JP6220867B2 - スキャフォールド展開バルーンの膨張速度制御用流量調整弁 - Google Patents

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Description

本発明は、冠動脈および末梢動脈疾患の治療においてステントまたはスキャフォールドを展開させる方法および装置に関する。
本発明は一般的には、体内の管腔への埋め込みに適合する、径方向に拡張可能なエンドプロテーゼを用いた治療方法に関する。「エンドプロテーゼ」とは体内に配置される人工装具のことである。「管腔」とは血管等の管状臓器のキャビティ(空洞)を指す。スキャフォールド(骨格)はエンドプロテーゼの一例である。ステントは概して円筒形状をした機器であり、血管、または尿道および胆管等の他の解剖学的な管腔の一部を開通したままに保ち、時には拡張させる機能を有する。ステントは、血管内のアテローム硬化性狭窄の治療で使用されることが多い。「狭窄」とは体内の通路または開口部が狭くなっているかまたは収縮していることを指す。このような治療では、ステントは体内の血管を補強し、解剖処置はもちろん、血管けいれんおよび急性閉鎖を防ぐ。ステントは、血管系の血管形成術後の再狭窄をも低減する。「再狭窄」は、治療(バルーン血管形成術、ステント埋込み術または弁形成術)が明らかに成功した後に再発する血管または心臓弁の狭窄を指す。
ステントは、スキャフォールドで構成されるのが典型であり、スキャフォールドは、構造的な要素つまりストラット(支柱)を相互連結したパターンつまり網状組織を含み、ストラットは、線材、チューブ、または素材を円筒形にロール加工したシート(薄板状のもの)で形成される。このスキャフォールドは、物理的に開通を維持し、必要に応じて患者における通路の壁を拡張もするのでその名が付けられた。典型的にはステントは、治療部位に送達され展開可能となるように、カテーテル上に圧縮つまりクリンピング(圧着)される。
ステントを埋め込むには、容易にアクセスできる位置から挿入し脈管構造を通じて展開部位まで前進させるカテーテルを使用するのが典型的である。当初、ステントは径方向に圧縮した状態またはつぶれた状態に維持されて、体内の管腔内を通して誘導できるようになっている。ステントは、所定位置に到達すると、通常は、拘束を解くことにより自動的に、もしくは周りにステントを担持する展開カテーテル上のバルーンを膨張させることにより能動的に、またはその両方で展開される。
バルーン拡張ステントに関して言えば、ステントは、カテーテルのバルーン部分に装着され、クリンピングされる。バルーンに装着したステントと共にカテーテルを経腔的に導入し、ステントとバルーンを病変がある場所に配置する。次いで、バルーンを膨張させてステントをより大きい直径まで拡張し、病変部の動脈内に埋め込む。最良の臨床結果を得るには、ステントの正しい寸法合わせと展開が必要である。
ステントの展開に関する重要な態様は、ステントを拡張させる際の迅速さである。バルーンで展開させるステントの場合、バルーンの膨張速度によってこれを制御する。膨張は、通常、手動の膨張/収縮装置(インデフレータ)、または部分的に自動化されたインデフレータユニットによって行われる。
患者の存命中は腐食しない、または腐食が最小限である生体安定性材料もしくは非分解性材料、例えば金属、で作ったステントは、末梢、例えば浅大腿動脈(SFA、)に適用する場合だけでなく、経皮冠動脈インターベンション(PCI)の場合でも治療の定番となっている。こうしたステント、とりわけ抗増殖薬をコーティングしたステントは、早期および晩期のリコイル(萎縮)および再狭窄を防止できることが証明されている。
金属ステントの場合、膨張速度は遅い方が望ましいことが分かっている。膨張時、速度効果によって非平衡状態が創出される。例えば、バルーンとステントとの摩擦は、膨張速度の影響を受ける。膨張/収縮サイクルが高速であると、ステントリコイルの発生率を高めることがある。膨張スピードは、ステント展開の長さ方向の均一性に影響を及ぼす。多くの場合、バルーンは遠位端および近位端が最初に膨張する。ダンベル形状または犬用の骨の形状が創り出され、そのため内向き合力がステントに作用する。その結果、高速のステント膨張は、むしろステントを短くしてしまう可能性がある。ステントは、周りのストラットが均等に広がった状態で均一に展開させることが理想的である。高速で展開させると、ストラットは、ある部分では塊となり他の部分では過剰に拡張する可能性が高まると考えられている。
他にも、膨張スピードがステントの拡張に影響を及ぼすと考えられる理由が数多くある。カテーテルバルーンは不均一に折り畳まれる場合がある。バルーンの折り目がステントストラットにはまり込んだり、「引っかかったり」することがある。病変環境が均一であること、すなわち完全に同心円状のプラーク(扁平または盛り上がった斑点)を伴うことはまれである。病変は典型的には偏心しており、繊維状の病巣域や石灰化した病巣域を伴うこともある。その結果、バルーンの径方向への拡張に対する抵抗は、特定方向で大きくなり、偏心した状態に展開することにもなる。病変組織は、膨張速度が高いと、組織をゆっくり引き延ばす場合に比べて組織の更なる損傷を招くような粘弾性特性を有する場合もある。最後に、臨床診療においては、ステントの埋め込みプロセスがルーチンとなり得る。こうした慣れは、多くの場合、治療時間の短縮につながり、それはステントの膨張等、必ずしも速い方が望ましくはない工程を除けば、患者にとって有益であることが多い。
疾患のある血管の効果的な治癒のために、ステントの存在が必要である期間は、限られた期間、すなわち展開後に動脈が経時的に生理学的再構築を受けるまでの期間だけである。生体再吸収性ステントまたはスキャフォールドは、血管への恒久的な金属埋め込みを必要とせず、広範にわたる管腔および血管の晩期再構築を可能とし、スキャフォールドが完全に再吸収された後は、治癒した生来の血管組織のみが残る。生体再吸収性、生分解性、生体吸収性、および/または生体侵食性の材料、例えば生体吸収性ポリマー、で製作したステントは、その臨床的必要性が無くなった場合に限り、または無くなってからしばらくして、完全に吸収されるように設計することができる。金属ステントをゆっくり膨張させる理由の一部または全てが、バルーン拡張ポリマーステントまたはスキャフォールドにも当てはまるかもしれない。最も重要なことは、高分子量ポリマーが有する粘弾性特性ゆえに、こうした材料は、変形させる速度が高いほど柔軟性を失いやすいということであり、そのため、ポリマーステントの膨張速度を制御することにより、クラックの形成やストラットの破壊のおそれをなくすことが極めて重要である。
関連出願の相互参照
個々の刊行物または特許明細書を、あたかも特別にかつ個々に参照して組み込んでいるかのごとく、および、上記個々の刊行物または特許明細書が、全ての図を含みつつ、本明細書に完全に記載されているかのごとく、本明細書に記載する全ての刊行物および特許明細書を参照して本明細書に組み込む。
本発明の実施の形態は、膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって;流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと;前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と;膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と;前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容するスライド式のリストリクタ本体と;前記リストリクタ本体の遠位側に配置され、前記遠位側流路開口部から流体が流出することを許容する弁座開口部を有する弁座とを備え;前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの膨張時に前記弁座に向かう遠位側方向への流体の流れに応答して遠位側に摺動可能であり、前記リストリクタ本体の遠位端が前記弁座に接近すると、両者が協働して流体の流れに対する制限を強め、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する;流量調整器を含む。
本発明の実施の形態は、膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって;流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと;前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と;膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と;前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容する開口を有する可撓性の制限膜と;記制御チャンバ内の前記膜の遠位側に配置され、流体が遠位側および近位側に流れるための開口を有する弁座とを備え;前記膜が、前記バルーンの膨張時に前記弁座に向かう遠位側の方向への流体の流れに応答して遠位側に湾曲可能であり、前記膜が前記弁座側に湾曲すると、流体の流れに対する制限が強まり、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する;流量調整器を含む。
