる。
またR1〜R5におけるアルキル基による置換数としては、分散安定性の観点から1〜3の整数であることが好ましい。またR1〜R5におけるアルキル基の置換部位についても特に制限されないが、高研磨速度で且つ低段差を実現し、エッチング抑制効果の観点から、置換数が1である場合は、3位であることが好ましく、置換数が3である場合は、2位,4位,6位が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素から誘導された官能基または置換基である。アリール基は、炭素数6〜21であるが、分散安定性の観点から、炭素数は6〜14であることが好ましく、より好ましくは炭素数6〜8である。このようなアリール基の具体例にも特に制限はなく、フェニル基、ナフチル基またはアントラセニル基などが挙げられる。また置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基における置換基としては、炭素数1〜21のアルキル基や、ハロゲン原子などが好適である。炭素数1〜21のアルキル基の例は上記の例が同様に妥当する。
上記を鑑みると、前記Arの具体例としては、下記:
で示されるものが好適に使用され、ここで、上記Ar1中、rは1〜5の整数であり、分散安定性の観点から、より好ましくは1〜3の整数である;また、上記Ar2中、sは1〜5の整数であり、分散安定性の観点から、より好ましくは1〜3の整数であり、さらに好ましくは1〜2の整数であり、特に好ましくは1である。Ar1中のフェニル基が置換されたエチル基の置換位置にも特に制限はないが、r=1である場合、3位または4位であることが好ましく、r=3である場合、高研磨速度で且つ低段差を実現し、エッチング抑制効果の観点、また有機残を低減する観点から、2位,4位,6位が好ましい。また、s=1である場合、2位、3位または4位が好ましく、エッチング抑制効果の観点から、また有機残を低減する観点から、特に好ましくは3位である。
また、上記式3のうち「E」における、炭素数1〜3のアルキレン基の具体例にも特に制限はなく、直鎖状、分岐状であってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基などが挙げられ、特に、エチレン基であると、上述した本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。また、nは、1〜100であるが、分散安定性の観点から、好ましくは4〜80の整数であり、より好ましくは8〜50の整数である。
以上を鑑みると、本発明の所期の効果を効率的に奏するという観点からは、下記式5〜7で示される化合物またはその塩である界面活性剤が好適に使用される。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、およびアルキルアルカノールアミドが挙げられる。中でもポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、研磨対象物表面への化学的または物理的吸着力が高いために、より強固な保護膜を研磨対象物表面に形成する。このことは、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性を向上させるうえで有利である。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの繰り返し単位(オキシエチレン基)の数にも特に制限はなく、例えば、1〜20程度である。またアルキルの炭素数にも特に制限はないが、例えば3〜18程度である。
陽イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、およびアルキルアミン塩が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルベタインおよびアルキルアミンオキシドが挙げられる。
上記のように、本発明の界面活性剤は、塩の形態となっていてもよい。塩の具体例としては、一価または二価の金属塩や、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられる。一価または二価の金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などが挙げられる。中でも半導体用の研磨用組成物の金属不純物の観点から、アミン塩、アンモニウム塩、カリウム塩であることが好ましい。ここで、アミン塩としては具体的に、トリエタノールアミン、トリメタノールアミンなどが挙げられ、研磨性能の観点からトリエタノールアミンが好適である。なお、塩の形態とは、界面活性剤が式2で示されれば、A1〜A3の一または複数が水素原子であった場合、その一部または全部の水素原子が上記で列挙したような塩に置換されている形態をいう。
研磨用組成物中の界面活性剤の含有量は、0.01(g/L)以上であることが好ましく、より好ましくは0.05(g/L)以上、さらに好ましくは0.1(g/L)以上である。界面活性剤の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性が向上する利点がある。研磨用組成物中の界面活性剤の含有量はまた、50(g/L)以下であることが好ましく、より好ましくは25(g/L)以下、さらに好ましくは5(g/L)以下である。界面活性剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物による研磨速度が向上する利点がある。また、有機残を低減させる効果がある。なお特に、金属防食剤と併用しない場合は、界面活性剤の研磨用組成物中における含有量を増やすように調節するとよい。また、研磨用組成物中の界面活性剤の含有量は、界面活性剤を二種類以上併用して使用する場合は、その合計量である。
