JP6210446B2 - フロー型触媒反応装置 - Google Patents

フロー型触媒反応装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6210446B2
JP6210446B2 JP2013026034A JP2013026034A JP6210446B2 JP 6210446 B2 JP6210446 B2 JP 6210446B2 JP 2013026034 A JP2013026034 A JP 2013026034A JP 2013026034 A JP2013026034 A JP 2013026034A JP 6210446 B2 JP6210446 B2 JP 6210446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
reaction
tank
catalyst precursor
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013026034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013188741A (ja
Inventor
有澤 光弘
光弘 有澤
周東 智
智 周東
モハマド アルアミン
モハマド アルアミン
高橋 直行
直行 高橋
裕太 大木
裕太 大木
正寿 秋元
正寿 秋元
強士 為野
強士 為野
尚亨 星谷
尚亨 星谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido University NUC
Furuya Metal Co Ltd
Original Assignee
Hokkaido University NUC
Furuya Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido University NUC, Furuya Metal Co Ltd filed Critical Hokkaido University NUC
Priority to JP2013026034A priority Critical patent/JP6210446B2/ja
Publication of JP2013188741A publication Critical patent/JP2013188741A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6210446B2 publication Critical patent/JP6210446B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、触媒反応で反応生成物を得るためのフロー型触媒反応装置に関する。
有機金属触媒を用いる化学反応は、医薬品、農薬、有機EL(Electro Luminescence)、太陽電池、液晶、色素などの機能性分子の製造に広く用いられている。例えば、パラジウムクロスカップリング反応は、炭素と炭素、又は、炭素とヘテロ原子との間に新たな結合を確実、かつ、簡便に構築することが可能な実用的な反応である。
しかし、均一系有機金属触媒を用いる化学反応は、反応後の反応生成物中に微量(例えば、数百ppm)の金属が残存する。この残存金属は、人体に有害となる場合がある。また、残存金属は、生成物(機能性分子)の機能を低下させる問題がある。例えば、米国では医薬品中のPd残存量は5ppm以下とすることが法で定められている(例えば、非特許文献1を参照。)。また、環境調和型プロセス開発が近年求められているという視点から見ると、工業規模で有機金属触媒を使用する場合は、反応生成物に混入する残存金属の除去の問題だけでなく、使用する金属触媒の金属の有効利用及び回収、又は金属を含有する廃液の処理などが大きな問題となる。
これらの問題を解決する方法の一つは、不均一系有機金属触媒を用いる方法である。不均一系有機金属触媒は、例えば、有機金属錯体を担持固体に担持させた固体担持型有機金属触媒であり、その開発が進められている。固体担持型有機金属触媒として、担持固体に活性炭、樹脂又はポリマーを用いたものが開示されている(例えば、非特許文献2又は3を参照。)。しかし、これらを利用した固体担持型有機金属触媒(以降、従来の不均一系有機金属触媒という。)では、担持固体から微量(例えば、10ppm)の金属が漏洩してしまう。また、従来の不均一系有機金属触媒は、使用するにつれて触媒活性が低下する傾向にあるため、安定した触媒反応を行うことができないという問題があった。さらに、担持固体が樹脂又はポリマーであるため、原料又は反応生成物などが担持固体に吸着する場合があり、反応生成物を効率よく回収することができない問題があった。そこで、複数回(例えば、10回以上)使用しても高い触媒活性を維持し、かつ、反応生成物中の金属の漏洩量が僅少(例えば、1ppm以下)である不均一系有機金属触媒が望まれていた。
このような背景の下、本発明者らは、「半導体‐硫黄‐金属」の3成分構造を構築することで、より強固に触媒金属を担持させることを試みてきた。すなわち、半導体、金属、絶縁体などの基板表面を結合子となる硫黄で修飾し、その硫黄を利用して有機金属錯体を定着させることによって、より安定で、金属の漏洩が少なく、再利用可能な触媒活性を有することを見出した(例えば、特許文献1〜3を参照。)。特許文献1〜3に記載の不均一系有機金属触媒は、溝呂木‐Heck反応において、反応生成物中の金属の漏洩量が従来の不均一系有機金属触媒に比べて、僅少(例えば、280〜40ppb)である。さらに、本発明者らは、反応生成物中の金属の漏洩量を更に僅少(例えば、7〜1ppb)とすることができる硫黄修飾金担持型触媒前駆体の製造に成功した(例えば、特許文献4を参照。)。
特開2004‐130258号公報 特開2005‐270918号公報 特開2007‐54790号公報 WO2011−010610号公報
C.E.Carrett,K.Prasad,Adv.Synth.Catal. 346,889−900,(2004) N.T.S.Plan,M.Van Der Slyus,C.W.Jones,Adv.Synth.Catal,348,609,(2006) L.Yin,J.Liebsher,Chem.Rev.107,133, (2007)
特許文献1〜4には、不均一系有機金属触媒を用いて化学反応を行うことが開示されているが、いずれもバッチ法によるものであり、フロー法で行うことについては開示されていない。不均一系有機金属触媒を用いる化学反応を、生産性がより高いフロー法で行うことができる反応装置が望まれていた。
本発明の目的は、触媒前駆体から放出された触媒活性種を用いて触媒反応をフロー法で行うことができる反応装置を提供することである。
本発明において、「触媒前駆体」は、例えば、特許文献4に記載の硫黄修飾金担持型触媒前駆体のように、それ自体では全く活性を示さず、反応させる原料に接したときに初めて触媒活性種を放出する物質(以降、硫黄修飾金担持型触媒前駆体という。)に限らず、特許文献1〜3に記載の不均一系有機金属触媒のように「半導体‐硫黄‐金属」の3成分構造を有するものをはじめ、触媒活性種を放出する一般的な不均一系触媒(以降、準触媒前駆体という。)を包含する。以降、特に断らない限り、「触媒前駆体」は、「硫黄修飾金担持型触媒前駆体」及び「準触媒前駆体」を包含する意味である。
