JP6221667B2 - 素子製造方法および素子製造装置 - Google Patents
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図1に示すように有機半導体素子40は、基材41と、基材41上に設けられた複数の第1電極42と、第1電極42間に設けられた補助電極43および突起部44と、第1電極42上に設けられた有機半導体層45と、有機半導体層45上および補助電極43上に設けられた第2電極46と、を備えている。
次に、本実施の形態による有機半導体素子40を基材41上に形成するための素子製造装置10について説明する。図3は、素子製造装置10を概略的に示す図である。素子製造装置10は、基材41上に複数の第1電極42を形成する第1電極形成装置11と、第1電極42間に補助電極43を形成する補助電極形成装置12と、第1電極42と補助電極43との間に突起部44を形成する突起部形成装置13と、第1電極42、補助電極43上および突起部44上に有機半導体層45を形成する有機半導体層形成装置14と、を備えている。以下の説明において、各装置11,12,13,14を用いた工程によって得られるものを中間製品50と称することもある。第1電極形成装置11を経た後の中間製品50は、基材41と、基材41上に形成された複数の第1電極42と、を含むものである。補助電極形成装置12を経た後の中間製品50は、第1電極42間に形成された補助電極43をさらに含むものである。突起部形成装置13を経た後の中間製品50は、第1電極42と補助電極43との間に形成された突起部44をさらに含むものである。有機半導体層形成装置14を経た後の中間製品50は、補助電極43上および突起部44上に形成された有機半導体層45をさらに含むものである。また、後述する中間製品処理装置15を経た後の中間製品50においては、補助電極43上に設けられた有機半導体層45が除去されている。
以下、図4(a)〜(g)を参照して、素子製造装置10を用いて有機半導体素子40を製造する方法について説明する。はじめに、例えばスパッタリング法によって、第1電極42および補助電極43を構成する金属材料の層を基材41上に形成し、次に、金属材料の層をエッチングによって成形する。これによって、図4(a)に示すように、上述の第1電極42および補助電極43を同時に基材41上に形成することができる。なお、第1電極42を形成する工程および補助電極43を形成する工程は、別個に実施されてもよい。
はじめに封止機構20について説明する。封止機構20は、図6Bに示すように、その内部を任意の圧力に調整することができるチャンバ15aと、チャンバ15a内に配置され、蓋材21cを供給する蓋材供給部21と、中間製品50に突起部44の側から蓋材21cの第1面21dを密着させる加圧部23と、を有している。蓋材21cは、中間製品50を突起部44側から覆うためのものである。このような蓋材21cを用いることにより、例えば上述の除去工程において、補助電極43上から飛散した有機半導体材料が第1電極42上の有機半導体層45や周囲環境を汚染することを防ぐことができる。
なお図5においては、第1方向D1および第2方向D2の両方に直交する第3方向が符号D3で表されている。また図6Cにおいては、中間製品50の外縁が符号50cおよび50dによって表されている。符号50cは、第1方向D1に沿って延びる一対の第1外縁を表している。また符号50dは、第2方向D2に沿って延びる一対の第2外縁を表している。また、第1方向D1に沿って延びる、蓋材21cの一対の第1外縁が、符号21gで表されている。
次に除去機構30について説明する。除去機構30は、第1封止治具61の主面61aおよび蓋材21cを通してレーザ光などの光を補助電極43上の有機半導体層45に照射することにより、補助電極43上の有機半導体層45を除去するものである。除去機構30は、図6Aおよび図6Bに示すように、例えば、レーザ光を生成する光照射部31を有している。なお蓋材21cを構成する材料としては、レーザ光などの光L1を透過させることができるよう、PET、COP,PP,PE,PC,ガラスフィルムなどの透光性を有する材料が用いられる。
なお蓋材21cは、蓋材21cからガスが流入し、中間製品50と蓋材21cとの間の空間の機密性が低下してしまうことや、中間製品50の構成要素が酸化などによって劣化してしまうことを防ぐため、所定のガスバリア性を備えていることが好ましい。例えば、蓋材21cの酸素透過度は、好ましくは100cc/m2・day以下になっており、より好ましくは30cc/m2・day以下になっており、さらに好ましくは15cc/m2・day以下になっている。
