JP6236354B2 - 水素供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素の供給を行う水素供給システムに関する。
従来の水素供給システムとして、例えば特許文献1に挙げるものが知られている。特許文献1の水素供給システムは、原料の芳香族炭化水素の水素化物を貯蔵するタンクと、当該タンクから供給された原料を脱水素反応させることによって水素含有ガスを得る脱水素反応器と、脱水素反応器で得られた水素含有ガスを気液分離する気液分離器(気液分離部)と、気液分離された水素含有ガスを精製する水素精製器と、を備える。
特開2006−232607号公報
ところで、近年、上述したような水素供給システムでは、例えば水素の利用に関するニーズが高まる中、気液分離部による気液分離後の水素含有ガスについて、その水素の純度を高めることが望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、気液分離後における水素含有ガスの水素の純度を高めることが可能な水素供給システムを提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る水素供給システムは、水素の供給を行う水素供給システムであって、原料を脱水素反応させることによって水素含有ガスを得る脱水素反応部と、脱水素反応部で得られた水素含有ガスを気液分離する気液分離部と、気液分離部に第1冷媒を供給して気液分離部を冷却する第1冷却部と、第1冷媒とは別の冷媒を気液分離部に供給することにより、気液分離部が一定温度となるように当該気液分離部を冷却する第2冷却部と、を備える。
この水素供給システムでは、第1冷却部によって気液分離部を冷却するのに加え、気液分離部が一定温度となるように当該気液分離部を第2冷却部によってさらに冷却することができる。これにより、気液分離後の水素含有ガスについて水素の純度を高める(つまり、トルエン等の不純物濃度を低下させる)ことが可能となる。
本発明に係る水素供給システムは、水素を貯蔵する蓄圧部と、蓄圧部から水素供給対象へ供給される水素を、第2冷媒によって冷却する水素冷却部と、を備え、第2冷却部は、第2冷媒の少なくとも一部を気液分離部に供給することにより、気液分離部が一定温度となるように当該気液分離部を冷却してもよい。この場合、例えば、水素供給対象(燃料電池自動車等)に対して水素供給の機会が少ない夜間において、水素冷却部の余剰冷熱を気液分離に活用することができ、気液分離部による気液分離を効率よく行うことが可能となる。
上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、第2冷却部は蓄熱材を有していてもよい。また、第2冷却部は、蒸気圧縮式又は吸着式ヒートポンプを有していてもよい。
本発明によれば、気液分離後における水素含有ガスの水素の純度を高めることができる水素供給システムを提供可能となる。
本発明の実施形態に係る水素供給システムの構成を示すブロック図である。 図1の水素供給システムの要部を示すブロック図である。 (a)は変形例に係る水素供給システムの要部を示すブロック図であり、(b)は他の変形例に係る水素供給システムの要部を示すブロック図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る水素供給システムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係る水素供給システム100は、有機化合物(常温で液体)を原料とするものである。なお、水素精製の過程では、原料である有機化合物(常温で液体)を脱水素した、脱水素生成物(有機化合物(常温で液体))が除去される。原料の有機化合物として、例えば、有機ハイドライドが挙げられる。有機ハイドライドは、製油所で大量に生産されている水素を芳香族炭化水素と反応させた水素化物が好適な例である。また、有機ハイドライドは、芳香族の水素化化合物に限らず、2−プロパノール(水素とアセトンが生成される)の系もある。有機ハイドライドは、ガソリンなどと同様に液体燃料としてタンクローリーなどによって水素供給システム100へ輸送することができる。本実施形態では有機ハイドライドとして、メチルシクロヘキサン(以下、MCHと称する)を用いる。その他、有機ハイドライドとしてシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、メチルデカリン、ジメチルデカリン、エチルデカリンなど芳香物炭化水素の水素化物を適用することができる(なお、芳香族化合物は特に水素含有量の多い好適な例である)。水素供給システム100は、燃料電池自動車(FCV)や水素エンジン車等の水素供給対象に水素を供給することができる。なお、メタンを主成分とした天然ガスやプロパンを主成分としたLPG、あるいはガソリン、ナフサ、灯油、軽油といった液体炭化水素原料から水素を製造する場合にも適用可能である。
