以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子ペーパシステム(片面タイプ)10Aの構成を示す図であり、同図(A)は外観構成を示す斜視図、同図(B)は1枚の電子ペーパ(片面タイプ)11Aを抜き出して示す正面図である。
この電子ペーパシステム(片面タイプ)10Aは、その表面に不揮発性表示装置17を有する複数枚の電子ペーパ(片面タイプ)11A…と、この複数枚の電子ペーパ11A…を重ねて載置する電子下敷(片面タイプ)12Aとを備え、各電子ペーパ11A…は電子下敷12Aの左側中央に設けられた片面バインダ部13にその左辺中央を挟み込ませて綴じられる。
電子下敷12Aは、その表面における電子ペーパ11A…の載置面に対応させて例えば電磁誘導方式によるタブレット14を備え、このタブレット14によって電子ペン15による最上部の電子ペーパ11A上での手書き位置に対応する座標位置を検出する。そして、バインダ部13を利用して設けられた後述の非接触型の電源供給手段及び通信手段(図3〜図6参照)を介して電子ペーパ11Aに内蔵された表示用の記憶装置に対し前記手書き位置の検出座標に対応した表示データを記憶させ、電子ペーパ11Aの不揮発性表示装置17を表示動作させる。
電子ペーパ11Aの不揮発性表示装置17は、例えば透明の電極板間に+に帯電した黒色粒子と−に帯電した白色粒子とを交互にマトリクス状に仕切って封入し、一方の電極板を−(マイナス)に帯電させることで黒色表示となり、+(プラス)に帯電させることで白色表示となるもので、当該電極板は電圧の印加によってその最後に印加した電圧の極性に帯電し、無電源状態での表示が保持される。
これにより、電子下敷12Aおよびそのバインダ部13を介して外部から入力された表示データを電子ペーパ11Aにて表示できるだけでなく、前記電子ペン15によって直接的に書き込んだ手書きデータをも表示させることができ、しかもその電子ペーパ11Aを、図1(B)に矢印aで示すように、電子下敷12Aから取り外すことで、通常の紙と同じように取り扱うことができる。
また、電子下敷12Aのタブレット14によって電子ペン15による電子ペーパ11A上でのタッチ(操作)位置に対応する座標位置を検出するので、この際に電子ペーパ11Aに表示されている表示データの内容に応じた処理(項目の選択処理や決定処理)を実行できる。
図2は、本発明の実施形態に係る電子ペーパシステム(両面タイプ)10Bの構成を示す図であり、同図(A)は外観構成を示す斜視図、同図(B)は1枚の電子ペーパ(両面タイプ)11Bを抜き出し裏面にして示す正面図である。
この電子ペーパシステム(両面タイプ)10Bで使用する複数枚の電子ペーパ(両面タイプ)11B…は、その表面と裏面との両面にそれぞれ前述の不揮発性表示装置17R,17Lを有し、見開き型電子下敷12Bの中央に設けられた見開きバインダ部16によってそれぞれその一端部が貫通されて綴じられる。
見開き型電子下敷12Bは、その左右の各見開き面における電子ペーパ11B…の載置面にそれぞれ例えば電磁誘導方式によるタブレット14R,14Lを備え、このタブレット14R,14Lの各々によって電子ペン15による右側最上部の電子ペーパ11Bの表面上と左側最上部の電子ペーパ11Bの裏面上での手書き位置に対応する座標位置を検出する。そして、見開きバインダ部16に対応して設けられた後述の非接触型の電源供給手段及び通信手段(図3〜図6参照)を介して電子ペーパ11Bに内蔵された表示用の記憶装置に対し前記表面と裏面の各手書き位置の検出座標に対応した表示データを記憶させ、電子ペーパ11Bをその両面の不揮発性表示装置17R,17Lで表示動作させる。
これにより、電子下敷12Bおよびその見開きバインダ部16を介して外部から入力された表示データを電子ペーパ(両面タイプ)11Bの表裏面にて表示できるだけでなく、前記電子ペン15によって直接的に書き込んだ手書きデータをも同表裏面に表示させることができ、しかもその電子ペーパ11Bを、図2(B)に矢印cで示すように、電子下敷12Bから取り外すことで、通常の表と裏のある紙と同じように取り扱うことができる。
また、電子下敷12Bのタブレット14R,14Lによって電子ペン15による電子ペーパ11B上でのタッチ(操作)位置に対応する座標位置を検出するので、この際に電子ペーパ11Bに表示されている表示データの内容に応じた処理(項目の選択処理や決定処理等)を実行できる。
図3は、前記電子ペーパシステム10A,10Bにおける電子ペーパ11A,11Bの構成を示す図であり、同図(A)は電子ペーパ(片面タイプ)11Aを表側から見て示す構成図、同図(B)は電子ペーパ(両面タイプ)11Bを裏側から見て示す構成図である。
なお、表側から見た電子ペーパ(片面タイプ)11Aの構成と電子ペーパ(両面タイプ)11Bの構成とは同じである。
電子ペーパ11A,11Bには、その中央の略全領域に渡って不揮発性表示装置(表)17(17R),(裏)17Lが設けられ、また綴じ込み部18には、フレキシブルICチップからなる制御装置19、個別の電子ペーパIDを記憶するID記憶部20、表示データを記憶する(情報)記憶装置21が表裏共用として内蔵される。
さらに、前記綴じ込み部18の中央に設けられた一方のバインダ用貫通孔16aの周囲には非接触型の電磁誘導電源部22が表裏共用として内蔵され、また、もう一方のバインダ用貫通孔16bの周囲には非接触型の通信装置23が表裏共用として内蔵される。
また、電子ペーパ11A,11Bの表側上部と、電子ペーパ11Bの裏側上部とには、それぞれキーやタッチパッドなどを使用した入力装置24(24R),24Lが設けられ、当該ペーパ上部の前記綴じ込み部18とは反対の端部には、光センサを使用した重なり検出センサ25(25R),25Lが設けられる。
そして、前記電子ペーパ11A,11Bにおける不揮発性表示装置(表)17(17R),(裏)17Lの4角の位置には、当該電子ペーパ11A,11Bの電子下敷タブレット14(14R),14Lに対する載置位置の位置ずれ検出のためのキャリブレーションポインタ(図8参照)26a〜26dが表裏共用として内蔵される。
図4は、前記電子ペーパシステム10A,10Bにおける電子下敷12A,12Bの構成を示す図であり、同図(A)は電子下敷(片面タイプ)12Aを正面から見て示す構成図、同図(B)は見開き型電子下敷12Bの左面を見て示す構成図、同図(C)は電子下敷12A,12B(右面)の縦断面構成図である。
なお、正面から見た電子下敷(片面タイプ)12Aの構成と見開き型電子下敷12Bの右面を見た構成とは同じである。
電子下敷12A,12Bには、その中央の略全領域に渡って例えば電磁誘導方式のタブレット14(14R),14Lが設けられ、またペーパ綴じ込み部27には、ICチップからなる制御装置28、個別の電子下敷IDを記憶するID記憶部29、電子ペーパ11A,11Bに対する表示用データなどを記憶する(情報)記憶装置30が内蔵される。
また、電子下敷12A,12Bの右端部、同電子下敷12Bの左端部には、それぞれキーやタッチパッドなどを使用した下敷用入力装置31(31R),31Lが設けられ、さらに上端部にはLCDモニタなど常時電源供給の必要な表示装置をコネクタ接続するための接触型表示I/F(インターフェイス)32、外部の通信ネットワークやそのネットワーク上にあるサーバコンピュータなどとの接続を図るための外部接続装置33が設けられる。
さらに、前記ペーパ綴じ込み部27のバインダ位置に対応させた中央部分には、電磁誘導電源供給部35(35R),35Lが内蔵され、この電磁誘導電源供給部35(35R),35Lから電磁誘導によって前記電子ペーパ11A,11Bへの非接触電源供給を行うための電源供給用コア34(34R),34Lが設けられる。
また、同ペーパ綴じ込み部27のバインダ位置に対応させた中央部分には、通信装置37(37R),37Lが内蔵され、この通信装置37(37R),37Lから電磁誘導によって前記電子ペーパ11A,11Bへの非接触通信を行うための通信用コア36(36R),36Lが設けられる。