本発明者らは、触媒活性種を放出させる場所となる触媒放出槽と触媒反応を行う場所となる触媒反応槽とを分けることで、触媒前駆体の種類にかかわらず、触媒反応をフロー法で行うことができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るフロー型触媒反応装置は、少なくとも原料を含む溶液と触媒前駆体から放出させた触媒活性種とを触媒反応槽に連続的に供給し、該触媒反応槽内で、前記原料を前記触媒活性種によって触媒反応させて反応生成物を得て、該反応生成物を前記触媒反応槽から連続的に取り出すフロー型触媒反応装置であって、前記触媒前駆体を収容し、かつ、該触媒前駆体から触媒活性種を放出させる場所となる収容空間を有する触媒放出槽を有し、該触媒放出槽は、前記触媒反応槽の上流側に配置され、前記触媒放出槽にマイクロ波を照射する第1マイクロ波照射手段と、前記触媒反応槽にマイクロ波を照射する第2マイクロ波照射手段とを有し、前記触媒前駆体が、全体が金若しくは金を主成分とする金合金からなり、表面が硫黄元素で修飾されてなる構造体又は少なくとも表面が金若しくは金を主成分とする金合金からなり、表面が硫黄元素で修飾されてなる構造体と、該構造体に担持された触媒金属化合物とを有する触媒前駆体であり、かつ、光電子分光法の解析によって、前記触媒金属化合物に由来のピークのほか、硫黄としては硫黄1s軌道のピークが、ピークトップ位置で2470eV±2eVの範囲に見出せることを特徴とする。硫黄修飾金担持型触媒前駆体を用いて、触媒活性種を必要な分だけ放出することができ、かつ、触媒反応をより効率的に進行させることができる。第1マイクロ波照射手段及び第2マイクロ波照射手段によって、低活性な原料を用いた反応であっても、高い収率で反応生成物を得ることができる。また、反応時間を短縮することができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、溶媒に原料Aを存在させた溶液S1を供給する第1供給手段と、前記触媒活性種の存在下で、前記原料Aと反応を起こす原料Bを供給する第2供給手段と、をさらに有し、前記第1供給手段は、前記触媒放出槽に前記溶液S1を供給し、前記第2供給手段は、前記触媒反応槽に前記原料Bを供給することが好ましい。硫黄修飾金担持型触媒前駆体及び準触媒前駆体を用いた化学反応を進めることができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、第1マイクロ波照射手段がシングルモードのマイクロ波を照射することが好ましい。触媒前駆体の種類にかかわらず、触媒前駆体を短時間で放出させることができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、第2マイクロ波照射手段がマルチモードのマイクロ波を照射することが好ましい。低活性な原料を用いた反応であっても、更に高い収率で反応生成物を得ることができる。また、反応時間を短縮することができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、第2マイクロ波照射手段がシングルモードのマイクロ波を照射することが好ましい。マイクロ波を触媒反応槽に集中して照射することができるため、反応の再現性を向上することができる。また、装置の省電力化、簡素化及び小型化が可能となる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、前記触媒反応槽が、管型の反応器を有することが好ましい。反応時間が短くなる。また、第2マイクロ波照射手段がシングルモードのマイクロ波を照射するとき、マイクロ波をより効率的に照射することができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、前記触媒前駆体を収容するケースが、カートリッジとなっており、装置から着脱可能であることが好ましい。消耗した触媒前駆体の交換又は触媒前駆体の種類の変更を容易に行うことができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、前記原料を含む溶液の供給から前記反応生成物の取り出しまでの液の経路が密閉系であることが好ましい。装置の更なる簡素化及び小型化が可能となる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置は、前記触媒反応槽の下流に、背圧調整手段を更に有することが好ましい。密閉系の装置において、触媒反応槽内を高温高圧の状態にすることができ、反応を効率的に進めることができる。
本発明に係るフロー型触媒反応装置では、前記第1供給手段がポンプを有し、該ポンプが、前記触媒放出槽の下流側に配置されていることが好ましい。密閉系の装置において、触媒放出槽内が高圧状態になることを防止することができる。
本発明は、不均一系有機金属触媒又は硫黄修飾金担持型触媒前駆体から放出された触媒活性種を用いて触媒反応をフロー法で行うことができる反応装置を提供することができる。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置の一例を示す概略図である。 触媒前駆体の一例として、硫黄修飾金担持型触媒前駆体を示す模式図である。 触媒放出槽の一例を示す正面図である。 第1マイクロ波照射手段の一例を示す概略図である。 第2マイクロ波照射手段の一例を示す概略図である。 本実施形態に係るフロー型触媒反応装置であって、密閉系装置の一例を示す概略図である。 図6の装置の変形形態を示す概略図である。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
図1は、本実施形態に係るフロー型触媒反応装置の一例を示す概略図である。本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1は、少なくとも原料を含む溶液と触媒前駆体2から放出させた触媒活性種2aとを触媒反応槽20に連続的に供給し、触媒反応槽20内で、原料を触媒活性種2aによって触媒反応させて反応生成物を得て、反応生成物を触媒反応槽20から連続的に取り出すフロー型触媒反応装置であって、触媒前駆体2を収容し、かつ、触媒前駆体2から触媒活性種2aを放出させる場所となる収容空間を有する触媒放出槽10を有し、触媒放出槽10は、触媒反応槽20の上流側に配置される。
触媒前駆体2は、硫黄修飾金担持型触媒前駆体、準触媒前駆体を包含する。硫黄修飾金担持型触媒前駆体は、原料Aに接触して初めて触媒活性種2aを放出する。一方、準触媒前駆体は、原料Aのみならず溶媒に接触しても、触媒活性種2aを放出する。図1では便宜上、触媒活性種2aを図示したが、触媒活性種2aは溶媒に溶解又は分散している。
図2は、触媒前駆体の一例として、硫黄修飾金担持型触媒前駆体を示す模式図である。本実施形態に係るフロー型触媒反応装置では、触媒前駆体50が、全体が金(Au)若しくは金(Au)を主成分とする金合金からなり、表面が硫黄元素で修飾されてなる構造体51又は少なくとも表面が金(Au)若しくは金(Au)を主成分とする金合金からなり、表面が硫黄元素(S)で修飾されてなる構造体51と、構造体51に担持された触媒金属化合物(M)とを有する触媒前駆体であり、かつ、光電子分光法の解析によって、触媒金属化合物(M)に由来のピークのほか、硫黄(S)としては硫黄1s軌道のピークが、ピークトップ位置で2470eV±2eVの範囲に見出せることが好ましい。この硫黄修飾金担持型触媒前駆体50の触媒金属化合物(M)は、ただ加熱するだけでは反応液へと放出されず、(S)n‐Au上の触媒金属化合物(M)と反応できる原料Aが反応液中に存在する場合に、触媒前駆体50が極わずかの触媒金属化合物(M)を反応液へ放出する。この放出された触媒金属化合物(M)が、触媒活性種2aとなる。このような硫黄修飾金担持型触媒前駆体50は、特許文献4に記載の触媒前駆体であり、本明細書では詳細な説明を省略する。硫黄修飾金担持型触媒前駆体50を用いることで、触媒活性種2aを必要な分だけ放出することができ、かつ、触媒反応をより効率的に進行させることができる。さらに、反応生成物中に漏洩する金属量を僅少とすることができる。
