JP6219728B2 - Foxp3陽性制御性T細胞とIFN−γ産生IL−10産生T細胞誘導を指標とした、経口免疫寛容物質スクリーニング方法及び経口免疫寛容増強組成物 - Google Patents

Foxp3陽性制御性T細胞とIFN−γ産生IL−10産生T細胞誘導を指標とした、経口免疫寛容物質スクリーニング方法及び経口免疫寛容増強組成物 Download PDF

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Description

本発明は、経口免疫寛容を増強する物質・乳酸菌のスクリーニング方法とその組成物に関する。
食物アレルギーとは、「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」をいう(例えば、非特許文献1参照)。
食物中のタンパク質が十分に消化されタンパク質が分解されてしまえば、吸収されても免疫反応は起こらない。消化酵素の働きによるタンパク質の分解、粘膜面の粘液による物理的なバリア、タンパク質と結合するIgA抗体の分泌など、経口的に摂取された食物を体内に吸収する過程で、腸管においては様々なバリアが存在する。腸管においてはこれらのバリアにより未消化な食物の体内への侵入を防いでいるものの、実際には未消化なタンパク質も日常的に吸収されている。
しかし、そのような外来のタンパク質に対して免疫反応が起こらない仕組みである経口免疫寛容が働くことで、食物アレルギーが起こらないように制御されている(例えば、非特許文献2参照)。つまり、食物アレルギーとは特定の食物に対する免疫寛容がうまく働かなくなっている状態と考えられる。
現在、特定の食物アレルゲン除去による食物アレルギー発症の防止が行われているものの、その原因アレルゲンに対する経口免疫寛容が生体に誘導されない限り、根本的な治療にはならない。加えて、重症患者は食器などに付着した微量なアレルゲンに対してアナフィラキシーショックを起こすこともあり、除去食には限界がある。
現在は、病院で経口負荷試験により決定した範囲内で原因アレルゲンを摂取する、「正しい診断に基づいた必要最低限の原因食物の除去」が指導されている(例えば、非特許文献3参照)。
しかし、この方法についても除去食同様、食物アレルギーの根本的な治療とはならない。根本的な治療を目指す治療法として、原因アレルゲンを含む食品を少量ずつ摂取することで原因アレルゲンに対する耐性の獲得を誘導する経口免疫療法が臨床研究されている。治療経過中にアナフィラキシーショックを起こすことも多く、かつ、重篤な副反応も起こりうるため現段階では、本治療法は、一般診療として推奨されていない(例えば、非特許文献4参照)。
そこで、経口免疫寛容を効率的に誘導することが可能となれば、食物アレルギーの根本的な治療を安全に行え、さらには、まだ食物アレルギーを発症していない人々にとっても食物アレルギーの発症を未然に防ぐことができる。
「食物アレルギーの診療の手引き2011」2011年、p2 「食物アレルギー診療ガイドライン2012」2012年、p20−25 「食物アレルギーの栄養指導の手引き2011」2011年、p4 「食物アレルギー診療ガイドライン2012」2012年
本発明は、経口免疫寛容増強物質の新たなスクリーニング方法及び経口免疫寛容増強物質を含む組成物の提供を課題とする。
本発明者は、異なるメカニズムにより経口免疫寛容を増強する二つの因子を誘導することで経口免疫寛容を増強する組成物を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)経口免疫寛容増強物質のスクリーニング方法であって、免疫抑制に関わるFoxp3陽性制御性T細胞とIFN−γ産生IL−10産生T細胞を誘導する被験物質を経口免疫寛容増強物質と評価する工程を含む、スクリーニング方法。
(2)前記評価工程の前に、乳酸菌体、菌体成分又は乳酸菌による豆乳発酵物を被験物質として選定する工程を含む、上記(1)に記載のスクリーニング方法。
(3)前記乳酸菌がペディオコッカス属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属の乳酸菌である、上記(2)に記載のスクリーニング方法。
(4)前記評価工程の前に、マウス由来脾臓細胞又はNaiveT細胞と前記被験物質とを接触させ、当該細胞におけるFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)及び/又はIFN−γ産生IL−10産生T細胞への分化促進活性を測定する工程を含む、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