本実施形態では、水素供給システム100として、FCV10に高純度水素を供給する水素ステーションを例として説明を行う。図1に示すように、本実施形態に係る水素供給システム100は、MCHタンク1、気化器2、脱水素反応器(脱水素反応部)3、気液分離器(気液分離部)4、トルエンタンク5、水素精製器6、圧縮機7、蓄圧器(蓄圧部)8、ディスペンサ9、熱源11、冷熱源(第1冷却部)12、及び冷熱源(水素冷却部,第2冷却部)13を備えている。また、水素供給システム100は、ラインL1〜L9を備えている。なお、本実施形態では、原料としてMCHを採用し、水素精製の過程で除去される脱水素生成物がトルエンである場合を例として説明する。なお、実際には、トルエンのみならず、未反応のMCHと少量の副生成物及び不純物も存在するが、本実施形態中では、トルエンに混じって当該トルエンと同じ挙動を示す。従って、以下の説明において、「トルエン」と称して説明するものには、未反応のMCHや副生成物も含むものとする。
ラインL1〜L9は、MCH、トルエン、水素含有ガス、オフガス、又は高純度水素が通過する流路である。ラインL1は、MCHタンク1と気化器2とを接続する。ラインL2は、気化器2と脱水素反応器3とを接続する。ラインL3は、脱水素反応器3と気液分離器4とを接続する。ラインL4は、気液分離器4と水素精製器6とを接続する。ラインL5は、気液分離器4とトルエンタンク5とを接続する。ラインL6は、水素精製器6と圧縮機7とを接続する。ラインL7は、水素精製器6と気化器2とを接続する。ラインL7は、水素精製器6から排出されるオフガスを脱水素反応器3よりも上流側へ還流させるリサイクルラインとして機能する。以下の説明においては、ラインL7を「リサイクルラインL7」と称して説明する。ラインL8は、圧縮機7と蓄圧器8とを接続する。ラインL9は、蓄圧器8とディスペンサ9とを接続する。
MCHタンク1は、原料となるMCHを貯留するタンクである。外部からタンクローリーなどで輸送されたMCHは、MCHタンク1にて貯留される。MCHタンク1に貯留されているMCHは、圧縮機(不図示)によってラインL1を介して気化器2へ供給される。
気化器2は、インジェクタなどを介してMCHタンク1から供給されたMCHを気化する機器である。気化されたMCHは、リサイクルラインL7を介して水素精製器6から供給されたオフガスと併せて、ラインL2を介して脱水素反応器3へ供給される。
脱水素反応器3は、MCHを脱水素反応させることによって水素を得る機器である。すなわち、脱水素反応器3は、脱水素触媒を用いた脱水素反応によってMCHから水素を取り出す機器である。有機ハイドライドの反応は可逆反応であり、反応条件(温度、圧力)によって反応の方向が変わる(化学平衡の制約を受ける)。一方、脱水素反応は、常に吸熱反応で分子数が増える反応である。従って、高温、低圧の条件が有利である。脱水素反応は吸熱反応であるため、脱水素反応器3は熱源11から熱媒体を介して熱を供給される。脱水素反応器3は、脱水素触媒中を流れるMCHと熱源11からの熱媒体との間で熱交換可能な機構を有している。熱源11は、脱水素反応器3を加熱することができるものであればどのようなものを採用してもよい。例えば、熱源11は、脱水素反応器3を直接加熱するものであってもよく、例えば気化器2やラインL1,L2を加熱することによって脱水素反応器3に供給されるMCHを加熱してもよい。また、熱源11は、脱水素反応器3と、脱水素反応器3へ供給されるMCHの両方を加熱してもよい。例えば、熱源11としてバーナーやエンジンを採用することができる。脱水素反応器3で取り出された水素含有ガスは、ラインL3を介して気液分離器4へ供給される。ラインL3の水素含有ガスは、液体であるトルエンを混合物として含んだ状態で、気液分離器4へ供給される。