そしてこの電子下敷12A,12Bには、例えば充電式のバッテリ38が内蔵され、このバッテリ38によって前記タブレット14(14R),14L、制御装置28、ID記憶部29、記憶装置30、下敷用入力装置31(31R),31L、接触型表示I/F32を介して接続される外部の表示装置(図10参照)にそれぞれ電力が供給されると共に、前記電磁誘導電源供給部35(35R),35Lから電源供給用コア34(34R),34Lを介して当該電子下敷12A,12Bに載置される前記電子ペーパ11A,11Bへと非接触で電力が供給される。
図5は、前記電子ペーパシステム10A,10Bにおいて電子下敷12A,12Bのバインダ部13,16に対応させて設けた電子ペーパ11A,11Bへの電源供給と通信接続を行うための電磁誘導部(平面タイプ)の構成を示す図である。
この電磁誘導部(平面タイプ)は、バインダ用貫通孔16a,16b(図3参照)を持たない電子ペーパ11A,11Bの綴じ込み部18の電磁誘導電源部22と通信部23に対して電磁誘導による電源供給と通信接続を行うもので、電子ペーパ(片面タイプ)11Aおよび(両面タイプ)11Bの何れの場合でも、電子下敷12A,12Bの電磁誘導電源供給部35(35R),35Lや通信装置37(37R),37Lに設けた下敷側コア39の先端露出面に対応する位置にはペーパ内コア40…が内蔵され、このペーパ内コア40の周囲を囲むように信号取り出し用の平面コイル41が内蔵される。
なお、図5(A1)で示す電子下敷(片面タイプ)12Aの電磁誘導部の場合には、その電子ペーパ(片面タイプ)11Aを綴じ込むバインダ部13の内部にも下敷側コア39を延長させ、当該電子ペーパ(片面タイプ)11Aのペーパ内コア40…と合わせて電磁力線の磁束ループが損失少なく形成されるようにする。同図5(A1)において42はバインダ部13の綴じ込み力を有するヒンジである。
図7は、前記電子ペーパシステム10A,10Bの電磁誘導部において電子ペーパ(片面タイプ)11A…の綴じ込み部18にペーパ内コア40…を設けた場合と設けない場合とで磁束ループBの形成状態を対比して示す図である。
すなわち、図7(A)に示すように、電子ペーパ(片面タイプ)11A…の綴じ込み部18にペーパ内コア40…を設けた場合には、図7(B)で示す設けない場合に較べて、下敷側コア39との間で当該ペーパ内コア40…を介し磁気抵抗が低くなり漏れ磁束少なく磁束ループBがスムーズに通過形成されるので、電子下敷12A,12Bの電磁誘導電源供給部35(35R),35Lから出力される電源エネルギ信号、そして、通信部37(37R),37Lから送信される通信信号は、下敷側コイル43から下敷側コア39を経て、電子ペーパ11A,11Bのペーパ内コア40…からペーパ側平面コイル41へと効率よく伝送され、その電磁誘導電源部22へと電源供給され、通信部23へと受信されるようになる。
図6は、前記電子ペーパシステム10A,10Bにおいて電子下敷12A,12Bのバインダ部13,16に対応させて設けた電子ペーパ11A,11Bへの電源供給と通信接続を行うための電磁誘導部(凸面タイプ)の構成を示す図である。
この電磁誘導部(凸面タイプ)は、バインダ用貫通孔16a,16b(図3参照)を有する電子ペーパ11A,11Bの綴じ込み部18の電磁誘導電源部22と通信部23に対して電磁誘導による電源供給と通信接続を行うもので、図6(A1)に示すように、電子ペーパ(片面タイプ)11Aの場合には、電子下敷(片面タイプ)12Aの電磁誘導電源供給部35や通信装置37に対応して設けたバインダ兼用凸型コア39aを電子ペーパ(片面タイプ)11Aの綴じ込み部18におけるバインダ用貫通孔16a,16bに挿通係止させ、当該電子ペーパ(片面タイプ)11Aの綴じ込みを行う。
また、図6(B)に示すように、電子ペーパ(両面タイプ)11Bの場合には、電子下敷(両面タイプ)12Bの電磁誘導電源供給部35や通信装置37に対応して設けたバインダ兼用凸型リング状コア39b(16)を電子ペーパ(両面タイプ)11Bの綴じ込み部18におけるバインダ用貫通孔16a,16bに挿通係止させ、当該電子ペーパ(両面タイプ)11Bの綴じ込みを行う。同図6(B)において44は見開きバインダ部16(39b)の綴じ込み力を有するヒンジである。
なお、図6で示すバインダ用貫通孔16a,16bを有する電子ペーパ11A,11Bに対しての電子下敷12A,12Bの電磁誘導部の場合には、一方の電子下敷(片面タイプ)12Aの場合、他方の電子下敷(両面タイプ)12Bの場合の何れにあっても、バインダ兼用凸型コア39aあるいはバインダ兼用凸型リング状コア39bによって電子ペーパ11A,11Bのバインダ用貫通孔16a,16bを通過する環状コアが形成されるので、電磁力線の磁束ループがより損失なく形成される。
すなわち、電子下敷12A,12Bの電磁誘導電源供給部35(35R),35Lから出力される電源エネルギ信号、そして、通信部37(37R),37Lから送信される通信信号は、下敷側コイル43からバインダ兼用凸型コア39aあるいはバインダ兼用凸型リング状コア39bを経て、電子ペーパ11A,11Bのペーパ側平面コイル41へとより効率よく伝送され、その電磁誘導電源部22へと電源供給され、通信部23へと受信されるようになる。
図8Aは、前記電子ペーパシステム10A,10Bにおける電子ペーパ11A(11B)のキャリブレーションポインタ26a〜26dと電子下敷12A(12B)のタブレット14との位置関係を示す図である。
電子下敷12A(12B)のタブレット14上に載置された電子ペーパ11A(11B)上で電子ペン15によって手書き作業を行うと、当該電子ペン15による書き込み位置は、電子下敷12A(12B)のタブレット14によって座標検出される。
この際、電子ペーパ11A(11B)のタブレット14上での載置位置は、電磁誘導コイルによって構成されたキャリブレーションポインタ26a〜26dの各位置が同タブレット14によって座標検出されることで、その基準の載置位置(ここではタブレット14の四隅)からの座標の位置ずれが電子下敷12A(12B)の制御装置28によって計算検出される。
図8Bは、前記電子ペーパ11A(11B)のキャリブレーションポインタ26a〜26dに基づきタブレット14により検出される座標位置を電子ペーパ上の座標位置に補正する座標変換を説明するための図である。
電子ペーパ11A(11B)には、前述した通り、四隅の基準位置にキャリブレーションポインタ26a〜26dが設けられ、当該電子ペーパ11A(11B)のID記憶部20には、同ペーパ固有のIDが記憶されると共に、同ペーパの画面(描画)サイズ、画素数、各キャリブレーションポインタ26a〜26dの座標等が記憶される。
ここで、前記座標変換の条件として、前記電子ペーパ11A(11B)に設けられた複数のキャリブレーションポインタ26a〜26dのうち少なくとも2個のポインタがタブレット14上にあることを条件とする。
電子ペーパ11A(11B)のID記憶部20に記憶されたキャリブレーションポインタ26d,26aの座標を(X1,Y1),(X2,Y2)とする。但し、計算簡単化のため当該キャリブレーションポインタ26d,26aは同一の座標軸上にあるものとしY1=Y2とする。
そして、前記電子ペーパ11A(11B)のキャリブレーションポインタ26d,26aに対応してタブレット14により検出された座標が(Xt1,Yt1),(Xt2,Yt2)、この座標間の傾き(タブレットに対する電子ペーパの傾き)がθであって、当該電子ペーパ11A(11B)に対し電子ペン15によりタッチ(操作)した点Pに対応してタブレット14により検出された座標が(Xtp,Ytp)であったとする。すると、前記電子ペーパ11A(11B)のタッチ(操作)点Pの座標(Xp,Yp)は、以下の座標変換式(1)(2)により求まる。
θ=cos−1{(Xt2−Xt1)/(X2−X1)}
Xp=(Xtp−Xt1)cosθ+(Ytp−Yt1)sinθ+X1 …(1)
Yp=(Ytp−Yt1)cosθ−(Xtp−Xt1)sinθ+Y1 …(2)
これにより、電子ペーパ11A(11B)上での電子ペン15での書き込み作業(あるいはタッチ操作)に伴い電子下敷12A(12B)のタブレット14によって検出される座標位置(Xtp,Ytp)は、当該電子ペーパ11A(11B)の基準の載置位置からの位置ずれ量に応じた前記座標変換式(1)(2)によって同電子ペーパ11A(11B)上での座標位置(Xp,Yp)として補正される。
