JP6210258B1 - 動翼、これを備えているガスタービン、動翼の補修方法、及び動翼の製造方法 - Google Patents

動翼、これを備えているガスタービン、動翼の補修方法、及び動翼の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】動翼における最後縁側翼通路の内部と外部との間の圧力比を所定以上にする。【解決手段】動翼50aは、翼形を成す翼本体51mと、封止材80と、を備える。翼本体51mには、冷却空気が流れる複数の翼通路が形成されている。複数の翼通路は、キャンバーラインに沿った方向に並んでいる。複数の翼通路のうちで最も翼本体51mの後縁側に位置する最後縁側翼通路71fは、翼本体51mの先端面57で開口している先端出口73fを有する。封止材80は、最後縁側翼通路71f内で先端出口73fを含む領域に配置されている。封止材80には、翼高さ方向Dwhに貫通する調整通路81が形成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、動翼、これを備えたガスタービン、動翼の補修方法、及び動翼の製造方法に関する。
ガスタービンは、軸線を中心として回転するロータと、このロータを覆う車室と、を備える。ロータは、ロータ軸と、このロータ軸に取り付けられている複数の動翼とを有する。動翼は、翼形を成す翼体と、翼体の翼高さ方向の端部から翼高さ方向に対してほぼ垂直な方向に広がるプラットフォームと、プラットフォームから翼体と反対側に延びる軸取付部と、を有する。
ガスタービンの動翼は、高温の燃焼ガスに晒される。このため、動翼は、一般的に、空気等で冷却される。
例えば、以下の特許文献1に記載の動翼には、冷却空気が通る各種冷却通路が形成されている。具体的に、翼体及びプラットフォームには、内部を翼高さ方向に延びて、冷却空気が流れる複数の翼通路が形成されている。複数の翼通路は、翼体のキャンバーラインに沿った方向に並んでいる。複数の翼通路のうちで翼体の最も後縁側の最後縁側翼通路や、翼体の最も前縁側の最前縁側翼通路は、いずれも、翼体の先端面で開口している先端出口を有している。また、翼体には、最後縁側翼通路及び最前縁側翼通路から翼面に貫通する翼面噴出通路が形成されている。最後縁側翼通路及び最前縁側翼通路内を流れる冷却空気の一部は、翼面噴出通路を経て、高温の燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路中に流出する。また、最後縁側翼通路及び最前縁側翼通路内を流れる冷却空気の残りは、先端出口を経て、燃焼ガス流路中に流出する。
特開平08−254103号公報
翼通路内の冷却空気を燃焼ガス流路中に確実に流出させるためには、燃焼ガス流路内の圧力に対する翼通路内の圧力の圧力差、又は圧力比が所定以上ある必要がある。動翼に形成されている各通路の開口サイズは、動翼補修の際の通路手入れ等で、通路の内面が僅かに削られる関係上、補修毎に次第に大きくなる。このため、翼通路内の圧力と燃焼ガス流路との圧力差、又は圧力比は、補修毎に次第に低下する。
そこで、最前縁側翼通路に関しては、この最前縁側翼通路の先端出口を塞ぐように、貫通孔が形成されている封止板を先端面に溶接する方法が考えられる。この場合、最前縁側翼通路内の冷却空気は、先端出口の径よりも小さい孔径の貫通孔から燃焼ガス流路中に流出する。しかしながら、最縁後側翼通路の先端出口が形成されている位置での先端面の幅は、最前縁側翼通路の先端出口が形成されている位置での先端面の幅より狭いため、この最後縁側翼通路の先端出口を塞ぐように封止板を先端面に溶接することが難しい。
そこで、本発明は、最後縁側翼通路の内部と外部との間の圧力比を所定以上にすることができる、動翼、これを備えたガスタービン、動翼の補修方法、動翼の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための発明に係る一態様としての動翼は、
翼形を成す翼本体を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、前記封止材は、ろう材又は溶射金属で形成されている。
当該動翼では、最後縁側翼通路内で、この最後縁側翼通路の先端出口を含む領域が封止材で塞がれている。この封止材には、調整通路を形成されている。このため、当該動翼では、ガスタービンが駆動している限り、このガスタービンの運転状態に関わらず、当該動翼が配置されるガスタービンの燃焼ガス流路内の圧力に対する最後縁側翼通路内の圧力の圧力差、又は圧力比を所定以上にすることができる。
ところで、最後縁側翼通路の先端出口が形成されている位置での先端面の幅は、他の翼通路の先端出口が形成されている位置での先端面の幅より狭い。このため、この最後縁側翼通路の先端出を塞ぐように封止板を翼本体の先端面に溶接することが難しい。そこで、当該動翼では、封止板を先端面に溶接せず、最後縁側翼通路内で、この最後縁側翼通路の先端出口を含む領域に封止材を配置している。
前記目的を達成するための発明に係る他の態様としての動翼は、
翼形を成す翼本体を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、前記最後縁側翼通路を画定する前記翼本体の通路内面と、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側の縁との境が、前記調整通路の調整入口を成し、前記調整通路は、前記調整入口から前記先端側に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる部分を有する。
当該動翼の調整通路は、最後縁側翼通路を画定する翼本体の通路内面と封止材との境である調整入口から、先端側に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなっている。つまり、最後縁側翼通路を画定する翼本体の通路内面から封止材の調整通路にかけて、通路の内面が滑らである。このため、最後縁側翼通路を画定する翼本体の通路内面と封止材との境に応力集中することを避けることができる。最後縁側翼通路は、翼本体内で最も翼本体の後縁側に位置している。このため、この最後縁側翼通路が存在する位置での翼本体の翼幅は、他の翼通路が存在する位置での翼本体の翼幅よりも狭い。当該動翼では、以上のように、翼幅が狭い位置での応力集中を避けることができるので、翼本体の耐久性を高めることができる。
前記目的を達成するための発明に係るさらに他の態様としての動翼は、
翼形を成す翼本体を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、複数の前記翼通路のうちで前記最後縁側翼通路よりも前記翼本体の前縁側に位置する前縁側翼通路は、前記先端面で開口する前縁側先端出口を有し、さらに、前記前縁側翼通路の前記前縁側先端出口を塞ぐ封止板と、前記封止板を前記翼本体に接合する溶接部と、を備え、前記封止板には、前記翼高さ方向に貫通する調整孔が形成され、前記封止材は、前記翼本体に、溶接部がない状態で接合されている。
当該動翼では、ガスタービンが駆動している限り、このガスタービンの運転状態に関わらず、当該動翼が配置されるガスタービンの燃焼ガス流路内の圧力に対する前縁側翼通路内の圧力の圧力差、又は圧力比を所定以上にすることができる。また、当該動翼では、最後縁側翼通路の一部を塞ぐ封止材が、翼本体に溶接部がない状態で接合されている。このため、当該動翼の製造又は補修過程において、封止材を配置する際、翼本体中で翼幅が狭い部分に対する入熱量を抑えることができる。よって、当該動翼では、翼本体の耐久性を高めることができる。
前記目的を達成するための発明に係る他の態様としての動翼は、
翼形を成す翼本体を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる翼通路が形成され、前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、さらに、前記翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面と、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側の縁との境が、前記調整通路の調整入口を成し、前記調整通路は、前記調整入口から前記先端側に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる部分を有する。
当該動翼では、調整通路が、翼通路を画定する翼本体の通路内面と封止材との境である調整入口から、先端側に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなっている。つまり、翼通路を画定する翼本体の通路内面から封止材の調整通路にかけて、通路の内面が滑らである。このため、翼通路を画定する翼本体の通路内面と封止材との境に応力集中することを避けることができる。
また、以上のいずれかの前記動翼において、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面は、前記先端側に向かって凹む凹曲面を含んでもよい。
以上のいずれかの前記動翼において、前記封止材は、CoとNiとのうち少なくとも一方の金属を含む合金と、ろう材とのうち、いずれか一の材料で形成されていてもよい。