気液分離器4は、水素含有ガスからトルエンを分離するタンクである。気液分離器4は、混合物としてトルエンを含む水素含有ガスを貯留することによって、気体である水素と液体であるトルエンとを気液分離する。気液分離器4は、冷熱源(第1冷却部)12からの冷却媒体によって冷却される。気液分離器4は、気液分離器4中の水素含有ガスと冷熱源12からの冷却媒体との間で熱交換可能な機構を有している。また、気液分離器4は、気液分離器4中の水素含有ガスと冷熱源13からの冷却媒体との間で熱交換可能な機構を有しており、冷熱源13からの冷却媒体によって一定温度となるようにさらに冷却される(詳しくは、後述)。
冷熱源12は、冷却媒体で気液分離器4を冷却することができるものであればどのようなものを採用してもよい。例えば、冷熱源12としてチラー等の冷却器を採用することができる。気液分離器4で分離されたトルエンは、ラインL5を介してトルエンタンク5へ供給される。一方、気液分離器4で分離された水素含有ガスは、ラインL4を介して水素精製器6へ供給される。なお、水素含有ガスを冷やすと当該ガスの一部(トルエン)は液化し、気液分離器4によって、液化しないガス(水素)と分離することができる。ガスを低温とした方が、分離の効率は良くなり、圧力を上げると更に、トルエンの液化が進む。
トルエンタンク5は、気液分離器4で分離された液体のトルエンを貯留するタンクである。トルエンタンク5に貯留されたトルエンは、回収して利用することが可能である。
水素精製器6は、脱水素反応器3で得られると共に気液分離器4で気液分離された水素含有ガスから、脱水素生成物(本実施形態ではトルエン)を除去する。これによって、水素精製器6は、当該水素含有ガスを精製して高純度水素(精製ガス)を得る。得られた高純度水素は、ラインL6へ供給され、水素及び脱水素生成物を含むオフガスは、リサイクルラインL7へ排出される。リサイクルラインL7へ供給されたオフガスは、図示されない圧縮機を介して気化器2へ供給され、ラインL2を介して脱水素反応器3へ供給される。
水素精製器6は、採用する水素精製方法によって異なるが、具体的には、水素精製方法として膜分離を用いる場合には、水素分離膜を備える水素分離装置であり、PSA(Pressure swing adsorption)法又はTSA(Temperature swing adsorption)法を用いる場合には、不純物を吸着する吸着材を格納する吸着塔を複数備えた吸着除去装置である。
水素精製器6が膜分離を用いる場合について説明する。この方法では、所定温度に加熱された膜に、圧縮機(不図示)によって所定圧力に加圧された水素含有ガスを透過させることによって、脱水素生成物を除去し、高純度の水素ガス(精製ガス)を得ることができる。膜を透過した透過ガスの圧力は、膜を透過する前の圧力と比べて低下する。一方、膜を透過しなかった非透過ガスの圧力は、膜を透過する前の所定圧力と略同一である。このとき、膜を透過しなかった非透過ガスが、水素精製器6のオフガスに該当する。
水素精製器6に適用される膜の種類は特に限定されず、多孔質膜(分子流によって分離するもの、表面拡散流によって分離するもの、毛管凝縮作用によって分離するもの、分子ふるい作用によって分離するものなど)や、非多孔質膜を適用することができる。水素精製器6に適用される膜として、例えば、金属膜(PbAg系、PdCu系、Nb系など)、ゼオライト膜、無機膜(シリカ膜、カーボン膜など)、高分子膜(ポリイミド膜など)を採用することができる。
膜分離による水素精製器6の水素回収率は、70〜90%である。水素精製器6で用いられる膜の「水素/トルエン」の分離係数は、1000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。
水素精製器6の除去方法として、PSA法を採用する場合について説明する。PSA法で用いられる吸着材は、高圧下では水素含有ガスに含まれるトルエンを吸着し、低圧下では吸着したトルエンを脱着する性質を持つ。PSA法は、吸着材のこのような性質を利用するものである。すなわち、吸着塔内を高圧にすることにより、水素含有ガスに含まれるトルエンを吸着材に吸着させて除去し、高純度の水素ガス(精製ガス)を得る。吸着により吸着塔内の吸着材の吸着機能が低下した場合には、吸着塔内を低圧にすることにより、吸着材に吸着したトルエンを脱着し、併せて除去した精製ガスの一部を逆流させることにより当該脱着されたトルエンを吸着塔内から除去することで、吸着材の吸着機能を再生する(このとき、トルエンを吸着塔内から除去することで排出される少なくとも水素とトルエンを含む水素含有ガスが、水素精製器6からのオフガスに該当する)。
