本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。各実施例において、信号電荷として電子を用いる構成を例示するが、信号電荷としてホールを用いることも可能である。信号電荷として電子を用いる場合は、第1導電型がN型、第2導電型がP型である。ホールを信号電荷として用いる場合には、信号電荷が電子の場合に対して各半導体領域の導電型を逆の導電型とすればよい。
図1は本発明に係る固体撮像装置の一実施形態における断面の概略図である。101は、受光部や各トランジスタの半導体領域などが形成される半導体基板である。半導体基板101には、P型半導体基板、SOI基板などを使用することができる。半導体基板の第1主面側(図面上での下側)には、回路部102が配される。回路部102は各トランジスタ、電極、配線を含む。半導体基板101の第2主面側(図面上での上側)、すなわち回路部102とは反対側には、絶縁膜、保護膜等を介して、光学機能部が配される。本実施例は配線及びトランジスタが配される第1主面(表面)とは反対側、すなわち第2主面(裏面)側から光が入射する裏面入射型の固体撮像装置の構成になっている。
本実施例では光学機能部がマイクロレンズを含む。詳しくは後述するが、該マイクロレンズが光量低減手段として機能する。
次に半導体基板101に配される受光部の構造について説明する。図1に示されるように、半導体基板101の内部にN型半導体領域103B、103G、103Rが深さ方向に積層されて配されている。本明細書において、深さ方向は基板の表面、もしくは裏面に垂直な方向と定義する。また水平方向は深さ方向に直交する方向である。
N型半導体領域103B、103G、103Rは、それぞれP型半導体領域104とPN接合を形成している。最も裏面近傍に配されたN型半導体領域103Bには、青色の波長帯の光が光電変換されることによって生じた電子が主として収集される。裏面を基準として、N型半導体領域103Bより深くに配されたN型半導体領域103Gには、緑色の波長帯の光が光電変換されることによって生じた電子が主として収集される。裏面を基準として最も深くに配されたN型半導体領域103Rには、赤色の波長帯の光が光電変換されることによって生じた電子が主として収集される。本実施例においては、N型半導体領域103Bが特許請求の範囲に記載の第1半導体領域に相当し、N型半導体領域103Gが特許請求の範囲に記載の第3半導体領域に相当する。
このように、N型半導体領域103B、103G、103Rは、それぞれP型半導体領域104とフォトダイオードを構成することで、受光部として機能している。各受光部において、それぞれの深さに対応した波長域の光を検知する。
N型半導体領域105B、105Gは、それぞれN型半導体領域103B、103Gに収集された電荷を取り出すための読出し部である。N型半導体領域105Bは、半導体基板101の深さ方向に沿って、N型半導体領域103Bから表面に渡って延在している。N型半導体領域105Gは、半導体基板101の深さ方向に沿って、N型半導体領域103Gから表面に渡って延在している。N型半導体領域105B、105Gの不純物濃度は、それぞれN型半導体領域103B、103Gより高いことが好ましい。本実施例においては、N型半導体領域105Bが特許請求の範囲に記載の第2半導体領域に相当し、N型半導体領域105Gが第4半導体領域に相当する。
本実施例では、赤色の波長帯に対応するN型半導体領域103Rは、表面に配されているため、読出し部を必要としない。N型半導体領域103Rも表面から半導体基板101内部に埋め込まれた位置に配されてもよい。この場合は、N型半導体領域103Rに対応した読出し部を設ける。
読出し部はこのような形状、配置に限らず、受光部に生じた電子に基づく信号が読出し部を介して表面側に取り出されるための機能を備えていればよい。
本実施例では、深さ方向に積層された3つのN型半導体領域103B、103G、103Rと、N型半導体領域105B、105Gが1画素に含まれる。図1では2画素のみが示されているが、実際は複数の画素が線状、もしくは行列状に配されている。これは以下の実施例でも同様である。
回路部102は、各受光部に生じた電子に基づく信号を読み出すための回路を含む。回路部102の具体的な構成の一例を簡単に説明する。
N型半導体領域105B、105G、N型半導体領域103Rは、それぞれ転送MOSトランジスタTxB、TxG、TxRを介して増幅部の入力へ電気的に接続されている。増幅部の入力はリセットMOSトランジスタResを介して電源と接続可能となっている。各受光部に生じた電子は、各転送MOSトランジスタがオンすることで、読出し部を介して増幅部の入力に完全空乏転送することができる。