触媒放出槽10は、触媒前駆体2を収容するケースを有する。触媒放出槽10の材質は、マイクロ波による発熱を防ぐため誘電特性の値が小さい材料であることが好ましく、例えば、PTFE(polytetrafluoroethylene)、PP(polypropylene)、ガラスである。触媒放出槽10は、触媒前駆体2を収容するケースが触媒放出槽10を兼ねる形態(以降、形態1という。)であるか、又は触媒前駆体2を収容するケースを触媒放出槽10とは別体として触媒放出槽10内に収容する形態(以降、形態2という。)であってもよい。
図3は、触媒放出槽の一例(形態2の一例)を示す正面図である。本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1では、触媒放出槽10が、触媒前駆体2を内部に収容するケースとしてカートリッジ43を収容することが好ましい。触媒放出槽10は、図3に示すように、本体部40と、底部41と、上蓋部42とを有することが好ましい。カートリッジ43は触媒放出槽10から着脱可能であることが好ましい。図3に示す触媒放出槽10では、カートリッジ43の着脱は、上蓋部42を外してカートリッジ43を取り出す。そうすることで、使用者が触媒前駆体2に触れることなく、カートリッジ43の交換を行うことができ、取り扱い性が向上する。カートリッジ43は、内部に収容空間43aを有し、例えば、円筒状である。カートリッジ43は、円筒の上部及び下部にそれぞれカートリッジ43内の収容空間43aに通じる空隙43b,43cを有し、液体がカートリッジ43内の収容空間43aを通り抜ける構造であることが好ましい。また、カートリッジ43は、触媒前駆体2を再利用できるよう開閉機構(不図示)を有することが好ましい。開閉機構(不図示)は、例えば、カートリッジ43を上下又は左右に分かれる割り型状としてヒンジで開閉する機構、カートリッジ43の上部又は下部に蓋を設け、蓋を開閉する機構である。触媒前駆体2の向きを常に同じにして、マイクロ波の照射条件が同じになるように、触媒前駆体2とカートリッジ43とを固定することが好ましい。触媒前駆体2をカートリッジ43に固定する方法は、例えば、カートリッジ43内の収容空間43aの内壁に設けた溝(不図示)に触媒前駆体2を係合する方法、カートリッジ43内の収容空間43aに固定した冶具(不図示)に触媒前駆体2を取付ける方法である。また、本体部40内の収容空間40aとカートリッジ43とを固定することが好ましい。カートリッジ43を本体部40内の収容空間40aに固定する方法は、例えば、本体部40内の収容空間40aの内壁に設けた突起(不図示)にカートリッジ43を係合させる方法である。本体部40内の収容空間40aの内壁とカートリッジ43とは、隙間が無いように密着させて取付けることが好ましい。これによって、触媒放出槽10に供給された液体がカートリッジ43内の収容空間43aを必ず通る構造となり、触媒前駆体2から触媒活性種2aをより効率的に放出させることができる。次に、図3に示す触媒放出槽10の形態の一例について、詳細に説明する。本体部40は、内部に収容空間40aを有し、例えば、円筒状である。底部41は、収容空間40a内に通じる注入口41aを有することが好ましい。注入口41aは、収容空間40a内に液体を供給するための入口である。上蓋部42は、収容空間40a内に通じる注出口42aとセンサ差込口42bとを有することが好ましい。注出口42aは、収容空間40a内の液体を取り出すための出口である。センサ差込口42bは、例えば、温度センサ15、液面センサ(不図示)などのセンサ類を収容空間40a内に挿し込むための入口である。温度センサ15は、マイクロ波の影響を受けない光ファイバ式温度センサであることが好ましい。また、温度センサ15は、非接触の赤外線型や紫外線型で触媒放出槽10の表面温度を測定し、収容空間40a内の液体の温度を間接的に測定する方法でもよい。液面センサ(不図示)は、非接触型で測定する方法であることが好ましい。注入口41aに配管L2を接続、注出口41bに配管L3を接続することで、液のフローが可能となる。
ここまで、触媒前駆体2を収容するケースがカートリッジ43となっているケースタイプのカートリッジについて説明してきたが、カートリッジは、種々の変形をすることができる。カートリッジの変形例としては、図示しないが、触媒前駆体2の周囲にフレームを取付けたフレームタイプのカートリッジ、触媒前駆体2を収容するケースが本体部40を兼ねている本体部兼用タイプのカートリッジである。フレームタイプのカートリッジは、形態1では、触媒放出槽10(ケース)内に直接収容する。また、形態2では、触媒前駆体2を収容するケースに収容した状態で、触媒放出槽10内に取付ける。カートリッジの着脱は、形態1及び形態2のいずれの場合も、ケースタイプのカートリッジ43と同様に上蓋部42から行うことができる。一方、本体部兼用タイプのカートリッジでは、底部41及び上蓋部42を外して本体部40(カートリッジ)を交換することができる。
触媒放出槽10は、攪拌手段(不図示)を有していてもよい。攪拌手段(不図示)は、特に制限はなく、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー、ボステックスミキサーである。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1は、触媒放出槽10内の液体及び触媒前駆体2を加熱するための加熱手段11を有することが好ましい。加熱手段11は、例えば、マイクロ波照射手段、ヒーター加熱手段である。このうち、マイクロ波照射手段であることがより好ましい(以降、触媒放出槽10にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段を第1マイクロ波照射手段という。)。第1マイクロ波照射手段の電磁界モードは、シングルモード又はマルチモードである。このうち、シングルモードであることがより好ましい。シングルモードとすることで、マイクロ波を触媒前駆体2に集中して照射することができるため、触媒活性種2aを短時間で再現性良く放出させることができる。結果として、短時間で再現性良く結果を得ることができる。
図4は、第1マイクロ波照射手段の一例を示す概略図である。この第1マイクロ波照射手段100は、シングルモードの加熱装置である。第1マイクロ波照射手段100は、例えばマグネトロンからなるマイクロ波発生部101と、マイクロ波発生部101で発生したマイクロ波を伝送する導波管102とを備える。導波管102は、触媒放出槽10を配置する照射部104と、照射部104の手前に設けたインピーダンス整合器103と、マイクロ波発生部101とは反対側の端部に設けた無反射終端器105と、マイクロ波発生部101及びインピーダンス整合器103の間に設けたパワーモニタ106aと、無反射終端器105及び照射部104の間に設けたパワーモニタ106bとを有する。マイクロ波発生部101で発生したマイクロ波は、導波管102を進行し、インピーダンス整合器103で共振長が調整された状態で照射部104に送られる。定在波の振幅が照射部104に配置した触媒放出槽10の位置で最大となるように調整する。このようにして、触媒放出槽10内の液体及び触媒前駆体2に、シングルモードのマイクロ波を照射することができる。照射部104に入るマイクロ波量をパワーモニタ106aで測定し、照射部104から出て来るマイクロ波量をパワーモニタ106bで測定することで、触媒前駆体2に照射され反応に要したマイクロ波量(反応電力)を算出することができる。シングルモードでは、照射部104に常に一定方向からマイクロ波が照射されるので、照射部104内における電磁界の強弱の位置が決まり、同じ電磁界で同じ強度で加熱することができる。結果としてロス無く加熱することができる。また、シングルモードでは、電磁界の弱い位置に配管部品や液体があっても加熱されにくいため、余計な熱が加わることがない。さらに、照射部104をコンパクトにできるので配管が短くて済み、構造もシンプルにできるため、カートリッジ43の交換が容易になる。
