以下に添付図面を参照して、本発明にかかる手書き金額記入欄のチェック画面出力方法、手書き金額記入欄のチェック画面出力プログラム、および手書き金額記入欄のチェック画面出力装置の実施の形態を詳細に説明する。
(チェック画面出力装置100の一実施例)
図1は、実施の形態にかかるチェック画面出力装置100の一実施例を示す説明図である。チェック画面出力装置100は、チェック画面出力プログラムを実行するコンピュータである。
チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票の金額入力欄の各記入枠のイメージデータと、各記入枠に記入された文字をOCRによって文字認識して得られた文字データとを有する。次に、チェック画面出力装置100は、伝票の金額入力欄に記入された文字列のうち最も高い桁に相当する文字が記入された記入枠のイメージデータを抽出する。また、チェック画面出力装置100は、伝票の金額入力欄に記入された文字列のうち最も高い桁に相当する文字が記入された記入枠に記入された文字と同一文字として認識された他の文字が記入された記入枠のイメージデータを抽出する。以下の説明では、伝票の金額入力欄に記入された文字列のうち最も高い桁に相当する文字が記入された記入枠を「最上位桁の記入枠」と表記する場合がある。
そして、チェック画面出力装置100は、抽出したそれぞれのイメージデータを比較して、最上位桁の記入枠の文字データが、正しく文字認識されたことで得られた文字データであるか、または、誤って文字認識されたことで得られた文字データであるかを判定する。そして、チェック画面出力装置100は、判定結果に基づいて、最上位桁の記入枠の文字データが¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、¥マークは、顧客が改ざん防止のために記入した記号であって、金額の演算処理などに用いられない記号である。このため、チェック画面出力装置100は、¥マークを示す文字データであれば除去する。これにより、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定して、出力対象に決定する。
図1の例では、チェック画面出力装置100は、例えば、顧客が手書きで記入した伝票110の金額入力欄120の各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149を有する。また、チェック画面出力装置100は、各記入枠130〜139に記入された文字をOCRによって文字認識して得られた文字データ150〜157を有する。
図1において、チェック画面出力装置100は、伝票110の金額入力欄120の最上位桁の記入枠137のイメージデータ147を、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149の中から取得する。また、チェック画面出力装置100は、文字データ150〜157に基づいて、最上位桁の記入枠137と同一文字として認識された文字が記入された記入枠136のイメージデータ146を、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149の中から取得する。次に、チェック画面出力装置100は、取得したイメージデータ146,147を比較し、イメージデータ146,147の一致率を算出する。
ここで、最上位桁の記入枠には数字が記入されることも、改ざん防止のために¥マークが記入されることもあるが、最上位桁の記入枠以外には改ざん防止のために¥マークを記入する必要がないため数字が記入されることになる。
したがって、一致率が閾値以上である場合、数字も¥マークも記入されうる最上位桁の記入枠の文字データが、数字が記入される最上位桁の記入枠以外の記入枠の文字データと類似していることになる。換言すれば、閾値以上である場合、最上位桁の記入枠には、数字に類似する文字が記入されていることになり、¥マークよりも数字が記入されている可能性が高いことになる。
一方で、一致率が閾値未満である場合、数字も¥マークも記入されうる最上位桁の記入枠の文字データが、数字が記入される最上位桁の記入枠以外の記入枠の文字データとは類似していないことになる。換言すれば、閾値未満である場合、最上位桁の記入枠には、数字に類似しない文字が記入されていることになり、数字よりも¥マークが記入されている可能性が高いことになる。
このため、チェック画面出力装置100は、一致率に基づいて、最上位桁の記入枠137の文字を数字「1」として認識して得られた最上位桁の記入枠137の文字データ157が、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データであるか否かを判定する。チェック画面出力装置100は、例えば、一致率が閾値以上である場合には、最上位桁の記入枠137の文字データ157が、数字を正しく認識して得られた文字データであると判定する。また、チェック画面出力装置100は、例えば、一致率が閾値未満である場合には、最上位桁の記入枠137の文字データ157が、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データであると判定する。
図1の例では、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値未満であるため、最上位桁の記入枠137の文字データ157が、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データであると判定する。次に、チェック画面出力装置100は、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データ157を除去して、文字データ150〜156を出力対象に決定する。そして、チェック画面出力装置100は、金額入力欄120の各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した金額入力欄120に記入された金額部分の文字データ150〜156とを、窓口業務のオペレータに通知する。
一方で、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値以上であれば、最上位桁の記入枠137の文字データ157が、正しく数字を認識して得られた文字データであると判定する。次に、チェック画面出力装置100は、正しく数字を認識して得られた文字データ157を除去せずに、文字データ150〜157を出力対象に決定する。そして、チェック画面出力装置100は、金額入力欄120の各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した金額入力欄120に記入された金額部分の文字データ150〜157とを、窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理に用いられる金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データ157を含む文字データ150〜157を、誤って金額部分の文字データとして窓口業務のオペレータに通知してしまうことを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
(金融システム200の構成例)
図2は、金融システム200の構成例を示す説明図である。金融システム200は、チェック画面出力装置100と、情報処理装置201とを含む。チェック画面出力装置100と、情報処理装置201とは、ネットワーク210によって接続される。
チェック画面出力装置100は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバなどである。情報処理装置201は、窓口業務のオペレータが使用するコンピュータである。情報処理装置201は、例えば、PC、ノートPCなどである。
ここでは、チェック画面出力装置100が、情報処理装置201と別々の装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、いずれかの情報処理装置201が、チェック画面出力装置100としての機能を有し、自装置および他の情報処理装置201に対する出力制御を行ってもよい。また、各々の情報処理装置201が、チェック画面出力装置100としての機能を有し、自装置に対する出力制御を行ってもよい。
(チェック画面出力装置100のハードウェア構成例)
図3は、チェック画面出力装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、チェック画面出力装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、を有する。
チェック画面出力装置100は、さらに、磁気ディスクドライブ(Hard Disk Drive)304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、を有する。チェック画面出力装置100は、さらに、ディスプレイ308と、インターフェース(I/F:Interface)309と、キーボード310と、マウス311と、スキャナ312と、プリンタ313と、を有する。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU301は、チェック画面出力装置100の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、および本実施の形態にかかるチェック画面出力プログラムなどのプログラムを記憶している。また、ROM302は、図4に後述する候補テーブルと、図5に後述する結果テーブルと、図6に後述する履歴テーブルとを記憶する。
ここで、候補テーブルは、OCRにより各記入枠のイメージデータを文字認識して得られた文字データの候補を記憶するテーブルである。結果テーブルは、OCRにより各記入枠のイメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうちの各記入枠の文字データとして確定した結果を記憶するテーブルである。履歴テーブルは、OCRにより各記入枠のイメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうちの各記入枠の文字データとして確定した結果の履歴を記憶するテーブルである。
RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ308は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ308は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F309は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク210に接続され、このネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F309は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F309には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード310は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス311は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。チェック画面出力装置100は、ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、マウス311の代わりに、トラックボールやジョイスティックなどを有してもよい。
スキャナ312は、画像を光学的に読み取り、チェック画面出力装置100内に画像データを取り込む。なお、スキャナ312は、OCR機能を持たせてもよい。スキャナ312は、例えば、顧客が手書きで記入した伝票を光学的に読み取り、伝票のイメージデータを取得するとともに、OCRにより文字認識して文字データを取得する。また、プリンタ313は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ313には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
また、チェック画面出力装置100は、光ディスクドライブ306、光ディスク307、ディスプレイ308、キーボード310、マウス311、スキャナ312、およびプリンタ313の少なくともいずれか1つを有していなくてもよい。
ここでは、チェック画面出力装置100が、スキャナ312により、顧客が手書きで記入した伝票の金額入力欄の各記入枠のイメージデータと、各記入枠に記入された文字を文字認識した文字データとを、取得する場合について説明したが、これに限らない。例えば、チェック画面出力装置100は、情報処理装置201が有するスキャナ312により情報処理装置201が取得した顧客が手書きで記入した伝票の金額入力欄の各記入枠のイメージデータを、情報処理装置201から受信してもよい。また、チェック画面出力装置100は、情報処理装置201が有するスキャナ312により情報処理装置201が取得した各記入枠に記入された文字を文字認識した文字データを、情報処理装置201から受信してもよい。
また、チェック画面出力装置100は、チェック画面出力装置100と、情報処理装置201と、とは異なる電子機器が取得した顧客が手書きで記入した伝票の金額入力欄の各記入枠のイメージデータを、当該電子機器から受信してもよい。また、チェック画面出力装置100は、チェック画面出力装置100と、情報処理装置201と、とは異なる電子機器が取得した各記入枠に記入された文字を文字認識した文字データを、当該電子機器から受信してもよい。
(情報処理装置201のハードウェア構成例)
情報処理装置201のハードウェア構成例は、図3に示したチェック画面出力装置100のハードウェア構成例と同様のため、説明を省略する。情報処理装置201は、光ディスクドライブ306、光ディスク307、ディスプレイ308、キーボード310、マウス311、スキャナ312、およびプリンタ313の少なくともいずれか1つを有していなくてもよい。
(候補テーブル400の記憶内容)
次に、図4を用いて、候補テーブル400の記憶内容の一例について説明する。候補テーブル400は、例えば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶領域によって実現される。
図4は、候補テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4に示すように、候補テーブル400は、イメージデータ項目に対応付けて、第一位〜第五位の候補項目および尤度項目と、認識結果項目とを有し、イメージデータごとに各フィールドに情報が設定されることにより、レコードを記憶する。
イメージデータ項目には、イメージデータが記憶される。また、イメージデータ項目には、イメージデータの代わりに、イメージデータの識別子が記憶されてもよい。また、イメージデータ項目には、イメージデータの代わりに、イメージデータが記憶された記憶領域を示すアドレスが記憶されてもよい。
第一位の候補項目には、イメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうち、尤度が第一位である候補が記憶される。第一位の尤度項目には、第一位の候補項目が示す候補の尤度が記憶される。第二位の候補項目には、イメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうち、尤度が第二位である候補が記憶される。第二位の尤度項目には、第二位の候補項目が示す候補の尤度が記憶される。
第三位の候補項目には、イメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうち、尤度が第三位である候補が記憶される。第三位の尤度項目には、第三位の候補項目が示す候補の尤度が記憶される。第四位の候補項目には、イメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうち、尤度が第四位である候補が記憶される。第四位の尤度項目には、第四位の候補項目が示す候補の尤度が記憶される。
第五位の候補項目には、イメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうち、尤度が第五位である候補が記憶される。第五位の尤度項目には、第五位の候補項目が示す候補の尤度が記憶される。認識結果項目には、イメージデータを文字認識して得られた文字データの候補のうち、イメージデータの認識結果として確定した候補が記憶される。例えば、レコード401は、イメージデータ「¥」と、第一位〜第五位の候補および尤度「¥、87」、「Y、65」、「1、52」、「7、30」、および「9、15」と、認識結果「¥」と、を含む候補情報を示す。
(結果テーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて、結果テーブル500の記憶内容の一例について説明する。結果テーブル500は、例えば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶領域によって実現される。
図5は、結果テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、結果テーブル500は、種類項目に対応付けて、内容項目を有し、伝票の入力欄の種類ごとに各項目に情報が設定されることにより、レコードを記憶する。
種類項目には、伝票の入力欄および伝票の入力欄から得られたデータの種類が記憶される。内容項目には、種類項目が示す伝票の入力欄から得られたデータの内容が記憶される。例えば、レコード501は、入力欄の種類「金額入力欄」と、データの種類「イメージデータ」と、データの内容「 ¥1543800」と、を含む結果情報を示す。
(履歴テーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて、履歴テーブル600の記憶内容の一例について説明する。履歴テーブル600は、例えば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶領域によって実現される。
図6は、履歴テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、履歴テーブル600は、ID項目に対応付けて、¥、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9項目を有し、記入者ごとに各項目に情報が設定されることにより、レコードを記憶する。
ID項目には、伝票に記入した記入者の識別子が記憶される。記入者の識別子は、例えば、記入者に割り振られた固有の番号でもよいし、記入者の氏名であってもよい。¥、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9項目のそれぞれには、ID項目が示す記入者が記入した¥、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9のそれぞれを示すイメージデータが記憶される。
¥、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9項目のそれぞれには、イメージデータの代わりに、イメージデータの識別子が記憶されてもよい。また、¥、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9項目のそれぞれには、イメージデータの代わりに、イメージデータが記憶された記憶領域を示すアドレスが記憶されてもよい。例えば、レコード601は、ID「依頼 人太郎」と、¥、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9のそれぞれを示すイメージデータと、を含む履歴情報を示す。
(チェック画面出力装置100の機能的構成例)
次に、図7を用いて、チェック画面出力装置100の機能的構成例について説明する。
図7は、チェック画面出力装置100の機能的構成例を示すブロック図である。チェック画面出力装置100は、制御部となる機能として、取得部701と、文字認識部702と、出力制御部703と、を含む。
取得部701は、顧客が手書きで記入した伝票の各入力欄の各記入枠のイメージデータを取得する。ここで、伝票とは、例えば、為替の振込処理などの金融機関に業務を行わせるための書類である。伝票とは、例えば、図1に示した伝票110である。また、伝票とは、例えば、図8に後述する伝票800、および図9に後述する伝票900である。
入力欄とは、手書きで文字が記入される伝票内の領域である。入力欄とは、例えば、金額入力欄120、振込指定日入力欄、または口座番号入力欄である。記入枠とは、手書きで1文字分の文字が記入される入力欄内の領域である。記入枠とは、例えば、記入枠130〜139である。また、記入枠とは、例えば、図8に後述する記入枠810〜819、820〜825、830〜836、および図9に後述する記入枠910〜919、920〜925、930〜936などである。
イメージデータとは、伝票を光学的に読み取って得られたデータである。イメージデータとは、例えば、図1に示したイメージデータ140〜149である。また、イメージデータとは、例えば、図10に後述するイメージデータ1000〜1009、図11に後述するイメージデータ1100〜1109、図12に後述するイメージデータ1200〜1209などである。