増幅部は増幅MOSトランジスタMで構成される。増幅MOSトランジスタMのゲートが入力であり、ソースとドレインは一方が電源に、他方が選択MOSトランジスタSELのソースもしくはドレインに接続されている。選択MOSトランジスタSELのソースドレインのうち、増幅MOSトランジスタMと接続されていない方の端子は、出力線に接続されている。
このような構成に限らず、各半導体領域が出力線と直接電気的に接続されていてもよい。
半導体基板101の裏面側には、光を集光するマイクロレンズ106が配される。マイクロレンズ106は受光部の配置に対応して配置される。本実施例においては、積層された3つの受光部毎に1つのマイクロレンズ106が配されている。すなわち、積層された3つの受光部の上部に、深さ方向に投影したときにそれぞれの受光部と重なるように1つのマイクロレンズ106が配されている。
本実施例においては、マイクロレンズ106の端部が、N型半導体領域105Bの上部に位置する。すなわち、マイクロレンズ106を深さ方向に投影したときに、その端部がN型半導体領域105Bと重なる。マイクロレンズ106は、裏面から距離を置いて配されてもよいし、裏面に直接配されていてもよい。
入射光はマイクロレンズ106の中央部に向かって集光される。このため、マイクロレンズ106の端部の下部に配されたN型半導体領域105Bに入射する光量は、マイクロレンズ106がない場合に比べて低減される。マイクロレンズ106がない場合の入射光量に対して、マイクロレンズ106が配されたことで低減された光量の比率が、入射する光量の低減率である。
N型半導体領域103Bに入射する光量はほとんど低減されないか、あるいはマイクロレンズ106に集光されて増加する。すなわち低減率がゼロに近いか、もしくは入射光量が低減せずに増加している。
このように、本発明の光量低減手段は、第2半導体領域に入射する光量の低減率が、第1半導体領域に入射する光量の低減率よりも高い。ここで、第1半導体領域に入射する光量はまったく低減されない、もしくは増加してもよい。また、光量低減手段は、第2半導体領域に入射する光を完全に遮断して、第2半導体領域に入射する光量をゼロにする構成も含む。
図2は本実施例の上面図である。図2には、N型半導体領域103B、103G、103R、及びN型半導体領域105B、103Gが示されている。
図に示されるように、3つのN型半導体領域103B、103G、103Rは、深さ方向に投影したときに重なるように配されている。N型半導体領域103B、103Gに対応して、読出し部であるN型半導体領域105B、105Gが配される。マイクロレンズ106は、上面図でみたときに、N型半導体領域103B、103G、103Rと重なるように配されている。
そして、上面図で見たときに、マイクロレンズ106の端部は、N型半導体領域105Bと重なっている。別の表現で言えば、マイクロレンズ106の端部を深さ方向に投影した場合にN型半導体領域105Bと重なる。
本実施例においては、最も裏面近傍に配されたN型半導体領域103Bが、水平方向について最も広い範囲を占めている。また、マイクロレンズ106は、その中心と、N型半導体領域103Bの中心がほぼ一致するように配されている。
図3は本実施例の水平方向のポテンシャル分布図である。図3(a)、(b)、(c)はそれぞれN型半導体領域103B、103G、103Rが位置する深さの、水平方向のポテンシャル分布を示している。すなわち、図1の直線A、直線B、直線Cに沿ったポテンシャル分布を示している。縦軸が電子に対するポテンシャル、横軸が水平方向の位置を示している。
図3(a)に示されるように、隣接する画素のN型半導体領域103Bの間には、P型半導体領域104によるポテンシャル障壁がある。そして、読出し部であるN型半導体領域105Bは、N型半導体領域103Bよりもポテンシャルが低くなっている。この深さでは、主に青色の波長帯の光が光電変換され、青色の信号電荷としてN型半導体領域103Bに収集される。
画素間のポテンシャル障壁に平坦な部分があると、そこで発生した電荷は深さ方向に拡散し、N型半導体領域103Gに混入する可能性がある。そのため、N型半導体領域103Bは水平方向に広範囲に延在しているほうが好ましい。
