JP6210542B2 - 電力貯蔵装置 - Google Patents

電力貯蔵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6210542B2
JP6210542B2 JP2013205337A JP2013205337A JP6210542B2 JP 6210542 B2 JP6210542 B2 JP 6210542B2 JP 2013205337 A JP2013205337 A JP 2013205337A JP 2013205337 A JP2013205337 A JP 2013205337A JP 6210542 B2 JP6210542 B2 JP 6210542B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
measurement
secondary battery
unit
secondary batteries
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013205337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015068783A (ja
Inventor
克弥 温井
克弥 温井
康弘 有馬
康弘 有馬
大介 渡部
大介 渡部
浩稔 久保山
浩稔 久保山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2013205337A priority Critical patent/JP6210542B2/ja
Publication of JP2015068783A publication Critical patent/JP2015068783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6210542B2 publication Critical patent/JP6210542B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、電力貯蔵装置に関するものである。
特許文献1には、系統電力を直流電力に変換して鉛蓄電池を充電し、鉛蓄電池に蓄積された電力を交流電力に変換して負荷に供給する電力貯蔵装置に関する技術が開示されている。
特開2007−215262号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、鉛蓄電池の構成の詳細については開示されていないが、このような目的のために使用される鉛蓄電池としては、複数の鉛蓄電池が直列接続されて構成されるものが少なくない。このように直列接続された鉛蓄電池を使用する場合、全ての鉛蓄電池が同時に劣化または故障するのではなく、劣化または故障の進行にばらつきが生じる場合があった。より具体的には、図19の左側に示すように、10個の鉛蓄電池14−1〜14−10が直列接続されている場合において、図19の中央に示すように鉛蓄電池14−3のみが故障してしまう場合がある。あるいは、図19の右側に示すように鉛蓄電池14−7の劣化が最も早く進み、鉛蓄電池14−4がその次に劣化が進む場合がある。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、個々の鉛蓄電池の状態を監視することができない。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、直列接続された複数の二次電池を構成する個々の二次電池の状態を検出することが可能な電力貯蔵装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の二次電池が直列接続されて構成される二次電池群を系統電力からの交流電力を直流電力に変換して充電し、前記二次電池群に充電された直流電力を交流電力に変換して前記系統電力に放電する電力貯蔵装置において、前記二次電池群が有する1または複数の二次電池に対して1つずつ設けられ、これら1または複数の二次電池のそれぞれの端子電圧を測定する測定手段と、前記測定手段へ測定タイミングを送信する測定タイミング送信手段と、前記測定手段によって測定された端子電圧の値に基づいて、前記1または複数の二次電池のそれぞれの劣化状態を判定する判定手段と、を有し、前記測定タイミング送信手段は、測定を実行する全ての測定手段が同じタイミングで測定を行うように、測定手段に対して測定開始のタイミングを通知するとともに、各測定手段によって得られた端子電圧の値に基づいて前記1または複数の二次電池のそれぞれの劣化状態を判定し、前記判定手段は、充電後において前記測定手段によって測定される端子電圧の経時変化に基づいて前記1または複数の二次電池の劣化状態をそれぞれ判定するとともに、前記二次電池群の充放電履歴を参照し、測定開始直前の一定期間における充電量が放電量を所定量上回る場合に、前記端子電圧の経時変化に基づいて前記1または複数の二次電池の劣化状態をそれぞれ判定する、ことを特徴とする電力貯蔵装置。
このような構成によれば、直列接続された複数の二次電池を構成する個々の二次電池の劣化状態を検出することが可能となる。
また、本発明は、前記判定手段は、前記二次電池群を、充電可能容量の85%以上充電した後に、前記端子電圧の経時変化に基づいて前記1または複数の二次電池の状態をそれぞれ判定することを特徴とする。
このような構成によれば、直前の放電による測定に対する影響をより確実に軽減することで、二次電池の状態を正確に判定することができる。また、過充電への耐性が高い鉛蓄電池の場合には、SOC=100%相当の充電量を超えて、さらに継続して充電を行うことで、二次電池間のSOCの不均衡を是正することができるとともに、鉛蓄電池の極板上の硫酸鉛を減少させ、現状の電池の劣化因子を低減し、電池における回復不能な劣化状態をより正確に推定することが可能になる。
また、本発明は、前記系統電力の交流電力を直流電力に変換して前記二次電池群を充電するとともに、前記二次電池群の直流電力を交流電力に変換して前記系統電力に放電する電力変換手段と、前記電力変換手段と前記二次電池群との間に配置され、これらの間における電力の授受を断続するための断続手段と、を有し、前記判定手段は、前記測定手段によって前記1または複数の二次電池を測定する際には、前記断続手段を遮断することで前記電力変換手段と前記二次電池群との間における電力の授受を停止する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、充電を停止するタイミングを正確に制御することができることから、二次電池の劣化状態を正確に判定することができる。
また、本発明は、前記測定手段と前記測定タイミング送信手段とは通信線によって接続され、前記測定タイミング送信手段は、多点同時通信によって前記測定手段に対して測定タイミングを送信することを特徴とする。
