以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
画像処理装置および撮像装置の一形態である本実施形態に係るデジタルカメラは、1つのシーンについて複数の視点数の画像を一度の撮影により生成できるように構成されている。互いに視点の異なるそれぞれの画像を視差画像と呼ぶ。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ10の構成を説明する図である。デジタルカメラ10は、撮影光学系としての撮影レンズ20を備え、光軸21に沿って入射する被写体光束を撮像素子100へ導く。撮影レンズ20は、デジタルカメラ10に対して着脱できる交換式レンズであっても構わない。デジタルカメラ10は、撮像素子100、制御部201、A/D変換回路202、メモリ203、駆動部204、画像処理部205、メモリカードIF207、操作部208、表示部209、LCD駆動回路210およびAFセンサ211を備える。
なお、図示するように、撮像素子100へ向かう光軸21に平行な方向をz軸プラス方向と定め、z軸と直交する平面において紙面手前へ向かう方向をx軸プラス方向、紙面上方向をy軸プラス方向と定める。以降のいくつかの図においては、図1の座標軸を基準として、それぞれの図の向きがわかるように座標軸を表示する。
撮影レンズ20は、複数の光学レンズ群から構成され、シーンからの被写体光束をその焦点面近傍に結像させる。なお、図1では撮影レンズ20を説明の都合上、瞳近傍に配置された仮想的な1枚のレンズで代表して表している。撮像素子100は、撮影レンズ20の焦点面近傍に配置されている。撮像素子100は、二次元的に複数の光電変換素子が配列された、例えばCCD、CMOSセンサ等のイメージセンサである。撮像素子100は、駆動部204によりタイミング制御されて、受光面上に結像された被写体像を画像信号に変換してA/D変換回路202へ出力する。
A/D変換回路202は、撮像素子100が出力する画像信号をデジタル画像信号に変換してメモリ203へ出力する。画像処理部205は、メモリ203をワークスペースとして種々の画像処理を施し、画像データを生成する。
画像処理部205は、他にも選択された画像フォーマットに従って画像データを調整するなどの画像処理一般の機能も担う。生成された画像データは、LCD駆動回路210により表示信号に変換され、表示部209に表示される。また、メモリカードIF207に装着されているメモリカード220に記録される。
AFセンサ211は、被写体空間に対して複数の測距点が設定された位相差センサであり、それぞれの測距点において被写体像のデフォーカス量を検出する。一連の撮影シーケンスは、操作部208がユーザの操作を受け付けて、制御部201へ操作信号を出力することにより開始される。撮影シーケンスに付随するAF,AE等の各種動作は、制御部201に制御されて実行される。例えば、制御部201は、AFセンサ211の検出信号を解析して、撮影レンズ20の一部を構成するフォーカスレンズを移動させる合焦制御を実行する。
次に、撮像素子100の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る撮像素子100の断面を表す概略図である。
撮像素子100は、被写体側から順に、マイクロレンズ101、カラーフィルタ102、開口マスク103、配線層105および光電変換素子108が配列されて構成されている。光電変換素子108は、入射する光を電気信号に変換するフォトダイオードにより構成される。光電変換素子108は、基板109の表面に二次元的に複数配列されている。
光電変換素子108により変換された画像信号、光電変換素子108を制御する制御信号等は、配線層105に設けられた配線106を介して送受信される。また、各光電変換素子108に一対一に対応して設けられた開口部104を有する開口マスク103が、配線層に接して設けられている。開口部104は、後述するように、対応する光電変換素子108ごとにシフトされて、相対的な位置が厳密に定められている。詳しくは後述するが、この開口部104を備える開口マスク103の作用により、光電変換素子108が受光する被写体光束に視差が生じる。
一方、視差を生じさせない光電変換素子108上には、開口マスク103が存在しない。別言すれば、対応する光電変換素子108に対して入射する被写体光束を制限しない、つまり入射光束の全体を通過させる開口部104を有する開口マスク103が設けられているとも言える。視差を生じさせることはないが、実質的には配線106によって形成される開口107が入射する被写体光束を規定するので、配線106を、視差を生じさせない入射光束の全体を通過させる開口マスクと捉えることもできる。開口マスク103は、各光電変換素子108に対応して別個独立に配列しても良いし、カラーフィルタ102の製造プロセスと同様に複数の光電変換素子108に対して一括して形成しても良い。
