JP6223174B2 - 操作具カバー - Google Patents

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Description

本発明はスイッチなどの操作具を開閉自在に覆う揺動式の操作具カバーに関する。
揺動式の操作具カバーにおいて求められる機能の一つにトグル動作がある。トグル方式で揺動開閉する操作具カバーはクリック感があって操作感覚に優れているからである。
第1の従来例として特許文献1(特開2001−238018号公報)においては、ファクシミリ等の事務機器における操作パネルの開閉カバーが示されている(段落[0011]〜[0015]および図1、図2参照)。それは、ワンタッチキーなどの特殊機能操作キーを開閉可能に覆うものである。この公報で例示されているのは切換用プレートに関してであるが、切換用プレートの構造を開閉カバーに適用する場合も含めている(段落[0024]参照)。開閉カバーの基部のヒンジ部はスプリング軸で回動自在に支持されている。ヒンジ部にはストッパーカム部が設けられ、トグル動作の基礎となっている。開閉カバーの開き姿勢においてストッパーカム部が固定部であるパネル面に対して当接しスプリング軸が変形することによる弾性復元力すなわち付勢力により開閉カバーをその開き姿勢に保持するようになっている(段落[0018]〜[0023]参照)。
また、第2の従来例として特許文献2(特開2005−184462号公報)においては、パネルカバーを開き姿勢と閉じ姿勢の双方で保持するようになっている(段落[0006]、[0008]参照)。そのための構成として、パネルカバーの本体(本体カバー)の基部にカム作用をする膨大部が形成され、その膨大部に作用する板ばね部材が固定部であるパネル部に取り付けられている(段落[0013]〜[0015]および図2、図3参照)。
また、第3の従来例として特許文献3(特開2006−75406号公報)においては、カバー扉を開き姿勢と閉じ姿勢の双方で保持するようになっている(段落[0011]、[0021]参照)。そのための構成として、カバー扉の基部にカムが形成され、そのカムに作用する板ばねが固定部であるシャーシに取り付けられている(段落[0035]〜[0037]および図5〜図8参照)。
また、第4の従来例として特許文献4(特開2013−184727号公報)においては、トグル構造をもつ容器のキャップが開示されている。
特開2001−238018号公報 特開2005−184462号公報 特開2006−75406号公報 特開2013−184727号公報
上記で説明した第1の従来例(特開2001−238018号公報)の技術にあっては、切換用プレートの構造転用後の開閉カバーの閉じ姿勢において、その開閉カバーのストッパーカム部は固定部であるパネル面に対しては当接しない(段落[0019]参照)。したがって、操作具である操作キーを開閉自在に覆う開閉カバーは閉じ姿勢においてパネル面に単純に当接しているだけで、付勢力をもってパネル面に押圧されているものではない。そのため、この構造の開閉カバーでは閉じ姿勢にあるときに小さな操作力で簡単に開放することが可能となっている。よって、スイッチ等の操作具に対する針金・ワイヤなどを用いた不正な操作を許してしまうおそれがある。また、この特許文献1では、開閉カバーを開き姿勢に保持するための付勢手段に関して、開閉カバーの本体とストッパーカム部とが相対変位不可の一体物となっている(段落[0008]および図2参照)ことから、付勢手段は開閉カバーとは別体物としなければならない。すなわち、その付勢手段として、軸心方向に対して垂直方向に弾性的に撓む特別な性状のスプリング軸を用いており、構造の複雑化を招いている。
また、上記で説明した第2の従来例(特開2005−184462号公報)の技術にあっては、パネルカバーを開き姿勢と閉じ姿勢の双方で保持するものの、パネルカバーの本体(本体カバー)とカム作用をする膨大部とが相対変位不可の一体物となっている(段落[0016]参照)ことから、パネルカバーを開き姿勢に保持するための付勢手段はパネルカバーとは別体物としなければならず、板ばね部材を用いている。さらに、この板ばね部材を固定部であるパネル部に取り付けるための固定手段(ビス)およびビス孔も必要とし、構成部品点数が多くなっている。
また、上記で説明した第3の従来例(特開2006−75406号公報)の技術にあっては、カバー扉を開き姿勢と閉じ姿勢の双方で保持する機能は有している(段落[0011]、[0021]、[0048]〜[0053]参照)ものの、カバー扉の本体とカムとが相対変位不可の一体物となっている(図5参照)ことから、カバー扉を開き姿勢に保持するための付勢手段はカバー扉とは別体物としなければならず、板ばねを用いている。さらに、この板ばねを固定部としてのシャーシに取り付けるが、シャーシに取付孔を形成し、エンボス加工を施し、挟持するための爪を切り起こすなど構成部品点数が多く構造が複雑なものになっている(段落[0035]〜[0037]および図4参照)。
また、第4の従来例(特開2013−184727号公報)の技術では、そのトグル構造において弾性力を発現する結合片(3a)がカバー本体に相当するオーバーキャップ(2)に対しても固定部に相当するキャップ本体(1)に対しても固定的に連結されており、これが原因で付勢力として充分に大きな力を発現できるものとはなっていない。つまり、閉じ方向への付勢力も開き方向への付勢力もともに不足しがちとなっている。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、操作具を覆う状態と開放する状態とに切り替え可能な揺動式の操作具カバーにつき、開き姿勢も閉じ姿勢も強力かつ安定的に保持するようにして、操作具への不正な操作に対する高い閉鎖保護機能をもたせ、部品点数の削減と構成の簡素化を図りつつ、優れた操作感覚をもたせることを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明による操作具カバーは、
外部の固定部に取り付けられる操作具を覆う状態と開放する状態とに切り替え可能な揺動式の操作具カバーであって、
前記固定部に接触する閉じ姿勢で前記操作具を閉鎖的に覆うカバー本体と、
前記カバー本体の操作力点部とは反対側の端部が前記固定部において一定軸心周りに回動自在に支持される被支持部と、
前記カバー本体に連設された弾性カム作用部とを備え、
前記弾性カム作用部は、その遊端側で前記固定部に対して押圧状態で摺動する作用点が
、前記カバー本体の閉じ姿勢で、前記軸心から前記固定部へ下した仮想垂線に関して反操作具側領域に位置し、かつ前記カバー本体の閉じ姿勢から開き姿勢への前記軸心周りの揺動に伴って前記仮想垂線に関して操作具側領域に移動する形態に構成され
かつ、
前記被支持部は前記カバー本体の両側の側板部それぞれを延出した一対の板状腕部の延出側端部に設けられており、
前記弾性カム作用部は前記両側一対の板状腕部の間でこれら板状腕部とは分離された状態で前記カバー本体に連設されていることを特徴としている。
この構成においては、弾性カム作用部は操作具カバーを開き方向および閉じ方向に付勢する弾性作用と、付勢力がゼロとなる中立領域を挟んでのトグル動作をもたらすカム作用とを兼ね備えたものとなっている。