また、以上のいずれかの前記動翼において、前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングを備えていてもよい。
前記目的を達成するための発明に係る一態様としてのガスタービンは、
以上のいずれかの前記動翼と、軸線を中心として、前記軸線が延びる軸方向に長く、前記動翼が取り付けられているロータ軸と、前記ロータ軸と前記動翼とを有して構成されるタービンロータを覆うガスタービン車室と、を備える。
ここで、前記ガスタービンにおいて、前記ロータ軸に取り付けられている非補修動翼を備え、前記非補修動翼は、前記非補修動翼中で、前記動翼で前記封止材が配置されている翼通路における前記先端側の出口が形成されている位置と同じ位置に通路の出口が形成され、前記非補修動翼の通路には、前記封止材が配置されておらず、前記動翼で前記封止材が配置されている前記翼通路における前記先端側の出口の面積は、前記非補修動翼の前記出口の面積より小さい。
前記目的を達成するための発明に係る一態様としての動翼の補修方法は、
翼形を成す翼本体と、前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングと、を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有する動翼の補修方法において、
前記遮熱コーティングを前記翼本体から除去するコーティング除去工程と、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合する封止材配置工程と、前記封止材に、前記翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、前記調整通路形成工程後に、前記翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、を実行する。
ここで、前記動翼の補修方法において、前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削る開口確保工程を実行してもよい。
前記目的を達成するための発明に係る他の態様としての動翼の補修方法は、
翼形を成す翼本体と、前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングと、を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面と、前記翼高さ方向の成分を含む方向に広がり、前記翼形の外周を形成する翼面と、を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる翼通路が形成され、前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、前記翼本体には、前記翼通路から前記翼面に貫通する複数の翼面噴出通路が形成されている動翼の補修方法において、
前記遮熱コーティングを前記翼本体から除去するコーティング除去工程と、前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合する封止材配置工程と、前記封止材に、前記翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、前記調整通路形成工程後に、前記翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった通路の開口を確保する開口確保工程と、を実行し、前記開口確保工程は、複数の前記翼面噴出通路のうち、少なくとも一の前記翼面噴出通路の前記翼面における開口である翼面出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記少なくとも一の翼面噴出通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記翼面出口を含む領域を削って、前記翼面出口を広げる翼面出口確保工程を含む。
ここで、前記動翼の補修方法において、前記開口確保工程は、前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削って、前記調整出口を広げる調整出口確保工程を含んでもよい。
以上のいずれかの前記動翼の補修方法において、前記封止材配置工程では、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成してもよい。
前記目的を達成するための発明に係るさらに他の態様としての動翼の補修方法は、
翼形を成す翼本体と、前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングと、を備え、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる翼通路が形成され、前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有する動翼の補修方法において、
前記遮熱コーティングを前記翼本体から除去するコーティング除去工程と、前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合する封止材配置工程と、前記封止材に、前記翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、前記調整通路形成工程後に、前記翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、を実行し、前記封止材配置工程では、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成する。
ここで、以上のいずれかの前記動翼の補修方法において、前記封止材配置工程では、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記先端出口を含む領域に、ろう材を接合して、前記ろう材を前記封止材としてもよい。
この場合、前記ろう材には、ろう本材と金属粉末とが含有してもよい。
また、以上のいずれかの前記動翼の補修方法において、前記封止材配置工程では、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記先端出口を含む領域に、CoとNiとのうち少なくとも一方を含む金属を溶射し、前記金属を前記封止材としてもよい。
前記目的を達成するための発明に係る一態様としての動翼の製造法は、
複数の翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、を実行し、前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の前記翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、前記封止材配置工程では、前記最後縁側翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、前記封止材を接合し、前記封止材は、ろう材又は金属溶射による金属で形成する
前記目的を達成するための発明に係る他の態様としての動翼の製造方法は、
複数の翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、を実行し、前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の前記翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、前記封止材配置工程では、前記最後縁側翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、複数の前記翼通路のうちで前記最後縁側翼通路よりも前記翼本体の前縁側に位置する前縁側翼通路は、前記先端面で開口する前縁側先端出口を有し、さらに、前記前縁側翼通路の前記前縁側先端出口を封止板で塞ぐ封止板配置工程と、前記封止板に、前記翼高さ方向に貫通する調整孔を形成する調整孔形成工程と、を実行し、前記封止板配置工程では、前記前縁側翼通路の前記前縁側先端出口が塞がるよう、前記封止板を前記翼本体の前記先端面に溶接で接合する。
前記目的を達成するための発明に係るさらに他の態様としての動翼の製造方法は、
複数の翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、を実行し、前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の前記翼通路が形成され、複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、前記封止材配置工程では、前記最後縁側翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、さらに、前記調整通路が形成された前記動翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削る開口確保工程と、を実行する。
前記目的を達成するための発明に係る他の態様としての動翼の製造方法は、
