JP6230312B2 - アーク溶接の開始方法および溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アーク溶接の開始方法に関し、特に、電極で発生させたアークにより母材とフィラ−ワイヤとを溶融させて溶接対象物を溶接するアーク溶接の開始方法およびそのアーク溶接の開始方法を実行する溶接装置に関する。
電気エネルギーを利用して溶接を行なうアーク溶接は、設備費用が比較的安価なことや作業性に優れるといったこともあり、広く用いられている(たとえば特開昭62−161471号公報参照)。
アーク溶接(以下、単に「溶接」という場合もある)では、電極に電圧および電流を供給し、電極と(金属性の)母材との間にアークを発生させ、そこに溶加材としてのフィラーワイヤを送給しながら溶接を行なう。
電極と母材との間にアークが発生すると、アークの熱により母材には溶融池が形成されはじめる(溶接開始)。フィラーワイヤは形成されはじめた溶融池に接触して溶融し、溶融池を成長させる。その後、電極を溶接方向に移動させ、フィラ−ワイヤを電極に追従させることで、母材の溶接対象箇所に沿って溶融池が形成されて行く。溶融池は、電極が遠ざかり温度が低下すると固化し、溶接ビードとなる(溶接終了)。
特開昭62−161471号公報
溶接方向において、フィラーワイヤは電極の後方に位置する。また、フィラーワイヤは、母材に溶融池が形成されはじめたタイミングで溶融池に接触しなければならない。そのため、溶接開始位置では、フィラーワイヤは、電極の後方であってフィラーワイヤの先端が母材表面から所定距離だけ離れたところに来るように位置決めされる。
この位置決めは、フィラーワイヤの先端が母材表面に接した状態から、フィラーワイヤを逆送給してその先端を引き戻すこと(リトラクト)によって行なわれる。位置決めの際は、フィラーワイヤと母材との間に電圧(検出電圧)を印加し、両者の間に電流(検出電流)を流すことによってフィラーワイヤ先端の基準位置(母材表面に接する位置)の検出を行なう。そのため、フィラーワイヤは、フィラーワイヤに検出電圧および検出電流を供給するコンタクトチップを通して送給される。フィラーワイヤは、コンタクトチップの先端から突出された状態となる。フィラーワイヤの先端を母材に近づけて行くと、両者が接触するタイミングで検出電流が流れ、検出電圧の変化が検出される。これによりフィラーワイヤ先端の基準位置が検出されるとともに、リトラクトが開始される。このリトラクトの量を適切に制御することによって、コンタクトチップの端からフィラーワイヤが突出している長さ(フィラーワイヤの突出し長さ)が適切に調整される。その結果、フィラーワイヤの先端と母材表面との距離は一定距離になる。
従来、フィラーワイヤの突出し長さ調整は、溶接開始位置で行なっていた。その場合、たとえば、溶接を繰り返し行ない溶接ビードを重ねて形成する多層盛り溶接では、前回の溶接によって生じた非金属物質であるスラグが母材の表面に付着して検出電流が流れないため基準位置の検出ができず、フィラーワイヤの突出し長さ調整ができなくなる恐れがある。また、多層盛り溶接でなくとも、母材を端から溶接するような場合、電極が母材の端部に位置するため、その後方にあるフィラーワイヤの下方には母材が存在せず、フィラーワイヤ先端の基準位置の検出が行なえないため、フィラーワイヤの突出し長さ調整ができない。
本発明の目的は、溶接開始位置によらず確実にフィラーワイヤの突出し長さ調整を行なうことを可能にしたアーク溶接の開始方法および溶接装置を提供することである。
本発明は、要約すると、消耗電極ワイヤで発生させたアークによって、母材と消耗電極ワイヤの溶接進行方向の後方に配置されるフィラーワイヤとを溶融させるアーク溶接の開始方法であって、母材上のアーク溶接開始位置とは異なる母材上の位置においてフィラーワイヤの先端を接触させてから予め定められた長さを引き戻してフィラーワイヤの突出し長さを調整するステップと、突出し長さが調整された後に、消耗電極ワイヤと前記フィラーワイヤとを保持する溶接トーチの位置を変更することによって、フィラーワイヤをアーク溶接開始位置に移動させるステップと、アーク溶接開始位置においてアークを発生させアークの熱によりフィラーワイヤと母材とを溶融させるステップとを含む。
好ましくは、フィラーワイヤの突出し長さを調整するステップは、多層肉盛り溶接において、2層目以降の溶接開始時に実行される