また、本発明の界面活性剤の数平均分子量(Mn)は、高分子のものを使用する場合は、100〜50000の範囲内にあることが好ましく、250〜1000の範囲内にあることがより好ましい。なお、本発明において、数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)法により測定したポリスチレン換算の値を採用するものとする。
また、本発明の界面活性剤のHLBは、好ましくは6〜16の範囲内にあることが好ましく、7〜12の範囲内にあることがより好ましい。
本発明の研磨用組成物の界面活性剤は、市販品を購入してもよいし、必要に応じて、従来公知の知見を参照して、あるいは組み合せて合成することもできる。
[酸化剤]
本発明において、研磨用組成物は、酸化剤を含む。本明細書において酸化剤とは、研磨対象物に含まれる金属に対して酸化剤として機能することができる化合物を意味する。したがって、酸化剤は、かような機能を発揮するのに十分な酸化還元電位を有するものであるか否かという基準に従って選定されうる。このため、非金属酸化剤の外延は必ずしも一義的に明確に定まるものではないが、一例として、例えば、過酸化水素、硝酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、過硫酸塩、酸化水素及びその付加物、例えば尿素過酸化水素及びカーボネート、有機過酸化物、例えばベンゾイル、過酢酸、及びジ−t−ブチル、スルフェイト(SO5)、スルフェイト(S58)、並びに過酸化ナトリウムを含む。過ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、次ヨウ素酸、ヨウ素酸、過臭素酸、亜臭素酸、次臭素酸、臭素酸、過塩素酸、塩素酸、過塩素酸、過ほう酸、及びそれぞれの塩などが挙げられる。
本形態に係る研磨用組成物が酸化剤を含む場合、当該研磨用組成物における当該酸化剤の含有量の下限は、1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは5g/L以上であり、さらに好ましくは10g/L以上である。酸化剤の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物に対する研磨速度が向上する傾向にある。一方、本形態に係る研磨用組成物が酸化剤を含む場合、当該研磨用組成物における当該酸化剤の含有量の上限は、100g/L以下であることが好ましく、より好ましくは50g/L以下である。酸化剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストを抑えることができるのに加え、研磨使用後の研磨用組成物の処理、すなわち廃液処理の負荷を軽減することができる。また、酸化剤による研磨対象物の過剰な酸化を防ぐことができるという有利な効果も得られる。
[研磨対象物]
続いて、本発明に係る研磨対象物および半導体配線プロセスの一例を説明する。半導体配線プロセスは、通常、以下の工程を含むが、本発明は以下の工程の使用に限定されるものではない。
基板上に設けられるトレンチを有する絶縁体層の上に、バリア層および金属配線層を順次に形成する。バリア層は、金属配線層の形成に先立って、絶縁体層の表面を覆うように絶縁体層の上に形成される。バリア層の厚さはトレンチの深さおよび幅よりも小さい。金属配線層は、バリア層の形成に引き続いて、少なくともトレンチが埋まるようにバリア層の上に形成される。
CMPにより、少なくとも金属配線層の外側部分およびバリア層の外側部分を除去する場合、まず、金属配線層の外側部分の大半が除去される。次に、バリア層の外側部分の上面を露出させるべく、金属配線層の外側部分の残部が除去される。その後、CMPにより、少なくともトレンチの外に位置する金属配線層の部分およびトレンチの外に位置するバリア層の部分を除去する。その結果、トレンチの中に位置するバリア層の部分の少なくとも一部およびトレンチの中に位置する金属配線層の部分の少なくとも一部が絶縁体層の上に残る。すなわち、トレンチの内側にバリア層の一部および金属配線層の一部が残る。こうして、トレンチの内側に残った金属配線層の部分が、配線として機能することになる。
本発明の研磨用組成物は、上記のような金属配線層およびバリア層を有する研磨対象物の研磨に使用されるものである。
金属配線層に含まれる金属は特に制限されず、例えば、銅、アルミニウム、ハフニウム、コバルト、ニッケル、チタン、タングステン等が挙げられる。これらの金属は、合金または金属化合物の形態で金属配線層に含まれていてもよい。好ましくは、電気伝導率の観点で、銅、または銅合金である。これら金属は、単独でもまたは二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、バリア層に含まれる金属としても特に制限されず、例えば、チタン、タンタルの金属およびルテニウム、銀、金、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウムおよびオスミウム等の貴金属が挙げられる。これら金属および貴金属は、合金または金属化合物の形態でバリア層に含まれていてもよく、単独でもまたは二種以上組み合わせて用いてもよい。
次に、他に、本発明の研磨用組成物に含まれうる各成分について、詳細に説明する。
