JP6217424B2 - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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    • H04L47/27Evaluation or update of window size, e.g. using information derived from acknowledged [ACK] packets

Description

本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
近年、無線通信における通信速度を向上させる技術として、リンクアグリゲーション(LA:Link Aggregation)の導入が検討されている。LAでは、送信側装置と受信側装置との間で確立されたトランスポート層のコネクション(例えば、TCP(Transmission Control Protocol)コネクション)における伝送パケットが、複数のリンクに振り分けられて伝送される。すなわち、LAでは、各リンクの帯域を合わせた合計帯域での通信を実現することができる。なお、LAで利用される複数のリンク(つまり、複数の通信方式)としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信規格やWiFi(登録商標、Wireless Fidelity)通信規格の通信方式が考えられる。図1は、リンクアグリゲーションの一例を示す図である。
LAで用いられる複数のリンクの間で伝搬遅延差が存在すると、受信側装置にパケットが到着する到着順序が、送信順序に対して反転(以下では、「順序反転」と呼ぶことがある)することがある(図2参照)。図2は、順序反転の説明に供する図である。
TCPなどのトランスポート層を用いた通信においては、受信側装置は、順序反転による順序抜けを検出すると、「重複ACK(Duplicate Acknowledgement)」を送信側装置へ送信する。すなわち、重複ACKは、順序抜けが生じたことを示すACKパケットである。これに対して、送信側装置は、重複ACKを一定数以上受信すると、送信側装置から受信側装置までの経路の途中でパケットロスが発生したと判断し、パケットの再送を行うとともに、パケットの送信レートを下げる。この送信レートの制御には、「輻輳ウィンドウ(congestion window)」が用いられる。
しかしながら、重複ACKが一定数以上受信される頻度が高くなると、送信レートが急激に低下してしまう可能性がある。
順序反転によって輻輳ウィンドウが急激に縮小することに起因する、送信レートの急激な低下を防止するために、従来、トランスポート層(トランスポートレイヤ)よりも下位のレイヤで「順序整列処理」が行われることがある(図3参照)。順序整列処理は、例えば、LAレイヤで行われる。例えば、LAレイヤは、順序反転が生じた場合、到着が遅れている遅延パケットよりも送信順序が後であるパケットを既に受信している場合でもその受信パケットをトランスポートレイヤに渡すことを控え、遅延パケットを受信してから、送信順序に合わせてパケットをトランスポートレイヤに渡す。すなわち、順序整列処理とは、トランスポートレイヤよりも下位レイヤで、受信パケットの順序を送信順序に合わせて並べ替えて、送信順序の通りにトランスポートレイヤに渡す処理である。図3は、順序整列処理の説明に供する図である。
特開2009−239444号公報
ところで、トランスポートレイヤもパケットの順序を整列させる機能を有している。
すなわち、上記の様にトランスポートレイヤの下位レイヤにおいて順序整列処理を行うと、トランスポートレイヤにおける順序整列処理とは別に、下位レイヤにおいて順序整列処理を行うこととなる。このため、プロセッサのリソース及び受信パケットを一時保持するメモリのリソース等、受信側装置のリソースの消費が増大し、受信側装置の処理負荷が増大する可能性がある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、受信側装置の処理負荷を低減することができる、制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
開示の態様では、送信側装置と受信側装置との間で確立されたトランスポート層のコネクションにおける伝送パケットを複数のリンクに振り分けて伝送する通信を制御する制御装置が、第1の推定部と、第2の推定部と、処理制御部とを有する。前記第1の推定部は、前記受信側装置において前記トランスポート層より下位層で受信パケットの順序を送信順序に合わせて並べ替える順序整列処理が実行された場合に前記通信で得られる、第1の伝送レートを推定する。前記第2の推定部は、前記順序整列処理が実行されない場合に前記通信で得られる、第2の伝送レートを推定する。前記処理制御部は、前記推定された第1の伝送レートと前記推定された第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、前記順序整列処理の実行非実行を制御する。
開示の態様によれば、受信側装置の処理負荷を低減することができる。
図1は、リンクアグリゲーションの一例を示す図である。 図2は、順序反転の説明に供する図である。 図3は、順序整列処理の説明に供する図である。 図4は、実施例1の通信システムの一例を示す図である。 図5は、実施例1の基地局の一例を示すブロック図である。 図6は、実施例1の通信制御部の一例を示すブロック図である。 図7は、実施例1の第1の伝送レート推定部の一例を示すブロック図である。 図8は、実施例1の第2の伝送レート推定部の一例を示すブロック図である。 図9は、実施例1の通信システムの処理動作の説明に供する図である。 図10は、実施例1の基地局の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図11は、アドレス/OSテーブルの一例を示す図である。 図12は、OS/アルゴリズムテーブルの一例を示す図である。 図13は、Linux(登録商標)の輻輳制御アルゴリズムによる輻輳ウィンドウの挙動の説明に供する図である。 図14は、輻輳ウィンドウの平均値の算出の説明に供する図である。 図15は、遅延時間差分布に対応するテーブルの一例を示す図である。 図16は、Windows(登録商標)の輻輳制御アルゴリズムによる輻輳ウィンドウの挙動の説明に供する図である。 図17は、平均レートの算出方法の説明に供する図である。 図18は、基地局のハードウェア構成例を示す図である。
