JP6208415B2 - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物及びそれを用いて作製した空気入りタイヤに関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して低燃費化の要求が強くなっており、自動車用タイヤに用いるゴム組成物に対しても、低燃費性に優れることが求められている。自動車タイヤ用のゴム組成物としては、ポリブタジエンやブタジエン−スチレン共重合体等の共役ジエン系重合体と、カーボンブラックやシリカ等の充填剤とを含有するゴム組成物等が用いられている。
低燃費性を改善する方法として、例えば、特許文献1では、アミノ基及びアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性されたジエン系ゴム(変性ゴム)を用いる方法が提案されている。しかし、近年では、環境問題への関心の高まりにより、更なる低燃費性の改善が求められている。また、自動車タイヤ用のゴム組成物に要求される性能としては、ウェットグリップ性能や耐摩耗性も挙げられるが、これらの性能は一般的に低燃費性と背反する関係にあり、それぞれの性能を高次元でバランス良く得ることは困難であった。
特開2000−344955号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できるトレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
ゴム成分と、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤とを含有し、前記ゴム成分100質量%中、炭化水素溶媒中において、ルイス塩基性化合物と共存下で、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記式(1)で表される化合物を反応させた変性ジエン系重合体ゴムの含有量が5質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるトレッド用ゴム組成物に関する。
Figure 0006208415
(式中、l〜nは、独立に、1〜8の整数を表す。)
前記変性ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.0〜1.5であることが好ましい。
前記変性ジエン系重合体ゴムのビニル結合量が、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、10〜70モル%であることが好ましい。
本発明はまた、前記トレッド用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定の変性ジエン系重合体ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤とを配合したトレッド用ゴム組成物であるので、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供できる。
本発明に係る変性ジエン系重合体ゴムは、炭化水素溶媒中において、ルイス塩基性化合物と共存下で、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記式(1)で表される化合物を反応させた変性ジエン系重合体ゴムである。
Figure 0006208415
(式中、l〜nは、独立に、1〜8の整数を表す。)
共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、スチレンが好ましい。
炭化水素溶媒としては、アルカリ金属触媒を失活させないものであり、適当な炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素から選ばれ、特に炭素数3〜12個を有するプロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどをあげることができる。また、これらの溶剤は2種以上を混合して使用することができる。
アルカリ金属系触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の金属、これらの金属を含有する炭化水素化合物又は該金属と極性化合物との錯体などをあげることができる。なお、アルカリ金属触媒として好ましいものとしては、2〜20個の炭素原子を有するリチウム又はナトリウム化合物をあげることができ、その具体例としては、たとえば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム4−シクロペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−ブテン−2、ナトリウムナフタレン、ナトリウムビフェニル、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウムジエトキシエタン錯体、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩などをあげることができる。
本発明で使用する前記の活性共役ジエン系重合体に反応させる変性化合物としては、上記式(1)で示される化合物が用いられ、l〜nは独立に1〜8の整数が好ましく、低燃費性改良のためには、l〜nがいずれも1であるイソシヌル酸トリグリシジルが最も好ましい。
重合用モノマーとしては、共役ジエンモノマーのみを用いてもよく、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用してもよい。共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用する場合の両者の比率は、共役ジエンモノマー/芳香族ビニルモノマーの重量比で50/50〜90/10が好ましく、より好ましくは55/45〜85/15である。該比が過小であると重合体ゴムが炭化水素溶媒に不溶となり、均一な重合が不可能となる場合があり、一方該比が過大であると重合体ゴムの強度が低下する場合がある。
重合に際しては、アルカリ金属触媒、炭化水素溶媒、ランダム重合性を高める試薬、共役ジエン単位のビニル結合含有量調節剤など通常使用されているものを用いることが可能である。該共重合体の製造における重合温度は、特に制約を受けないが、通常−80℃〜150℃であり、反応速度とアルカリ金属職触媒の安定性の観点から、20〜110℃が好ましい。重合時間は特に制限されないがアルカリ金属触媒が少なくとも24時間以内で完了する。
共役ジエン部のビニル結合含有量を調節するためには、ルイス塩基性化合物として、各種の化合物を使用し得るが、エーテル化合物又は第三級アミンが、工業的実施上の入手容易性の点で好ましい。エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルがあげられる。また、第三級アミン化合物の例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのほかに、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。
アルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して前記一般式(1)で示される変性化合物を添加して製造する際に使用する量は、アルカリ金属を付加する際使用するアルカリ金属触媒1モル当たり、通常0.06〜10モルであり、好ましくは0.1〜5モルであり、より好ましくは0.2〜2モルである。該使用量が少なすぎる場合は低燃費性の改良効果が少なく、逆に多すぎる場合は、重合溶媒中に残存するため、その溶媒をリサイクル使用する場合には溶媒からの分離工程を必要とする等、経済的に好ましくない。
該変性化合物とアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体との反応は、迅速に起きるので、反応温度及び反応時間は広範囲に選択できるが、一般的には、室温乃至は100℃、数秒乃至数時間である。反応は、アルカリ金属含有ジエン系重合体と該変性化合物とを接触させればよく、たとえば、アルカリ金属触媒を用いて、ジエン系重合体を重合し、該重合体溶液中に該変性化合物を所定量添加する方法が、好ましい態様として例示できるが、この方法に限定されるものではない。
アルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系共重合体に対して、前記一般式(1)で示される変性化合物を反応させることにより、改質されたジエン系重合体ゴムは反応溶媒中から凝固剤の添加あるいはスチーム凝固など通常の溶液重合によるゴムの製造において使用される凝固方法がそのまま用いられ、凝固温度も何ら制限されない。
反応系から分離されたクラムの乾燥も通常の合成ゴムの製造で用いられるバンドドライヤー、押し出し型のドライヤー等が使用でき、乾燥温度も何ら制限されない。
変性ジエン系重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4)は、10〜200であることが好ましく、より好ましくは20〜150である。ムーニー粘度が低すぎると加硫物の引張り強度等の機械物性が低下する場合があり、一方該粘度が高すぎると他のゴムと組み合わせて使用する場合に混和性が悪く、加工操作性が困難となり、得られたゴム組成物の加硫物の機械物性が低下する場合がある。
変性ジエン系重合体ゴムの共役ジエン部のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、10〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは15〜65モル%である。10モル%未満であると、グリップ性能が劣る場合があり、70モル%を超えると、低燃費性に劣る場合がある。