本発明の実施の形態は、送達バルーン上にクリンピングされたスキャフォールドを送達するステップを備え、前記バルーンは膨張システムに接続され、前記膨張システムは流体が流れる方向に摺動する摺動部材を含む弁を流体の流路内に有し;前記膨張システムに前記流体を流して前記バルーンを膨張させおよび前記スキャフォールドを拡張するステップを備え、前記流れが前記摺動部材の摺動を誘発し、前記摺動部材が前記バルーンへの前記流体の流れに対する抵抗を増加させ、前記バルーンの膨張速度を選択された範囲内に制御する;ステントの展開方法を含む。
本発明の実施の形態は、送達バルーン上にクリンピングされたスキャフォールドを送達するステップを備え、前記バルーンは膨張システムに接続され、前記膨張システムは流体が流れる方向に変形する可撓膜を含む弁を流体の流路内に有し;前記膨張システムに前記流体を流して前記バルーンを膨張させおよび前記スキャフォールドを拡張するステップを備え、前記流れが前記膜の変形を誘発し、前記膜が前記バルーンへの前記流体の流れに対する抵抗を増加させ、前記バルーンの膨張速度を選択された範囲へ制御する;ステントの展開方法を含む。
本発明の実施の形態は、膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって;流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと;前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と;膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と;前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容するスライド式のリストリクタ本体と;前記バルブボディの遠位端から近位側に延在する弁座であって、前記遠位側流路開口部から流体が流出することを可能にする弁座開口部を遠位端に有する弁座とを備え;前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの膨張時に遠位側の方向への流体の流れに応答して遠位側に摺動可能であり、前記リストリクタ本体の近位端が前記弁座開口部に接近すると、前記リストリクタ本体の前記近位端と前記弁座とが協働して流体の流れに対する制限を強め、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する;流量調整器を含む。
従来のステントまたはスキャフォールドのパターンの一部を平坦化して示す図である。 膨張流体の流量と圧力との関係を示す図である。 バルブボディと、円筒スライドと、ばねとを含む流量調整弁の長手方向断面図である。 図3に示す弁のスライドの、近位側から見た断面図である。 図3に示す弁のスライドの長手方向断面図である。 図3に示す弁のスライドの、遠位側から見た断面図である。 円筒スライドが遠位側に移動して流れを制限した状態にある図3に示す弁の図である。 円筒スライドが最も遠位の位置に移動して流れを最大限まで制限した状態にある図3に示す弁の図である。 図6に示す円筒スライドと弁座とを遠位側から見た図である。 バルブボディと、可撓膜と、弁座とを含む流量調整弁を示す図である。 図8に示す弁の弁座を近位側から見た断面図である。 膜が湾曲して流体の流れが部分的に制限された状態にある図8の弁の膨張時の構成を示す図である。 膜が湾曲して弁座に密着した状態にある図8に示す弁の膨張時の構成を示す図である。 バルーン収縮時の図8の弁を示す図である。
本発明は、概ね、管腔または血管においてステントを送達するための送達システムおよび方法を含む。特に、本発明は、ステントを展開させるバルーンの膨張速度を制御する装置および方法に関する。より具体的には、該装置およびそれに付随する方法は、ステント送達バルーンカテーテルにおいて膨張流体の流れを調整する流量調整器を提供する。
本発明は、加圧流体源とバルーンとの間の膨張管腔の流路に調整弁を組み込む。弁は、バルーンを膨張させるために使用する液体の流れを調整する。弁は、所望の膨張速度を確保するために、流れを制限するとともに、膨張装置によってかけられる圧力の上昇に応答するように構成される。弁は、収縮中に、流体排出に対してほとんどまたは全く抵抗なく、バルーンを迅速に収縮させるように設計されている。
作動時、本発明の流量調整弁の実施の形態は、スキャフォールドを所定位置まで運び、展開させるのに利用する展開バルーンと直列に接続してもよい。構成によっては、調整弁を、バルーンカテーテルの近位側のハブに直接組み込むこともできる。更に別の構成では、調整弁を、バルーン送達カテーテルまたは膨張ポンプに取り付け可能な別体部品として構築してもよい。本発明を膨張装置に取り込むこともできる。
本方法およびシステムは、特に生体再吸収性スキャフォールドの展開に適用可能であるが、これに限らない。こうしたスキャフォールドは、生体再吸収性材料、例えば、ラクチドベースのポリマー等の生体再吸収性ポリマーでできたスキャフォールドの形態の支持構造を含むことができる。スキャフォールドは、動脈の治療が完了した後に完全に吸収されて埋め込み部位から消滅するように設計される。スキャフォールドは、抗増殖剤や抗炎症剤等の薬剤を更に含むことができる。スキャフォールドを被覆するポリマーコーティングが薬剤を含んで、ステントの埋め込み後にこの薬剤をコーティングから放出するようにしてもよい。コーティングのポリマーも生体再吸収性であってよい。
ただし、本発明は、生体再吸収性のスキャフォールド、あるいはステント、と共に使用することに限るものではない。本発明は、体内の管腔の治療で、各種ポリマーのスキャフォールド/ステント、金属のステント、ステントグラフト、および略チューブ状の医療装置にも適用でき、この治療では管腔内でのこのような装置の拡張を制御することが望ましい。
ステントまたはスキャフォールドは、連結要素で接続または結合した複数の円筒リングを含むことができる。例えば、リングは、波状をなす正弦曲線構造を有していてもよい。円筒リングを血管の一部において展開させると、円筒形リングは、荷重支持体となり、拡張時の直径で、または血管内の周期的な力のために一定範囲の直径で、血管壁を支持する。荷重支持体は、径方向内向きの力によって加えられる荷重を支える。連結要素やストラット等の構造要素は、一般的には荷重支持体ではなく、リング同士の接続性を維持するように働く。例えば、ステントは、あるパターンまたは網目構造の相互接続する構造要素またはストラットで構成されるスキャフォールドを含んでもよい。
図1は、例示のステントまたはスキャフォールドのパターン100の一部を平坦化して示している。図1のパターン100は、チューブ状のスキャフォールド構造を表しており、円筒軸A−Aがスキャフォールドの中心軸または長手方向軸に平行となるようにしてある。図1は、クリンピング前あるいは展開後の状態のスキャフォールドを示している。パターン100は、複数のリングストラット102と連結ストラット104とで構成される。リングストラット102は、円筒軸A−A周りに配置された、複数の円筒リング、例えば、リング106およびリング108を形成する。これらのリングは、交互に現れる頂点または頂上116と底または谷118とを持つ波状または正弦曲線構造を有する。これらのリングは、連結ストラット104によって接続されている。スキャフォールドは、リングとストラットとによって画成される(形成される、定まる)胴部に間隙110を有する略チューブ状の胴部を画成する、ストラットとリンクとから成る開骨格を有する。当初はチューブ壁に間隙のない薄壁チューブにこうしたパターンをレーザー切断装置で切り込むことにより、円筒チューブから、ストラットとリンクとから成るこの開骨格を形成してもよい。
図1の構造パターンは単なる例示に過ぎず、ステントパターンの基本的な構造および特徴を示す。ステント100等のステントは、ポリマーチューブから製作してもよく、シートを丸めて接着してチューブを形成することで、シートから製作してもよい。チューブまたはシートは、押出成形または射出成形によって形成することができる。図1に示すようなステントパターンを、レーザー切断または化学エッチングなどの技法を用いてチューブまたはシートに形成することができる。
体内への挿入に先立ち、生体再吸収性スキャフォールドは、金属ステントと同様に、バルーン上へきつく圧縮される。このクリンピングプロセスによってもたらされた、クリンピング加工済みスキャフォールドの塑性変形は、スキャフォールドをバルーン上へ保持するのに役立つ。埋め込み部位に位置決めされると、生体再吸収性スキャフォールドはバルーンによって拡張する。スキャフォールドを拡張して、生体吸収性材料中に塑性応力領域を生じさせることにより、スキャフォールドは展開時に適切な直径に達し、これを維持する。
冠動脈に適用する例示のスキャフォールドは、US2010/0004735に記載のステントパターンを有する。生体再吸収性ポリマーに適するステントパターンの他の例は、US2008/0275537の特に図15に示すパターンに見ることができる。