取得部701は、例えば、スキャナ312によって伝票からイメージデータを取得する。また、取得部701は、例えば、情報処理装置201からイメージデータを受信してもよい。これにより、文字認識部702は、取得部701によって取得された伝票の各記入枠の文字を文字認識することができる。取得されたイメージデータは、例えば、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶領域に記憶される。取得部701は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F309により、その機能を実現する。
文字認識部702は、複数の記入枠を含む金額入力欄に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込み、該イメージを文字認識することで得られた各記入枠の文字データを取得する。ここで、文字データとは、ひらがな、カタカナ、¥マークなどの記号、0〜9の数字、または文字認識に失敗したことを示す記号を示すデータである。文字データとは、例えば、図1に示した文字データ150〜157である。また、文字データとは、例えば、図10に後述する文字データ1010〜1017、図11に後述する文字データ1110〜1117、図12に後述する文字データ1210〜1217などである。また、文字認識部702は、金額入力欄の各記入枠の文字データの文字認識の尤度を算出する。尤度とは、例えば、記入枠のイメージデータを文字認識することで得られた文字データが示す文字が、実際に記入枠に記入された文字と一致している確率である。
文字認識部702は、例えば、伝票をOCRにより文字認識し、各記入枠の文字のイメージから各記入枠の文字データの候補および尤度を算出して、各記入枠の文字のイメージに対応付けて図4に示した候補テーブル400に記憶する。次に、文字認識部702は、図4に示した候補テーブル400から、各記入枠の文字データを確定する。そして、文字認識部702は、確定した、¥マークを示す文字データ「¥」、数字を示す文字データ「0」〜「9」、または文字認識に失敗したことを示す文字データ「?」などを取得して、図5に示した結果テーブル500に記憶する。また、文字認識部702は、確定した、¥マークを示す文字データ「¥」、数字を示す文字データ「0」〜「9」、または文字認識に失敗したことを示す文字データ「?」などを、伝票の記入者の識別子に対応付けて、図6に示した履歴テーブル600に記憶する。
これにより、文字認識部702は、伝票の各記入枠の文字データおよび尤度を取得することができる。文字認識の結果は、例えば、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶領域に記憶される。文字認識部702は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、その機能を実現する。
出力制御部703は、文字認識部702による文字認識の結果に基づいて、第一の制御動作〜第五の制御動作のいずれかの制御動作を実行し、出力対象の文字データの表示要求を情報処理装置201に送信する。これにより、出力制御部703は、金額部分の文字データを特定して、出力対象に決定することができる。ここで、表示要求は、例えば、情報処理装置201が有するディスプレイ308への文字データの表示、情報処理装置201が有するプリンタ313への文字データの印刷出力などの要求である。出力制御部703は、例えば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F309により、その機能を実現する。
〈第一の制御動作〉
ここで、出力制御部703が実行する第一の制御動作について説明する。第一の制御動作は、図10に後述する動作に対応する。
出力制御部703は、例えば、各記入枠130〜139のうち最上位桁の記入枠137の文字データ157が、¥マークを示す文字データ「¥」であるか否かを判定する。次に、出力制御部703は、文字データ「¥」である場合、各記入枠130〜139の文字データ150〜157から記入枠137の文字データ157を除去し、文字データ150〜156を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜156との表示要求を情報処理装置201に送信する。
〈第二の制御動作〉
次に、出力制御部703が実行する第二の制御動作について説明する。第二の制御動作は、図11および図12に後述する動作に対応する。
出力制御部703は、文字列のうち最上位桁の記入枠に記入された文字に対応する第一の文字データと、該第一の文字データと同一の文字として認識された第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較する。そして、出力制御部703は、第一の文字データのイメージと、第二の文字データのイメージとの一致率に基づいて、第一の文字データを、文字列のチェック用の画面に出力するか否かを制御する。
ここで、第一の文字データは、最上位桁の記入枠の文字データである。第二の文字データは、例えば、金額入力欄の各記入枠の文字データのうち該第一の文字データ以外で該第一の文字データと同一の文字として認識されたものである。また、第二の文字データは、例えば、金額入力欄とは異なる入力欄の記入枠に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込んで文字認識することで得られた、該第一の文字データと同一の文字として認識されたものであってもよい。第二の文字データは、具体的には、図5に示した結果テーブル500に記憶された文字データのいずれかである。
また、第二の文字データは、例えば、記憶部に記憶された、金額入力欄に記入した記入者の情報に対応付けられた該第一の文字データと同一の文字として認識されたものであってもよい。記憶部は、記入者の情報に対応付けて該記入者が記入した文字を読み込んだイメージと該イメージを文字認識することで得られた文字データとを記憶するものである。記憶部は、例えば、図6に示した履歴テーブル600である。第二の文字データは、具体的には、図6に示した履歴テーブル600に記憶された文字データのいずれかである。
出力制御部703は、例えば、第一の文字データが数字を示す文字データである場合には、第一の文字データのイメージと第二の文字データのイメージとの一致率が閾値以上であれば第一の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御する。また、出力制御部703は、例えば、第一の文字データが数字を示す文字データである場合には、第一の文字データのイメージと第二の文字データのイメージとの一致率が閾値未満であれば第一の文字データを文字列のチェック用の画面に出力しないように制御する。
出力制御部703は、具体的には、各記入枠130〜139のうち最上位桁の記入枠137の文字データ157が、数字を示す文字データ「0」〜「9」であるか否かを判定する。次に、出力制御部703は、数字を示す文字データ「0」〜「9」である場合、最上位桁の記入枠137のイメージデータ147を、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149の中から取得する。
また、出力制御部703は、文字データ150〜157に基づいて、最上位桁の記入枠137と同一文字を示すと認識された記入枠136のイメージデータ146を、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149の中から取得する。そして、出力制御部703は、取得したイメージデータ146,147を比較し、イメージデータ146,147の一致率を算出する。一致率は、例えば、文字の特徴値に基づいて算出される。
ここで、出力制御部703は、算出した一致率が閾値以上であれば、最上位桁の記入枠137に記入された文字をOCRによって文字認識して得られた文字データ157が、数字を示す文字データ「0」〜「9」であると判定する。このため、出力制御部703は、文字データ157を除去せずに、文字データ150〜157を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜157との表示要求を、情報処理装置201に送信する。
一方で、出力制御部703は、算出した一致率が閾値未満であれば、最上位桁の記入枠137に記入された文字をOCRによって文字認識して得られた文字データ157が、数字を示す文字データ「0」〜「9」ではないと判定する。このため、出力制御部703は、文字データ157を除去して、文字データ150〜156を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜156との表示要求を、情報処理装置201に送信する。
〈第三の制御動作〉
次に、出力制御部703が実行する第三の制御動作について説明する。第三の制御動作は、図13および図14に後述する動作に対応する。
出力制御部703は、金額入力欄の各記入枠の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、出力制御部703が、第一の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、金額入力欄の各記入枠の文字データのうち第一の文字データ以外の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データではないと判定する場合がある。この場合には、出力制御部703は、第一の文字データを文字列のチェック用の画面に出力しないように制御する。
一方で、出力制御部703が、第一の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、第一の文字データ以外の文字データの少なくともいずれかが文字認識に失敗したことを示す文字データであると判定する場合がある。この場合には、出力制御部703は、第一の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御する。
出力制御部703は、例えば、最上位桁の記入枠137の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データ「?」であって、記入枠130〜136の文字データが数字を示す文字データ「0」〜「9」であると判定する。この場合、出力制御部703は、文字データ157が数字を示す文字データ「0」〜「9」ではないと判定する。このため、出力制御部703は、文字データ157を除去して、文字データ150〜156を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜156との表示要求を、情報処理装置201に送信する。
また、出力制御部703は、例えば、最上位桁の記入枠137の文字データとともに、記入枠130〜136のいずれかの記入枠の文字データが、文字認識に失敗したことを示す文字データ「?」であると判定する。この場合、出力制御部703は、文字データ157が数字を示す文字データ「0」〜「9」でありうると判定する。このため、出力制御部703は、文字データ157を除去せず、文字データ150〜157を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜157との表示要求を、情報処理装置201に送信する。