吸着塔内の圧力の調整方法は特に限定されないが、例えば、吸着塔毎に備えられたバルブを閉めるなどの操作により、吸着塔毎に調節することができる。従って、吸着材の吸着機能が低下した吸着塔については、減圧により吸着材を再生させるとともにオフガスを排出する。一方、残りの吸着塔については、加圧により水素含有ガスに含まれるトルエンを吸着材に吸着させて除去するとともに高純度水素を得る。再生中の吸着塔についての吸着材再生が完了したら、当該吸着塔については、加圧によりトルエンの除去を開始するとともに高純度水素を得る。一方、トルエンの除去を行っていた吸着塔の全部又は一部については、減圧により吸着材の再生を開始するとともにオフガスを排出する。このように、再生を行う吸着塔とトルエンの除去を行う吸着塔の切り替えを繰り返し行うことで、水素供給システム100全体として、連続的に高純度水素とオフガスとを得ることができる。水素精製器6がPSA法を採用する場合の水素回収率は、吸着塔の数によるが、約60〜90%である。
水素精製器6の除去方法として、TSA法を採用する場合について説明する。TSA法で用いられる吸着材は、常温下では水素含有ガスに含まれるトルエンを吸着し、高温下では吸着したトルエンを脱着する性質を持つ。TSA法は、吸着材のこのような性質を利用するものである。すなわち、吸着塔内を常温にすることにより、水素含有ガスに含まれるトルエンを吸着材に吸着させて除去し、高純度の水素ガス(高純度水素)を得る。吸着により吸着塔内の吸着材の吸着機能が低下した場合には、吸着塔内を高温にすることにより、吸着材に吸着したトルエンを脱着し、併せて除去した高純度水素の一部を逆流させることにより当該脱着されたトルエンを吸着塔内から除去することで、吸着材の吸着機能を再生する(このとき、トルエンを吸着塔内から除去することで排出される少なくとも水素とトルエンを含む水素含有ガスが、水素精製器6からのオフガスに該当する)。
吸着塔内の温度の調整方法は特に限定されないが、例えば、吸着塔毎に備えられたヒータのON/OFFを切り替えるなどの操作により、吸着塔毎に調節することができる。従って、吸着材の吸着機能が低下した吸着塔については、高温にすることにより吸着材を再生させるとともにオフガスを排出する。一方、残りの吸着塔については、常温に保つことにより水素含有ガスに含まれるトルエンを吸着材に吸着させて除去するとともに高純度水素を得る。再生中の吸着塔についての吸着材再生が完了したら、当該吸着塔については、吸着塔内を常温に保つことによりトルエンの除去を開始するとともに高純度水素を得る。一方、トルエンの除去を行っていた吸着塔の全部又は一部については、吸着塔内を高温にすることにより吸着材の再生を開始するとともにオフガスを排出する。このように、再生を行う吸着塔とトルエンの除去を行う吸着塔の切り替えを繰り返し行うことで、水素供給システム100全体として、連続的に高純度水素とオフガスとを得ることができる。水素精製器6がTSA法を採用する場合の水素回収率は、吸着塔の数によるが、約60〜90%である。
圧縮機7は、水素精製器6で得られた高純度水素を高圧状態とする。圧縮機7は、例えば、20〜90MPaの圧力で高純度水素を高圧状態とする。圧縮機7は、高純度水素をFCV10へ供給可能とするために高圧状態にした上で、ラインL8を介して蓄圧器8へ供給する。なお、目的とする圧力に応じて、圧縮を行う圧縮ユニットを複数備え、段階的に圧縮を行う構成としてもよい。
蓄圧器8は、高純度水素を高圧状態のまま蓄える(貯蔵する)。蓄圧器8で蓄えられた高純度水素は、ラインL9を介して、ディスペンサ9によってFCV10に供給される。蓄圧器8により、水素供給システム100内にある程度の量の高純度水素を蓄えておくことができるため、FCV10へ水素を安定供給することが可能となる。ただし、蓄圧器8は、水素供給を行うために必須ではないため、省略してもよい。蓄圧器8からラインL9を介してFCV10へ供給される高純度水素は、プレクーラである冷熱源13からの冷却媒体によってラインL9上において冷却される。例えば高純度水素は、冷熱源13からの冷却媒体によって−60〜0℃まで冷却される。ラインL9は、当該ラインL9を流れる高純度水素と冷熱源13からの冷却媒体との間で熱交換可能な機構を有している。例えば、冷熱源13としてチラー等の冷却器を採用することができる。