ステントまたはスキャフォールド送達システムは、膨張管腔を持つ中空カテーテルを含む。カテーテルの近位端は、膨張装置に接続できるカテーテルハブを有する。膨張装置はインデフレータとすることができる。カテーテルの遠位端は、ステント−バルーンアセンブリに接続される。前述の通り、患者に挿入される前、バルーンは小さく縮んだ収縮状態にあり、バルーンには、ステントがクリンピングされている。膨張装置は、膨張流体源へのアクセス手段(接続路)を有する。
ステント−バルーンアセンブリを埋め込み部位に位置決めした後、膨張装置が膨張流体をカテーテルの膨張管腔へ注入する。流体は膨張管腔を通ってバルーンへ流入する。流体が膨張管腔およびバルーンへ注入されると、その内部圧力が時間と共に高まり、バルーンを膨張させ、ステントを拡張する。ステントが完全に拡張してから、バルーンを収縮させて埋め込み部位から引き抜くと、埋め込み部位にはステントが血管壁に当接した状態で残る。膨張装置がバルーンから膨張流体を流出させると膨張管腔に負圧がかかり、バルーンは収縮する。
例示の膨張装置は、米国カリフォルニア州のAbbott Vascular−Cardiac Therapies of Temeculaが製造する20/30 Indeflator Inflation Deviceである。このインデフレータは、近位端に圧力注入器を含み、カテーテルハブに接続される可撓チューブの先端の遠位端に出口ポートを含む。膨張装置は、カテーテルに注入する膨張流体を保持するチャンバを有する。膨張装置は、注入される膨張流体の圧力を計測する圧力計を有する。典型的な膨張装置は、医師が膨張流体の注入を手動で制御するためのハンドルを有する。ハンドルを回すとピストンが動いて膨張流体を注入し、それによりカテーテルおよびバルーン内の膨張流体の圧力が上昇する。ハンドルを回す速度によって注入速度が決まり、よって圧力の上昇速度が決まる。
送達時のカテーテルおよびバルーンの可視化において膨張流体自体が医師を支援するようにしてもよい。バルーンを膨張させるために、X線透視法や磁気共鳴映像法(MRI)等の画像法で可視化可能な流体を使用してもよい。こうした流体は造影剤と呼ばれる。したがって、造影剤が放射線不透過性物質または磁気共鳴映像剤を含むこともできる。「放射線不透過性」とは、物質のX線を吸収する能力を指す。MRI造影剤は、水素原子核の緩和挙動を変化させる、またはMRIでの可視化を可能にする磁化率を有する。
人体内の条件下で硬質であるあるいは剛性があるポリマーは、スキャフォールド材料として有望である。具体的には、ヒトの体温である略37℃よりも十分に高いガラス転移温度(Tg)を持つポリマーは、埋め込んだときに剛性を有する。例えば、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)やPLLAをベースとするポリマーは、ヒトの体温でも強度および剛性が共に比較的高い。
金属ステントの場合に展開時の膨張速度を低くすることによる利点は、生体再吸収性スキャフォールドにも当てはまるかもしれない。本発明者は、ポリマー製のスキャフォールドまたはステントの場合、膨張速度を低くするもう一つの根拠は、膨張速度が高いほどポリマースキャフォールドが損傷(例えば、破壊、ストラット破断)する危険性が高まることである、という仮説を立てた。要するに、ポリマースキャフォールドの損傷に対する感受性は、膨張速度の関数かもしれないということである。膨張速度が高い場合にポリマースキャフォールドが損傷する危険性は、金属ステントの場合と比べて高くなる可能性がある。
ある種のポリマーは、適切な強度と剛性を有しているかもしれないが、そのようなポリマーは、金属よりも極限伸び(即ち、破断時伸び)や延性が低い傾向がある。こうした潜在的弱点は、スキャフォールドの設計とポリマー加工の組合せによって緩和される場合もある。また、ポリマー(例えばPLLA)は、材料に蓄積した応力がひずみ速度等のひずみ履歴の関数となる粘弾性的挙動を示す。したがって、生体再吸収性ポリマースキャフォールドは、膨張または拡張速度が高くなるほどストラット材料が損傷を受けやすくなる可能性がある。
より具体的には、上記に開示する生体再吸収性スキャフォールドの場合、本発明者は、ステントまたはスキャフォールドの両端から展開が始まり、中央部に向かって伝搬することを観察した。たいていのバルーン拡張ステントにおいて先ず両端が展開する理由は、バルーンのテーパー部が存在すること、そしてステント縁部が不連続部を形成し、そこでステントが変形し易いということである。両端が先ず展開するこの展開パターンは「ドッグボーニング」(犬用の骨化)と呼ばれることが多い。ステントまたはスキャフォールドは、両端が部分的に膨張した後、両端から中央に向かって展開する。これは、互いに向かって伝搬する2つの拡張波があるように見える。本発明者は、波頂部が開く速度が中央部分で速いことが早期破壊リスクを高めているという仮説を立てている。本発明者は更に、膨張に対する方向制御を採用することで、ステントが展開するスピードを全体としてむらがないようにし、早期破壊の危険性を取り除くことができるという仮説を立てている。
本発明者は、生体再吸収性ポリマースキャフォールドは膨張速度が高いほど損傷を受けやすいのではないかという自らの仮説を検証した。生体再吸収性スキャフォールドに対するベンチ試験を実施して損傷に対する膨張速度の影響を評価した。試験に使用したスキャフォールドは、US2008/0275537の図15に示されたのと類似するパターンを有する。スキャフォールドは直径が3mm、長さが18mmである。スキャフォールドストラットの厚さと幅はともに約150ミクロンである。生体再吸収性スキャフォールドの製造プロセスに関する詳細な説明は、他で、例えば米国公開特許第2007/0283552号に記載されている。
バルーン膨張に関し、より制御された代用試験では、スキャフォールド内にスキャフォールドの軸に沿って配設された2本の平行なピンを互いに離れるように動かす。両ピンを広げていく、つまり離していくとともに、スキャフォールドにかかる荷重をピンの広がりの関数として計測した。速度を変えて4回にわたって試行し、様々な膨張速度をシミュレートした。荷重対広がり曲線における不連続点が、リングストラットの破損発生時点の広がりを示している。以下の表1は、各試行においてリングストラットが破壊した時点の広がりを示している。表1のデータによると、広がり速度が高いほどスキャフォールドの破断または破壊時の広がりは小さくなる。これらの結果は、ポリマースキャフォールドの損傷が、展開時のバルーンの膨張速度に依存することを意味する。具体的には、スキャフォールドの損傷は、膨張速度が高いほど展開直径が小さい時点で発生すると考えられる。
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展開プロセスの少なくとも一時期、膨張速度または平均膨張速度を一定値未満に制御すると、展開時のスキャフォールドの損傷を防止または低減でき、究極的には拡張度を高めることができると考えられる。膨張速度は、膨張管腔およびバルーン内の膨張流体の圧力を用い、例えばPa/秒(psi/秒)を単位として表すことができる。この膨張速度は、Pa(psi)に較正した圧力計を内蔵する手動のインデフレータで容易に計測し得るが、これよりも正確な膨張速度の計測体系は、体積/時間を単位とする体積流量である。
最大膨張速度を適用できるかどうかは、医師が順守できるようにするためのトレーニングにかかっているかもしれない。ただし、臨床診療においてこの膨張速度が守られるという保証はない。医師は、使用説明書に決められた特定の膨張速度があるものの、規定の膨張速度よりも速く膨張させても不都合を生じないステント装置に慣れている。例えば、金属の場合には膨張速度を低くする理由があるが、材料の応力挙動はひずみ速度と相関度の強い関数ではないので、ステントの損傷は、それほど重大な懸案事項とはならないのである。
介入手順によっては、バルーン、ステント、またはスキャフォールドの急速な膨張が必要なことがある。一つの理由は、冠動脈穿孔の存在である。バルーンのみを、またはスキャフォールドを伴うバルーンを急速に膨張させて穿孔を閉鎖状態に保ち、願わくは塞ぐのである。患者には、虚血によって引き起こされる狭心症や、頻脈、細動等、他にも何か医師に治療を迅速に行わせる事態が生じているかもしれない。したがって、医師の手動調節に頼らないでスキャフォールド膨張速度を制御するシステムおよび方法に対するニーズがある。
低膨張速度、例えば、41.3kPa/秒(6psi/秒)の膨張速度を順守できるようにするために医師のトレーニングを採用してもよい。ただし、臨床診療でこの膨張速度が守られるという保証はない。医師は、使用説明書(IFU)に決められた特定の膨張速度があるものの、急速に膨張させても不都合を生じない現行のステント装置に慣れている。金属の場合、材料の応力挙動は、ポリマーとは異なり、ひずみ速度と相関度の強い関数ではない。加えて、業界では膨張速度を制御するのに様々なインデフレータ装置が使用されており、インデフレータ毎に異なる形式の物理的処置が必要とされる。例えば、T型ハンドルを回すことが必要なインデフレータもあれば、医師に丸いノブを回させるものもある。また、ピストンのサイズやピストンを動かすために使用されるねじのピッチの標準化もなされていない。結果として、一回転で送り出される膨張流体の体積は、異なる形式の手動のインデフレータ間で必ずしも同じではない。
