JP6212312B2 - 物体内部推定装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物体の内部を推定する物体内部推定装置およびその方法に関する。
物体の内部を推定する技術は重要である。この技術は、例えば、食品に混入された釘などの異物を検知すること、あるいは、皮膚に刺さった針などの異物の形状を推定することに応用される。高精度に物体の内部を推定できれば、食の安全性の向上や医療の高度化の実現をサポートすることができる。
物体の内部を推定する方法として、X線CT(X−ray Computed Tomography)に基づく方法が幅広く利用されている。X線CTを用いる方法では、基本的に、異物が混入された物体にX線を入射して、物体からのX線の出射量を観測する。そして、X線の入射量に対する出射量の割合(すなわち光の吸収量)に基づいて、物体内における光(X線)の吸収率の分布を推定する。実際には、360度方向から物体にX線を入射したときの、物体から出射されるX線の減衰量が観測され、逆投影法、あるいは、フィルタ逆投影法と呼ばれる手法を用いて物体の内部の吸収率分布が推定される。
このように線源から光線を入射して物体内を透過した光線の出射量を観測し、観測結果を解析することで、物体内に含まれる吸収物体の位置および形状を推定することができる。
特開2000−105191号公報 特開平8−29329号公報 特開2002−333400号公報
「C言語による画像再構成の基礎」、橋下、篠原、医療科学社、P245 「MCML−Monte Carlo modeling of light transport in multi−layerd tissues」、Wang et al.、Computer Methods and Programs in Biomedicines 47 (1995) pp.131−146. 「Acquiring Scattering Properties of Participating Media by Dilution」、Narasimham et al.、ACM SIGGRAPH、2006 「Near−infrared optical properties of ex vivo human skin andsubcutaneous tissues measured using the MonteCarlo inversion technique」、Simpson et al.、Phys. Med. Biol.43、1998、pp.2465−2478
しかしながら、非特許文献1に示される方法では、物体内部を推定するための機械装置が大きくなり、出射線の計測に特殊な装置が必要であるという課題がある。また、X線を利用して人体の内部を推定する場合、いわゆる「医療被曝」のリスクがある。したがって、長時間のX線の利用や妊娠中の人に対してのX線の利用は避けるべきである。
近年、人体に安全な光である近赤外光を利用して物体内部の光吸収物体の位置を推定する技術が開発されている。近赤外光を用いる場合、安全性、装置の手軽さの面ではX線を用いる場合よりも優位である。しかしながら、近赤外光は、物体内で散乱するため、X線に比べて、出射光の解析が難しいという問題がある。
そこで、本発明は、人体に安全な光を用いて物体の内部を推定する場合に推定精度を向上させることができる物体内部推定装置およびその方法を提供する。
本発明の一態様に係る物体内部推定装置は、第1の物体の内部を推定する物体内部推定装置であって、前記第1の物体とは異なる第2の物体が前記第1の物体内に含まれていないと仮定した場合における、(i)光が前記第1の物体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルと、(ii)前記複数の光路モデルに沿って前記第1の物体内を伝搬して前記第1の物体から出射した仮想的な光の所定面上における強度を示す第1の光強度分布とを取得する第1の取得部と、前記第1の物体に入射してから出射した光の強度分布であって前記所定面上において観測された光の強度分布である第2の光強度分布を取得する第2の取得部と、前記所定面上の位置ごとに、前記第1の光強度分布および前記第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、前記第1の物体内に前記第2の物体が存在しない非存在確率を示す投票値を算出する投票値算出部と、前記第1の物体の内部を複数の投票領域に仮想的に分割し、前記所定面上の位置ごとに、当該位置に到達する光の光路モデル上の投票領域に対して当該位置の前記投票値を投票する投票部と、前記複数の投票領域の各々に対して、前記投票部で得られた投票結果が閾値より小さい場合に、前記第2の物体が存在する推定する推定部とを備える。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明の一態様に係る物体内部推定装置によれば、人体に安全な光を用いて物体の内部を推定する場合に推定精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る物体内部推定装置の機能構成を示すブロック図 実施の形態1に係る物体内部推定装置の処理動作を示すフローチャート 実施の形態1における光路モデルの導出処理の詳細を示すフローチャート 実施の形態1における光強度の減衰量を説明するための図 実施の形態1における光源部、散乱体、および撮像部の配置の一例を示す模式図 実施の形態1における観測画像の一例を示す図 実施の形態1における推定対象断面に対応する画素列の値の一例を示す図 実施の形態1における光路モデルの例を示す図 実施の形態1における光透過率の分布(第1の光強度分布)と観測値の分布(第2の光強度分布)の一例を示す図 実施の形態1における投票処理を説明するための図 実施の形態1における投票処理を説明するための図 実施の形態2に係る物体内部推定装置の機能構成を示すブロック図 実施の形態2に係る物体内部推定装置の処理動作を示すフローチャート 実施の形態2における複数の光路モデルを示す模式図 実施の形態2における補正処理を説明するための図 従来の散乱体内の吸収率分布推定方法を示すフローチャート
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、先行技術文献に記載の物体内部推定方法に関し、以下の問題が生じることを見いだした。なお、以下説明において、内部で散乱が生じる物体を散乱体と呼ぶ。また、散乱体内で光を吸収する物体を光吸収物体と呼ぶ。
図16は、従来の散乱体内の吸収率分布推定方法を示すフローチャートである。図16に示すように、特許文献1〜3では、複数の波長の入射光および出射光の強度を計測し、入射光と出射光の計測された強度の組合せから行列Yを生成する。その後、散乱体を複数の空間(以下、ボクセルと呼ぶ)に分割し、モンテカルロ・レイトレーシングで光の経路をシミュレーションする。シミュレーション結果が示す光の経路(光路モデル)から平均光路長を求める。複数の波長の光を利用することで未知数の削減を行い、行列Yと平均光路長とから散乱体中の吸収率分布を求める。
しかしながら、これらの方法では、散乱体内の吸収率分布を線形演算で算出するために、以下に示す2つの近似が行われている。第一に、散乱や散乱の広がりによって生じる光量の減衰が、複数の波長で等しいという近似である。第二に、異なる波長間で平均光路長が等しいという近似である。実際には、散乱と吸収係数の分布は波長依存性があるため、平均光路長は波長ごとに異なる。このような近似により、上記従来の方法では、散乱体内の正確な吸収率分布を求めることが難しい。