そして、この補正後の座標位置(Xp,Yp)に従って、前記電子ペーパ11A(11B)のID情報(画面(描画)サイズ、画素数)に基づき書き込み軌跡の表示データが生成され、不揮発性表示装置17での手書きデータの表示が行われたり、タッチ(操作)位置に対応した表示データの内容(ボタン、アイコン等)の選択が行われたりする。
図9は、前記電子ペーパシステム(両面タイプ)10Bの電子下敷(両面タイプ)12Bに対して異なるサイズを含む複数枚の電子ペーパ(両面タイプ)11B(A〜E)を綴じ込んだ場合の有効な電子ペーパの判別機能を説明する図であり、同図(A)は複数枚の電子ペーパ(両面タイプ)11B(A〜E)の電子下敷(両面タイプ)12Bに対する閉じ開き状態を示す図、同図(B)は有効電子ペーパの判別テーブルを示す図である。
例えば、電子下敷(両面タイプ)12Bの左面のタブレット14L上には1枚の電子ペーパ11B(A)が開かれ、また右面のタブレット14R上には3枚の電子ペーパ11Bが(D)→(C)→(E)の順に重ねられ、さらに電子ペーパ11B(B)が当該電子下敷(両面タイプ)12Bの中間付近に中立している状態では、左面のタブレット14L上にある電子ペーパ11B(A)の裏面側重なり検出センサ25Lに受光aが検出され「重なり無し」と判別されると共に、キャリブレーションポインタ26a〜26dによってその座標位置がタブレット14Lに検出されるので、当該電子ペーパ11B(A)は電子下敷(両面タイプ)12Bの左面上で有効(アクティブ)と判別される。
また、中立している電子ペーパ11B(B)の表裏面側重なり検出センサ25R,25Lに受光bが検出され「重なり無し」と判別される一方で、そのキャリブレーションポインタ26a〜26dからの電磁誘導信号は電子下敷12Bにおける左右何れのタブレット14L,14Rにも検出されないので、当該電子ペーパ11B(B)は無効(非アクティブ)と判別される。
また、右面のタブレット14R上に重ねてある3枚の電子ペーパ11B(D)(C)(E)については、何れの電子ペーパ11B(D)(C)(E)もそのキャリブレーションポインタ26a〜26dによってタブレット14Rに検出される一方で、電子ペーパ11B(C)(D)の各表側重なり検出センサ25Rにだけ受光c,eが検出されて「重なり無し」と判別されるものの、そのうちペーパサイズが小さい方の電子ペーパ11B(E)が優先され電子下敷(両面タイプ)12Bの右面上で有効(アクティブ)と判別される。
従って、電子下敷12Bの制御装置28では、その電磁誘導部を介して非接触で通信接続されている各電子ペーパ11B(A〜E)それぞれのIDに対応付けて、その表裏の重なり検出センサ25R,25Lによる重なり有無検出、キャリブレーションポインタ26a〜26dによるアクティブ有無検出、各ペーパサイズなどを収集管理することで、左右それぞれのタブレット14L,14R上にある有効(アクティブ)な電子ペーパ11Bを判別でき、当該左右のタブレット14L,14Rにて検出された電子ペン15による手書きデータを、前記電磁誘導部を介してその有効(アクティブ)な電子ペーパ11BのIDを有する不揮発性表示装置17R,17Lに表示させることができる。
図10は、前記電子ペーパシステム10A,10BをネットワークN上のクラウドコンピューティングシステムの端末として組み込んだ場合の電子回路の構成を示すブロック図である。
これによれば、電子下敷12B(12A)にWebブラウザを組み込むことで、ネットワークN上の情報提供サーバ53W…から選択的に取得される任意のコンテンツの表示データを電子ペーパ11A(11B)に表示させることができ、またその表示データを、ネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53により、ユーザID、ペーパID、下敷IDと対応付けて登録し管理することができる。
電子ペーパ11A(11B)の電子回路は、前記図3を参照して説明したように、例えばフレキシブルICチップのコンピュータである低機能CPUからなる制御装置19を中心にして、不揮発性表示装置17(17R,17L)、ID記憶部20、情報記憶装置21、電磁誘導電源部22、通信装置23、入力装置24(24R,24L)、重なり検出センサ25(25R,25L)、キャリブレーションポインタ26a〜26dが接続される。
電子下敷12B(12A)の電子回路は、前記図4を参照して説明したように、例えばフレキシブルICチップのコンピュータである低機能CPUからなる制御装置28を中心にして、タブレット14R,14L(14)、ID記憶部29、情報記憶装置30、入力装置31R,31L(31)、接触型表示I/F32、外部接続装置33、電磁誘導電源供給部35R,35L(35)、通信装置37R,37L(37)、電源部(バッテリ)38が接続される。
前記電子ペーパ11A(11B)…は、前記電子下敷12B(12A)に対して、前記図1,図2で示したように、そのバインダ部16(13)によってタブレット14R,14L(14)上に載置して綴じることで、前記図5,図6で示したような電磁誘導部を介して、電子下敷12B(12A)の電磁誘導電源供給部35R,35L(35)が電子ペーパ11A(11B)…の電磁誘導電源部22に電磁接続され、また電子下敷12B(12A)の通信装置37R,37L(37)が電子ペーパ11A(11B)…の通信装置23に電磁接続される。
そして、電子ペーパ11A(11B)…のキャリブレーションポインタ26a〜26dから発生される電磁誘導信号が電子下敷12B(12A)のタブレット14R,14L(14)により座標検出されることで、当該タブレット14R,14L(14)に対する電子ペーパ11A(11B)…の載置位置が検出される。
この際、タブレット14R,14L(14)により検出された電子ペーパ11A(11B)…の載置位置が、基準の載置位置からずれている場合に、当該電子ペーパ11A(11B)に対する電子ペン15でのタッチ(操作)に伴いタブレット14R,14L(14)により検出された座標(Xtp,Ytp)は、前述した座標変換式(1)(2)に従い、同電子ペーパ11A(11B)上での実際のタッチ点Pに対応する座標(Xp,Yp)に変換されて補正される。
電子ペン15は、当該ペンIDを記憶するID記憶部15aと、このID記憶部15aに記憶されたペンIDを読み出してコード信号を生成出力するICチップの制御部15bと、この制御部15bにより生成出力されたペンIDのコード信号を電磁誘導信号に変換して出力するコイルを備えた通信装置15cを有する。
前記電子ペーパ11A(11B)の各回路部を制御装置19が制御するためのプログラムデータは情報記憶装置21に記憶され、またこの情報記憶装置21には、当該電子ペーパ11A(11B)の仕様である固有情報の他、入力装置24(24R,24L)からのキー操作入力だけでなく、電子ペン15からの電子下敷12B(12A)による手書き位置検出入力、あるいは外部接続された情報提供サーバ53W…や電子ペーパ管理サーバ53からのテキスト・画像などの各種コンテンツの入力に応じたデータを不揮発性表示装置17(17R,17L)に表示させるための表示データなども記憶される。
前記電子下敷12B(12A)の各回路部を制御装置28が制御するためのプログラムデータ(Webブラウザ含む)は情報記憶装置30に記憶され、またこの情報記憶装置30には、綴じ込みされた各電子ペーパ11A(11B)…を管理するための管理情報(図11参照)の他、入力装置31R,31L(31)からのキー操作入力だけでなく、タブレット14R,14L(14)による前記電子ペン15からの手書き(タッチ)位置検出入力、あるいは外部接続された情報提供サーバ53W…や電子ペーパ管理サーバ53からのテキスト・画像などの各種コンテンツの入力に応じたデータを現在有効(アクティブ)な電子ペーパ11A(11B)へ送信して表示させるための表示データなども一時記憶される。
そして、表示装置45は、前記電子ペーパ11A(11B)…と同様にして前記電子下敷12B(12A)のバインダ部16(13)に必要に応じて綴じられ、その各々の接触型表示I/F32,52によって接続される。この表示装置45においても、電子ペン15からの電子下敷12B(12A)による手書き(タッチ)位置検出入力、あるいは外部接続された情報提供サーバ53W…や電子ペーパ管理サーバ53からのテキスト・画像などの各種コンテンツの入力に応じたデータをLCD表示装置46にて表示できる。