(5)乳酸菌体、菌体成分又は乳酸菌による豆乳発酵物中の成分を有効成分として含む、経口免疫寛容増強組成物。
(6)前記乳酸菌がペディオコッカス属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属の乳酸菌である、上記(5)に記載の経口免疫寛容増強組成物。
(7)前記乳酸菌がラクトコッカス・ラクティス又はペディオコッカス・ペントサセウスである、上記(6)に記載の経口免疫寛容増強組成物。
(8)前記乳酸菌がラクトコッカス・ラクティスK478株である、上記(7)に記載の経口免疫寛容増強組成物。
本発明の経口免疫寛容増強物質のスクリーニング方法によれば、NaiveT細胞のFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)及びIFN−γ産生IL−10産生T細胞への分化促進作用の有無を指標として候補物質が選定されるため、候補物質をヒトや動物に直接投与することなく、in vitroで簡便にスクリーニングすることが可能になる。得られた経口免疫寛容増強組成物は、抗IV型アレルギー剤、食物アレルギーの治療剤、経口免疫療法の治療補助剤、又は食物アレルギーの予防剤として好適に使用できる。
各乳酸菌体とマウス由来脾臓細胞を共培養した際の、各種乳酸菌のIFN−γ産生IL−10産生T細胞誘導試験の結果を示す図である。 フラボノイド系化合物とNaiveT細胞を共培養した際のTreg分化誘導の結果を示す図である。 リン酸バッファー(コントロール)、若しくはラクトコッカス・ラクティスK478株を用いて作製した豆乳発酵物の上清(ホエー)とNaiveT細胞を共培養した際のTreg分化誘導の結果を示す図である。 生理食塩水、豆乳、又はラクトコッカス・ラクティスK478株を用いて作製した豆乳発酵物を投与した際の、小腸粘膜固有層中におけるFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)又はIFN−γ産生IL−10産生T細胞分化誘導の結果を示す図である。 ラクトコッカス・ラクティスK478株で発酵した豆乳発酵物の経口免疫寛容増強効果を調べたときの遅延型過敏反応の結果を示す図である。 ラクトコッカス・ラクティスK478株で発酵した豆乳発酵物の経口免疫寛容増強効果を調べたときのOVA特異的抗体価の結果を示す図である。 食物アレルギーモデルでK478豆乳発酵物の経口免疫寛容増強効果を調べた際の下痢の発症率を示す図である。 食物アレルギーモデルでK478豆乳発酵物の経口免疫寛容増強効果を調べた際の小腸粘膜固有層中のマスト細胞のpopulationを調べた結果を示す図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(1)経口免疫寛容増強物質のスクリーニング方法
経口免疫寛容の誘導メカニズムや、どのような成分が経口免疫寛容を誘導するかは、未解明な部分が多い。経口免疫寛容に影響する因子として、Foxp3陽性制御性T細胞(Treg)が知られている。Tregは、抗原特異的に他のT細胞の働きを抑制する。ヒト腸内においては常在細菌がTregを誘導し免疫恒常性を保っている。また、抑制性サイトカイン産生能を持つIFN−γ産生IL−10産生T細胞も免疫抑制に関わっていることが知られている。
本発明のスクリーニング方法においては、経口免疫寛容増強作用を決定する指標の一つとして、候補物質がFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)とIFN−γ産生IL−10産生T細胞の分化促進作用を有するか否かについて、その両者の協調について評価される。
ここで、「経口免疫寛容」とは、本明細書で使用する場合、経口的に摂取された抗原に対し免疫応答が抑制される状態(すなわち免疫寛容状態)が誘導されることを意味する。免疫寛容状態は、当業者にとって公知の方法、例えば、免疫寛容において重要な役割を果たすT細胞の反応性等の測定により評価することができる。
経口免疫寛容増強効果は、免疫したマウスに対して抗原を足蹠に投与した際の足の腫れを測定することにより、又は経口摂取させた際の下痢症状を観察することにより評価する。
「経口免疫寛容増強」とは、足の腫れ又は下痢を発症したマウス数が対象物質との比較で被験物質より有意に、例えば、5%以上、10%以上、20%以上、若しくは50%以上抑制又は減少されていることを意味する。
経口免疫寛容増強作用について評価される被験物質は、特定の化学物質又はその混合物に限定されず、細菌、例えば、乳酸菌の培養物、菌体又は菌体成分であってもよい。食品への応用性、安全性の観点から、被験物質としての細菌は乳酸菌であることが好ましく、特にペディオコッカス属(例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス)、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属の乳酸菌であることがより好ましい。