第1マイクロ波照射手段100のマイクロ波の周波数は、900Hz以上25GHz以下であることが好ましい。より好ましくは、2GHz以上3GHz以下である。また、出力は、0Wを超え1000W以下であることが好ましい。より好ましくは、50W以上600W以下である。本実施形態は、マイクロ波の周波数及び出力に制限されず、例示した以外の周波数又は出力であってもよい。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1は、図1に示すように、触媒放出槽10の上流側に調合部12a及びポンプ12bを有する供給手段12を備えることが好ましい。調合部12aは、触媒放出槽10へ供給するための液体を貯蔵する容器である。調合部12aは、配管L1を介してポンプ12bに接続される。ポンプ12bは、配管L2を介して触媒放出槽10(例えば、図3の注入口41a)に接続される。調合部12aは、攪拌手段(不図示)を有することが好ましい。攪拌手段(不図示)は、特に制限はなく、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー、ボステックスミキサーである。ポンプ12bは、例えば、セラミックポンプである。
触媒反応槽20は、原料を触媒活性種2aによって触媒反応させて反応生成物を得るための反応器を有する。反応器の材質は、マイクロ波による発熱を防ぐため誘電特性の値が小さい材料であることが好ましく、例えば、PTFE、PP、ガラスである。
触媒反応槽20は、攪拌手段(不図示)を備えることが好ましい。攪拌手段(不図示)は、特に制限はなく、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー、ボルテックスミキサーである。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1は、触媒反応槽20内の反応液を加熱するための加熱手段21を有することが好ましい。加熱手段21は、例えば、マイクロ波照射手段、ヒーター加熱手段である。このうち、マイクロ波照射手段であることがより好ましい(以降、触媒反応槽20にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段を第2マイクロ波照射手段という。)。第2マイクロ波照射手段の電磁界モードは、シングルモード又はマルチモードである。このうち、マルチモードであることがより好ましい。マルチモードとすることで、均一な照射により再現性を確保し易い。さらに、触媒活性種2aの活性を高めることができ、低活性な原料を用いた反応であっても、更に高い収率で反応生成物を得ることができる。反応時間を短縮することができる。
図5は、第2マイクロ波照射手段の一例を示す概略図である。この第2マイクロ波照射手段200は、マルチモードの加熱装置である。第2マイクロ波照射手段200は、例えばマグネトロンからなるマイクロ波発生部201と、マイクロ波発生部201で発生したマイクロ波を伝送する導波管202と、触媒反応槽20を配置するキャビティ204とを備える。マイクロ波発生部201で発生したマイクロ波は、導波管202を進行し、キャビティ204に送られ、キャビティ204の内壁で乱反射する。このとき、マイクロ波は、全方位から触媒反応槽20に照射される。マルチモードは、キャビティ204の内壁で乱反射したマイクロ波が原料を全体的に加熱するので反応を早めることができる。このように、第2マイクロ波照射手段200をマルチモードとすることで、短時間で再現性良く結果を得ることができる。また、マルチモードでは、キャビティ204内の電磁界は乱れているため、触媒反応槽20に用いる温度センサ25は熱電対などマイクロ波の影響を多少なりうけるものであっても、アースさえ取れば使用可能で、反応には影響ない。よって、光ファイバ式温度センサなどのマイクロ波の影響を受けないセンサ以外に熱電対などの比較的廉価なセンサを用いることができ、装置のコストを抑えることができる。
第2マイクロ波照射手段の電磁界モードは、シングルモードであってもよい。第2マイクロ波照射手段としてシングルモードのマイクロ波を照射することで、マイクロ波を触媒反応槽20に集中して照射することができる。その結果、反応の再現性を向上することができる。また、装置の省電力化、簡素化及び小型化が可能となる。シングルモードの加熱装置は、例えば、図4に示す装置である。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置では、触媒反応槽の反応器は、例えば、管型、フラスコ型(丸底型)である。より好ましくは、管型である。管型の反応器は、フラスコ型よりも単位体積あたりの表面積が大きいため、熱を放出しやすい。このため、反応液の温度を高くしすぎることなく、マイクロ波を多量に照射することができる。その結果、反応時間を短縮することができる。また、管型の反応器は、フラスコ型よりもマイクロ波を照射可能な面積が小さくなるが、内径が小さくマイクロ波エネルギー密度が減衰しづらいため、マイクロ波をより効率的に照射することができる。管型の反応器の内径は、特に制限はないが、例えば10〜20mmである。また、フラスコ型の反応器の最大内径は、特に制限はないが、例えば30〜80mmである。
反応器が管型であるとき、反応液は管型の反応器の下方から供給し、上方から取り出すことが好ましい。このようにすることで、反応器内を反応液で満たすことができる。
第2マイクロ波照射手段200のマイクロ波の周波数は、900Hz以上25GHz以下であることが好ましい。より好ましくは、2GHz以上3GHz以下である。また、出力は、0Wを超え1000W以下であることが好ましい。より好ましくは、50W以上600W以下である。本実施形態は、マイクロ波の周波数及び出力に制限されず、例示した以外の周波数又は出力であってもよい。
第2マイクロ波照射手段200のマイクロ波の周波数は、第2マイクロ波照射手段200がマルチモードのとき、2.45GHz以上24.125GHz以下であることがより好ましく、2.45GHzであることが更に好ましい。また、第2マイクロ波照射手段200のマイクロ波の周波数は、第2マイクロ波照射手段200がシングルモードのとき、2.45GHz以上24.125GHz以下であることがより好ましく、2.45GHzであることが更に好ましい。
触媒反応槽20内では、原料を触媒活性種2aによって触媒反応させて反応生成物を得る。反応生成物を連続的に取り出す方法は、例えば、蒸留、ポンプによる送液である。このうち、蒸留であることが好ましい。図1は、一例として蒸留である形態を示した。反応液を加熱すると、反応生成物が溶媒とともに蒸発して、配管L7を通って、冷却手段31に送られる。そこで、分離された反応生成物及び溶媒が液体となる。この液状の反応生成物及び溶媒は、配管L8を介してポンプ32に送られ、配管L9を介して回収容器33に回収される。このようにして、反応生成物と未反応の原料A及び原料Bとが分離される。冷却手段31は、例えば、冷却水循環装置31aからの冷却水が循環する水冷式の冷却器、冷却ファン(不図示)を用いた空冷式の冷却器である。なお、還流ラインL10を設けて、反応生成物の一部を還流液として触媒反応槽20に戻してもよい。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1は、触媒反応槽20の上流側に調合部22a及びポンプ22bを有する供給手段22と混合部24とを備えることが好ましい。調合部22aは、触媒反応槽20へ供給するための液体を貯蔵する容器である。ポンプ22bは、例えば、セラミックポンプである。混合部24は、触媒放出槽10から供給された触媒活性種2aを含む液体と調合部22aで調合した液体とを事前に混合して触媒反応槽20に供給するための容器である。調合部22aは、配管L4を介してポンプ22bに接続される。ポンプ22bは、配管L5を介して混合部24に接続される。一方、触媒放出槽10(例えば、図3の注出口42b)が、配管L3を介して混合部24に接続される。そして、混合部24は、配管L6を介して触媒反応槽20に接続される。調合部22a又は混合部24は、攪拌手段(不図示)を有することが好ましい。攪拌手段(不図示)は、特に制限はなく、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー、ボルテックスミキサーである。