そこで、本発明の一態様に係る物体内部推定装置は、第1の物体の内部を推定する物体内部推定装置であって、前記第1の物体とは異なる第2の物体が前記第1の物体内に含まれていないと仮定した場合における、(i)光が前記第1の物体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルと、(ii)前記複数の光路モデルに沿って前記第1の物体内を伝搬して前記第1の物体から出射した仮想的な光の所定面上における強度を示す第1の光強度分布とを取得する第1の取得部と、前記第1の物体に入射してから出射した光の強度分布であって前記所定面上において観測された光の強度分布である第2の光強度分布を取得する第2の取得部と、前記所定面上の位置ごとに、前記第1の光強度分布および前記第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、前記第1の物体内に前記第2の物体が存在する確率を示す投票値を算出する投票値算出部と、前記第1の物体の内部を複数の投票領域に仮想的に分割し、前記所定面上の位置ごとに、当該位置に到達する光の光路モデル上の投票領域に対して当該位置の前記投票値を投票する投票部と、投票結果に基づいて、前記複数の投票領域の各々に前記第2の物体が存在するか否かを推定する推定部とを備える。
この構成によれば、光が第1の物体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルを用いて、第1の物体内の各領域に第2の物体が存在する否かを推定することができる。したがって、第1の物体内で光が散乱する場合でも、第1の物体内の第2の物体の位置および形状を推定することができる。つまり、近赤外光などX線以外の人体に安全な光を用いて物体の内部を推定する場合に推定精度を向上させることができる。
さらに、この構成によれば、第1の光強度分布と第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、第1の物体内に第2の物体が存在する確率を示す投票値を算出することができる。また、光路モデル上の投票領域に対する投票値の投票結果に基づいて、複数の投票領域の各々に第2の物体が存在するか否かを推定することができる。つまり、第1の物体の内部を推定するために、複数の波長の光を用いる必要がなく、線形演算の必要もない。したがって、上述したような吸収率分布の線形演算のための近似も不要となるので、物体の内部の推定精度を向上させることができる。
また例えば、前記物体内部推定装置は、さらに、前記複数の投票領域に対する投票回数のばらつきに基づいて、前記投票結果を補正する補正部を備え、前記推定部は、補正された前記投票結果に基づいて、前記複数の投票領域の各々に前記第2の物体が存在するか否かを推定してもよい。
この構成によれば、複数の投票領域に対する投票回数のばらつきに基づいて投票結果を補正することができる。したがって、例えば、第1の物体内の光が通過しにくい領域(投票回数が少ない領域)に第2の物体が存在すると誤って推定されることを減少させることができる。
また例えば、前記複数の投票領域は、前記第1の物体の断面上の複数の領域であり、前記推定部は、複数の断面の各々について、前記複数の投票領域の各々に前記第2の物体が存在するか否かを推定することにより、複数の2次元断層画像を生成し、前記物体内部推定装置は、さらに、前記複数の2次元断層画像を統合することにより、前記第1の物体内の3次元ボリュームデータを生成する統合部を備えてもよい。
この構成によれば、複数の2次元断層画像を統合することにより、3次元ボリュームデータを生成することができる。したがって、より正確に第1の物体の内部を推定することができる。
また例えば、前記第2の取得部は、可視光または近赤外光を前記第1の物体に照射する光源部と、前記第1の物体に入射してから出射した光を撮像することにより、前記第2の光強度分布を示す観測画像を取得する撮像部とを備えてもよい。
この構成によれば、第2の取得部は、光源部と撮像部とを用いて、第2の光強度分布を示す観測画像を取得することができる。
また例えば、前記第1の取得部は、前記複数の光路モデルを、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションによって導出してもよい。
この構成によれば、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションによって、複数の光路モデルを比較的容易に導出することができる。
また例えば、前記第1の取得部は、シミュレーション結果と観測結果との誤差を粗密探索によって削減することにより、前記モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで用いるパラメータを導出してもよい。
この構成によれば、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで用いるパラメータを粗密探索によって導出することができ、パラメータの精度を向上させることができる。
また例えば、前記第1の取得部は、前記第1の物体に互いに異なる方向から入射する複数の光の各々について、前記複数の光路モデルと前記第1の光強度分布とを取得し、前記第2の取得部は、前記複数の光の各々について前記第2の光強度分布を取得し、前記投票値算出部は、前記複数の光の各々について前記投票値を算出し、前記投票部は、前記複数の光の各々について前記投票値を投票してもよい。
この構成によれば、第1の物体に複数の方向から入射する複数の光の各々について、投票結果を得ることができる。したがって、1つの方向から入射する光のみを用いる場合よりも、奥行き方向の推定精度を向上させることができる。
また例えば、前記物体内部推定装置は、さらに、前記複数の投票領域の各々の位置に基づいて前記投票結果を補正する補正部を備え、前記推定部は、補正された前記投票結果に基づいて、前記複数の投票領域の各々に前記第2の物体が存在するか否かを推定してもよい。
この構成によれば、各投票領域の位置に基づいて投票結果を補正することができる。したがって、投票領域の位置に依存して第2の物体が存在するか否かの推定精度が変化する場合に、推定精度の低下を抑制することができる。
また例えば、前記複数の投票領域は、第1の投票領域と、前記第1の投票領域よりも前記第1の物体の中心に近い第2の投票領域とを含み、前記補正部は、前記第1の投票領域における前記第2の物体の存在確率が前記第2の投票領域よりも相対的に低下するように前記投票結果を補正してもよい。
この構成によれば、第1の投票領域における第2の物体の存在確率が第2の投票領域よりも相対的に低下するように投票結果を補正することができる。ここで、第2の投票領域は、第1の投票領域よりも第1の物体の中心に近い。したがって、第2の物体を透過する光の光路モデル上の投票領域のうち、第2の物体が存在しない投票領域に第2の物体が存在すると推定されることを減少させることができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素は、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る物体内部推定装置は、物体の内部を推定する。特に、本実施の形態においては、物体内部推定装置は、散乱体内に含まれる光吸収物体の位置および形状を推定する。