選定された被験物質は、NaiveT細胞と接触してFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)とIFN−γ産生IL−10産生T細胞の分化促進活性が測定される。被験物質のFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)とIFN−γ産生IL−10産生T細胞の分化促進活性は常用の方法により評価することができる。限定することを意図するものではないが、マウス由来脾臓細胞や脾臓細胞より単離したNaiveT細胞と被験物質とを共培養し、その後細胞内又は細胞外標識によってFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)とIFN−γ産生IL−10産生T細胞のpopulationを測定してもよい。
各細胞群のpopulationは、NaiveT細胞を対象物質又は被験物質存在下で培養し、分化誘導されたFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)やIFN−γ産生IL−10産生T細胞をフローサイトメトリーにより検出することにより測定する。各細胞群のpopulationが対照物質との比較で有意に、例えば、5%以上、10%以上、20%以上、又は50%以上増大する場合、被験物質を経口免疫寛容増強物質と評価することができる。
Foxp3陽性制御性T細胞(Treg)、IFN−γ産生IL−10産生T細胞への分化は、当業者にとって公知の方法、例えば、抗IL−10抗体による抗原抗体反応を利用する方法(酵素免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)等)を介して測定してもよい。
(2)経口免疫寛容増強組成物
IFN−γ産生IL−10産生T細胞分化促進組成物は、上記スクリーニング方法により得られたIFN−γ産生IL−10産生T細胞分化促進組成物、例えば、乳酸菌体、菌体成分又は乳酸菌を用いた豆乳発酵物中の成分を有効成分とする。乳酸菌とは、例えば、ペディオコッカス属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属の乳酸菌である。ラクトコッカス属の乳酸菌が好ましく、ラクトコッカス・ラクティスがより好ましく、例えば、ラクトコッカス・ラクティスK478株(ラクトコッカス・ラクティスK478株は、K478として独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センターに2014年1月9日に受領され、受領番号NITE−AP01786が付与されている。)が挙げられる。
Foxp3陽性制御性T細胞(Treg)分化促進組成物は、例えば、フラボノイドを有効成分とすることができる。フラボノイドとは、例えば、豆乳中に豊富に含まれるイソフラボン、好ましくは豆乳中に豊富に含まれるゲニステイン又はゲニスチンを挙げることができる。
本発明の経口免疫寛容増強組成物は、上記スクリーニング方法により得られたIFN−γ産生IL−10産生T細胞分化促進組成物とFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)分化促進組成物とを組み合わせた経口免疫寛容増強物質であり、例えば、乳酸菌とイソフラボンの組み合わせ、乳酸菌と豆乳の組み合わせ、又は乳酸菌を用いて豆乳を発酵させた豆乳発酵物を経口免疫寛容増強組成物とすることができる。
経口免疫寛容増強作用を示す限り、有効成分である乳酸菌体、菌体成分又は乳酸菌を用いた豆乳発酵物中の成分は、どのような方法で調製されたものでもよい。
食物アレルギーの発症予防、若しくは経口免疫療法の治療補助を目的として本発明の経口免疫寛容増強組成物を摂取する場合、その摂取量は、摂取者の症状や体格に合わせて適宜設定すればよい。ラクトコッカス属に属する乳酸菌の菌体を有効成分とする場合、その菌体摂取量は、例えば、1〜1,000mg/体重60kg/日である。ゲニステインを有効成分とする場合、その摂取量は、例えば、1〜1,000mg/体重60kg/日である。
有効成分である乳酸菌の菌体又は菌体成分、豆乳発酵物中の成分は単独で使用してもよいし、他の成分と組み合わせて、例えば、飲食品、医薬品に添加して使用することもできる。
(3)経口免疫寛容増強組成物の製造法