図2は、図1の水素供給システムの要部を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の水素供給システム100は、気液分離器4を冷却するためのものとして、上記冷熱源12及び上記冷熱源13を備えている。冷熱源12は、気液分離器4に冷却媒体(第1冷媒)C1を循環するように供給して、気液分離器4を冷却する。冷熱源13は、気液分離器4に冷却媒体(第2冷媒)C2の少なくとも一部を循環するように供給して、気液分離器4が一定温度となるように当該気液分離器4をさらに冷却する。図示する例では、冷熱源13は、以下のように構成されている。
すなわち、冷熱源13は、冷却媒体C2を流通させる流路として配管を有し、この配管は、その任意箇所で分岐して気液分離器4に対し熱交換可能に(例えば、気液分離器4を近接して覆うように)延びている。これにより、冷却媒体C2が気液分離器4に供給され、一定温度となるように気液分離器4がさらに冷却されることとなる。なお、冷却媒体C2の冷熱ロスを抑制するために、冷熱源13から気液分離器4までの配管及び気液分離器4の周囲には、断熱材等を設けることが好ましい。また、ここでの「一定温度」は、気液分離させた水素含有ガスのトルエン濃度が十分に小さくなる温度であって、好ましいとして10℃以下の温度、より好ましいとして0℃以下の温度、より一層好ましいとして−10℃以下の温度とされている。「一定温度」は、必ずしも一の温度である必要はなく、所定の幅を有する温度域であってもよい。
また、気液分離器4に供給される冷却媒体C2の流路上には、冷却媒体C2の流通を制御するバルブ15が設けられている。バルブ15の開閉を制御部で制御することにより、冷却媒体C2による気液分離器4の冷却を作動/停止を制御することができる。ちなみに、例えば温度センサ(不図示)で気液分離器4の温度を検出し、当該検出結果に基づいてバルブ15の開口量を制御部で制御し、冷却媒体C2の流量を調整することにより、気液分離器4を温度制御することも可能となる。
このような水素供給システム100では、冷熱源12で気液分離器4を冷却するのに加え、気液分離器4が一定温度となるように冷熱源13の冷却媒体C2によって当該気液分離器4をさらに冷却できる。これにより、気液分離の温度を効果的に下げ、気液分離後の水素含有ガスについて水素の純度を高める(つまり、トルエン濃度を低下させる)ことが可能となる。その結果、後段の水素精製器6の負荷を低減でき、さらには、水素精製器6の負荷低減による効率向上が可能となる。
また、水素供給システム100は、上述のように、冷熱源13の冷却媒体C2を気液分離器4に供給することにより、気液分離器4が一定温度となるように冷却する。よって、FCV10に水素供給の機会が少ない夜間等において、例えばバルブ15を開として冷却媒体C2を気液分離器4へ供給させることで、冷熱源13の余剰冷熱となる冷却媒体C2を気液分離器4の気液分離に活用でき、気液分離器4による気液分離を効率よく行うことが可能となる。
なお、冷却媒体C2を利用した冷却よる気液分離の可能性(水素純度向上に係る上記作用効果)は、例えば次の事象からも確認することができる。すなわち、所定条件下(ゲージ圧:1bar,水素/トルエン=1/3)において、室温で水素含有ガスが気液分離される場合には、水素含有ガス中に約2vol%のトルエンが存在するところ、0℃以下ひいては−20℃以下となると、当該トルエンが略0vol%となる。このことからして、上記気液分離の可能性を確認することができる。
図3(a)は、変形例に係る水素供給システムの要部を示すブロック図である。図3(a)に示すように、変形例の水素供給システム100Aは、気液分離器4を冷却媒体C2により冷却する水素供給システム100の構成に代えて若しくは加えて、蓄熱材(第2冷却部)21を備えている。蓄熱材21は、気液分離器4を一定温度となるように冷却する。蓄熱材21は、例えば顕熱蓄熱方式、潜熱蓄熱方式あるいは潜熱方式を利用して冷熱を蓄えると共に、当該冷熱によって気液分離器4を一定温度となるように冷却する。