翼通路及び複数の翼面噴出通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、前記調整通路が形成された前記動翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった通路の開口を確保する開口確保工程と、を実行し、前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面と、前記翼高さ方向の成分を含む方向に広がり、前記翼形の外周を形成する翼面と、を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる前記翼通路が形成され、前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、前記翼本体には、前記翼通路から前記翼面に貫通する複数の前記翼面噴出通路が形成され、前記封止材配置工程では、前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、前記開口確保工程は、複数の前記翼面噴出通路のうち、少なくとも一の前記翼面噴出通路の前記翼面における開口である翼面出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記少なくとも一の翼面噴出通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記翼面出口を含む領域を削って、前記翼面出口を広げる翼面出口確保工程を含む。
ここで、前記動翼の製造方法において、前記開口確保工程は、前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削って、前記調整出口を広げる調整出口確保工程を含んでもよい。
また、以上のいずれかの前記動翼の製造方法において、前記封止材配置工程では、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成してもよい。
前記目的を達成するための発明に係るさらに他の態様としての動翼の製造方法は、
翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、を実行し、前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる前記翼通路が形成され、前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、前記封止材配置工程では、前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成する。
ここで、以上のいずれかの前記動翼の製造方法において、前記封止材配置工程では、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記先端出口を含む領域に、ろう材を接合して、前記ろう材を前記封止材としてもよい。
この場合、前記ろう材には、ろう本材と金属粉末とが含有してもよい。
また、以上のいずれかの前記動翼の製造方法において、前記封止材配置工程では、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記先端出口を含む領域に、CoとNiとのうち少なくとも一方を含む金属を溶射し、前記金属を前記封止材としてもよい。
本発明の一態様によれば、動翼における最後縁側翼通路の内部と外部との間の圧力比を所定以上にすることができる。
本発明に係る一実施形態におけるガスタービンの模式的な断面図である。 本発明に係る一実施形態における動翼の斜視図である。 本発明に係る一実施形態における動翼の補修手順を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における封止材(封止板)配置工程後の動翼の要部断面図である。 本発明に係る一実施形態における調整通路形成工程後の動翼の要部断面図である。 本発明に係る一実施形態におけるコーティング工程後の動翼の要部断面図である。 本発明に係る一実施形態における開口確保工程後の動翼の要部断面図である。 本発明に係る一実施形態における動翼の製造手順を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における本体鋳造工程後の中間品の要部断面図である。 本発明に係る一変形例における封止材の配置及び調整通路の形成方法を示し、同図(a)は封止材の部分配置後の動翼を示す説明図であり、同図(b)は封止材の配置完了後の動翼を示す説明図であり、同図(c)は調整通路形成後の動翼を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態及び各種変形例について、図面を参照して詳細に説明する。
「実施形態」
図1に示すように、本発明に係る一実施形態としてのガスタービン10は、空気Aを圧縮する圧縮機20と、圧縮機20で圧縮された空気A中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成する燃焼器30と、燃焼ガスGにより駆動するタービン40と、を備えている。
圧縮機20は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ21と、圧縮機ロータ21を覆う圧縮機車室25と、複数の静翼列26と、を有する。タービン40は、軸線Arを中心として回転するタービンロータ41と、タービンロータ41を覆うタービン車室45と、複数の静翼列46と、を有する。
圧縮機ロータ21とタービンロータ41とは、同一軸線Ar上に位置し、互いに接続されてガスタービンロータ11を成す。このガスタービンロータ11には、例えば、発電機GENのロータが接続されている。ガスタービン10は、さらに、圧縮機車室25とタービン車室45との間に配置されている中間車室14を備えている。燃焼器30は、この中間車室14に取り付けられている。圧縮機車室25と中間車室14とタービン車室45とは、互いに接続されてガスタービン車室15を成す。なお、以下では、軸線Arが延びる方向を軸方向Da、この軸線Arを中心とした周方向を単に周方向Dcとし、軸線Arに対して垂直な方向を径方向Drとする。また、軸方向Daでタービン40を基準にして圧縮機20側を上流側Dau、その反対側を下流側Dadとする。また、径方向Drで軸線Arに近づく側を径方向内側Dri、その反対側を径方向外側Droとする。
タービンロータ41は、軸線Arを中心として軸方向Daに延びるロータ軸42と、このロータ軸42に取り付けられている複数の動翼列43と、を有する。複数の動翼列43は、軸方向Daに並んでいる。各動翼列43は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼50で構成されている。複数の動翼列43の各上流側Dauには、静翼列46が配置されている。各静翼列46は、タービン車室45の内側に設けられている。各静翼列46は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の静翼46aで構成されている。
ロータ軸42の外周側とタービン車室45の内周側との間であって、軸方向Daで静翼46a及び動翼50が配置されている環状の空間は、燃焼器30からの燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路49を成す。この燃焼ガス流路49は、軸線Arを中心として環状を成し、軸方向Daに長い。
動翼50は、図2に示すように、動翼本体50mと、動翼本体50mの外面に施されている遮熱コーティング95(図7参照)とを備える。動翼本体50mは、Ni基合金で形成されている。この動翼本体50mは、動翼本体50mの外形状に合った内部空間が形成されている鋳型に、溶融Ni基合金を流し込んで形成される。遮熱コーティング95は、CoNiCrAlY等の合金で形成されるボンドコート層と、ZrO系のセラミックで形成されるセラミックス層とを有している。ボンドコート層は、動翼本体50mの表面に形成される。セラミックス層は、このボンドコート層の表面に形成される。
動翼本体50mは、翼形を成す翼本体51mと、翼本体51mの翼高さ方向Dwhの端に設けられているプラットフォーム本体60mと、プラットフォーム本体60mから翼本体51mと反対側に延びる軸取付部90と、を備える。軸取付部90は、前述のロータ軸42(図1参照)に埋め込まれる。軸取付部90がロータ軸42に埋め込まれている状態では、翼本体51mは、前述の燃焼ガス流路49中に配置される。なお、以下では、翼高さ方向Dwhで、プラットフォーム本体60mを基準にして翼本体51mが存在する側を先端側Dwht、軸取付部90が存在する側を基端側Dwhsとする。この動翼50がロータ軸42に取り付けられた状態では、翼高さ方向Dwhが実質的に径方向Drと同じ方向になる。よって、この状態では、先端側Dwhtが径方向外側Droとなり、基端側Dwhsが径方向内側Driになる。また、この状態では、プラットフォーム本体60mを基準にして、径方向外側Droに翼本体51mが存在し、径方向内側Driに軸取付部90が存在する。