問題を更に複雑にしているのは、指定の低膨張速度を達成するためにインデフレータのノブを回さなければならないスピードが、バルーンサイズによって決まることである。例えば28mmのバルーンの場合、41.3kPa/秒(6psi/秒)の速度を得るには8mmのバルーンの場合より速くインデフレータノブを回すことになる。8mmスキャフォールドはより小さい体積のバルーンを有するからである。
膨張速度を制御するためのスキームは、どんなインデフレータとも協働するバルーン送達カテーテルを改良したものであることが好ましい。こうしたスキームの一つは、バルーン膨張流路においてカテーテルハブ内に配置される小径チューブである毛細管タイプのリストリクタ(流れ制限装置)である。ただし、この毛細管リストリクタにはいくつか欠点がある。
第一に、毛細管リストリクタを通過する流れと対比する制限は対称的であり、これは、バルーンがゆっくり膨張し、かつゆっくり収縮することを意味する。毛細管リストリクタには1.62MPa(16atm)に達する圧力低下が与えられる場合があり、そのため、リストリクタの直径は、例えば41.3kPa/秒(6psi/秒)のような低膨張速度に適合するように決められる。しかし、バルーンを収縮するための圧力低下は、カテーテルハブに真空が付与されていても、大気圧プラス心臓の収縮期圧に過ぎない。この圧力差は0.152MPa(1.5atm)に過ぎず、バルーンの収縮速度は非常にゆっくりとしたものになる。
どんな拡張カテーテルでも重要な性能属性は、収縮速度である。医師は、総治療)時間を短縮するとともに、治療の次の工程へ急いで移行するため、収縮速度が速いことを望む。また、バルーンを膨張させる間、血管を通る血流は遮断され、どうしても一時的な心筋梗塞が生じる。バルーンを膨張させる間、患者は胸痛を経験することが多い。それゆえ、急速なバルーン収縮は臨床上の要求なのである。
第二に、単純な毛細管リストリクタは、強引なインデフレータの使用によって過度な力が加えられる場合がある。毛細管リストリクタを通過する流れは、加えられる圧力に比例する。もし毛細管リストリクタの上流側の圧力が2.03MPa(20atm)に上昇すると、リストリクタが流れを1.01MPa(10atm)の圧力水頭で制御するように設計されていた場合、流れは目標とする膨張速度の下限、例えば41.3kPa/秒(6psi/秒)から外れてしまう。
本発明の流量調整弁の実施の形態は、以下に記載する望ましい特性を有する。第一に、弁は、どんなサイズのバルーンでも、バルーンの膨張を、目標膨張速度または選択した低膨張速度に、例えば41.3kPa/秒(6psi/秒)未満に調整する。
第二に、弁は、インデフレータによって加えられる圧力とは無関係に選択した膨張速度を維持する。換言すれば、調整弁は、加えられた圧力に応答して、加わる圧力が上昇すると流れに対する抵抗を増加させ、加わる圧力が低下すると流れに対する抵抗を減少させる。
第三に、流量調整弁は、バルーン収縮時に、弁を持たない一定の長さのカテーテルと同じ、またはほぼ同じ抵抗を、流れに対して加えることができる。
第四に、流量調整弁は、バルーン洩れ試験時にあってもなくてもよく、どちらも試験の障害とならない。
第五に、流量調整弁は、小型にしてカテーテルハブ内に収めることができ、ステント、バルーン、およびカテーテルアセンブリの格納に使用するパッケージの再設計や大型化を全く必要としない。
第六に、流量調整弁は、サイズの異なるバルーンでも第一から第五の特性を伴って正常に機能するよう同調または調節可能にしてもよい。
第七に、流量調整弁は、最終滅菌プロセス、例えば電子ビーム(eビーム)滅菌、の後であっても、所望の通りに膨張速度を制御する(例えば、上記の第一の特性)ように設計される。弁部品は、eビーム露光によって特性が変化する材料で作られる場合がある。したがって、滅菌時のこうした露光を考慮して弁を設計すべきである。
第一および第二の特性を持つ弁を設計するには、選択した低膨張速度に相当する体積流量を決定する必要がある。低膨張速度を維持するには、28mmバルーンの場合、8mmバルーンの場合に比べてインデフレータハンドルを速く回す必要がある。選択した膨張速度を得るために、液圧バースト・リークテスタ(HBLT)をプログラムすることができる。HBLTは、カリフォルニア州サンディエゴのCrescent Designから入手できる。
様々なサイズのバルーンについて選択した低膨張速度に相当する実際の体積流量は、HBLTから得ることができる。あるバルーンでは、体積はV=πR で与えられる。ただし、RおよびLは、それぞれバルーンの半径および長さである。この式の時間についての一次導関数が
dV/dt=2πRLdR/dt
を与え、これが体積流量(Q)である。dR/dtは時間に伴うスキャフォールド半径の変化であって、制御対象量であり、体積流量Qに正比例する。したがって、弁がdR/dtを制御するために、弁は、弁に加わる圧力とは無関係にQを一定に保たねばならない。流量調整弁を設計するための試験システムは、インデフレータの圧力計のみに頼ることはできない。試験システムは、流体の既知の圧力を弁に与え、その結果得られた体積流量を計測しなければならない。流量調整弁は、理想的には、図2に示すような体積流量対圧力曲線を生じなければならない。実際には、曲線は完全な直線にはならず、非常に低い圧力では体積流量の低下が見られ、かける圧力がゼロのときには原点と交差する。実際に使用される試験システムでは、かける圧力は独立変数であり、体積流量は従属変数である。
本発明の流量調整弁の実施の形態を使用したステントを展開する方法は、インデフレータ等の流体源から、送達バルーンと流体連通したカテーテルの膨張管腔に、膨張流体を注入することを含む。カテーテルは、流体源とバルーンとの間の膨張流体の流路に、流体調整弁を含む。弁は、膨張流体の加圧速度を指定範囲内に維持し、それによって体積流量が制御され、その結果、バルーンの膨張速度が制御される。
本発明の膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器の第一のセットの実施の形態は、制御チャンバを囲むバルブボディと、制御チャンバ内に配置されたスライド式リストリクタ本体と、制御チャンバ内でバルブボディの遠位側に配置された弁座とを含む。制御チャンバは、流体が流れる通路を含む。
バルブボディの近位端は、膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する。バルブボディの遠位端は、バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する。
スライド式リストリクタ本体は、通路の一部分を囲む制御チャンバ内に配置されており、通路は流体がその部分を通って遠位側または近位側へ流れることを許容する。リストリクタ本体の遠位側に配置された弁座は、流体が遠位側流路開口部へ流出することを許容する弁座開口部を含む。弁は、リストリクタ本体の遠位側への摺動に抗する付勢力をかける付勢要素を更に組み込むことができる。
膨張流体は、バルーン膨張時には遠位側へ流れ、収縮時には近位側へ流れる。スライド式リストリクタ本体は、バルーン膨張時には、弁座へ向かう遠位方向への流体の流れに応答して作動し、遠位側へ摺動する。リストリクタ本体の近位端が弁座に接近すると、両者は協働して流体の流れに対する制限を強め、それによってバルーンの加圧速度が指定の範囲内に制御される。更に、スライド式リストリクタ本体は、バルーン収縮時には、近位方向への流体の流れに応答して作動し、近位側への流体の流れの制限を強めることなく近位側へ摺動する。
この第一のセットの流量調整弁の実施の形態の例示の実施の形態を、図3、図4A〜図4Cおよび図5〜図7に示す。
図3は、円筒バルブボディ202を含む弁200の長手方向断面を示す。バルブボディ202は、制御容積210を囲む円筒壁204で形成されており、制御容積210は弁200の近位端206と遠位端208との間の通路を含む。バルブボディ202は、円筒バルブボディ202の両端に近位側壁212と遠位側壁214とを更に含む。
バルブボディ202は、近位側壁212に、インデフレータ(不図示)等の流体源と流体連通する近位側開口部216を更に含む。バルブボディ202は、近位側開口部216に通ずる膨張管腔220を有する近位側カテーテル部分218に接続されている。
遠位端208では、バルブボディ202は、遠位側壁214に送達バルーン(不図示)と流体連通する遠位側開口部222を有する。バルブボディ202は、遠位側開口部222に通ずる膨張管腔226を有する遠位側カテーテル部分224に接続されている。
円筒スライド228は、バルブボディ202の制御容積210内に配置されている。スライド228は、バルブボディ202を通過する膨張流体が流れる通路を囲む円筒壁230を有する。スライド228は、2つのスライド開口233をもつ遠位側壁232を更に含み、2つのスライド開口233は膨張流体の遠位側または近位側への流れを許容する。スライド228は、その円筒軸がバルブボディ202のものと一致するように配置されている。スライド228は、バルブボディ202内を遠位側または近位側に摺動可能である。スライド228は近位側縁229を有し、これは、近位側壁212の内表面に当接するとスライド228がそれ以上近位側へ摺動することを防ぐ。
