JP6209364B2 - 航空機の扉、及び、それを備える航空機 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機の機体表面に設けられる扉に関する。
航空機は、機内に人が出入りしたり、また、貨物の積み下ろしをしたりするための開口を開閉する扉に加えて、RAT(Ram Air Turbine,例えば特許文献1)の格納室の開口を開閉する扉、あるいは、降着装置(例えば特許文献2)の格納室の開口を開閉する扉が設けられている。
RATは、平常時は例えば胴体の中央下部に設けられる格納室に格納されているが、飛行中にエンジン(エンジンの発電装置を含む。以下、同じ。)及び補助電源装置が故障してエンジン及び補助電源装置からの電力を喪失する緊急事態になると、自動的に機外に展開して、風力により駆動される発電機又は油圧ポンプとなって緊急用の駆動力を確保する。RATの格納室を開閉する扉(以下、RAT扉)は、RATが自動展開に同期して開く。RAT扉は、機体との間に設けられる軸を中心にして機体に対して回動自在に設けられており、例えば油圧アクチュエータの動力によって開閉動作を行う。
特開2010−195149号公報 米国特許5820074号公報
RATの展開に伴ってRATの格納室に設けられる扉も開くが、RATの展開初期において扉の開度が小さい段階では、扉が閉じる方向に空気力が働き、扉が開くのを妨げることがある。したがって、この空気力は扉を動作させるアクチュエータの能力に影響を与える。換言すれば、扉に働く空気力を低減できれば、アクチュエータに必要な能力を小さくすることができるので、扉に関する重量及びコストを低減できる。
そこで本発明は、扉が開き始めてから初期の段階で、閉じる向きに働く空気力が生ずるのを抑制できる航空機の扉を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の航空機の扉は、装備品を格納する格納室の開口を閉じ、装備品の格納室からの展開に応じて開かれる航空機の扉であって、開口を開閉し、閉じた状態で外部に臨む表面と格納室に臨む裏面とを有する扉本体と、装備品が存在する位置よりも航空機の進行方向の前方側において、扉本体の裏面から立ち上がるフェンスと、を備えるとともに、扉が装備品に固定されていないことを特徴とする。
本発明者らの検討によると、扉が閉じる向きに生ずる空気力は、装備品(例えばRAT)と扉本体の隙間を空気流れが通過することで、当該隙間の圧力が低下することで生ずる。本発明によると、フェンスが、扉が開き始める初期の段階で、装備品と扉本体の間の隙間を空気流が通過するのを抑制することで、閉じる向きの空気力が扉本体に働くのを抑制することができる。したがって、本発明によると、扉を駆動するアクチュエータの能力を小さくすることができるので、扉に関する重量及びコストを低減できる。
本発明の航空機の扉において、フェンスは、扉が所定の開度の範囲において、装備品と扉本体の間の間隔よりも、高さが高いことが、装備品と扉本体の間を空気流が通過するのを防止する上で好ましい。同様に、進行方向に沿って視たときに、フェンスが占める進行方向に直交する方向の領域の範囲内に装備品が配置されることが好ましい。
また、本発明は、装備品を格納する格納室の開口を閉じ、装備品の格納室からの展開に応じて開かれる航空機の扉であって、開口を開閉し、閉じた状態で外部に臨む表面と格納室に臨む裏面とを有する扉本体と、装備品が存在する位置よりも航空機の進行方向の前方側において、扉本体の裏面から立ち上がるフェンスと、を備え、扉が、扉本体に互いに離間して設けられる第1のヒンジアームおよび第2のヒンジアームを備えている、航空機の扉も提供する。この航空機の扉において、第1のヒンジアームおよび第2のヒンジアームは、航空機の胴体に回動可能に取り付けられるように構成されている。そして、航空機の進行方向を基準として、第1のヒンジアームは、第2のヒンジアームよりも前方に位置しており、フェンスは、第1のヒンジアームの一部として設けられている、または第1のヒンジアームとは別体として第1のヒンジアームに設けられている、ことを特徴とする。
本発明は、以上の扉を備える航空機を提供するが、この航空機は、扉を駆動するアクチュエータの能力を小さくできることを通じて、その重量及びコストを低減することができる。