翼本体51mは、先端面57と翼面56とを有する。先端面57は、翼本体51mの先端側Dwhtの端面である。言い換えると、翼高さ方向Dwhで、プラットフォーム本体60mとは反対側における翼本体51mの端面である。翼面56は、翼本体51mで、先端面57とプラットフォーム本体60mとの間の外周を形成する。この翼面56は、凸状の面である背側面(負圧面)54と、凹状の面である腹側面(正圧面)55と、背側面54と腹側面55とをつなぐ前縁52及び後縁53と、を有する。なお、以下では、翼弦Lcoが延びる翼弦方向Dwcで、後縁53に対して前縁52が存在する側を前縁側Dwcf、反対側を後縁側Dwcbとする。また、翼高さ方向Dwh及び翼弦方向Dwcに垂直な方向を幅方向Dwwとする。さらに、この幅方向で、背側面54に対して腹側面55が存在する側を腹側、その反対側を背側とする。動翼50がロータ軸42に取り付けられた状態では、前縁52が後縁53に対して、軸方向Daの上流側Dauに位置する。また、この状態では、背側面54及び腹側面55は、いずれも周方向Dcの成分を有する方向を向いている。
プラットフォーム本体60mは、翼本体51mの翼高さ方向Dwhの端から翼高さ方向Dwhに対して垂直な成分を有する方向に広がる板状の部材である。このプラットフォーム本体60mは、ガスパス面61と、軸側面62と、腹側端面63pと、背側端面63nと、前端面64fと、後端面64bと、を有する。ガスパス面61は、翼高さ方向Dwhの先端側Dwhtを向く面である。軸側面62は、ガスパス面61と背合わせの関係にあり、翼高さ方向Dwhの基端側Dwhsを向く面である。腹側端面63pは、幅方向Dwwで腹側を向く面である。背側端面63nは、腹側端面63pと背合わせの関係にあり、幅方向Dwwで背側を向く面である。前端面64fは、翼弦方向Dwcで前縁側Dwcfを向く面である。後端面64bは、前端面64fと背合わせの関係にあり、翼弦方向Dwcで後縁側Dwcbを向く面である。前端面64fと後端面64bとは平行である。また、背側端面63nと腹側端面63pとは平行である。このため、プラットフォーム本体60mを翼高さ方向Dwhから見ると、平行四辺形を成している。動翼50がロータ軸42に取り付けられた状態では、前端面64f及び後端面64bは、軸方向Daに垂直な面になる。
翼本体51mの先端面57上及び翼面56上には、遮熱コーティング95wが施されている。翼体51は、この翼本体51mとこの遮熱コーティング95wとを有する。プラットフォーム本体60mのガスパス面61上、前端面64f上、後端面64b上、腹側端面63p上、及び背側端面63n上には、遮熱コーティング95pが施されている。プラットフォーム60は、このプラットフォーム本体60mとこの遮熱コーティング95pとを有する。
軸取付部90は、プラットフォーム本体60mの軸側面62から基端側Dwhsに延びるシャンク91と、シャンク91から基端側Dwhsに延びる翼根92と、を有する。翼根92は、翼弦Lcoに対して垂直な断面形状がクリスマスツリー形状を成している。この翼根92は、ロータ軸42(図1参照)の翼根溝(不図示)に嵌り込む。
動翼50には、翼高さ方向Dwhに延びる複数の翼通路71が形成されている。各翼通路71は、いずれも、翼体51及びプラットフォーム60にかけて、連なって形成されている。複数の翼通路71は、翼体51のキャンバーラインLcaに沿った方向に並んでいる。本実施形態において、動翼50には、六つの翼通路71が形成されている。ここでは、七つの翼通路71のうち、最も前縁側Dwcfの翼通路71を第一翼通路(最前縁側翼通路)71aとする。この第一翼通路71aの後縁側Dwcbに隣接する翼通路71を第二翼通路71bとし、この第二翼通路71bの後縁側Dwcbに隣接する翼通路71を第三翼通路71cとし、この第三翼通路71cの後縁側Dwcbに隣接する翼通路71を第四翼通路71dとし、この第四翼通路71dの後縁側Dwcbに隣接する翼通路71を第五翼通路71eとし、この第五翼通路71eの後縁側Dwcbに隣接する翼通路71を第六翼通路(最後縁側翼通路)71fとする。すなわち、第一翼通路71a、第二翼通路71b、第三翼通路71c、第四翼通路71d、第五翼通路71e、第六翼通路71fは、前縁側Dwcfから後縁側Dwcbに向かって、この順序で並んでいる。
第一翼通路71aは、翼根92の底面93から翼本体51mの先端面57まで翼高さ方向Dwhに延びている。この第一翼通路71aは、翼根92の底面93で開口する空気入口72aと、翼本体51mの先端面57で開口する先端出口73(図7参照)と、を有する。なお、翼根92の底面93とは、翼根92中で最も基端側Dwhsの端面である。第二翼通路71bも、翼根92の底面93から翼本体51mの先端面57まで翼高さ方向Dwhに延びている。この第二翼通路71bも、翼根92の底面93で開口する空気入口72bと、翼本体51mの先端面57で開口する先端出口73と、を有する。さらに、第三翼通路71cも、翼根92の底面93から翼本体51mの先端面57まで翼高さ方向Dwhに延びている。この第三翼通路71cも、翼根92の底面93で開口する空気入口72cと、翼本体51mの先端面57で開口する先端出口73と、を有する。第四翼通路71dは、翼根92の底面93から翼本体51mの先端面57近傍まで翼高さ方向Dwhに延びている。この第四翼通路71dは、翼根92の底面93で開口する空気入口72dを有する。第五翼通路71eは、プラットフォーム本体60mから翼本体51mの先端面57近傍まで翼高さ方向Dwhに延びている。この第五翼通路71eの先端側Dwhtの部分は、第四翼通路71dの先端側Dwht部分と連通している。第六翼通路71fは、プラットフォーム本体60mから翼本体51mの先端面57近傍まで翼高さ方向Dwhに延びている。この第六翼通路71fは、翼本体51mの先端面57で開口する先端出口73fを有する。第六翼通路71fの基端側Dwhsの部分は、第五翼通路71eの基端側Dwhsの部分と連通している。
以上のように、第四翼通路71dと第五翼通路71eと第六翼通路71fとは、互いに連通しており、これらの通路により一つサーペンタイン翼通路を形成している。
各翼通路71は、いずれも、動翼本体50mを鋳造する過程で形成される。具体的には、翼通路71の形状にあった外形状の翼通路中子を予め準備する。次に、この翼通路中子を鋳型内に配置し、その後、この鋳型内に溶融金属を流し込む。その後、翼通路中子を溶解させて、鋳型外に排出する。翼通路中子が溶解した部分は、翼通路71になる。このため、翼通路71は、動翼本体50mの鋳造の観点からすると、中子孔である。
動翼50は、さらに、図7に示すように、貫通孔が形成されている複数の封止板85と、各封止板85を翼本体51mの先端面57に接合する溶接部87と、を備える。翼本体51mの先端面57中で、第六翼通路71fよりも前縁側Dwcfの第一翼通路71a、第二翼通路71b、第三翼通路71cのうち、少なくとも一の翼通路である前縁側翼通路の先端出口(前縁側先端出口)73の周りは、基端側Dwhsに凹んでいる。この凹みの底面は、先端面57の一部を形成する。封止板85は、この凹みに入れられ、翼本体51mに溶接部87により接合されている。封止板85の貫通孔は、翼通路71と動翼50の外部とを連通させる調整孔86を形成する。封止板85の先端側Dwhtの面上には、遮熱コーティング95wが施されている。
一方、第六翼通路71fの先端出口73fは、封止板85で塞がれていない。第六翼通路71fの先端出口73fが形成されている位置での先端面57の幅は、他の翼通路71の先端出口73が形成されている位置での先端面57の幅より狭い。このため、この第六翼通路71fの先端出口73fを塞ぐように封止板85を先端面57に溶接することが難しい。よって、先端出口73fは、封止板85で塞がれていない。
翼本体51mには、さらに、第一翼通路71aから翼面56に貫通する複数の翼面噴出通路75と、第六翼通路71fから翼面56に貫通する複数の翼面噴出通路75と、が形成されている。
第一翼通路71a、第二翼通路71b、第三翼通路71c、及び第四翼通路71dには、ロータ軸内42(図1参照)を通ってきた冷却空気が流入する。冷却空気は、第一翼通路71aの空気入口72aから第一翼通路71a内に流入し、この第一翼通路71a内を先端側Dwhtに向かって流れる。第一翼通路71a内に流入した冷却空気の一部は、この第一翼通路71a内を流れる過程で、複数の翼面噴出通路75を経て、動翼50内から前縁側Dwcfへ流出する。第一翼通路71a内に流入した冷却空気の残りは、第一翼通路71a用の封止板85に形成されている調整孔86を経て、動翼50内から先端側Dwhtへ流出する。第二翼通路71bに流入した冷却空気は、第二翼通路71b内を先端側Dwhtに向かって流れる。そして、この冷却空気は、第二翼通路71b用の封止板85に形成されている調整孔86を経て、動翼50内から先端側Dwhtへ流出する。また、第三翼通路71cに流入した冷却空気も、第三翼通路71c内を先端側Dwhtに向かって流れ、第三翼通路71c用の封止板85に形成されている調整孔86を経て、動翼50内から先端側Dwhtへ流出する。
第四翼通路71dの空気入口72dから第四翼通路71d内に流入した冷却空気は、この第四翼通路71d内を先端側Dwhtに向かって流れる。そして、この冷却空気は、第五翼通路71e内に流入する。第五翼通路71e内に流入した冷却空気は、この第五翼通路71e内を基端側Dwhsに流れる。この冷却空気は、第六翼通路71f内に流入する。第六翼通路71f内に流入した冷却空気は、この第六翼通路71f内を先端側Dwhtに流れる。第六翼通路71f内に流入した冷却空気の一部は、この第六翼通路71f内を流れる過程で、複数の翼面噴出通路75を経て、動翼50内から後縁側Dwcbに流出する。第六翼通路71f内に流入した冷却空気の残りは、先端出口73fを経て、動翼50内から先端側Dwhtに流出する。
次に、以上で説明した動翼50の補修方法について、図3に示すフローチャートに従って説明する。動翼50は、ガスタービンの定期点検時等に補修される。動翼50は、ロータ軸42から取り外してから補修される。