カバー本体の閉じ姿勢と中立領域とにわたる揺動範囲では、軸心から固定部への仮想垂線に関して弾性カム作用部が反操作具側領域に位置するから、弾性カム作用部は操作具カバーを閉じ方向へ付勢することになる。詳しくは、反操作具側領域の前半(閉じ姿勢からの開き方向揺動角度が小さい範囲)では揺動角が増えるに従って閉じ方向への付勢力(開き操作に逆らう力)が増加し、反操作具側領域の後半(開き方向揺動角度が大きい範囲)では揺動角が増えるに従って閉じ方向への付勢力が減少する。そして、中立揺動範囲(ある程度の大きさの角度範囲)では、付勢力は開き方向でも閉じ方向でもゼロとなる。さらに、カバー本体の中立領域と開き姿勢とにわたる揺動範囲では、軸心からの仮想垂線に関して弾性カム作用部が操作具側領域へ移動するから、弾性カム作用部は操作具カバーを開き方向へ付勢することになる。詳しくは、操作具側領域の前半(中立領域を越えた開き方向揺動角度が小さい範囲)では揺動角が増えるに従って開き方向への付勢力が増加し、操作具側領域の後半(中立領域を越えた開き方向揺動角度が大きい範囲)では揺動角が増えるに従って開き方向への付勢力が減少する。
上記の説明は閉じ姿勢から完全開き姿勢の側に向けての動作推移に沿ったものであるが、逆に完全開き姿勢から閉じ姿勢の側に向けての動作推移に沿って説明すると、次のようになる。
カバー本体の完全開き姿勢と中立領域とにわたる揺動範囲では、軸心からの仮想垂線に関して弾性カム作用部が操作具側領域に位置するから、弾性カム作用部は操作具カバーを開き方向へ付勢することになる。詳しくは、操作具側領域の前半(完全開き姿勢からの閉じ方向揺動角度が小さい範囲)では揺動角が増えるに従って開き方向への付勢力(閉じ操作に逆らう力)が増加し、操作具側領域の後半(閉じ方向揺動角度が大きい範囲)では揺動角が増えるに従って開き方向への付勢力が減少する。そして、中立揺動範囲では、付勢力は閉じ方向でも開き方向でもゼロとなる。さらに、カバー本体の中立領域と閉じ姿勢とにわたる揺動範囲では、軸心からの仮想垂線に関して弾性カム作用部が反操作具側領域に移動するから、弾性カム作用部は操作具カバーを閉じ方向へ付勢することになる。詳しくは、反操作具側領域の前半(中立領域を越えてからの閉じ方向揺動角度が小さい範囲)では揺動角が増えるに従って閉じ方向への付勢力が増加し、反操作具側領域の後半(中立領域を越えてからの閉じ方向揺動角度が大きい範囲)では揺動角が増えるに従って閉じ方向への付勢力が減少する。しかし、カバー本体が固定部に当接した閉じ姿勢にあっても閉じ方向への付勢力は存在し、固定部に密着的に押し付けられる。
以上のように本発明の操作具カバーにおいては、カバー本体が固定部に接触した閉じ姿勢において弾性カム作用部が固定部を弾性的に押圧することにより、閉じ姿勢でなおも閉じ方向への付勢力を発現する弾性カム作用部を備えている。これにより、カバー本体の閉じ姿勢で弾性カム作用部が固定部を弾性的に押圧する結果として、弾性カム作用部が固定部から受ける反力がカバー本体を固定部に弾性的に押圧する。つまり、操作具カバーはその閉じ姿勢においてさらに閉じ方向に付勢され、固定部に密着的に押し付けられる。よって、カバー本体による操作具に対する閉鎖保護機能は充分高いものとなり、操作具への不正な操作に対する高い保安性が確保される。
開き方向へも閉じ方向へも付勢力がゼロとなる中立領域に関して一方側(操作具存在側)の揺動範囲での付勢力方向と他方側(反操作具存在側)の揺動範囲での付勢力方向とが反転するという動作がトグル動作である。すなわち、閉じ姿勢にあった操作具カバーを開き操作し中立領域を越えてさらに開き揺動すると、そのとき固定部に対する弾性カム作用部の作用点は仮想垂線に関して操作具側領域に位置するので弾性カム作用部は操作具カバーに対して開き方向への付勢力を与える。その結果、カバー本体の操作力点部に与えていた開き操作力を解除しても、中立領域から開き方向へ越えた操作具カバーは付勢力をもって完全開き姿勢へと進んでゆくことになる。完全開き姿勢から中立領域までの閉じ方向への揺動においては、操作具カバーを元の完全開き姿勢へと復帰させようとする力が作用するため、意識的に閉じ操作を行わない限り操作具カバーが不測に閉じてしまうといった現象は生じない。つまり、操作具カバーはその開き姿勢に強力かつ安定的に保持される。
また逆に、完全開き姿勢にあった操作具カバーを閉じ操作し中立領域を越えてさらに閉じ揺動すると、そのとき固定部に対する弾性カム作用部の作用点は仮想垂線に関して反操作具存在側に位置するので弾性カム作用部は操作具カバーに対して閉じ方向への付勢力を与える。その結果、カバー本体の操作力点部に与えていた閉じ操作力を解除しても、中立領域から閉じ方向へ越えた操作具カバーは付勢力をもって閉じ姿勢へと進んでゆくことになる。閉じ姿勢から中立領域までの開き方向への揺動においては、操作具カバーを元の閉じ姿勢へと復帰させようとする力が作用するため、意識的に開き操作を行わない限り操作具カバーが不測に開いてしまうといった現象は生じない。つまり、操作具カバーはその閉じ姿勢に強力かつ安定的に保持される。
以上のような動作態様のため、正規の資格を有しない者が隙間からの針金挿入など不正な方法で操作具を許可なく操作しようとして操作具カバーを開けようとしても、閉じ方向への付勢力のために簡単には開けることができない。すなわち、操作具カバーで覆っている操作具に対する不正な操作について、高い保安機能を有するものとなっている。
また、中立領域を挟んでその両側範囲を含む揺動というトグル動作の態様をとっており、しかもそのトグル動作が、〔閉じ方向への反力増加‐閉じ方向への反力減少‐中立領域での反力ゼロ‐開き方向への反力増加‐開き方向への反力減少〕の推移あるいはこれの逆の推移をたどるものであり、その特殊な操作感覚ゆえに操作面での手ごたえ(クリック感)があり、操作性に優れている。
以上のように本発明による操作具カバーは、カバー本体と被支持部と弾性カム作用部とで構成された部品点数の少ない簡素な構造でありながら、上記の通り開き姿勢も閉じ姿勢も強力かつ安定的に保持できる、しかも特異な操作感覚を伴うものとなっている。このような優れた作用を発揮することができるのは、操作具カバーに付勢力を与える弾性部材が従来例のように固定部の側に設けられているのではなく、カム作用部材と兼用される弾性カム作用部としてカバー本体の側に設けられ、さらに、弾性カム作用部が固定部に対して作用する形態につき、弾性カム作用部の遊端側の作用点が固定部に対して押圧状態で摺動するようになっていて、揺動の軸心からの仮想垂線に関して反操作具側領域と操作具側領域との間にわたって移動するという特異な構造を有しているためである。
さらに、前記の被支持部については、カバー本体の両側の側板部それぞれを延出した一対の板状腕部の延出側端部に設けられており、前記の弾性カム作用部は両側一対の板状腕部の間でこれら板状腕部とは分離された状態でカバー本体に連設されている。カバー本体両側の側板部を延長して一対の板状腕部を形成することは、カバー本体を回動軸心周りに揺動させる構造を強度の高いものとでき、その一対の板状腕部の間に弾性カム作用部を配設することは、固定部から弾性カム作用部が受ける反力に基づく付勢作用を強力で安定したものとしやすい。すなわち、前述のトグル動作における中立領域での手ごたえ(クリック感)のある優れた操作感覚にとって有利である。