本発明によれば、フェンスが、装備品と扉本体の間を空気流が通過するのを抑制するので、閉じる向きの空気力が扉本体に働くのを抑制することができる。したがって、本発明によれば、扉を駆動するアクチュエータの能力を小さくすることができるので、扉に関する重量及びコストを低減できる。
本発明の実施形態に係る航空機の機首近傍の図であり、(a)はRATが格納されている状態を示し、(b)はRATが展開された状態を示している。 本実施形態に係る扉を裏面側から示す図である。 本実施形態に係る扉の周囲を簡略化して示す図であり、(a−1),(a−2)は扉が閉じた状態を示し、(b−1),(b−2)は扉が開いた初期の状態を示し、また、(c−1),(c−2)は扉が全開した状態を示している。 本実施形態に係る扉の要素を説明する図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、航空機10は、胴体11と、RAT13と、RAT13を格納する格納庫15と、を備えている。
RAT13は、通常、図1(a)にしめすように格納庫15に格納されているが、エンジン及び補助電源装置からの電力を喪失する緊急事態になると図1(b)に示すように格納庫15から胴体11の外部に展開し、タービンブレード14が気流を受けて回転することで、図示しない発電機を駆動し、発電を行う。
格納庫15は、胴体11の表面から内部に向けて窪み、RAT13を格納するのに足りる容積を備える格納室16と、格納室16の開口を開閉する扉18とを備える。扉18は、RAT13の展開及び格納に応じて開閉の動作を行う。
扉18は、例えば図2に示すように、格納室16の開口の開閉を担う扉本体20と、扉本体20の離間する二カ所に設けられるヒンジアーム22と、扉本体20の裏面に設けられるフェンス24とを備える。閉じた扉18が、外部に臨む面を表面とし、格納室16に臨む面を裏面とする。扉18は、ヒンジアーム22が胴体11に回動可能に取り付けられることで、開閉の動作を行うことができる。扉18を開閉する動力は、図示を省略するアクチュエータから得られる。
フェンス24は、偏平な板状の部材であり、扉18が胴体11に取り付けられた状態で、航空機10の進行方向Dの前方であって、扉本体20の裏面と直交する向きに設けられている。扉18が閉じていると、フェンス24は、扉本体20の裏面から格納室16の奥に向けて突出する。なお、フェンス24は、図2(a)に示すようにヒンジアーム22の一部として設けることもできるし、図2(b)に示すようにヒンジアーム22と区別して設けることができる。
フェンス24は、RAT13の展開に伴い閉じていた扉18が開き始めてからの初期段階に、装備品であるRAT13と扉本体20との間を空気流が通過するのを避けるために設けられている。以下、この点について図3を参照して説明する。なお、図3(a−1),(b−1),(c−1)は、進行方向Dに直交する方向から視た図であり、図3(a−2),(b−2),(c−2)は、進行方向Dに沿った方向から視た図である。
航空機10が通常の航行をしている間は、図3(a−1),(a−2)に示すように、RAT13が格納室16に格納され、扉18が閉じている。なお、図3において、RAT13は、形状を簡略化して球状に示され、かつ、格納室16の内部のほぼ中央に配置されているが、これはあくまで一例である。例えば、格納状態で装備品(RAT13)が扉本体20の裏面と隙間なく配置されていてもよく、また、進行方向Dの中央よりも前方又は後方にずれて配置されていてもよい。
RAT13の展開に伴って図3(b−1),(b−2)に示すように扉18が開くと、空気流Airが扉18と格納室16の間に流れ込もうとする。なお、RAT13は、その一部が格納室16の中にいる。ところが、フェンス24が扉18の裏面に設けられているので、図3(b−1)に示すように、空気流AirはRAT13と扉本体20の間に流れ込むことができずに、RAT13よりも上方の格納室16を通過する。仮に、フェンス24が設けられていないものとすると、空気流AirはRAT13と扉本体20の間に流れ込み、かつそこを通過する。そうすると、RAT13と扉本体20の間の気圧が低くなるので、扉本体20は閉じる向きに力を受ける。したがって、扉18を駆動するアクチュエータは、この閉じる向きの力を考慮した能力を備える必要がある。これに対して、本実施形態は、フェンス24があるのでRAT13と扉本体20の間に空気流Airが流れるのが防止されるので、RAT13と扉本体20の間の圧力が低くなることによる、扉本体20を閉じる向きの力は生じない。したがって、本実施形態においては、扉18を駆動するアクチュエータとして、当該閉じる向きの力を考慮する必要がないので、小型でかつ低コストのものを用いることができる。