補修では、まず、動翼本体50mの表面に形成されている遮熱コーティング95を除去する(S1:コーティング除去工程)。次に、必要に応じて動翼本体50mを補修する(S2:本体補修工程)。この補修では、動翼本体50m中で損傷部分があれば、そこに、Ni基合金等を肉盛溶接する。また、封止板85が損傷している又は封止板85の調整孔86の内径が所定以上に大きくなっている場合には、この封止板85を動翼本体50mから外す。
次に、図4に示すように、第六翼通路71f内で先端出口73fを含む領域に封止材80を配置する。さらに、本体補修工程(S2)で封止板85を外していれば、封止板85が外された翼通路71の先端出口73を新たな封止板85で塞ぐ(S3:封止材(封止板)配置工程)。
この封止材(封止板)配置工程(S3)では、まず、ろう材を準備する。このろう材は、ろう本材と、金属粉末を含む。ろう本材としては、例えば、Ni−B系の一般的なろう材を用いる。金属粉末としては、Ni、Co等を含む合金の粉末を用いる。次に、第六翼通路71f内で先端出口73fを含む領域に、有機溶剤でペースト状にしたろう材を塗布して、先端出口73fを塞ぐ。次に、このろう材に対して熱処理を施する。この熱処理により、ろう材が溶融し、先端出口73fを閉塞するように固着して、封止材80となる。以上で、封止材(封止板)配置工程(S3)が終了する。
一般的なろう材は、対象物の表面上を広がり易くするために、流動性が高い。一方、本実施形態では、第六翼通路71fの先端出口73fにろう材を滞留させておく必要があるため、一般的なろう材に前述の金属粉末を混入して、ろう材の流動性を抑えている。すなわち、本実施形態では、ろう材として、低流動性ろう材を用いる。さらに、本実施形態では、動翼本体50mの先端側Dwhtを上方に向けた状態で、第六翼通路71f内で先端出口73fを含む領域にろう材を塗布し、その後、ろう材が第六翼通路71f内を基端側Dwhsに流れないよう、動翼本体50mの先端側Dwhtを下方に、基端側Dwhsを上方に向けた状態で熱処理を施す。
以上のように、ろう材として低流動性ろう材を用いることで、このろう材が溶融及び固着して封止材80となった状態では、図4に示すように、第六翼通路71f内の封止材80の基端側Dwhsを向く面は、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80の基端側Dwhsの縁との境から先端側Dwhtに向かって凹状になっている。
次に、第六翼通路71f内に配置された封止材80に、図5に示すように、翼高さ方向Dwhに貫通する調整通路81を形成する(S4:調整通路形成工程)。この調整通路形成工程(S4)では、まず、封止材80の先端側Dwhtを向く面が翼本体51mの先端面57と面一になるよう、この封止材80を機械加工等する。次に、例えば、放電加工や、ドリルを用いた機械加工等で、封止材80に調整通路81を形成する。
この調整通路81では、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80の基端側Dwhsの縁との境が調整入口82を成し、先端面57における開口が調整出口83を成す。また、前述したように、封止材80の基端側Dwhsを向く面が先端側Dwhtに向かって凹状になっている関係で、この調整通路81は、調整入口82から調整出口83に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる部分を有している。
次に、翼本体51mの表面及びプラットフォーム本体60mの表面に、遮熱コーティング95p,95wを施す(S5:コーティング工程)。このコーティング工程(S5)では、翼本体51mの表面及びプラットフォーム本体60mの表面に、CoNiCrAlY等の合金粉末を溶射して、ボンドコート層を形成する。続いて、このボンドコート層の表面に、ZrO系のセラミック粉末を溶射して、セラミックス層を形成する。
このコーティング工程(S5)の実行により、図6に示すように、封止板85の調整孔86内、封止材80の調整通路81内、翼面噴出通路75内に、遮熱コーティング95の一部が入り込む。この結果、通路の開口面積が狭くなる、又は通路の開口が閉塞する場合がある。そこで、本実施形態では、図7に示すように、これらの通路内の遮熱コーティング95を除去等して、これらの通路の開口を確保する(S6:開口確保工程)。この開口確保工程(S6)は、翼面出口確保工程(S6a)と調整孔確保工程(S6b)と調節出口確保工程(S6c)とを含む。翼面出口確保工程(S6a)では、翼面噴出通路75内にピン等を挿入して、翼面噴出通路75内の遮熱コーティング95を粉砕して、翼面噴出通路75内の遮熱コーティング95を除去する。また、必要に応じて、翼面噴出通路75内にドリル等を挿入して、翼面噴出通路75内の遮熱コーティング95を粉砕して、これらの通路内の遮熱コーティング95を除去する。このドリル等の挿入過程で、翼面噴出通路75を画定する内周面の一部がドリル等により切削される。このため、複数の翼面噴出通路75のうち、少なくとも一の翼面噴出通路75の翼面出口76を含む領域が切削され、この翼面出口76が広がる。なお、翼面出口76とは、翼面噴出通路75の翼面56における開口のことである。調整孔確保工程(S6b)及び調節出口確保工程(S6c)では、封止板85の調整孔86、封止材80の調整通路81内にピン等を挿入して、これらの通路内の遮熱コーティング95を粉砕して、これらの通路内の遮熱コーティング95を除去する。また、必要に応じて、これらの通路内にドリル等を挿入して、これらの通路内の遮熱コーティング95を粉砕して、これらの通路内の遮熱コーティング95を除去する。このドリル等の挿入過程で、通路を画定する内周面の一部がドリル等により切削される。このため、封止板85の調整孔86の調整出口や封止材80の調整通路81の調整出口83を含む領域も切削され、この調整出口83も広がる。但し、仮に、封止材80の調整通路81の調整出口83を含む領域が、仮に切削されたとしても、この調整出口83は、補修前の第六翼通路71fの先端出口73fよりも狭い。
以上で、動翼50の補修が終了する。この結果、補修後の動翼50aは、補修前の動翼50に封止材80を追加した構成になる。
動翼50の補修では、以上のように、複数の翼面噴出通路75のうち、少なくとも一の翼面噴出通路75の翼面出口76を含む領域が切削され、この翼面出口76が広がる。このため、少なくとも一の翼面噴出通路75から動翼50外に流出する冷却空気の流量が増え、第六翼通路71f内の圧力が低下する。この結果、燃焼ガス流路49内の圧力に対する第六翼通路71f内の圧力の圧力差、又は圧力比が低下し、第六翼通路71f内の冷却空気を燃焼ガス流路49中に確実に流出させることができなくなるおそれがある。
そこで、動翼50の補修では、第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に封止材80をろう接合し、この封止材80に調整通路81を形成している。すなわち、補修前の動翼50の第六翼通路71fの先端側の出口(先端出口73f)の面積に比べて、補修後の動翼の第六翼通路71fの先端側の出口(調整出口83)の面積が小さくなる。この結果、本実施形態では、燃焼ガス流路49内の圧力に対する第六翼通路71f内の圧力の圧力差、又は圧力比を所定以上にすることができ、第六翼通路71f内の冷却空気を燃焼ガス流路49中に確実に流出させることができる。なお、タービンロータ41には、補修前の動翼50と、補修後の動翼50aとが混在することがある。
ところで、第六翼通路71fの先端出口73fが形成されている位置での先端面57の幅は、他の翼通路71の先端出口73が形成されている位置での先端面57の幅より狭い。このため、この第六翼通路71fの先端出口73fを塞ぐように封止板85を翼本体51mの先端面57に溶接することが難しい。そこで、本実施形態では、封止板85を先端面57に溶接せず、前述したように、第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に封止材80をろう接合し、この封止材80に調整通路81を形成している。
また、本実施形態の封止材80における調整通路81は、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80の基端側Dwhsの縁との境である調整入口82から、調整出口83に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる。つまり、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面から封止材80の調整通路81にかけて、通路の内面が滑らである。このため、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80との境に応力集中することを避けることができる。第六翼通路71fは、翼本体51m内で最も翼本体51mの後縁側に位置している。このため、この第六翼通路71fが存在する位置での翼本体51mの翼幅は、他の翼通路71が存在する位置での翼本体51mの翼幅よりも狭い。本実施形態では、以上のように、翼幅が狭い位置での応力集中を避けることができるので、翼本体51mの耐久性を高めることができる。
次に、以上で説明した補修後の動翼50a、つまり図7に示す動翼50aと実質的に同じ動翼50aの製造方法について、図8に示すフローチャートに従って説明する。