〈第四の制御動作〉
次に、出力制御部703が実行する第四の制御動作について説明する。第四の制御動作は、図15および図16に後述する動作に対応する。
出力制御部703は、金額入力欄の各記入枠の文字データのうち第一の文字データ以外の文字データが0を示す文字データである場合には、第一の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御する。
出力制御部703は、例えば、最上位桁の記入枠137の文字データ以外の記入枠130〜136の文字データが、0を示す文字データ「0」である場合、文字データ157が数字を示す文字データ「0」〜「9」であると判定する。このため、出力制御部703は、文字データ157を除去せず、文字データ150〜157を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜157との表示要求を、情報処理装置201に送信する。
〈第五の制御動作〉
次に、出力制御部703が実行する第五の制御動作について説明する。第五の制御動作は、図17に後述する動作に対応する。
出力制御部703は、金額入力欄の各記入枠の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであるか否かを判定する。また、出力制御部703は、金額入力欄の各記入枠の文字データのうち第一の文字データ以外の文字データに、尤度が閾値以下の文字データがあるか否かを判定する。ここで、出力制御部703は、第一の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、第一の文字データ以外の文字データに尤度が閾値以下の文字データがある場合には、第一の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御する。
出力制御部703は、例えば、記入枠130〜137のいずれかの記入枠の文字データの尤度が閾値以下である場合、文字データ150〜157が文字認識を誤りうる文字データであると判定する。このため、出力制御部703は、文字データ157を除去せず、文字データ150〜157を出力対象に決定する。そして、出力制御部703は、各記入枠130〜139のイメージデータ140〜149と、出力対象に決定した文字データ150〜157との表示要求を、情報処理装置201に送信する。
(伝票の記入内容)
次に、図8および図9を用いて、伝票の記入内容の一例について説明する。
図8および図9は、伝票の記入内容の一例を示す説明図である。図8において、伝票800には、伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、右詰めで、金額「¥1543800」が記入されている。また、伝票800には、伝票800の振込指定日入力欄の各記入枠820〜825を用いて、振込指定日「21年01月19日」が記入されている。また、伝票800には、伝票800の口座番号入力欄の各記入枠830〜836を用いて、口座番号「1234567」が記入されている。また、伝票800には、振込先の金融機関「XYZ」、振込先の金融機関の種類「銀行」、振込先の金融機関の支店「東京」、預金の種目「普通」などが記入されている。また、伝票800には、金額「¥1543800」を受け取る受取人「株式会社 小林ABC工業企画」、金額「¥1543800」を振り込んだ依頼人「依頼 人太郎」と住所「東京都○○区○○町」などが記入されている。
図9において、伝票900の金額入力欄の各記入枠910〜919には、右詰めで、金額「1543800」が記入されている。また、伝票900の振込指定日入力欄の各記入枠920〜925には、振込指定日「21年01月19日」が記入されている。また、伝票900の口座番号入力欄の各記入枠930〜936には、口座番号「1234567」が記入されている。また、伝票900には、振込先の金融機関「XYZ」、振込先の金融機関の種類「銀行」、振込先の金融機関の支店「東京」、預金の種目「普通」などが記入されている。また、伝票900には、金額「1543800」を受け取る受取人「株式会社 小林ABC工業企画」、金額「1543800」を振り込んだ依頼人「依頼 人太郎」と住所「東京都○○区○○町」などが記入されている。このように、金額入力欄には、顧客によって改ざん防止のために¥マークが記入されたり、記入されなかったりする。
(出力制御の一例)
次に、図10〜図17を用いて、第一の制御動作〜第五の制御動作のいずれかの制御動作による出力制御の一例について説明する。図10〜図17において、¥マークを示す文字データは「¥」によって表記され、数字を示す文字データは「0」〜「9」によって表記され、文字認識に失敗したことを示す文字データは「?」によって表記される。
〈第一の制御動作の一例〉
まず、図10を用いて、第一の制御動作の一例について説明する。図10は、第一の制御動作の一例を示す説明図である。
図10では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「¥1543800」が記入されている場合を例に挙げて、第一の制御動作について説明する。
図10において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1000〜1009を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1000〜1009を、OCRにより文字認識して、文字データ1010〜1017を取得する。そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠817の文字データ1017が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、¥マークは、顧客が改ざん防止のために記入した記号であって、金額の演算処理などに用いられない記号である。このため、チェック画面出力装置100は、文字データ1017が¥マークを示す文字データであれば、除去する。
図10の例では、チェック画面出力装置100は、文字データ1017が¥マークを示す文字データであるため、文字データ1017を除去して、文字データ1010〜1016を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1000〜1009と、出力対象に決定した金額部分の文字データ1010〜1016との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1000〜1009と、金額部分の文字データ1010〜1016とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられない¥マークを示す文字データを除去して、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、窓口業務のオペレータは、金額の演算処理などに用いられない¥マークを示す文字データを除去する作業を行わなくてもよいため、オペレータの作業量が低減される。
〈第二の制御動作の一例〉
次に、図11および図12を用いて、第二の制御動作について説明する。図11および図12は、第二の制御動作の一例を示す説明図である。
図11では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「11543800」が記入されている場合を例に挙げて、第二の制御動作について説明する。
図11において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1100〜1109を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1100〜1109を、OCRにより文字認識して、文字データ1110〜1117を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠817の文字データ1117が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、¥マークを示す文字データではなく、数字を示す文字データであるため、記入枠817のイメージデータ1107を、イメージデータ1100〜1109の中から取得する。また、チェック画面出力装置100は、文字データ1110〜1117に基づいて、最上位桁の記入枠817と同一文字を示すと認識された記入枠816のイメージデータ1106を、イメージデータ1100〜1109の中から取得する。次に、チェック画面出力装置100は、取得したイメージデータ1106,1107を比較し、イメージデータ1106,1107の一致率を算出する。そして、チェック画面出力装置100は、算出した一致率が閾値以上か否かを判定する。
ここで、一致率が閾値以上である場合、数字も¥マークも記入されうる最上位桁の記入枠の文字データが、数字が記入される最上位桁の記入枠以外の記入枠の文字データと類似していることになる。換言すれば、閾値以上である場合、最上位桁の記入枠には、¥マークよりも数字が記入されている可能性が高いことになる。このため、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値以上である場合、最上位桁の記入枠の文字データが、数字を正しく認識して得られた文字データであると判定する。
図11の例では、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値以上であるため、記入枠817の文字データ1117が、数字を正しく認識して得られた文字データであると判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字データ1117が¥マークではなく数字を示す文字データであると判定したため、文字データ1117を除去せずに、文字データ1110〜1107を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1100〜1109と、出力対象に決定した金額部分の文字データ1110〜1117との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1100〜1109と、金額部分の文字データ1110〜1117とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、一致率に基づいて、最上位桁の記入枠の文字データが、数字を正しく認識して得られた文字データかを判定することができる。そして、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられる数字を示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去しないようにすることができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