本発明によれば、操作具を開閉自在に覆う揺動式の操作具カバーにつき、開き姿勢も閉じ姿勢も強力かつ安定的に保持するようにして、操作具への不正な操作に対する高い閉鎖保護機能をもたせることができるとともに、部品点数の削減と構成の簡素化を図りつつ、優れた操作性をもたせることができる。
さらに、カバー本体を揺動させる構造を高強度にでき、付勢作用を強力で安定したものとしやすく、トグル動作における中立領域での手ごたえ(クリック感)を優れたものにしている。
本発明の実施例の操作具カバーの使用状態における閉じ姿勢を示す斜視図 本発明の実施例の操作具カバーの使用状態における中立姿勢を示す斜視図 本発明の実施例の操作具カバーの使用状態における完全開き姿勢を示す斜視図 本発明の実施例の操作具カバーを裏返して示す斜視図(a)、操作具カバーの側面図(b)、操作具カバーの縦断正面図(c)および操作具カバーの底面図(d) 本発明の実施例において弾性カム作用部による付勢力(自発移動力)の変化について力学的な解析を行うための模式図 本発明の実施例において力学的な解析で得られるデータ表 本発明の実施例において力学的な解析で得られる特性曲線図 本発明の実施例における操作具カバーの動作説明図 本発明の別の実施例の操作具カバーの縦断正面図(a)、平面図(b)、裏返して下側から見た斜視図(c)、上側から見た斜視図(d) 本発明のさらに別の実施例の操作具カバーの平面図(a)、側面図(b)、上側から見た斜視図(c)、下側から見た斜視図(d) 被支持部を構成する軸体の構成を工夫した実施例を示す一部破断の平面図(a)、その要部の拡大図(b)、軸体部分を取り出して示す斜視図(c) 特別なロック機構を設けた比較例の操作具カバーを示す一部破断の正面図 特別なロック機構を設けた別の比較例の操作具カバーを示す斜視図
上記構成の本発明の操作具カバーには、次のようないくつかの好ましい態様がある。
記の弾性カム作用部の構成については、両側一対の板状腕部の間においてカバー本体の天板部から一体的に延出された平板部と、この平板部からさらに延在しつつ湾曲する湾曲状カム板部とから構成され、この湾曲状カム板部にある前記の作用点が軸心の近傍で固定部に摺接するように構成されていることが好ましい。平板部とその遊端の湾曲状カム板部とで構成された弾性カム作用部は固定部からの反力作用に基づく弾性変形性が強力なものとなり、トグル動作のクリック感を伴う操作感覚をより優れたものにできる。
また、前記の弾性カム作用部の構成として、カバー本体の内側側板部との間に補強リブを架け渡す構成が好ましい。弾性カム作用部は揺動に伴って固定部との摺接で大きな応力を受けるが、補強リブの存在はこの大きな応力に打ち勝って大きな付勢力を発現する上で有効に作用する。また、平板部のカバー本体に対する一体連結の付け根部分は弾性カム作用部の繰り返される弾性変形のために疲労が生じやすいが、補強リブの存在によって付け根部分の亀裂などの劣化を抑制することができる。特に全体を合成樹脂の一体成形品とする場合に効果がある。
上記では弾性カム作用部の形態について平板部と湾曲状カム板部とからなるものに言及したが、それ以外の形態として次のようなものも好ましい。すなわち、カバー本体についてその天板部の端部が軸心の直近に位置するような寸法のより長いものとする。さらに、弾性カム作用部に関して、これを平板状の弾性カム作用部に構成する。つまり、軸心の直近の天板部の端部位置から軸心相当位置に向かって平板状に延出され、その遊端部が軸心の近傍で固定部に摺接するように構成する。この平板状の弾性カム作用部はその板面に沿う方向で弾性的に伸縮するものである。弾性カム作用部による閉じ方向の付勢力および開き方向の付勢力の大きさは、突き詰めれば弾性カム作用部の固定部に対する作用点と軸心とを直線的に結ぶ伸縮ばね体に還元できる。この直線的な伸縮ばね体がその自由状態からどれだけ圧縮されるかが付勢力の大きさに関係するからである。よって、弾性カム作用部を固定部への作用点と軸心とを結ぶ直線に沿う平板状のものに構成することは、合理的な対応となる。この場合、大きな付勢力の発現が可能になるとともに、カバー本体の天板部の端部が軸心の直近に位置することからカバー本体の寸法がより長いものとなり、閉じ姿勢で収容した操作具を覆うカバー本体の操作具閉鎖空間をより大きいものとすることが可能である。つまり、平板部と湾曲状カム板部とからなる弾性カム作用部のものに比べてより大きい操作具を対象とすることができる。
前記のカバー本体、両側一対の被支持部を含む板状腕部および弾性カム作用部の性状については、その全体が合成樹脂で一体成形されていることが好ましい。このようにカバー本体・板状腕部・弾性カム作用部の全体を合成樹脂で一体成形すると、部品点数の削減および製品コストの低減化を促進することが可能であるとともに、合成樹脂が有する弾性変形性を活用して弾性カム作用部による前述の付勢力の発現を有効化できる合理性がある。
しかし、操作具カバーの全体を合成樹脂製とすることに代えて、カバー本体、両側一対の被支持部を含む板状腕部についてはその全体を合成樹脂で一体成形し、弾性カム作用部についてはこれを金属製とし、この金属製の弾性カム作用部を合成樹脂製のカバー本体に取り付けるのでもよい。強力な付勢力発現のために弾性カム作用部には強力な応力がかかり、その上、揺動に伴う固定部からの摩擦による抗力もかかるので、弾性カム作用部はその強度が充分に高いものであることが望ましい。金属製の弾性カム作用部は合成樹脂製の弾性カム作用部に比べてその期待に応えやすい。
また、前記の被支持部の構成については、両側一対の板状腕部の延出側端部のそれぞれから軸心の方向に沿って外方に一体的に突出された軸体をもって被支持部とし、その軸体を固定部の両側一対の軸受に回動自在に挿通する構成が好ましい。両側一対の軸受に回動自在に支持させる各板状腕部の被支持部を外方へ一体的に突出した軸体とすることは、カバー本体・板状腕部に被支持部(軸体)をも加えた一体物として構成することになる。後述するように被支持部としては別体の支軸を用いることもありうるが、ここでは被支持部も含めて単一物で構成するので、部品点数削減を実現できる。特に、固定部に操作具カバーを取り付ける作業に際して、両側一対の板状腕部を手指で両側から挟んで押し縮め、一対の軸体を両側の軸受の間に位置させ、この状態から手指の押し力を緩めると、一対の板状腕部が弾性的に復元して軸体が軸受に挿通されることになる。つまり、操作具カバーの取り付け作業をワンタッチで行うことができ、作業性の向上に資することが可能となる。
さらに前記の軸体については、その突出側端部に半径方向外方に向けて膨出された径大部が設けられているものが好ましい。操作具カバーを揺動させる過程で板状腕部が変形すると軸受から軸体脱落の可能性があるが、軸体の突出側端部に径大部を設けてあると、その径大部が軸受に当接して抜け止め作用を発揮するので、不測の脱落を防止できる。