隣接する画素のN型半導体領域103B同士の間隔が短くなれば、ポテンシャル障壁の平坦な部分が少なくなり、電子はN型半導体領域103Gよりも、N型半導体領域103Bに到達しやすくなる。つまり同一画素内での混色を抑制することが可能となる。
混色を抑制する別の方法を説明する。マイクロレンズ106を、その中心と、N型半導体領域103Bの中心が一致するように配して、光がN型半導体領域103Bに入射するようにする。このような構成によれば、画素間のポテンシャル障壁に入射する光量自体が減少し、上述したN型半導体領域103Gへ混入する可能性のある電子そのものを少なくすることができる。
図3(b)には、N型半導体領域103Gが位置する深さにおける、水平方向のポテンシャル分布が示されている。読出し部であるN型半導体領域105Gは、N型半導体領域103Gよりもポテンシャルが低くなっている。また、N型半導体領域105GとN型半導体領域105Bとの間にはポテンシャル障壁がある。このように、N型半導体領域105GとN型半導体領域105Bとが電気的に分離されていることが好ましい。
この深さでは、主に緑色の波長帯の光が光電変換され、緑色の信号電荷としてN型半導体領域103Gに収集される。一方で、N型半導体領域105Bに光が入射すると、光電変換で発生した電荷は青色の信号電荷として収集されてしまう。
本実施例では、マイクロレンズ106の端部が、N型半導体領域105Bの上部に位置するような水平方向の位置関係となっているので、N型半導体領域105Bに入射する光量が減少する。したがって、緑色の信号電荷として収集されるべき電荷が、N型半導体領域105Bに混入することが少なくなる。
図3(c)にはN型半導体領域103Rが位置する深さにおける、水平方向のポテンシャル分布が示されている。図3(c)に示されるとおり、N型半導体領域105B、N型半導体領域105G、N型半導体領域103Rのそれぞれの間にはポテンシャル障壁がある。このように、N型半導体領域105B、N型半導体領域105G、N型半導体領域103Rは互いに電気的に分離されていることが好ましい。
この深さでは、主に赤色の波長帯の光が光電変換され、赤色の信号電荷としてN型半導体領域103Rに収集される。マイクロレンズ106が配されたことで、赤色の信号電荷がN型半導体領域105Bに混入することが少なくなる。
以上述べたように、本実施例は、マイクロレンズ106の端部が、深さ方向に投影したときにN型半導体領域105Bと重なるように配置されている。すなわち、上面図で見たときに、マイクロレンズ106とN型半導体領域105Bとが重なっている。このような構成によれば、N型半導体領域105Bに入射する光量が減るので、N型半導体領域105Bの裏面を基準とした深い位置で電荷が発生しない。したがって、色分離特性が向上する。
また本実施例は、N型半導体領域103Bとマイクロレンズ106の中心が水平方向においてほぼ同じ位置にある。このような構成によれば隣接する画素間のN型半導体領域103Bの間で電荷が発生することが少なくなる。したがってより色分離特性が向上する。
本発明に係る固体撮像装置の別の実施形態を図4に示す。図4は固体撮像装置の上面図である。実施例1と同様の機能を有する部分については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例は、上面図でみたときに、マイクロレンズ106の端部がN型半導体領域105B及びN型半導体領域105Gの両方の上部に位置する。また、隣接する画素同士のマイクロレンズ106が端部の一部を共有するように連続して配されている。このようにマイクロレンズ106の一部または全部が隣接画素のマイクロレンズと連続的に配されている場合、断面で見たときに谷になっている部分もマイクロレンズの端部に相当する。隣接するマイクロレンズが共有する端部が、N型半導体領域105B、105Gの上部に位置していることが好ましい。
実施例1のN型半導体領域105Bについて説明したのと同様に、本実施例においては、N型半導体領域105Gに入射する光量が少なくなる。したがって、N型半導体領域105Gにおいて、N型半導体領域103Rが配された深さで発生する電荷が減少する。すなわち、赤色の信号電荷として収集されるべき電荷が、緑色の電荷として収集されることが低減される。
以上に述べたように、本実施例は実施例1の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施例は、上面図で見たときに、N型半導体領域105Bの上部及びN型半導体領域105Gの上部にマイクロレンズの端部が位置している。このような構成によれば、N型半導体領域105Gに入射する光量を減らすことができるので、N型半導体領域105Gの裏面から深い位置で電荷が発生しない。したがって、色分離特性がさらに向上する。