一方で、図12では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「¥1543800」が記入されている場合を例に挙げて、第二の制御動作について説明する。
図12において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1200〜1209を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1200〜1209を、OCRにより文字認識して、文字データ1210〜1217を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠817の文字データ1217が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、¥マークを示す文字データではなく、数字を示す文字データであるため、記入枠817のイメージデータ1207を、イメージデータ1200〜1209の中から取得する。また、チェック画面出力装置100は、文字データ1210〜1217に基づいて、最上位桁の記入枠817と同一文字を示すと認識された記入枠816のイメージデータ1206を、イメージデータ1200〜1209の中から取得する。
次に、チェック画面出力装置100は、取得したイメージデータ1206,1207を比較し、イメージデータ1206,1207の一致率を算出する。そして、チェック画面出力装置100は、算出した一致率が閾値以上か否かを判定する。
ここで、一致率が閾値未満である場合、数字も¥マークも記入されうる最上位桁の記入枠の文字データが、数字が記入される最上位桁の記入枠以外の記入枠の文字データとは類似していないことになる。換言すれば、閾値未満である場合、最上位桁の記入枠には、数字よりも¥マークが記入されている可能性が高いことになる。このため、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値未満である場合、最上位桁の記入枠の文字データが、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データであると判定する。
図12の例では、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値未満であるため、記入枠817の文字データ1217が、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データであると判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データであると判定したため、文字データ1217を除去して、文字データ1210〜1216を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1200〜1209と、出力対象に決定した金額部分の文字データ1210〜1216との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1200〜1209と、金額部分の文字データ1210〜1216とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、一致率に基づいて、最上位桁の記入枠の文字データが、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データかを判定することができる。そして、チェック画面出力装置100は、金額の演算などに用いられない¥マークを示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去することができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
ここでは、チェック画面出力装置100が、最上位桁の記入枠817の文字データ1117が数字を示す文字データであるときに、記入枠817のイメージデータ1107と、記入枠816のイメージデータ1106とを比較する場合について説明したが、これに限らない。例えば、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠817の文字データ1117が¥マークを示す文字データであるときは、記入枠817のイメージデータ1107と、¥マークと認識された他の記入枠のイメージデータとを比較してもよい。この場合、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値以上である場合に、最上位桁の記入枠の文字データが、¥マークを正しく認識して得られた文字データであると判定する。また、チェック画面出力装置100は、一致率が閾値未満である場合に、最上位桁の記入枠の文字データが、数字を誤って¥マークとして認識して得られた文字データであると判定する。
〈第三の制御動作の一例〉
次に、図13および図14を用いて、第三の制御動作について説明する。図13および図14は、第三の制御動作の一例を示す説明図である。
図13では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「¥1543800」が記入されている場合を例に挙げて、第三の制御動作について説明する。
図13において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1300〜1309を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1300〜1309を、OCRにより文字認識して、文字データ1310〜1317を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠817の文字データ1317が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字認識に失敗したことを示す文字データであるため、他の文字データ1310〜1316の中に文字認識に失敗したことを示す文字データがあるか否かを判定する。
ここで、最上位桁の記入枠の文字データだけが文字認識に失敗した場合、数字も¥マークも記入されうる最上位桁の記入枠の文字データだけが文字認識に失敗し、数字が記入される最上位桁の記入枠以外の記入枠の文字データは文字認識に成功したことになる。換言すれば、最上位桁の記入枠の文字データだけが文字認識に失敗した場合、数字ではなく¥マークが記入されたために、最上位桁の記入枠だけが文字認識に失敗した可能性が高いことになる。このため、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字データだけが文字認識に失敗した場合、最上位桁の記入枠の文字データが、¥マークの認識に失敗して得られた文字データであると判定する。
図13の例では、チェック画面出力装置100は、他の文字データ1310〜1316の中に文字認識に失敗したことを示す文字データがないため、文字データ1317が¥マークの認識に失敗して得られた文字データであると判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字データ1317が¥マークの認識に失敗して得られた文字データであると判定したため、文字データ1317を除去して、文字データ1310〜1316を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1300〜1309と、出力対象に決定した金額部分の文字データ1310〜1316との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1300〜1309と、金額部分の文字データ1310〜1316とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられない¥マークを示す文字データを除去して、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
一方で、図14では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「11543800」が記入されている場合を例に挙げて、第三の制御動作について説明する。
図14において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1400〜1409を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1400〜1409を、OCRにより文字認識して、文字データ1410〜1417を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠817の文字データ1417が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字認識に失敗したことを示す文字データであるため、他の文字データ1410〜1416の中に文字認識に失敗したことを示す文字データがあるか否かを判定する。
ここで、最上位桁の記入枠の文字データも最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データも文字認識に失敗した場合、数字も¥マークも記入されうる最上位桁の記入枠の文字データも、数字が記入される他の記入枠の文字データも文字認識に失敗したことになる。換言すれば、最上位桁の記入枠の文字データも最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データも文字認識に失敗した場合、記入者の手書きの癖などが原因で、記入された文字の種類に関わらず文字認識に失敗した可能性が高いことになる。このため、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字データも最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データも文字認識に失敗した場合、最上位桁の記入枠の文字データが数字を示す文字データでありうると判定する。