本発明によれば、直列接続された複数の二次電池を構成する個々の二次電池の状態を検出することが可能な電力貯蔵装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電力貯蔵装置の構成例を示す図である。 図1に示す制御部の構成例を示す図である。 図1に示す演算部の構成例を示す図である。 図1に示すセンサ部の構成例を示す図である。 UPSと本実施形態の動作の差異を説明するための図である。 UPSと本実施形態の動作の差異を説明するための図である。 OCVの変化を説明するための図である。 OCVの変化を説明するための図である。 充放電履歴とOCVの変化の関係を説明するための図である。 充電とOCVの変化の関係および放電とOCVの変化の関係を説明するための図である。 直前に充電と放電がなされた場合のOCVの変化を説明するための図である。 複数の二次電池のOCVの変化を説明するための図である。 二次電池の種類によるSOCと電池電圧の関係を示す図である。 第1実施形態の動作を説明するための図である。 第1実施形態の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の演算部の動作を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態のセンサ部の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る電力貯蔵装置の構成例を示す図である。 複数の二次電池が直列接続された場合の劣化の進行状況を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力貯蔵装置の構成例を示す図である。この図に示すように、電力貯蔵装置10は、電力変換部11、制御部12、演算部13、および、二次電池群14を有し、系統電力30および負荷50に接続される。電力貯蔵装置10は、系統電力30から供給される交流電力を直流電力に変換して二次電池群14を充電し、二次電池群14に蓄積された直流電力を必要に応じて交流電力に変換して負荷50に供給する。これにより、例えば、負荷50の消費電力が少なく、また、電力料金が安価な夜間に二次電池群14を充電し、消費電力が多く、また、電力料金が高価な昼間に二次電池群14に蓄積された電力を交流電力に変換して負荷50に供給することにより、電力消費を平準化するとともに、電力料金を抑制することきができる。また、電力消費のピークを抑制することにより、電力消費を契約電力内に抑えることができる。
ここで、電力変換部11は、例えば、双方向インバータによって構成され、制御部12の制御に応じて、系統電力30から供給される交流電力を直流電力に変換して二次電池群14を充電するとともに、二次電池群14に蓄積されている直流電力を系統電力30と同じ電圧、周波数、および、位相の交流電力に変換して負荷50に供給する。
制御部12は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、計時部124、通信部125、提示部126、および、バス127を主要な構成要素とし、ROM122に格納されているプログラムに基づいて装置の各部を制御する。ここで、CPU121は、ROM122に格納されているプログラムを実行することにより、装置の各部を制御する。ROM122は、CPU121が実行するプログラムやデータを格納している。RAM123は、CPU121が実行するプログラムやデータを一時的に格納する。計時部124は、月、日、曜日、および、時刻等の情報を生成して出力する。通信部125は、電力変換部11および演算部13との間で情報を授受する。提示部126は、例えば、液晶ディスプレイ等によって構成され、様々な情報を視認可能な情報に変換して使用者(または、管理者もしくは運用者(以下、単に「使用者」と称する))に提示する。バス127は、CPU121、ROM122、RAM123、計時部124、通信部125、および、提示部126を相互に接続し、これらの間でデータの授受を可能とする。
演算部13は、二次電池群14に設けられたセンサ部15−1〜15−nと通信線16によって接続され、制御部12から測定の開始が指示された場合には、センサ部15−1〜15−nに対して測定開始信号を送信するとともに、測定開始信号によって測定されたデータを受信し、二次電池群14を構成する各二次電池14−1〜14−nの状態を演算処理によって求め、制御部12に通知する。図3は、演算部13の構成例を示している。この図3に示すように、演算部13は、CPU131、ROM132、RAM133、計時部134、通信部135、および、バス136を有している。CPU131、ROM132、RAM133は、前述したCPU121、ROM122、および、RAM123と同様の機能を有する。計時部134は、時刻情報を生成して出力する。通信部135は、通信線16を介してセンサ部15−1〜15−nと接続されるとともに、制御部12と接続され、これらとの間で情報を授受する。
二次電池群14は、複数の二次電池14−1〜14−nが直列接続されて構成される。なお、二次電池14−1〜14−nは、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、または、NAS(ナトリウム・硫黄)電池等によって構成される。なお、二次電池14−1〜14−nのそれぞれについては単一の二次電池によって構成されてもよいし、複数の二次電池が並列接続されて構成されるようにしてもよい。二次電池14−1〜14−nは、系統電力30の電圧および電力変換部11の昇圧率等に応じて、必要な個数が決まる。例えば、系統電力30の電圧が200Vである場合であって昇圧率が1であり、鉛蓄電池(端子電圧約2V)を使用する場合には140(≒200×1.41/2)個程度の二次電池が接続されて構成される。これらの二次電池14−1〜14−nは、例えば、棚状のラックに収容されて通信線16によって演算部13と接続されるが、二次電池14−1〜14−nのそれぞれのサイズも大きく、また、個数も多いので、棚状のラックは非常に大きな規模となる。
センサ部15−1〜15−nは、二次電池14−1〜14−nのそれぞれに隣接して設けられ、演算部13からの指示に応じて二次電池14−1〜14−nの電圧および温度を測定し、測定によって得られた情報を、通信線16を介して演算部13に供給する。図4は、センサ部15−1〜15−nの詳細な構成例を示している。なお、センサ部15−1〜15−nは同様の構成とされているので、これらをセンサ部15として説明する。センサ部15は、図4に示すように、CPU151、ROM152、RAM153、計時部154、通信部155、A/D(Analog to Digital)変換部156、バス157、電圧センサ158、および、温度センサ159を有している。ここで、CPU151、ROM152、および、RAM153は前述したCPU121、ROM122、および、RAM123と同様の機能を有する。計時部154は、時刻情報を生成して出力する。通信部155は、演算部13と通信線16によって接続され、これとの間で情報を授受する。A/D変換部156は、CPU151の制御に基づいて電圧センサ158および温度センサ159から出力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力する。電圧センサ158は、二次電池14−1〜14−nの端子電圧を検出して出力する。温度センサ159は、二次電池14−1〜14−n自体の温度、例えば、二次電池の正極の温度またはその周辺温度を検出して出力する。
(B)本発明の第1実施形態の動作の説明
つぎに、第1実施形態の動作について説明する。なお、以下では、UPS(Uninterruptible Power Supply)との動作を比較し、複数の二次電池を直列接続する場合の問題点を説明した後、本発明の第1実施形態の動作について説明する。
図5は、UPSと第1実施形態の動作を比較するための図である。図5の左側はUPSにおける二次電池の運用状況を示し、右側は第1実施形態における二次電池群14の運用状況を示している。UPSでは、二次電池は、SOC(State of Charge)が100%に近い状況で維持されており、停電が発生した場合には「UPS動作時のみ使用する領域」で運用がなされる。一方、第1実施形態では、SOCの0%〜20%の範囲が放電用マージンとして設定され、また、90%〜100%の範囲が充電用マージンとして設定され、20%〜90%の範囲が使用領域として設定される。すなわち、UPSでは、停電発生時以外には二次電池は放電されないためにSOCが100%に近い状態に維持されるが、第1実施形態では充電および放電が繰り返されることから、SOCが20%〜90%の範囲で使用される。