ここで、前記電子下敷12A(12B)の外部接続装置33に外部接続されるネットワークN上の情報提供サーバ53W…や電子ペーパ管理サーバ53は、当該外部接続装置33との有線通信又は無線通信により接続されるPCや携帯電話などの通信端末装置61を中継して接続する構成としても良いし、直接接続する構成としても良い。
図11は、前記電子ペーパシステム10A,10Bの電子下敷12B(12A)の情報記憶装置30にて記憶管理される電子ペーパ管理テーブル(下敷)54の内容を示す図である。
この電子ペーパ管理テーブル(下敷)54には、電子下敷12B(12A)のバインダ部16(13)に電子ペーパ11A(11B)…が綴じられてタブレット14R,14L(14)上に載置された際に、入力装置24R(24L)からユーザ入力されるユーザIDに対応付けられて、当該電子ペーパ11A(11B)…のそれぞれから通信受信される当該各電子ペーパ11A(11B)…の固有情報(電子ペーパID・表裏コード・描画サイズ(画素数含む)・キャリブレーションポインタ26a〜26dの座標)、重なり検出センサ25(25R,25L)による重なり検出情報、前記各電子ペーパ11A(11B)…のキャリブレーションポインタ26a〜26dの位置がタブレット14R,14L(14)により座標検出されることにより前記重なり検出情報を加えて判別されるアクティブ(有効)情報が記憶されると共に、各電子ペーパ11A(11B)の表裏それぞれに表示されている表示情報(表示データのコンテンツID・手書きデータとその位置)も記憶される。
そして、電子ペーパ管理テーブル(下敷)54に記憶される各種の情報のうち、前記重なり検出情報、アクティブ(有効)情報については、リアルタイムに更新されて記憶される。
よって、この電子ペーパ管理テーブル54に従って、電子下敷12B(12A)の右面と左面とにおける現在有効(アクティブ)な電子ペーパ11A(11B)を認識し、当該有効(アクティブ)な電子ペーパIDに基づいた操作信号の入力処理、および表示データの表示処理、登録処理を実行する。この際、電子下敷12B(12A)に対する電子ペーパ11A(11B)の載置位置(タブレット14R,14L(14)によるキャリブレーションポインタ26a〜26dの検出位置)が基準の位置からずれている場合は、電子ペン15によるタッチ(操作)に応じてタブレット14R,14L(14)により検出される座標位置(Xtp,Ytp)は、前記座標変換式(1)(2)に従い、同電子ペーパ11A(11B)上での実際のタッチ点Pに対応する座標(Xp,Yp)に変換され、手書き軌跡の表示処理やタッチ(操作)位置に応じた選択処理等が実行される。
図12は、前記電子ペーパシステム10Bを端末としネットワーク(インターネット)N上の電子ペーパ管理サーバ53にウェブアクセスベースで接続して使用する場合の構成例を示すブロック図である。
電子ペーパ管理サーバ53は、コンピュータであるCPUからなる制御装置56を備え、この制御装置56を中心にして入力装置57、記憶装置58、表示装置59が接続され、またネットワーク(インターネット)N上の端末(電子ペーパシステム10B)と、PCや携帯電話などの通信端末装置61を介して、あるいは直接的に通信接続するための通信装置60が接続される。
前記電子ペーパ管理サーバ53の記憶装置58には、電子ペーパ管理プログラム等の種々の制御情報を記憶管理するための情報管理部58aをはじめ、各端末(電子ペーパシステム10B…)からの要求に応じて登録または配信すべきコンテンツなどの情報をユーザID、下敷ID、ペーパIDに対応付けて記憶管理するための電子ペーパ管理部58bが確保される。
図13は、前記電子ペーパ管理サーバ53の電子ペーパ管理部58bにて記憶管理される電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62の内容を示す図である。
この電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62には、ログインされた端末(電子ペーパシステム10B)からの受信に応じて、当該受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDおよびその表裏コードとアクティブ(有効)情報、表裏それぞれの表示情報(コンテンツID・コンテンツ表示データ)が対応付けられて記憶される。
ここで、電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62に記憶される各種の情報のうち、前記電子ペーパ11A(11B)のアクティブ(有効)情報についてはリアルタイムに更新されて記憶され、表示情報(コンテンツID・コンテンツ表示データ)は、登録要求の受信に応じて新規に又は更新されて記憶される。
次に、前記構成の電子ペーパシステム10A,10Bをクラウドコンピューティングシステムの端末として組み込んだ場合(図10〜図13参照)の動作について説明する。
図14は、前記電子ペーパシステム10A,10Bを端末として組み込んだクラウドコンピューティングシステムにおける電子下敷12A,12Bでの処理(その1)を示すフローチャートである。
図15は、前記電子ペーパシステム10A,10Bを端末として組み込んだクラウドコンピューティングシステムにおける電子下敷12A,12Bでの処理(その2)を示すフローチャートである。
図16は、前記電子ペーパシステム10A,10Bを端末として組み込んだクラウドコンピューティングシステムにおける電子ペーパ管理サーバ53での処理を示すフローチャートである。
電子ペーパシステム(両面タイプ)10Bの電子下敷(両面タイプ)12Bにおいて、電子ペーパ(両面タイプ)11Bが装着されたことが、バインダ部16における電磁誘導電源供給部35R,35Lおよび通信装置37R,37Lでの接続検出に応じて制御装置28に判断されると(ステップS0(Yes))、当該装着された電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17の所定の位置にユーザIDの登録を要求するメッセージが表示される。そして、入力装置24のユーザ操作に応じてユーザIDが入力されると、情報記憶装置30の電子ペーパ管理テーブル(下敷)54(図11参照)に当該入力されたユーザIDが登録される(ステップS1)。
ここで、電子ペーパ11Bの情報記憶装置21に何らかのコンテンツの表示データが記憶されているか否かにより不揮発性表示装置17に表示があるか否か判断される(ステップS2)。
電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17にコンテンツの表示が無いと判断されると(ステップS2(No))、当該電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパIDが、前記電子ペーパ管理テーブル(下敷)54に登録されたユーザIDに対応付けられて既に登録されているか否か判断される(ステップS3)。
そして、前記電子ペーパ管理テーブル(下敷)54のユーザIDに対応付けられて、電子ペーパ11Bの電子ペーパIDが登録されていないと判断された後(ステップS3(No))、当該電子ペーパ11Bの入力装置24のユーザ操作に応じて表示の変更が指示されると(ステップS4(Yes))、外部接続装置33を介してネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53から前記電子ペーパ11Bに表示させるための複数のコンテンツ表示データが受信済みであるか否か判断される(ステップS5)。
ここで、前記複数のコンテンツ表示データが受信済みでないと判断されると(ステップS5(No))、外部接続装置33を介して、PCなどの通信端末装置61から直接、あるいは当該通信端末装置61を介してネットワークN上の情報提供サーバ53Wから選択的に任意のコンテンツ表示データが取得され(ステップS6)、電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17に表示される(ステップS7)。
すると、電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパIDが、前記情報記憶装置30の電子ペーパ管理テーブル(下敷)54(図11参照)に登録されたユーザIDに対応付けられて登録されているか否か判断される(ステップS8)。