本発明の経口免疫寛容増強組成物は、乳酸菌を用いて豆乳を発酵し、発酵物を採取することにより得られる。有効成分である経口免疫寛容増強活性を示す成分が得られる限り、発酵条件や、有効成分である培養物、菌体又は菌体成分の採取方法は特に限定されない。
以下に、ラクトコッカス・ラクティスの菌体を有効成分とする経口免疫寛容増強組成物の製造法を例示する。
まず、例えば、無調整豆乳にラクトコッカス・ラクティスK478株を植菌し、25〜37℃で72時間培養することで、豆乳発酵物が得られる。豆乳発酵物は、培養後に1〜60分程度、好ましくは10分程度の煮沸処理を行ってもよい。
上記のようにして得られた豆乳発酵物は、本発明の経口免疫寛容増強組成物として使用可能である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔マウス脾臓由来免疫細胞を用いた各種乳酸菌のIFN−γ産生IL−10産生T細胞誘導促進試験〕
抑制性サイトカイン産生能を持つIFN−γ産生IL−10産生T細胞も免疫抑制に関わっていることが知られており、経口免疫寛容の作用メカニズムにも本細胞群が関わっていると考えられる。そこで、以下に示す乳酸菌を用いて、IFN−γ産生IL−10産生T細胞誘導促進試験を実施した。
ペディオコッカス・ペントサセウス(K1090株、K1174株、K19株)、ラクトバチルス・ペントーサス(K59株、K335株、K133株)、ラクトコッカス・ラクティス(K478株、K550株、K422株)、ラクトコッカス・ブレビス(K27株、K195株、K1022株)、ペディオコッカス・エタノリデュランス(K303株、K125株、K116株)。
1.乳酸菌懸濁液の調製
MRS培地に各種乳酸菌を1×10個/mlとなるように接種した。30℃で24〜48時間静置培養した後、遠心濃縮機によって培地を除去して集菌した。非加熱処理菌体に関しては生理食塩水にて菌体を洗浄後、凍結乾燥を行った。加熱処理菌体サンプルに関しては95℃で10分間の煮沸殺菌を行い、凍結乾燥を行った。
2.IFN−γ産生IL−10産生T細胞誘導促進試験
(1)脾臓由来細胞懸濁液の調製
BALB/cマウス(8−12週齢、雌、日本クレア社生産)をイソフルラン吸入麻酔下に頸椎脱臼して安楽死させた後、脾臓を取り出し、氷冷した10%ウシ胎児血清(FCS、非動化したもの)添加RPMI1640培地(Sigma社製)1mL中でカットし、10%FCS添加RPMI1640(8mL)と400ユニット/ml コラゲナーゼD(Roche社製)(1mL)を加え37℃で1時間撹拌した。得られた細胞懸濁液をセルストレイナー(40μm、BD FALCON社製)で濾過した後、440×gで5分間遠心分離した。
溶血バッファー(5mL、0.155M NHCl、0.01M Tris、pH7.5)を加え2分間氷上に置いた後、10%FCS添加RPMI11640(5mL)を加えて遠心分離し、10%FCS添加RPMI1640でさらに2回洗浄した。基本培地に懸濁し、脾臓由来細胞懸濁液とした。その後、細胞液をトリパンブルー(Gibco社製)で懸濁し、血球計算板を用いて細胞数を計測した。
(2)INF−γ産生IL−10産生T細胞誘導試験
上記のようにして得た細胞と乳酸菌を用い、共培養を行った。96ウェル平底プレート(BD FALCON社製)に脾臓由来細胞を1×10/ウェル、乳酸菌を3μg/ウェルとなるように添加した。3日間培養後に440×gで5分間遠心分離し、上清を除去することで細胞を回収した。リン酸バッファーで各ウェルを洗浄後、Fcブロック(BD Bioscience社製、5μg/mL)を10μL各ウェルに添加した。
5℃で5分間静置後、FACS Washバッファー(10% FCS,10mM EDTA、20mM HEPES、10μg/ml ポリミキシンB(シグマ社製)、100,000 U/Lペニシリン・100mg/Lストレプトマイシン(シグマ社製)、1mM Sodium Pyruvate(Gibco社製))で洗浄した。
細胞とFITC標識抗CD4抗体(Clone GK1.5、eBioscience社製、20μg/mL)とを反応させ、細胞表面標識を行った。
FACS Washバッファーで洗浄後、Fixation/Permeabilization ComcemtrateとDiluent(eBioscience社製)を用いて固定化した。
Permeabilizationバッファー(eBioscience社製)を用いて洗浄し、PE標識抗IFN−γ抗体(Clone XMG1.2、eBioscience社製、20μg/mL)、APC標識抗IL−10抗体(Clone JES5−16E3、eBioscience社製、20μg/mL)と反応させ細胞内標識を行った。
