JP6225060B2 - ベントナイト含有締固め土の養生方法、及び、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂 - Google Patents

ベントナイト含有締固め土の養生方法、及び、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、ベントナイト含有締固め土の養生方法、及び、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂に関する。
従来、廃棄物処分場等や地下に構築される構造物においては、水の浸入及び漏出を防止する目的で、ベントナイトを含有する止水層が設けられることが一般的である。この止水層は、有効な止水性能を発揮できるように、ベントナイトと水とを含んで撒き出したベントナイト含有土を高密度に締め固めて形成される。また、締め固められたベントナイト含有土(以下「ベントナイト含有締固め土」と呼ぶ。)は、密度分布が均一であることも要求される。
ところで、止水層の施工工事は、施工者の休養等の事情により、着工後に中断を伴いながら進行するのが通常である。このとき、仕掛かり中のベントナイト含有締固め土に対して何らの手当てをしない場合は、中断から再開までの期間内において、ベントナイト含有締固め土から水が蒸発してベントナイト含有締固め土の含水比が低下する。そして、含水比が低下するに従い、乾燥収縮によるひび割れや密度の変動が生じ、止水層としての性能品質の低下を招いてしまう。
そこで、ベントナイト含有締固め土の含水比を維持するための養生方法として、従来、工事を中断する際にビニールシートやコンパネ等でベントナイト含有締固め土の表面を覆って水の蒸発を抑制することが行われている(例えば、非特許文献1)。
公益財団法人 原子力環境整備促進・資金管理センター、平成23年度 管理型処分技術調査等事業 地下空洞型処分施設性能確証試験報告書、平成24年3月、3−55頁.
しかしながら、従来の養生方法では、工事再開時にビニールシートやコンパネを外してみると、その裏面には結露がみられる。すなわち、ベントナイト含有締固め土から水が蒸発することを十分に抑制することができていないといえる。従って、工事の中断期間中にベントナイト含有締固め土の含水比を維持するための、より良い養生方法が求められている。
そこで本発明は、ベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制することができ、且つ、工事の再開が容易であるベントナイト含有締固め土の養生方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂を提供することを目的とする。
本発明のベントナイト含有締固め土の養生方法は、ベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制するための養生方法であって、ベントナイトと水とを含んで撒き出されたベントナイト含有土を締め固めてベントナイト含有締固め土を構築する工程と、ベントナイト含有締固め土の露出表面に疎水性樹脂を適用し、露出表面を覆う疎水性樹脂の硬化膜を形成する工程と、を有する。
一般に、ベントナイト含有締固め土は、含有する水の表面張力によって土粒子同士が結びつけられており、土粒子同士の接点を取り巻く水は特にメニスカス水と呼ばれる。ベントナイト含有締固め土の表面におけるメニスカス水が蒸発等によって失われると、土粒子同士の結びつきが解けて、乾燥収縮によるひび割れや密度変動の原因となる。ここで、ベントナイト含有締固め土の露出表面に対して疎水性樹脂を適用すると、疎水性樹脂は露出表面のメニスカス水に溶け込まず、また、メニスカス水を土粒子から奪うこともない。更に、疎水性樹脂は水を透過させないので、露出表面に適用した直後から硬化膜を形成した後に至るまで、その内外間の水の移動(内側からの蒸発や外側からの浸入)の障壁として働く。そしてまた、疎水性樹脂の硬化膜は、工事再開時にはベントナイト含有締固め土の表面から容易に剥がすことができる。従って、本発明の養生方法によれば、ベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制することができ、且つ、工事の再開が容易である。