本発明に係る変性ジエン系重合体ゴムの分子量分布は、低燃費性を高めるために、好ましくは1.0〜5.0であり、より好ましくは1.0〜1.5である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
本発明に係る変性ジエン系重合体ゴムは、ゴム成分として使用することができ、他のゴム成分や、シリカなどの添加剤を配合して、本発明のゴム組成物を得ることができる。
ゴム成分100質量%中の上記変性ジエン系重合体ゴムの含有量は、5質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性の改善効果が得られにくい傾向がある。また、上記変性ジエン系重合体ゴムの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、耐摩耗性が低下するとともに、高コストになる傾向がある。
上記変性ジエン系重合体ゴム以外に使用できるゴム成分としては限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。これらのゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。なかでも、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び加工性をバランス良く示すことから、NR、BRが好ましい。これらのゴム成分としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性が得られない傾向がある。また、NRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、補強剤として、シリカを使用する。上記シリカとしては、乾式シリカ(無水ケイ酸)、湿式シリカ(含水ケイ酸)、コロイダルシリカ、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどをあげることができる。これらは1種以上用いることができる。シリカのBET比表面積は、好ましくは、50〜250m/gである。該BET比表面積は、ASTM D1993−03に従って測定される。シリカの市販品としては、デグッサ社製 商品名 ウルトラシルVN3−G、東ソー・シリカ(株)製 商品名 VN3、AQ、ER、RS−150、Rhodia社製 商品名 Zeosil 1115MP、1165MPなどを用いることができる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜150質量部である。該含有量は、低燃費性を高めるために、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。また、耐摩耗性及び強度を高めるために、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤として、メルカプト基を有するシランカップリング剤を使用する。上記共役ジエン系重合体及びシリカとともにメルカプト基を有するシランカップリング剤を配合することで、シリカを良好に分散させ、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性を顕著に改善できる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、下記式(I)で表されるシランカップリング剤、及び/又は下記式(II)で示される結合単位Aと下記式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤を好適に使用できる。
Figure 0006208415
(式中、R101〜R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基、又は−O−(R111−O)−R112(d個のR111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。d個のR111はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。dは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R101〜R103はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R104は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
Figure 0006208415
Figure 0006208415
(式中、R201は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを表す。R202は分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基を表す。R201とR202とで環構造を形成してもよい。)
以下、式(I)で表されるシランカップリング剤について説明する。
101〜R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基、又は−O−(R111−O)−R112で表される基を表す。本発明の効果が良好に得られるという点から、R101〜R103は、少なくとも1つが−O−(R111−O)−R112で表される基であることが好ましく、2つが−O−(R111−O)−R112で表される基であり、かつ、1つが分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基であることがより好ましい。
101〜R103の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜5)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基などがあげられる。
101〜R103の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜5)のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、へキシルオキシ基、へプチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基などがあげられる。
101〜R103の−O−(R111−O)−R112において、R111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜3)の2価の炭化水素基を表す。
該炭化水素基としては、例えば、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基、炭素数6〜30のアリーレン基などがあげられる。中でも、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基が好ましい。
111の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基などがあげられる。
111の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜3)のアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基などがあげられる。
111の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜3)のアルキニレン基としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基などがあげられる。
111の炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜15)のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基などがあげられる。
zは1〜30(好ましくは2〜20、より好ましくは3〜7、更に好ましくは5〜6)の整数を表す。
112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。中でも、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
112の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数3〜25、より好ましくは炭素数10〜15)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基などがあげられる。
112の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数3〜25、より好ましくは炭素数10〜15)のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基などがあげられる。
112の炭素数6〜30(好ましくは炭素数10〜20)のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基などがあげられる。
112の炭素数7〜30(好ましくは炭素数10〜20)のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などがあげられる。