図6は、UPSの二次電池の電圧、電流、SOC、および、ΔSOCの時間的な変化を示す図である。図6の左側に示すようにUPSでは、電圧、電流、および、SOCは時間的にほとんど変化しない。このため、SOCの時間的な変化を示すΔSOCは時間的にほとんど変化しない。一方、第1実施形態では、充放電が繰り返されることから、図の上から2番目に示すように、二次電池群14には充放電電流が流れ、それに応じて図の上から1番目に示すように二次電池群14の端子電圧は変化し、また、SOCも20%〜90%の間で変化する。このため、図の1番下に示すように、ΔSOCも時間的に変化することになる。
つぎに、OCV(Open Circuit Voltage)の経時変化について説明する。図7は、二次電池群14を構成する二次電池14−1〜14−nが鉛蓄電池である場合の充電後のOCVの経時変化を示す図である。また、OCVの経時変化を示す図の下に記載されている図は二次電池内部のイオン分布を示している。この図に示すように、充電が停止されると、まず、導体抵抗分の電圧降下が支配的に生じる。つぎに、反応速度の速い極板付近でおこる電気化学反応が支配的に進行し、極板近傍でのイオンの濃度が低下を始めることから、導体抵抗分の電圧降下よりも少し緩やかな傾きで電圧が減少する。その後、遅い現象である電解液全体のイオン濃度が拡散などにより、均質化するので、緩やかな傾きで電圧が減少する。そして、充電停止から十数時間が経過すると、それぞれの反応が収束し、安定した状態になるため、OCVはそれぞれの反応が収束した結果として、全体での単位時間における電圧降下量が微小になり、安定電圧(二次電池の内部電位)と等しくなることから、数分間隔での電圧測定では、電圧測定値が一定になる。このように、鉛蓄電池は、OCVの変化が非常に緩やかに進行するが、これは鉛蓄電池の電解液である硫酸に含まれる硫酸イオンの拡散が1×10−5[cm/sec]程度であり、1cm拡散するのに約1日を要するためである。なお、鉛蓄電池以外の二次電池の候補の1つとして、リチウムイオン電池が挙げられる。リチウムイオン電池の反応速度や電解液のイオン拡散速度は鉛蓄電池より速いため、OCV測定中の電池電圧が安定するまでの時間が短くなり、1時間程度を要する。
このように、二次電池14−1〜14−nのOCVの変化は反応速度の速い反応と、緩やかに進行する反応が同時に進行するため、二次電池の14−1〜14−nの状態を正確に得るためには、反応速度に応じて個別に評価することを必要とする。そこで、本願発明者は、図8に示すように、OCVの電圧変化が速い領域(F_fast)と、遅い領域(F_slow)において電圧をサンプリングし、これらの領域のデータから電池状態を推定する(例えば、特許4702859号やWO2012/066643号)。このような方法によれば、電池の反応速度因子ごとに、電池の状態量を推定することが可能になる。
ところで、図9(A)に示すように、OCVを測定する直前の状態が充電優位の状態である場合には、図7および図8に示すような標準的な電圧変化を示すが、図9(B)に示すように、放電優位の状態の場合には標準的な電圧変化とは異なるイレギュラな電圧変化を生じる場合がある。これについて簡単に説明すると、充電後と放電後のOCVの経時変化(OCV(t))は、図10のようになる。すなわち、充電後には図の上に示すように下に凸形状を有する充電後電圧曲線を示し、放電後には図の下に示すように上に凸形状を有する放電後電圧曲線を示す。なお、図10では、図面を簡略化するために、充電後と放電後の電圧変化曲線は略同じとしているが、実際にはこれらは異なる曲線を有している。
図11に示すように、OCVを測定する直前の状態が充電であっても、それよりも前に放電の状態が存在する場合には、電圧変化には放電の影響も反映されることから、なだらかな変化ではなく、図11に示すように局部的な凹部が生じる変化となる。したがって、正確な安定電圧を測定するためには、直前の充放電状態のみならず、それよりも一定期間前の充放電状態についても留意する必要がある。
また、第1実施形態では、二次電池群14は、複数の二次電池14−1〜14−nが直列接続されて構成されているので、例えば、5つの二次電池1〜5が直列接続されている場合、各二次電池の電圧変化は、図12に示すように、異なる特性を示す。より詳細には、図12では二次電池3が最も劣化が進んでおり、二次電池5がつぎに劣化が進んでおり、二次電池1,2,4が続いて劣化が進んだ状態となっている。このように複数の二次電池の電圧変化を測定して状態を推定する場合、複数の二次電池の測定タイミングを同期する必要がある。例えば、測定開始タイミングが二次電池間で異なる場合、ある二次電池では測定開始タイミングが図12に示すt1である一方で、他の二次電池では測定開始タイミングがt2(t2>t1)である場合が生じる。そのような場合には、測定開始時の電圧が異なることから、正確な電圧を推測できなくなってしまう。特に、充電停止直後の電圧変化は急激であることから、少しの時間的なずれが大きな誤差を生じてしまう。そこで、第1実施形態では、測定開始タイミングが二次電池14−1〜14−nの間で同期するように制御を行うとともに、サンプリングタイミングも同期するように制御がなされる。
つぎに、第1実施形態の動作について説明する。以下では、動作の概略について説明した後に、図15〜図17のフローチャートを参照して詳細な動作について説明する。まず、概略動作について説明する。二次電池群14の劣化を判定する場合、まず、制御部12は、演算部13に対して二次電池群14の測定を行うように要求する。なお、この要求は、制御部12のRAM123に対して、測定予定日時を装置の使用者が予め入力しておき、CPU121が計時部124と、RAM123に記憶された測定予定日時とが一致した場合に要求を行うようにすることができる。また、予め設定するのではなく、測定を行うと使用者が判断し、図示しない操作部を操作することにより、要求を行うようにしてもよい。
制御部12のCPU121は、まず、電力変換部11に対して、充電を行うように指示する。電力変換部11は、系統電力30からの交流電力を直流電力に変換し、二次電池群14に供給して充電する。なお、電力変換部11は、例えば、二次電池群14に供給される電流を累積加算することで、二次電池群14を構成する二次電池14−1〜14−nのSOCを検出し、例えば、SOCが85%以上になるまで充電を行う。ここで、SOCが85%以上になるまで充電を行う理由について説明する。図13は、二次電池の充電容量(SOC)と、電池電圧との関係を電池の種類毎に示している。曲線C1は、Ni,Co系リチウムイオン電池の特性を示し、曲線C2はリン酸系鉄系リチウムイオン電池の特性を示し、曲線C3は鉛蓄電池の特性を示している。これらの曲線C1〜C3に示すように、どの曲線も85%を超えると、電圧の上昇量が増え、充電量に対して充電電圧が急激に増える(曲線の傾きが急に大きくなる)。この領域では、電池の不可逆反応が発生することから、二次電池の寿命も短縮する。このため、一般的には、85%以上を判断の基準値とすることが望ましい。
なお、例えば、二次電池14−1〜14−nが鉛蓄電池の場合、85%以上の具体的な数字としては、例えば、100%とすることができる。また、鉛蓄電池の場合、SOCが100%に到達後、さらにΔSOCで5%相当の充電処理を継続して実行することが望ましい。また、リチウムイオン電池の場合には、SOCが80〜100%の予め設定された値(具体的には前述した85%)になるように充電処理を実行する。このような動作により、OCV測定直前の状態を充電優位の状態にすることで、図9(B)に示すように、イレギュラな電圧変化が生じることを防止できる。また、過充電への耐性が高い鉛蓄電池の場合には、SOC=100%相当の充電量を超えて、さらに継続して充電を行うことで、二次電池間のSOCの不均衡を是正することができるとともに、鉛蓄電池の極板上の硫酸鉛を減少させ、現状の電池の劣化因子を低減し、電池における回復不能な劣化状態をより正確に推定することが可能になる。