なお、前記の被支持部の構成については、上記とは別に、固定部に設けられた両側一対の軸受に挿通される別体の支軸を挿通するように、両側一対の板状腕部の延出側端部に形成された貫通孔で構成されているのでも構わない。この場合は、操作具カバーの部品点数はカバー本体・板状腕部の一体物と支軸との2点となるが、上述の開き姿勢も閉じ姿勢も強力かつ安定的に保持する効果を発揮しながら、前述した従来例に比べるとなお部品点数の削減が図られている。
以下、本発明にかかわる操作具カバーの実施例を、図面を参照して詳細に説明する。図1は使用状態で閉じ姿勢にある操作具カバーを示す斜視図、図2は使用状態で中立姿勢にある操作具カバーを示す斜視図、図3は使用状態で完全開き姿勢にある操作具カバーを示す斜視図、図4(a)は操作具カバーを裏返して示す斜視図、図4(b)は操作具カバーの側面図、図4(c)は操作具カバーの縦断正面図、図4(d)は操作具カバーの底面図である。
これらの図において、Aは操作具カバー、51はカバー本体、52は板状腕部、53は被支持部、54は弾性カム作用部、60は外部の固定部、61は軸受である。本実施例では薄板状のシャーシ(鉄板やアルミ板などの金属フレーム)を固定部60としており、そのシャーシの一部を切り起こして座板状軸受61,61を形成している。シャーシである固定部60にスイッチなどの操作具70が取り付けられており、操作具カバーAはその操作具70を覆う状態と開放する状態とに切り替え可能となるように固定部60の座板状軸受61,61に回動自在に取り付けられている。
この揺動式の操作具カバーAは固定部60へ接触する閉じ姿勢で操作具70を収納する操作具閉鎖空間51e(図4参照)を形成するカバー本体51と、カバー本体51の両側の側板部51b,51bのそれぞれから一体的に延出された一対の板状腕部52,52と、板状腕部52,52の延出側端部であって固定部60において一定軸心周りに回動自在に軸受される被支持部53と、板状腕部52,52とは分離された状態でカバー本体51に弾性変位可能に一体的に連設された弾性カム作用部54とを有している。これらカバー本体51、被支持部53を含む板状腕部52,52および弾性カム作用部54はその全体が合成樹脂の一体成形品として構成されている。
カバー本体51に弾性変形可能に一体的に連設された弾性カム作用部54はカバー本体51に対する一対の板状腕部52,52の延出方向と同一方向に沿ってカバー本体51から延出されている。その弾性カム作用部54は一対の板状腕部52,52の間に設けられている。弾性カム作用部54は、カバー本体51の両側一対の板状腕部52,52の間においてカバー本体51の天板部51aから一体的に延出された平板部54aと、この平板部54aからさらに遊端側に延在しつつ滑らかに湾曲する湾曲状カム板部54bとから構成されている。その湾曲状カム板部54bが固定部60に当接して、板状腕部52,52の揺動に伴って固定部60から受ける反力作用が最大となる規定の中立領域(ある大きさの揺動角範囲をもつ)を境としてトグル動作を行うものとして構成されている。固定部60における座板状軸受61,61には軸体挿通用の貫通孔61a,61aが形成されている。
両側一対の板状腕部52,52の延出側端部に構成される被支持部53について本実施例では、その延出側端部から回動軸心の方向に沿って一体的に突出された軸体53a,53aをもって被支持部53が構成されている。その両側一対の軸体53a,53aをそれぞれ両側一対の座板状軸受61,61の貫通孔61a,61aに回動自在に挿通している。
カバー本体51は天板部51aと左右の側板部51b,51bと外側の側板部51cと内側の側板部51dからなり、これらの板部により操作具閉鎖空間51eが形成されている(図4参照)。操作具カバーAを閉鎖してカバー本体を固定部60に接触させた状態において、カバー本体51により固定部60上の操作具70を覆い、操作具閉鎖空間51e内に操作具70を納めて、操作具70を保護するようになっている(図1参照)。
弾性カム作用部54はカバー本体51の天板部51aを延長する形態で、天板部51aの板厚と同じ厚さをもって延在する平板部54aと、その平板部54aからさらに遊端側に延在しつつ湾曲する約4分の1円相当の湾曲状カム板部54bとなっている。湾曲状カム板部54bは板状腕部52,52の被支持部である軸体53a,53aの延長部分に対応する回動軸心の周りでほぼ同心に近い状態で展開している。弾性カム作用部54の湾曲状カム板部54bは軸体53a,53aによる回動軸心の近傍で固定部60に当接するようになっている。
一対の板状腕部52,52は縦板状であり、弾性カム作用部54は湾曲した横板状であって、板状腕部52,52と弾性カム作用部54とは互いに垂直な姿勢の関係にある。板状腕部52,52は軸体53a,53aによる回動軸心に垂直であるため、操作具カバーAの揺動に対しては変形が実質的に生じない。これに対して弾性カム作用部54は回動軸心に平行であるため、操作具カバーAの揺動に対して固定部60から反力を受ければ比較的容易に弾性変形する。ただし、その変位量は充分に小さく、しかも弾性力(圧縮力)は充分に大きいものとなっている。弾性カム作用部54が固定部60から受ける大きな圧縮力で破損しないようにするために、平板部54aと内側の側板部51dとにわたって複数の補強リブ55…が一体的に連設されている(図4参照)。また、操作具閉鎖空間51eの内部においても天板部51aの下面と内側の側板部51dとにわたって補強リブ55…が一体的に連設されている。複数の補強リブ55…は互いに平行となっている。補強リブ55…は板状腕部52,52と同様に縦板状であるが、平板部54aとの接合部と内側の側板部51dとの接合部が三角形の直角二辺に相当した直角三角形状を呈している。この補強リブ55…の存在により、弾性カム作用部54は操作具カバーAに対して大きな付勢力を与えることができるようになっている。
〔原理〕
ここで、図5を用いて弾性カム作用部54による付勢力(自発移動力)の変化について力学的な解析を行う。軸体53a,53aによる操作具カバーAの回動軸心をO、弾性カム作用部54の湾曲状カム板部54bの遊端部が固定部60に対して摺接するポイントである作用点をPとする。弾性カム作用部54は固定部60を弾性的に押圧し、固定部60からの反力により弾性的に圧縮される。このときの弾性カム作用部54の動作をフックの法則を用いて表現する場合に、線分OP上における圧縮コイルばねに還元して考察することができる。その圧縮コイルばねの自由長(初期長)をL、ばね定数をkとする。軸心Oから固定部60の平坦面Sに下した仮想垂線をa、仮想垂線aの足(固定部平坦面Sとの交点)をQ、線分OPと線分OQのなす角度である接触角度をθとする。接触角度θは線分OQを基準線とする。作用点Pは固定部平坦面Sに沿って移動する。その移動範囲は操作具カバーAの揺動範囲に関係し、仮想垂線aに関して反操作具存在側の領域Saから操作具存在側の領域Sbにわたる。作用点Pが反操作具側領域Saにあるとき接触角度θは正の値をとり、作用点Pが操作具側領域Sbにあるとき接触角度θは負の値をとる。線分OQの長さをZ、線分PQの長さをX、接触角度θにおけるばね長をOPとする。そのばね長OPは、
OP=Z/cosθ ………(1)