次に、本実施形態に係るフロー型触媒反応装置1の使用方法及び動作について図1を参照して説明する。
(第1形態)
まず、第1形態として、触媒前駆体2が、硫黄修飾金担持型触媒前駆体又は準触媒前駆体である場合について説明する。
調合部12aは、溶媒に原料Aを存在させた溶液S1を貯蔵する。溶液S1は、調合部12a内で、溶媒と原料Aとを混合して調製するか、又は事前に調製したものを用いてもよい。溶媒は、例えば、N,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、トルエン、キシレン、メタノール、アセトニトリルである。原料Aは、例えば、炭化水素並びにそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体である。このうち、炭化水素のハロゲン化誘導体(ハロゲン化炭化水素化合物)であることが好ましい。
供給手段(第1供給手段)12は、触媒放出槽10に溶液S1を、所定の液面まで供給する。液面は、触媒前駆体2の全体が浸漬する高さ以上であることが好ましい。触媒放出槽10内の液面が所定の位置に達したところで、加熱手段11で触媒放出槽10を加熱する。加熱温度は、特に制限はないが、例えば、溶液S1の温度で70〜120℃である。硫黄修飾金担持型触媒前駆体は、原料Aと接触して触媒活性種2aを放出する。加熱手段として、第1マイクロ波照射手段100を用いることで、ヒーター加熱手段(不図示)を用いる場合と比較して短時間で昇温することができる。さらに、第1マイクロ波照射手段100としてシングルモードのマイクロ波を照射することで、マイクロ波を触媒前駆体2に集中して照射することができ、触媒活性種2aを短時間で放出させることができる。例えば、鈴木‐宮浦カップリングを行ったところ、触媒活性種2aを放出するのに要する時間が、ヒーター加熱手段では3時間であったのに対して、シングルモードの第1マイクロ波照射手段100では1時間に短縮できた。触媒活性種2aを含む溶液S1は、触媒放出槽10から取り出されて混合部24に送られる。
調合部22aは、原料Bを貯蔵する。原料Bが固体である場合には、溶媒に溶解した状態で貯蔵することが好ましい。溶媒は、溶液S1の溶媒と同じ種類又は溶液S1の溶媒と混合性を有するものであることが好ましい。また、溶媒は、水でも良い。原料Bは、原料Aと反応を起こす成分であり、例えば、ボロン酸誘導体、アミン化合物、不飽和炭化水素である。このうち、ボロン酸誘導体であることが好ましい。
供給手段(第2供給手段)22は、触媒反応槽20へ供給する前に、原料Bを混合部24へ供給することが好ましい。混合部24は、触媒放出槽10から供給された触媒活性種2aを含む溶液S1と調合部22aから供給された原料Bとを混合する。混合した反応液は、触媒反応槽20へ供給される。
触媒反応槽20を加熱手段21で加熱すると、原料Aと原料Bとが触媒活性種2aによって溶媒中で触媒反応が進行する。加熱温度は、特に制限はないが、例えば、反応液の温度で70〜120℃である。加熱手段として、第2マイクロ波照射手段200を用いることで、ヒーター加熱手段(不図示)を用いる場合と比較して短時間で昇温することができる。さらに、第2マイクロ波照射手段200としてマルチモードのマイクロ波を照射することで、原料が低活性であっても、更に高い収率で反応生成物を得ることができる。また、反応時間を短縮することができる。例えば、原料Aとして無置換臭化ベンゼンなどの不活性なハロゲン化アリールを用いて鈴木‐宮浦カップリングを収率99%で実行することができた。また、反応生成物を得るのに要する時間が、ヒーター加熱手段では9時間であったのに対して、マルチモードの第2マイクロ波照射手段200では1時間に短縮できた。反応生成物は、例えば、蒸留によって回収容器33に回収される。
触媒反応槽20へは、反応液が連続的に供給される。すなわち、触媒放出槽10から供給された触媒活性種2aを含む溶液S1と調合部22aから供給された原料Bとは、混合部24に連続的に供給され、混合された後、触媒反応槽20へ連続的に供給される。このように、一つの触媒前駆体2で複数の反応を連続的に繰り返し行うことができる。
(第2形態)
次に、第2形態として、触媒前駆体2が準触媒前駆体である場合について説明する。第2形態は、調合部12a,22aに貯蔵する成分が異なる以外は、第1形態と同様である。
触媒前駆体2が準触媒前駆体である場合は、調合部12aは、溶媒を貯蔵し、供給手段(第3供給手段)12は、触媒放出槽10に溶媒を、所定の液面まで供給する。準触媒前駆体は、溶媒に浸漬されると触媒活性種2aを放出する。
調合部22aは、原料Aと原料Bとを含む溶液S2を貯蔵する。溶液S2は、調合部22a内で、原料Aと原料Bと溶媒とを混合して調製するか、又は事前に調製したものを用いてもよい。供給手段(第4供給手段)22は、触媒反応槽20へ供給する前に、原料A及び原料B又は溶液S2を混合部24へ供給することが好ましい。または、不図示の形態として、原料Aの供給手段と原料Bの供給手段とをそれぞれ設け、原料A及び原料Bをそれぞれ混合部24へ供給してもよい。混合部24は、触媒放出槽10から供給された溶媒と調合部22aから供給された原料A及び原料Bとを事前に混合して反応液を調製する。反応液は、触媒反応槽20へ供給される。
図6は、本実施形態に係るフロー型触媒反応装置であって、密閉系装置の一例を示す概略図である。図6では、図1の反応装置1と共通する構成については共通の符号を付した。本実施形態に係るフロー型触媒反応装置500は、図6に示すように、原料を含む溶液の供給から反応生成物の取り出しまでの液の経路が密閉系であることが好ましい。図6では、還流ライン(図1のL10)をなくして、液の経路を密閉系としている。ここで、液の経路は、原料を含む溶液の供給から反応生成物の取り出しまでの間に液が通る部分であり、配管L1〜L9の他、例えば、触媒放出槽10、触媒反応槽520を含む。密閉系とすることで、例えば、図6に示すように、触媒反応槽520の上流に設けたポンプ12b又は22bによって液が送られるため、触媒反応槽520の下流に設けたポンプ(図1の符号32)を省略することができる。
本実施形態に係るフロー型触媒反応装置500は、図6に示すように、触媒反応槽520の下流に、背圧調整手段532を更に有することが好ましい。背圧調整手段532によって触媒反応槽520の下流で圧力を制御すれば、密閉系の装置であって、還流ラインがない場合であっても、触媒反応槽520内を高温高圧の状態にすることができ、反応を効率的に進めることができる。
図7は、図6の装置の変形形態を示す概略図である。本実施形態に係るフロー型触媒反応装置501では、図7に示すように、触媒放出槽10に液体を供給するためのポンプ(第1供給手段又は第3供給手段のポンプ)12bが、触媒放出槽10の下流側に配置されていることが好ましい。密閉系装置では、ポンプ12bと背圧調整手段532との間が高圧になるところ、触媒放出槽10に液体を供給するためのポンプ12bを触媒放出槽10の下流側に配置することで、触媒放出槽10がポンプ12bと背圧調整手段532との間から外れるため、触媒放出槽10の圧力が上昇することを抑制することができる。
図6及び図7に示す密閉系のフロー型触媒反応装置500,501では、第2マイクロ波照射手段521がシングルモードのマイクロ波を照射する形態を示したが、本発明はこれに限定されず、第2マイクロ波照射手段521がマルチモードのマイクロ波を照射してもよい。また、反応液を反応器の下方から供給し、上方から取り出す形態を示したが、本発明はこれに限定されず、反応液を反応器の上方から供給し、液面側から取り出す形態としてもよい。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