図14の例では、チェック画面出力装置100は、文字データ1416が文字認識に失敗したことを示す文字データであるため、文字データ1417が数字を示す文字データでありうると判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、数字を示す文字データでありうると判定したため、文字データ1417を除去せずに、文字データ1410〜1417を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1400〜1409と、出力対象に決定した金額部分になりうる文字データ1410〜1417との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1400〜1409と、金額部分になりうる文字データ1410〜1417とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを特定することができない場合は、金額部分になりうる文字データの全ての文字データを窓口業務のオペレータに通知することができる。そして、窓口業務のオペレータは、金額部分になりうる文字データを確認して修正することができる。このため、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを確定させず、為替の振込処理などの金融機関の業務の信頼性が低下しないようにすることができる。
〈第四の制御動作の一例〉
次に、図15および図16を用いて、第四の制御動作について説明する。図15および図16は、第四の制御動作の一例を示す説明図である。
図15では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「1000000」が記入されている場合を例に挙げて、第四の制御動作について説明する。
図15において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1500〜1509を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1500〜1509を、OCRにより文字認識して、文字データ1510〜1516を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠816の文字データ1516が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、¥マークを示す文字データではなく、数字を示す文字データであると判定する。次に、チェック画面出力装置100は、他の文字データ1510〜1515の全ての文字データが0を示す文字データであるか否かを判定する。
ここで、金額入力欄は金額が記入される入力欄であるため、金額入力欄には「1」以上の数値が記入されることになる。最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データの全ての文字データが0を示す文字データである場合、最上位桁の記入枠の文字が数字でなければ「1」以上にならない。このため、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データの全ての文字データが0を示す文字データである場合、最上位桁の記入枠の文字データが数字を示す文字データであると判定する。
図15の例では、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠以外の他の文字データ1510〜1515の全ての文字データが0を示す文字データであるため、文字データ1516が数字を示す文字データであると判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字データ1516が数字を示す文字データであると判定したため、文字データ1516を除去せずに、文字データ1510〜1516を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1500〜1509と、出力対象に決定した金額部分の文字データ1510〜1516との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1500〜1509と、金額部分の文字データ1510〜1516とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられる数字を示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去しないようにすることができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。
一方で、図16では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「1000000」が記入されている場合を例に挙げて、第四の制御動作について説明する。
図16において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1600〜1609を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1600〜1609を、OCRにより文字認識して、文字データ1610〜1616を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠816の文字データ1616が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、¥マークを示す文字データではなく、文字認識に失敗したことを示す文字データであると判定する。
次に、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠以外の他の文字データ1610〜1615の全ての文字データが0を示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、全ての文字データ1610〜1615が0を示す文字データであるため、文字データ1616を除去せずに、文字データ1610〜1616を出力対象に決定する。
次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1600〜1609と、出力対象に決定した金額部分の文字データ1610〜1616との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1600〜1609と、金額部分の文字データ1610〜1616とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられる数字を示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去しないようにすることができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。
〈第五の制御動作の一例〉
次に、図17を用いて、第五の制御動作について説明する。図17は、第五の制御動作の一例を示す説明図である。
図17では、図8に示した伝票800の金額入力欄の各記入枠810〜819を用いて、伝票800に金額「¥1543800」が記入されている場合を例に挙げて、第五の制御動作について説明する。
図17において、チェック画面出力装置100は、顧客が手書きで記入した伝票800から金額入力欄の各記入枠810〜819のイメージデータ1700〜1709を取得する。次に、チェック画面出力装置100は、各記入枠810〜819のイメージデータ1700〜1709を、OCRにより文字認識して、文字データ1710〜1717を取得する。
そして、チェック画面出力装置100は、伝票800の金額入力欄の最上位桁の記入枠817の文字データ1717が、¥マークを示す文字データであるか否かを判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字認識に失敗したことを示す文字データであるため、他の文字データ1710〜1716の中に文字認識の尤度が閾値未満の文字データがあるか否かを判定する。閾値は、例えば、80%である。
ここで、最上位桁の記入枠の文字データが文字認識に失敗し、最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データの尤度が閾値未満である場合、記入者の手書きの癖などが原因で、記入された文字の種類に関わらず文字認識に失敗した可能性が高いことになる。このため、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字データが文字認識に失敗し、最上位桁の記入枠以外の他の記入枠の文字データの尤度が閾値未満である場合、最上位桁の記入枠の文字データが数字を示す文字データでありうると判定する。
図17の例では、チェック画面出力装置100は、文字認識の尤度が閾値未満の文字データがあるため、文字データ1717が数字を示す文字データでありうると判定する。ここで、チェック画面出力装置100は、文字データ1717が数字を示す文字データでありうると判定したため、文字データ1717を除去せず、文字データ1710〜1717を出力対象に決定する。次に、チェック画面出力装置100は、イメージデータ1700〜1709と、出力対象に決定した金額部分になりうる文字データ1710〜1717との表示要求を、情報処理装置201に送信する。そして、情報処理装置201は、イメージデータ1700〜1709と、金額部分になりうる文字データ1710〜1717とを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知する。
これにより、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを特定することができない場合は、金額部分になりうる文字データの全ての文字データを窓口業務のオペレータに通知することができる。そして、窓口業務のオペレータは、金額部分になりうる文字データを確認して修正することができる。このため、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを確定させず、為替の振込処理などの金融機関の業務の信頼性が低下しないようにすることができる。
(出力制御処理手順の一例)
次に、図18を用いて、出力制御処理手順の一例について説明する。
図18は、出力制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図18において、チェック画面出力装置100は、伝票のイメージデータを取得する(ステップS1801)。次に、チェック画面出力装置100は、OCRによる文字認識を行って、伝票のイメージデータから文字データを取得する(ステップS1802)。
そして、チェック画面出力装置100は、図19に後述する判定処理を実行して、金額入力欄の各記入枠の文字データのうちの表示対象の文字データを特定する(ステップS1803)。次に、チェック画面出力装置100は、出力対象の文字データの表示要求を情報処理装置201に送信する(ステップS1804)。そして、チェック画面出力装置100は、出力制御処理を終了する。
これにより、情報処理装置201は、イメージデータと、金額部分の文字データとを表示して、情報処理装置201の利用者である窓口業務のオペレータに通知することができる。このため、窓口業務のオペレータは、イメージデータと、金額部分の文字データとを比較して、認識結果が誤っているか否かを判定して、認識結果が誤っている場合に認識結果を修正することができる。