で表される。接触角度θにおけるばねの力WR は、ばねの自由長L(圧縮長は(L−OP))、ばね定数kを用いて、フックの法則を適用すると、
R =k・(L−OP)………(2)
となる。式(2)に式(1)を代入して、
R =k・(L−Z/cosθ)………(3)
となる。ばねの力WR を固定部平坦面Sに沿って滑る力成分Wa と固定部平坦面Sを垂直に押す力成分Wb とに分解する。
a =WR ・sinθ
=k・(L−Z/cosθ)・sinθ
=k・L・tanθ・(cosθ−Z/L)………(4)
b =WR ・cosθ
=k・(L−Z/cosθ)・cosθ
=k・L・(cosθ−Z/L)………(5)
となる。固定部平坦面Sを垂直に押す力成分Wb によって生じる摩擦力Wc は、摩擦係数をμとして、
c =μ・Wb
=μ・k・L・(cosθ−Z/L)………(6)
操作具カバーAを固定部平坦面Sに沿って駆動する力Wt は、
t =Wa −Wc
=k・L・tanθ・(cosθ−Z/L)−μ・k・L・(cosθ−Z/L)
すなわち、
t =k・L・(tanθ−μ)・(cosθ−Z/L)………(7)
となる。操作具カバーAの駆動力Wt が正となるとき、操作具カバーAは自ら動作する。駆動力Wt がゼロまたは負となるとき、操作具カバーAは静止状態を維持する。
なお、摩擦係数μについては、静止摩擦係数でとらえる場合と動摩擦係数でとらえる場合とがある。動作の過程において途中段階で停止し次いで動作を再開する場合には静止摩擦係数を適用する。しかし、途中で停止せず、一気に(連続的に)動作する場合には動摩擦係数を適用する。
式(7)において、Wt >0となるのは、
tanθ>μかつcosθ>Z/L………(8)
tanθ<μかつcosθ<Z/L………(9)
の2つの場合である。
t のうち線分OPに垂直な成分であって、操作具カバーAが自ら揺動せんとする力である付勢力Wは、
W=Wt ・cosθであるから、
W=k・L・(tanθ−μ)・(cosθ−Z/L)・cosθ………(10)
となる。式(4)の固定部平坦面Sに沿って滑る力成分Wa 、式(6)の摩擦力Wc 、式(7)の操作具カバーAの駆動力Wt および式(10)の操作具カバーAの付勢力Wを接触角度θの関数として計算すると図6に示すデータ表のようになり、グラフ化すると図7のようになる。ただし、ここでは、好ましい一例として、L=6.39mm、Z=4.9mm、摩擦係数をμ=0.15、k=1.0としている。このとき、Z/L≒0.767となる。なお、ばね定数kの単位は〔N/m〕あるいは〔gr/cm〕であるが、k=1.0としたのは計算を容易にするためであって、実際上は数百〜数十万程度となる。
式(10)の(cosθ−Z/L)を参照して、Z/L≒0.767の場合にcosθ−0.767がゼロになるときの接触角度θを求めると、
cosθ−0.767=0 ⇒ ∴θ≒39.9°
となる。cosθ−Z/L<0すなわちL<Z/cosθのとき、ばね長はその自由長(初期長)Lでも作用点Pが固定部平坦面Sから離間する状態になって、弾性カム作用部54には圧縮がかからない(閉じ姿勢で閉じ方向への付勢力が生じない)ことから、接触角度θは39.9°以下でなければならない。これは接触角度θのマイナス範囲でも当てはまるので、接触角度θの有効範囲は、
−39.9°<θ<+39.9°
となる。また、式(10)の(tanθ−μ)に着目する。tanθは摩擦係数μに関係する。ここで、上記のμ=0.15のとき、
tanθ−μ=tanθ−0.15=0
として接触角度θを求めると、
tanθ−0.15=0 ⇒ ∴θ≒8.5°
となる。すなわち、θ<8.5°のときは、作用点Pが固定部平坦面Sを自発的に滑らない。これは接触角度θのマイナス範囲でも当てはまるので、接触角度θが、
−8.5°<θ<+8.5°
の範囲は作用点Pが固定部平坦面Sを自発的に滑らない範囲である。以上を総合すると、弾性カム作用部54が固定部60から圧縮力を受けて付勢力Wを発現するためには、接触角度θは、
−39.9<θ<−8.5°および+8.5°<θ<+39.9°
の範囲にある必要がある。そこで図6のデータ表では−8.5°<θ<+8.5°の範囲では一律に駆動力Wt =0としている。
図6のデータ表に基づいて作成したグラフを図7に示す。ばねの力WR のうちの固定部平坦面Sに沿って滑る力成分Wa は接触角度θ=0のときにゼロとなるサインカーブ(ただし角度範囲は−39.9°〜+39.9°)に似た特性曲線をもつ。摩擦力Wc は−39.9°〜0°範囲では負の領域で漸次減少(力の大きさでは増加)するコサインカーブ、0°〜+39.9°範囲では正の領域で漸次減少するコサインカーブに似た特性曲線をもつ。Wa の特性曲線とWc の特性曲線はともに原点に関する点対称となっている。Wa とWc の2つの特性曲線が交差する接触角度θが上記で説明した−8.5°と+8.5°である。操作具カバーAを固定部平坦面Sに沿って駆動する力Wt (Wt =Wa −Wc )は角度範囲−8.5°〜+8.5°ではゼロ値をもち、そのマイナス側とプラス側とではWa の特性曲線をほぼ相似的に縮めた形の特性曲線をもつ。そして、駆動する力Wt にcosθを掛けた付勢力Wも同様の形の特性曲線をもつ。なお、Wt が最大となる接触角度θは約26.7°、Wが最大となる接触角度θは約25.7°である。
付勢力Wの特性曲線についてまとめると、
−39.9°〜−25.7°………負の領域で漸次減少(力の大きさでは増加)するサインカーブ類似の特性曲線
−25.7°〜−8.5°…………負の領域で漸次増加(力の大きさでは減少)するサインカーブ類似の特性曲線
−8.5°〜+8.5°……………ゼロに保たれる特性曲線
+8.5°〜+25.7°…………正の領域で漸次増加するサインカーブ類似の特性曲線
+25.7°〜+30.5°………正の領域で漸次減少するサインカーブ類似の特性曲線
のようになる。ここで正の領域で接触角度θの上限を30.5°とするのは、この接触角度θ=30.5°においてカバー本体51が固定部平坦面Sに接触し、それ以上の範囲に動くことができなくなるためである。そして、接触角度θ=30.5°の状態で発現される付勢力Wがカバー本体51を閉じ方向に付勢する力となる。
次に、上記のように構成された本発明実施例における操作具カバーAの動作を図8(a)〜(f)を用いて説明する。これらの図は操作具カバーAの特徴ある6つの接触角度θすなわち+30.5°、+25.7°、+8.5°、−8.5°、−25.7°、−39.9°における操作具カバーAの姿勢と付勢力Wの特性曲線上における座標点(○印参照)との関係を示す。ちなみにこれら6つの接触角度θは操作具カバーAの揺動角ではそれぞれ0°、5°、22°、39°、56°、70°に対応する。接触角度θの−8.5°〜+8.5°の領域が付勢力Wがゼロの中立領域になっている。
〈開き動作〉
図8(a)に示す揺動角0°の状態においては、操作具カバーAが完全な閉じ姿勢にある。すなわち、カバー本体51の底面が固定部60に密着的に接触している。このとき、弾性カム作用部54の湾曲状カム板部54bの遊端部の固定部60に対する作用点Pは回動軸心Oからの仮想垂線aに関して反操作具側領域Saに位置している。このときの接触角度θは30.5°であり、弾性カム作用部54はその自由状態から弾性的に変形している。したがって、弾性カム作用部54は自由状態に弾性的に復帰しようとして、閉じ方向への付勢力を操作具カバーAに与え、カバー本体51の底面を固定部60に押し付ける。