図1に示すフロー型触媒反応装置1を用いて、触媒反応を実施した。
(実施例1)
触媒放出槽10(容積2mL)に、触媒前駆体2(基板の寸法1cm×1cm)を収容した。触媒前駆体2は、硫黄修飾金担持型触媒前駆体であり、特許文献4の実施例1の硫黄修飾金担持型触媒前駆体(以降、パラジウム系触媒前駆体)を用いた。触媒放出槽10へ、原料Aとしてヨウ化ベンゼン(0.5mmol)と溶媒としてトルエン(2mL)とを含む溶液S1を供給した。触媒放出槽10の液面が、パラジウム系触媒前駆体の全体が浸漬する高さ以上となったところで、加熱手段11として第1マイクロ波照射手段(NMS‐1000、東京理化器械社製)を用いてシングルモードのマイクロ波を照射し(照射パワー200W)、溶液S1の温度が80℃となるように加熱した。触媒前駆体がパラジウム系触媒活性種2aを放出するのに要した時間は、60分間であった。次いで、パラジウムを含む溶液S1を混合部24に供給した。混合部24に、更に原料Bとして4‐クロロフェニルボロン酸(1.5等量)と炭酸カリウム(2当量)とニトロベンゼン(0.5等量)とのエタノール溶液(2mL)を供給して反応液を得た。反応液を触媒反応槽20に供給し、加熱手段21として第2マイクロ波照射手段(MWO 東京理化器械社製)を用いてマルチモードのマイクロ波を照射し(照射パワー500W)、反応液の温度が82℃となるように加熱した。反応生成物として4‐クロロビフェニルを得た。反応が完了するのに要した時間は60分間であった。また、収率は99%(内部標準物質ニトロベンゼンによるNMR収率)であった。反応スキームを反応式(化1)に示す。
(実施例2)
触媒放出槽10(容積2mL)に、触媒前駆体2(基板の寸法1cm×1cm)を収容した。触媒前駆体2は、実施例1で用いたパラジウム系触媒前駆体と同種のものを用いた。触媒放出槽10へ、原料Aとして臭化ベンゼン(0.5mmol)と溶媒としてジメチルホルムアミド(2mL)とを含む溶液S1を供給した。触媒放出槽10の液面が、パラジウム系触媒前駆体の全体が浸漬する高さ以上となったところで、加熱手段11として第1マイクロ波照射手段(NMS‐1000、東京理化器械社製)を用いてシングルモードのマイクロ波を照射し(照射パワー300W)、溶液S1の温度が95℃となるように加熱した。触媒前駆体がパラジウム系触媒活性種2aを放出するのに要した時間は、50分間であった。次いで、パラジウムを含む溶液S1を混合部24に供給した。混合部24に、更に原料Bとして4‐クロロフェニルボロン酸(1.5等量)と炭酸カリウム(2当量)とニトロベンゼン(0.5等量)とのトルエン(2mL)及び水(1mL)の混合溶液(2mL)を供給して反応液を得た。反応液を触媒反応槽20に供給し、加熱手段21として第2マイクロ波照射手段(MWO 東京理化器械社製)を用いてマルチモードのマイクロ波を照射し(照射パワー500W)、反応液の温度が102℃となるように加熱した。反応生成物として4‐クロロビフェニルを得た。反応が完了するのに要した時間は、60分間であった。また、収率は99%(内部標準物質ニトロベンゼンによるNMR収率)であった。反応スキームを反応式(化2)に示す。
参考例3)
実施例1において、加熱手段11及び加熱手段21としてヒーター加熱手段を用いた以外は実施例1と同様にして触媒反応を行った。触媒前駆体がパラジウム系触媒活性種2aを放出するのに要した時間は、3時間であり、反応が完了するのに要した時間は9時間であった。また、収率は99%(内部標準物質ニトロベンゼンによるNMR収率)であった。
(比較例1)
三口フラスコに触媒前駆体を収容した。触媒前駆体は、実施例1で用いたパラジウム系触媒前駆体と同種のものを用いた。三口フラスコへ原料Aとしてヨウ化ベンゼン(0.5mL)と溶媒としてトルエン(2mL)とを含む溶液S1と原料Bとして4‐クロロフェニルボロン酸(1.5等量)と炭酸カリウム(2当量)とニトロベンゼン(0.5等量)とのエタノール溶液(2mL)とをいれて反応液を得た。反応液をマイクロ波照射手段(MWO 東京理化器械社製)を用いてマルチモードのマイクロ波を照射し(照射パワー500W)、反応液の温度が82℃となるように加熱した。反応生成物として4‐クロロビフェニルを得た。反応が完了するのに要した時間は12時間であった。また、収率は99%(内部標準物質ニトロベンゼンによるNMR収率)であった。反応スキームを反応式(化3)に示す。
(比較例2)
三口フラスコに触媒前駆体を収容した。触媒前駆体は、実施例1で用いたパラジウム系触媒前駆体と同種のものを用いた。三口フラスコへ原料Aとして臭化ベンゼン(0.5mL)と溶媒としてジメチルホルムアミド(2mL)とを含む溶液S1と原料Bとして4‐クロロフェニルボロン酸(1.5等量)と炭酸カリウム(2当量)とニトロベンゼン(0.5等量)とのトルエン溶液(2mL)とをいれて反応液を得た。反応液をマイクロ波照射手段(MWO 東京理化器械社製)を用いてマルチモードのマイクロ波を照射し(照射パワー500W)、反応液の温度が102℃となるように加熱したが、反応生成物として4‐クロロビフェニルは得られなかった。
実施例1〜実施例2より、本発明に係るフロー型触媒反応装置は触媒前駆体が硫黄修飾金担持型触媒前駆体又は準触媒前駆体のいずれであっても、触媒反応をフロー法で行えることが確認できた。
実施例1と比較例1とを比較すると、本発明に係るフロー型触媒反応装置を用いることで、バッチ式で反応させる場合よりも、反応時間が短縮できたことが確認できた。実施例2と比較例2とを比較すると、バッチ式である比較例2では不活性の無置換臭化ベンゼンを反応させることができなかったのに対して、本発明に係るフロー型触媒反応装置を用いると、不活性の無置換臭化ベンゼンであっても高収率で反応を進めることができることが確認できた。
実施例1と参考例3とを比較すると、ヒーター加熱手段では反応時間が12時間であったのに対して、マイクロ波照射手段では反応時間が2時間に短縮できた。
実施例1〜実施例2は、いずれも反応生成物中のパラジウムの漏洩量は、1ppm以下であった。
(実施例4)
実施例1の反応を10回繰り返して実施し、各回の収率を確認した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例2の反応を10回繰り返して実施し、各回の収率を確認した。結果を表1に示す。
実施例4及び実施例5より、本発明に係るフロー型触媒反応装置は触媒前駆体が硫黄修飾金担持型触媒前駆体又は準触媒前駆体のいずれであっても、一つの触媒前駆体を用いて複数回の触媒反応を連続して高収率で行えることが確認できた。
(実施例6)
図6に示すフロー型触媒反応装置500において、第2マイクロ波照射手段521をマルチモードのマイクロ波に変更した装置を用いて触媒反応を実施した。触媒放出槽10(容積2mL)に、触媒前駆体2(基板の寸法1cm×1cm)を収容した。触媒前駆体2は、実施例1で用いたパラジウム系触媒前駆体と同種のものを用いた。触媒放出槽10へ、原料Aとして4‐ニトロ塩化ベンゼン(0.5mmol)と溶媒としてジメチルホルムアミド(2mL)とを含む溶液S1を供給した。触媒放出槽10の液面が、パラジウム系触媒前駆体の全体が浸漬する高さ以上となったところで、加熱手段11として第1マイクロ波照射手段(NMS‐1000、東京理化器械社製)を用いてシングルモードのマイクロ波を照射し(照射パワー400W)、溶液S1の温度が92℃となるように加熱した。触媒前駆体がパラジウム系触媒活性種2aを放出するのに要した時間は、2時間であった。次いで、パラジウムを含む溶液S1を混合部24に供給した。混合部24に、更に原料Bとして4‐メトキシフェニルボロン酸(1.5等量)と炭酸カリウム(2当量)とのトルエン(2mL)及び水(1mL)の混合溶液(2mL)を供給して反応液を得た。反応液を触媒反応槽520に供給し、加熱手段として第2マイクロ波照射手段(MWO 東京理化器械社製)を用いてマルチモードのマイクロ波を照射し(照射パワー500W)、反応液の温度が108℃となるように加熱した。反応生成物として4‐ニトロ‐4’‐メトキシビフェニルを得た。反応が完了するのに要した時間は、2.5時間であった。また、単離収率は92%(内部標準物質ニトロベンゼンによるNMR収率)であった。反応スキームを反応式(化4)に示す。