まず、動翼本体50mを形成する(S10:本体形成工程)。この本体形成工程(S10)は、本体鋳造工程(S11)と翼面噴出通路75の形成工程(S12)とを含む。
本体鋳造工程(S11)では、まず、動翼本体50mの外形状に合った内部空間が形成されている鋳型と、翼通路71の形状にあった外形状の翼通路中子とを準備する。翼通路中子は、例えば、アルミナ等のセラミックスで形成される。次に、鋳型内に翼通路中子を配置した後、この鋳型内に溶融金属を流し込む。鋳型内に流し込んだ溶融金属が硬化すると、アルカリ水溶液でセラミックス製の翼通路中子を溶解する。以上で、本体鋳造工程(S11)が終了し、図9に示すように、動翼本体50mの中間品50xが完成する。この中間品50xは、翼本体51m、プラットフォーム本体60m、及び軸取付部90を有する(図2参照)。また、この中間品50xには、複数の翼通路71が形成されている。但し、この中間品50xには、翼面噴出通路75が形成されていない。
翼面噴出通路の形成工程(S12)では、動翼本体50mの中間品50xに、ドリル等を用いた機械加工や放電加工等で、複数の翼面噴出通路75を形成する。また、必要に応じて、翼面56等を滑らかにするための加工等も行う。以上で、動翼本体50mが完成する。完成した動翼本体50mは、図7に示す動翼本体50mと実質的に同じである。
次に、図4に示すように、動翼本体50mに封止材80及び封止板85を配置する(S13:封止材及び封止板の配置工程)。封止板85の配置では、複数の翼通路71のうちで第六翼通路71fを除く翼通路71の先端出口73が塞がるよう、翼本体51mの先端面57に封止板85を配して、この封止板85を翼本体51mの先端面57に溶接する。この結果、封止板85と先端面57との境に溶接部87が形成される。この封止板85には、予め調整孔86が形成されている。よって、この場合、封止材及び封止板の配置工程(S13)の前に、封止板85に調整孔86を形成する調整孔形成工程が実行されている。なお、この調整通孔形成工程は、封止板85の配置後に行ってもよい。封止材80の配置では、前述の封止材(封止板)配置工程(S3)と同様に、第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に封止材80をろう接合する。
以下、前述の調整通路形成工程(S4)と同様の調整通路形成工程(S14)、前述のコーティング工程(S5)と同様のコーティング工程(S15)、前述の開口確保工程(S6)と同様の開口確保工程(S16)を実行して、図7に示す動翼50aを完成させる。
なお、以上では、本体鋳造工程(S11)後であって、封止材及び封止板の配置工程(S13)の前に、翼面噴出通路の形成工程(S12)を実行する。しかしながら、この翼面噴出通路の形成工程(S12)は、封止材及び封止板の配置工程(S13)後であって、コーティング工程(S15)前に実行してもよい。
以上のように製造された動翼50aでは、第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に封止材80をろう接合し、この封止材80に調整通路81を形成している。この結果、以上のように製造された動翼50aでは、前述の補修された動翼50aと同様に、ガスタービン10が駆動している限り、このガスタービン10の運転状態に関わらず、燃焼ガス流路49内の圧力に対する第六翼通路71f内の圧力の圧力差、又は圧力比を所定以上にすることができ、第六翼通路71f内の冷却空気を燃焼ガス流路49中に確実に流出させることができる。
製造時に、調整出口83と同じサイズの先端出口73fを形成することは極めて困難である。これは、翼通路71を形成するために用いる翼通路中子の強度上の観点から、翼通路中子の断面積を小さくするには限界があるからである。
なお、以上のように製造された動翼50aを補修する際、基本的に、封止材80の調整通路81に新たな封止材80を配置する必要はない。これは、既に存在する封止材80により、第六翼通路71fの先端出口73fよりも狭い調整出口83が形成されているからである。但し、例えば、封止材80の損傷が激しい場合には、この封止材80を除去して、改めて、第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に封止材80をろう接合することが好ましい。
「封止材の変位例」
以上の実施形態の封止材80は、ろう材である。しかしながら、封止材は、ろう材に限定されない。封止材としては、例えば、高温環境下での耐酸化性が優れているNiやCo、又はNiとCoとのうち少なくとも一方を含む合金であってもよい。具体的には、例えば、動翼本体50mを形成するNi基合金や、遮熱コーティング95のボンドコート層を形成するCoNiCrAlY等の合金である。
第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に、これらの金属を配置する方法として、ここでは、これらの合金の粉末を、この領域に溶射する方法を採用する。
金属粉末の溶射により第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に封止材80aを配置する際には、まず、図10(a)に示すように、金属粉末の溶射の主方向Sを翼高さ方向Dwhに対して若干傾けて、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面の一部に金属粉末を溶射する。この溶射により、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面の一部に金属80bが配置される。次に、同図(b)に示すように、溶射の主方向Sを翼高さ方向Dwhに対して傾けつつも、先の溶射時のおける傾きの向きを変えて、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面の他の一部に金属粉末を溶射する。この溶射により、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面の他の一部にも金属80bが配置される。この結果、第六翼通路71f内で、この第六翼通路71fの先端出口73fを含む領域に、先端出口73fを塞ぐように金属80bが配置される。なお、先端出口73fは、金属80bにより完全に塞がれる場合もあるが、金属80bにより出口が単に狭まる場合もある。この金属80bは、封止材80aを成す。
以上のように形成した封止材80aでも、先に説明した封止材80と同様、基端側Dwhsを向く面が、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80aとの境から先端側Dwhtに向かって凹状になる。よって、同図(c)に示すように、この封止材80aに、翼高さ方向Dwhに貫通する調整通路81を形成しても、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80aの基端側Dwhsの縁との境である調整入口82から、調整出口83に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる。このため、本変形例でも、第六翼通路71fを画定する翼本体51mの通路内面と封止材80aとの境に応力集中することを避けることができる。
「その他の変形例」
以上の実施形態では、六つの翼通路71が形成されている動翼50,50aを例示している。しかしながら、翼通路71の数は、六つ未満でもよいし、六つより多くてもよい。
以上の実施形態では、第四翼通路71dと第五翼通路71eと第六翼通路71fとは、互いに連通しており、これらの通路により一つサーペンタイン翼通路を形成している。しかしながら、第四翼通路71dと第五翼通路71eと第六翼通路71fは、互いに連通していない独立した翼通路であってもよい。また、第一翼通路71aは、第二翼通路71b等と連通しており、これらの通路により一つサーペンタイン翼通路を形成してもよい。
10:ガスタービン
11:ガスタービンロータ
15:ガスタービン車室
20:圧縮機
21:圧縮機ロータ
25:圧縮機車室
30:燃焼器
40:タービン
41:タービンロータ
42:ロータ軸
43:動翼列
45:タービン車室
46:静翼列
46a:静翼
49:燃焼ガス流路
50,50a:動翼
50m:動翼本体
50x:中間品
51:翼体
51m:翼本体
52:前縁
53:後縁
54:背側面
55:腹側面
56:翼面
57:先端面
60:プラットフォーム
60m:プラットフォーム本体
61:ガスパス面
62:軸側面
63n:背側端面
63p:腹側端面
64f:前端面
64b:後端面
71:翼通路
71a:第一翼通路(最前縁側翼通路)
71b:第二翼通路
71c:第三翼通路
71d:第四翼通路
71e:第五翼通路
71f:第六翼通路(最後縁側翼通路)
72a,72b,72c,72d:空気入口
73,73f:先端出口
75:翼面噴出通路
76:翼面出口
80,80a:封止材
81:調整通路
82:調整入口
83:調整出口
85:封止板
86:調整孔
87:溶接部
90:軸取付部
91:シャンク
92:翼根
93:底面
95,95p,95w:遮熱コーティング
G:燃焼ガス
Da:軸方向
Dau:上流側
Dad:下流側
Dc:周方向
Dr:径方向
Dri:径方向内側
Dro:径方向外側
Dwc:翼弦方向
Dwf:前側
Dwb:後側
Dwh:翼高さ方向
Dwhs:基端側
Dwht:先端側
Dww:幅方向