図5は本発明に係る固体撮像装置の別の実施形態における断面の概略図である。実施例1〜2と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例は、光入射面である裏面側に遮光部107が配された構成である。以下に説明するとおり、本実施例においては遮光部107が光量低減手段として機能する。
遮光部107は光を透過しない材料で構成される。アルミなどの金属が用いられる。もしくは黒塗りの樹脂など光吸収材料でも良い。遮光部107はN型半導体領域105Bの上部に位置している。また、遮光部107を深さ方向に投影したときに、N型半導体領域105Bと重なるように水平方向の位置関係が定められる。少なくとも入射光の一部を遮る位置に配されればよい。
遮光部107によって入射光の一部が遮られ、N型半導体領域105Bに入射する光量を減少させることが可能となる。N型半導体領域105Bの深い領域で、緑色の波長帯や赤色の波長帯の光が光電変換されることが少なくなる。したがって、緑色や赤色の信号電荷として読み出されるべき電荷が、青色の信号電荷として読み出されることが少なくなる。
また、遮光部107は、隣接する画素のN型半導体領域103Bの間に配されてもよい。隣接する画素のN型半導体領域103Bの間の領域へ入射する光量を少なくすることが可能となり、N型半導体領域103Bが位置する深さで生じて、N型半導体領域103Gに混入する電荷が少なくなる。
以上述べたように、本実施例は、遮光部107が、深さ方向に投影したときにN型半導体領域105Bと重なるように配置されている。すなわち、上面図で見たときに、遮光部107とN型半導体領域105Bとが重なっている。
このような構成によれば、N型半導体領域105Bに入射する光量を減らすことが可能となるので、N型半導体領域105Bの裏面を基準として深い位置での電荷の発生を抑制することができる。したがって、色分離特性が向上する。
また遮光部107が隣接する画素のN型半導体領域103Bの間に配された構成とすれば、隣接する画素間のN型半導体領域103Bの間での電荷の発生を抑制することが可能となる。したがってより色分離特性が向上する。
本実施例の構成に加えて、実施例1または2のマイクロレンズを組み合わせることで、更に色分離特性の効果が高まる。
図6は本発明に係る固体撮像装置の別の実施形態における断面の概略図である。実施例1〜3と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例は、光入射面である裏面側に光導波路108が配された構成である。以下に説明するとおり、本実施例においては光導波路108が光量低減手段として機能する。
光導波路108はコア部109と、クラッド部110とで構成される。コア部109には光を透過する材料が用いられ、屈折率が小さい方が好ましい。クラッド部110にはコア部109に比べて屈折率の高い材料が用いられる。または、光を反射する材料が用いられても良い。
本実施例においては、クラッド部110がN型半導体領域105Bの上部に位置する。クラッド部110を深さ方向に投影したときに、クラッド部110とN型半導体領域105Bが重なっている。
入射光はクラッド部110によって反射されるので、N型半導体領域105Bに入射する光量を減少させることが可能となる。このため、N型半導体領域105Bの深い領域で、緑色の波長帯や赤色の波長帯の光が光電変換されることが少ない。結果として、緑色や赤色の信号電荷として読み出されるべき電荷が、青色の信号電荷として読み出されることが少なくなる。
本実施例において、光導波路108を深さ方向にある程度長く形成することで、入射した光の指向性が向上する。ある入射角で光導波路に入射した光が、クラッド部で反射、干渉される。そして、光が半導体基板の第2主面に到達した時点では、入射角の影響が弱められ、平行光に近い光になる。
受光部が積層された固体撮像素子では、斜め入射光が多いと色分離特性が悪化する。そのため深さ方向に長い光導波路を用いることで、色分離特性を向上させることが可能となる。
以上述べたように、本実施例は、クラッド部110が、深さ方向に投影したときにN型半導体領域105Bと重なるように配置されている。すなわち、上面図で見たときに、クラッド部110とN型半導体領域105Bとが重なっている。このような構成によれば、N型半導体領域105Bに入射する光量を減らすことができるので、N型半導体領域105Bの裏面を基準として位置での電荷の発生を抑制することができる。したがって、色分離特性が向上する。