−O−(R111−O)−R112で表される基の具体例としては、例えば、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327などがあげられる。中でも、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327が好ましい。
104の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基としては、例えば、R111の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基と同様の基をあげることができる。
式(I)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランや、下記式で表される化合物(デグッサ社製のSi363)などがあげられ、下記式で表される化合物を好適に使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0006208415
次に、式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤について説明する。
式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤は、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇が抑制される。これは結合単位Aのスルフィド部分がC−S−C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
また、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランに比べ、スコーチ時間の短縮が抑制される。これは、結合単位Bはメルカプトシランの構造を持っているが、結合単位Aの−C15部分が結合単位Bの−SH基を覆うため、ポリマーと反応しにくく、スコーチが発生しにくいためと考えられる。
上述した加工中の粘度上昇を抑制する効果や、スコーチ時間の短縮を抑制する効果を高めることができるという点から、上記構造のシランカップリング剤において、結合単位Aの含有量は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは99モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。また、結合単位Bの含有量は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、好ましくは70モル%以下、より好ましくは65モル%以下、更に好ましくは55モル%以下である。また、結合単位A及びBの合計含有量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、更に好ましくは100モル%である。
なお、結合単位A、Bの含有量は、結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合も含む量である。結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合の形態は特に限定されず、結合単位A、Bを示す式(II)、(III)と対応するユニットを形成していればよい。
201のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などがあげられる。
201の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などがあげられる。該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
201の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基などがあげられる。該アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
201の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基などがあげられる。該アルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
202の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基などがあげられる。該アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
202の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基などがあげられる。該アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
202の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基などがあげられる。該アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3〜300の範囲が好ましい。この範囲内であると、結合単位Bのメルカプトシランを、結合単位Aの−C15が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z60などを使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
メルカプト基を有するシランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.5質量部以上である。0.5質量部未満では、シリカを充分に分散させることが困難になるおそれがある。また、メルカプト基を有するシランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、上述の薬品以外の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどの有機過酸化物;カーボンブラックなどの補強剤;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;伸展油;加工助剤;老化防止剤;滑剤を例示することができる。
上記硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄があげられる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部であり、より好ましくは0.3〜10質量部であり、更に好ましくは0.5〜5質量部である。
上記加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどのチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤をあげることができる。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜3質量部である。
上記カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどをあげることができる。カーボンブラックとしては、EPC、MPC及びCCのようなチャンネルカーボンブラック;SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスカーボンブラック;FT及びMTのようなサーマルカーボンブラック;アセチレンカーボンブラックが例示される。これらは1種以上用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは、5〜200m/gであり、また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、好ましくは、5〜300ml/100gである。該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定される。市販品としては、三菱化学(株)製 商品名 ダイアブラックN339、東海カーボン(株)製 商品名 シースト6、シースト7HM、シーストKH、デグッサ社製 商品名 CK3、Special Black 4Aなどを用いることができる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部である。また、該含有量は、耐摩耗性及び強度を高めるために、より好ましくは3質量部以上であり、更に好ましくは4質量部以上である。また、低燃費性を高めるために、より好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは10質量部以下である。
補強剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部である。また、該含有量は、耐摩耗性及び強度を高めるために、より好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上である。また、低燃費性を高めるために、より好ましくは120質量部以下であり、更に好ましくは100質量部以下である。
また、補強剤として用いるシリカの含有量とカーボンブラックの含有量との質量比(シリカの含有量:カーボンブラックの含有量)としては、2:1〜50:1であることが好ましい。該質量比は、低燃費性を高めるため、及び、補強性を高めるために、5:1〜20:1であることがより好ましい。