より具体的な充電方法としては、二次電池の充電時における充放電可能容量の増加と充電時電圧の増加の関係において、充電可能容量の増量に対して充電時電圧の増加量の増加傾向が現れるまで充電を実施する。例えば、二次電池群14が鉛蓄電池の場合には、1セル当たり2.4Vまで定電流(Constant Current)で充電し、該当電圧に到達した後は、定電圧(Constant Voltage)充電に切り換えて充電を継続し、充電電流が0.02CA程度まで減少するか、5時間が経過するか、あるいは、定電圧充電に切り換えた後の電流積算値(電流×時間)が定格容量[Ah]の5%相当になった時点で充電を停止する。なお、これ以外にも、例えば、定電流充電中の充電電流を多段階で変更するようにしても良い。
また、例えば、燐酸鉄系のリチウムイオン電池を満充電にするための条件としては、例えば、Cレート換算で0.3〜1.0CA相当の電流で3.6Vまで定電流充電を実施し、3.6Vに到達後は定電圧充電を0.05CAになるまで実施することとすることができる。但し、これは満充電を行うための充電制御の一例であり、この満充電条件に限定されるものではない。なお、Cレートは、1時間で全容量が放電される放電電流に相当する。
電力変換部11による充電が完了すると、制御部12は、電力変換部11に対して充電終了を指示するとともに、演算部13に対して測定開始を指示する。この結果、電力変換部11から二次電池群14への電力の供給が停止される。また、演算部13のCPU131は、制御部12から充電終了の指示を受信した場合には、計時部134の出力信号を参照し、一定の時間が経過したか否かを判定する。そして、充電終了から一定の時間が経過し、測定開始タイミングになった場合には、通信線16を介してすべてのセンサ部15−1〜15−nに対して測定開始信号を同時に送信する。なお、測定開始信号を同時に送信する方法としては、例えば、多点同時通信によって送信することができる。
センサ部15−1〜15−nのCPU151は、通信部155を介して測定開始信号を受信する。CPU151は、測定開始信号を受信すると、サンプリングタイミングになったか否かを判定し、サンプリングタイミングになった場合には、A/D変換部156に対して、A/D変換を行うように指示する。なお、サンプリングタイミングか否かを判定する方法としては、例えば、測定開始信号を受信してから所定の時間が経過した場合にサンプリングタイミングであると判定したり、あるいは、演算部13が所定の時刻を測定開始時刻としてこれをセンサ部15−1〜15−nに一斉に通知し、CPU151が、計時部154が出力する時刻が、受信した測定開始時刻と一致した場合に、サンプリングタイミングと判定したりしてもよい。あるいは、測定開始信号の代わりに、同期信号を定期的に送信し、この同期信号によって動作の同期を図るようにしてもよい。
センサ部15−1〜15−nは、演算部13からの測定開始信号に基づいて二次電池14−1〜14−nの端子電圧および温度を電圧センサ158および温度センサ159によって測定し、A/D変換部156によってA/D変換した後、RAM153に測定データとして格納する。同様の動作は、センサ部15−1〜15−nの全てにおいて実行される。このようにして、測定された端子電圧および温度のデータは、センサ部15−1〜15−n毎に演算部13に送信される。全てのデータの転送が終了すると、演算部13は、サンプリング周期に対応する所定の期間待機した後、再度、測定開始信号を全てのセンサ部15−1〜15−nに送信する。図14は、演算部13と15−1〜15−nの動作を説明するための図である。図14では、タイミングt1において演算部13から全てのセンサ部15−1〜15−nに対して測定開始信号が送信される。そして、この測定開始信号を受信したセンサ部15−1〜15−nは、タイミングt2で同期して二次電池14−1〜14−nのそれぞれの端子電圧および温度をサンプリングする。そして、サンプリングによって測定されたデータは、センサ部15−1〜15−nの順に演算部13に対して送信される。同様の処理は、タイミングt3,t4およびタイミングt5,t6でも繰り返される。なお、測定開始信号が送信される周期は、例えば、τとされるが、測定開始信号が送信されてから一定のタイミングの後に測定が開始されるため、この周期τはサンプリング周期となる。
以上の動作は、所定の時間繰り返し実行される。そして、必要なデータが得られると、演算部13は、センサ部15−1〜15−nに対して要求を行う処理を終了する。つぎに、演算部13は、得られたデータを参照し、二次電池14−1〜14−nのそれぞれの電圧変化に基づいて、二次電池14−1〜14−nの劣化状態を推定する。なお、劣化状態を推定する方法としては、例えば、電圧の経時変化の基準電圧からの変化量(ΔV(t))を予め反応速度ごとに作成された参照関数を元に、反応速度成分の参照合成関数をΔV(t)に対してフィッティングを行い、合成関数を構成する成分となるフィッティング関数と、予め作成された反応速度ごとの参照関数と比較して評価することにより、電池の状態を推定する。このとき、反応速度ごとの複数の領域毎に電圧の積分値を求め、この積分値に基づいて状態を推定したりしても良い。なお、二次電池14−1〜14−nの特性は温度によって変化することから、温度によって推定結果を補正するようにしてもよい。
つぎに、演算部13は、二次電池14−1〜14−nの推定された劣化状態を制御部12に送信する。制御部12は、受信した劣化状態に基づいて、二次電池14−1〜14−nの劣化状態を提示部126に提示する。このようにして提示された情報を確認することで、使用者は、二次電池14−1〜14−nのそれぞれの状態を知ることができるとともに、交換が必要な二次電池が存在するか否かについても知ることができる。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態によれば、直列接続された複数の二次電池14−1〜14−nに対してセンサ部15−1〜15−nを設け、演算部13から送信される測定開始信号に基づいて端子電圧および温度を測定し、測定されたデータに基づいて二次電池14−1〜14−nの状態を推定するようにしたので、複数の二次電池の状態を確実に推定することができる。
また、複数のセンサ部15−1〜15−nが、演算部13からの測定開始信号に同期して、二次電池14−1〜14−nの端子電圧および温度を測定するようにしたので、全ての二次電池14−1〜14−nが同じタイミングで測定される。これにより、全ての二次電池14−1〜14−nを同じ条件で測定することができることから、状態を正確に比較することができる。また、センサ部15−1〜15−nから演算部13に対して、測定したデータを逐次送信するようにしたので、通信部135,155の通信能力があまり高くないものを使用することができる。
つぎに、図15〜図17を参照して、第1実施形態の詳細な動作について説明する。まず、図15は、制御部12において実行される処理の流れを説明するための図である。この図15の処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、制御部12のCPU121は、メンテナンス計画を設定する。具体的には、使用者からの指示に基づいて、メンテナンスを実行する日時情報の入力を受け、入力された日時情報をRAM123に格納する。なお、メンテナンスを実行する日時としては、例えば、電力貯蔵装置10が使用されていない日時(例えば、日曜日の12:00等)に設定される。