スライド228の外径は、バルブボディ202の内径に近い、あるいは等しい。例えば、スライド228の外径とバルブボディ202の内径との比は、0.9と1の間、または0.9と0.99の間である。図3に示す構成では、スライド228は最も近位側の位置にある。
弁200は、制御容積210内のスライド228の壁232と、バルブボディ202の遠位側壁214の内表面との間に配置されたばね234を更に含む。ばね234は、スライド228の遠位側への摺動に抗する近位側向きの圧縮力を加える。図3の構成では、ばね234は、力が最小またはゼロの状態にある。
弁200は、チューブ状弁座236を更に含み、チューブ状弁座236は、遠位側壁214から近位側に延在し、制御容積210内を弁座縁238まで達している。弁座236は、膨張流体が遠位側開口部222へ流れるための弁座開口240を有する。弁座236は、流体が中を流れる管腔を持つ剛性プラスチックまたは金属チューブとすることができる。
図3において、弁は、休止形態、またはスライド228の遠位側への摺動を生じさせない低流量時の形態にある。こうした形態は、0.101MPa(1atm)と1.82MPa(18atm)の間の膨張圧力に対応するものであってもよい。また、膨張圧力の上限は0.81MPa(8atm)であっても2.43MPa(24atm)であってもよい。バルーンの膨張時、流体源からの膨張流体は、膨張管腔220および近位側開口部216を通って矢印227で示すようにバルブボディ202の制御容積210へ流入する。膨張流体は、スライド228に囲まれた容積部を通過し、スライド開口233を通過して流れる。次いで、膨張流体は、弁座開口240を通って弁座236へ流入し、次いで、矢印231で示すように、遠位側開口部222を通って遠位側カテーテル部分224へ流入する。
図4A〜図4Cは、円筒スライド228の3つの断面図である。図4Aは、近位側すなわち左側からスライド228の内側を見た図である。図4Aは、遠位側壁232の近位側表面、遠位側壁232の遠位側開口233、および近位側縁229を示す。図4Bは、スライド228の縦断面図である。図4Cは、スライド228の遠位側壁232の遠位側表面および遠位側開口233を示す。
上記のように、スライド228は、2つの開口または孔233を持つピストンのような形状をしている。バルーン膨張時に流体は遠位側にすなわち左から右に流れるので、膨張流体は2つの孔233を通過する。孔は、対称に配置されている、即ち、遠位側壁232の表面の中心および近位側縁229(または壁230の内表面)から等距離にある。このように孔233が対称に配置されているので、スライドはバルブボディ202の壁204の内表面に沿って自由に移動でき、壁に当たって動きにくくなることはない。これは、流体の流れによってスライドにかかる摩擦力の対称性による。その他の孔の構成も可能であり、孔の数を変えることも可能である。
バルーンの膨張時に流量が増加すると、円筒スライド228の上流側で圧力が上昇する。この流体の圧力によって遠位側壁232の近位側表面に力が加わる。この力または圧力によってスライド228は右に移動し、ばね234を圧縮する。
スライド228が右に移動すると、遠位側壁232が弁座縁238に十分に接近し、流体の流れに対する制限が強まる。図5は、スライド228が右に摺動して流体の流れに対する制限が強められている形態を示す。図5に示すように、流体の流れにおける制限は、壁232の部分232Aが弁座開口240に非常に接近したために生じる。矢印242で示すように、部分232Aは、流体が直接弁座開口240に流入することを阻害する。弁座開口240に入るには、流体は部分232Aを迂回して流れる必要がある。部分232Aと弁座236の弁座縁238の間の間隙が、弁座開口240へと流入する流れが通れる領域である。スライド228が遠位側に摺動すると、間隙が狭くなって流路面積が減少し、流れに対する制限が強まる。こうして流れに対する制限が強まると、弁にかかる圧力の低下幅が増大する。この流体が流れるために有効な間隙または開口部サイズの減少こそが、弁にかかる圧力の低下幅の増大をもたらすものであり、その結果、加わる圧力が増加しても流れは一定に保たれることになる。
もし弁にかかる圧力が更に上昇すると、スライド228にかかる圧力の低下幅が増大し、スライド228を更に右に移動させる。圧力が十分に高いとき、弁200は、弁座236の弁座縁238に近位側壁232が係合または接触するまでスライド228が右に移動するような閉弁形態または閉弁状態に達する。このとき、スライド228はできる限り右に摺動した位置にある。
図6は、弁200の閉弁形態を示し、このとき、スライド228は最も右、即ち最大限遠位側の位置に移動している。弁200がこの閉弁形態にあるとき、近位側壁232は弁座236の弁座縁238に係合または接触している。閉弁形態では、近位側壁232と弁座縁238との間隙が最小になっているため、弁座236の遠位側開口240への流体の流れが通れる面積は最小であり、その結果、流れの制限が最大となる。壁232の部分232Aが遠位側開口240の断面積のほとんどをブロックしている。矢印244で示すように、流体は、部分232Aが遠位側開口240をブロックしない2つの小さな開口へ流入する。図示するように、ばね234は完全に圧縮されている。
図7は、図6の形態にある円筒スライド228を左側、即ち遠位側の位置から見た状態を示す。弁座236の近位側縁238が点線である仮想線で示されている。図7に示すように、スライド228の壁232の開口233が弁座236の遠位側開口240と部分的に重なり、22つの小さな開口246を形成している。したがって、完全な閉弁状態になっても、流体の一部は矢印244で示すように流量調整弁を通過することができる。
重要なことは、加わる圧力が高くても弁が完全に閉塞しないという点である。この弁はインデフレータ圧力を解除しない限り膨張流体を追加投入できないという弁なのであるが、この弁が完全に閉塞することを回避するようにするためである。
図6および図7には、開口246を通過する2つの非常に小さな流路244が示されている。これらの開口は、たとえ突然にインデフレータが、例えば1.22MPa、1.42MPa、または1.82MPa(12atm、14atm、または18atm)を超える高圧に上昇したとしても、スキャフォールドが所望の速度で膨張するような大きさにし得る。ただし、選択されたスキャフォールド直径のための目標値を超えて医師が圧力を上昇させないことが理想である。
スライド228の表面に示す開口の構成は例示であって、他の構成も可能である。一般に、スライドの表面は開口を含む。開口は、表面が弁座縁と接触すると弁座開口がスライド表面の一部表面によって部分的にブロックされるが完全にはブロックされないように弁座開口と整列している(中心軸線の相対的な位置関係が定められている)。接触すると、スライド開口の少なくとも一部が弁座開口と重なる。重なった部分が、弁が完全に閉弁したときに流体が流れるための開口(複数可)となる。
円筒スライドの別の例示の構成は、中心の一つの小さな開口と、その脇にある2つの孔である。中心の小さな孔は、高圧力時の流出孔である。脇にある2つの孔(例えば233)は、弁座縁238とは全く重ならないため、この構成は、孔の整列状態の影響を受けにくい。この設計の場合、許容誤差がもっと緩いためにスライドがバルブボディ内で左右に移動したとても、壁232の孔を通る流体流路が影響を受けない。
バルーンを収縮させるときは、流体の流れを逆にする。すると、スライド228と弁座236が非常に接近していることによる流れの阻害によって生じる流体の流れに対する抵抗を増加させることなく、スライド228は完全に左へ移動する。この構成の弁による流れに対する抵抗は、弁を持たない所定の長さのカテーテルと同じまたはほぼ同じになり得る。スライド228は、図3に示す休止位置に戻り、近位側縁229は、バルブボディ202の内表面212に当接する(突き当たって接する)。
弁200は、他にも幾つかの構成が可能である。バルブボディおよびスライドは断面が円筒形でなくてもよい。バルブボディおよびリストリクタ本体は、正方形や長方形等の他の断面形状のコンジット(流路)であってもよい。
他の実施の形態では、円筒スライドの向きを逆にして壁232の位置をスライドの近位端にすることも、考えられる限りでは可能である。この場合、弁座236は、壁232の部分232Aと適切に係合するように近位側方向にもっと長く延在する必要がある。また、この場合、ばね234は円筒スライド内に位置するが、それでもその遠位端を遠位側壁214に当接させている。
更に別の実施の形態では、流体が流れるための孔233と弁座236の位置が入れ替わるだろう。弁座は、壁232から延在するチューブとして円筒スライド上にあるだろう。そして、孔233は、遠位側壁214に配置されているだろう。この構成は、圧力が最も低下する領域が必ずしも円筒スライドと関連せず、そのために、弁の感度が変わるかもしれないという問題がある。
弁200は、スキャフォールド−バルーン−カテーテルアセンブリの製造プロセス時にカテーテル内に存在していてもよい。例えば、クリンピング時にバルーンが空気で加圧される場合、空気の低い粘度ではスライドを移動させないため、弁は作動しないだろう。同様に、空気が弁を作動させることはないため、弁が所定位置にある状態でカテーテルの洩れ試験を行ってもよい。