具体的には、はじめに、巻出部21a側から巻取部21bへ向けて貼り合わせロール73の走行を開始させる。貼り合わせロール73が巻出部21a側の第2側面61c上を通過すると、巻出部21a側の棒状の部材62cを第2側面61cに向けて移動させ、蓋材21cを挟み込む。その後、貼り合わせロール73が巻取部21b側の第2側面61c上を通過すると、図9(c)に示すように、巻取部21b側の棒状の部材62cを第2側面61cに向けて移動させ、蓋材21cを挟み込む。これによって、外部から強固に密閉された密閉空間28を形成することができる。この際、密閉空間28の圧力は第1圧力になっている。
上述の本実施の形態において、第1電極42および補助電極43が突起部44よりも先に基材41上に形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、突起部44を第1電極42および補助電極43よりも先に基材41上に形成してもよい。このような場合であっても、上述した本実施の形態による密着工程や除去工程を利用することができる。以下、このような例について図10(a)〜(g)を参照して説明する。
また上述の本実施の形態および変形例において、封止機構20を有する中間製品処理装置15が、補助電極43上の有機半導体層45を除去する除去装置として構成される例を示した。しかしながら、上述の封止機構20の応用例が特に限られることはない。例えば中間製品処理装置15は、図11に示すように、上述の封止機構20と、中間製品50に蓋材21cが密着されている間に被露光層47に対して露光光L2を照射する露光工程を実施する露光機構33と、を有していてもよい。すなわち、素子製造装置10の内部における差圧を利用した上述の密着方法が、露光工程のために適用されてもよい。
若しくは、中間製品処理装置15は、図12(a)(b)に示すように、封止機構20と、中間製品50に蓋材21cが密着されている間に蒸着用材料48に光を照射して蒸着用材料48を基材41上に蒸着させる蒸着機構35と、を有していてもよい。すなわち、素子製造装置10の内部における差圧を利用した上述の密着方法が、蒸着工程のために適用されてもよい。
上述の本実施の形態においては、光照射部31が第1封止治具61の外部に、例えば大気環境下に配置される例を示した。ところで図5乃至図9(a)〜(f)に示す例においては、光照射部31が大気環境下に配置される場合、上述の準備工程および密閉空間形成工程の間は、上述の第1圧力P1と大気圧との差圧が第1封止治具61の光透過領域61dに加えられることになる。このことは、最大で約1気圧の差圧が光透過領域61dに加えられる可能性があることを意味している。従って、光透過領域61dは、最大で約1気圧の差圧に耐え得るよう構成される必要がある。光透過領域61dが例えば石英によって構成されている場合、約1気圧の差圧に耐えるためには、数cm程度の厚い石英を用いることになる。
ところで、光照射部31は通常、レーザ光などの光を生成する光源に加えて、光を中間製品50に縮小投影するための結像光学系を含んでいる。一方、光照射部31と中間製品50との間に光透過領域61dが存在する場合は、結像光学系の出射面から中間製品50までの距離、いわゆるワークディスタンスを、光透過領域61dの厚みよりも短くすることができない。従って、光透過領域61dの厚みが大きい場合、ワークディスタンスが長くなり、この結果、結像光学系の設計の自由度が低下してしまう。また光透過領域61dの厚みが大きいことは、第1封止治具61のコストの増大を招く。
図13(a)〜(f)に示す中間製品処理装置15の変形例においては、第1封止治具61の開閉窓61eが開放されている間、光照射部31の周囲の空間の圧力が蓋材21cの第2面21eに加えられることになる。ところで、蓋材21cの第2面21eに加えられる圧力は、蓋材21cを中間製品50に密着させることができる程度の圧力で十分である。一方、光照射部31の周囲の空間の圧力は一般に、光照射部31の特性や仕様に応じて決定され、例えば1気圧に設定される。従って、図13(a)〜(f)に示す変形例のように、蓋材21cの第2面21e側の空間と光照射部31の周囲の空間とが連通している場合、蓋材21cの第2面21eに加えられる圧力が、蓋材21cを中間製品50に密着させるために必要な圧力を超えた過剰なものになってしまうことがある。
上述の本実施の形態および各変形例においては、下側から蓋材21cを中間製品50に密着させる例を示した。しかしながら、蓋材21cを中間製品50に密着させる方向が特に限られることはない。例えば、上側から蓋材21cを中間製品50に密着させてもよい。若しくは図示はしないが、横方向から蓋材21cを中間製品50に密着させてもよい。