ステップS11では、制御部12のCPU121は、設定された日時になったか否かを判定し、設定した日時になったと判定した場合(ステップS11:Yes)にはステップS12に進み、それ以外の場合(ステップS11:No)には同様の処理を繰り返す。より詳細には、CPU121は、計時部124から供給される現在の日時情報と、RAM123に記憶されている日時情報を比較し、これらが同じになった場合には設定した日時になったと判定してステップS12に進む。
ステップS12では、制御部12のCPU121は、電力変換部11に制御信号を送り、充電処理を実行させる。この結果、電力変換部11は、系統電力30から供給される交流電力を直流電力に変換し、二次電池群14を構成する二次電池14−1〜14−nを充電する。なお、充電の方法としては、一定期間は電流一定(CC:Constant Current)充電を行い、続いて、電圧一定(CV:Constant Voltage)充電を行うことができる。これは充電方法の一例であり、充電電流を多段階に設定して充電を実施しても良い。また、充電停止条件として、SOC=100%相当からの電流積算値の増分量で決定しても良いし、低電圧充電中の充電時間や電流値を、閾値を元に決定してもよい。
ステップS13では、制御部12のCPU121は、二次電池14−1〜14−nが満充電の状態になったか否かを判定し、満充電の状態になった場合(ステップS13:Yes)にはステップS14に進み、それ以外の場合(ステップS13:No)には、ステップS12に戻って同様の処理を繰り返す。なお、満充電の基準としては、一般的には、SOCが85%以上と定義することができ、また、個別的には、例えば、二次電池14−1〜14−nが鉛蓄電池の場合には、電池の使用可能総容量をSOC100%に換算したとき、SOCの105%となるように充電を実行する。また、リチウムイオン電池の場合には、電池の使用可能総容量に対して、80〜100%の予め設定した値(例えば、85%)となるように充電を実行する。なお、使用可能総容量とは、新品の電池である場合には、使用可能総容量と電池の定格容量が等しいが、劣化が進むと、使用可能容量が低下し、新品定格容量と変化するため、電池の使用可能総容量の変化に応じて、満充電相当の充電量を変えることが望ましい。
ステップS14では、制御部12のCPU121は、電力変換部11に対して動作を停止させるための電力変換部停止信号を出力する。これにより、電力変換部11は、二次電池14−1〜14−nに対する充電処理を終了するとともに、一定期間その動作を停止する。
ステップS15では、制御部12のCPU121は、演算部13に対して測定開始を要求する。この結果、演算部13では、後述する図16の処理が実行される。
ステップS16では、制御部12のCPU121は、演算部13による測定が終了したか否かを判定し、測定が終了したと判定した場合(ステップS16:Yes)にはステップS17に進み、それ以外の場合(ステップS16:No)には同様の処理を繰り返す。例えば、演算部13からの通知によって、測定が終了したことが判明した場合には、Yesと判定してステップS17の処理に進む。
ステップS17では、制御部12のCPU121は、演算部13から二次電池14−1〜14−nの状態の判定結果を受信する。より詳細には、演算部13は、後述する処理によって二次電池14−1〜14−nの劣化状態を判定するので、制御部12のCPU121は、この劣化状態を判定結果として受信する。
ステップS18では、制御部12のCPU121は、交換対象となる二次電池が存在するか否かを判定し、交換対象となる二次電池が存在すると判定した場合(ステップS18:Yes)にはステップS19に進み、それ以外の場合(ステップS18:No)には処理を終了する。より詳細には、ステップS17で受信した判定結果を参照し、劣化状態が所定の閾値を超えていると判定される二次電池が存在する場合にはステップS19に進む。
ステップS18では、制御部12のCPU121は、交換対象となる二次電池を提示部126に提示する。より詳細には、二次電池14−1〜14−nの中で、交換対象となる二次電池が存在する場合には、その二次電池に付与された識別番号、および、設置場所を示す情報を提示部126に提示する。これにより、使用者は、交換の必要がある二次電池を特定することができる。
つぎに、図16を参照して、演算部13において実行される処理について説明する。図16の処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、演算部13のCPU131は、制御部12から測定開始が要求された否かを判定し、測定開始が要求された場合(ステップS30:Yes)にはステップS31に進み、それ以外の場合(ステップS30:No)には同様の処理を繰り返す。より詳細には、図15のステップS15の処理による要求を受信した場合にはステップS31に進む。
ステップS31では、演算部13のCPU131は、計時部134を参照し、測定開始タイミングになったか否かを判定し、測定開始タイミングになったと判定した場合(ステップS31:Yes)にはステップS32に進み、それ以外の場合(ステップS31:No)にはステップS32に進む。より詳細には、例えば、1回目の測定の場合には測定開始の要求を受信してから、予め定められている一定の時間が経過した場合には測定開始タイミングであるとしてステップS32に進み、2回目以降の測定の場合には前回の測定からサンプリング周期に対応する一定の時間(=τ)が経過したか否かを判定し、一定の時間が経過した場合には測定開始タイミングであるとしてステップS32に進む。なお、測定開始タイミングを時刻情報として保持し、時刻情報と計時部134が出力する時刻情報を比較し、これらが一致する場合に測定開始タイミングと判定するようにしてもよい。
ステップS32では、演算部13のCPU131は、全てのセンサ部15−1〜15−nに対して、通信線16を介して測定開始信号を送信する。なお、測定開始信号は、センサ部15−1〜15−nの全てに対して同時に受信される。
ステップS33では、演算部13のCPU131は、センサ部15−1〜15−nから測定結果のデータを受信する。より詳細には、センサ部15−1〜15−nは、予め定められた順番または測定が終了した順番に測定結果のデータを送信するので、演算部13は、要求を行ったセンサ部毎に測定結果のデータを受信する。
ステップS34では、演算部13のCPU131は、計時部134を参照して測定開始信号を送信してから所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS34:Yes)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS34:No)にはステップS35に進む。より詳細には、センサ部15−1〜15−nの全てから測定結果データを受信してない場合であっても、次の測定に間に合わない事態は回避しなくてはならないため、サンプリング周期τよりも短い所定の時間τ0(τ0<τ)が経過した場合にはステップS35に進む。
ステップS35では、演算部13のCPU131は、全てのセンサ部15−1〜15−nから測定結果データを受信したか否かを判定し、全てのセンサ部15−1〜15−nから測定結果データを受信したと判定した場合(ステップS35:Yes)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS35:No)にはステップS37に進む。