カラーフィルタ102は、開口マスク103上に設けられている。カラーフィルタ102は、各光電変換素子108に対して特定の波長帯域を透過させるように着色された、光電変換素子108のそれぞれに一対一に対応して設けられるフィルタである。カラー画像を出力するには、互いに異なる少なくとも2種類のカラーフィルタが配列されれば良いが、より高画質のカラー画像を取得するには3種類以上のカラーフィルタを配列すると良い。例えば赤色波長帯を透過させる赤フィルタ(Rフィルタ)、緑色波長帯を透過させる緑フィルタ(Gフィルタ)、および青色波長帯を透過させる青フィルタ(Bフィルタ)を格子状に配列すると良い。具体的な配列については後述する。
マイクロレンズ101は、カラーフィルタ102上に設けられている。マイクロレンズ101は、入射する被写体光束のより多くを光電変換素子108へ導くための集光レンズである。マイクロレンズ101は、光電変換素子108のそれぞれに一対一に対応して設けられている。マイクロレンズ101は、撮影レンズ20の瞳中心と光電変換素子108の相対的な位置関係を考慮して、より多くの被写体光束が光電変換素子108に導かれるようにその光軸がシフトされていることが好ましい。さらには、開口マスク103の開口部104の位置と共に、後述の特定の被写体光束がより多く入射するように配置位置が調整されても良い。
このように、各々の光電変換素子108に対応して一対一に設けられる開口マスク103、カラーフィルタ102およびマイクロレンズ101の一単位を画素と呼ぶ。特に、視差を生じさせる開口マスク103が設けられた画素を視差画素、視差を生じさせる開口マスク103が設けられていない画素を視差なし画素と呼ぶ。例えば、撮像素子100の有効画素領域が24mm×16mm程度の場合、画素数は1200万程度に及ぶ。
なお、集光効率、光電変換効率が良いイメージセンサの場合は、マイクロレンズ101を設けなくても良い。また、裏面照射型イメージセンサの場合は、配線層105が光電変換素子108とは反対側に設けられる。また、開口マスク103の開口部104に色成分を持たせれば、カラーフィルタ102と開口マスク103を一体的に形成することもできる。
また、本実施形態においては、開口マスク103と配線106を別体として設けているが、視差画素における開口マスク103の機能を配線106が担っても良い。すなわち、規定される開口形状を配線106により形成し、当該開口形状により入射光束を制限して特定の部分光束のみを光電変換素子108へ導く。この場合、開口形状を形成する配線106は、配線層105のうち最も光電変換素子108側であることが好ましい。
また、開口マスク103は、光電変換素子108に重ねて設けられる透過阻止膜によって形成されても良い。この場合、開口マスク103は、例えば、SiN膜とSiO2膜を順次積層して透過阻止膜とし、開口部104に相当する領域をエッチングで除去して形成される。
次に、開口マスク103の開口部104と、生じる視差の関係について説明する。図3は、撮像素子100の一部を拡大した様子を表す概略図である。ここでは、説明を簡単にすべく、カラーフィルタ102の配色については後に言及を再開するまで考慮しない。カラーフィルタ102の配色に言及しない以下の説明においては、同色のカラーフィルタ102を有する視差画素のみを寄せ集めたイメージセンサであると捉えることができる。したがって、以下に説明する繰り返しパターンは、同色のカラーフィルタ102における隣接画素として考えても良い。
図3に示すように、開口マスク103の開口部104は、それぞれの画素に対して相対的にシフトして設けられている。そして、隣接する画素同士においても、それぞれの開口部104は互いに変位した位置に設けられている。
図の例においては、それぞれの画素に対する開口部104の位置として、互いに左右方向にシフトした6種類の開口マスク103が用意されている。そして、撮像素子100の全体は、紙面左側から右側へ徐々にシフトする開口マスク103をそれぞれ有する6つの視差画素を一組とする光電変換素子群が、二次元的かつ周期的に配列されている。