そして、前記電子ペーパ管理テーブル(下敷)54のユーザIDに対応付けられて、電子ペーパ11Bの電子ペーパIDが登録されていないと判断されると(ステップS8(No))、当該電子ペーパ管理テーブル(下敷)54のユーザIDに対応付けられて、電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパID、同電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17に表示されているコンテンツ表示データのコンテンツIDが記憶される(ステップS9)。
具体的には、図11に示すように、例えばユーザID“12301”、電子ペーパID“A”のアクティブ(有効)な裏面“2”に対応付けられてコンテンツID“201”として記憶される。
さらに、前記電子ペーパ管理テーブル(下敷)54に記憶されたユーザID、本電子下敷12BのID記憶部29から読み出された電子下敷ID、および電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパID、同電子ペーパ11Bに表示されたコンテンツ表示データのIDとその表示データが、外部接続装置33を介してネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53へ送信され、その電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62(図13参照)に登録される(ステップS10)。
電子ペーパ管理サーバ53において、前記電子下敷12Bから送信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパID、電子ペーパ11Bに表示中のコンテンツIDとその表示データが受信されると(ステップM1(Yes))、電子ペーパ管理部58bの電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62に、前記受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDを対応付けた管理データが既に登録されているか否か判断される(ステップM2)。
そして、電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62に、前記受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDを対応付けた管理データが登録されていないと判断されると(ステップM2(No))、当該受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパID、電子ペーパ11Bに表示中のコンテンツIDとその表示データが対応付けられて新規登録される(ステップM3)。
具体的には、図13に示すように、例えばユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“A”のアクティブ(有効)な裏面“2”に対応付けられてコンテンツID“201”、コンテンツ表示データ“D201”として登録される。
そして、前記電子下敷“あ”12Bの電子ペーパ“A”11Bのアクティブ(有効)な裏面“2”にコンテンツID“201”の表示データ“D201”が表示されている状態で、電子ペン15による手書きの入力がタブレット14Lにより検出されると(ステップS11(Yes))、同タブレット14Lにより検出される前記電子ペーパ“A”11Bのキャリブレーションポインタ26a〜26dの座標位置(例えば、図8Bの26d(Xt1,Yt1),26a(Xt2,Yt2))とその基準の位置(タブレット14L上の四隅)とのずれ量に応じた前記座標変換式(1)(2)に基づいて、当該タブレット14Lにより検出された手書き入力位置P…の絶対座標(Xtp,Ytp)…が前記電子ペーパ“A”11B上での相対座標(Xp,Yp)…に変換される(ステップS11a)。
この際、前記電子ペーパ“A”11B上での相対座標(Xp,Yp)…は、前記タブレット14Lの領域サイズと当該電子ペーパ“A”11BのID記憶部20に記憶されている画面(描画)サイズとの比較に応じた相対座標(Xp,Yp)…として取得されるので、前記タブレット14Lの領域サイズに対して、前記電子ペーパ“A”11Bのサイズが同等である場合は勿論、小さい場合であってもその画面(描画)サイズに対応した相対座標(Xp,Yp)…を取得できる。
すると、前記電子ペーパ“A”11Bの裏面“2”に表示中のコンテンツ表示データ“D201”上に、前記座標変換された同電子ペーパ“A”11B上での手書き入力位置P…の相対座標(Xp,Yp)…に対応して、当該手書き入力に伴う軌跡が重ねられて表示される(ステップS12)。
そして、この手書き入力に伴う手書きデータとそのペーパ上での位置情報は、本電子下敷“あ”12Bの電子ペーパ管理テーブル(下敷)54において、例えば、図11に示すように、前記ユーザID“12301”、電子ペーパID“A”のアクティブ(有効)な裏面“2”、コンテンツID“201”に対応付けられた手書きデータ”HDA21”とその位置情報“PA21”として記憶される(ステップS13)。
一方、前記電子下敷12Bにおいて、電子ペーパ11Bが装着されてユーザIDが登録された際に(ステップS0,S1)、当該電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17に既にコンテンツの表示がされていると判断された場合は(ステップS2(Yes))、前記登録されたユーザID、装着された電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパID、本電子下敷12BのID記憶部29から読み出された電子下敷ID、電子ペーパ11Bの情報記憶装置21から読み出された表示データとそのコンテンツIDが対応付けられてネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53へ送信される(ステップS14)。
またこれと共に、電子ペーパ管理テーブル(下敷)54において、前記登録されたユーザIDに対応付けられて、前記装着された電子ペーパ11Bの電子ペーパID、前記表示されている表示データのコンテンツIDが記憶される(ステップS15)。
この際、電子ペーパ管理サーバ53において、前記受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDを対応付けた管理データが電子ペーパ管理部58bの電子ペーパ管理テーブル62に登録されていないと判断された場合は(ステップM1,M2(No))、当該受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパID、電子ペーパ11Bに表示中のコンテンツIDとその表示データが対応付けられて新規登録される(ステップM3)。
また一方、前記受信されたユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDを対応付けた管理データが前記電子ペーパ管理テーブル62(図13参照)に登録されていると判断された場合は(ステップM2(Yes))、当該ユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDの組み合わせに対応付けられて登録されているコンテンツIDと前記受信されたコンテンツIDとが異なる場合にコンテンツ表示データの更新と判断され(ステップM7(Yes))、同ユーザID、電子下敷ID、電子ペーパIDの組み合わせに対応付けられて、登録済みのコンテンツIDとその表示データが、前記受信されたコンテンツIDとその表示データに更新されて登録される(ステップM8)。
具体的には、図13に示すように、例えばユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“B”のアクティブ(有効)な表面“1”に対応付けられてコンテンツID“301”“302”“303”が登録されており、今回受信されたコンテンツIDが異なるID“304”である場合に、登録済みの最先のコンテンツID“301”とその表示データ“D301”が今回受信された最新のコンテンツID“304”とその表示データ“D304”に更新されて登録される。