以下に、本願の開示する制御装置及び制御方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願の開示する制御装置及び制御方法が限定されるものではない。また、実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
[実施例1]
[通信システムの概要]
図4は、実施例1の通信システムの一例を示す図である。図4において、通信システム1は、サーバ10と、基地局30と、端末70とを有する。サーバ10は、例えば、アプリケーションサーバである。また、基地局30は、例えば、LTE通信規格に準じたフェムト基地局である。なお、ここでは、下り回線のパケット伝送を前提として説明する。
まず、サーバ10と端末70との間で、トランスポートレイヤのコネクションが確立される。ここでは、トランスポートレイヤのプロトコルとして、TCPが用いられることを前提とする。従って、TCPコネクションの確立は、例えば、基地局30を介したスリーウェイハンドシェイク手順によって実現される。
次いで、サーバ10は、端末70宛てのパケット群を基地局30へ送信する。ここで、サーバ10は、上記の「輻輳ウィンドウ」によって、受信側への到達確認前に送信するパケットの送信量を制御する。送信されたパケットは、通常ラウンドトリップ時間(RTT)で、確認応答(ACK)により、受信側への送達確認がなされるので、「輻輳ウィンドウ」は、RTT内に送信するパケットの送信量となる。
基地局30は、サーバ10から受信したパケット群を、LAによって端末70へ送信する。すなわち、基地局30は、サーバ10から受信したパケット群を、複数のリンクに振り分けて、端末70へ送信する。ここでは、LAに用いられる第1のリンク及び第2のリンクが、LTE通信規格に準じたリンク(以下では、「LTEリンク」と呼ばれることがある)及びWiFi通信規格に準じたリンク(以下では、「WiFiリンク」と呼ばれることがある)である、ことを前提する。
また、基地局30は、受信側装置である端末70においてトランスポートレイヤよりも下位のレイヤ(ここでは、LAレイヤ)で「順序整列処理」が実行された場合にサーバ10と端末70との間の通信で得られる、伝送レート(以下では、「第1の伝送レート」と呼ばれることがある)を推定する。さらに、基地局30は、上記の順序整列処理が行われない場合にサーバ10と端末70との間の通信で得られる、伝送レート(以下では、「第2の伝送レート」と呼ばれることがある)を推定する。そして、基地局30は、推定した第1の伝送レート及び推定した第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、受信側装置である端末70における順序整列処理の実行非実行を制御する。すなわち、ここでは、LA通信を制御する制御装置が、基地局30に含まれていることを前提としている。
例えば、基地局30は、推定された第1の伝送レートと推定された第2の伝送レートとの差が所定値未満である場合、又は、推定された第2の伝送レートが推定された第1の伝送レートより大きい場合、上記の順序整列処理が実行されないように制御する。一方、基地局30は、推定された第2の伝送レートが推定された第1の伝送レートより小さく且つ上記の差が所定値以上である場合、上記の順序整列処理が実行されるように制御する。
以上のように、受信側装置である端末70は、常に順序整列処理を行うのではなく、順序整列処理が行われても行われなくても伝送レートに大きな差が現れないと推測される場合、及び、行われない時の伝送レートの方が大きい場合、順序整列処理を行わない。これにより、受信側装置である端末70の処理負荷を軽減することができる。
なお、端末70のトランスポート層では、上記の通り、順序反転を検出すると、重複ACKをサーバ10へ送信する。
[基地局の構成例]
図5は、実施例1の基地局の一例を示すブロック図である。図5において、基地局30は、インターフェース(IF)31と、制御部32と、バッファ33と、LTE通信部34と、WiFi通信部35とを有する。
IF31は、ネットワークインターフェースであり、サーバ10と基地局30との間で信号を送受信する。例えば、IF31は、サーバ10から送信された信号を受信し、当該受信した信号をバッファ33及び制御部32へ出力する。例えば、サーバ10から送信された伝送パケットは、バッファ33へ出力され、バッファ33に一時保持される。また、例えば、IF31は、LTE通信部34又はWiFi通信部35から受け取った信号をサーバ10へ送信する。例えば、端末70から送信され且つLTE通信部34又はWiFi通信部35で受信されたACK信号は、IF31を介してサーバ10へ送信される。
制御部32は、バッファ33に対して「通信制御信号」を出力することにより、LA通信の実行非実行、LA通信実行時の振分方法、及び、LA非実行時の利用通信方式を制御する。なお、ここでは、LA通信が実行されることを前提とする。
また、制御部32は、上記の「第1の伝送レート」及び「第2の伝送レート」を推定する。上記の通り、第1の伝送レートは、受信側装置である端末70においてトランスポートレイヤよりも下位のレイヤ(ここでは、LAレイヤ)で「順序整列処理」が実行された場合にサーバ10と端末70との間の通信で得られる、伝送レートである。また、上記の通り、第2の伝送レートは、上記の順序整列処理が行われない場合にサーバ10と端末70との間の通信で得られる、伝送レートである。そして、制御部32は、推定した第1の伝送レートと推定した第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、受信側装置である端末70のLAレイヤにおける順序整列処理の実行非実行を制御する。