ここで、疎水性樹脂は、疎水性のエポキシ樹脂又は疎水性のシリコーン樹脂であることが好ましい。これらの樹脂は、ベントナイト含有締固め土の表面のメニスカス水に悪影響を与えることがなく、また、硬化膜を形成するのにも好適である。
硬化膜の厚さは、水の移動の障壁としての観点、及び、工事再開時の剥がしやすさの観点から、1〜3mmであることが好ましい。
また、本発明は、疎水性のエポキシ樹脂又は疎水性のシリコーン樹脂を含む、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂を提供する。疎水性のエポキシ樹脂又は疎水性のシリコーン樹脂が、ベントナイト含有締固め土の表面のメニスカス水に悪影響を与えずに適用でき硬化膜を形成することができるということ、及び、これによりベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制することができるということは、本発明者らによって新たに見出されたことである。
本発明によれば、ベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制することができ、且つ、工事の再開が容易であるベントナイト含有締固め土の養生方法を提供することができる。また、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂を提供することができる。
放射性廃棄物処分場の正断面図である。 ベントナイト含有土を撒き出している最中の坑道内の状態を示す断面図である。 ベントナイト含有土を撒き出している最中の坑道内の状態を示す断面図である。 ベントナイト締固め土を養生している最中の坑道内の状態を示す断面図である。 ベントナイト締固め土を養生している最中の坑道内の状態を示す断面図である。 ベントナイト締固め土の含水比低下率を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態として、放射性廃棄物を地層処分する施設におけるベントナイト系人工バリアを例にして説明する。なお、各図面では同一部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
はじめに、地下に形成される放射性廃棄物処分場の構築方法について説明し、その後、当該構築方法において実施されるベントナイト含有締固め土の養生方法について説明する。
<放射性廃棄物処分場の構築方法>
まず、放射性廃棄物処分場における止水層(ベントナイト含有締固め土)の形成に使用する止水材料について説明する。止水材料(ベントナイト含有土)は、ベントナイトを含有する固形分と水とを含む。また、ベントナイト以外の砂や土を含んでいてもよい。ベントナイト含有土の調製に使用するベントナイトとして、ベントナイト原鉱石から製造したものが挙げられる。
高い止水性能を得る観点から、ベントナイト含有土に含まれる固形分中のベントナイトの含有率(固形分の質量基準)は95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましい。更には、固形分が実質的にベントナイトのみからなることが最も好ましい。ベントナイトの含有率が95質量%未満であると、95質量%以上の場合と比較して、形成されるベントナイト含有締固め土の止水性能が低くなる傾向にある。ただし、ベントナイトの含有率は、地層処分におけるベントナイト含有締固め土に要求される役割に応じて、例えば15%〜30%程度としてもよい。
ベントナイトの含有率(固形分の質量基準)が95質量%以上の固形分を使用する場合、ベントナイト含有土の含水比は、15〜26%であることが好ましく、17〜23%であることがより好ましい。当該含水比が15%未満であると、ベントナイト含有土の付着性が不十分となり飛散しやすくなる。他方、当該含水比が26%を超えると、高密度のベントナイト含有締固め土を形成しにくくなる。ここで、ベントナイト含有土の含水比w(%)は、下記式(1)で定義されるものである。式中、Wはベントナイト含有土に含まれる水の質量、Wはベントナイト含有土に含まれるベントナイトや砂などの固形分の質量をそれぞれ示す。
w=(W/W)×100 …(1)
次に、図面を参照しながら、地中に構築する放射性廃棄物処分場のベントナイト含有締固め土を形成する方法について説明する。なお、図面の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