本実施例の構成に加えて、実施例1または2のマイクロレンズを組み合わせることで、色分離特性の効果がさらに高まる。
図7は本発明に係る固体撮像装置の別の実施形態における断面の概略図である。実施例1〜4と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例では、裏面側に柱状のマイクロレンズ111が画素毎に配されている。以下に説明するとおり、本実施例においては柱状のマイクロレンズ111が光量低減手段として機能する。
隣接する画素のマイクロレンズ111の間にはエアギャップ部112が配される。エアギャップ部112は、深さ方向に投影したときにN型半導体領域105Bと重なるように配置されている。すなわち、上面図で見たときに、エアギャップ部とN型半導体領域105Bとが重なっている。
エアギャップ部112は真空状態であるか、窒素や大気が充填されている。エアギャップ部112と柱状マイクロレンズ111との屈折率の違いによって、エアギャップ部112に入射した光は、柱状マイクロレンズ111に集まる。
エアギャップ部はN型半導体領域105Bの上に配されているため、N型半導体領域105Bに入射する光量を減少させることが可能となる。このため、N型半導体領域105Bの深い領域で、緑色の波長帯や赤色の波長帯の光が光電変換されることを抑制することができる。結果として、緑色や赤色の信号電荷として読み出されるべき電荷が、青色の信号電荷として読み出されることが少なくなる。
マイクロレンズの形状が柱状であるため、入射した光の指向性が向上する。ある入射角でマイクロレンズに入射した光が、エアギャップ部で反射、干渉される。そして、光が半導体基板の第2主面に到達した時点では、入射角の影響が弱められ、平行光に近い光になる。
受光部が積層された固体撮像素子では、斜め入射光が多いと色分離特性が悪化する。そのため光の指向性が良いマイクロレンズを用いることで、色分離特性を向上させることが可能となる。
以上述べたように、本実施例では、柱状マイクロレンズ間のエアギャップ部112が、深さ方向に投影したときにN型半導体領域105Bと重なるように配置されている。すなわち、上面図で見たときに、エアギャップ部112とN型半導体領域105Bとが重なっている。
このような構成によれば、N型半導体領域105Bに入射する光量を減らすことができるので、N型半導体領域105Bの裏面から深い位置での電荷の発生を抑制することができる。したがって、色分離特性が向上する。
本実施例の構成に加えて、実施例3の遮光部や、実施例4の光導波路を組み合わせることで、色分離特性の効果がさらに高まる。
図8(a)は本発明に係る固体撮像装置の別の実施形態における断面の概略図である。実施例1〜5と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例では、隣接する画素間のN型半導体領域103Bが電気的に導通している。電気的に導通しているとは、隣接する画素間のN型半導体領域103Bの間にP型の半導体領域が存在しない場合が考えられる。さらにP型の半導体領域が存在していても、N型半導体領域103Bどうしの距離が十分に近く、空乏層がつながっている構成も、電気的に導通している構成に含まれる。
図8(a)では、点線でN型半導体領域103Bから広がる空乏層領域113が示されている。図8(a)が示すように、隣接する画素のN型半導体領域103Bは空乏層を介して電気的に導通している。
図8(b)には、N型半導体領域103Bが位置する深さにおける、水平方向のポテンシャル分布が示されている。すなわち、図8(a)の直線Dに沿ったポテンシャル分布図が示されている。縦軸に電子に対するポテンシャル、横軸の水平方向の位置をプロットしている。
図8(b)に示されるように、異なる画素のN型半導体領域103Bの間のポテンシャル障壁にはポテンシャルが平坦な部分がない。言い換えれば、異なる画素のN型半導体領域103Bの間には、電荷が水平方向に沿ってどちらかの画素に向かってドリフトするようなポテンシャル勾配が形成される。
ポテンシャル障壁にポテンシャルが平坦な部分があると、実施例1の説明で述べた通り、N型半導体領域103Gに電荷が混入してしまう。本実施例では、ポテンシャル障壁のポテンシャルが平坦な部分が少ないため、N型半導体領域103Gに電荷が混入することが少ない。