図5に示すように、制御部32は、例えば、パラメータ取得部41と、通信制御部42とを有する。
パラメータ取得部41は、送信側装置であるサーバ10の輻輳制御アルゴリズムの特定に用いられる「第1のパラメータ」、上記の第1の伝送レートの推定に用いられる「第2のパラメータ」、及び、上記の第2の伝送レートの推定に用いられる「第3のパラメータ」を取得する。そして、パラメータ取得部41は、取得したパラメータを通信制御部42へ出力する。
(第1のパラメータについて)
(第1の取得方法)また、パラメータ取得部41は、サーバ10のIPアドレスを、第1のパラメータとして取得してもよい。サーバ10のIPアドレスは、スリーウェイハンドシェイク手順における、サーバ10から端末70への方向の、コネクション確立要求(Syn)又は確認応答(Syn Ack)のソースIPアドレスを抽出することで、取得される。例えば、第1のパラメータのこの取得方法は、IPアドレスに対応するOS(Operating System)に関する情報がユーザによって登録されている場合、及び、過去にIPアドレスに対応するOSに関する情報が得られている場合に用いられる。
(第2の取得方法)また、パラメータ取得部41は、サーバ10と端末70との間の通信をモニタし、Get Messageに対するResponseのServer elementから、送信側装置のOSに関する情報を第1のパラメータとして取得してもよい。第1のパラメータのこの取得方法は、トランスポートレイヤの上位レイヤのプロトコル(つまり、上位プロトコル)がHTTPである場合に用いられる。また、第1のパラメータのこの取得方法は、後述する特定部45がサーバ10のIPアドレスを用いてOSに関する情報を特定できない場合に、用いられてもよい。
(第3の取得方法)また、パラメータ取得部41は、受信側装置である端末70において順序整列処理が行われない時の、送信側装置であるサーバ10のパケット送信パターンを、第1のパラメータとして取得してもよい。第1のパラメータのこの取得方法は、OSに関する情報がユーザによって登録されておらず、且つ、上位プロトコルとしてHTTPが用いられていない場合に、用いられてもよい。
(第4の取得方法)また、パラメータ取得部41は、基地局30からサーバ10に対してTCPコネクションを設定し、サーバ10のパケット送信に対して、順序整列処理が非実行の場合の端末70の送信挙動を模倣する。そして、パラメータ取得部41は、当該模倣処理に対する、サーバ10のパケット送信パターンを、第1のパラメータとして取得してもよい。第1のパラメータのこの取得方法は、OSに関する情報がユーザによって登録されておらず、且つ、上位プロトコルとしてHTTPが用いられていない場合に、用いられてもよい。
(第2のパラメータについて)
パラメータ取得部41は、端末70毎に、LAに用いられる各リンクでの実効レートに関する情報を、第2のパラメータとして予め取得しておく。なお、LAに用いられる各リンクでの実効レートに関する情報は、第3のパラメータとしても用いられる。
また、パラメータ取得部41は、サーバ10と端末70との間のラウンドトリップ時間(RTT)を、第2のパラメータとして取得する。例えば、パラメータ取得部41は、スリーウェイハンドシェイク手順における、コネクション確立要求(Syn)の受信タイミングと確認応答(Ack)の受信タイミングとの時間差に基づいて、RTTを取得する。なお、RTTは、第3のパラメータとしても用いられる。
また、パラメータ取得部41は、最大ウィンドウサイズ(max window size)を、第2のパラメータとして取得する。例えば、パラメータ取得部41は、スリーウェイハンドシェイク手順における、端末70からサーバ10への方向の、コネクション確立要求(Syn)又は確立応答(Syn Ack)から、ウィンドウスケールオプション情報を抽出する。そして、パラメータ取得部41は、抽出したウィンドウスケールオプション情報に基づいて、最大ウィンドウサイズを算出する。
(第3のパラメータについて)
パラメータ取得部41は、TCPコネクションにおける、最大セグメント長(MSS:Maximum Segment Size)を、第3のパラメータとして取得する。例えば、パラメータ取得部41は、スリーウェイハンドシェイク手順における確立応答(Syn Ack)から、MSSに関する情報を取得する。
また、パラメータ取得部41は、LAに用いられるリンク間の遅延時間差分布に関する情報を、第3のパラメータとして予め取得しておく。
通信制御部42は、パラメータ取得部41から受け取ったパラメータに基づいて、上記の第1の伝送レート及び第2の伝送レートを推定する。そして、通信制御部42は、推定した第1の伝送レートと推定した第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、受信側装置である端末70のLAレイヤにおける順序整列処理の実行非実行を制御する。
図6は、実施例1の通信制御部の一例を示すブロック図である。図6に示すように、通信制御部42は、特定部45と、伝送レート推定部46,47と、処理制御部48とを有する。以下では、伝送レート推定部46を「第1の伝送レート推定部」と呼び、伝送レート推定部47を「第2の伝送レート推定部」と呼ぶことがある。
特定部45は、パラメータ取得部41から受け取った、上記の第1のパラメータに基づいて、送信側装置であるサーバ10のトランスポートレイヤに適用されている輻輳制御アルゴリズムを特定する。
例えば、特定部45は、複数のIPアドレスと、各IPアドレスに応じた装置に適用されたOSの識別情報との対応関係を記憶する、「アドレス/OSテーブル」を保持している。また、特定部45は、複数のOSの識別情報と、各識別情報に応じた輻輳制御アルゴリズムとを対応づけた、「OS/アルゴリズムテーブル」を保持している。