操作具カバーAを開くときには、操作者がカバー本体51の操作力点部である外側の側板部51cに手指をかけて上記の閉じ方向への付勢力に抗してカバー本体51を持ち上げる。
操作具カバーAの揺動角が増えて、図8(b)に示す揺動角5°(接触角度θ=+25.7°)の状態、続いて図8(c)に示す揺動角22°(接触角度θ=+8.5°)の状態へと展開していく。
この一連の過程で、図8(a)の揺動角0°(接触角度θ=+30.5°)から図8(b)の揺動角5°(接触角度θ=+25.7°)までの揺動角増加範囲(接触角度減少範囲)では、弾性カム作用部54による閉じ方向への付勢力も次第に増加していく。図8(b)ではその付勢力が最高レベルに達する。
また、図8(b)の状態から揺動角22°(接触角度θ=+8.5°)の図8(c)までの揺動角増加範囲(接触角度減少範囲)では、弾性カム作用部54による閉じ方向への付勢力が前記の最高レベルから次第に減少していく。
引き続いて図8(c)の状態から図8(d)の揺動角39°(接触角度θ=−8.5°)の状態までの揺動範囲では付勢力がゼロとなり、操作具カバーAは固定部平坦面Sを垂直に押す力成分Wb によって生じる摩擦力Wc を受けながら、開き方向へ揺動することになる。作用点Pは反操作具側領域Saから操作具側領域Sbへ移る。もし、揺動の操作力を解除すれば、操作具カバーAはその解除位置で静止することになる。これが中立の状態である。
さらに揺動角が拡がって、図8(d)の状態から図8(e)の揺動角56°(接触角度θ=−25.7°)までの揺動角増加範囲(接触角度減少範囲(マイナス方向に増加))では、作用点Pが仮想垂線aに関して操作具側領域Sbにあることから、弾性カム作用部54による付勢力は開き方向への付勢力へと切り替わる。このことは付勢力Wがマイナス領域に移行したことに対応する。そして、弾性カム作用部54による開き方向への付勢力は次第に増加していき、図8(e)ではその開き方向への付勢力が最高レベルに達する。
引き続いて図8(e)から揺動角70°(接触角度θ=−39.9°)の図8(f)までの揺動角増加範囲(接触角度減少範囲(マイナス方向に増加))では、弾性カム作用部54による開き方向への付勢力が前記の最高レベルから次第に減少していく。図8(f)の状態に至って付勢力はほぼゼロとなり、操作具カバーAは弾性カム作用部54の影響を受けない状態すなわち自由に回転する状態に至る。
以上の操作過程で操作具カバーAから操作者の手指に対して開き操作に対する抗力が働き、操作者に開き操作の操作感覚を与えることになる。操作者の手指が操作具カバーAから受ける操作抗力は、ゼロ近くから閉じ方向で増加→閉じ方向で最高レベル→閉じ方向で減少→閉じ方向でも開き方向でもゼロとなる中立状態→付勢方向が反転しゼロから開き方向で増加→開き方向で最高レベル→開き方向で減少→ゼロ近くのように推移する。
図8(f)の状態になると、弾性カム作用部54が固定部60から受ける反力がなくなり、あるいは反力はあってもごくわずかなものとなり、操作具カバーAは開放完了の姿勢で止まることになる。この状態において振動などにより不測に操作具カバーAを閉じ方向に揺動させることがあっても、直ちに開き方向への付勢力が発現されることになるため、操作具カバーAが不用意に閉じ動作することはない。すなわち、操作具カバーAはその開放完了の姿勢を強力かつ安定的に保持することになる。
〈閉じ動作〉
操作具カバーAを閉じるときには、操作者がカバー本体51の操作力点部である外側の側板部51cに手指をかけて上記の開き方向への付勢力に抗してカバー本体51を回動軸心O周りに倒す。
図8(f)から図8(e)までの揺動範囲では、弾性カム作用部54による開き方向への付勢力が次第に増加していく。図8(e)ではその付勢力が最高レベルに達する。
また、図8(e)の状態から図8(d)までの揺動範囲では、弾性カム作用部54による開き方向への付勢力が前記の最高レベルから次第に減少していく。
引き続いて図8(d)の状態から図8(c)までの揺動範囲では付勢力がゼロとなり、操作具カバーAは固定部平坦面Sを垂直に押す力成分Wb によって生じる摩擦力Wc を受けながら、閉じ方向へ揺動することになる。作用点Pは操作具側領域Sbから反操作具側領域Saへ移る。この範囲は中立の状態であり、もし、揺動の操作力を解除すれば、操作具カバーAはその解除位置で静止することになる。
さらに図8(c)の状態から図8(b)までの揺動角範囲では、作用点Pが反操作具側領域Saにあることから、弾性カム作用部54による付勢力は閉じ方向への付勢力へと切り替わる。このことは付勢力Wがプラス領域に移行したことに対応する。そして、弾性カム作用部54による閉じ方向への付勢力は次第に増加していき、図8(b)ではその閉じ方向への付勢力が最高レベルに達する。
引き続いて図8(b)から図8(a)までの揺動範囲では、弾性カム作用部54による閉じ方向への付勢力が前記の最高レベルから次第に減少していく。図8(a)の状態(接触角度θ=30.5°)に至ってカバー本体51が固定部平坦面Sに接触し、揺動が停止する。このとき接触角度θ=30.5°で発現される付勢力によってカバー本体51が固定部平坦面Sに押し付けられる。
以上の操作過程で操作具カバーAから操作者の手指に対して閉じ操作に対する抗力が働き、操作者に閉じ操作の操作感覚を与えることになる。操作者の手指が操作具カバーAから受ける操作抗力は、接触角度θ=−39.9°で発現される付勢力から開き方向で増加→開き方向で最高レベル→開き方向で減少→開き方向でも閉じ方向でもゼロとなる中立状態→付勢方向が反転しゼロから閉じ方向で増加→閉じ方向で最高レベル→閉じ方向で減少→接触角度θ=30.5°で発現される付勢力のように推移する。
図8(a)に示す完全閉鎖の状態になると、カバー本体51が固定部60に当接し、カバー本体51の操作具閉鎖空間51eで操作具70を覆う保護状態となる。この完全閉鎖の状態にあって、弾性カム作用部54はその自由状態から弾性的に変形しており、なおも閉じ方向への付勢力が働いていて、カバー本体51を固定部60に密着的に押し付ける。
図8(c)から図8(b)の揺動範囲で操作具カバーAにかけていた操作力を解除すれば、閉じ方向への付勢力によってカバー本体51が固定部60に勢いよく衝突し、衝突音を出すため、操作者は操作具カバーAが完全に閉じたことを明瞭に認識することができる。
以上のようにして、カバー本体51はその閉じ姿勢においてさらに閉じ方向に付勢されるものとなっている。この操作具カバーAを例えば遊技機の電源ユニットにおいてその操作具70(例えば遊技設定スイッチ(出玉率調整)や電源スイッチ)を覆って保護するものとして設置したとする。正規の資格を有しない者(ゴト師など)が遊技機パネルの隙間からの針金挿入など不正な方法で操作具70を許可なく操作しようとして操作具カバーAを開けようとしても、操作具カバーAにはその閉じ姿勢においてさらに閉じ方向に付勢力が働くため、操作具カバーAを簡単には開けることができず、操作具70に対する不正な操作に対する高い保安機能を発揮することができる。