FACS Washバッファーで洗浄し、同バッファー200μLに懸濁後、FACSCaliburを用いて解析した。結果を図1に示す。
図1に示すように、今回用いた乳酸菌の中でもペディオコッカス・ペントサセウス、ラクトコッカス・ラクティスがIFN−γ産生IL−10産生T細胞を強く誘導することが確認された。
〔マウス脾臓由来NaiveT細胞を用いた、食品素材のFoxp3陽性T細胞(Treg)誘導試験〕
IFN−γ産生IL−10産生T細胞に加え、Foxp3陽性制御性T細胞(Treg)もまた経口免疫寛容に影響する因子として知られている。Foxp3陽性T細胞を誘導する食品素材を選択するため、Foxp3陽性T細胞を誘導する可能性のあるフラボノイド系化合物(ナリンゲニン、プロシアニン、ECG、ケルセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシチン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン)のTreg誘導活性を評価した。また、芳香環は持つがフラボノイド骨格は持たないグルタミルチロシンも同時に評価した。
1.フラボノイド及びグルタミルチロシンの調製
各々を10mMになるように、ジメチルスルホキシド(WAKO社製)に懸濁した。次いで、10%FCS添加RPMI1640を用いて100倍に希釈した。これらを終濃度10μMになるよう細胞培養液に添加した。
2.Foxp3陽性T細胞誘導促進試験
(1)脾臓由来Naive T細胞懸濁液の調製
BALB/cマウス(8−12週齢、雌、日本クレア社生産)をイソフルラン吸入麻酔下に頸椎脱臼して安楽死させた後、脾臓を取り出し、FCS添加RPMI1640培地1mL中でカットし、FCS添加RPMI1640(8mL)と400ユニット/ml コラゲナーゼD(Roche社製)(1mL)を加え37℃で1時間撹拌した。得られた細胞懸濁液をセルストレイナー(40μm、BD FALCON社製)で濾過した後、440×gで5分間遠心分離した。
溶血バッファー(5mL、0.155M NHCl、0.01M Tris、pH7.5)を加え2分間氷上に置いた後、FCS添加RPMI1640(5mL)を加えて遠心分離し、FCS添加RPMI1640でさらに2回洗浄した。MACS runningバッファーにて1回洗浄した後、CD4+TCell Isolation Kit II(Milteny Biotech社製)のCD4+ T cell Biotin Antibody cocktailと、次いで、Anti Biotin Micro Beadsと反応させ、自動磁気分離システム(Auto MACS、Miltenyi社製)を用いてネガティブフラクションを分離した。
MACS runningバッファーにて1回洗浄した後、Fcブロックと反応させた。MACSrunningバッファーにて洗浄後、抗CD62L-FITC抗体と反応させた。
MACSrunningバッファーにて洗浄後、Anti FITC Microbeads(Miltenyi社製)と反応させ自動磁気分離システム(Auto MACS、Miltenyi社製)を用いてポジティブフラクションを分離した。
分離した細胞をFCS添加RPMI1640培地で1回洗浄し、細胞液をトリパンブルー(Gibco社製)で懸濁し、血球計算板を用いて細胞数を計測した。
(2)Foxp3陽性T細胞誘導促進試験
上記のようにして得た細胞にイソフラボン・アグリコン又は配糖体を添加し、培養した。96ウェル平底プレート(BD FALCON社製)に抗CD3e抗体(eBioscience社製、5μg/mL)を50μL/ウェル入れ、37℃で2時間温置した。その後、PBSで2回ウェルを洗浄し、脾臓由来NaiveT細胞5×10/ウェルに対し、IL−6(R&D System社製)を20ng/mL、TGF−β(R&D System社製)を2ng/mL、イソフラボン・アグリコン又は配糖体を5、10、20μM/ウェルとなるように添加し、FCS添加RPMI1640培養液中で2日以上3日未満培養した。
次いで、PMA(シグマ、0.25mg/mL)2μL、イオノマイシン(シグマ社製、1.25mg/mL)4μL、Golgi Stop(BD Bioscience社製)10μLを各ウェルに添加し、4時間培養した。
リン酸バッファーで洗浄後、Fcブロックと反応させた。FACS Washバッファーで洗浄後、Fixation/Permeabilization ComcemtrateとDiluentを用いて固定化した。Permeabilizationバッファーを用いて洗浄し、PE標識抗Foxp3抗体(Clone NRRF−30、eBioscience社製、20μg/mL)、FITC標識抗IL−17A抗体(Clone eBio1787、eBioscience社製、20μg/mL)と反応させ細胞内標識を行った。