そして、前記電子下敷“あ”12Bの電子ペーパ“B”11Bの表面“1”にコンテンツID“303”の表示データ“D303”が表示されている状態で、電子ペン15による手書きの入力がタブレット14Rにより検出されると(ステップS11(Yes))、同タブレット14Rにより検出される前記電子ペーパ“B”11Bのキャリブレーションポインタ26a〜26dの座標位置(例えば、図8Bの26d(Xt1,Yt1),26a(Xt2,Yt2))とその基準の位置(タブレット14R上の四隅)とのずれ量に応じた前記座標変換式(1)(2)に基づいて、当該タブレット14Rにより検出された手書き入力位置P…の絶対座標(Xtp,Ytp)…が前記電子ペーパ“B”11B上での相対座標(Xp,Yp)…に変換される(ステップS11a)。
この際、前記電子ペーパ“B”11B上での相対座標(Xp,Yp)…は、前記タブレット14Rの領域サイズと当該電子ペーパ“B”11BのID記憶部20に記憶されている画面(描画)サイズとの比較に応じた相対座標(Xp,Yp)…として取得されるので、前記タブレット14Rの領域サイズに対して、前記電子ペーパ“B”11Bのサイズが同等である場合は勿論、小さい場合であってもその画面(描画)サイズに対応した相対座標(Xp,Yp)…を取得できる。
すると、前記電子ペーパ“B”11Bの表面“1”に表示中のコンテンツ表示データ“D303”上に、前記座標変換された同電子ペーパ“B”11B上での手書き入力位置P…の相対座標(Xp,Yp)…に対応して、当該手書き入力に伴う軌跡が重ねられて表示される(ステップS12)。
そして、この手書き入力に伴う手書きデータとそのペーパ上での位置情報は、本電子下敷“あ”12Bの電子ペーパ管理テーブル(下敷)54において、例えば、図11に示すように、前記ユーザID“12301”、電子ペーパID“B”のアクティブ(有効)な表面“1”、コンテンツID“303”に対応付けられた手書きデータ”HDB13”とその位置情報“PB13”として記憶される(ステップS13)。
一方、前記電子下敷12Bにおいて、電子ペーパ11Bが装着されてユーザIDが登録された際に(ステップS0,S1)、当該電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17にコンテンツの表示がされていないと判断された場合であって(ステップS2(No))、電子ペーパ管理テーブル(下敷)54の前記登録されたユーザIDに対応付けられて、電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパIDが登録済みであると判断された場合には(ステップS3(Yes))、当該ユーザID、電子ペーパID、ID記憶部29から読み出された電子下敷IDが外部接続装置33を介してネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53へ送信される(ステップS16)。
具体的には、例えば、図11に示すように、電子ペーパ管理テーブル(下敷)54に登録済みのユーザID“12301”、電子ペーパID“B”、および本電子下敷12Bの電子下敷ID“あ”が電子ペーパ管理サーバ53へ送信される。
電子ペーパ管理サーバ53において、前記電子下敷12Bから送信されたユーザID“12301”、電子ペーパID“B”、電子下敷ID“あ”が受信された際に(ステップM1(Yes))、当該受信されたユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“B”が、電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62(図13参照)に登録済みであると判断されると(ステップM2(Yes))、前記受信データの中にコンテンツ表示データが含まれていないことで表示データの登録要求ではなく送信要求であると判断される(ステップM4(Yes))。
すると、前記電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62において、前記電子下敷12Bから受信されたユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“B”のアクティブ(有効)な表面“1”に対応付けられて登録されている全てのコンテンツID“301”“302”“303”とコンテンツ表示データ“D301”“D302”“D303”が読み出され(ステップM5)、前記電子下敷“あ”12Bへ送信される(ステップM6)。
電子下敷“あ”12Bにおいて、前記電子ペーパ管理サーバ53から送信されたコンテンツID“301”“302”“303”とコンテンツ表示データ“D301”“D302”“D303”が受信されると(ステップS17)、その最新のコンテンツ表示データ“D303”が電子ペーパ“B”11Bの情報記憶装置21に書き込まれ、アクティブ(有効)な表面“1”の不揮発性表示装置17Rに表示される(ステップS18)。なお、前記電子ペーパ管理サーバ53からの受信データが、1つのコンテンツIDとコンテンツ表示データである場合には、その表示データが電子ペーパ11Bの不揮発性表示装置17に表示される。
そして、前記ステップS3の処理に従い電子ペーパ管理テーブル(下敷)54に登録済みと判断されたユーザID“12301”、電子ペーパID“B”、および前記不揮発性表示装置17Rに表示されたコンテンツ表示データ“D303”のID“303”に対応付けられた手書きデータ“HDB13”が登録されていると判断されると(ステップS19(Yes))、当該手書きデータ“HDB13”がその位置情報“PB13”に従い前記電子ペーパ“B”11Bの表面“1”の不揮発性表示装置17Rに表示中のコンテンツ表示データ“D303”上に重畳されて表示される(ステップS20)。
この後、電子ペーパ11Bの入力装置24のユーザ操作に応じて表示の変更が指示されると(ステップS4(Yes))、外部接続装置33を介してネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53から前記電子ペーパ11Bに表示させるための複数のコンテンツ表示データが受信済みであるか否か判断される(ステップS5)。
ここでは、前記ステップS17において、電子ペーパ管理サーバ53から3つのコンテンツID“301”“302”“303”とコンテンツ表示データ“D301”“D302”“D303”が受信済みであると判断され(ステップS5(Yes))、この複数のコンテンツ表示データ“D301”“D302”“D303”の選択項目に、外部からの取り込みを指示する選択項目を加えた表示選択メニューが前記電子ペーパ“B”11Bの表面“1”の不揮発性表示装置17Rにウインドウ表示される(ステップS21)。
そして、前記ウインドウ表示された表示選択メニューが電子ペン15によるユーザのタッチ操作に応じて選択されると(ステップS22)、タブレット14Rにより検出される前記電子ペーパ“B”11Bのキャリブレーションポインタ26a〜26dの座標位置(例えば、図8Bの26d(Xt1,Yt1),26a(Xt2,Yt2))とその基準の位置(タブレット14R上の四隅)とのずれ量に応じた前記座標変換式(1)(2)に基づいて、当該タブレット14Rにより検出されたタッチ操作位置Pの絶対座標(Xtp,Ytp)が前記電子ペーパ“B”11B上での相対座標(Xp,Yp)に変換される(ステップS22a)。
この際、前記電子ペーパ“B”11B上での相対座標(Xp,Yp)は、前記タブレット14Rの領域サイズと当該電子ペーパ“B”11BのID記憶部20に記憶されている画面(描画)サイズとの比較に応じた相対座標(Xp,Yp)として取得されるので、前記タブレット14Rの領域サイズに対して、前記電子ペーパ“B”11Bのサイズが同等である場合は勿論、小さい場合であってもその画面(描画)サイズに対応した相対座標(Xp,Yp)を取得できる。