図1は、放射性廃棄物処分場の正断面図である。同図に示す放射性廃棄物処分場10は、放射性廃棄物を地層処分するためのものである。放射性廃棄物処分場10は、坑道1を有しており、坑道1内に放射性廃棄物2が埋められて廃棄される。坑道1は、例えばコンクリートによって形成されている。坑道1内には放射性廃棄物2を収容するための廃棄体収容部3が設けられている。放射性廃棄物2は、金属製の容器に収容された状態で廃棄体収容部3内に定置される。
廃棄体収容部3の周囲には、いわゆるベントナイト系人工バリアとして、ベントナイト含有土からなるベントナイト層5a〜5dが設けられている。ベントナイト層5a〜5dの更に外側には、例えばコンクリートからなる充填部11〜14が設けられている。廃棄体収容部3の周囲に設けられたベントナイト層5a〜5dにより、廃棄体収容部3に対する滴水、湧水等の地下水の浸入が防止される。
放射性廃棄物処分場10を構築するに際しては、廃棄体収容部3を坑道1内に載置するに先立ち、まず、図2に示されるように、坑道1の底面1a上及び左右側の壁面1b,1c上に充填部11,12,13をそれぞれ設ける。充填部12は、坑道1内に廃棄体収容部3を載置したときに、充填部12の壁面12aと廃棄体収容部3の壁面3b(図1参照)との間隔が1m〜2m程度となるように形成される。同様に、充填部13は、坑道1内に廃棄体収容部3を載置したときに、充填部13の壁面13aと廃棄体収容部3の壁面3cとの間隔が1m〜2m程度となるように形成される。充填部11〜13を形成した後、充填部11の上面11a上にベントナイト層5aを形成する。充填部11は、上面11aが略水平面となるように設けられている。
ベントナイト層5a〜5dの構築は、例えばベントナイト含有土の吹付けによって行うことができる。吹付けによるベントナイト含有土の撒き出しとしては、充填部11の上面11aに向けてベントナイト含有土をノズル9から噴射する。この撒き出しにおける吹付けは、いわゆる湿式吹付けによって行うことができ、所定の含水比となるように予め調製されたベントナイト含有土をホース8で圧縮空気とともにノズル9へと移送する。ホース8としては、内径が5cm以上のものを使用することが好ましい。なお、ここでは吹付けによってベントナイト含有土を撒き出す態様を説明しているが、他の方法でベントナイト含有土を撒き出してもよい。
ノズル9の先端と、上面11a又は既にベントナイト含有土が付着した面(吹付け対象面)との間の距離は500〜1000mmとすることが好ましい。また、吹付け圧(定常時)は0.3〜0.7MPaとすることが好ましい。
吹付けによる撒き出しによれば、吹付けられたベントナイト含有土が吹付け対象面と衝突して付着することで徐々に吹付け層15が形成されるため、吹付け層15の深度方向の密度が十分に均一となる。
ここで、最終的に形成されるベントナイト層5aの充填密度は、ベントナイト含有土の乾燥密度で1.6Mg/m以上であることが好ましい。このような高密度を達成するために、ベントナイト含有土を締め固める。ベントナイト含有土を締固める方法としては、上記吹付けが締固めを兼ねていてもよく、あるいは、吹付けその他の方法で撒き出したベントナイト含有土を敷き均し、転圧機で転圧する方法を採用してもよい。
締め固められたベントナイト含有土(ベントナイト含有締固め土)からなるベントナイト層5aに対し、底面3aが当接するように廃棄体収容部3を載置する。廃棄体収容部3を載置したら、図3に示されるように、充填部12と廃棄体収容部3との間にベントナイト含有土を吹付け、ベントナイト層5bを形成する。ノズル9を下方に向けた状態に保持し、坑道1内の下部から上部に向けて徐々にベントナイト含有土を充填する。充填部12と廃棄体収容部3との間にベントナイト層5bを形成したら、同様にして、充填部13と廃棄体収容部3との間にベントナイト層5cを形成する。
廃棄体収容部3の壁面3b,3cに対するベントナイト層5b,5cが形成されたら、廃棄体収容部3の上面3d上にもベントナイト層5aと同様にしてベントナイト層5dを形成する。その後、図1に示すように、ベントナイト層5dと坑道1の上側の壁面1dとの間の空間に充填部14を形成する。以上のようにして、放射性廃棄物処分場10が構築される。
<ベントナイト含有締固め土の養生方法>