(判定処理手順の一例)
次に、図19および図20を用いて、図18のステップS1803に示した判定処理手順の一例について説明する。
図19および図20は、判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図19において、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字の認識に成功したか否かを判定する(ステップS1901)。ここで、成功した場合(ステップS1901:Yes)、チェック画面出力装置100は、図20のステップS2001の処理に移行する。
一方で、成功していない場合(ステップS1901:No)、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字以外の文字の認識に成功したか否かを判定する(ステップS1902)。ここで、成功していない場合(ステップS1902:No)、チェック画面出力装置100は、判定処理を終了する。
一方で、成功した場合(ステップS1902:Yes)、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字以外の文字の文字データの尤度が閾値未満か否かを判定する(ステップS1903)。ここで、閾値未満である場合(ステップS1903:Yes)、チェック画面出力装置100は、判定処理を終了する。
一方で、閾値以上である場合(ステップS1903:No)、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字以外の全文字の文字データが0を示す文字データであるか否かを判定する(ステップS1904)。ここで、全文字の文字データが0を示す文字データである場合(ステップS1904:Yes)、チェック画面出力装置100は、判定処理を終了する。
一方で、いずれかの文字の文字データが0を示す文字データではない場合(ステップS1904:No)、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字の文字データを除去して(ステップS1905)、判定処理を終了する。
図20において、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字の文字データが¥マークを示す文字データであるか否かを判定する(ステップS2001)。ここで、¥マークを示す文字データである場合(ステップS2001:Yes)、チェック画面出力装置100は、ステップS2006の処理に移行する。
一方で、¥マークを示す文字データではない場合(ステップS2001:No)、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字以外の全文字の文字データが0を示す文字データであるか否かを判定する(ステップS2002)。ここで、全文字の文字データが0を示す文字データである場合(ステップS2002:Yes)、チェック画面出力装置100は、判定処理を終了する。
一方で、いずれかの文字の文字データが0を示す文字データではない場合(ステップS2002:No)、チェック画面出力装置100は、伝票の金額入力欄、または伝票の他の入力欄に、最上位桁の記入枠の文字と同一文字として認識された文字があるか否かを判定する(ステップS2003)。ここで、同一文字として認識された文字がある場合(ステップS2003:Yes)、チェック画面出力装置100は、ステップS2005の処理に移行する。
一方で、同一文字として認識された文字がない場合(ステップS2003:No)、チェック画面出力装置100は、履歴テーブル600に、最上位桁の記入枠の文字と同一文字として認識された文字があるか否かを判定する(ステップS2004)。ここで、同一文字として認識された文字がない場合(ステップS2004:No)、チェック画面出力装置100は、判定処理を終了する。一方で、同一文字として認識された文字がある場合(ステップS2004:Yes)、チェック画面出力装置100は、ステップS2005の処理に移行する。
ステップS2005において、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠のイメージデータと、同一文字として認識された記入枠のイメージデータとの一致率を算出して、一致率が閾値以上か否かを判定する(ステップS2005)。ここで、一致率が閾値以上である場合(ステップS2005:Yes)、チェック画面出力装置100は、判定処理を終了する。一方で、一致率が閾値未満である場合(ステップS2005:No)、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字の文字データを除去して(ステップS2006)、判定処理を終了する。
ここで、第一の制御動作は、ステップS2001,S2006の処理により実現される。また、第二の制御動作は、ステップS2003〜S2006の処理により実現される。また、第三の制御動作は、ステップS1901,S1902,S1905の処理により実現される。また、第四の制御動作は、ステップS1904,S1905,S2002,S2006の処理により実現される。また、第五の制御動作は、ステップS1903,S1905の処理により実現される。
これにより、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字が¥マークである場合に最上位桁の記入枠の文字の文字データを除去して、金額部分の文字データを取得することができる。また、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字が正しく数字として認識された場合には、最上位桁の記入枠の文字の文字データを除去せずに、金額部分の文字データを取得することができる。また、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字が¥マークであるのに誤って数字として認識された場合には、最上位桁の記入枠の文字の文字データを除去して、金額部分の文字データを取得することができる。また、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字以外の全文字の文字データが0を示す文字データである場合には、最上位桁の記入枠の文字の文字データを除去せずに、金額部分の文字データを取得することができる。
以上説明したように、チェック画面出力装置100によれば、最上位桁の記入枠の文字データと、該文字データと同一の文字として認識された文字データとのイメージデータの一致率に基づいて、最上位桁の記入枠の文字データを出力するか否かを制御することができる。これにより、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができる。
このとき、チェック画面出力装置100は、同一の文字として認識された文字データに、最上位桁の記入枠の文字データと同じ金額入力欄の記入枠の文字データ、または同じ伝票にある異なる入力欄の記入枠の文字データを用いることができる。これにより、チェック画面出力装置100は、記入者の書き方の癖などが変化していない直近に記入された文字の文字データを用いて一致率を算出することができ、一致率の信頼性を向上させることができる。
また、このとき、チェック画面出力装置100は、履歴テーブル600を参照して、同一の文字として認識された文字データに、伝票を記入した記入者が過去に記入した文字の文字データを用いることができる。これにより、チェック画面出力装置100は、最上位桁の記入枠の文字データと同じ伝票にある記入枠の文字データの中に、同一の文字として認識された文字データがない場合であっても一致率を算出することができる。
チェック画面出力装置100によれば、例えば、一致率が閾値以上であれば最上位桁の記入枠の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御する。これにより、チェック画面出力装置100は、一致率に基づいて、最上位桁の記入枠の文字データが、数字を正しく認識して得られた文字データかを判定することができる。そして、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられる数字を示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去しないようにすることができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
また、チェック画面出力装置100によれば、例えば、一致率が閾値未満であれば最上位桁の記入枠の文字データを文字列のチェック用の画面に出力しないように制御することができる。これにより、チェック画面出力装置100は、一致率に基づいて、最上位桁の記入枠の文字データが、¥マークを誤って数字として認識して得られた文字データかを判定することができる。そして、チェック画面出力装置100は、金額の演算などに用いられない¥マークを示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去することができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
また、最上位桁の記入枠の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、他の記入枠の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データではない場合がある。この場合には、チェック画面出力装置によれば、最上位桁の記入枠の文字データを文字列のチェック用の画面に出力しないように制御することができる。これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられない¥マークを示す文字データを除去して、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。このため、チェック画面出力装置100は、通知された金額部分の文字データが誤っている場合に金額部分の文字データを修正するという窓口業務のオペレータの作業の回数を低減することができ、オペレータの作業量を低減することができる。