すると、前記電子ペーパ“B”11Bの表面“1”に表示させた表示選択メニューの各選択項目に対する前記座標変換された同電子ペーパ“B”11B上でのタッチ操作位置Pの相対座標(Xp,Yp)に応じて、先ず、外部からの取り込みを指示する選択項目が選択されたか否か判断される(ステップS23)。
ここで、外部からの取り込みを指示する選択項目が選択されていないと判断された場合に(ステップS23(No))、前記受信済みである複数のコンテンツ表示データ“D301”“D302”“D303”の何れかの選択項目が選択された場合には(ステップS24)、当該選択された例えばコンテンツ表示データ“D301”が、電子ペーパ“B”11Bの情報記憶装置21に書き込まれ、前記コンテンツ表示データ“D303”が表示されているアクティブ(有効)な表面“1”の不揮発性表示装置17Rに変更されて表示される(ステップS25)。
そして、ユーザ登録されたユーザID“12301”、電子ペーパ11Bの電子ペーパID“B”、前記選択表示されたコンテンツ表示データ“D301”のコンテンツID“301”に対応付けられて、電子ペーパ管理テーブル(下敷)54(図11参照)に手書きデータ“HDB11”が登録されていると判断されると(ステップS26(Yes))、当該手書きデータ“HDB11”がその位置情報“PB11”に従い前記電子ペーパ“B”11Bの表面“1”の不揮発性表示装置17Rに表示中のコンテンツ表示データ“D301”上に重畳されて表示される(ステップS27)。
一方、前記ステップS23において、前記ウインドウ表示された表示選択メニューから外部からの取り込みを指示する選択項目が選択されたと判断された場合は(ステップS23(Yes))、外部接続装置33を介して、PCなどの通信端末装置61から直接、あるいは当該通信端末装置61を介してネットワークN上の情報提供サーバ53Wから選択的に任意のコンテンツ表示データが取得され(ステップS6)、前記電子ペーパ“B”11Bの不揮発性表示装置17Rに表示される(ステップS7)。
ここで、当該電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパID“B”が、前記電子ペーパ管理テーブル(下敷)54(図11参照)にユーザ登録されたユーザID“12301”に対応付けられて登録されていると判断されると(ステップS8(Yes))、当該電子ペーパ管理テーブル(下敷)54に登録済みのユーザID“12301”、電子ペーパID“B”のアクティブ(有効)な表面“1”に対応付けられて、登録済みの最先のコンテンツID“301”が、前記ステップS6,S7にて新たに表示されたコンテンツ表示データのコンテンツID(例えば“304”)に更新されて記憶される(ステップS28)。この際、更新されたコンテンツID“304”に対応するところの手書きデータ“HDB11”およびその位置情報“PB11”は消去される。
そして、前記ユーザID“12301”、本電子下敷12BのID記憶部29から読み出された電子下敷ID“あ”、および電子ペーパ11BのID記憶部20から読み出された電子ペーパID“B”、同電子ペーパ11Bに表示中のコンテンツID“304”とその表示データ(例えば“D304”)が、外部接続装置33を介してネットワークN上の電子ペーパ管理サーバ53へ送信され、その電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62に登録される(ステップS10)。
電子ペーパ管理サーバ53において、前記電子下敷12Bから受信されたユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“B”を対応付けた管理データが電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62(図13参照)に登録されていると判断されると(ステップM1,M2(Yes))、当該ユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“B”のアクティブ(有効)な表面“1”の組み合わせに対応付けられて登録されているコンテンツID“301”“302”“303”と前記受信されたコンテンツID“304”とが異なることでコンテンツ表示データの更新と判断される(ステップM7(Yes))。
すると、同電子ペーパ管理テーブル(サーバ)62において、同ユーザID“12301”、電子下敷ID“あ”、電子ペーパID“B”のアクティブ(有効)な表面“1”の組み合わせに対応付けられて、登録済みの最先のコンテンツID”301”とその表示データ“D301”が、前記受信されたコンテンツID“304”とその表示データ“D304”に更新されて登録される(ステップM8)。
したがって、前記構成の電子ペーパシステム10A(10B)によれば、電子ペーパ11A(11B)に対する電子ペン15でのタッチ操作の位置Pが電子下敷12A(12B)のタブレット14により検出されると、当該タブレット14により検出される前記電子ペーパ11Aのキャリブレーションポインタ26a〜26dの少なくとも2つの座標位置とその基準の位置(タブレット14上の四隅)とのずれ量に応じて、前記タブレット14により検出されたタッチ操作位置Pの絶対座標(Xtp,Ytp)を前記電子ペーパ11A上での相対座標(Xp,Yp)に変換するための前記座標変換式(1)(2)に基づいて、同電子ペーパ11A上でのタッチ操作位置Pの座標(Xp,Yp)を取得する。そして、この取得された前記電子ペーパ11Aに対するタッチ操作位置Pの座標(Xp,Yp)に対応して、手書き入力に伴う軌跡が表示されたり、同電子ペーパ11Aに表示された表示データが選択されたりする。
このため、前記電子下敷12A(12B)に対する前記電子ペーパ11A(11B)の載置位置がその基準の位置からずれていたとしても、当該電子ペーパ11A(11B)に対するタッチ操作に伴うタブレット14での検出位置を、同電子ペーパ11A(11B)上でのユーザの実際のタッチ位置として取得することでき、電子ペーパ11A(11B)のタブレット14に対する位置的自由度を大幅に改善することが可能になる。
また、前記構成の電子ペーパシステム10A(10B)によれば、前記電子ペーパ11A(11B)上での相対座標(Xp,Yp)は、前記タブレット14の領域サイズと当該電子ペーパ11A(11B)のID記憶部20に記憶されている画面(描画)サイズとの比較に応じた相対座標(Xp,Yp)として取得される。
このため、前記タブレット14の領域サイズに対して、前記電子ペーパ11A(11B)のサイズが同等である場合は勿論、小さい場合であってもその画面(描画)サイズに対応したユーザの実際のタッチ位置の相対座標(Xp,Yp)として取得できる。
(他の実施形態(1))
前記実施形態の電子ペーパシステム10A(10B)では、当該システム専用の電子下敷12A(12B)に対して、電子ペーパ11A(11B)を載置して使用する構成とした。
これに対し、前記電子下敷12A(12B)を、次の図17に示すように、電子下敷機能付きデスクマット12Mとして構成したり、あるいは図18に示すように、電子下敷機能付きデスク12Dとして構成したりしてもよい。
図17は、前記電子ペーパシステム10A(10B)の他の実施形態(1)に係る電子下敷機能付きデスクマット12Mの利用形態を示す図である。
図18は、前記電子ペーパシステム10A(10B)の他の実施形態(1)に係る電子下敷機能付きデスク12Dの利用形態を示す図である。
この場合にも、前記実施形態と同様に、前記デスクマット12Mあるいはデスク12Dに内蔵されたタブレット14により検出される前記電子ペーパ11Aのキャリブレーションポインタ26a〜26dの少なくとも2つの座標位置とその基準の位置とのずれ量に応じて、前記タブレット14により検出されたタッチ操作位置Pの絶対座標(Xtp,Ytp)を前記電子ペーパ11A上での相対座標(Xp,Yp)に変換するための座標変換式に基づいて、前記タブレット14の領域サイズと当該電子ペーパ11Aの画面(描画)サイズとの比較に応じたタッチ操作位置Pの座標(Xp,Yp)を取得できる。
(他の実施形態(2))
前記各実施形態では、電子下敷12A(12B)(12M)(12D)に内蔵されたタブレット14の領域サイズに対して、電子ペーパ11A(11B)の画面(描画)サイズが同等か小さい場合について説明した。