本発明の他のアーク溶接の開始方法は、消耗電極ワイヤで発生させたアークにより母材と前記消耗電極ワイヤの溶接進行方向の後方に配置されるフィラーワイヤとを溶融させるアーク溶接の開始方法であって、前記母材上のアーク溶接開始位置とは異なる位置において前記フィラーワイヤの先端を接触させてから予め定められた長さを引き戻して前記フィラーワイヤの突出し長さを調整するステップと、前記突出し長さが調整された後に、前記消耗電極ワイヤと前記フィラーワイヤとを保持する溶接トーチの位置を変更することによって、前記フィラーワイヤを前記アーク溶接開始位置に移動させるステップと、前記アーク溶接開始位置においてアークを発生させ前記アークの熱により前記フィラーワイヤと前記母材とを溶融させるステップと、突出し長さが調整される前に、アーク溶接開始位置において消耗電極ワイヤの先端位置を同じに保った状態で溶接トーチを回転させることによって、フィラーワイヤの先端をアーク溶接開始位置とは異なる位置に移動させるステップとを備える。移動させるステップは、消耗電極ワイヤの先端位置を同じに保った状態で溶接トーチを回転させることによってフィラーワイヤの先端を移動させる。
本発明は、他の局面では、上記のいずれかのアーク溶接の開始方法を制御装置に実行させて溶接を行なう溶接装置である。
本発明によると、溶接開始位置によらず確実にフィラーワイヤ突き出し長さ調整を行なうことができる。
実施の形態に共通する溶接装置のブロック図である。 トーチ移動機構の一例である溶接ロボットに溶接トーチおよびワイヤ送給装置が装着された具体的な形状を説明するための図である。 フィラーワイヤの先端部の母材からの距離Dを説明するための図である。 多層盛り溶接を説明するための図である。 実施の形態のアーク溶接方法における制御を説明するためのフローチャートである。 (多層盛りでない)通常の溶接を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、実施の形態に共通する溶接装置のブロック図である。なお、図1は、溶接装置が2ワイヤ溶接を行なう例を示すが、これには限定されない。たとえば、電極が消耗電極ワイヤでない溶接装置(たとえば、TIG溶接装置)などにも本発明は適用することができる。
図1を参照して、溶接装置100は、溶接トーチ14と、ワイヤ送給装置25,26と、電源装置22と、トーチ移動機構(ロボット)21と、制御装置27とを含む。溶接装置100は、消耗電極ワイヤ3と、フィラーワイヤ4とを用いた2ワイヤ溶接を行なう。
溶接トーチ14は、トーチ移動機構21に装着されている。トーチ移動機構21は、一般的にはロボットアームなどが使用されるが、他の機構であっても良い。溶接トーチ14は、コンタクトチップ1,2を有している。コンタクトチップ1には、消耗電極ワイヤ3が挿通可能な貫通孔が設けられている。コンタクトチップ2には、フィラーワイヤ4が挿通可能な貫通孔が設けられている。
2ワイヤ溶接においては、消耗電極ワイヤ3が図1中の矢印で示す溶接方向の前方に位置し、フィラーワイヤ4が溶接方向の後方に位置した状態で、溶接トーチ14がトーチ移動機構21よって溶接方向に移動される。
電源装置22は、溶接用電源23と、検出用電源24とを含む。溶接用電源23は、消耗電極ワイヤ3にアークを発生させるための電源であり、設定された溶接電圧および溶接電流に基づいてコンタクトチップ1に溶接電流および溶接電圧を供給する。コンタクトチップ1は、消耗電極ワイヤ3と導通している。したがって、消耗電極ワイヤ3には、コンタクトチップ1を経由して溶接用電源23から溶接電圧および溶接電流が供給される。
検出用電源24は、フィラーワイヤ4が母材8に接触したことを検出するための電源である。コンタクトチップ2は、フィラーワイヤ4と導通している。したがって、フィラーワイヤ4には、コンタクトチップ2を経由して検出用電源24から検出電圧および検出電流が供給される。検出用電源24は、フィラーワイヤ4と母材8との間に検出電圧Vtを印加する。検出電圧Vtが印加された状態でフィラーワイヤ4と母材8とが接触すると、検出電流Itが流れる。検出電流Itが流れると検出電圧Vtが変化する。検出用電源24は検出電圧Vtの変化を検出するとフィラーワイヤ4が母材8に接触したと判断する。検出用電源24は検出電流Itを検出してフィラーワイヤ4が母材8に接触したと判断することもできる。
制御装置27は、ワイヤ送給装置25,26と、電源装置22とトーチ移動機構21とを制御する。なお、制御装置27は、電源装置22とトーチ移動機構21に分割配置されても良く、複数のコンピュータが相互通信して実現されるものであっても良い。
図2は、トーチ移動機構の一例である溶接ロボットに溶接トーチおよびワイヤ送給装置が装着された具体的な形状を説明するための図である。