Lca:キャンバーライン
Lco:翼弦

Claims (25)

  1. 翼形を成す翼本体を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、
    前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成されており、
    前記封止材は、ろう材で形成されている、
    動翼。
  2. 翼形を成す翼本体を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、
    前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成されており、
    前記封止材は、溶射金属で形成されている、
    動翼。
  3. 翼形を成す翼本体を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、
    前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、
    前記最後縁側翼通路を画定する前記翼本体の通路内面と、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側の縁との境が、前記調整通路の調整入口を成し、
    前記調整通路は、前記調整入口から前記先端側に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる部分を有する、
    動翼。
  4. 翼形を成す翼本体を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    さらに、前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、
    前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、
    複数の前記翼通路のうちで前記最後縁側翼通路よりも前記翼本体の前縁側に位置する前縁側翼通路は、前記先端面で開口する前縁側先端出口を有し、
    さらに、前記前縁側翼通路の前記前縁側先端出口を塞ぐ封止板と、前記封止板を前記翼本体に接合する溶接部と、を備え、
    前記封止板には、前記翼高さ方向に貫通する調整孔が形成され、
    前記封止材は、前記翼本体に、溶接部がない状態で接合されている、
    動翼。
  5. 翼形を成す翼本体を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる翼通路が形成され、
    前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    さらに、前記翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で、前記先端出口を塞ぐ封止材を備え、
    前記封止材には、前記翼高さ方向に貫通する調整通路が形成され、
    前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面と、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側の縁との境が、前記調整通路の調整入口を成し、
    前記調整通路は、前記調整入口から前記先端側に向かうに連れて、通路断面積が次第に小さくなる部分を有する、
    動翼。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の動翼において、
    前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面は、前記先端側に向かって凹む凹曲面を含む、
    動翼。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の動翼において、
    前記封止材は、CoとNiとのうち少なくとも一方の金属を含む合金と、ろう材とのうち、いずれか一の材料で形成されている、
    動翼。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の動翼において、
    前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングを備える、
    動翼。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の動翼と、
    軸線を中心として、前記軸線が延びる軸方向に長く、前記動翼が取り付けられているロータ軸と、
    前記ロータ軸と前記動翼とを有して構成されるタービンロータを覆うガスタービン車室と、
    を備えるガスタービン。
  10. 請求項に記載のガスタービンにおいて、
    前記ロータ軸に取り付けられている非補修動翼を備え、
    前記非補修動翼は、前記非補修動翼中で、前記動翼で前記封止材が配置されている翼通路における前記先端側の出口が形成されている位置と同じ位置に通路の出口が形成され、
    前記非補修動翼の通路には、前記封止材が配置されておらず、
    前記動翼で前記封止材が配置されている前記翼通路における前記先端側の出口の面積は、前記非補修動翼の前記出口の面積より小さい、
    ガスタービン。
  11. 翼形を成す翼本体と、
    前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングと、
    を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有する、
    動翼の補修方法において、
    前記遮熱コーティングを前記翼本体から除去するコーティング除去工程と、
    前記最後縁側翼通路内の前記翼高さ方向の先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合する封止材配置工程と、
    前記封止材に、前記翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    前記調整通路形成工程後に、前記翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、
    を実行する、
    動翼の補修方法。
  12. 請求項11に記載の動翼の補修方法において、
    前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削る開口確保工程を実行する、
    動翼の補修方法。
  13. 翼形を成す翼本体と、
    前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングと、
    を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面と、前記翼高さ方向の成分を含む方向に広がり、前記翼形の外周を形成する翼面と、を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる翼通路が形成され、
    前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    前記翼本体には、前記翼通路から前記翼面に貫通する複数の翼面噴出通路が形成されている、
    動翼の補修方法において、
    前記遮熱コーティングを前記翼本体から除去するコーティング除去工程と、
    前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合する封止材配置工程と、
    前記封止材に、前記翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    前記調整通路形成工程後に、前記翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、
    前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった通路の開口を確保する開口確保工程と、
    を実行し、
    前記開口確保工程は、複数の前記翼面噴出通路のうち、少なくとも一の前記翼面噴出通路の前記翼面における開口である翼面出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記少なくとも一の翼面噴出通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記翼面出口を含む領域を削って、前記翼面出口を広げる翼面出口確保工程を含む、
    動翼の補修方法。
  14. 請求項13に記載の動翼の補修方法において、
    前記開口確保工程は、前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削って、前記調整出口を広げる調整出口確保工程を含む、
    動翼の補修方法。
  15. 請求項11から14のいずれか一項に記載の動翼の補修方法において、
    前記封止材配置工程では、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成する、
    動翼の補修方法。