これに対し、次の図19を参照して説明するように、電子下敷のタブレット14の領域サイズに対して、電子ペーパ11Aの画面(描画)サイズが大きい場合であっても、タブレット14により検出される電子ペーパ11Aの少なくとも2つのキャリブレーションポインタ26a〜26iを特定できるように構成したり(図19(A))、縦横一定間隔Cでマトリクスに配置したキャリブレーションポインタ26a〜26iに、その相互に隣接する4つのポインタによって囲まれる枡の位置を識別するための識別ポインタ26A,26B,26c,26dを追加して構成したり(図19(B))することで、当該電子ペーパ11Aの画面(描画)サイズから前記タブレット14によって検出可能な同電子ペーパ11Aの領域を認識する。そして、前記タブレット14により検出されたタッチ操作位置Pの絶対座標(Xtp,Ytp)から前記電子ペーパ11A上での相対座標(Xp,Yp)を取得できるようにしてもよい。
図19は、前記電子ペーパシステム10A(10B)の他の実施形態(2)に係る電子ペーパ11Aのキャリブレーションポインタ26a〜26iの配列構成を示す図である。
すなわち、具体例(1)では、図19(A)に示すように、例えばA4サイズ(長辺29cm)のタブレット14を有する電子下敷においてA3横サイズ(長辺42cm)の電子ペーパ11Aを使用する場合、当該電子ペーパ11Aには、9個のキャリブレーションポインタ26a〜26iを3個ずつ3列に配置し、左から1列目のポインタ間隔26a−26b(14cm),26b−26c(9cm)、2列目のポインタ間隔26d−26e(13cm),26e−26f(10cm)、3列目のポインタ間隔26g−26h(12cm),26h−26i(11cm)とし、それぞれ何れもA4長辺の1/2以下となる6通りの間隔に設定する。なお各列間の横方向のポインタ間隔は14cm一定に設定する。
前記キャリブレーションポインタ26a〜26iの電子ペーパ11A上での各座標と間隔は、当該電子ペーパ11AのID記憶部20に、同ペーパ固有のID、画面(描画)サイズ(A3)と共に記憶され、電子下敷に検知された際に同電子下敷によって読み出される。
従って、電子下敷のタブレット14により、前記電子ペーパ11Aの縦方向の少なくとも2個のキャリブレーションポインタ26a〜26iを検知して特定することで、当該タブレット14の領域に対応したところの同電子ペーパ11Aの領域を認識できる。よって、前記タブレット14により検出されたタッチ操作位置Pの絶対座標(Xtp,Ytp)から前記電子ペーパ11A上での相対座標(Xp,Yp)を取得できる。
また、具体例(2)では、図19(B)に示すように、前記同様に、例えばA4サイズ(長辺29cm)のタブレット14を有する電子下敷においてA3横サイズ(長辺42cm)の電子ペーパ11Aを使用する場合に、当該電子ペーパ11Aには、A4長辺の1/2以下となる縦横一定間隔C(14cm)で9個のキャリブレーションポインタ26a〜26iを3×3のマトリクスに配置し、相互に隣接する4個のポインタによって囲まれる上下左右4つの枡内のそれぞれ固有の位置(左上の枡は左上、右上の枡は右上、左下の枡は左下、右下の枡は右下)に、当該枡を識別するための識別用キャリブレーションポインタ26A,26B,26C,26Dを追加する。
前記キャリブレーションポインタ26a〜26i及び26A〜26Dの電子ペーパ11A上での各座標は、当該電子ペーパ11AのID記憶部20に、同ペーパ固有のID、画面(描画)サイズ(A3)と共に記憶され、電子下敷に検知された際に同電子下敷によって読み出される。
従って、電子下敷のタブレット14により、前記電子ペーパ11Aの少なくとも上下左右に隣接する4個のキャリブレーションポインタ26a〜26iとその中の識別用ポインタ26A〜26Dを検知して特定することで、当該タブレット14の領域に対応したところの同電子ペーパ11Aの領域を認識できる。よって、前記タブレット14により検出されたタッチ操作位置Pの絶対座標(Xtp,Ytp)から前記電子ペーパ11A上での相対座標(Xp,Yp)を取得できる。
なお、前記図17、図18を参照して説明した他の実施形態(1)に係る電子ペーパシステム、前記図19を参照して説明した他の実施形態(2)に係る電子ペーパシステムの何れにあっても、電子下敷から電子ペーパ11A(11B)への給電手段、電子下敷と電子ペーパ11A(11B)との間の通信手段は、前記実施形態と同様に電磁誘導式で構成してもよいし、磁気共鳴式で構成してもよい。
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
電子ペンによる操作位置を非接触で検出するタブレットを有した電子装置と、この電子装置との非接触の通信により表示データを表示する画面を有した電子ペーパと、からなる電子ペーパシステムであって、
前記電子ペーパは、
予め設定された複数の位置に設けられ前記タブレットにその位置が検出される位置指示部を備え、
前記電子装置は、
前記電子ペンによる操作位置が前記タブレットに検出された際に、当該検出された操作位置の同タブレット上での座標を、同タブレットに検出される前記電子ペーパの少なくとも2つの位置指示部の位置の基準の位置からのずれ量に応じた座標変換式に従い、前記電子ペーパの画面上の相対座標に変換する座標変換手段と、
この座標変換手段により変換された前記電子ペーパの画面上の相対座標の位置に応じた処理を実行する処理実行手段とを備えた、
ことを特徴とする電子ペーパシステム。
[2]
前記座標変換手段は、
前記電子ペンによる操作位置が前記タブレットに検出された際に、前記電子ペーパの画面サイズと前記タブレットの領域サイズとを比較するサイズ比較手段を有し、
前記タブレットに検出された操作位置の同タブレット上での座標を、同タブレットに検出される前記電子ペーパの少なくとも2つの位置指示部の位置間の基準の位置からの傾きに応じた座標変換式と前記サイズ比較手段による比較結果に従い、前記電子ペーパの画面上の相対座標に変換する、
ことを特徴とする[1]に記載の電子ペーパシステム。
[3]
前記電子ペーパの画面サイズは、前記タブレットの領域サイズと同等であることを特徴とする[1]に記載の電子ペーパシステム。
[4]
前記電子ペーパの画面サイズは、前記タブレットの領域サイズと同等又は小さいことを特徴とする[2]に記載の電子ペーパシステム。
[5]
前記電子ペーパの画面サイズが前記タブレットの領域サイズよりも大きい場合であって、
前記電子ペーパの位置指示部は、
当該電子ペーパの画面全体に渡る複数の位置にそれぞれ前記タブレットの長辺以下の間隔で且つ固有の配列によってその位置が特定可能に設けられ、
前記電子ペーパは、その画面サイズと前記位置指示部の座標を含む配列情報を記憶する情報記憶手段を備え、
前記電子装置の座標変換手段は、
前記電子ペンによる操作位置が前記タブレットに検出された際に、前記電子ペーパの情報記憶手段に記憶された当該電子ペーパの画面サイズと前記位置指示部の配列情報を読み出す情報読み出し手段を有し、
前記電子ペーパの画面サイズが前記タブレットの領域サイズよりも大きい場合は、前記情報読み出し手段により読み出された前記電子ペーパの画面サイズと前記位置指示部の配列情報に基づいて、前記タブレットの領域に対応するところの前記電子ペーパの画面領域を認識し、前記タブレットに検出された操作位置の同タブレット上での座標を、前記電子ペーパの画面上の相対座標に変換する、
ことを特徴とする[1]ないし[4]の何れかに記載の電子ペーパシステム。
[6]
前記[1]に記載の電子ペーパシステムにおける電子装置。
[7]
前記[1]に記載の電子ペーパシステムにおける電子装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記電子ペンによる操作位置が前記タブレットに検出された際に、当該検出された操作位置の同タブレット上での座標を、同タブレットに検出される前記電子ペーパの少なくとも2つの位置指示部の位置の基準の位置からのずれ量に応じた座標変換式に従い、前記電子ペーパの画面上の相対座標に変換する座標変換手段、
この座標変換手段により変換された前記電子ペーパの画面上の相対座標の位置に応じた処理を実行する処理実行手段、
として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。