また、最上位桁の記入枠の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、他の記入枠の文字データの少なくともいずれかが文字認識に失敗したことを示す文字データである場合がある。この場合には、チェック画面出力装置100によれば、最上位桁の記入枠の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御することができる。これにより、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを特定することができない場合は、金額部分になりうる文字データの全ての文字データを窓口業務のオペレータに通知することができる。そして、窓口業務のオペレータは、金額部分になりうる文字データを確認して修正することができる。このため、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを確定させず、為替の振込処理などの金融機関の業務の信頼性が低下しないようにすることができる。
また、チェック画面出力装置100によれば、最上位桁の記入枠の文字データ以外の他の記入枠の文字データが0を示す文字データである場合には、最上位桁の記入枠の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御することができる。これにより、チェック画面出力装置100は、金額の演算処理などに用いられる数字を示す文字データであると判定した場合は、最上位桁の記入枠の文字データを除去しないようにすることができる。結果として、チェック画面出力装置100は、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができ、金額の演算処理の効率を向上させることができる。また、チェック画面出力装置100は、誤った文字認識の結果を窓口業務のオペレータに通知することを抑制することができる。
また、最上位桁の記入枠の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、他の記入枠の文字データに尤度が閾値以下の文字データがある場合がある。この場合には、チェック画面出力装置100によれば、最上位桁の記入枠の文字データを文字列のチェック用の画面に出力するように制御することができる。これにより、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを特定することができない場合は、金額部分になりうる文字データの全ての文字データを窓口業務のオペレータに通知することができる。そして、窓口業務のオペレータは、金額部分になりうる文字データを確認して修正することができる。このため、チェック画面出力装置100は、金額部分の文字データを確定させず、為替の振込処理などの金融機関の業務の信頼性が低下しないようにすることができる。
ここで、金融機関が金額入力欄に¥マークを付与した金額を記入するように規則を定めており、従来のチェック画面出力装置が最上位桁の記入枠の文字データを¥マークと見なして除去する場合が考えられる。しかしながら、この場合、顧客が¥マークを書き忘れた場合などに、金額部分の文字データを誤って特定してしまう。一方で、本実施の形態にかかるチェック画面出力装置100は、イメージデータの比較によって、¥マークを示す文字データがあれば除去するようにするため、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができる。
また、金融機関が金額入力欄に¥マークを付与した金額を記入するように規則を定めており、従来のチェック画面出力装置が、最上位桁の記入枠の文字データが¥マークを示す文字データか文字認識に失敗したことを示す文字データであるときに除去する場合が考えられる。しかしながら、この場合、顧客が¥マークを書き忘れ、かつ、最上位桁の記入枠に記入された数字の文字認識に失敗した場合などに、金額部分の文字データを誤って特定してしまう。一方で、本実施の形態にかかるチェック画面出力装置100は、イメージデータの比較によって、¥マークを示す文字データがあれば除去するようにするため、金額部分を示す文字データを特定する精度を向上することができる。
なお、本実施の形態で説明したチェック画面出力方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本チェック画面出力プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本チェック画面出力プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータが、
複数の記入枠を含む金額入力欄に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込み、該イメージを文字認識することで得られた各記入枠の文字データを取得し、
前記文字列のうち最も高い桁に相当する前記記入枠に記入された文字に対応する第一の文字データと、該第一の文字データと同一の文字として認識された第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較し、
前記第一の文字データのイメージと、前記第二の文字データのイメージとの一致率に基づいて、前記第一の文字データを、前記文字列のチェック用の画面に出力するか否かを制御する、
処理を実行することを特徴とする、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記2)前記制御する処理は、前記第一の文字データが数字を示す文字データである場合には、前記第一の文字データのイメージと前記第二の文字データのイメージとの一致率が閾値以上であれば前記第一の文字データを前記文字列のチェック用の画面に出力するように制御することを特徴とする付記1に記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記3)前記制御する処理は、前記第一の文字データが数字を示す文字データである場合には、前記第一の文字データのイメージと前記第二の文字データのイメージとの一致率が閾値未満であれば前記第一の文字データを前記文字列のチェック用の画面に出力しないように制御することを特徴とする付記1または2に記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記4)前記制御する処理は、前記第一の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、前記金額入力欄の各記入枠の文字データのうち前記第一の文字データ以外の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データではない場合には、前記第一の文字データを前記文字列のチェック用の画面に出力しないように制御することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記5)前記制御する処理は、前記第一の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、前記金額入力欄の各記入枠の文字データのうち前記第一の文字データ以外の文字データの少なくともいずれかが文字認識に失敗したことを示す文字データである場合には、前記第一の文字データを前記文字列のチェック用の画面に出力するように制御することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記6)前記制御する処理は、前記金額入力欄の各記入枠の文字データのうち前記第一の文字データ以外の文字データが0を示す文字データである場合には、前記第一の文字データを前記文字列のチェック用の画面に出力するように制御することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記7)前記コンピュータが、
前記金額入力欄の各記入枠の文字データの文字認識の尤度を算出する処理を実行し、
前記制御する処理は、前記第一の文字データが文字認識に失敗したことを示す文字データであって、前記金額入力欄の各記入枠の文字データのうち前記第一の文字データ以外の文字データに前記尤度が閾値以下の文字データがある場合には、前記第一の文字データを前記文字列のチェック用の画面に出力するように制御することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記8)前記比較する処理は、前記第一の文字データと、前記金額入力欄の各記入枠の文字データのうち該第一の文字データ以外で該第一の文字データと同一の文字として認識された前記第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記9)前記比較する処理は、前記第一の文字データと、前記金額入力欄とは異なる入力欄であって複数の記入枠を含む入力欄に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込んで文字認識することで得られた前記異なる入力欄の各記入枠の文字データのうち該第一の文字データと同一の文字として認識された前記第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較することを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記10)前記比較する処理は、記入者の情報に対応付けて該記入者が記入した文字を読み込んだイメージと該イメージを文字認識することで得られた文字データとを記憶する記憶部を参照して、前記第一の文字データと、前記金額入力欄に記入した記入者の情報に対応付けられた該第一の文字データと同一の文字として認識された前記第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の、手書き金額記入欄のチェック画面出力方法。
(付記11)コンピュータに、
複数の記入枠を含む金額入力欄に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込み、該イメージを文字認識することで得られた各記入枠の文字データを取得し、
前記文字列のうち最も高い桁に相当する前記記入枠に記入された文字に対応する第一の文字データと、該第一の文字データと同一の文字として認識された第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較し、
前記第一の文字データのイメージと、前記第二の文字データのイメージとの一致率に基づいて、前記第一の文字データを、前記文字列のチェック用の画面に出力するか否かを制御する、
処理を実行させることを特徴とする、手書き金額記入欄のチェック画面出力プログラム。
(付記12)複数の記入枠を含む金額入力欄に手書きで記入された文字列をイメージとして読み込み、該イメージを文字認識することで得られた各記入枠の文字データを取得し、
前記文字列のうち最も高い桁に相当する前記記入枠に記入された文字に対応する第一の文字データと、該第一の文字データと同一の文字として認識された第二の文字データとについて、それぞれのイメージを比較し、
前記第一の文字データのイメージと、前記第二の文字データのイメージとの一致率に基づいて、前記第一の文字データを、前記文字列のチェック用の画面に出力するか否かを制御する制御部、
を有することを特徴とする、手書き金額記入欄のチェック画面出力装置。