(概要)
上記放射性廃棄物処分場10の構築において、吹付け層15を形成しているとき(図2参照)、及び、ベントナイト層5b等を形成しているとき(図3参照)、施工者の休養等の事情により、吹付け作業を中断することがある。このとき、図4及び図5に示されるように、吹付け層15及びベントナイト層5b等の露出表面に、疎水性樹脂の硬化膜30を形成することにより、工事の中断期間中の乾燥に対する養生を行う。ここで、「硬化膜」とは、疎水性樹脂が完全に硬化した状態の膜のほか、硬化し始めて粘性が低下しつつある状態の膜を含むものとする。
養生方法について、具体的には以下のとおりである。ベントナイト含有締固め土(吹付け層15及びベントナイト層5b等)は、施工した直後から水が蒸発し始めるため、何らの手当をしない場合はベントナイト含有締固め土の含水比が低下し、乾燥収縮によるひび割れや密度の変動が生じ、止水層としての性能品質が低下する。本実施形態の養生方法では、ベントナイト含有土を締め固めた直後に、そのベントナイト含有締固め土に対して、疎水性樹脂を塗布する。具体的には、液状樹脂の状態で、又は有機溶媒に溶解した溶液の状態で、ヘラ、刷毛、ローラ等で塗布する。塗布面積が広い場合は、スプレーで塗布してもよい。
塗布量は、塗布した箇所全体に疎水性樹脂の膜が形成される程度であればよく、例えば、塗布1回当たり0.6kg/m〜2.0kg/mが好ましく、1.3kg/m〜1.8kg/mがより好ましい。ベントナイト含有締固め土の露出表面の凹凸具合によっては、疎水性樹脂の膜に穴があく場合があることから、また、疎水性樹脂の膜の厚さを確保する必要性から、疎水性樹脂の塗布は複数回行ってもよい。ここで、疎水性樹脂を塗布した箇所において、ベントナイト含有締固め土の表面に疎水性樹脂の膜が形成されているか否かは、目視による光の屈折具合によって判断することができる。
塗布した疎水性樹脂の硬化方法としては、公知のものを利用することができる。例えば、有機溶媒に溶解していない場合は、樹脂の特性に応じて加熱や紫外線照射等によって硬化させることもでき、硬化剤との混合によって硬化させることもできる。また、有機溶媒に溶解して塗布した場合は、風乾で硬化させることができる。
硬化膜の厚さは、水の移動(内側からの蒸発や外側からの浸入)の障壁としての観点、及び、工事再開時の剥がしやすさの観点から、1mm〜3mmであることが好ましく、1.5mm〜2.0mmであることがより好ましい。
ベントナイト含有締固め土の養生後、硬化膜30を剥がし、ベントナイト含有締固め土の構築工事を再開する。
(疎水性樹脂)
上記疎水性樹脂について、より詳細に説明する。「疎水性樹脂」とは、液状樹脂の状態で、又は有機溶媒に溶解した溶液の状態で、ベントナイト含有締固め土の露出表面のメニスカス水と相互作用しない(例えば、メニスカス水に溶け込まず、また、メニスカス水を土粒子から奪わない。)でベントナイト含有締固め土の露出表面を覆う塗膜を形成することができ、硬化膜を形成するまでその塗膜を維持できるものをいう。各種樹脂がこのような「疎水性樹脂」に該当するか否かは、後述する実施例で示すとおり、簡易な試験で判別することができる。
疎水性樹脂は、水の移動を遮断する観点から、透水係数が10−10cm/sec〜10−5cm/secであることが好ましい。また、硬化膜を介した内外の水の移動の障壁として有効に機能するためには、塗布14日後における含水比の低下率が、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが好ましい。
本実施形態における疎水性樹脂に該当し得る樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。これらそれぞれの中でも、特に極性の低いものが好ましい。ベントナイト含有締固め土の露出表面のメニスカス水に悪影響を与えることがなく、また、硬化膜を形成するのにも好適なものとして、疎水性のエポキシ樹脂及び疎水性のシリコーン樹脂が挙げられる。疎水性のエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が特に好ましい。疎水性のシリコーン樹脂としては、ポリアルキルシロキサン及びポリアルキルアルコキシシロキサンが特に好ましい。