そして、特定部45は、第1のパラメータとしてIPアドレスを受け取ると、受け取ったIPアドレスと「アドレス/OSテーブル」で対応づけられている、OSの識別情報を検索する。
そして、特定部45は、検索の結果、受け取ったIPアドレスに対応づけられたOSの識別情報が存在する場合、そのOSの識別情報と「OS/アルゴリズムテーブル」で対応づけられている、輻輳制御アルゴリズムの識別情報を検索する。なお、検索の結果、受け取ったIPアドレスに対応づけられたOSの識別情報が存在しない場合、特定部45は、上記の第2の取得方法から第4の取得方法で取得した第1のパラメータに基づいて、OSの識別情報を特定してもよい。
そして、特定部45は、検索の結果、OSの識別情報と対応づけられた、輻輳制御アルゴリズムの識別情報を、伝送レート推定部47へ出力する。なお、検索の結果、OSの識別情報と対応づけられた、輻輳制御アルゴリズムの識別情報が存在しない場合、特定部45は、アルゴリズムが不明であることを示す通知を、伝送レート推定部47へ出力してもよい。
伝送レート推定部46は、パラメータ取得部41から受け取った、上記の第2のパラメータに基づいて、上記の第1の伝送レートを推定する。例えば、伝送レート推定部46は、LAに用いられる各リンクでの実効レートの総和に基づいて、上記の第1の伝送レートを推定する。ただし、上記の第1の伝送レートには、上限値が設定される。
図7は、実施例1の第1の伝送レート推定部の一例を示すブロック図である。図7において、伝送レート推定部46は、除算部51と、加算部52と、選択部53とを有する。
加算部52は、LAに用いられる各リンクでの実効レートを加算することにより、各リンクでの実効レートの総和(以下では、「総和レート」と呼ぶことがある)を算出し、算出した総和レートを選択部53へ出力する。
除算部51は、TCPの最大ウィンドウサイズをRTTで除算し、除算結果(ここでは、商の値)を選択部53へ出力する。
選択部53は、加算部52から受け取った総和レートと、除算部51から受け取った除算結果とを比較し、小さい方を第1の伝送レートとして出力する。すなわち、除算部51における除算結果は、上記の上限値として用いられている。
伝送レート推定部47は、パラメータ取得部41から受け取った、上記の第3のパラメータと、特定部45から受け取る情報とに基づいて、上記の第2の伝送レートを推定する。例えば、伝送レート推定部47は、LAに用いられる各リンクでの実効レートと、RTT(Round trip time)と、MSSと、LAに用いられる各リンク間の遅延時間差分布と、輻輳制御アルゴリズムの識別情報とに基づいて、上記の第2の伝送レートを推定する。すなわち、伝送レート推定部47は、輻輳制御アルゴリズムの識別情報に対応する推定関数と、輻輳制御アルゴリズムの識別情報以外の入力パラメータとに基づいて、上記の第2の伝送レートを推定する。
図8は、実施例1の第2の伝送レート推定部の一例を示すブロック図である。図8において、伝送レート推定部47は、N個(Nは、自然数)の算出部55−1〜Nと、出力選択部56とを有する。Nが2以上の場合には、算出部55−1〜Nは、異なる輻輳制御アルゴリズムに対応する、第2の伝送レートの推定関数、又は、輻輳制御アルゴリズムが不明の場合の、第2の伝送レートの推定関数に、それぞれ対応する。以下では、Nが3として説明する。また、以下では、算出部55−1は輻輳制御アルゴリズムAに対応する推定関数Aに、算出部55−2は輻輳制御アルゴリズムBに対応する推定関数Bに、算出部55−3は輻輳制御アルゴリズムが不明の場合の推定関数Cに対応するものとする。また、輻輳制御アルゴリズムAはWindows(登録商標)に対応するアルゴリズムであり、輻輳制御アルゴリズムBはLinux(登録商標)に対応するアルゴリズムであるとする。
算出部55−1は、輻輳制御アルゴリズムAに対応する推定関数Aを保持しており、推定関数Aと、入力パラメータとを用いて、上記の第2の伝送レートを算出する。
算出部55−2は、輻輳制御アルゴリズムBに対応する推定関数Bを保持しており、推定関数Bと、入力パラメータとを用いて、上記の第2の伝送レートを算出する。
算出部55−3は、輻輳制御アルゴリズムが不明の場合の推定関数Cを保持しており、推定関数Cと、入力パラメータとを用いて、上記の第2の伝送レートを算出する。
出力選択部56は、入力した輻輳制御アルゴリズムの識別情報に対応する算出部55で算出された第2の伝送レートを出力する。また、出力選択部56は、アルゴリズムが不明であることを示す通知を受け取った場合には、算出部55−3で算出された第2の伝送レートを出力する。
なお、算出部55−1〜3のすべてが同時に動作するものとして説明したが、輻輳制御アルゴリズムの識別情報又は不明を示す通知に対応する算出部55のみが動作するようにしてもよい。また、推定関数については、後に詳しく説明する。
図6の説明に戻り、処理制御部48は、伝送レート推定部46で推定された第1の伝送レートと伝送レート推定部47で推定された第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、受信側装置である端末70における順序整列処理の実行非実行を制御する。
例えば、処理制御部48は、推定された第1の伝送レートと推定された第2の伝送レートとの差が所定値未満である場合、又は、推定された第2の伝送レートが推定された第1の伝送レートより大きい場合、上記の順序整列処理が実行されないように制御する。例えば、処理制御部48は、順序整列処理を命令する制御信号を端末70のLAレイヤが受け取ることを条件に端末70のLAレイヤで順序整列処理を実行する場合には、特に処理を行わなくてもよい。又は、処理制御部48は、順序整列処理の非実行を命令する制御信号を生成し、LTE通信部34又はWiFi通信部35を介して端末70へ送信してもよい。