ここで、散乱体とは、その内部で散乱が生じる物体のことである。また、光吸収物体とは、光を吸収するあらゆる物体を含み、その吸収率等は問わない。散乱体は、固体、液体および気体のいずれであってもよい。例えば、散乱体が液体の水である場合、物体内部推定装置は、水中の吸収物体を推定することができる。また例えば、散乱体が気体の空気と液体の水滴との混合物である場合、物体内部推定装置は、霧の内部を推定することができる。なお、散乱体は、第1の物体の一例である。また、光吸収物体は、第2の物体の一例である。
<機能構成>
図1は、実施の形態1に係る物体内部推定装置10の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、物体内部推定装置10は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、投票値算出部13と、投票部14と、推定部15と、統合部16とを含む。なお、物体内部推定装置10は、統合部16を含まなくてもよい。例えば、物体内部推定装置10の外部の装置が統合部16を備えてもよい。
(第1の取得部11)
第1の取得部11は、光吸収物体が散乱体内に含まれていないと仮定した場合における、複数の光路モデルと第1の光強度分布とを取得する。複数の光路モデルとは、光が散乱体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す。第1の光強度分布とは、複数の光路モデルに沿って散乱体内を伝搬して散乱体から出射した仮想的な光の所定面上における強度を示す。所定面とは、散乱体外部の平面あるいは曲面であり、散乱体から出射した光が到達する面である。つまり、第1の取得部11は、散乱体内における仮想的な複数の光路と、散乱体外における仮想的な光強度分布とを取得する。
本実施の形態では、第1の取得部11は、散乱シミュレーションモデル(以下、単に散乱モデルと呼ぶ)を用いて、散乱体内の光が通過する分割領域(例えばボクセル)の集合を光路モデルとして求める。また、第1の取得部11は、各光路モデルに沿って散乱体内を伝搬した光の透過率を求める。光の透過率とは、入射光の強度に対する出射光の強度の比率である。つまり、複数の光の透過率は、第1の光強度分布に相当する。
(第2の取得部12)
第2の取得部12は、散乱体に入射してから出射した光の強度分布であって所定面上において観測された光の強度分布である第2の光強度分布を取得する。上述したように、所定面は、散乱体に入射してから出射した光が到達する面である。例えば、所定面は、散乱体への光の入射方向に垂直な面である。
本実施の形態では、第2の取得部12は、散乱体を透過した光(散乱光および直進光)を撮影することにより、第2の強度分布を示す観測画像を取得する。具体的には、第2の取得部12は、可視光または近赤外光を散乱体に照射する光源部12aと、散乱体に入射してから出射した光を撮像することにより、第2の強度分布を示す観測画像を撮影する撮像部12bとを含む。
例えば、光源部12aは、可視光線または近赤外光線を出力するレーザである。また例えば、撮像部12bは、レンズユニットおよび撮像素子等を備えるカメラである。
(投票値算出部13)
投票値算出部13は、第2の光強度分布が観測された所定面上の位置ごとに、第1の光強度分布および第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて投票値を算出する。この投票値は、散乱体内に光吸収物体が存在する確率を示す。逆に言えば、投票値は、散乱体内に光吸収物体が存在しない確率を示す。つまり、投票値は、所定面上の各位置に到達する光の光路上に光吸収物体が存在する確率および存在しない確率を示す。
なお、以下において、値が大きいほど光吸収物体が存在する可能性が高い確率を存在確率と呼ぶ。逆に、値が大きいほど光吸収物体が存在しない可能性が高い確率を非存在確率と呼ぶ。
投票値算出部13は、例えば、第2の光強度分布における光の強度値(以下、第2の強度値と呼ぶ)を第1の光強度分布における光の強度値(以下、第1の強度値と呼ぶ)で除算した結果に比例する値を、非存在確率を示す投票値として算出してもよい。また例えば、投票値算出部13は、第1の強度値と第2の強度値との差分値に比例する値を、存在確率を示す投票値として算出してもよい。また例えば、投票値算出部13は、第1の強度値と第2の強度値との差分値を第1の強度値で除算した結果に比例する値を、存在確率を示す投票値として算出してもよい。
本実施の形態では、投票値算出部13は、撮像部12bによって撮影された観測画像の各画素値(観測値)と、散乱モデルにより得られる、各画素に対応する光透過率との比率を、各画素に到達する光の光路上に光吸収物体が存在しない確率(非存在確率)として求める。
散乱モデルにより得られる光透過率は、散乱体内に光吸収物体が存在しないと仮定して求められている。そのため、ある画素において光透過率と観測値とが等しい場合、その画素に到達する光の光路上に光吸収物体が存在しないと推定される。逆に、ある画素において観測値が光透過率よりも小さいほど、その画素に到達する光の光路上に光吸収物体が存在する確率が高いと推定される。
(投票部14)
投票部14は、散乱体の内部を複数の投票領域に仮想的に分割する。そして、投票部14は、第2の光強度分布が観測された所定面上の位置ごとに、当該位置に到達する光の光路モデル上の投票領域に対して当該位置の投票値を投票する。具体的には、投票部14は、例えば、各位置に到達する光の光路モデル上の各投票領域が有する値に各位置の投票値を加算する。
本実施の形態では、投票部14は、投票値算出部13で求めた、各画素における光吸収物体の非存在確率を示す投票値を、各画素に対応する光路モデル上の投票領域に投票する。
(推定部15)
推定部15は、投票結果の値の大きさに基づいて、散乱体内の光吸収物体の位置を推定する。つまり、推定部15は、投票結果に基づいて、複数の投票領域の各々に光吸収物体が存在するか否かを推定する。具体的には、推定部15は、例えば、各投票領域が有する値(投票結果)を閾値と比較する。そして、推定部15は、比較結果に基づいて、当該投票領域に光吸収物体が存在するか否かを推定する。
本実施の形態では、複数の投票領域は、散乱体の断面上の複数の領域である。そして、推定部15は、複数の断面の各々について、複数の投票領域の各々に光吸収物体が存在するか否かを推定することにより、複数の2次元断層画像を生成する。
(統合部16)
統合部16は、複数の2次元断層画像を統合することにより、散乱体内の3次元ボリュームデータを生成する。
<動作>
次に、以上のように構成された物体内部推定装置10の処理動作を説明する。
図2は、実施の形態1に係る物体内部推定装置10の処理動作を示すフローチャートである。
(ステップS101)
まず、第1の取得部11によるモデル生成処理(S101)について説明する。モデル生成処理では、第1の取得部11は、複数の光路モデルと光透過率とを算出する。散乱をモデル化する方法として、本実施の形態では、モンテカルロ・レイトレーシングを用いる。つまり、第1の取得部11は、複数の光路モデルを、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションによって導出する。
モンテカルロ・レイトレーシングは、CG分野において、散乱や屈折などを伴う複雑な光線の経路をモデル化する手法として利用されている。具体的なモンテカルロ・レイトレーシングによる光路のモデル化の詳細については、例えば非特許文献2に記載されている。