疎水性樹脂は、一液性であってもよく、主剤と硬化剤等とを要時混合する二液性であってもよい。また、硬化方法は、樹脂の特性に応じ、加熱、紫外線照射、硬化剤との混合等、種々の方法を採用することができる。また、固形樹脂を有機溶媒に溶解して用いる場合は、風乾でもよい。
疎水性樹脂(又はその溶液)は、塗布のしやすさ、及び、塗布後に流れ落ちずその場に留まる必要性の観点から、塗布する際の粘度が1000mPa・s〜3000mPa・sであることが好ましい。
疎水性樹脂は、硬化膜を形成したときに無色透明又は有色透明となるものが好ましい。透明であると、塗布したベントナイト含有締固め土の様子を目視で観察することができる。このとき、硬化膜が無色透明であると、より観察しやすい。硬化膜が有色透明であると、工事再開時に硬化膜を剥がし取る際、硬化膜が残っている箇所を色で特定しやすいという利点がある。
(作用効果)
本実施形態のベントナイト含有締固め土の養生方法では、ベントナイト含有締固め土の露出表面に対して疎水性樹脂を適用すると、疎水性樹脂は露出表面のメニスカス水に溶け込まず、また、メニスカス水を土粒子から奪うこともない。更に、疎水性樹脂は水を透過させないので、露出表面に適用した直後から硬化膜を形成した後に至るまで、その内外間の水の移動の障壁として働く。そしてまた、疎水性樹脂の硬化膜は、工事再開時にはベントナイト含有締固め土の表面から容易に剥がすことができる。従って、本実施形態の養生方法によれば、ベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制することができ、且つ、工事の再開が容易である。
このとき、疎水性樹脂が疎水性のエポキシ樹脂又は疎水性のシリコーン樹脂であると、これらの樹脂はベントナイト含有締固め土の露出表面のメニスカス水に悪影響を与えることがなく、また、硬化膜を形成しやすいので好適である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではベントナイト含有締固め土の水平な床面に対して疎水性樹脂を塗布する態様を示したが、疎水性樹脂は垂直面に塗布することもできるし、天井面に塗布することもできる。また、上記実施形態では、本発明の適用対象として放射性廃棄物処分場の構築における人工バリアとしてのベントナイト含有締固め土を例に挙げたが、一般廃棄物処分場の遮水ライナーの構築におけるベントナイト含有締固め土等に対しても本発明を適用することができる。
本発明の養生方法について、小規模試験及び実規模試験を実施した。それぞれ実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<小規模試験>
ベントナイトを含む土(ベントナイト含有率70%)と水とを、含水比が20%となるように混合した。このベントナイト含有土を吹付けによって締め固めた。これを以下の試験に供した。
[実施例1]
上記締固め土に対し、エポキシ樹脂(商品名:クリスタルレジンII、日新レジン社製、二液性(主剤:脂肪族グリシジルエーテル類、硬化剤:ポリアミン類))をヘラで2回塗布した(塗布量は2回塗布の合計として1.83kg/m)。塗布後、24〜36時間後に完全に硬化した。硬化膜の厚さは1.7mmであった。塗布直後から14日経過後までの重量を測定し、含水比の低下率を求めた。その結果を図6に示す。試験は二度行い、それぞれ実施例1−1、実施例1−2とした。測定期間中、締固め土の表面にひび割れは生じなかった。
[実施例2]
上記締固め土に対し、エポキシ樹脂(商品名:GM−1508、ブレニー技研社製、二液性(主剤:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ブチルジグリシジルエーテル等を含む組成物、硬化剤:変性脂肪族ポリアミン類、ノニルフェノール等の混合物))をヘラで2回塗布した(塗布量は2回塗布の合計として1.30kg/m)。塗布後、約12時間後に完全に硬化した。硬化膜の厚さは1.2mmであった。塗布直後から14日経過後までの重量を測定し、含水比の低下率を求めた。その結果を図6に示す。試験は二度行い、それぞれ実施例2−1、実施例2−2とした。測定期間中、締固め土の表面にひび割れは生じなかった。
[実施例3]