一方、処理制御部48は、推定された第2の伝送レートが推定された第1の伝送レートより小さく且つ上記の差が所定値以上である場合、上記の順序整列処理が実行されるように制御する。例えば、処理制御部48は、順序整列処理の実行を命令する制御信号を生成し、LTE通信部34又はWiFi通信部35を介して端末70へ送信する。又は、端末70が順序整列処理機能を具備しない場合には、通信制御部42は、バッファ33に対して、LAを実行しないように指示を出してもよい。
[通信システムの動作例]
以上の構成を有する通信システム1の処理動作の一例について説明する。図9は、実施例1の通信システムの処理動作の説明に供する図である。また、図10は、実施例1の基地局の処理動作の一例を示すフローチャートである。
基地局30の制御部32は、端末70毎に、LAに用いられる各リンクの遅延時間分布、及び、各リンクでの実効レートを、取得する(ステップS101)。
端末70は、スリーウェイハンド手順において、サーバ10宛ての確立要求(Syn)を基地局30へ送信する(ステップS102)。ここで、基地局30の制御部32は、受信したSynの到着時刻(T0)を取得するとともに、受信したSynからウィンドウスケールに関する情報を取得(抽出)する(ステップS201)。
基地局30は、受信したSynをサーバ10へ送信する(ステップS103)。
サーバ10は、Synに対する確立応答(Syn Ack)を基地局30へ送信する(ステップS104)。ここで、基地局30の制御部32は、受信したSyn Ackから、ソースアドレス(つまり、送信元アドレス、add0)を取得する(ステップS202)。
基地局30は、受信したSyn Ackを端末70へ送信する(ステップS106)。
端末70は、Syn Ackに対する確認応答(Ack)を基地局30へ送信する(ステップ107)。ここで、基地局30の制御部32は、Ackを受信すると、そのAckの到着時刻(T1)を取得し、RTT(=T1−T0)を算出する(ステップS203)。そして、制御部32は、ステップS201で取得したウィンドウスケールの値を用いて、最大ウィンドウサイズを算出する(ステップS204)。そして、制御部32は、ステップS204で算出した最大ウィンドウサイズをステップS203で算出したRTTで除算することにより、TCPの伝送レートを算出する(ステップS205)。この算出したTCPの伝送レートは、上記の上限値に対応する。
基地局30は、受信したAckをサーバ10へ送信する(ステップS108)。
基地局30の制御部32は、上記の第1の伝送レートを推定(算出)する(ステップS109、ステップS206)。そして、制御部32は、ステップS202で取得したソースアドレスに対応するOSがアドレス/OSテーブルに存在するか否かを判定する(ステップS207)。制御部32は、存在すると判定した場合(ステップS207肯定)、ステップS202で取得したソースアドレスに対応するOSの識別情報を取得する(ステップS208)。図11は、アドレス/OSテーブルの一例を示す図である。例えば、ソースアドレスがアドレスxxxxである場合、制御部32は、アドレスxxxxに対応する、OS識別情報(つまり、win)を取得する。識別情報winは、Windows(登録商標)に対応する識別情報とし、識別情報linuxは、Linux(登録商標)に対応する識別情報とする。また、制御部32は、存在しないと判定した場合(ステップS207否定)、ステップS112でサーバ10から基地局30へ送信されるHTTP Responseから、サーバ10のOSの識別情報を取得する(ステップS209)。ここで、HTTP Responseは、ステップS110,111で端末70から基地局30を介してサーバ10へ送信されたHTTP Getに対する応答信号である。基地局30は、受信したHTTP Responseを端末70へ送信する(ステップS113)。なお、アドレス/OSテーブルの情報は固定されていてもよいし、変動してもよい。変動する場合には、取得された最新の情報によって、アドレス/OSテーブルは、順次更新されてもよい。
そして、制御部32は、ステップS208又はステップS209で取得した、OSの識別情報に対応するアルゴリズムがOS/アルゴリズムテーブルに存在するか否かを判定する(ステップS210)。そして、制御部32は、存在すると判定した場合(ステップS210肯定)、ステップS208又はステップS209で取得したOSの識別情報に対応するアルゴリズムの識別情報を取得する(ステップS211)。図12は、OS/アルゴリズムテーブルの一例を示す図である。例えば、取得したOS識別情報がwinである場合、制御部32は、winに対応する輻輳制御アルゴリズムの識別情報Aを取得する。なお、制御部32は、存在しないと判定した場合(ステップS210否定)、制御部32内の通知(上記の、不明を示す通知に相当)を行う(ステップS212)。また、ステップS209においてResponseからOS識別情報を取得できなかった場合にも、制御部32内の通知(上記の、不明を示す通知に相当)が行われてもよい。
そして、制御部32は、上記の第2の伝送レートを推定(算出)する(ステップS114、ステップS213)。そして、制御部32は、推定した第1の伝送レートと推定した第2の伝送レートとを比較し(ステップS214)、比較結果に応じて、順序整列処理の実行非実行を制御する(ステップS115、ステップS215)。
[推定関数の導出方法]
TCPの輻輳制御アルゴリズムに対応する推定関数は、各輻輳制御アルゴリズムについて、各輻輳制御アルゴリズムを実装し、順序逆転発生時の定常状態での挙動を解析することにより、導出することができる。
(Linux(登録商標)に対応する推定関数Bについて)
例えば、Linux(登録商標) OS ver.3.0.0に実装された、輻輳制御アルゴリズム(つまり、TCPレート制御アルゴリズム)を例に取り、説明する。図13は、Linux(登録商標)の輻輳制御アルゴリズムによる輻輳ウィンドウの挙動の説明に供する図である。
当該TCPレート制御アルゴリズムの場合、reorderingパラメータの示すパケット数を超えて順序逆転が発生した場合に、パケットの再送が発生する。