図2を参照して、トーチ移動機構21(以下、ロボット21と称する)のアームの先端に溶接トーチ14が装着される。また、ワイヤ送給装置25,26は、アーム上腕部の関節付近に装着される。
ワイヤ送給装置25は、消耗電極ワイヤ3を送給する。ワイヤ送給装置26は、フィラーワイヤ4を送給する。ワイヤ送給装置25,26は、各々が、モータなどの駆動源を有しており、消耗電極ワイヤ3とフィラーワイヤ4とを個別に送給することが可能である。
図3は、フィラーワイヤの先端部の母材からの距離Dを説明するための図である。図3を参照して、フィラーワイヤ4が送給されると母材と接触する点を点Pとすると、点Pとフィラーワイヤ4の先端との間の距離を距離Dとする。溶接開始時に距離Dが短すぎると、送給開始タイミングが早すぎることになり、溶融池が形成されていない母材8にフィラーワイヤ4が衝突してしまう。これは、フィラーワイヤ4の座屈や折損を生じるおそれがある。一方、溶接開始時に距離Dが長すぎると、フィラーワイヤ4の送給開始タイミングが遅すぎることになり、溶融池が形成されたにもかかわらずフィラーワイヤ4が供給されない箇所ができてしまう。この箇所に形成された溶接ビードは極端に肉痩せすることとなり、溶接割れなどの溶接欠陥の原因となってしまう。したがって、溶接開始時に距離Dを適切な値にしておくことが重要である。
しかし、最初にフィラーワイヤ4のコンタクトチップ2からの突き出し長さがわかっていなければ距離Dがいくらになっているのか不明である。したがって、少なくとも初回の溶接時には、フィラーワイヤ4を母材8に接触するまで送給し、接触した時点を距離Dがゼロであるとして、これを基準に所定長さだけ引き戻して距離Dを適切な値に設定する。以下、このようにフィラーワイヤ4のコンタクトチップ2からの突き出し長さを調整し、フィラーワイヤ4先端の位置決めを行なうことを、単に「フィラ−ワイヤ突き出し長さ調整」という場合もある。
上述のようにフィラーワイヤと母材との間に検出電流が流れるのを検出してフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行する場合、フィラーワイヤの先端は母材と通電しなければならない。
しかし、たとえば、多層盛り溶接においては、前回の溶接によって生じた非金属物質である(すなわち非導電性の)スラグが母材の表面に付着などする恐れがあり、その場合、フィラーワイヤの先端は母材と通電せず、フィラ−ワイヤ突き出し長さ調整が実行できなくなる。
本発明の実施の形態に係る溶接装置によれば、そのような多層盛り溶接においても、確実にフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行できるようになる。
図4は、多層盛り溶接を説明するための図である。ここでは、2枚の金属板をL字型に組み合わせてなる母材8Aを内側で溶接する。
1回目の溶接は、点P1から開始され、各金属板が互いに接する箇所に沿って行なわれる。これにより、点P1を起点とした溶接ビードが溶接方向に形成され、1回目の溶接が完了する。
2回目の溶接は、1回目の溶接によって形成された溶接ビードの表面と母材8Aとの交点である点P2から開始する。2回目の溶接により、1回目の溶接によって形成された溶接ビードに重ねて溶接ビードがさらに形成される。
3回目の溶接は、1回目の溶接によって形成された溶接ビードの表面と母材8Aとの交点である点P3から開始される。3回目の溶接により、1回目および2回目の溶接によって形成された溶接ビードに重ねて溶接ビードがさらに形成される。
4回目の溶接は、3回目の溶接によって形成された溶接ビードの表面と母材8Aとの交点である点P4から開始される。4回目の溶接により、3回目の溶接によって形成された溶接ビードに重ねて溶接ビードがさらに形成される。
このようにして溶接を繰り返し、溶接ビードを重ねていくことで、多層盛り溶接が完了する。なお、説明の便宜上、図4では溶接ビードの端部のみを示す。
この実施の形態では、溶接開始時に、各溶接開始位置(P1〜P4)とは異なる位置(点PT)でフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を行なう。点PTは、母材8A表面のうち、溶接ビードが形成されていない場所であればよい。また、点PTは、各溶接ごとに異なる位置であってもよく、たとえば、各溶接開始位置(P1〜P4)からそれぞれ所定距離だけ離れた位置PT1〜PT4(図示しない)としてもよい。
なお、図4では、説明の便宜上、点P1〜P4を母材8Aの端部に記載しているが、点P1〜P4(すなわち溶接開始箇所)は母材8Aの端部でなくともよい。