上記締固め土に対し、シリコーン樹脂(商品名:TSE399、モメンティブジャパン社製、ポリアルキルアルコキシシロキサン、ポリアルキルシロキサンシリカ及びジアルキルスズ化合物等を含む組成物)をヘラで2回塗布した(塗布量は2回塗布の合計として1.52kg/m)。風乾させたところ、約10分後に表面が硬化し、約5日後に完全に硬化した。塗布直後から8日経過後までの重量を測定し、含水比の低下率を求めた。その結果を図6に示す。試験は二度行い、それぞれ実施例3−1、実施例3−2とした。測定期間中、締固め土の表面にひび割れは生じなかった。
[実施例4]
上記締固め土に対し、シリコーン樹脂(商品名:TSE389、モメンティブジャパン社製、ポリアルキルシロキサン・オキシムシランシリカ及びジアルキルスズ化合物等を含む組成物)をヘラで2回塗布した(塗布量は樹脂として2回塗布の合計として1.63kg/m)。風乾させたところ、約10分後に表面が硬化し、約5日後に完全に硬化した。塗布直後から8日経過後までの重量を測定し、含水比の低下率を求めた。その結果を図6に示す。試験は二度行い、それぞれ実施例4−1、実施例4−2とした。測定期間中、締固め土の表面にひび割れは生じなかった。
[比較例1]
上記締固め土に対し、何らの養生をすることなく、締固めから13日経過後までの重量を測定し、含水比の低下率を求めた。その結果を図6に示す。試験は二度行い、それぞれ比較例1−1、比較例1−2とした。締固めから10日後に、締固め土の表面にひび割れが生じた。
[その他の実験例]
上記締固め土を三つ用意し、シラン・シロキサン系樹脂(商品名:マジカルリペラー、旭化成ジオテック社製)、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物(商品名:クラックセイバー、太平洋マテリアル社製)、及び、アクリル・シリコン合成樹脂(商品名:密着シーラー、カンペパピオ社製)をそれぞれ刷毛で1回塗布した。いずれの締固め土も、塗布表面が膨潤し、塗膜を形成することができなかった。
また、上記締固め土を二つ用意し、ウレタン樹脂(商品名:屋内用ニス、ワシン社製)、及び、ウレタン樹脂(商品名:屋外用ニス、アサヒペン社製)をそれぞれ刷毛で1回塗布した。いずれの締固め土も、塗布した樹脂が染み込み、塗膜を形成することができなかった。
また、上記締固め土を二つ用意し、シリコーン樹脂(商品名:マジカルウォーター、スリーボンド社製、二液性(いずれもシリコーン樹脂))、及び、アルコール型シリコーン樹脂(商品名:KR−401、信越化学社製)をそれぞれヘラで2回塗布した。いずれの締固め土も、塗布直後には塗膜が形成されたが、1日経過後には塗膜が消失していた。
これらの樹脂は、いずれも締固め土の表面に硬化膜を形成するには至らなかったといえる。
<実規模試験>
[実施例5]
ベントナイトを含む土(ベントナイト含有率100%)と水とを、含水比が20%となるように混合した。このベントナイト含有土を用いて、幅1m×高さ3.2m×奥行2.7mのベントナイト系人工バリアを吹付けによって構築した。
このベントナイト系人工バリアに対し、実施例1で用いたエポキシ樹脂を刷毛で塗布し(1.8kg/m)、厚さ2mmの硬化膜を形成させた。一カ月後、四カ月後及び一年後に表面観察したとき、いずれもベントナイト含有締固め土の壁面にひび割れが生じていなかった。
[比較例2]
実施例5と同様のベントナイト含有締固め土の壁面に対してビニールシートで養生した場合、8日経過後に表面に多数のひび割れが生じていた。
5a,5b,5c,5d…ベントナイト層(ベントナイト含有締固め土)、15…吹付け層(ベントナイト含有締固め土)、30…硬化膜。

Claims (4)

  1. ベントナイト含有締固め土の含水比の低下を抑制するための養生方法であって、
    ベントナイトと水とを含んで撒き出されたベントナイト含有土を締め固めてベントナイト含有締固め土を構築する工程と、
    前記ベントナイト含有締固め土の露出表面に疎水性樹脂を適用し、前記露出表面を覆う前記疎水性樹脂の硬化膜を形成する工程と、を有する、ベントナイト含有締固め土の養生方法。
  2. 前記疎水性樹脂は、疎水性のエポキシ樹脂又は疎水性のシリコーン樹脂である、請求項1記載の養生方法。
  3. 前記硬化膜の厚さは、1〜3mmである、請求項1又は2記載の養生方法。
  4. 疎水性のエポキシ樹脂又は疎水性のシリコーン樹脂を含む、ベントナイト含有締固め土の養生用疎水性樹脂。
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