FACS Washバッファーで洗浄し、同バッファー200μLに懸濁後、FACSCaliburを用いて解析した。結果を図2に示す。
フラボノイド骨格を持たないグルタミルチロシンは、Foxp3陽性T細胞誘導活性を示さなかった。また、フラボノイド骨格を持つプロシアニンにも活性は見られなかった。ナリンゲニン、ECGは、マイルドな活性を示し、ケルセチン、ゲニステインには顕著な活性が見られた。
〔マウス脾臓由来NaiveT細胞を用いた、K478豆乳発酵物上清のFoxp3陽性T細胞(Treg)誘導試験〕
実施例1において、ペディオコッカス・ペントサセウス及びラクトコッカス・ラクティスがIFN−γ産生IL−10産生T細胞を強く誘導することが明らかとなった。また、実施例2において、フラボノイド骨格を持つ化合物の中でも、ケルセチン、ゲニステインがFoxp3陽性T細胞を強く誘導することが明らかになった。
経口免疫寛容のメカニズムに関わるこれら二つのT細胞の両方を誘導することができれば、経口免疫寛容を効率的に増強することができる。つまり、ケルセチン又はゲニステインが含まれる食品を、実施例1で選抜した乳酸菌で発酵させれば、両者の機能を掛け合わせた機能性食品が生産できる可能性がある。そこで、乳酸菌が生育でき、かつ、Foxp3陽性T細胞(Treg)を誘導するゲニステインを含む食品として豆乳を、また、実施例1で選抜した二つの菌種のうち豆乳の風味を損なわないと考えられるラクトコッカス・ラクティスをそれぞれ選択した。
発酵により機能性が損なわれないかを検証するため、ラクトコッカス・ラクティスのうちK478株を用いて発酵した豆乳発酵物の上清がFoxp3陽性T細胞(Treg)を誘導するかを検証した。
1.豆乳発酵物上清の調整
ラクトコッカス・ラクティスK478株グリセロールストック(1x10 cells/mL)を無調整豆乳に対し0.5%植菌した。72時間培養後、10分間煮沸することにより滅菌し、8,000×gで15分間遠心して上澄みを採取した。次いで、上澄みを凍結乾燥し、リン酸バッファーを用いて20mg/mLに調整した。
2.Foxp3陽性T細胞誘導促進試験
(1)脾臓由来NaiveT細胞懸濁液の調製
実施例2に示した方法により脾臓由来Naive T細胞懸濁液を調製した。
(2)Foxp3陽性T細胞誘導促進試験
得られた細胞に豆乳発酵物上清懸濁液を終濃度2mg/mLで添加し、培養した。培養や細胞の固定化、抗体による標識は、実施例2で述べた方法で行った。結果を図3に示す。
図3より、ラクトコッカス・ラクティスK478株により発酵した豆乳発酵物の上清は、Foxp3陽性T細胞を誘導することが明らかとなった。
〔ラクトコッカス・ラクティスK478株を用いた豆乳発酵物による、in vivoにおけるINF−γ産生IL−10産生T細胞とFoxp3陽性T細胞(Treg)誘導試験〕
5週齢のBALB/cマウス(雌、日本クレア社生産)に対して乳酸菌ラクトコッカス・ラクティスK478株を用いて発酵させた豆乳発酵物の連続強制経口投与を行い、マウスの腸管内でINF−γ産生IL−10産生T細胞とFoxp3陽性T細胞(Treg)が誘導されるかを調べた。
1.豆乳、豆乳発酵物の投与
豆乳は、10分間煮沸したものを用いた。豆乳発酵物は、豆乳に対し乳酸菌K478株グリセロールストックを0.5%植菌し72時間発酵した。その後、10分間煮沸を行った。
コントロール群には生理食塩水0.2ml/日を、豆乳摂取群、豆乳発酵物摂取群にはそれぞれ豆乳、豆乳発酵物0.2ml/日を試験開始0日目から5日目まで6日間、又は8日目まで9日間摂取させた。
2.小腸粘膜固有層中のIFN−γ産生IL−10産生T細胞とFoxp3陽性T細胞(Treg)の解析
頸椎脱臼して安楽死させた後、小腸を取り出し脂肪、パイエル板を除き、管を開くように切って、FCS添加RPMI1640培地に入れた。リン酸バッファーで小腸を洗浄した後、1cmにカットし、LP FACSバッファー(組成)を用いて37℃1時間撹拌することで上皮細胞を除去した。リン酸バッファーで4、5回洗浄し、FCS添加RPMI1640培地内でさらに細かくカットした。
それらを400ユニット/ml コラゲナーゼD(Roche社製)、50μg/ml DNaseI、10% FCS含有の100,000U/Lペニシリン・100mg/Lストレプトマイシン(シグマ社製)、HEPES(20mM)添加RPMI1640培地(SIGMA社製)で処理した。パーコール(GE Healthcare社製)による密度勾配処理により小腸粘膜固有層中の免疫細胞を得た。