図5は、この実施の形態のアーク溶接方法における制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、図1および図2の制御装置27で実行される。なお、多層盛り溶接では溶接開始位置が各溶接で異なるため、n回目の溶接の開始位置をPnとし、図示する。
図1および図5を参照して、まず、点PTでフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整が実行されることにより、フィラーワイヤ4の先端の母材8Aからの距離が決定される(ステップS101)。具体的には、消耗電極ワイヤ3およびフィラーワイヤ4の先端が図4の点PTに移動した後、そこでフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整が実行される。
ステップS101においてリトラクトが実行された後、消耗電極ワイヤ3およびフィラーワイヤ4の先端は、溶接開始位置Pnに移動する(ステップS102)。
消耗電極ワイヤ3およびフィラーワイヤ4が溶接開始位置Pnに移動した後、n回目の溶接が開始される(ステップS103)。ここで、消耗電極ワイヤ3およびフィラーワイヤ4の移動は、たとえば、溶接トーチ14を母材8Aに対して平行に予め定められた距離移動させることによって行なう。
n回目の溶接が終了すると、n回目の溶接が終了回数であるかどうかが判断される(ステップS104)。この終了回数は多層盛り溶接の層数と同じであり、たとえば図4に示す多層盛り溶接ではn=4になる。
nが終了回数であると判断された場合(ステップS104でYES)、多層盛り溶接が終了する(ステップS106)。一方、nが終了回数でないと判断された(すなわちnが終了回数に達していない)場合、次の溶接(n+1回目の溶接)を行なうためにnをn+1として(ステップS105)、再びステップS101の処理が実行される。
このように、溶接開始位置とは異なる位置でフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行することにより、溶接開始位置においてスラグが母材の表面に付着などしている場合であっても、確実にフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行することができる。
上述の溶接開始方法の適用は、次に説明するとおり、多層盛り溶接に限られない。
図6は、(多層盛りでない)通常の溶接の一例を説明するための図である。ここでは、2つの金属ブロックを並べてなる母材8Bを溶接する。溶接は、母材8Bの端から開始し、各金属ブロックが互いに接する箇所に沿って行なわれる。
母材8Bの端から溶接を開始すると、溶接開始時、消耗電極ワイヤ3が母材8Bの端部に位置し、フィラーワイヤ4はその後方に位置する。そのため、フィラーワイヤ4の下方には母材8Bが存在せず、フィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行することができない。
そこで、フィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行する際は、溶接開始位置とは異なる位置(点PTA)でフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を行なう。具体的には、図5に示すフローチャートにおいて、n=1とした場合と同様の処理を行なう。ここで、図5のステップS103(消耗電極ワイヤ3およびフィラーワイヤ4の移動)においては、消耗電極ワイヤ3の先端位置を同じに保った状態で溶接トーチ14を回転させることによってフィラーワイヤ4の先端のみを移動させてもよい。その場合、ステップS101におけるフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整のために行われるフィラーワイヤ4の先端の点PTへの移動についても、溶接開始位置Pnにおいて消耗電極ワイヤ3の先端位置を同じに保った状態で溶接トーチ14を回転させることによってフィラーワイヤ4の先端のみを点PTに移動させて行なうとよい。
このように、母材の端部から溶接を開始する場合であっても、フィラーワイヤの先端を溶接開始位置とは異なる位置に移動させることにより、確実にフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整を実行することができる。
最後に、本発明の実施の形態について総括する。