ステップS36では、演算部13のCPU131は、測定を終了するか否かを判定し、測定を終了すると判定した場合(ステップS36:Yes)にはステップS37に進み、それ以外の場合(ステップS35:No)にはステップS31に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。より詳細には、二次電池の状態を判定するための測定が全て終了した場合にはステップS37に進む。
ステップS37では、演算部13のCPU131は、上述した処理によってセンサ部15−1〜15−nから受信した、二次電池14−1〜14−nの端子電圧および温度の測定データに基づいて、二次電池14−1〜14−nのそれぞれの劣化状態を判定する処理を実行する。
ステップS37では、演算部13のCPU131は、ステップS37の処理によって得られた二次電池14−1〜14−nのそれぞれの劣化状態の判定結果を示す情報を制御部12に対して送信する。
つぎに、図17を参照して、センサ部15−1〜15−nにおいて実行される処理について説明する。なお、センサ部15−1〜15−nにおいて実行される処理は同様であるので、以下では、これらをセンサ部15として説明する。図17の処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS50では、センサ部15のCPU151は、測定開始信号を受信したか否かを判定し、測定開始信号を受信したと判定した場合(ステップS50:Yes)にはステップS51に進み、それ以外の場合(ステップS50:No)には同様の処理を繰り返す。より詳細には、図16に示すステップS32の処理によって送信された測定開始信号を受信した場合にはステップS51に進む。
ステップS51では、センサ部15のCPU151は、計時部154の出力を参照し、サンプリングタイミングになったか否かを判定し、サンプリングタイミングになったと判定した場合(ステップS51:Yes)にはステップS52に進み、それ以外の場合(ステップS51:No)には同様の処理を繰り返す。より詳細には、センサ部15−1〜15−nの全てにおいて同期して測定を行うために、例えば、測定開始信号を受信してから所定の時間が経過した場合にはサンプリングタイミングであると判定してステップS52に進むことができる。なお、これ以外にも、測定を開始する時刻を定めて演算部13からセンサ部15−1〜15−nに送信し、この定められた時刻になった場合にはサンプリングタイミングになったと判定してステップS52に進むことができる。
ステップS52では、センサ部15のCPU151は、電圧センサ158および温度センサ159の出力を取得する。なお、温度変化は端子電圧の変化に比較すると緩慢であるため、タイミングが若干ずれても、取得されるデータの誤差は少ない。このため、温度センサ159よりも、電圧センサ158の出力を優先して取得することができる。なお、取得された。結果のデータは、RAM153に保管される。
ステップS53では、センサ部15のCPU151は、計時部154の出力を参照し、測定結果データを送信する送信タイミングになったか否かを判定し、送信タイミングになったと判定した場合(ステップS52:Yes)にはステップS54に進み、それ以外の場合(ステップS52:No)には同様の処理を繰り返す。具体的には、例えば、センサ部15−1〜15−nの順番に送る場合には、測定開始信号を受信してから、センサ部毎に予め定められた一定の時間が経過した場合に、送信タイミングと判定することができる。
ステップS54では、センサ部15の通信部155は、測定結果データを、演算部13に対して送信する。より詳細には、センサ部15の通信部155は、演算部13の通信部135に対してデータの送信要求を行い、この要求が受け付けられた場合には、RAM153に格納されている測定結果データを取得し、通信線16を介して演算部13の通信部135に送信する。
ステップS55では、センサ部15のCPU151は、全ての測定が終了したか否かを判定し、終了していないと判定した場合(ステップS55:No)にはステップS50に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS52:Yes)には処理を終了する。なお、演算部13から測定の終了を示す信号を受信した場合に、全ての測定が終了したと判定するようにしてもよい。
以上の処理によれば、センサ部15−1〜15−nに対して同期して測定を実行させることが可能になるとともに、二次電池14−1〜14−nの劣化状態を個別に知ることが可能になる。
(C)本発明の第2実施形態の構成の説明
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。図18は、本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。なお、図18において、図1と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図18では、図1と比較すると、スイッチ20が追加されている。これ以外の構成は図1の場合と同様である。スイッチ20は、例えば、電磁式リレーや半導体スイッチによって構成され、電力変換部11と二次電池群14との間に挿入され、制御部12によって制御される。制御部12が、スイッチ20をオフの状態にすることで、二次電池群14を電力変換部11から所望のタイミングで切り離すことができる。
(D)動作本発明の第2実施形態の動作の説明
つぎに、第2実施形態の動作について説明する。第2実施形態では、通常の動作時には、制御部12は、スイッチ20をオンの状態にする。この結果、電力変換部11と二次電池群14とが接続され、これらの間で電力の授受が可能になる。一方、二次電池群14の劣化状態を判定する場合、制御部12は、図15のステップS14において、電力変換部11を停止する信号を出力した後、所望のタイミングで、スイッチ20をオフの状態に制御する。このような制御により、電力変換部11から二次電池群14に供給される充電電流を所望のタイミングでオフの状態にすることができる。より詳細には、電力変換部11に対して停止信号を送信した場合、電力変換部11では、停止するまでの間に、例えば、スイッチング用の半導体を保護するための処理等を実行するため、動作状態に応じた所定の時間が停止までに必要になる。このため、制御部12から電力変換部11に停止信号を送信してから、電力変換部11が実際に検出するまでには一定の時間を要し、この一定の時間は電力変換部11の動作状態や機種等によって異なる。しかしながら、スイッチ20をオフの状態にすることで、所望のタイミングで充電電流を遮断することが可能になる。
以上に説明したように、本発明の第2実施形態では、電力変換部11と二次電池群14の間にスイッチ20を設け、このスイッチ20を、制御部12によって制御するようにしたので、電力変換部11から二次電池群14に供給される充電電流を、所望のタイミングで遮断することが可能になる。これにより、測定の開始タイミングを正確に設定することができるため、例えば、充電電流の遮断から、所定時間経過後に、測定を開始する必要があるような場合に好適である。