パケットの再送が発生すると、パケット再送状態(recovery state)に遷移し、rate−halving処理が行われる。すなわち、rate−halving処理では、2個の確認応答(Ack:Acknowledge)を受信する毎に、輻輳ウィンドウ(cwnd:congestion window)の値を、1TCPセグメント分低下させる。ただし、パケットの再送が開始した時点でのcwndの値の0.7倍となったところで、cwnd値の低下を停止させる。
また、パケットを再送する前に送信したパケットのAckを受信し、それまでのパケットの確認応答がされた時点で、recovery stateは終了し、通常の転送状態に戻る。そして、recovery state中においてパケット再送が順序逆転によって発生したことが認識されると、認識できた順序逆転パケット数の最大値(最大で127)で、reorderingパラメータを修正するとともに、cwnd値をパケット再送の開始前の値に復帰させる(F−RTO Recovery)。ただし、recovery stateの終了時点でのcwnd値と、パケット再送の開始前のcwnd値との間に、reorderingパラメータの値以上の開きがある場合には、cwnd値は、recovery stateの終了時点でのcwnd値から、reorderingパラメータの値分までしか増加させない。また、通常の転送状態では、TCPレート制御アルゴリズムの輻輳回避フェーズでの増加式に従って、cwnd値は増加する。しかし、reorderingパラメータの値以上の順序逆転が新たに発生すると、recovery stateに遷移する。最終的には、reorderingパラメータが最大値である127に達した時点で、cwnd値の挙動は、安定状態に入る。この安定状態に入ると、上記Linux(登録商標) OSで標準的に用いられるレート制御アルゴリズムであるcubicは、上記の通常の転送状態では、cwnd値を殆ど上昇させない(図13中の点線矢印を参照)。つまり、cwnd値の上昇率は極めて低い。
以上のcwnd値の挙動を解析することにより、cwndの平均値Wを算出することができる。そして、cwndの平均値Wを算出できると、次の式(1)によって、第2の伝送レートを算出することができる。
第2の伝送レート=W×MSS/RTT ・・・(1)
図14は、輻輳ウィンドウの平均値の算出の説明に供する図である。
図14において、Wは、recovery stateの開始時のcwnd値である。そして、0.3W=127が成立する。従って、W=127/0.3が成立する。
また、recovery stateにおいて、cwnd値が下限値(ssthresh)に達するまでに掛かる時間を時間Tとすると、T/{2(RTT/W)}=0.3Wが成立する。従って、T=0.6RTTが成立する。
また、順序逆転による再送が発生する確率、つまり、127個のパケットの順序逆転が発生する確率を、確率pとする。127個のパケットの時間差は、127RTT/W(=0.3RTT)であることから、確率pは、次の式(2)によって表すことができる。
p=(LTEにパケットを送信する確率)×(WLANにパケットを送信する確率)×f(0.3RTT) ・・・(2)
ただし、f(x)は、リンク間でのパケット転送遅延時間の差がx以上になる確率である。図15は、遅延時間差分布に対応するテーブルの一例を示す図である。
そして、図14に示す挙動を示す場合、cwndの平均値Wは、次の式(3)で表すことができる。
={W×RTT−(1+0.4)RTT×0.3W/2+RTT/W×1/p×W}/(RTT+RTT/W×1/p) ・・・(3)
式(3)の両辺をRTTで割ることにより整理すると、式(4)が得られる。
=(0.79W+1/p)/{1+1/(Wp)} ・・・(4)
そして、式(4)に、W=127/0.3を代入して整理すると、式(5)が得られる。
=(100.33p+0.3)/(0.3p+0.09/127) ・・・(5)
この式(5)で求めたWを式(1)に代入することにより、第2の伝送レートを算出することができる。
次に、式(5)を用いて第2の伝送レートを具体的に算出してみる。ただし、次のことを前提とする。遅延時間差の主要因がLTEのHARQ再送であるものとする。また、LTEの1回目転送時のエラー発生率を0.1とする。また、LTEのHARQ再送時のゲインを0.5とする。また、再送オーバヘッドを8[msec]とする。また、固定遅延を5[msec]とする。また、WLANの遅延を[2msec]とする。
そうすると、遅延時間差がx[sec]以上になる確率f(x)は、次の式(6)で表すことができる。
f(x)=1(0.000<x<0.003),
0.1(0.003<x<0.011),
0.005(0.011<x<0.017),
0.000125(0.017<x<0.025),
・・・・・,
0.1×0.5n(n−1)/2(0.003+0.008(n−1)<x<0.003+0.008n;n=0〜5) ・・・(6)
f(0.3RTT)は、RTT=15[msec]とすると、f(0.0445)である。そして、式(6)を用いると、f(0.0445)は、0.1(n=1)となる。
ここで、(LTEにパケットを送信する確率)及び(WLANにパケットを送信する確率)は、伝送レートを小さくすることに寄与するので、無視する。そうすると、式(2)から、p=0.1が成立する。
そして、p=0.1を式(5)に代入すると、Wを求めることができる。
=(100.33×0.1+0.3)/(0.3×0.1+0.09/127)
=336.48487
そして、この値を式(1)に代入することで、第2の伝送レートを算出することができる。
第2の伝送レート=269[Mbps]
(Windows(登録商標)に対応する推定関数Aについて)
図16は、Windows(登録商標)の輻輳制御アルゴリズムによる輻輳ウィンドウの挙動の説明に供する図である。
当該輻輳制御アルゴリズム(つまり、TCPレート制御アルゴリズム)では、3パケットの順序逆転が検出されると、パケットの再送が行われる。パケットの再送が発生すると、cwnd値は半分にされる。その後、Ackが受信される度に、cwnd値を、1TCPセグメントずつ上昇させる。