カバー本体51の両側の側板部51b,51bを延長して一対の板状腕部52,52を形成してあるため、上記した動作において、カバー本体51を回動軸心O周りに揺動させる構造を強度の高いものとすることができる。また、一対の板状腕部52,52の間に弾性カム作用部54を配設してあるため、弾性カム作用部54が固定部60から受ける反力に基づく付勢作用が強力で安定したものとなる。その結果、トグル動作における中立領域での手ごたえ(クリック感)のある優れた操作感覚を実現できる。
また、弾性カム作用部54の構成として、カバー本体51の両側一対の板状腕部52,52間においてカバー本体51の天板部51aから平板部54aを一体的に延出し、さらにこの平板部54aから遊端側に延在しつつ湾曲する湾曲状カム板部54bを形成しているので、固定部60からの反力作用に基づく弾性カム作用部54の弾性変形性が強力なものとなり、トグル動作のクリック感を伴う操作感覚をより優れたものにできる。
また、本実施例によれば、保安性を高める対策として操作具カバーAを閉じ姿勢で不動とするためのロック機構は不要であり、この点においても部品点数の削減、構成の簡素化、製品コストの低減に有利に働く。また、操作途中にロック機構を操作する必要がなくて、快適な操作性を実現している。
また、カバー本体51、被支持部53である軸体53a,53aを含む板状腕部52,52および弾性カム作用部54の全体が合成樹脂で一体成形してあるので、部品点数の削減および製品コストの低減化を促進することができる。加えて、合成樹脂が有する弾性変形性は弾性カム作用部54による前述の付勢力の発現を有効化する。
また、弾性カム作用部54において、平板部54aとカバー本体51の内側の側板部51dとの間に複数の補強リブ55…を架け渡しているので、弾性カム作用部54に大きな圧縮力をかけることができるとともに、平板部54aのカバー本体51への付け根部分には疲労や亀裂などの劣化が抑制されることになり、長期間にわたる高い耐久性をもたらすことができる。
また、両側一対の板状腕部52,52の延出外端部に軸体53a,53aを一体的に設けてあるので、操作具カバーAの取り付け作業が容易なものとなる。すなわち、固定部60における座板状軸受61,61の貫通孔61a,61aに対して軸体53a,53aを挿通するのであるが、その際に一対の板状腕部52,52を手指で両側から挟んで押し縮め、一対の軸体53a,53aを両側の座板状軸受61,61の間に位置させ、この状態から手指の押し力を緩めると、板状腕部52,52が弾性的に復元して軸体53a,53aが座板状軸受61,61の貫通孔61a,61aに挿通される。つまり、操作具カバーAの取り付け作業をワンタッチで行うことができる。
図9は別の実施例の操作具カバーAを示す。ここでは、カバー本体51の内側の側板部51dの上下中間部から一様に湾曲させた板状の弾性カム作用部54が一体的に延出されている。そして、その湾曲板状の弾性カム作用部54の上下両面に補強リブ55…が一体的に連設されている。これらの補強リブ55…は内側の側板部51dにも一体的に連設されている。また、操作具閉鎖空間51eの内部においても天板部51aの下面と内側の側板部51dとにわたって補強リブ55…が一体的に連設されている。この実施例の操作具カバーAでは板状の弾性カム作用部54をその全長にわたって一様に湾曲させているので、図4に示した平板部54aをもつ実施例に比べて応力分布のバランスが良く、さらに大きな付勢力を発現させることが可能になる。
図10はさらに別の実施例の操作具カバーAを示す。ここでは弾性カム作用部54として短尺で平板状のものを構成している。この短尺な平板状の弾性カム作用部54は2つのUの字状のばね部54c,54cが両側に対向し、両ばね部54c,54cを上下の連結部54d,54dで一体的に連設したものとなっている。カバー本体51はその天板部51aが図4や図9のものよりも長いものに構成され、天板部51aの端部は軸体53a,53aによる回動軸心Oの直近に位置している。前記の短尺な平板状の弾性カム作用部54は、その天板部51aの端部に対して一体的に連設されている。短尺な平板状の弾性カム作用部54は軸心Oの直近で天板部51aの端部位置から軸心O相当位置に向かって平板状に延出され、その遊端部が軸心Oの近傍で固定部60に摺接するように構成されている。短尺な平板状の弾性カム作用部54はその板面に沿う方向で弾性的に伸縮するものである。
弾性カム作用部54による閉じ方向の付勢力および開き方向の付勢力の大きさは、前述の通り弾性カム作用部54の固定部60に対する作用点Pと軸心Oとを直線的に結ぶ伸縮ばね体に還元できる。よって、弾性カム作用部54を平板状のものに構成することは合理的であり、大きな付勢力の発現が可能になる。また、操作具70を覆うカバー本体51の操作具閉鎖空間51eをより大きいものとすることが可能である。
なお、被支持部53について、上記実施例では板状腕部52,52の基部に軸体53a,53aを一体的に突出させた構成としたが、これとは別に、固定部60に設けられた座板状軸受61,61に挿通される支軸を板状腕部52,52の延出側端部に形成した貫通孔に回動自在に挿通するのでもよい。
固定部60は本実施例では薄板状のシャーシ(鉄板やアルミ板などの金属フレーム)であり、そのシャーシの一部を切り起こして座板状軸受61,61を形成したが、固定部や軸受に関しては上記実施例のものに限定する必要はない。
操作具70については必ずしもスイッチである必要はなく、広く任意の操作具を対象としてよい。操作具カバーAの取り付け姿勢については、必ずしも水平面上に限る必要はなく、鉛直面や天井下面であってもよい。
操作具カバーAの構成素材について上記実施例では合成樹脂製としたが、それ以外に合成ゴム製や金属製としてもよい。また、操作具カバーの全体を合成樹脂製とすることに代えて、カバー本体、両側一対の被支持部を含む板状腕部についてはその全体を合成樹脂で一体成形し、弾性カム作用部についてはこれを金属製とし、この金属製の弾性カム作用部を合成樹脂製のカバー本体に取り付けるのでもよい。
図11は被支持部53を構成する軸体53a,53aの構成を工夫した実施例を示す。図の(a)は一部破断の平面図、(b)はその要部の拡大図、(c)は軸体部分を取り出して示す斜視図である。板状腕部52,52の延出側端部からそれぞれ軸体53a,53aが一体的に突出されているが、軸体53a,53aの突出側端部には脱落防止用の径大部53b,53bが半径方向外方に向けて膨出されている。この径大部53bは軸体53aの全周にわたるもので、軸体53aと同心状となっている。径大部53bの裏面であって軸体53aの主部との境界段差面が抜け止め用の円環状のストッパ面53cとなっている。径大部53bのさらに外端部には面取り53dが施されている。面取りについては図示した円弧曲面のR面取りのほか、平面状のC面取りでもよい。