[水]
本発明の研磨用組成物は、各成分を分散または溶解するための分散媒または溶媒として水を含んでもよい。他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましく、具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[錯化剤]
本発明の研磨用組成物は、錯化剤(本明細書中「錯化形成剤」とも称する)を含んでもよい。研磨用組成物中に錯化剤を加えることにより、錯化剤が有するエッチング作用により、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上するという有利な効果がある。
錯化剤としては、例えば、無機酸、有機酸、アミノ酸、ニトリル化合物およびキレート剤などが用いられうる。無機酸の具体例としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸などが挙げられる。有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸などが挙げられる。メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびイセチオン酸などの有機硫酸も使用可能である。無機酸または有機酸の代わりにあるいは無機酸または有機酸と組み合わせて、無機酸または有機酸のアルカリ金属塩などの塩を用いてもよい。
アミノ酸の具体例としては、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、N−メチルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、2−アミノ酪酸、ノルバリン、バリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、サルコシン、オルニチン、リシン、タウリン、セリン、トレオニン、ホモセリン、チロシン、ビシン、トリシン、3,5−ジヨード−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−アラニン、チロキシン、4−ヒドロキシ−プロリン、システイン、メチオニン、エチオニン、ランチオニン、シスタチオニン、シスチン、システイン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−システイン、4−アミノ酪酸、アスパラギン、グルタミン、アザセリン、アルギニン、カナバニン、シトルリン、δ−ヒドロキシ−リシン、クレアチン、ヒスチジン、1−メチル−ヒスチジン、3−メチル−ヒスチジン、トリプトファンなどが挙げられる。中でもグリシン、アラニン、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、イセチオン酸またはそれらの塩が好ましい。なお、「塩」については、界面活性剤の説明において列挙したものが同様に使用できる。
ニトリル化合物の具体例としては、例えば、アセトニトリル、アミノアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル等が挙げられる。
キレート剤の具体例としては、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N',N'−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N'−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N'−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
研磨用組成物の錯化剤の含有量の下限は、1(g/L)以上であることが好ましく、より好ましくは5(g/L)以上である。錯化剤の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、錯化剤の添加によって研磨対象物が容易に過剰なエッチングを受けるという虞を低減させる(過剰なエッチングを防ぐ)という観点から、当該研磨用組成物における当該錯化剤の含有量の上限は、組成物に対して、30(g/L)以下であることが好ましく、より好ましくは20(g/L)以下である。
[砥粒]
本発明の研磨用組成物は、砥粒を含んでもよい。研磨用組成物中に含まれる砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨する作用を有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させる。
使用される砥粒は、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれであってもよい。無機粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア等の金属酸化物からなる粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子が挙げられる。有機粒子の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。該砥粒は、単独でもまたは二種以上混合して用いてもよい。また、該砥粒は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