ここでの蓄熱材21は、気液分離器4の周囲を覆うように当該気液分離器4に設けられている。蓄熱材21は、例えば、高い融解潜熱を有する固形状、ゲル状、粉末状又はスラリー状のパラフィン系材料を含んで形成されている。このような蓄熱材21には、例えば夜間において、冷熱源13の冷却媒体C2を利用して冷熱を蓄熱させる、又は、電力で冷熱を蓄熱させることができる。このような水素供給システム100Aにおいても、上記水素供給システム100と同様な上記作用効果が奏される。
図3(b)は、他の変形例に係る水素供給システムの要部を示すブロック図である。図3(b)に示すように、他の変形例の水素供給システム100Bは、気液分離器4を冷却媒体C2により冷却する水素供給システム100の構成に代えて若しくは加えて、ヒートポンプ(第2冷却部)31を備えている。
ヒートポンプ31は、冷却媒体C3を用いて気液分離器4から当該気液分離器4外へ熱を汲み上げ、気液分離器4を一定温度となるように冷却する。ヒートポンプ31としては、蒸気圧縮式ヒートポンプを用いてもよいし、吸着式ヒートポンプを用いてもよい。
ヒートポンプ31として用いる蒸気圧縮式ヒートポンプを場合、当該ヒートポンプ31では、冷却媒体C3を蒸発させ、その気化熱(蒸発潜熱)により冷熱を得て気液分離器4側を冷却すると共に、蒸発させた冷却媒体C3を圧縮及び液化させ、その際に凝縮熱を高温側(気液分離器4外)に放熱することにより、気液分離器4を一定温度となるように冷却する。ヒートポンプ31として吸着式ヒートポンプを用いる場合、当該ヒートポンプ31では、吸着材の吸着力により冷却媒体C3を蒸発させ、その気化熱により冷熱を得て気液分離器4側を冷却する吸着工程と、吸着後の当該吸着材を加熱及び乾燥させて脱着させる脱着工程と、を適宜切替えて実施することにより、気液分離器4を一定温度となるように冷却する。
このような水素供給システム100Bにおいても、上記水素供給システム100Aと同様な上記作用効果が奏される。また、他の変形例の水素供給システム100Bは、上記水素供給システム100Aと同様に、蓄熱材21(図3(a)参照)をさらに備えていても勿論よい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
上述した実施形態では、水素精製器6よりも下流側に水素供給装置(圧縮機7、蓄圧器8及びディスペンサ9等を含む)を接続した水素ステーションとして利用したが、水素精製器6よりも下流側に水素消費装置(電力発生装置等を含む)を接続し、直接的に水素消費装置に水素を供給する水素ステーションとして利用してもよい。この場合、気液分離器4を一定温度となるように冷却する第2冷却部としては、上記蓄熱材21や上記ヒートポンプ31が用いられる。また、上述した実施形態は、どのような用途に用いられてもよく、例えば、分散電源(例えば、家庭用電源や非常用電源等)のための水素供給システムとして利用されてもよい。
3…脱水素反応器(脱水素反応部)、4…気液分離器(気液分離部)、8…蓄圧器(蓄圧部)、10…FCV(水素供給対象)、12…冷熱源(第1冷却部)、13…冷熱源(水素冷却部,第2冷却部)、21…蓄熱材(第2冷却部)、31…ヒートポンプ(第2冷却部)
100,100A,100B…水素供給システム、C1…冷却媒体(第1冷媒)、C2…冷却媒体(第2冷媒)。

Claims (4)

  1. 水素の供給を行う水素供給システムであって、
    原料を脱水素反応させることによって水素含有ガスを得る脱水素反応部と、
    前記脱水素反応部で得られた前記水素含有ガスを気液分離する気液分離部と、
    前記気液分離部に第1冷媒を供給して前記気液分離部を冷却する第1冷却部と、
    前記第1冷媒とは別の冷媒を前記気液分離部に供給することにより、前記気液分離部が一定温度となるように当該気液分離部を冷却する第2冷却部と、を備える、水素供給システム。
  2. 前記水素を貯蔵する蓄圧部と、
    前記蓄圧部から水素供給対象へ供給される前記水素を、第2冷媒によって冷却する水素冷却部と、を備え、
    前記第2冷却部は、前記第2冷媒の少なくとも一部を前記気液分離部に供給することにより、前記気液分離部が一定温度となるように当該気液分離部を冷却する、請求項1に記載の水素供給システム。
  3. 前記第2冷却部は、蓄熱材を有する、請求項1又は2に記載の水素供給システム。
  4. 前記第2冷却部は、蒸気圧縮式又は吸着式ヒートポンプを有する請求項1〜3の何れか一項に記載の水素供給システム。
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