図3は、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションによる光路モデルの導出処理の詳細を示すフローチャートである。第1の取得部11は、この処理フローに従って光路モデルをシミュレートする。そして、第1の取得部11は、後述する散乱モデルに従って光の透過率を算出する。
光路は光子の移動によって形成される。ここでは、3次元空間(x、y、z)での光子の移動についてシミュレーションする方法について述べる。ある2次元断面(x、y)上を、光子がz=0から散乱体の周縁まで散乱しながら移動するときの光路を求める。
(ステップS301)
光子生成処理(S301)では、光子の初期位置と初期移動方向とを設定する。例えば、光子の初期位置を(x、y、z)=(0、0、0)と設定し、移動方向に関するベクトルは(μx、μy、μz)=(0、0、1)と設定する。
(ステップS302)
光子移動距離設定処理(S302)では、光子の移動ステップsを求める。sは、Lambert−Beer則に従って、式(1)のように算出される。
ここで、μtは、散乱係数μsと吸収係数μaの和である消滅係数である。光子の現在位置における消滅係数と、乱数ξ(0<ξ≦1)とを用いて、光子の移動ステップsが定義される。移動ステップsが決まれば、光子の移動先の位置が式(2)のように設定される。
(ステップS303)
吸収重み算出処理(S303)では、吸収係数と消滅係数との比から重みの減少量ΔWを求める。この重みの初期値Wは対象物に応じて適切に決められる。重みが0になれば、光子が物体内部で吸収され、物体外に出射しないことを意味する。そのため、Wが大きければ、光子が物体内部で吸収されにくく、Wが小さければ、光子が物体内部で吸収されやすい。Wは、対象物体の媒質に応じて設定される。
(ステップS304)
散乱方向設定処理(S304)では、位相関数のパラメータgと乱数ξ(0<ξ≦1)とを用いて、式(4)のように、光子の移動角度θが決定される。位相関数とは、散乱の偏りを近似的に表現した関数である。この位相関数のパラメータgは散乱の等方性を意味している。すなわち、gが正の値を有する場合は前方散乱となり、gが0の値を有する場合は等方散乱となり、gが負の値を有する場合は後方散乱となる。
ここで、ψ=2πξとすると、光子の移動方向θは、式(5)、(6)、(7)で示される。
ただし、μz=1の場合は、式(8)、(9)、(10)が用いられ、μz=−1の場合は、式(11)、(12)、(13)が用いられる。
(ステップS305)
重み打ち切り処理(S305)は、ロシアンルーレット方式と呼ばれる光子の打ち切りを行う。具体的には、乱数ξ(0≦ξ≦1)と定数mとを用いて、式(14)に示すように、乱数ξが1/m以下であればWをmWに更新し、乱数ξが1/mより大きければ、光子を消滅させる。
(ステップS306)
以上までの処理の後、生き残った光子(消滅しなかった光子)に対して、引き続き、光子移動距離設定処理が実行される。具体的には、更新されたμ’x、μ’y、μ’zと現在位置の消滅係数とを用いて、光子の移動ステップsが求められる。このようにモンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションでは、移動距離と移動方向とが乱数によって確率的に摂動された光路モデルが求められる。
次に、第1の取得部11は、ここまでの処理で求めた、散乱体内の複数の光路モデルに対する光の透過率を求める。ここでは、入射点から散乱点を経由して出射点につながる光路モデルが、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで得られている。
図4は、散乱体内の3点p1、p2、p3が与えられたときの、光強度の減衰量を説明するための図である。点p1からの光が距離d1だけ離れた散乱点p2にて、角度θの方向に散乱し、距離d2だけ離れた点p3まで到達する光路において、光伝搬の割合Ep1,p2,p3は、式(15)で表される。
ここで、p(θ、g)は、位相関数と呼ばれ、散乱の偏りを近似的に表現する関数であり、式(16)で定義される。
モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションの説明でも述べたように、位相関数のパラメータgは散乱の等方性を意味している。すなわち、gが正の値を有する場合は前方散乱となり、gが0の値を有する場合は等方散乱となり、gが負の値を有する場合は後方散乱となる。
モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで得られる、散乱点r1、r2、…、rm、入射点r0、および出射点rm+1をつなぐ光路Rjにおける光の透過率について説明する。ある散乱点rkにおいて、角度θk-1,k,k+1の方向に光が散乱するとき、光の透過率は、式(15)の積で表現されることから、光路Rjにおける光透過率ERjは、式(17)で定義される。
なお、距離dk,k+1と角度θk-1,k,k+1は式(18)で定義される。
以上までの処理によって、第1の取得部11は、光路Rjと、その光路Rjにおける光透過率ERjを求めることができる。ここで、jはモンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションにおけるサンプリング回数を示す。サンプリング回数が多いほど、高精度なモデル化が可能である。
なお、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションにて用いるパラメータ(散乱係数、吸収係数、および位相関数のパラメータg)は、内部推定の対象となる散乱体の実際の値に近いことが望ましい。一般に、これらのパラメータを実物体から推定することは困難である。
そこで、本実施の形態では、事前に光吸収物体を含まない散乱体から出射した光の強度分布を観測しておく。そして、第1の取得部11は、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションの結果として得られる複数の光路モデルから導出される光透過率が示す光の強度分布が、実際の光の強度分布に近くなるようにパラメータ探索を行う。
例えば、非特許文献1では、散乱が一度だけ生じる単一散乱現象のときの、各種係数を推定した例が開示されている。また、非特許文献4では、皮膚などの生体に関する各種係数の例も開示されている文献がある。これらの文献に記載された各種係数を参考にして、第1の取得部11は、実際に内部を推定する散乱体に近い媒質を有する物体のパラメータ(散乱係数、吸収係数、および位相関数のパラメータg)の初期値を設定する。そして、第1の取得部11は、パラメータを微小に変化させながら、シミュレーション結果が示す光透過率によって得られる光強度分布と観測結果が示す光強度分布との誤差が最小となるパラメータを求める。つまり、第1の取得部11は、シミュレーション結果と観測結果との誤差を粗密探索によって削減することにより、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで用いるパラメータを導出する。これにより、第1の取得部11は、パラメータの精度を向上させることができる。
(ステップS102)
次に、第2の取得部12による撮影処理(S102)について説明する。撮影処理では、第2の取得部12は、実際の散乱体の撮影を行う。まず、単方向からの散乱体の撮影方法について述べた後、信頼性が高い2次元断層画像を得るために多方向から散乱体を撮影する方法について述べる。