これら砥粒の中でも、シリカが好ましく、特に好ましいのはコロイダルシリカである。砥粒は表面修飾されていてもよい。通常のコロイダルシリカは、酸性条件下でゼータ電位の値がゼロに近いために、酸性条件下ではシリカ粒子同士がなかでも、特に好ましいのは、有機酸を固定化したコロイダルシリカである。研磨用組成物中に含まれるコロイダルシリカの表面への有機酸の固定化は、例えばコロイダルシリカの表面に有機酸の官能基が化学的に結合することにより行われている。コロイダルシリカと有機酸を単に共存させただけではコロイダルシリカへの有機酸の固定化は果たされない。有機酸の一種であるスルホン酸をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、"Sulfonic acid-functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups", Chem. Commun. 246-247 (2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸が表面に固定化されたコロイダルシリカを得ることができる。あるいは、カルボン酸をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、"Novel Silane Coupling Agents Containing a Photolabile 2-Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica Gel", Chemistry Letters, 3, 228-229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2−ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸が表面に固定化されたコロイダルシリカを得ることができる。
砥粒の平均一次粒子径の下限は、1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることがさらに好ましい。また、砥粒の平均一次粒子径の上限は、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度は向上し、また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシング等の段差欠陥が生じるのをより抑えることができる。また、研磨対象物の表面にスクラッチなどの傷を生じさせることを防ぐ効果もある。なお、砥粒の平均一次粒子径は、例えば、BET法で測定される砥粒の比表面積に基づいて算出される。また、異なる二種類の粒径を有する砥粒を使用してもよい。異なる二種類の粒径を有する砥粒を使用すると効率よく銅研磨速度を促進できる効果がある。
研磨用組成物中の砥粒の含有量の下限は、0.01g/L以上であることが好ましく、0.03g/L以上であることがより好ましく、0.05g/L以上であることがさらに好ましく、0.1g/L以上であることが最も好ましい。また、研磨用組成物中の砥粒の含有量の上限は、100g/L以下であることが好ましく、50g/L以下であることがより好ましく、25g/L以下であることがさらに好ましい。なお、研磨用組成物中に二種類以上の平均一次粒子径を有する砥粒を混在させる場合、含有量はその合計量である。このような範囲であれば、研磨対象物の研磨速度が向上し、また、研磨用組成物のコストを抑えることができ、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシング等の段差欠陥が生じるのをより抑えることができる。
[研磨用組成物のpH]
研磨用組成物のpHは特に限定されない。ただし、11.0以下、さらに言えば10.0以下のpHであれば、砥粒が溶解することを防げるため研磨用組成物の安定性が向上する。また、2.0以上、さらに言えば4.0以上であれば、研磨用組成物が砥粒を含む場合に当該砥粒の分散性が向上する。
研磨用組成物のpHを所望の値に調整するのにpH調整剤を使用してもよい。使用するpH調整剤は酸およびアルカリのいずれであってもよく、また無機および有機の化合物のいずれであってもよい。これらpH調節剤は、単独でもまたは二種以上混合しても用いることができる。なお、本明細書中「pH」は液温(25℃)において堀場製作所製の型番F−72のpHメーターを使って測定した値を言うものとする。
[研磨用組成物の製造方法]
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、本発明の研磨用組成物を構成する各成分を、水中で攪拌混合することにより得ることができる。また、各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10〜40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
[研磨方法および基板の製造方法]