上記伸展油としては、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790〜0.849)などをあげることができる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。該多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。また、伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。これらの伸展油は、1種以上用いられる。
本発明のゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法を用いることができる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明のゴム組成物は、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性が高次元でバランス良く得られる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド(キャップトレッド)に使用される。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤとして好適に用いることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<重合体製造例1>
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1404g、スチレン396g、テトラヒドロフラン328g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液15.0mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、イソシアヌル酸トリグリシジルを7.5mmol(2.23g)添加した。攪拌下に65℃で30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT:以下同様)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体1を得た。
<重合体製造例2>
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1404g、スチレン396g、テトラヒドロフラン328g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液8.5mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、四塩化珪素を0.16mmol(0.027g)を添加し、攪拌下に65℃で15分間反応させた。更に、イソシアヌル酸トリグリシジルに変えて、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを7.65mmol(1.19g)添加し、攪拌下に65℃で30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT:以下同様)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体2を得た。
<重合体製造例3>
n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液を8.7mmolに、四塩化珪素を0.17mmol(0.029g)に変更したこと、イソシアヌル酸トリグリシジル、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを添加しなかったこと以外は重合体製造例1と同様に行い、重合体3を得た。
得られた重合体1〜3について、下記の方法により分析した。結果は表1に示す。
(ムーニー粘度(ML1+4))
JIS K6300(1994)に従って、100℃にて重合体のムーニー粘度を測定した。
(ビニル結合量(単位:モル%))
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より重合体のビニル結合量を求めた。
(スチレン単位の含量(単位:質量%))
JIS K6383(1995)に従って、屈折率から重合体のスチレン単位の含量を求めた。
(分子量分布(Mw/Mn))
下記の条件(i)〜(viii)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、重合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(i)装置:東ソー社製HLC−8220
(ii)分離カラム:東ソー社製HM−H(2本直列)
(iii)測定温度:40℃
(iv)キャリア:テトラヒドロフラン
(v)流量:0.6mL/分
(vi)注入量:5μL
(vii)検出器:示差屈折
(viii)分子量標準:標準ポリスチレン
Figure 0006208415
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のウベポールBR150B
重合体1〜3:上記製造例1〜3
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN220(NSA:111m/g、DBP吸収量:115ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤1:Momentive社製のNXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
シランカップリング剤2:デグッサ社製のSi363(メルカプト基の含有量:3.3%)
シランカップリング剤3:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD
<実施例及び比較例>
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で12分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物及び試験用タイヤについて、下記試験方法により評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
(転がり抵抗)
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とした時の指数で表示した。指数は大きい方が良好(低燃費性)である。
(ウェットグリップ性能)
各試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は指数で表し、数字が大きいほどウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が良好である。指数は次の式で求めた。
ウェットスキッド性能=(比較例1の制動距離)/(各実施例又は各比較例の制動距離)×100
(耐摩耗性)
LAT試験機(Laboratory Abrasion and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。表2の数値(LAT指数)は、比較例1の容積損失量を100としたときの相対値である。当該数値が大きいほど耐摩耗性に優れている。
Figure 0006208415
表における重合体としてSBR(重合体3)、シランカップリング剤としてSi69(シランカップリング剤3)を用いた比較例1に対して、Si69をメルカプト基を有するシランカップリング剤(シランカップリング剤1又は2)に置換した比較例2〜3、また、SBRを本発明とは異なる共役ジエン系重合体(重合体2)に置換した比較例4、そのSi69をメルカプト基を有するシランカップリング剤(シランカップリング剤1又は2)に置換した比較例5〜6、SBRを特定の共役ジエン系重合体(重合体1)に置換した比較例7では、いずれも低燃費性、ウェットグリップ性、耐摩耗性のすべての性能が悪化した。このように、特定の共役ジエン系重合体、メルカプト基を有するシランカップリング剤のいずれかを配合すると性能が悪化するにもかかわらず、これらの併用した実施例では、すべての性能が高次元でバランスよく向上し、相乗的に性能が改善されることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. 天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤とを含有し、
    前記ゴム成分100質量%中、炭化水素溶媒中において、ルイス塩基性化合物と共存下で、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記式(1)で表される化合物を反応させた変性ジエン系重合体ゴムの含有量が5質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるトレッド用ゴム組成物。
    Figure 0006208415
    (式中、l〜nは、独立に、1〜8の整数を表す。)
  2. 前記変性ジエン系重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.0〜1.5である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記変性ジエン系重合体ゴムのビニル結合量が、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、10〜70モル%である請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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