図5は、光源部12a、散乱体、および撮像部12bの配置の一例を示す模式図である。ここでは、光源にレーザを利用する場合を例にして説明する。レーザの種類は、可視光レーザでも近赤外光レーザでも構わない。
例えば、薄めた牛乳など可視光でもある程度透過するような媒質を有する散乱体の内部を推定する場合は、可視光レーザを利用できる。また例えば、食品や生体など可視光は透過しないが、近赤外光は透過するような媒質を有する散乱体の場合は、近赤外光レーザやLED光源を用いることが望ましい。
可視光と近赤外光とでは、波長が異なるので、散乱係数、吸収係数、および位相関数のパラメータも異なる。そのため、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションに利用するパラメータを、光源と散乱体の媒質とに合わせて調整する必要がある。なお、可視光を用いる場合と近赤外光を用いる場合とで光吸収物体の推定処理に区別は無い。以下、散乱体に入射する光を「入射光」、散乱体から出射する光を「出射光」と呼ぶ。
図5では、光源部12aは、光を散乱体に照射する。また、撮像部12bは、出射光を観測する。例えば、散乱体の水平断面上の光吸収物体の位置を推定する場合、図6および図7に示すように、観測画像から、推定対象断面に対応する水平方向(x方向)の画素列が取得される。図7は、取得された画素列の各画素の位置(x座標)を横軸に、画素値を縦軸に表したグラフである。
以上の処理で単方向から入射した光を観測できる。しかし、単方向のみの情報では、奥行き方向の情報が不十分であるため、光吸収物体の位置推定精度が低い。そこで、散乱体を回転台の中心に載せて散乱体を回転させながら撮影してもよい。つまり、撮像部12bは、複数方向から光が散乱体に入射したときの出射光を撮像してもよい。
すなわち、散乱体に互いに異なる方向から入射する複数の光の各々について、ステップS101〜ステップS104が実行されてもよい。具体的には、第1の取得部11は、複数の光の各々について、複数の光路モデルと第1の光強度分布とを取得してもよい。第2の取得部12は、複数の光の各々について第2の光強度分布を取得してもよい。投票値算出部13は、複数の光の各々について投票値を算出してもよい。投票部14は、複数の光の各々について投票値を投票してもよい。
これにより、奥行き方向への推定精度を向上させることができる。なお、本実施の形態では、回転台を用いて散乱体を回転させる方法について述べたが、散乱体の周りを光源部12aと撮像部12bとが回転しても構わない。
(ステップS103)
次に、投票値算出部13による投票値算出処理(S103)について述べる。投票値算出処理(S103)と投票処理(S104)は、散乱体の回転角度に依存しないので、単方向から光が入射する場合を例に説明する。
図8は、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションによって導出された、画素A、画素B、および画素Cにそれぞれ出射する3つの光路モデルの例を示している。本説明では、左の光路モデルを「画素Aに対応する光路モデル」、中央の光路モデルを「画素Bに対応する光路モデル」、右の光路モデルを「画素Cに対応する光路モデル」と呼ぶ。
なお、1つの方向から散乱体に入射した光には、図8に示すような複数の光路モデルが導出される。つまり、1つの入射光は、複数の経路を伝搬して複数の位置から出射する。
図9は、散乱モデルによる光透過率の分布(第1の光強度分布)と観測値の分布(第2の光強度分布)の一例である。図9において、横軸は推定対象断面上の位置を示す。画素A、画素B、および画素Cにそれぞれ対応する位置をA、B、Cと表示している。また、図9において、縦軸は画素値(光透過率および観測値)を示す。
光透過率と観測値とはスケールが異なるため、光透過率の最大値と観測値の最大値とが一致するように、光透過率の分布と観測値の分布とを正規化する。なお、図9に示す分布は、図6に示す円柱形の散乱体内に2つの円柱形の光吸収物体が配置されたときの例である。
式(17)で得られる個々の光路モデルの光透過率を合算した後、正規化した正規化光透過率が求められる。ここで、画素iの正規化光透過率の値をNERiとし、撮像部12bで観測された画素iの画素値をTiとする。
モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで得られるN個の光路モデルRj(jは1〜N)上に光吸収物体が存在しない確率V(Rj)は、式(19)で定義される。
ここで、画素iの位置に出射する光線の光路における確率をV(Rij)と定義する。画素iの位置に出射する光線の正規化光透過率NERiおよび観測画素値Tiと、光吸収物体が存在しない確率V(Rij)との関係は、式(20)で表現される。
光吸収物体が存在しない確率V(Rij)は、画素iの画素値Tiを用いて式(21)のように表される。
光吸収物体の非存在確率は、観測した画素値と散乱モデルによる正規化光透過率との比で求められる。以上により、各画素に到達する光の経路上に光吸収物体が存在しない確率が求められる。投票値算出処理では、このように求められる非存在確率が投票値として画素ごとに出力される。
(ステップS104)
投票部14による投票処理(S104)について説明する。投票処理では、投票部14は、求められた非存在確率を、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで求めた光路モデル上の投票領域に投票することで、散乱体内での光吸収物体の非存在確率の分布を求める。
投票処理について、図10および図11を用いて説明する。
図10のように、投票値算出処理にて、画素A、画素B、画素Cにおける光吸収物体の非存在確率(投票値)が0.2、0.9、0.1と算出されている。ここで、図11のように、画素A、画素B、画素Cに到達する光の光路モデル上の投票領域の値に、算出された投票値を加算していく。ここでは、投票領域は、散乱体を仮想的に分割して得られるボクセルである。図11の(a)のように、画素Aに到達する光の光路モデル上の各ボクセルには、投票値0.2が投票される。
画素Aおよび画素Cに到達する光の光路モデル上の各投票領域に投票される投票値は、それぞれ0.2および0.1と比較的小さな値である(図11の(a)および(c))。逆に、画素Bに到達する光の光路モデル上の各投票領域に投票される投票値は、比較的大きな値である(図11の(b))。
観測値は、複数の出射光の和に対応するため、光吸収物体が存在していても完全に0になることは稀である。しかしながら、小さな投票値を複数回投票することにより、光吸収物体の非存在確率の差が投票領域ごとに明確になる。
(ステップS105
推定部15による推定処理(S105について説明する。推定処理では、散乱体内の光吸収物体の推定を行う。具体的には、推定部15は、投票領域ごとに、投票結果が閾値より小さければ、当該投票領域に光吸収物体が存在すると判定する。
以上の処理によって、ある断面における光吸収物体の推定結果が得られる。そして、推定部15は、位置(例えば高さ)が異なる複数の断面の各々について、光吸収物体の推定を行うことなり、複数の2次元断層画像を生成する。統合部16は、生成された複数の2次元断層画像を統合することで3次元ボリュームデータ(3次元画像)を生成する。
図6の例においては、画素列のy座標を変化させて、各断面における推定処理を行っていく。統合部16は、単に、2次元断層画像を並べるだけでなく、用途に応じた信号処理(例えば、断層画像間の連続性を高めるための処理、あるいはノイズ除去のための平滑化処理など)を2次元断層画像に適用することが可能である。これらの信号処理としては、既存のボリュームレンダリングの高画質化処理が用いられればよい。