(F)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、メンテナンス計画に基づいて、二次電池群14の劣化状態を検出するようにしたが、例えば、使用者からの直接の指示に基づいて実行したり、過去の動作状況に基づいて、充放電の発生頻度が低い時間帯を自動的に見つけて実行したりするようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、二次電池群14の状態を測定する前に、二次電池群14を満充電するようにしたが、例えば、二次電池群14のSOCが数%〜数十%増加するように制御してもよい。あるいは、測定直前の1〜数時間の充放電履歴が充電優位となるように充電制御するようにしてもよい。なお、充電を積極的に行うのではなく、測定直前の1〜数時間の充放電履歴が充電優位となるタイミングを検出して、そのタイミングで二次電池群14の状態を検出するようにしてもよい。充放電履歴が充電優位となったか否かの判定方法としては、測定直前の1〜数時間の充電量が、放電量を所定量上回ったか否かを判定することで実現できる。具体的には、例えば、シール式鉛蓄電池の場合、電解液の拡散に伴う電圧変化の要因が収束するのは少なくとも3時間程度必要であることから、過去3時間程度の充放電履歴をデータとして保存し、判断することが望ましい。例えば、リン酸鉄系リチウムイオン電池の場合、電解液の拡散に伴う電圧変化の要因が収束するために30分程度必要であるので、過去30分の充放電履歴をデータとして保存しておくことが望ましい。あるいは、特開2012−225740号公報に記載のあるような充放電履歴を判定する方法を用いて、現在の充放電履歴を判定しても良い。
また、以上の第2実施形態では、電力変換部11に停止信号を出力してからスイッチ20をオフの状態にするようにしたが、スイッチ20をオフの状態にした後に電力変換部11に停止信号を出力するようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、全てのセンサ部15−1〜15−nに対して一括して測定開始信号を送信するようにしたが、個別に測定開始信号を送信した後、同期して測定を行うようにしてもよい。例えば、センサ部15−1〜15−nに個別に、測定開始時刻を送信し、当該測定開始時刻になった場合に、同期して測定を開始してもよい。また、センサ部15−1〜15−nの全てが測定を行うのではなく、これらの一部が測定を行うようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、センサ部15−1〜15−nでは、1回の測定に対して電圧センサ158および温度センサ159の出力を1回取得するようにしたが、1回の測定に対して複数回出力を取得し、これら複数回の出力の平均値を求めて演算部13に送るようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、測定結果データは、予め定められた順番(センサ部15−1〜15−nの順番)で演算部13に送信するようにしたが、例えば、これ以外の順番で送信したり、あるいは、先着順で送信したりするようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、センサ部15−1〜15−nは、1回の測定毎に測定データを演算部13に送信するようにしたが、例えば、複数回分の測定データをまとめて送信するようにしてもよい。例えば、10回分の測定データをまとめて転送するようにしてもよい。その場合、センサ部15−1〜15−nの全てのデータを1回のサンプリング期間内に全て送信するのではなく、複数回のサンプリング期間に分散して送信することもできる。
また、以上の各実施形態では、1つの二次電池に対して1つのセンサ部を設けるようにしたが、複数の二次電池に対して1つのセンサ部を設けるようにしてもよい。例えば、直列接続された複数の二次電池に対して1つのセンサ部を設けることができる。あるいは、二次電池が複数並列接続されている場合には、これら並列接続された複数の二次電池に対して1つのセンサ部を設けることができる。また、複数の二次電池が並列接続されている場合には、これら複数の二次電池に対して1つのセンサ部を設けるとともに、任意の1つの二次電池を選択する手段(例えば、スイッチ)を設け、目的となる二次電池を選択してセンサ部を接続するようにしてもよい。このような構成によれば、並列接続された複数の二次電池のそれぞれの状態を検出することができる。
また、以上の各実施形態では、電源貯蔵装置10は、負荷50に対して電力を供給するようにしたが、負荷50を設けないで、系統電力30にのみ接続され、例えば、太陽光発電による系統電力への供給(例えば、売電)に使用するようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、演算部13が測定開始信号を送信するようにしたが、これ以外の部位が測定開始信号を送信するようにしてもよい。例えば、制御部12が測定開始信号を送信するようにしてもよい。
10 電力貯蔵装置
11 電力変換部
12 制御部
13 演算部
14 二次電池群
14−1〜14−n 二次電池
15−1〜15−n センサ部
16 通信線
30 系統電力
50 負荷

Claims (4)

  1. 複数の二次電池が直列接続されて構成される二次電池群を系統電力からの交流電力を直流電力に変換して充電し、前記二次電池群に充電された直流電力を交流電力に変換して前記系統電力に放電する電力貯蔵装置において、
    前記二次電池群が有する1または複数の二次電池に対して1つずつ設けられ、これら1または複数の二次電池のそれぞれの端子電圧を測定する測定手段と、
    前記測定手段へ測定タイミングを送信する測定タイミング送信手段と、
    前記測定手段によって測定された端子電圧の値に基づいて、前記1または複数の二次電池のそれぞれの劣化状態を判定する判定手段と、を有し、
    前記測定タイミング送信手段は、測定を実行する全ての測定手段が同じタイミングで測定を行うように、測定手段に対して測定開始のタイミングを通知するとともに、各測定手段によって得られた端子電圧の値に基づいて前記1または複数の二次電池のそれぞれの劣化状態を判定し、
    前記判定手段は、充電後において前記測定手段によって測定される端子電圧の経時変化に基づいて前記1または複数の二次電池の劣化状態をそれぞれ判定するとともに、前記二次電池群の充放電履歴を参照し、測定開始直前の一定期間における充電量が放電量を所定量上回る場合に、前記端子電圧の経時変化に基づいて前記1または複数の二次電池の劣化状態をそれぞれ判定する、
    ことを特徴とする電力貯蔵装置。
  2. 前記判定手段は、前記二次電池群を、充電可能容量の85%以上充電した後に、前記端子電圧の経時変化に基づいて前記1または複数の二次電池の劣化状態をそれぞれ判定することを特徴とする請求項1に記載の電力貯蔵装置。
  3. 前記系統電力の交流電力を直流電力に変換して前記二次電池群を充電するとともに、前記二次電池群の直流電力を交流電力に変換して前記系統電力に放電する電力変換手段と、
    前記電力変換手段と前記二次電池群との間に配置され、これらの間における電力の授受を断続するための断続手段と、を有し、
    前記判定手段は、前記測定手段によって前記1または複数の二次電池を測定する際には、前記断続手段を遮断することで前記電力変換手段と前記二次電池群との間における電力の授受を停止する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力貯蔵装置。
  4. 前記測定手段と前記測定タイミング送信手段とは通信線によって接続され、前記測定タイミング送信手段は、多点同時通信によって前記測定手段に対して測定タイミングを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力貯蔵装置。
JP2013205337A 2013-09-30 2013-09-30 電力貯蔵装置 Active JP6210542B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205337A JP6210542B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 電力貯蔵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205337A JP6210542B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 電力貯蔵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015068783A JP2015068783A (ja) 2015-04-13