その後、図3(c−1),(c−2)に示すように、扉18が全開の位置まで開くと、RAT13が必要な動作を開始するが、全開の位置まで扉18が開く過程でフェンス24はその役割を終える。つまり、フェンス24は、扉18の開度が所定の範囲において、扉本体20を閉じる向きの空気力を抑制する。ただし、所定の範囲は、個々の航空機に応じて個別に設定される。
装備品30と扉本体20の間に空気流Airが流れるのを阻止することを目的とするフェンス24に要求されるいくつかの要素について、以下説明する。
[位置]
フェンス24は、図4(a)に示すように、装備品30と扉本体20の間の隙間Gよりも進行方向Dの前方の領域Sの任意の位置に設けることができる。領域Sの範囲のいずれかの位置にフェンス24を設ければ、空気流Airが隙間Gを通過するのを阻止できるからである。なお、装備品の形状及び寸法によっては隙間Gが進行方向Dに相当の長さを有することがあるが、この場合には、図4(a)に示すように、隙間Gの進行方向Dの後端、つまり装備品30が存在する位置よりも前方側にフェンス24を設けることができる。空気流Airが隙間Gを通過するのを阻止できるからである。
フェンス24は、領域Sの範囲内のいずれの位置に設けられてもその効果を同様に発揮できるが、格納状態において、装備品が隙間なく扉本体20と接する場合には、装備品と干渉しない位置にフェンス24を設けることになる。つまり、装備品との関係でフェンス24の設けられる位置が特定されることがある。
フェンス24は、図4(b)に示すように、進行方向Dに直交する方向Vについては、進行方向Dに沿って視たときに、フェンス24が占める方向Vの領域Tの範囲内に装備品30が配置されるように設けられる。そうすれば、空気流Airが隙間Gを通過するのを防止できるからである。ただし、領域Tと装備品30が部分的に重複していない部分があっても、程度は下がるものの、空気流Airが隙間Gを通過するのを防止する作用を得ることができる。
[高さ、及び、幅]
フェンス24は、隙間Gを空気流Airが通過するのを防止するものであるから、図4(c)に示すように、隙間Gの間隔h以上の高さHを有していることが好ましい。ただし、高さHが間隔hより低くても、空気流Airが隙間Gを通過するのを防止する作用を部分的には得ることができるので、高さHが間隔h以上であることは本発明の必須要素ではない。もっとも、隙間Gを空気流Airが通過するのを防止するのをより確実にするためには、高さHが間隔h以上であることが好ましい。高さHは、フェンス24と装備品30の距離を考慮して定めることができる。なお、間隔hは、装備品30の中で最も扉本体20に近い部位で特定されるものとする。
フェンス24の高さHは、フェンス24を設ける位置に対応して変動させることが好ましい。つまり、フェンス24を設ける位置が進行方向Dの前方に近い、つまり装備品30に遠いほど、高さHを高くすることが好ましい。フェンス24が装備品30から遠いと、フェンス24で堰き止められた空気流Airが向きを変えて隙間Gを通過する可能性があるので、高さHを高くするのである。一方、フェンス24が装備品30に近ければ、堰き止められた空気流Airが向きを変えて隙間Gを通過する可能性は極めて低いので、フェンス24が装備品30から遠い場合に比べて、高さHを低くすることができる。
フェンス24は、図4(d)に示すように、装備品30の幅w以上の幅Wを有していることが好ましい。ただし、幅Wが幅wより狭くても、空気流Airが隙間Gを通過するのを防止する作用を部分的には得ることができるので、幅Wが幅w以上であることは本発明の必須要素ではない。もっとも、隙間Gを空気流Airが通過するのを防止するのをより確実にするためには、幅Wが幅w以上であることが好ましい。幅Wは、フェンス24と装備品30の距離を考慮して定めることができる。なお、幅wは、装備品30の中で最も幅の大きい部位で特定されるものとする。