以上のcwnd値の挙動を解析することにより、cwndの平均値(つまり、平均cwnd)を算出することができる。すなわち、平均cwnd=3W/4である。
そして、ロスの発生間隔、つまり、cwnd値がW/2からWに復帰するまでに掛かる時間は、RTT×W(=W/2×(1/2RTT))である。
このため、ロスとロスとの間に送信されるパケット数は、3W/4(=平均cwnd/RTT×(RTT×W))である。
従って、ロスの発生率pは、次の式(7)で表すことができる。
p=1/(3W/4) ・・・(7)
この式(7)を最大ウィンドウサイズWで解くことにより、最大ウィンドウサイズWは、次の式(8)で表すことができる。
W=2/(3p)1/2 ・・・(8)
また、平均レートRは、次の式(9)で表すことができる。
R=平均cwnd/RTT ・・・(9)
従って、Rは、式(9)及び式(8)を用いて、次の式(10)で表すことができる。
R=3W/4/RTT=(3/p)1/2/2RTT ・・・(10)
また、ロス発生率p(つまり、パケット損失率)は、3つ前のパケットに関して順序逆転が発生する確率と捉えることができる。そして、3つのパケットの間隔は、3/R[sec]である。
また、リンク間でのパケット転送遅延時間の差がx以上になる確率を確率f(x)とすると、ロス発生率pは、次の式(11)によっても表すことができる。
p=f(3/R) ・・・(11)
また、確率f(x)は、次の式(12)で表すことができる。
f(x)=0.1×0.5n(n−1)/2(0.003+0.008(n−1)<x<0.003+0.008n;n=0〜5) ・・・(12)
そして、式(10)と式(11)との連立方程式を用いて、Rを求めることができる。
図17は、平均レートの算出方法の説明に供する図である。すなわち、図17に示すように、式(10)の曲線と式(11)の曲線との交点を求めることにより、Rを求めることができる。
そして、第2の伝送レートは、次の式(13)で表すことができる。
第2の伝送レート=R×MSS[bps] ・・・(13)
従って、連立方程式で求めたRを式(13)へ代入することにより、第2の伝送レートを算出することができる。
RTT=15[msec]で、且つ、MSS=1500[byte]の場合、R=272.7273[pps]=3.3[Mbps]となる。
(アルゴリズムが不明の場合の推定関数Cについて)
通常の実装において、送信側装置で重複Ackが3つ受け取られると、パケットの再送とレートの低下が発生する。すなわち、重複Ackを3つ送信する前に順序逆転が解消されれば、TCPレートの低下は発生しない。
例えば、リンク間の遅延差が11[msec](99.5%最大値の場合)の場合には、11[msec]の間に3個のパケットが送信されなければ、或るパケットが3個のパケットに追い越されることはない。
従って、パケット長を1500[byte]として、「11[msec]の間に3個のパケットが送信されない」という条件を満たす伝送レートは、3.3[Mbit/sec](=1500×3/11)以下である、ことを要する。全リンクの実行レートの総和が3.3[Mbit/sec]以下であれば、あらゆる輻輳制御アルゴリズムに対して順序制御は不要となる。
これを一般化すると、第2の伝送レートは、次の式(14)で表すことができる。
第2の伝送レート=MSS×3/x ・・・(14)
ただし、xは、リンク間の最大遅延差[sec]である。
以上のように本実施例によれば、基地局30において処理制御部48は、伝送レート推定部46で推定された第1の伝送レートと伝送レート推定部47で推定された第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、端末70での順序整列処理の実行非実行を制御する。
この基地局30の構成により、推定された第1の伝送レートと推定された第2の伝送レートとの大小関係が所定の条件を満たす場合には、端末70での順序整列処理を非実行とすることができるので、端末70の処理負荷を低減することができる。
例えば、処理制御部48は、推定された第1の伝送レートと推定された第2の伝送レートとの差が所定値未満である場合、又は、推定された第2の伝送レートが推定された第1の伝送レートより大きい場合、上記の順序整列処理が実行されないように制御する。例えば、処理制御部48は、順序整列処理を命令する制御信号を端末70のLAレイヤが受け取ることを条件に端末70のLAレイヤで順序整列処理を実行する場合には、特に処理を行わなくてもよい。又は、処理制御部48は、順序整列処理の非実行を命令する制御信号を生成し、LTE通信部34又はWiFi通信部35を介して端末70へ送信してもよい。
また、処理制御部48は、推定された第2の伝送レートが推定された第1の伝送レートより小さく且つ上記の差が所定値以上である場合、上記の順序整列処理が実行されるように制御する。例えば、処理制御部48は、順序整列処理の実行を命令する制御信号を生成し、LTE通信部34又はWiFi通信部35を介して端末70へ送信する。
また、基地局30において伝送レート推定部47は、第3のパラメータに基づいて、第2の伝送レートを推定する。第3のパラメータは、LAに用いられる各リンクの実効レートと、サーバ10と端末70との間のRTTと、サーバ10のトランスポート層で用いられる輻輳制御アルゴリズムとを含む。さらに、第3のパラメータは、各リンク間の遅延時間差分布と、サーバ10のトランスポート層における最大セグメントサイズとを含む。
この基地局30の構成により、輻輳制御アルゴリズムの種別に応じて、順序整列処理の非実行時の伝送レートを推定することができる。
また、基地局30において特定部45は、サーバ10のOSに関する情報に基づいて、輻輳制御アルゴリズムを特定する。
この基地局30の構成により、容易に輻輳制御アルゴリズムを特定することができる。
また、基地局30において伝送レート推定部46は、LAに用いられる各リンクの実効レートの総和に基づいて、上記の第1の伝送レートを推定する。
この基地局30の構成により、順序整列処理の実行時の伝送レートを容易に推定することができる。