JP6210542B2 true JP6210542B2 (ja) 2017-10-11

Family

ID=52835568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013205337A Active JP6210542B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 電力貯蔵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6210542B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7189937B2 (ja) * 2018-03-26 2022-12-14 古河電気工業株式会社 蓄電システム、センサモジュール、および蓄電システムの制御方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3319148B2 (ja) * 1994-05-17 2002-08-26 株式会社デンソー 組電池の劣化電池検出装置
JP3196612B2 (ja) * 1995-11-16 2001-08-06 松下電器産業株式会社 組電池の監視装置
JP4076211B2 (ja) * 2002-06-26 2008-04-16 トヨタ自動車株式会社 二次電池の内部抵抗検出装置及びこれを使用する充電制御システム
JP4818808B2 (ja) * 2006-05-19 2011-11-16 富士電機株式会社 組電池状態測定装置、組電池劣化判定方法および組電池劣化判定プログラム
JP2007309839A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Fuji Electric Systems Co Ltd 組電池状態測定装置、組電池劣化判定方法および組電池劣化判定プログラム
JP5065000B2 (ja) * 2007-12-28 2012-10-31 三洋電機株式会社 電圧測定装置及びこれを具えた組電池システム
DE102008043921A1 (de) * 2008-11-20 2010-05-27 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung für elektrische Zellenspannungsmessungen
JP2013039013A (ja) * 2011-08-11 2013-02-21 Toshiba Corp 非常用電源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015068783A (ja) 2015-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6067619B2 (ja) バッテリーを備えた無停電電源装置のエネルギー貯蔵システム及びその運転方法
Schiffer et al. Model prediction for ranking lead-acid batteries according to expected lifetime in renewable energy systems and autonomous power-supply systems
US11067636B2 (en) Battery aging state calculation method and system
US9147909B2 (en) Battery management system and method for synchronizing voltage and current of battery
US10205335B2 (en) Storage battery management device, method, and computer program product
US9599675B2 (en) Apparatus for controlling battery pack, and energy storage system including the apparatus
WO2016051722A1 (ja) 蓄電装置、制御装置、蓄電システム、蓄電装置の制御方法および制御プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体
US9112371B2 (en) Refresh charging method for an assembled battery constituted from a plurality of lead-acid storage batteries and charging apparatus
US20140239900A1 (en) Lead storage battery system
US20190219639A1 (en) Electricity storage device, electricity storage system, and power supply system
KR20140051881A (ko) 배터리의 퇴화도를 이용한 배터리 관리 장치 및 배터리 관리 방법
US20180278064A1 (en) Storage battery management device, method, and computer program product
US10166881B2 (en) Charge-discharge controller
WO2018051866A1 (ja) 鉛蓄電池装置、鉛蓄電池の制御装置、鉛蓄電池の制御方法
CN112448434B (zh) 一种充电控制方法及充电控制装置
JP2013156202A (ja) 二次電池の残容量算出方法及びパック電池
EP2881749A1 (en) Control method and control device using same
WO2019135300A1 (ja) 蓄電装置、蓄電システム、電源システム、及び蓄電装置の制御方法
JP2013160582A (ja) 組電池システムおよび組電池システムの管理方法
US10283987B1 (en) Dynamic adjustment of capacity threshold for a battery unit
KR101530679B1 (ko) 배터리의 열화를 고려한 에너지 관리 장치 및 그 방법
KR20150084354A (ko) 배터리팩의 수명 추정 장치
JP2017060316A (ja) 電力管理システム及び電力管理方法
Wong et al. A new state-of-charge estimation method for valve regulated lead acid batteries
JP2015068784A (ja) 組電池の状態診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170907

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6210542

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350