流量調整弁のこの第一のセットの実施の形態では、弁の性能を決める多くのパラメータが存在する。それには、バルブボディの直径、バルブボディの長さ、スライドの直径、スライドの長さ、ばね定数、スライド開口(複数可)の大きさ、スライド開口(複数可)の位置、およびスライド開口(複数可)の間隔が含まれる。
弁を設計するために、基本形状を流体力学計算ソフトウエアに入力することができる。膨張媒体の粘度は2〜4cPの範囲にあり、ニュートン流体としてモデル化することができる。コンピュータ上での弁挙動をモデル化すると、近似設計が確立できる。次いで、アルミニウム等の金属のボディ、金属またはデュポン社製デルリン(登録商標)(ポリオキシメチレン)等の剛性プラスチックのスライド、および300系ステンレス鋼等の金属ばねを持つプロトタイプ弁を機械加工することが可能である。設計がまとまったら、バルブボディおよび円筒スライドを射出成形または機械加工してもよい。最終的な弁の組み立てを、溶剤接着、接着剤接着、または超音波溶接で行ってもよい。
バルーンサイズが異なれば、所望のスキャフォールド膨張速度を達成するために要求される体積流量も異なる。円筒スライドの孔の大きさ、数または位置を変更することにより、異なる目標体積流量を達成することができる。各バルーンサイズについて所望の流体流量を達成するためにこれらのスライドパラメータを調節すれば、バルブボディおよびばねが同じでも様々な円筒スライドを使用できるようになる。例えば、バルーンが大型の場合は、体積流量を増加させて目標のスキャフォールド膨張速度を達成することが可能である。これは、円筒スライドの貫通孔を単に大きくするだけで達成できるかもしれない。
本発明の膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整弁の第二のセットの実施の形態は、制御チャンバを囲むバルブボディと、制御チャンバ内に配置された可撓制限膜と、制御チャンバ内で膜の遠位側に配置された弁座とを含む。可撓制限膜は、エラストマ材料でできていてもよい。制御チャンバは、流体が流れる通路を含む。バルブボディの近位端は、膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する。バルブボディの遠位端は、バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する。
可撓制限膜は制御チャンバ内に配置されており、開口を含むので、流体は膜を通過して遠位側または近位側に流れることができる。弁座は制御チャンバ内で膜の遠位側に配置されており、流体が遠位側および近位側に流れるための開口を含む。膜と弁座は、流体の流れる方向と交差する表面を有し、これが上記の開口を含む。
膨張流体は、バルーン膨張時に遠位側に流れ、収縮時に近位側に流れる。膜は、バルーンの膨張時、弁座に向かう遠位側方向への流体の流れに応答して作動し、遠位側に湾曲する。膜が弁座側に湾曲すると、流体の流れに対する制限が強まり、それによってバルーンの加圧速度は指定の範囲内に制御される。
弁座は、近位側対向面および遠位側対向面を含む。遠位側または近位側への流れは、開口を通るとともに、弁座を迂回して流れることができる。遠位側への流れが膜を弁座側へ湾曲させると、弁座を迂回する流れの制限が強まる。弁座の開口は、膜の開口と軸方向に整列させることができる。このように、開口同士が整列しているので、弁座の開口を通る流れは、当初は膜の湾曲によって制限されることはない。湾曲した膜が弁座に接触すると、弁座を迂回する流れは完全に妨げられる。
この第二のセットの流量調整弁の実施の形態の例示の実施の形態を図8〜図12に示す。
図8は、円筒形バルブボディ302を含む弁300の縦断面図である。バルブボディ302は、円筒壁304と、テーパーの付いた近位側壁312およびテーパーの付いた遠位側壁314とで形成されている。壁304、312、314は、弁300の近位端306と遠位端308の間の通路を含む制御チャンバ310を囲んでいる。
バルブボディ302は、近位側壁312に、インデフレータ(不図示)等の流体源と流体連通する近位側開口部316を更に含む。バルブボディ302は、近位側開口部316に通じている膨張管腔320を有する近位側カテーテル部分318に接続されている。
遠位端308では、バルブボディ302は、遠位側壁314に送達バルーン(不図示)と流体連通する遠位側開口部322を有する。バルブボディ302は、遠位側開口部322に通じている膨張管腔326を有する遠位側カテーテル部分324に接続されている。
弁300は、バルブボディ302によって形成された流路内の軸方向位置に配設された可撓膜328を含む。膜328は、近位側表面328Aおよび遠位側表面328Bと、遠位側または近位側への流体の流れを許容する開口333とを持つシート(薄板状のもの)である。膜328の外縁328Cは、バルブボディ302の内表面に取り付けられている。膜328の形状は、中心または中心付近に開口333を持つディスク状であり、中心はバルブボディ302の円筒軸と一致する。図8に示す弁300では、遠位側または近位側のへの流れは全て開口333を通過する。
弁300は、膜328の遠位側の軸方向位置に配置された弁座336を更に含む。弁座336は、近位側表面336Aおよび遠位側表面336Bと、外縁336Cと、開口336Dとを有する。流体は、開口336D通るとともに、弁座336を迂回し外縁336Cとバルブボディ302の内表面の間の空間を通って流れることができる。
図9は、近位側方向からの弁座336の断面図である。図9に示すように、弁座336は、バルブボディ302の制御容積内に懸架されたディスク337を含む。ディスク337は、3本の径方向アーム339によって懸架されており、アーム339は、弁座336を所定位置に固定する、バルブボディ302の内表面に接合したリング341まで径方向外側に延在する。流体は、ディスク337を迂回しディスク337の外縁336Cとアーム339およびリング341の縁とで形成された開口345を通って流れることができる。
膨張時、膨張管腔は、遠位側に、即ち図8では左から右に流れる膨張流体で加圧される。近位側カテーテル部分318からの膨張流体の流れは、矢印327で示すように、バルブボディ302へ流入し、矢印331で示すように、遠位側カテーテル部分324を通ってバルブボディ302から流出する。図8は、膜328が湾曲していないので、流体の流れが無い、または低流量である場合の形態を示す。
図10は、膨張時、膜328を湾曲させるのに十分な流れがあり、そのため部分的に流体の流れが制限されているときの弁300の形態を示す。流量が増加すると、圧力がかかり、その結果生じる流れが膜328を遠位方向、すなわち右側に湾曲させる。特に、開口333を囲む膜328の中心部分が右側に湾曲し、弁座336側に移動する。膜328が弁座336側に移動すると、両者の間の間隙が小さくなり、流路面積は減少する。すると、流体の流れの制限が強まる。矢印350で示すように、流体は弁座336のディスク337を迂回して流れ続けるが、膜328が湾曲しているため、流路面積は減少してしまっている。
流れが更に増加すると、膜328は弁座336の近位側の表面336Aに完全に係合または接触し、表面との間にシールを形成する。図11は、膜328が弁座336との間にシール335形成しているときの弁300の形態を示す。この形態は、流れの制限が最大である時を表している。膜328が弁座336との間でシールを形成することで、ディスク337を迂回して開口345を通過する流体の流れが妨げられる。流れは、矢印352で示すように、弁座336の開口336Dを通って発生するのみである。開口336Dを通る流体の流れは、弁300が完全に「閉塞」することを防ぐ。開口336Dの大きさを、最大膨張圧力が加えられたときに所望の膨張速度を可能にする大きさとしてもよい。この大きさは弁設計時に決定され、考えられる最大圧力、例えば1.82MPa(18atm)が弁に加えられた場合に、目標とする体積流量となる大きさである。
バルーンの収縮時には、流体は近位側に、即ち右から左に流れ、膜を逆方向の近位側に、即ち左側に湾曲させる。したがって、収縮時には、流れの制限が強まることはない。図12はバルーン収縮時の弁300の構成を示す。流体は、矢印356で示すように遠位側カテーテル部分324からバルブボディ302へ流入し、矢印358で示すようにバルブボディ302から流出して近位側カテーテル部分318へ流入する。バルブボディ302の内側では、流体は、矢印354で示すように弁座336を迂回しアーム339の間の開口345を通り、かつ、膜328の開口333を通って流れる。膜328は、近位側に、即ち左側、に湾曲して示されているが、流体の流れに対する制限は生じない。
バルーンサイズが異なれば所望または理想の膨張速度を達成するために要求される流量も異なる。弁300の流量は、弁座336におけるディスク337の大きさを変更することによって調整(同調)してもよい。調整(同調)のための別のパラメータは、膜328の孔333の大きさである。こうして、様々な弁を異なる大きさのバルーンカテーテルへ容易に適合させ得る。