不純物拡散領域が隣接する画素に渡って延在している場合には、隣接する画素のN型半導体領域103Bの間の領域においても、深さ方向についてポテンシャルの障壁が形成される。そのため、N型半導体領域103Gに電荷が混入することが少なくなる。
図8(a)では、裏面側に実施例1と同様のマイクロレンズ106が配された構成が示されている。本実施例は、これに限らず他の実施例の構成を適用することができる。
以上に述べた通り、本実施例は実施例1〜5の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施例は、隣接する画素のN型半導体領域103Bが電気的に導通している。このような構成によれば、隣接する画素間のN型半導体領域103Bの間で発生した電荷が、N型半導体領域103Gに混入することが少なくなる。したがって色分離特性がさらに向上する。
本実施例は、N型半導体領域103Bが電気的に導通しているが、隣接する画素のN型半導体領域103Gが同様に電気的に導通していても良い。この場合、隣接する画素間のN型半導体領域103Gの間で発生した電荷が、N型半導体領域103BやN型半導体領域103Rに混入することが少なくなる。
図9(a)は本発明に係る固体撮像装置の別の実施形態における上面図である。実施例1〜6と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施例においては、上面図で見たときに、N型半導体領域103Bの中心がマイクロレンズ106の端部に位置している。また、同じく上面図で見たときに、N型半導体領域103Gの中心がマイクロレンズ106の端部に位置している。別の観点で見ると、1つのマイクロレンズ106が、2つのN型半導体領域103B上に配置されている。すなわち、マイクロレンズ106を深さ方向に投影したとき、2つのN型半導体領域103Bと重なるように、マイクロレンズ106が配されている。N型半導体領域103Gについても同様である。
読出し部であるN型半導体領域105B、105Gは、それぞれN型半導体領域103B、103Gの中心に配される。すなわち、マイクロレンズ106の端部は、深さ方向に投影したときに、N型半導体領域105B、105Gと重なる位置に配される。
図9(b)は、マイクロレンズ106、N型半導体領域103B、N型半導体領域105Bを示した上面図である。図9(b)に示されるように、マイクロレンズ106が、図の左右方向に隣接する2つのN型半導体領域103Bと重なっている。そして、上面図でみたときに、1つのマイクロレンズ106の端部に2つのN型半導体領域105Bが重なっている。
図9(c)は、マイクロレンズ106、N型半導体領域103G、N型半導体領域105Gを示した上面図である。N型半導体領域103Gは、N型半導体領域105Bが位置する場所を避けるような形状になっている。マイクロレンズ106が、図の上下方向に隣接する2つのN型半導体領域103Gと重なっている。そして、上面図でみたときに、1つのマイクロレンズ106の端部に2つのN型半導体領域105Gが重なっている。
図9(d)は、マイクロレンズ106、N型半導体領域103Rを示した上面図である。図9(d)が示すように、マイクロレンズ106とN型半導体領域103Rの中心は一致している。
図9(a)に示されるように、N型半導体領域105B、105Gは、それぞれN型半導体領域103B、103Gの中心に配されている。上面図でみたときに、N型半導体領域105Bと103Gとの位置関係は、正方面心格子状になっている。すなわち、4つのN型半導体領域105Bが正方形の頂点に配され、その中心に1つのN型半導体領域105Gが位置している。4つのN型半導体領域105Bの各々も、4つのN型半導体領域105Gを頂点とする正方形の中心に位置している。もっとも、周辺の画素についてはこの限りではない。
このような構成とすることで、隣接する読出し部同士の距離を大きくすることができる。読出し部であるN型半導体領域105B、105Gは不純物濃度が高いことが好ましい。不純物濃度が高いと、不純物は拡散しやすくなる。また不純物濃度が高いために、周囲のP型半導体領域104での空乏層の広がりも大きくなる。したがって、N型半導体領域105BとN型半導体領域105Gとの距離が近いと、両者が電気的に導通してしまう可能性がある。このため、隣接する読出し部の距離は大きいことが好ましい。
図10は、図9(b)の直線Eに沿った水平方向のポテンシャル分布であり、N型半導体領域103Bが位置する深さのポテンシャル分布を示している。縦軸が電子に対するポテンシャルで、横軸が水平方向に位置を示している。