<効果>
以上のように、本実施の形態に係る物体内部推定装置10によれば、光が散乱体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルを用いて、散乱体内の各領域に光吸収物体が存在する否かを推定することができる。したがって、散乱体内で光が散乱する場合でも、散乱体内の光吸収物体の位置および形状を推定することができる。つまり、近赤外光などX線以外の人体に安全な光を用いて物体の内部を推定する場合に推定精度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態に係る物体内部推定装置10によれば、第1の光強度分布と第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、散乱体内に光吸収物体が存在する確率を示す投票値を算出することができる。また、光路モデル上の投票領域に対する投票値の投票結果に基づいて、複数の投票領域の各々に光吸収物体が存在するか否かを推定することができる。つまり、散乱体の内部を推定するために、複数の波長の光を用いる必要がなく、線形演算の必要もない。したがって、吸収率分布の線形演算のための近似も不要となるので、物体の内部の推定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る物体内部推定装置10によれば、複数の2次元断層画像を統合することにより、3次元ボリュームデータを生成することができる。したがって、より正確に散乱体の内部を推定することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る物体内部推定装置について説明する。実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る物体内部推定装置は、物体の内部を推定する。ただし、本実施の形態では、投票結果を補正する点が実施の形態1と異なる。
以下、本実施の形態に係る物体内部推定装置について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の機能あるいは処理については、説明が不必要に冗長になるのを避けるために説明を省略する場合がある。
<機能構成>
図12は、実施の形態2に係る物体内部推定装置20の機能構成を示すブロック図である。
補正部21は、散乱体内の投票領域を通過する光路の数あるいは入射光の入射位置によって生じる投票値の偏りを補正する。具体的には、補正部21は、例えば、複数の投票領域に対する投票回数のばらつきに基づいて投票結果を補正してもよい。また例えば、補正部21は、複数の投票領域の各々の位置に基づいて投票結果を補正してもよい。
推定部15は、補正された投票結果に基づいて、複数の投票領域の各々に光吸収物体が存在するか否かを推定する。
<動作>
次に、以上のように構成された物体内部推定装置20の処理動作について説明する。図13は、実施の形態2に係る物体内部推定装置20の処理動作を示すフローチャートである。図13では、図2のフローチャートに対して、補正処理(S201)が追加されている。
投票処理では、投票回数のばらつき、あるいは光の入射位置設定によって投票結果に偏りが生じる。そのため、補正処理(S201)では、以下のような処理を行うことにより、投票結果の偏りを削減する。
投票回数のばらつきに関しては、各投票領域の投票回数を記録しておき、投票回数を用いて投票結果の正規化を行う。例えば、補正部21は、投票領域ごとに、当該領域に投票された投票値の和を投票回数で除算することにより、正規化された投票結果を得る。ここで、投票回数が0回となる投票領域は、不定領域と定義され、投票結果の計算対象から除外される。
例えば、図14は、入射光が散乱体内で散乱したときに得られる複数の光路モデルを示す模式図である。図14には、光の入射角が0度、45度、および90度であるときの複数の光路モデルの例が示されている。断面が円形である散乱体内に光吸収物体が2つ存在する。レーザのような直進性の高い光が散乱体に入射する場合、図14に実線矢印で示すように、複数の光路モデルは扇状に形成される。このとき、入射位置の左右の領域は、光路が存在しないので不定領域となる。
第2の取得部12は、図14に示すように、散乱体を回転して撮影する。そして、投票部14は、複数の入射角度に対して独立に投票処理を行う。そして、補正部21は、不定領域となる投票領域の投票結果を除いて、複数の入射角度に対して得られた投票結果の平均値を算出する。つまり、いずれかの入射角度で不定領域とならなければ、投票領域は、投票結果を得られる。このように、補正部21は、不定領域が投票結果に影響を及ぼさないように投票結果を算出する。
次に、光の入射位置設定による投票結果の偏りの補正について述べる。そもそも、散乱体に光を入射し撮影する場合、光の入射方向と入射位置における散乱体表面の法線方向とが対向していない場合、入射光が散乱体表面で屈折する。入射光が散乱体表面で屈折すると、物体の形状やフレネル係数などを考慮した散乱モデルが必要となるため、散乱モデル生成の難易度が高くなる。
そこで、光源部12aは、例えば、断面が円形の散乱体において、光の入射方向と入射位置における散乱体表面の法線方向とが対向する位置から光を散乱体に照射する。これにより、散乱体の表面における屈折の問題を回避する。しかしながら、このように光の入射位置に制限が加えられることによって、投票回数が十分な投票領域であっても、正しい投票結果が得られない場合がある。
例えば、図14に示す「光線A」の光路モデル上には、光吸収物体が存在する。そのため、「光線A」の光路モデル上の各投票領域には、光吸収物体の存在確率が高いことを示す投票値が投票される。しかしながら、「光線A」の光路モデルの下流側(出射位置付近)には、光吸収物体は存在しない。ここで、光の入射位置が限定される場合には、光吸収物体を横切らずに光線Aの出射位置付近の投票領域を通過する光路モデルが存在しない場合がある。このような場合には、投票部14は、実際には光吸収物体が存在しない投票領域に、光吸収物体が存在しないことを示す投票値を投票できない。
そこで、補正部21は、複数の投票領域の各々の位置に基づいて投票結果を補正する。具体的には、補正部21は、以下に示す散乱体内の位置に依存する信頼度に基づいて投票結果を補正する。例えば、断面が円形の散乱体に、入射位置における表面の法線と対向する位置から光が入射する場合、散乱体断面の中心部の投票値の信頼度が高く、周縁部(表面)に近いほど投票値の信頼度が低い。
そこで、補正部21は、第1の投票領域における光吸収物体の存在確率が第2の投票領域よりも相対的に低下するように投票結果を補正する。ここでは、第2の投票領域は、第1の投票領域よりも散乱体の中心に近い。逆に言えば、第1の投票領域は、第2の投票領域よりも散乱体の表面に近い。具体的には、例えば投票値が非存在確率を示す場合、補正部21は、第1の投票領域の投票結果の値を第1の値だけ増加させ、第2の投票領域の投票結果の値を第1の値より小さい第2の値だけ増加させる。
本実施の形態では、補正部21は、図15に示すような補正係数を用いて投票結果を補正する。この補正係数は、散乱体の中心から所定の距離r以下の位置においては「1」の値を有し、距離rより離れた位置においてはexp(α|x|)の値を有する。補正部21は、この補正係数を投票結果の値に掛けることにより、非存在確率を示す投票値による投票結果を補正する。これにより、補正部21は、光路モデルが扇状に広がることにより、散乱体の周縁部における投票値の信頼度が低下する場合にも、適切な投票結果を得ることができる。なお、断面が円形以外の散乱体に対しても、補正部21は、光路モデルの分布に基づく信頼度に応じた補正係数を用いることで、投票結果を適切に補正することが可能となる。