[他の実施例]
[1]実施例1の基地局30の制御部32の機能は、基地局30と別体の装置(制御装置)によって実現されてもよい。
[2]実施例1では、下り回線におけるパケット伝送を例に取り説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、実施例1で説明した技術は、上り回線にも適用可能である。上り回線の場合、順序整列処理は基地局30で行われる。また、上り回線の場合、ウィンドウスケールに関する情報は、Syn Ackから取得(抽出)され、ソースアドレスは、Synから取得される。
[3]実施例1では、基地局30の制御部32が、推定された第1の伝送レートと推定された第2の伝送レートとの大小関係が所定の条件を満たす場合には、端末70での順序整列処理を非実行とする制御を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、制御部32は、推定された第1の伝送レートと推定された第2の伝送レートとの大小関係が所定の条件を満たす場合には、LA自体を非実行とする制御を行ってもよい。
[4]実施例1で図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしてもよい。
実施例1の基地局は、次のようなハードウェア構成により実現することができる。
図18は、基地局のハードウェア構成例を示す図である。図18に示すように、基地局100は、IF(InterFace)101と、プロセッサ102と、メモリ103と、通信回路104とを有する。プロセッサ102の一例としては、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。また、メモリ103の一例としては、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。
そして、実施例1の基地局で行われる各種処理機能は、不揮発性記憶媒体などの各種メモリに格納されたプログラムを管理装置が備えるプロセッサで実行することによって実現してもよい。
すなわち、制御部32によって実行される各処理に対応するプログラムがメモリ103に記録され、各プログラムがプロセッサ102で実行されてもよい。また、バッファ33は、メモリ103によって実現される。また、IF31は、IF101によって実現される。また、LTE通信部34と、WiFi通信部35とは、通信回路104によって実現される。
1 通信システム
10 サーバ
30 基地局
32 制御部
33 バッファ
34 LTE通信部
35 WiFi通信部
41 パラメータ取得部
42 通信制御部
45 特定部
46,47 伝送レート推定部
48 処理制御部
51 除算部
52 加算部
53 選択部
55 算出部
56 出力選択部
70 端末

Claims (6)

  1. 送信側装置と受信側装置との間で確立されたトランスポート層のコネクションにおける伝送パケットを複数のリンクに振り分けて伝送する通信を制御する制御装置であって、
    前記受信側装置において前記トランスポート層より下位層で受信パケットの順序を送信順序に合わせて並べ替える順序整列処理が実行された場合に前記通信で得られる、第1の伝送レートを推定する第1の推定部と、
    前記順序整列処理が実行されない場合に前記通信で得られる、第2の伝送レートを推定する第2の推定部と、
    前記推定された第1の伝送レートと前記推定された第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、前記順序整列処理の実行非実行を制御する処理制御部と、
    を具備することを特徴とする制御装置。
  2. 前記処理制御部は、前記推定された第1の伝送レートと前記推定された第2の伝送レートとの差が所定値未満である場合、又は、前記推定された第2の伝送レートが前記推定された第1の伝送レートより大きい場合、前記順序整列処理が実行されないように制御し、前記推定された第2の伝送レートが前記推定された第1の伝送レートより小さく且つ前記差が前記所定値以上である場合、前記順序整列処理が実行されるように制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記第2の推定部は、各リンクの実効レートと、前記送信側装置と前記受信側装置との間のラウンドトリップタイムと、前記送信側装置のトランスポート層で用いられる輻輳制御アルゴリズムと、各リンク間の遅延時間差分布と、前記送信側装置のトランスポート層における最大セグメントサイズとに関する情報に基づいて、前記第2の伝送レートを推定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記送信側装置のオペレーティングシステムに関する情報に基づいて、前記輻輳制御アルゴリズムを特定する特定部、をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記第1の推定部は、各リンクの実効レートの総和に基づいて、前記第1の伝送レートを推定する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 送信側装置と受信側装置との間で確立されたトランスポート層のコネクションにおける伝送パケットを複数のリンクに振り分けて伝送する通信を制御する制御方法であって、
    前記受信側装置において前記トランスポート層より下位層で受信パケットの順序を送信順序に合わせて並べ替える順序整列処理が実行された場合に前記通信で得られる、第1の伝送レートを推定し、
    前記順序整列処理が実行されない場合に前記通信で得られる、第2の伝送レートを推定し、
    前記推定された第1の伝送レートと前記推定された第2の伝送レートとの大小関係に基づいて、前記順序整列処理の実行非実行を制御する、
    ことを特徴とする制御方法。
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