本実施例では、1つのマイクロレンズ106の下に、2つのN型半導体領域103Bが配置されている。そのため、マイクロレンズ106の下部には、隣接するN型半導体領域103Bの間のポテンシャル障壁が存在する。図10では、ポテンシャル障壁はちょうどマイクロレンズ106の中心に位置している。マイクロレンズ106によって集光された光が光電変換されると、発生した電荷は図10で示された左右どちらかのN型半導体領域103Bに収集される。
本実施例では、1つのマイクロレンズ106が1つの画素に対応している。そこで、1画素からの青色信号を得るためには、図9(b)において左右に隣り合うN型半導体領域103Bからの信号の平均値を求めればよい。同様にして、1画素からの緑色信号を得るためには、図9(c)において上下に隣り合うN型半導体領域103Gからの信号の平均値を求めればよい。
本実施例において、1画素は隣接する左右の画素と共有する形で2つのN型半導体領域103Bを含んでいる。同じように、2つのN型半導体領域103Gを隣接する上下の画素と共有する形で含んでいる。
マイクロレンズ106の端部に読出し部であるN型半導体領域105B、105Gが配されている。このような構成において、各画素は隣接する画素と共有する形で、読出し部を含んでいる。
図9(a)〜(d)、図10では、裏面側に実施例1と同様のマイクロレンズ106が配された構成が示されている。本実施例は、これに限らず他の実施例の構成を適用することができる。
以上述べたとおり、本実施例は実施例1〜6の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施例は、N型半導体領域105Bと105Gとの間の距離を大きく取ることができる。このような構成によれば、N型半導体領域105Bと105Gとが電気的に導通することを少なくすることが可能なため、色分離特性がさらに向上する。
本発明の固体撮像装置をカメラシステムに適用した場合の一実施例について詳述する。撮像システムとして、デジタルスチルカメラやデジタルカムコーダーなどがあげられる。図11に、撮像システムの例としてデジタルスチルカメラに光電変換装置を適用した場合のブロック図を示す。
図11において、1はレンズの保護のためのバリア、2は被写体の光学像を固体撮像装置4に結像させるレンズ、3はレンズ2を通った光量を可変するための絞りである。4は上述の各実施例で説明した固体撮像装置であって、レンズ2により結像された光学像を画像データとして変換する。ここで、固体撮像装置4の基板にはAD変換器が形成されているものとする。7は固体撮像装置4より出力された撮像データに各種の補正やデータを圧縮する信号処理部である。そして、図11において、8は固体撮像装置4および信号処理部7に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部、9は各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部である。10は画像データを一時的に記憶する為のメモリ部、11は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部、12は撮像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。そして、13は外部コンピュータ等と通信する為のインターフェース部である。ここで、タイミング信号などは撮像システムの外部から入力されてもよく、撮像システムは少なくとも固体撮像装置4と、固体撮像装置から出力された撮像信号を処理する信号処理部7とを有すればよい。
本実施例では、固体撮像装置4とAD変換器とが同一基板に形成されている構成を説明したが、固体撮像装置4とAD変換器とが別の基板に設けられている場合であってもよい。また、固体撮像装置4と信号処理部7とが同一の基板上に形成されていてもよい。
以上のように、本発明に係る固体撮像装置をカメラシステムに適用することが可能である。本発明に係る固体撮像装置をカメラシステムに適用することにより、色分離特性が向上した画像を撮影することが可能となる。
各実施例において、3つの受光部が積層された構成の固体撮像装置について説明した。しかし、複数の受光部が積層されている構成であれば、本発明を適用することができる。たとえば、2つの受光部が積層された構成の裏面入射型固体撮像装置にも本発明は適用可能である。