細胞とFcブロックを反応させ洗浄した後、FITC標識抗CD4抗体とを反応させ、細胞表面標識を行った。FACS Washバッファーで洗浄後、Fixation/Permeabilization ComcemtrateとDiluentを用いて固定化した。
Permeabilizationバッファーを用いて洗浄し、PE標識抗IFN−γ抗体、APC標識抗IL−10抗体と反応させ細胞内標識を行った。FACS Washバッファーで洗浄し、同バッファー200μLに懸濁後、FACSCaliburを用いて解析した。
結果を図4に示す。
豆乳発酵物投与の6日間又は9日間の連続投与により、小腸粘膜固有層におけるFoxp3陽性T細胞(Treg)又はIFN−γ産生IL−10産生T細胞のpopulationの増大が見られた。
〔K478株による豆乳発酵物の経口免疫寛容増強試験〕
5週齢のBALB/cマウス(雌、日本クレア社生産)に対して、ラクトコッカス・ラクティスK478株によって発酵した豆乳発酵物の連続強制経口投与を行い、経口免疫寛容増強効果を調べた。オボアルブミン(OVA、シグマ社製)感作を行い、アレルギーを誘導することで、豆乳発酵物摂取が遅延型過敏反応、血清中OVA特異的抗体価、脾臓細胞の抗原特異的サイトカイン産生に及ぼす影響を調べた。
試験は、下記の方法に従い行った。
1.豆乳発酵物の投与
豆乳は、10分間煮沸したものを用いた。豆乳発酵物は、豆乳に対し乳酸菌ラクトコッカス・ラクティスK478株グリセロールストックを0.5%植菌し、72時間発酵した。その後10分間煮沸を行った。加えて、選抜菌であるラクトコッカス・ラクティスK478株以外に、ラクトバチルス・プランタラムK162株を用いて、ラクトコッカス・ラクティスK478株と同様に豆乳発酵物を作製した。
コントロール群には生理食塩水0.2ml/日を、豆乳摂取群、豆乳発酵物摂取群にはそれぞれ豆乳、豆乳発酵物0.2ml/日を試験開始0日目から22日目まで21日間摂取させた。
2.経口免疫寛容の誘導
経口免疫寛容誘導群、豆乳投与群、ラクトコッカス・ラクティスK478株による豆乳発酵物投与群(K478豆乳発酵物投与群)、ラクトバチルス・プランタラムK162株による豆乳発酵物投与群(K162豆乳発酵物投与群)には、14日目にOVA20mg/0.2ml生理食塩水を投与し、経口免疫寛容を誘導した。未処理対照群、アレルギー誘導対照群には生理食塩水を0.2ml投与した。
3.アレルギー誘導
試験開始28日目にアレルギーを誘導するためにOVA(シグマ社製)300μg、Complete Freund’s Adjuvant 100μlを背面皮下に投与した。
4.遅延型過敏反応の測定
背面皮下免疫から14日後(試験開始42日目)にOVA50μgを足の裏の背面皮下に投与し、24時間後に腫れの大きさを測定することで、遅延型過敏反応を調べた。
この結果を図5に示す。なお、有意差検定は、t検定により行った。
図5に示すように、経口免疫寛容の誘導により遅延型過敏反応は抑制されたが、K478豆乳発酵物を摂取することでその抑制作用が増強していることが確認された。豆乳や選抜株ではないK162豆乳発酵物を投与した群では、抑制が見られなかった。
5.血清中のOVA特異的抗体価の測定
遅延型過敏反応の測定後、イソフルラン麻酔下で採血を行った。1,500rpmで30分間遠心を行い、血清を得た。血清中のOVA特異的IgG量、OVA特異的IgE量をエンザイムイムノアッセイにより測定した。詳しくは、抗マウスIgG抗体、抗マウスIgE抗体(eBioscience社製)を1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.2)に500倍希釈で添加し、96ウェルプレートに50μl/ウェルでコーティングした。その後、血清サンプルを2倍−50,000倍希釈し、プレート上に50μlずつ分注し、1時間インキュベートした。
洗浄後、ビオチン標識OVAを1%BSA添加0.05%Tween含有リン酸緩衝液で2μg/mlとなるように溶解し、プレート上に50μlずつ分注した。ビオチン標識OVAは、シグマ社製のOVAと、同仁化学研究所製のビオチン化キットを用いて作製した。1時間インキュベートした後に洗浄を行い、ストレプトアビジンで標識したペルオキシダーゼ酵素(Vector社製)を加え、ビオチンと結合させた。
発色は、TMB基質溶液(Moss/コスモバイオ社製)を1ウェルあたり50μL加え、室温で20分間反応させることで行った。反応を0.5N塩酸で停止し、マイクロプレートリーダー(TECAN社製)で、450nmにおける吸光度を測定し、生理食塩水摂取群に対する相対値でOVA特異的IgG、IgE量を定量化した。
この結果を、図6に示す。なお、有意差検定は、t検定により行った。