図1〜図4に示した操作具カバーAの場合、操作具カバーAを揺動させる過程で板状腕部52,52に大きな応力が作用すると板状腕部52,52が変形し、不測に軸体53a,53aが座板状軸受61,61から脱落する可能性が考えられる。これに対して、図11に示すように軸体53a,53aに脱落防止用の径大部53b,53bを形成してあると、径大部53b,53bの円環状のストッパ面53c,53cが座板状軸受61,61に当接して抜け止め作用を発揮するので、不測の脱落を確実に防止することができる。一方、径大部53bがあると、座板状軸受61,61の貫通孔61a,61aに対する軸体53a,53aの挿通に対して抵抗が大きくなるが、軸体53aのさらに外端部に面取り53dを施してあるので、挿通には支障が生じない。
図12は特別なロック機構を設けた比較例の操作具カバーBを示す。この操作具カバーBにはその閉じ姿勢で閉じ方向に付勢する機能はない。閉じ姿勢をロックするための構成として、カバー本体51の外側の側板部51cにロック作用部56を連設している。ロック作用部56はUの字状の弾性変形部56aとこれに形成したテーパー係止部56bとを有し、Uの字状の弾性変形部56aの最下部はUターン部56cとなっている。カバー本体51を固定部60に当接させるために操作具カバーBを閉じ方向へ揺動させるとき、Uの字状のロック作用部56の最下端のUターン部56cが固定部60の係止孔62に進入し、テーパー係止部56bが係止孔62の内周エッジに摺接しつつUの字状の弾性変形部56aが変形する。係止孔62への進入が深くなるにつれてUの字状の弾性変形部56aの変形も大きくなり、テーパー係止部56bの上端部が係止孔62の内周エッジを通過すると、Uの字状の弾性変形部56aが弾性的に復元し、テーパー係止部56bが係止孔62において固定部60に係止されるに至る。これで操作具カバーBが閉じ姿勢でロックされる。
この図12の構造の場合、ロックのために薄板状のシャーシである固定部60に係止孔62を形成しなければならない。しかし、操作具カバーの近傍に係止孔など開口部が存在することは、正規の資格を有しない者(ゴト師など)がその開口部からの針金操作をするおそれがある。
これに対して、本発明実施例のように構成すれば操作具カバーの近傍に開口部が存在せず、保安性が確保される。
図13は特別なロック機構を設けた別の比較例の操作具カバーCを示す。この操作具カバーCにもその閉じ姿勢で閉じ方向に付勢する機能はない。閉じ姿勢をロックするための構成として、カバー本体51の両側の側板部51b,51bにテーパー形状のロック作用部57,57が一体的に形成されている。一方、固定部60である薄板状のシャーシを切り起こして門形の係止部63,63を形成し、この門形の係止部63,63にテーパー形状のロック作用部57,57を係止させるように構成している。
この図13の構造の場合、操作具カバーCを開閉操作するときに手指が上方へ突出した薄板状で門形の係止部63,63に接触して怪我をするおそれがある。
これに対して、本発明実施例のように構成すれば操作具カバーの近傍に上方へ突出する薄板状の係止部などが存在せず、手指への安全性が確保される。
本発明は、スイッチなどの操作具を開閉自在に覆う揺動式の操作具カバーにおいて、開き姿勢も閉じ姿勢も強力かつ安定的に保持することができながら、部品点数の削減と構成の簡素化を進めることができるようにする技術として有用である。
A 操作具カバー
51 カバー本体
51a 天板部
51b 側板部
51c 外側の側板部(操作力点部)
51d 内側の側板部
51e 操作具閉鎖空間
52 板状腕部
53 被支持部
53a 軸体
54 弾性カム作用部
54a 平板部
54b 湾曲状カム板部
54c Uの字状のばね部
54d 連結部
55 補強リブ
60 固定部
61 座板状軸受
61a 貫通孔
70 操作具
P 作用点
a 仮想垂線
Sa 反操作具側領域
Sb 操作具側領域
O 軸心

Claims (10)

  1. 外部の固定部に取り付けられる操作具を覆う状態と開放する状態とに切り替え可能な揺動式の操作具カバーであって、
    前記固定部に接触する閉じ姿勢で前記操作具を閉鎖的に覆うカバー本体と、
    前記カバー本体の操作力点部とは反対側の端部が前記固定部において一定軸心周りに回動自在に支持される被支持部と、
    前記カバー本体に連設された弾性カム作用部とを備え、
    前記弾性カム作用部は、その遊端側で前記固定部に対して押圧状態で摺動する作用点が、前記カバー本体の閉じ姿勢で、前記軸心から前記固定部へ下した仮想垂線に関して反操作具側領域に位置し、かつ前記カバー本体の閉じ姿勢から開き姿勢への前記軸心周りの揺動に伴って前記仮想垂線に関して操作具側領域に移動する形態に構成され
    かつ、
    前記被支持部は前記カバー本体の両側の側板部それぞれを延出した一対の板状腕部の延出側端部に設けられており、
    前記弾性カム作用部は前記両側一対の板状腕部の間でこれら板状腕部とは分離された状態で前記カバー本体に連設されていることを特徴とする操作具カバー。
  2. 前記弾性カム作用部は前記両側一対の板状腕部の間において前記カバー本体の天板部から一体的に延出された平板部と、この平板部からさらに延在しつつ湾曲する湾曲状カム板部とから構成され、この湾曲状カム板部にある前記作用点が前記軸心の近傍で前記固定部に摺接するように構成されている請求項1に記載の操作具カバー。
  3. 前記弾性カム作用部は前記カバー本体の内側側板部との間に架け渡された補強リブを有している請求項2に記載の操作具カバー。
  4. 前記補強リブは前記弾性カム作用部の上下両面に設けられている請求項3に記載の操作具カバー。
  5. 前記カバー本体はその天板部の端部が前記軸心の直近に位置し、
    前記弾性カム作用部は前記軸心の直近の前記天板部の端部位置から前記軸心相当位置に向かって平板状に延出され、その遊端部が前記軸心の近傍で前記固定部に摺接するように構成され、この平板状の弾性カム作用部はその板面に沿う方向で弾性的に伸縮するようになっている請求項に記載の操作具カバー。
  6. 前記カバー本体、両側一対の被支持部を含む板状腕部および弾性カム作用部はその全体が合成樹脂で一体成形されている請求項に記載の操作具カバー。
  7. 前記カバー本体、両側一対の被支持部を含む板状腕部はその全体が合成樹脂で一体成形され、前記弾性カム作用部は金属製であり、この金属製の弾性カム作用部が前記合成樹脂製のカバー本体に取り付けられている請求項に記載の操作具カバー。
  8. 前記被支持部は前記両側一対の板状腕部の延出側端部のそれぞれから前記軸心の方向に沿って外方に一体的に突出されて、前記固定部に設けられた両側一対の軸受に回動自在に挿通される軸体で構成されている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の操作具カバー。
  9. 前記軸体の突出側端部には半径方向外方に向けて膨出された径大部が設けられている請求項に記載の操作具カバー。
  10. 前記被支持部は前記固定部に設けられた両側一対の軸受に挿通される支軸を挿通するように前記両側一対の板状腕部の延出側端部のそれぞれに形成された貫通孔で構成されている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の操作具カバー。
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