膜328の貫通孔の設計、および弁座336における通路の構成は、様々なものが可能である。これには、弁座336の複数の通路と整列する膜328の複数の孔が含まれる。膜328の孔は円形でもよいが、実用上は弁座の適切な通路と調和する限り他の任意の形状であってもよい。他にも、弁座336には単一の孔が存在する一方で、膜328がアームによって懸架された単一のディスクであるという設計も可能性がある。換言すれば、図8および9に示す膜と弁座の通路の形状を逆にしたものである。
弁300の設計は、先ずアルミニウム等の金属製ボディを有する、様々な膜および弁座の試験を可能にするプロトタイプを構築することによって行うことができる。試験は、既知圧力の膨張流体を弁に適用し、得られた流量を計測する装置を用いて実施される。最終目的は、目標流量で平坦な流量対圧力曲線である。
可撓膜の材料としては、シリコーン等のエラストマ、熱可塑性ポリウレタン、C−フレックス、ハイトレル(登録商標)、ペバックス(登録商標)等の熱可塑性ポリエステル、ならびにその他のゴムおよびエラストマが挙げられる。
弁は、カテーテル、バルーン、およびステントを含むパッケージ化された最終製品の一部として含まれてもよい。したがって、弁は、eビーム照射またはエチレンオキサイドガス(ETO)への曝露を含み得る最終滅菌に付されることになる。エラストマの材料特性は、eビーム滅菌、ETOだけでなく、経年によっても変わる場合がある。そのため、弁を製造してから弁を使用するまでの間に、患者にスキャフォールドを展開する時の弁の性能が変わる可能性があるので、弁の設計および試験には、更なる要件を満たすことが求められる。
第一のセットの実施の形態の設計と同様、弁300は、製造および試験中にカテーテル内にあってもよい。可撓膜を利用した第二の実施の形態の弁座の他の設計と同様に、第一のセットの円筒スライドおよび弁座に対する追加設計も可能である。
弁は、膨張プロセス中、圧力が指定の最大圧力を超えた場合のみ流れの制限を開始するように設計することができる。膨張プロセスの最初の段階では、バルーン圧力は、スキャフォールドを拡張する、または大きく拡張するほど高くない。したがって、スキャフォールドは拡張されていないか、わずかな拡張を生じるか、のいずれかであるので、高膨張速度に起因するスキャフォールド損傷のリスクはほとんどまたは全くない。したがって、第一および第二のセットの実施の形態の弁は、圧力が指定の最大圧力を超えるまで流れの制限が始まらないように設計できる。この指定の最大圧力に到達する前であれば、加圧速度を指定の最大加圧速度よりも高くすることができる。
指定の最大圧力を、約0.20MPa(約2atm)、約0.30MPa(約3atm)、約0.41MPa(約4atm)、0.20〜0.41MPa(2〜4atm)、0.20〜0.30MPa(2〜3atm)、または0.30〜0.41MPa(3〜4atm)としてもよい。指定の最大圧力未満での展開時には、加圧速度を、最大27.6kPa/秒(4psi/秒)、最大41.3kPa/秒(6psi/秒)、最大68.9kPa/秒(10psi/秒)、最大137.8kPa/秒(20psi/秒)、約206.7kPa/秒(30psi/秒)、68.9〜137.8kPa/秒(10〜20psi/秒)、または137.8〜206.7kPa/秒(20〜30psi/秒)とすることができる。指定の最大圧力未満の加圧速度は、完全に、膨張装置の操作者の制御下にあってもよい。
指定の最大圧力と最大展開圧力との間の平均加圧速度を、約27.6kPa/秒(約4psi/秒)、約34.5kPa/秒(約5psi/秒)、約41.3kPa/秒(約6psi/秒)、約48.2kPa/秒(約7psi/秒)、約55.1kPa/秒(約8psi/秒)、約68.9kPa/秒(約10psi/秒)、41.3〜55.1kPa/秒(6〜8psi/秒)、41.3〜68.9kPa/秒(6〜10psi/秒)、55.1〜68.9kPa/秒(8〜10psi/秒)に制御してもよい。瞬間的な加圧速度もこれらの範囲内に制御してもよい。
最大展開圧力は、望ましい展開直径によって決定しうる。最大圧力を、約0.71MPa(約7atm)、約0.81MPa(約8atm)、約1.01MPa(約10atm)、約1.22MPa(約12atm)、約1.42MPa(約14atm)、約1.62MPa(約16atm)、約1.82MPa(約18atm)、0.71〜0.81MPa(7〜8atm)、0.81〜1.01MPa(8〜10atm)、または1.01〜2.43MPa(10〜24atm)としてもよい。
本発明の特定の実施の形態を示し、説明してきたが、当業者には言うまでもなく、本発明から逸脱することなくより広い態様で変更および改変が可能である。したがって、このような全ての変更および改変が本発明の真の精神および範囲内に入るように、特許請求の範囲内に含められるべきである。
1. 第1の態様の流量調整器は、
膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって、
流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと、
前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と、
膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と、
前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容するスライド式のリストリクタ本体と、
前記リストリクタ本体の遠位側に配置され、前記遠位側流路開口部から流体が流出することを許容する弁座開口部を有する弁座とを備え、
前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの膨張時に前記弁座に向かう遠位側方向への流体の流れに応答して遠位側に摺動可能であり、前記リストリクタ本体の遠位端が前記弁座に接近すると、両者が協働して流体の流れに対する制限を強め、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する。
2. 第2の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記リストリクタ本体の遠位側への摺動に抗する付勢力をかける付勢要素を更に備える。
3. 第3の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記リストリクタ本体が、前記制御チャンバ内に配置され、その軸線に沿った流体の流れを許容するコンジットを有する。
4. 第4の態様の流量調整器は、上記第3の態様において、前記コンジットの遠位端が、遠位側または近位側への流体の流れを許容する開口を持つピストンを有する。
5. 第5の態様の流量調整器は、上記第3の態様において、前記コンジットの近位端は、開口しており、遠位側または近位側への制限されない流れを許容する。
6. 第6の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記リストリクタ本体の遠位端が、遠位側または近位側への流体の流れを許容する少なくとも一つの開口を持つ壁を有する。
7. 第7の態様の流量調整器は、上記第6の態様において、前記壁が前記弁座に係合したときに、前記壁が前記流体の流れを制限し、前記開口が前記弁座開口部に対して一部の流体の流れを許容するような位置に配置される。
8. 第8の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記リストリクタ本体の遠位端が前記弁座に係合したときに、前記流体の流れの制限が最大になる。
9. 第9の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの収縮時に、前記近位側方向への流体の流れに応答して、前記近位側への流体の流れの制限を強めることなく近位側へ摺動可能である。
10. 第10の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記バルブボディおよび前記スライド式のリストリクタ本体が円筒断面を有する。
11. 第11の態様の流量調整器は、上記第1の態様において、前記バルブボディおよび前記スライド式のリストリクタ本体が正方形または長方形の断面を有する。
12. 第12の態様の流量調整器は、
膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって、
流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと、
前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と、
膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と、
前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容する開口を有する可撓性の制限膜と、
前記制御チャンバ内の前記膜の遠位側に配置され、流体が遠位側および近位側に流れるための開口を有する弁座とを備え、