図4は、視差画素と被写体の関係を説明する概念図である。特に図4(a)は撮像素子100のうち撮影光軸21と直交する中心に配列されている繰り返しパターン110tの光電変換素子群を示し、図4(b)は周辺部分に配列されている繰り返しパターン110uの光電変換素子群を模式的に示している。図4(a)、(b)における被写体30は、撮影レンズ20に対して合焦位置に存在する。図4(c)は、図4(a)に対応して、撮影レンズ20に対して非合焦位置に存在する被写体31を捉えた場合の関係を模式的に示している。
まず、撮影レンズ20が合焦状態に存在する被写体30を捉えている場合の、視差画素と被写体の関係を説明する。被写体光束は、撮影レンズ20の瞳を通過して撮像素子100へ導かれるが、被写体光束が通過する全体の断面領域に対して、6つの部分領域Pa〜Pfが規定されている。そして、例えば繰り返しパターン110t、110uを構成する光電変換素子群の紙面左端の画素は、拡大図からもわかるように、部分領域Pfから射出された被写体光束のみが光電変換素子108へ到達するように、開口マスク103の開口部104fの位置が定められている。同様に、右端の画素に向かって、部分領域Peに対応して開口部104eの位置が、部分領域Pdに対応して開口部104dの位置が、部分領域Pcに対応して開口部104cの位置が、部分領域Pbに対応して開口部104bの位置が、部分領域Paに対応して開口部104aの位置がそれぞれ定められている。
別言すれば、例えば部分領域Pfと左端画素の相対的な位置関係によって定義される、部分領域Pfから射出される被写体光束(部分光束)の主光線Rfの傾きにより、開口部104fの位置が定められていると言っても良い。そして、合焦位置に存在する被写体30からの被写体光束を、開口部104fを介して光電変換素子108が受光する場合、その被写体光束は、点線で図示するように、光電変換素子108上で結像する。同様に、右端の画素に向かって、主光線Reの傾きにより開口部104eの位置が、主光線Rdの傾きにより開口部104dの位置が、主光線Rcの傾きにより開口部104cの位置が、主光線Rbの傾きにより開口部104bの位置が、主光線Raの傾きにより開口部104aの位置がそれぞれ定められていると言える。
図4(a)で示すように、合焦位置に存在する被写体30のうち、光軸21と交差する被写体30上の微小領域Otから放射される光束は、撮影レンズ20の瞳を通過して、繰り返しパターン110tを構成する光電変換素子群の各画素に到達する。すなわち、繰り返しパターン110tを構成する光電変換素子群の各画素は、それぞれ6つの部分領域Pa〜Pfを介して、一つの微小領域Otから放射される光束を受光している。微小領域Otは、繰り返しパターン110tを構成する光電変換素子群の各画素の位置ずれに対応する分だけの広がりを有するが、実質的には、ほぼ同一の物点と近似することができる。同様に、図4(b)で示すように、合焦位置に存在する被写体30のうち、光軸21から離間した被写体30上の微小領域Ouから放射される光束は、撮影レンズ20の瞳を通過して、繰り返しパターン110uを構成する光電変換素子群の各画素に到達する。すなわち、繰り返しパターン110uを構成する光電変換素子群の各画素は、それぞれ6つの部分領域Pa〜Pfを介して、一つの微小領域Ouから放射される光束を受光している。微小領域Ouも、微小領域Otと同様に、繰り返しパターン110uを構成する光電変換素子群の各画素の位置ずれに対応する分だけの広がりを有するが、実質的には、ほぼ同一の物点と近似することができる。
つまり、被写体30が合焦位置に存在する限りは、撮像素子100上における繰り返しパターン110の位置に応じて、光電変換素子群が捉える微小領域が異なり、かつ、光電変換素子群を構成する各画素は互いに異なる部分領域を介して同一の微小領域を捉えている。そして、それぞれの繰り返しパターン110において、対応する画素同士は同じ部分領域からの被写体光束を受光している。つまり、図においては、例えば繰り返しパターン110t、110uのそれぞれの左端の画素は、同じ部分領域Pfからの部分光束を受光している。
撮影光軸21と直交する中心に配列されている繰り返しパターン110tにおいて左端画素が部分領域Pfからの被写体光束を受光する開口部104fの位置と、周辺部分に配列されている繰り返しパターン110uにおいて左端画素が部分領域Pfからの被写体光束を受光する開口部104fの位置は厳密には異なる。しかしながら、機能的な観点からは、部分領域Pfからの被写体光束を受光するための開口マスクという点で、これらを同一種類の開口マスクとして扱うことができる。したがって、図4の例では、撮像素子100上に配列される視差画素のそれぞれは、6種類の開口マスクの一つを備えると言える。