1 フロー型触媒反応装置
2 触媒前駆体
2a 触媒活性種
10 触媒放出槽
11 加熱手段
12 供給手段
12a 調合部
12b ポンプ
15 温度センサ
20 触媒反応槽
21 加熱手段
22 供給手段
22a 調合部
22b ポンプ
24 混合部
25 温度センサ
31 冷却手段
31a 冷却水循環装置
32 ポンプ
33 回収容器
40 本体部
40a 収容空間
41 底部
41a 注入口
42 上蓋部
42a 注出口
42b センサ差込口
43 カートリッジ
43a 収容空間
43b,43c 空隙
50 触媒前駆体
51 構造体
100 第1マイクロ波照射手段
101 マイクロ波発生部
102 導波管
103 インピーダンス整合器
104 照射部
105 無反射終端器
106a パワーモニタ
106b パワーモニタ
200 第2マイクロ波照射手段
201 マイクロ波発生部
202 導波管
204 キャビティ
500,501 フロー型触媒反応装置
520 触媒反応槽
521 第2マイクロ波照射手段
532 背圧調整手段
L1〜L9 配管
L10 還流ライン

Claims (10)

  1. 少なくとも原料を含む溶液と触媒前駆体から放出させた触媒活性種とを触媒反応槽に連続的に供給し、該触媒反応槽内で、前記原料を前記触媒活性種によって触媒反応させて反応生成物を得て、該反応生成物を前記触媒反応槽から連続的に取り出すフロー型触媒反応装置であって、
    前記触媒前駆体を収容し、かつ、該触媒前駆体から触媒活性種を放出させる場所となる収容空間を有する触媒放出槽を有し、該触媒放出槽は、前記触媒反応槽の上流側に配置され、
    前記触媒放出槽にマイクロ波を照射する第1マイクロ波照射手段と、前記触媒反応槽にマイクロ波を照射する第2マイクロ波照射手段とを有し、
    前記触媒前駆体が、全体が金若しくは金を主成分とする金合金からなり、表面が硫黄元素で修飾されてなる構造体又は少なくとも表面が金若しくは金を主成分とする金合金からなり、表面が硫黄元素で修飾されてなる構造体と、該構造体に担持された触媒金属化合物とを有する触媒前駆体であり、かつ、光電子分光法の解析によって、前記触媒金属化合物に由来のピークのほか、硫黄としては硫黄1s軌道のピークが、ピークトップ位置で2470eV±2eVの範囲に見出せることを特徴とするフロー型触媒反応装置。
  2. 溶媒に原料Aを存在させた溶液S1を供給する第1供給手段と、
    前記触媒活性種の存在下で、前記原料Aと反応を起こす原料Bを供給する第2供給手段と、をさらに有し、
    前記第1供給手段は、前記触媒放出槽に前記溶液S1を供給し、前記第2供給手段は、前記触媒反応槽に前記原料Bを供給することを特徴とする請求項1に記載のフロー型触媒反応装置。
  3. 第1マイクロ波照射手段がシングルモードのマイクロ波を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載のフロー型触媒反応装置。
  4. 第2マイクロ波照射手段がマルチモードのマイクロ波を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載のフロー型触媒反応装置。
  5. 第2マイクロ波照射手段がシングルモードのマイクロ波を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載のフロー型触媒反応装置。
  6. 前記触媒反応槽が、管型の反応器を有することを特徴とする請求項に記載のフロー型触媒反応装置。
  7. 前記触媒前駆体を収容するケースが、カートリッジとなっており、装置から着脱可能であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のフロー型触媒反応装置。
  8. 前記原料を含む溶液の供給から前記反応生成物の取り出しまでの液の経路が密閉系であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のフロー型触媒反応装置。
  9. 前記触媒反応槽の下流に、背圧調整手段を更に有することを特徴とする請求項に記載のフロー型触媒反応装置。
  10. 前記第1供給手段がポンプを有し、
    該ポンプが、前記触媒放出槽の下流側に配置されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のフロー型触媒反応装置。
JP2013026034A 2012-02-14 2013-02-13 フロー型触媒反応装置 Active JP6210446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013026034A JP6210446B2 (ja) 2012-02-14 2013-02-13 フロー型触媒反応装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012029091 2012-02-14
JP2012029091 2012-02-14
JP2013026034A JP6210446B2 (ja) 2012-02-14 2013-02-13 フロー型触媒反応装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013188741A JP2013188741A (ja) 2013-09-26
JP6210446B2 true JP6210446B2 (ja) 2017-10-11

Family

ID=49389576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013026034A Active JP6210446B2 (ja) 2012-02-14 2013-02-13 フロー型触媒反応装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6210446B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017200667A (ja) * 2014-09-17 2017-11-09 東京エレクトロン株式会社 排気処理装置、基板処理システム、及び、排気を処理する方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150927A (ja) * 1984-08-20 1986-03-13 Babcock Hitachi Kk 有機化合物合成装置
JPH1043606A (ja) * 1996-08-01 1998-02-17 Nippon Shokubai Co Ltd 触媒の供給方法および供給装置
US6989519B2 (en) * 2003-09-02 2006-01-24 Cem Corporation Controlled flow instrument for microwave assisted chemistry with high viscosity liquids and heterogeneous mixtures
JP2010259973A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Tokyo Electric Power Co Inc:The マイクロ波処理装置