前記膜が、前記バルーンの膨張時に前記弁座に向かう遠位側の方向への流体の流れに応答して遠位側に湾曲可能であり、前記膜が前記弁座側に湾曲すると、流体の流れに対する制限が強まり、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する。
13. 第13の態様の流量調整器は、上記第12の態様において、前記膜および前記弁座は、前記膜が前記弁座側に湾曲したときに、前記弁座を迂回する流れの制限が強まるように配置されている。
14. 第14の態様の流量調整器は、上記第12の態様において、前記弁座が流体の流路内に固定されたプレートを有する。
15. 第15の態様の流量調整器は、上記第12の態様において、前記湾曲する膜は、流体の流れの制限が最大となるように、前記弁座に係合可能である。
16. 第16の態様の流量調整器は、上記第12の態様において、前記膜が、前記バルーンの収縮時に、前記近位側方向への流体の流れに応答して、前記近位側への流体の流れの制限を強めることなく近位側に湾曲可能である。
17. 第17の態様のステントの展開方法は、
送達バルーン上にクリンピングされたスキャフォールドを送達するステップを備え、前記バルーンは膨張システムに接続され、前記膨張システムは流体が流れる方向に摺動する摺動部材を含む弁を流体の流路内に有し、
前記膨張システムに前記流体を流して前記バルーンを膨張させおよび前記スキャフォールドを拡張するステップを備え、前記流れが前記摺動部材の摺動を誘発し、前記摺動部材が前記バルーンへの前記流体の流れに対する抵抗を増加させ、前記バルーンの膨張速度を選択された範囲内に制御する。
18. 第18の態様のステントの展開方法は、上記第17の態様において、前記送達バルーンの膨張速度は、流体源によって加えられる前記流体の圧力から独立している。
19. 第19の態様のステントの展開方法は、上記第17の態様において、前記弁は、加えられた前記流体の圧力に応答し、加わる圧力が上昇すると流れに対する抵抗を増加させ、加わる圧力が低下すると流れに対する抵抗を減少させる。
20. 第20の態様のステントの展開方法は、上記第17の態様において、前記膨張流体の流れを反転させて前記バルーンを収縮させるステップを更に備え、バルーン収縮時には、前記弁が、弁を持たない所定の長さのカテーテルと同じまたはほぼ同じ抵抗を流れに対して与える。
21. 第21の態様のステントの展開方法は、
送達バルーン上にクリンピングされたスキャフォールドを送達するステップを備え、前記バルーンは膨張システムに接続され、前記膨張システムは流体が流れる方向に変形する可撓膜を含む弁を流体の流路内に有し、
前記膨張システムに前記流体を流して前記バルーンを膨張させおよび前記スキャフォールドを拡張するステップを備え、前記流れが前記膜の変形を誘発し、前記膜が前記バルーンへの前記流体の流れに対する抵抗を増加させ、前記バルーンの膨張速度を選択された範囲へ制御する。
22. 第22の態様のステントの展開方法は、上記第21の態様において、前記送達バルーンの膨張速度は、流体源によって加えられる前記流体の圧力から独立している。
23. 第23の態様のステントの展開方法は、上記第21の態様において、前記弁は、加えられた前記膨張流体の圧力に応答し、加わる圧力が上昇すると流れに対する抵抗を増加させ、加わる圧力が低下すると流れに対する抵抗を減少させる。
24. 第24の態様のステントの展開方法は、上記第21の態様において、前記膨張流体の流れを反転させて前記バルーンを収縮させるステップを更に備え、バルーン収縮時には、前記弁が、弁を持たない所定の長さのカテーテルと同じまたはほぼ同じ抵抗を流れに対して与える。
25. 第25の態様の流量調整器は、
膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって、
流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと、
前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と、
膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と、
前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容するスライド式のリストリクタ本体と、
前記バルブボディの遠位端から近位側に延在する弁座であって、前記遠位側流路開口部から流体が流出することを可能にする弁座開口部を遠位端に有する弁座とを備え、
前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの膨張時に遠位側の方向への流体の流れに応答して遠位側に摺動可能であり、前記リストリクタ本体の近位端が前記弁座開口部に接近すると、前記リストリクタ本体の前記近位端と前記弁座とが協働して流体の流れに対する制限を強め、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する。
26. 第26の態様の流量調整器は、上記第25の態様において、前記リストリクタ本体が、前記制御チャンバ内に配置されてその軸線に沿った流体の流れを許容するコンジットを有し、前記コンジットの遠位端は、遠位側または近位側への流体の流れを許容する開口を持つピストンを有し、前記コンジットの遠位端は開口していて前記リストリクタ本体を通過する遠位側または近位側への流れを許容する。
27. 第27の態様の流量調整器は、上記第26の態様において、前記ピストンが前記弁座の遠位端に係合したときに、前記ピストンが前記流体の流れを制限し、前記開口が前記弁座開口部に対して、一部の流体の流れを可能にするような位置に配置される。
28. 第28の態様の流量調整器は、上記第27の態様において、前記コンジット内に、前記コンジットの遠位側への摺動に抗する付勢力をかけるばねを更に備える。
29. 第29の態様の流量調整器は、上記第25の態様において、前記スライド式のリストリクタ本体は、前記バルーンの収縮時に、前記近位側方向への流体の流れに応答して、前記近位側への流体の流れの制限を強めることなく近位側へ摺動可能である。

Claims (8)

  1. 膨張流体のバルーンカテーテルへの流れを調整する流量調整器であって;
    流体が流れる通路を有する制御チャンバを囲むバルブボディと;
    前記バルーンカテーテルとの接続のための遠位側流路開口部を有する前記バルブボディの遠位端と;
    膨張装置と流体連通するカテーテルとの接続のための近位側流路開口部を有する前記バルブボディの近位端と;
    前記制御チャンバ内に配置され、流体が遠位側または近位側へ通過して流れることを許容するスライド式のリストリクタ本体と;
    前記リストリクタ本体の遠位側に配置され、前記遠位側流路開口部から流体が流出することを許容する弁座開口部を有する弁座と
    前記リストリクタ本体の遠位側への摺動に抗する付勢力をかける付勢要素とを備え;
    前記リストリクタ本体は、遠位側または近位側への流体の流れを許容する少なくとも一つの開口が形成された前記流体の流れを制限する壁を有し、前記開口は、前記壁が前記弁座に係合したときに前記弁座開口部に対して一部の流体の流れを許容するような位置に配置され;
    前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの膨張時に前記弁座に向かう遠位側方向への流体の流れに応答して遠位側に摺動可能であり、前記が前記弁座に接近すると、両者が協働して流体の流れに対する制限を強め、前記バルーンの加圧速度を指定の範囲内に制御する;
    流量調整器。
  2. 前記リストリクタ本体が、前記制御チャンバ内に配置され、その軸線に沿った流体の流れを許容するコンジットを有する、
    請求項1に記載の流量調整器。
  3. 前記コンジットの遠位端が、遠位側または近位側への流体の流れを許容する開口を持つピストンを有する、
    請求項に記載の流量調整器。
  4. 前記コンジットの近位端は、開口しており、遠位側または近位側への制限されない流れを許容する、
    請求項2または請求項3に記載の流量調整器。
  5. 前記が前記弁座に係合したときに、前記流体の流れの制限が最大になる、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の流量調整器。
  6. 前記スライド式のリストリクタ本体が、前記バルーンの収縮時に、前記近位側方向への流体の流れに応答して、前記近位側への流体の流れの制限を強めることなく近位側へ摺動可能である、
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の流量調整器。
  7. 前記バルブボディおよび前記スライド式のリストリクタ本体が円筒断面を有する、
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の流量調整器。
  8. 前記バルブボディおよび前記スライド式のリストリクタ本体が正方形または長方形の断面を有する、
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の流量調整器。
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