図1、図5を参照して、本発明の実施の形態は、電極で発生させたアークにより母材とフィラーワイヤとを溶融させるアーク溶接の開始方法であり、母材(8)上のアーク溶接開始位置とは異なる位置においてフィラーワイヤ(4)の先端を接触させてから予め定められた長さを引き戻してフィラーワイヤ(4)の先端の母材からの距離を決定するステップ(S101)と、距離が決定された後に、フィラーワイヤ(4)をアーク溶接開始位置に移動させるステップ(S102)と、アーク溶接開始位置においてアークを発生させアークの熱によりフィラーワイヤ(4)と母材(8)とを溶融させるステップ(S103)とを含む。
好ましくは、電極は、消耗電極ワイヤ(3)であり、フィラーワイヤは、消耗電極ワイヤの溶接進行方向の後方に配置される。
好ましくは、消耗電極ワイヤ(3)およびフィラーワイヤ(4)は溶接トーチ(14)に保持される。アーク溶接の開始方法は、距離が決定される前に、アーク溶接開始位置において消耗電極ワイヤ(3)の先端位置を同じに保った状態で溶接トーチ(14)を回転させることによって、フィラーワイヤ(4)の先端をアーク溶接開始位置とは異なる位置に移動させるステップをさらに備える。移動させるステップ(S102)は、消耗電極ワイヤ(3)の先端位置を同じに保った状態で溶接トーチ(14)を回転させることによってフィラーワイヤ(4)の先端を移動させる。
本発明の実施の形態は、他の局面では、上記のいずれかのアーク溶接の開始方法を制御装置(27)に実行させて溶接を行なう溶接装置(100)である。
本発明の実施の形態によると、溶接開始位置においてスラグが母材の表面に付着などしている場合や、母材の端部から溶接を開始する場合であっても確実にフィラ−ワイヤ突き出し長さ調整(フィラーワイヤ先端の位置決め)を実行することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 コンタクトチップ、3 消耗電極ワイヤ、4 フィラーワイヤ、8,8A,8B 母材、14 溶接トーチ、21 トーチ移動機構(ロボット)、22 電源装置、23 溶接用電源、24 検出用電源、25,26,25,26 ワイヤ送給装置、27 制御装置、100 溶接装置。

Claims (4)

  1. 消耗電極ワイヤで発生させたアークによって、母材と前記消耗電極ワイヤの溶接進行方向の後方に配置されるフィラーワイヤとを溶融させるアーク溶接の開始方法であって、
    前記母材上のアーク溶接開始位置とは異なる前記母材上の位置において前記フィラーワイヤの先端を接触させてから予め定められた長さを引き戻して前記フィラーワイヤの突出し長さを調整するステップと、
    前記突出し長さが調整された後に、前記消耗電極ワイヤと前記フィラーワイヤとを保持する溶接トーチの位置を変更することによって、前記フィラーワイヤを前記アーク溶接開始位置に移動させるステップと、
    前記アーク溶接開始位置においてアークを発生させ前記アークの熱により前記フィラーワイヤと前記母材とを溶融させるステップとを含む、アーク溶接の開始方法。
  2. 前記フィラーワイヤの突出し長さを調整するステップは、多層肉盛り溶接において、2層目以降の溶接開始時に実行される、請求項1に記載のアーク溶接の開始方法。
  3. 消耗電極ワイヤで発生させたアークにより母材と前記消耗電極ワイヤの溶接進行方向の後方に配置されるフィラーワイヤとを溶融させるアーク溶接の開始方法であって、
    前記母材上のアーク溶接開始位置とは異なる位置において前記フィラーワイヤの先端を接触させてから予め定められた長さを引き戻して前記フィラーワイヤの突出し長さを調整するステップと、
    前記突出し長さが調整された後に、前記消耗電極ワイヤと前記フィラーワイヤとを保持する溶接トーチの位置を変更することによって、前記フィラーワイヤを前記アーク溶接開始位置に移動させるステップと、
    前記アーク溶接開始位置においてアークを発生させ前記アークの熱により前記フィラーワイヤと前記母材とを溶融させるステップと、
    記突出し長さが調整される前に、前記アーク溶接開始位置において前記消耗電極ワイヤの先端位置を同じに保った状態で前記溶接トーチを回転させることによって、前記フィラーワイヤの先端を前記アーク溶接開始位置とは異なる位置に移動させるステップとを備え
    前記移動させるステップは、前記消耗電極ワイヤの先端位置を同じに保った状態で前記溶接トーチを回転させることによって前記フィラーワイヤの先端を移動させる、アーク溶接の開始方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアーク溶接の開始方法を制御装置に実行させて溶接を行なう溶接装置。
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