このように補正された投票結果に基づいて、推定処理(S105)において推定部15は、各投票領域における光吸収物体の推定を行う。具体的には、推定部15は、投票領域において投票値が閾値より小さければ、当該投票領域に光吸収物体が存在すると判定する。
<効果>
以上のように、本実施の形態に係る物体内部推定装置20によれば、光の入射位置が限定される場合や、散乱度合いによって光が届かない場所が散乱体の表面近くに存在する場合でも、散乱体の内部を高精度に推定することが可能になる。
つまり、本実施の形態に係る物体内部推定装置20によれば、複数の投票領域に対する投票回数のばらつきに基づいて投票結果を補正することができる。したがって、例えば、散乱体内の光が通過しにくい領域(投票回数が少ない領域)に光吸収物体が存在すると誤って推定されることを減少させることができる。
また、本実施の形態に係る物体内部推定装置20によれば、各投票領域の位置に基づいて投票結果を補正することができる。したがって、投票領域の位置に依存して光吸収物体が存在するか否かの推定精度が変化する場合に、推定精度の低下を抑制することができる。
特に、本実施の形態に係る物体内部推定装置20によれば、第1の投票領域における光吸収物体の存在確率が第2の投票領域よりも相対的に低下するように投票結果を補正することができる。ここで、第2の投票領域は、第1の投票領域よりも散乱体の中心に近い。したがって、光吸収物体を透過する光の光路モデル上の投票領域のうち、光吸収物体が存在しない投票領域に光吸収物体が存在すると推定されることを減少させることができる。
(他の実施の形態)
以上、1つまたは複数の態様に係る物体内部推定装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記各実施の形態において、第1の取得部11は、推定のたびに複数の光路モデルと光の透過率とを求めていたが、必ずしも推定のたびに求める必要はない。推定対象となる散乱体が事前にわかっていれば、その散乱体のために前に導出された複数の光路モデルと光の透過率とを記憶している記憶部(メモリ)から、複数の光路モデルと光の透過率とを読み込んでもよい。これにより、第1の取得部11の処理負荷を軽減することができる。
また例えば、上記各実施の形態では、第1の取得部11は、複数の光路モデルおよび光の透過率の導出処理を行っていたが、必ずしも導出処理を行わなくてもよい。例えば、第1の取得部11は、推定対象となる散乱体のために既に求められた複数の光路モデルおよび光の透過率を外部の装置から取得してもよい。
また例えば、上記各実施の形態において、複数の光路モデルは、モンテカルロ・レイトレーシングによって求められていたが、他の散乱モデル化手法によって求められてもよい。
また例えば、上記各実施の形態では、第1の光強度分布が光の透過率である場合について説明したが、第1の光強度分布は光の透過率でなくてもよい。つまり、第1の光強度分布は、複数の光路モデルに沿って散乱体内を伝搬して散乱体から出射した仮想的な光の所定面上の強度を示すデータであれば、どのようなデータであってもよい。
また例えば、上記各実施の形態において、第2の取得部12は、光源部12aおよび撮像部12bを備えていたが、光源部12aおよび撮像部12bを備えなくてもよい。例えば、物体内部推定装置の外部に設けられた光源が散乱体に光を照射してもよい。また例えば、第2の取得部12は、物体内部推定装置の外部に設けられたカメラで撮影された観測画像をネットワークあるいは記録媒体等を介して取得してもよい。
また例えば、上記各実施の形態において、観測画像は、散乱体内を透過する光を撮像したものであったが、散乱体内で反射する光を撮像したものであっても構わない。
また例えば、上記各実施の形態では、第2の光強度分布が画像である場合について説明したが、第2の光強度分布は画像でなくてもよい。つまり、第2の光強度分布は、所定面上で観測された、散乱体から出射した光の強度分布を示すデータであれば、どのようなデータであってもよい。
また例えば、上記各実施の形態では、各投票領域に投票された投票値の和を投票結果として利用していたが、例えば、投票値の統計的な代表値(平均値、最大値あるいは最小値など)を投票結果として利用してもよい。適切な代表値を用いることで、投票回数のばらつきによる推定精度の低下を抑制することができる。
また例えば、上記各実施の形態において、散乱体の断面ごとに光吸収物体の推定処理が行われていたが、必ずしも断面毎に推定処理を行う必要はない。例えば、推定処理は、3次元で行われてもよい。この場合、複数の2次元断層画像を統合しなくても、散乱体の内部の3次元画像を得ることができる。つまり、物体内部推定装置は、統合部を備えなくてもよい。
また、上記各実施の形態における物体内部推定装置が備える構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。例えば、物体内部推定装置は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、投票値算出部13と、投票部14と、推定部15とを有するシステムLSIから構成されてもよい。
システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
また、本発明は、このような物体内部推定装置として実現することができるだけでなく、物体内部推定装置に含まれる特徴的な構成要素をステップとする物体内部推定方法として実現することもできる。また、物体内部推定方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなコンピュータプログラムを、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
また、上記各実施の形態における一部の処理をサーバ(クラウド)が行い、残りの処理を物体内部推定装置が行うという実施の形態でもよい。例えば、物体内部推定装置は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、推定部15のみを備え、投票値算出部13と、投票部14と、統合部16は、サーバが備える形態等も考えられる。これに限らず、物体内部推定装置が処理量の小さい構成要素のみを備えるようにすれば、処理の効率化が図れる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の物体内部推定装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、第1の物体の内部を推定する物体内部推定方法であって、前記第1の物体とは異なる第2の物体が前記第1の物体内に含まれていないと仮定した場合における、(i)光が前記第1の物体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルと、(ii)前記複数の光路モデルに沿って前記第1の物体内を伝搬して前記第1の物体から出射した仮想的な光の所定面上における強度を示す第1の光強度分布とを取得する第1の取得ステップと、前記第1の物体に入射してから出射した光の強度分布であって前記所定面上において観測された光の強度分布である第2の光強度分布を取得する第2の取得ステップと、前記所定面上の位置ごとに、前記第1の光強度分布および前記第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、前記第1の物体内に前記第2の物体が存在する確率を示す投票値を算出する投票値算出ステップと、前記第1の物体の内部を複数の投票領域に仮想的に分割し、前記所定面上の位置ごとに、当該位置に到達する光の光路モデル上の投票領域に対して当該位置の前記投票値を投票する投票ステップと、投票結果に基づいて、前記複数の投票領域の各々に前記第2の物体が存在するか否かを推定する推定ステップとを含む物体内部推定方法を実行させる。