CN102470357B (zh) * 2009-07-21 2014-12-10 国立大学法人北海道大学 催化剂前体、其制造方法、其使用方法以及使用其的反应器
JP2011104526A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Tokyo Electric Power Co Inc:The マイクロ波反応装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013188741A (ja) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Harper et al. A laser driven flow chemistry platform for scaling photochemical reactions with visible light
Niu et al. Visible light-induced direct α C–H functionalization of alcohols
Khalafi-Nezhad et al. Ruthenium-catalyzed synthesis of benzoxazoles using acceptorless dehydrogenative coupling reaction of primary alcohols with 2-aminophenol under heterogeneous conditions
Santoro et al. C–H functionalization reactions under flow conditions
Zhang et al. Dehydroxymethylation of alcohols enabled by cerium photocatalysis
Santoro et al. Biomass-derived solvents as effective media for cross-coupling reactions and C–H functionalization processes
Li et al. Palladium-catalyzed oxidative allylation of sulfoxonium ylides: regioselective synthesis of conjugated dienones
Huang et al. Chemo-and regioselective organo-photoredox catalyzed hydroformylation of styrenes via a radical pathway
Bartling et al. The photocatalyzed Aza-Henry reaction of N-aryltetrahydroisoquinolines: comprehensive mechanism, H•-versus H+-abstraction, and background reactions
Fürstner et al. Microwave-assisted synthesis of pinacol boronates from aryl chlorides catalyzed by a palladium/imidazolium salt system
Masuda et al. Light-driven carboxylation of o-alkylphenyl ketones with CO2
Ratnikov et al. Mechanistic investigation of oxidative Mannich reaction with tert-butyl hydroperoxide. The role of transition metal salt
Nicholls et al. Brønsted acid cocatalysis in copper (I)-photocatalyzed α-amino C–H bond functionalization
Lamani et al. Iodine-catalyzed amination of benzoxazoles: a metal-free route to 2-aminobenzoxazoles under mild conditions
Zhu et al. Palladium-catalyzed C–H arylation of (benzo) oxazoles or (benzo) thiazoles with aryltrimethylammonium triflates
Xu et al. Catalyst-free singlet oxygen-promoted decarboxylative amidation of α-keto acids with free amines
Micic et al. Radical carbonylation mediated by continuous-flow visible-light photocatalysis: access to 2, 3-dihydrobenzofurans
Morimoto et al. CO-Transfer carbonylation reactions. a catalytic Pauson− Khand-Type reaction of enynes with aldehydes as a source of carbon monoxide
Kumar et al. Direct C5-arylation reaction between imidazoles and aryl chlorides catalyzed by palladium complexes with phosphines and N-heterocyclic carbenes
Tromp et al. Multitechnique approach to reveal the mechanism of copper (II)-catalyzed arylation reactions
Godoy et al. Palladium catalysts with Sulfonate-functionalized-NHC ligands for Suzuki− Miyaura cross-coupling reactions in water
Wang et al. Copper (II)-catalyzed ortho-acyloxylation of the 2-arylpyridines sp2 C− H bonds with anhydrides, using O2 as terminal oxidant
Kobayashi et al. Dual-role catalysis by thiobenzoic acid in Cα–H arylation under photoirradiation
Zhang et al. Direct photocatalytic conversion of aldehydes to esters using supported gold nanoparticles under visible light irradiation at room temperature
Del Pozo et al. Pincer-type pyridine-based N-heterocyclic carbene amine Ru (II) complexes as efficient catalysts for hydrogen transfer reactions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6210446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250