15 中間製品処理装置
20 封止機構
21 蓋材供給部
21c 蓋材
21f 封止材
23 加圧部
28 密閉空間
30 除去機構
31 光照射部
40 有機半導体素子
41 基材
42 第1電極
43 補助電極
44 突起部
45 有機半導体層
46 第2電極
50 中間製品
61 第1封止治具
62 第2封止治具
63 第3封止治具
64 外側密閉空間
71 基材保持具
72 補助チャンバ
Claims (15)
- 基材上に素子を形成するための素子製造方法であって、
前記基材と、前記基材の法線方向に延びる突起部と、を含む中間製品を準備し、かつ、前記中間製品と蓋材の第1面とを対向させる準備工程と、
第1圧力に制御された環境下で、前記蓋材の前記第1面の反対側にある第2面の側に密閉空間を形成する密閉空間形成工程と、
前記突起部の側から前記中間製品に前記蓋材の前記第1面を接触させ、かつ、前記密閉空間の圧力を前記第1圧力よりも高い第2圧力に高めることにより、前記蓋材の前記第1面を前記中間製品に密着させる密着工程と、を備え、
前記蓋材は、第1方向に沿って延びる一対の第1外縁を含む長尺状のものであり、
前記蓋材および前記中間製品を前記中間製品の前記基材の法線方向に沿って見た場合、前記蓋材の一対の第1外縁は、少なくとも部分的に前記中間製品の外縁の内側に位置している、素子製造方法。 - 前記蓋材および前記密閉空間を前記中間製品の前記基材の法線方向に沿って見た場合の、前記蓋材の前記第2面と前記密閉空間との接面の輪郭は、前記中間製品と重なる位置で第1方向に沿って延びる一対の第1輪郭と、前記中間製品と重ならない位置で前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる一対の第2輪郭と、を含む、請求項1に記載の素子製造方法。
- 前記蓋材の前記第2面側には、主面と、前記主面から前記蓋材に向かう側面と、を有する第1封止治具が配置されており、
前記密閉空間形成工程および前記密着工程の際、前記蓋材の前記第2面と前記密閉空間との前記接面の輪郭は、前記第1封止治具の前記側面によって画定され、
前記素子製造方法は、前記密着工程によって蓋材の前記第1面が前記中間製品に密着されている間に、前記第1封止治具の外部に配置された光照射部を用いて、前記第1封止治具の前記主面および前記蓋材を通して光を前記中間製品に照射する光照射工程をさらに備える、請求項2に記載の素子製造方法。 - 前記第1封止治具の前記主面のうち前記光照射部からの光が通る部分は、透光性を有する材料から構成された光透過領域となっており、
前記密閉空間形成工程および前記密着工程の際、前記第1封止治具の前記光透過領域に接する、前記第1封止治具の外部の空間には、大気から遮蔽された外側密閉空間が形成されており、かつ、前記光照射部は前記外側密閉空間の外部に配置されており、
前記光照射工程の際、前記第1封止治具の前記光透過領域に接する、前記第1封止治具の外部の空間は、前記光照射部の周囲の空間と連通している、請求項3に記載の素子製造方法。 - 前記第1封止治具の前記主面のうち前記光照射部からの光が通る部分は、開閉自在な開閉窓によって構成されており、
前記光照射部は、前記第1封止治具の前記開閉窓が開放されている際に前記第1封止治具の内部の空間と連通可能に構成された補助チャンバ内に配置されており、
前記準備工程の際、前記第1封止治具の前記開閉窓は閉鎖されており、
前記光照射工程の際、前記第1封止治具の前記開閉窓は開放されており、かつ、前記第1封止治具の内部の空間および前記補助チャンバの内部の空間の圧力が前記第2圧力に制御されている、請求項3に記載の素子製造方法。 - 前記素子は、前記基材と、前記基材上に設けられた複数の第1電極と、前記第1電極間に設けられた補助電極および前記突起部と、前記第1電極上に設けられた有機半導体層と、前記有機半導体層上および前記補助電極上に設けられた第2電極と、を含み、
前記中間製品は、前記基材と、前記基材上に設けられた複数の前記第1電極と、前記第1電極間に設けられた前記補助電極および前記突起部と、前記第1電極上および前記補助電極上に設けられた前記有機半導体層と、を含み、
前記素子製造方法は、前記密着工程によって蓋材の前記第1面が前記中間製品に密着されている間に、前記補助電極上に設けられた前記有機半導体層を除去する除去工程をさらに備える、請求項1に記載の素子製造方法。 - 基材上に素子を形成するための素子製造装置であって、
前記基材上には、前記基材の法線方向に延びる突起部が形成されており、
前記素子製造装置は、前記基材および前記突起部を含む中間製品の側を向く第1面と、前記第1面の反対側にある第2面と、を含む蓋材を供給する蓋材供給部と、