本発明は、第1の物体内に含まれる第2の物体を正確に推定することができる物体内部推定装置、および、その装置を備える計測機器、監視カメラ、デジタルカメラなどの撮像装置として有用である。
10、20 物体内部推定装置
11 第1の取得部
12 第2の取得部
12a 光源部
12b 撮像部
13 投票値算出部
14 投票部
15 推定部
16 統合部
21 補正部

Claims (11)

  1. 第1の物体の内部を推定する物体内部推定装置であって、
    前記第1の物体とは異なる第2の物体が前記第1の物体内に含まれていないと仮定した場合における、(i)光が前記第1の物体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルと、(ii)前記複数の光路モデルに沿って前記第1の物体内を伝搬して前記第1の物体から出射した仮想的な光の所定面上における強度を示す第1の光強度分布とを取得する第1の取得部と、
    前記第1の物体に入射してから出射した光の強度分布であって前記所定面上において観測された光の強度分布である第2の光強度分布を取得する第2の取得部と、
    前記所定面上の位置ごとに、前記第1の光強度分布および前記第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、前記第1の物体内に前記第2の物体が存在しない非存在確率を示す投票値を算出する投票値算出部と、
    前記第1の物体の内部を複数の投票領域に仮想的に分割し、前記所定面上の位置ごとに、当該位置に到達する光の光路モデル上の投票領域に対して当該位置の前記投票値を投票する投票部と、
    前記複数の投票領域の各々に対して、前記投票部で得られた投票結果が閾値より小さい場合に、前記第2の物体が存在すると推定する推定部とを備える
    物体内部推定装置。
  2. 前記物体内部推定装置は、さらに、
    前記複数の投票領域に対する投票回数のばらつきに基づいて、前記投票結果を補正する補正部を備え、
    前記推定部は、前記複数の投票領域の各々に対して、前記補正部で得られた補正された前記投票結果が閾値より小さい場合に、前記第2の物体が存在すると推定する
    請求項1に記載の物体内部推定装置。
  3. 前記複数の投票領域は、前記第1の物体の断面上の複数の領域であり、
    前記推定部は、複数の断面の各々について、前記複数の投票領域の各々に対して、前記投票結果が閾値より小さい場合に、前記第2の物体が存在すると推定することにより、複数の2次元断層画像を生成し、
    前記物体内部推定装置は、さらに、
    前記複数の2次元断層画像を統合することにより、前記第1の物体内の3次元ボリュームデータを生成する統合部を備える
    請求項1または2に記載の物体内部推定装置。
  4. 前記第2の取得部は、
    可視光または近赤外光を前記第1の物体に照射する光源部と、
    前記第1の物体に入射してから出射した光を撮像することにより、前記第2の光強度分布を示す観測画像を取得する撮像部とを備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の物体内部推定装置。
  5. 前記第1の取得部は、前記複数の光路モデルを、モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションによって導出する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の物体内部推定装置。
  6. 前記第1の取得部は、シミュレーション結果と観測結果との誤差を粗密探索によって削減することにより、前記モンテカルロ・レイトレーシング・シミュレーションで用いるパラメータを導出する
    請求項5に記載の物体内部推定装置。
  7. 前記第1の取得部は、前記第1の物体に互いに異なる方向から入射する複数の光の各々について、前記複数の光路モデルと前記第1の光強度分布とを取得し、
    前記第2の取得部は、前記複数の光の各々について前記第2の光強度分布を取得し、
    前記投票値算出部は、前記複数の光の各々について前記投票値を算出し、
    前記投票部は、前記複数の光の各々について前記投票値を投票する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の物体内部推定装置。
  8. 前記物体内部推定装置は、さらに、
    前記複数の投票領域の各々の位置に基づいて前記投票結果を補正する補正部を備え、
    前記推定部は、補正された前記投票結果に基づいて、前記複数の投票領域の各々に前記第2の物体が存在するか否かを推定する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の物体内部推定装置。
  9. 前記複数の投票領域は、第1の投票領域と、前記第1の投票領域よりも前記第1の物体の中心に近い第2の投票領域とを含み、
    前記補正部は、前記第1の投票領域における前記第2の物体の非存在確率が前記第2の投票領域よりも相対的に低下するように前記投票結果を補正する
    請求項8に記載の物体内部推定装置。
  10. 第1の物体の内部を推定する物体内部推定方法であって、
    前記第1の物体とは異なる第2の物体が前記第1の物体内に含まれていないと仮定した場合における、(i)光が前記第1の物体に入射してから出射するまでの間にとる複数の経路を表す複数の光路モデルと、(ii)前記複数の光路モデルに沿って前記第1の物体内を伝搬して前記第1の物体から出射した仮想的な光の所定面上における強度を示す第1の光強度分布とを取得する第1の取得ステップと、
    前記第1の物体に入射してから出射した光の強度分布であって前記所定面上において観測された光の強度分布である第2の光強度分布を取得する第2の取得ステップと、
    前記所定面上の位置ごとに、前記第1の光強度分布および前記第2の光強度分布間における光の強度の比較結果に基づいて、前記第1の物体内に前記第2の物体が存在しない非存在確率を示す投票値を算出する投票値算出ステップと、
    前記第1の物体の内部を複数の投票領域に仮想的に分割し、前記所定面上の位置ごとに、当該位置に到達する光の光路モデル上の投票領域に対して当該位置の前記投票値を投票する投票ステップと、
    前記複数の投票領域の各々に対して、前記投票ステップで得られた投票結果が閾値より小さい場合に、前記第2の物体が存在すると推定する推定ステップとを含む
    物体内部推定方法。
  11. 請求項10に記載の物体内部推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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