  16. 翼形を成す翼本体と、
    前記翼本体の外面を覆う遮熱コーティングと、
    を備え、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる翼通路が形成され、
    前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有する、
    動翼の補修方法において、
    前記遮熱コーティングを前記翼本体から除去するコーティング除去工程と、
    前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合する封止材配置工程と、
    前記封止材に、前記翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    前記調整通路形成工程後に、前記翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、
    を実行し、
    前記封止材配置工程では、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成する、
    動翼の補修方法。
  17. 請求項12から16のいずれか一項に記載の動翼の補修方法において、
    前記封止材配置工程では、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記先端出口を含む領域に、ろう材を接合して、前記ろう材を前記封止材とする、
    動翼の補修方法。
  18. 請求項17に記載の動翼の補修方法において、
    前記ろう材には、ろう本材と金属粉末とが含有する、
    動翼の補修方法。
  19. 請求項12から16のいずれか一項に記載の動翼の補修方法において、
    前記封止材配置工程では、前記翼通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記先端出口を含む領域に、CoとNiとのうち少なくとも一方を含む金属を溶射し、前記金属を前記封止材とする、
    動翼の補修方法。
  20. 複数の翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、
    複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、
    前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    を実行し、
    前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の前記翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    前記封止材配置工程では、前記最後縁側翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、前記封止材を接合し、前記封止材は、ろう材又は金属溶射による金属で形成する、
    動翼の製造方法。
  21. 複数の翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、
    複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、
    前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    を実行し、
    前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の前記翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    前記封止材配置工程では、前記最後縁側翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、
    複数の前記翼通路のうちで前記最後縁側翼通路よりも前記翼本体の前縁側に位置する前縁側翼通路は、前記先端面で開口する前縁側先端出口を有し、
    さらに、前記前縁側翼通路の前記前縁側先端出口を封止板で塞ぐ封止板配置工程と、
    前記封止板に、前記翼高さ方向に貫通する調整孔を形成する調整孔形成工程と、
    を実行し、
    前記封止板配置工程では、前記前縁側翼通路の前記前縁側先端出口が塞がるよう、前記封止板を前記翼本体の前記先端面に溶接で接合する、
    動翼の製造方法。
  22. 複数の翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、
    複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、
    前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    を実行し、
    前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる複数の前記翼通路が形成され、
    複数の前記翼通路は、前記翼本体のキャンバーラインに沿った方向に並び、
    複数の前記翼通路のうちで最も前記翼本体の後縁側に位置する最後縁側翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    前記封止材配置工程では、前記最後縁側翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、
    さらに、前記調整通路が形成された前記動翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、
    前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった前記調整通路における前記先端側での開口である調整出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記調整通路を画定する通路内面であって前記調整出口を含む領域を必要に応じて削る開口確保工程と、
    を実行する、
    動翼の製造方法。
  23. 翼通路及び複数の翼面噴出通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、
    複数の前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、
    前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    前記調整通路が形成された前記動翼本体の外面に遮熱コーティングを施すコーティング工程と、
    前記遮熱コーティングで塞がれた又は狭まった通路の開口を確保する開口確保工程と、
    を実行し、
    前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面と、前記翼高さ方向の成分を含む方向に広がり、前記翼形の外周を形成する翼面と、を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる前記翼通路が形成され、
    前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    前記翼本体には、前記翼通路から前記翼面に貫通する複数の前記翼面噴出通路が形成され、
    前記封止材配置工程では、前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、
    前記開口確保工程は、複数の前記翼面噴出通路のうち、少なくとも一の前記翼面噴出通路の前記翼面における開口である翼面出口に位置する前記遮熱コーティングを除去すると共に、前記少なくとも一の翼面噴出通路を画定する前記翼本体の通路内面であって前記翼面出口を含む領域を削って、前記翼面出口を広げる翼面出口確保工程を含む、
    動翼の製造方法。
  24. 請求項20から23のいずれか一項に記載の動翼の製造方法において、
    前記封止材配置工程では、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成する、
    動翼の製造方法。
  25. 翼通路が形成されている動翼本体を形成する本体形成工程と、
    前記翼通路の一部を封止材で塞ぐ封止材配置工程と、
    前記封止材に、翼高さ方向に貫通する調整通路を形成する調整通路形成工程と、
    を実行し、
    前記本体形成工程で形成する前記動翼本体は、翼形を成す翼本体を有し、
    前記翼本体は、前記翼本体の翼高さ方向の先端側の端面である先端面を有し、
    前記翼本体には、内部を前記翼高さ方向に延びる前記翼通路が形成され、
    前記翼通路は、前記翼本体の前記先端面で開口している先端出口を有し、
    前記封止材配置工程では、前記翼通路内の前記先端側で前記先端出口を塞ぐよう、ろう接合又は金属溶射により封止材を接合し、前記封止材で前記翼高さ方向の基端側を向く面が、前記先端側に向かって凹状になるよう、前記封止材を形成する、
    動翼の製造方法。
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