フェンス24の幅Wが、フェンス24を設ける位置に対応して変動させることができることは、高さHと同様である。
[形状・形態]
フェンス24は、平面形状が矩形であるが、本発明の目的を達成できる限り、フェンスの平面形状に制約はなく、三角形、五角形などの多角形、不定形、その他の任意の形状を採用することかできる。ただし、装備品30の形状を考慮することが好ましい。例えば、装備品30の平面形状が円形だとすると、装備品30との重複部分をフェンス24から切り欠いてもよい。つまり、フェンス24は、装備品30の形状に対応する平面形状を備えることができる。
また、フェンス24は、横断面の形状も矩形をなしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、空気流Airを受ける面を傾斜面にするなどの任意の横断面の形状を採用することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
例えば、以上の実施形態は装備品としてRAT13を用いた例を示したが、本発明の適用対象はRAT13に限らない。航空機の主脚の格納庫にも、装備品としての主脚の展開及び格納に対応して開閉する扉を備えており、本発明の適用対象となる。その他、本発明は、装備品の展開に対応して扉が開いたときに、装備品と扉の間に隙間が生ずる航空機の要素に適用することができる。
材料は何でもよい。
10 航空機
11 胴体
13 RAT
14 タービンブレード
15 格納庫
16 格納室
18 扉
20 扉本体
22 ヒンジアーム
24 フェンス
30 装備品
Air 空気流
D 進行方向
G 隙間
S,T 領域

Claims (5)

  1. 装備品を格納する格納室の開口を閉じ、前記装備品の前記格納室からの展開に応じて開かれる航空機の扉であって、
    前記開口を開閉し、閉じた状態で外部に臨む表面と前記格納室に臨む裏面とを有する扉本体と、
    前記装備品が存在する位置よりも前記航空機の進行方向の前方側において、前記扉本体の前記裏面から立ち上がるフェンスと、
    を備えるとともに、
    前記扉は、前記装備品に固定されていない、
    ことを特徴とする航空機の扉。
  2. 前記フェンスは、
    前記扉が所定の開度の範囲において、前記装備品と前記扉本体の間の間隔よりも、高さが高い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の航空機の扉。
  3. 前記フェンスは、
    前記進行方向に沿って視たときに、前記フェンスが占める前記進行方向に直交する方向の領域の範囲内に前記装備品が配置される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の航空機の扉。
  4. 装備品を格納する格納室の開口を閉じ、前記装備品の前記格納室からの展開に応じて開かれる航空機の扉であって、
    前記開口を開閉し、閉じた状態で外部に臨む表面と前記格納室に臨む裏面とを有する扉本体と、
    前記装備品が存在する位置よりも前記航空機の進行方向の前方側において、前記扉本体の前記裏面から立ち上がるフェンスと、
    を備え、
    前記扉は、前記扉本体に互いに離間して設けられる第1のヒンジアームおよび第2のヒンジアームを備えており、
    前記第1のヒンジアームおよび前記第2のヒンジアームは、前記航空機の胴体に回動可能に取り付けられるように構成されており、
    前記航空機の進行方向を基準として、前記第1のヒンジアームは、前記第2のヒンジアームよりも前方に位置しており、
    前記フェンスは、前記第1のヒンジアームの一部として設けられている、または前記第1のヒンジアームとは別体として前記第1のヒンジアームに設けられている、
    ことを特徴とする航空機の扉。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の扉を備えることを特徴とする、
    航空機。
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