図6に示すように、豆乳発酵物投与マウスでは、OVA特異的IgGが経口免疫寛容増強により抑制されていた。
〔ラクトコッカス・ラクティスK478株による豆乳発酵物を用いた、食物アレルギーマウス試験〕
経口免疫寛容の増強により食物アレルギーの発症が強く抑制されることを、食物アレルギーモデルで確認した。
1.豆乳発酵物の投与
ラクトコッカス・ラクティスK478株により発酵した豆乳発酵物を実施例5と同様に作製した。試験開始0日目から20日目まで豆乳発酵物を0.2ml投与した。未処理(アレルギー非誘導)対照群、アレルギー誘導/非発症群、アレルギー誘導/発症群、アレルギー誘導/経口免疫寛容誘導/発症群、アレルギー誘導/K478豆乳発酵物投与+経口免疫寛容誘導/発症群で試験を実施し、K478豆乳発酵物投与群以外は、生理食塩水を0.2ml投与した。
2.経口免疫寛容の誘導
経口免疫寛容の誘導は、試験開始14日目にアレルギー誘導/経口免疫寛容誘導/発症群、アレルギー誘導/K478豆乳発酵物投与+経口免疫寛容誘導/発症群に対し、OVA10mg/0.2ml生理食塩水を投与することで行った。その他の群には、0.2mlの生理食塩水を投与した。
3.アレルギー誘導
試験開始22日目と36日目にOVA(シグマ社製)10μg/0.1ml生理食塩水、水酸化アルミニウムゲル(和光純薬工業社製)0.1mlを混合し、腹腔内に0.2mlを投与した。
4.発症
試験開始50日目、52日目、54日目、56日目、58日目、60日目、に1回あたりOVA50mg/250μL生理食塩水を経口投与し、発症を行った。63日目にイソフルラン麻酔下で頸椎脱臼後、小腸粘膜固有層中のマスト細胞のpopulation解析を行った。
5.下痢の観察
試験開始60日目のOVA経口投与の1時間後に下痢の観察を行った。結果を図7に示す。
経口免疫寛容の誘導により下痢の発症が抑制していたが、K478豆乳発酵物投与群で最も下痢の発症が抑制されていることが確認された。
6.小腸粘膜固有層中のマスト細胞のpopulation
試験開始から63日目のマウスの小腸を採取し、小腸免疫固有層中の細胞を調整した。方法は、実施例4で述べた手法で行った。得られた細胞懸濁液をリン酸バッファーで洗浄後、Fcブロックと反応させた。FACS Washバッファーで洗浄後、抗PE標識抗CD117(ckit)抗体(Clone 288、eBioscience社製、20μg/mL)抗FITC標識抗FcεR抗体(Clone MAR−1、eBioscience社製、20μg/mL)と反応させ細胞表面標識を行った。
FACS Washバッファーで洗浄し、同バッファー200μLに懸濁後、FACSCaliburを用いて解析した。
結果を図8に示す。なお、有意差検定は、t検定により行った。
図8に示すように、アレルギー誘導/経口免疫寛容群と比較し、豆乳発酵物を投与した群においてマスト細胞のpopulationが低下していることが明らかになった。

Claims (7)

  1. 経口免疫寛容増強物質のスクリーニング方法であって、免疫抑制に関わるFoxp3陽性制御性T細胞及びIFN−γ産生IL−10産生T細胞を誘導する、乳酸菌による豆乳発酵物由来の被験物質を経口免疫寛容増強物質と評価する工程を含む、スクリーニング方法。
  2. 前記評価工程の前に、乳酸菌体、菌体成分又は乳酸菌による豆乳発酵物を被験物質として選定する工程を含む、請求項2に記載のスクリーニング方法。
  3. 前記乳酸菌がペディオコッカス属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属の乳酸菌である、請求項2に記載のスクリーニング方法。
  4. 前記評価工程の前に、マウス由来脾臓細胞又はNaiveT細胞と前記被験物質とを接触させ、当該細胞におけるFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)又はIFN−γ産生IL−10産生T細胞への分化促進活性を測定する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  5. ラクトコッカス・ラクティス又はペディオコッカス・ペントサセウスによる豆乳発酵物中の成分を有効成分として含む、経口免疫寛容増強組成物。
  6. 前記ラクトコッカス・ラクティスがラクトコッカス・ラクティスK478株である、請求項に記載の経口免疫寛容増強組成物。
  7. ラクトコッカス・ラクティス又はペディオコッカス・ペントサセウスによる豆乳発酵物中の成分を有効成分として含む、Foxp3陽性制御性T細胞及びIFN−γ産生IL−10産生T細胞の誘導剤。
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