前記中間製品に前記突起部の側から前記蓋材の前記第1面を密着させる加圧部と、を備え、
前記加圧部は、第1圧力に制御された環境下で前記蓋材の前記第2面側に密閉空間を形成した後、前記中間製品に前記蓋材の前記第1面を接触させ、かつ、前記密閉空間の圧力を前記第1圧力よりも高い第2圧力に高めることにより、前記蓋材の前記第1面を前記中間製品に密着させるよう構成されており、
前記蓋材は、第1方向に沿って延びる一対の第1外縁を含む長尺状のものであり、
前記蓋材および前記中間製品を前記中間製品の前記基材の法線方向に沿って見た場合、前記蓋材の一対の第1外縁は、少なくとも部分的に前記中間製品の外縁の内側に位置している、素子製造装置。 - 前記密閉空間を前記中間製品の前記基材の法線方向に沿って見た場合の、前記蓋材の前記第2面と前記密閉空間との接面の輪郭は、前記中間製品と重なる位置で第1方向に延びる一対の第1輪郭と、前記中間製品と重ならない位置で前記第1方向に直交する第2方向に延びる一対の第2輪郭と、を含む、請求項7に記載の素子製造装置。
- 前記加圧部は、前記蓋材の第2面側に配置された第1封止治具であって、主面と、前記主面から前記蓋材に向かう側面と、を有する第1封止治具、を有し、
前記蓋材の前記第2面と前記密閉空間との前記接面の輪郭は、前記第1封止治具の前記側面によって画定され、
前記第1封止治具の前記側面は、前記第1輪郭を画定する一対の第1側面と、前記第2輪郭を画定する一対の第2側面と、を含む、請求項8に記載の素子製造装置。 - 前記密閉空間が形成される際、前記蓋材の前記第2面と前記第1封止治具の前記第1側面との間には封止材が介在されており、
前記封止材は、前記第1方向に沿って前記蓋材の前記第2面に取り付けられている、請求項9に記載の素子製造装置。 - 前記加圧部は、前記蓋材の前記第1面側に配置され、前記密閉空間を形成する際に前記第1封止治具の前記第2側面との間で前記蓋材を挟み込む第2封止治具をさらに有する、請求項10に記載の素子製造装置。
- 前記第1封止治具の外部に配置された光照射部をさらに備え、
前記光照射部は、前記蓋材の前記第1面が前記中間製品に密着されている間に、前記第1封止治具の前記主面および前記蓋材を通して光を前記中間製品に照射する、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の素子製造装置。 - 前記第1封止治具の前記主面のうち前記光照射部からの光が通る部分は、透光性を有する材料から構成された光透過領域となっており、
前記加圧部は、前記第1封止治具の前記光透過領域に隣接して配置されるとともに開閉自在な開閉窓を備えた第3封止治具をさらに有し、
前記第1封止治具の内部の空間の圧力が前記第2圧力より低いとき、前記第3封止治具の内部の空間には、大気から遮蔽され、かつ前記第1封止治具の前記光透過領域に接する外側密閉空間が形成され、
前記光照射部は前記外側密閉空間の外部に配置されており
前記光照射部が前記中間製品に光を照射する際、前記第3封止治具の前記開閉窓が開放される、請求項12に記載の素子製造装置。 - 前記第1封止治具の前記主面のうち前記光照射部からの光が通る部分は、開閉自在な開閉窓によって構成されており、
前記加圧部は、前記第1封止治具の前記開閉窓が開放されている際に前記第1封止治具の内部の空間と連通可能に構成された補助チャンバをさらに有し、
前記光照射部は前記補助チャンバ内に配置されており、
前記第1封止治具が前記蓋材に接触していないとき、前記第1封止治具の前記開閉窓は閉鎖されており、
前記光照射部が前記中間製品に光を照射する際、前記第1封止治具の前記開閉窓は開放されており、かつ、前記第1封止治具の内部の空間および前記補助チャンバの内部の空間が前記第2圧力に制御されている、請求項12に記載の素子製造装置。 - 前記素子は、前記基材と、前記基材上に設けられた複数の第1電極と、前記第1電極間に設けられた補助電極および前記突起部と、前記第1電極上に設けられた有機半導体層と、前記有機半導体層上および前記補助電極上に設けられた第2電極と、を含み、
前記中間製品は、前記基材と、前記基材上に設けられた複数の前記第1電極と、前記第1電極間に設けられた前記補助電極および前記突起部と、前記第1電極上および前記補助電極上に設けられた前記有機半導体層と、を含み、
前記素子製造装置は、前記中間製品に前記蓋材が密着されている間に、前記補助電極上に設けられた前記有機半導体層を除去する除去機構をさらに備える、請求項7に記載の素子製造装置。
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