上述のように、本発明の研磨用組成物は、金属配線層を有する研磨対象物の研磨に好適に用いられる。また、本発明は、研磨対象物を本発明の研磨用組成物で研磨する研磨方法を提供する。また、本発明は、研磨対象物を前記研磨方法で研磨する工程を含む基板の製造方法を提供する。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。前記研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件にも特に制限はなく、例えば、研磨定盤の回転速度は、10〜500rpmが好ましい。また、キャリアの回転数は、20〜110rpmが好ましい。また、研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.5〜10psi(3.45〜69KPa)が好ましい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、100〜500ml/min程度が好ましい。また、研磨時間にも特に制限はないが、30〜120秒程度がよい。研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。
研磨終了後、基板を流水中で洗浄し、スピンドライヤ等により基板上に付着した水滴を払い落として乾燥させることにより、金属配線層およびバリア層とを有する基板が得られる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
<実施例1>
表1で示される、砥粒1、砥粒2、酸化剤、錯体形成剤、金属防食剤、界面活性剤1、界面活性剤2、ヒドロキシ基含有有機化合物を、表1に示される組成となるように、水(超純水)中で攪拌混合し(混合温度:約25℃、混合時間:約10分)、実施例1〜3、比較例1〜6の研磨用組成物を調製した(25℃)。なお、研磨用組成物中のpHは一律7.0に調製している。
<実施例2〜3、比較例1〜6>
実施例2〜3、比較例1〜6の研磨用組成物も、実施例1と同様に調製した。
<研磨速度(研磨レート):Cu Removal Rate(BKW)>
研磨速度については、得られた研磨用組成物(実施例1〜3、比較例1〜6)を用いて、銅ブランケットウェハ(直径:300mm)の表面を、下記表2に示す研磨条件で60秒間研磨した際の研磨速度を測定した。研磨速度[Å/min]は、直流4探針法を原理とするシート抵抗測定器を用いて測定される研磨前後の銅ブランケットウェハの厚みの差を、研磨時間で除することにより求めた。結果を表1に示す。
研磨速度は、生産性を考慮すると、早ければ早いほど好ましいが、実用的な速度を鑑みると、5650Å/min以上であり、より好ましくは5700Å/min以上である。
<有機残数>
研磨済みの銅ブランケットウェハを、ポリビニルアルコール製ブラシを使用して、洗浄薬剤として三菱化学株式会社の液温25℃の洗浄液“MCX−SDR4”を使って、60秒間、洗浄を行った。洗浄後、光干渉式ウェハ表面検査装置(SP−1、KLA-Tencor社製)によって、0.16μm以上のサイズを検出する条件で測定し、有機残の数を数えた。結果を表1に示す。有機残数は、半導体デバイス生産の歩留まりを考慮すると、少なければ少ないほどよいが、実用的な数を鑑みると、10000個以下であり、より好ましくは5000個以下であり、さらに好ましくは2500個以下である。

Claims (6)

  1. 研磨対象物の研磨に用いられる、研磨用組成物であって、
    界面活性剤と;酸化剤と;有機化合物と;を含み、あるいは、界面活性剤と;金属防食剤と;酸化剤と;有機化合物と;を含み、
    前記有機化合物が、ヒドロキシ基を2〜3個有
    前記界面活性剤が、(i)炭素数10〜14のアルキル硫酸またはその塩、(ii)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、および(iii)下記式2:
    で示され、式2中、A 〜A は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基またはポリオキシアルキレンアリールエーテル基であり、ただし、A 〜A のうち少なくとも一つは、ポリオキシアルキレンアリールエーテル基であり、前記ポリオキシアルキレンアリールエーテル基は、
    式3中、Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、Eは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは、1〜100である、で示される化合物またはその塩である、からなる群から選択される少なくとも二種である、研磨用組成物。
  2. 前記研磨対象物が、金属配線層を有する、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記有機化合物が、下記式1:
    式1中、
    Xが、炭素数1〜3のアルキレン基であり、
    nが、1〜100であり、ただし、nが1のときは、前記アルキレン基の1つの水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよい、
    で示される、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記金属防食剤が、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基で置換されたアミノ基を有する、ベンゾトリアゾール化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記研磨対象物を、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨用組成物で研磨する、研磨方法。
  6. 前記研磨対象物を、請求項に記載の研磨方法で研磨する工程を含む、基板の製造方法。
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