次に、撮影レンズ20が非合焦状態に存在する被写体31を捉えている場合の、視差画素と被写体の関係を説明する。この場合も、非合焦位置に存在する被写体31からの被写体光束は、撮影レンズ20の瞳の6つの部分領域Pa〜Pfを通過して、撮像素子100へ到達する。ただし、非合焦位置に存在する被写体31からの被写体光束は、光電変換素子108上ではなく他の位置で結像する。例えば、図4(c)に示すように、被写体31が被写体30よりも撮像素子100に対して遠い位置に存在すると、被写体光束は、光電変換素子108よりも被写体31側で結像する。逆に、被写体31が被写体30よりも撮像素子100に対して近い位置に存在すると、被写体光束は、光電変換素子108よりも被写体31とは反対側で結像する。
したがって、非合焦位置に存在する被写体31のうち、微小領域Ot'から放射される被写体光束は、6つの部分領域Pa〜Pfのいずれを通過するかにより、異なる組の繰り返しパターン110における対応画素に到達する。例えば、部分領域Pdを通過した被写体光束は、図4(c)の拡大図に示すように、主光線Rd'として、繰り返しパターン110t'に含まれる、開口部104dを有する光電変換素子108へ入射する。そして、微小領域Ot'から放射された被写体光束であっても、他の部分領域を通過した被写体光束は、繰り返しパターン110t'に含まれる光電変換素子108へは入射せず、他の繰り返しパターンにおける対応する開口部を有する光電変換素子108へ入射する。換言すると、繰り返しパターン110t'を構成する各光電変換素子108へ到達する被写体光束は、被写体31の互いに異なる微小領域から放射された被写体光束である。すなわち、開口部104dに対応する108へは主光線をRd'とする被写体光束が入射し、他の開口部に対応する光電変換素子108へは主光線をRa+、Rb+、Rc+、Re+、Rf+とする被写体光束が入射するが、これらの被写体光束は、被写体31の互いに異なる微小領域から放射された被写体光束である。このような関係は、図4(b)における周辺部分に配列されている繰り返しパターン110uにおいても同様である。
すると、撮像素子100の全体で見た場合、例えば、開口部104aに対応する光電変換素子108で捉えた被写体像Aと、開口部104dに対応する光電変換素子108で捉えた被写体像Dは、合焦位置に存在する被写体に対する像であれば互いにずれが無く、非合焦位置に存在する被写体に対する像であればずれが生じることになる。そして、そのずれは、非合焦位置に存在する被写体が合焦位置に対してどちら側にどれだけずれているかにより、また、部分領域Paと部分領域Pdの距離により、方向と量が定まる。つまり、被写体像Aと被写体像Dは、互いに視差像となる。この関係は、他の開口部に対しても同様であるので、開口部104aから104fに対応して、6つの視差像が形成されることになる。
したがって、このように構成されたそれぞれの繰り返しパターン110において、互いに対応する画素の出力を寄せ集めると、視差画像が得られる。つまり、6つの部分領域Pa〜Pfうちの特定の部分領域から射出された被写体光束を受光した画素の出力は、視差画像を形成する。
図5は、視差画像を生成する処理を説明する概念図である。図は、左列から順に、開口部104fに対応する視差画素の出力を集めて生成される視差画像データIm_fの生成の様子、開口部104eの出力による視差画像データIm_eの生成の様子、開口部104dの出力による視差画像データIm_dの生成の様子、開口部104cの出力による視差画像データIm_cの生成の様子、開口部104bの出力による視差画像データIm_bの生成の様子、開口部104aの出力による視差画像データIm_aの生成の様子を表す。まず開口部104fの出力による視差画像データIm_fの生成の様子について説明する。
6つの視差画素を一組とする光電変換素子群から成る繰り返しパターン110は、横一列に配列されている。したがって、開口部104fを有する視差画素は、視差なし画素を除いた仮想的な撮像素子100上において、左右方向に6画素おき、かつ、上下方向に連続して存在する。これら各画素は、上述のようにそれぞれ異なる微小領域からの被写体光束を受光している。したがって、これらの視差画素の出力を寄せ集めて配列すると、視差画像が得られる。
しかし、本実施形態における撮像素子100の各画素は正方画素であるので、単に寄せ集めただけでは、横方向の画素数が1/6に間引かれた結果となり、縦長の画像データが生成されてしまう。そこで、補間処理を施して横方向に6倍の画素数とすることにより、本来のアスペクト比の画像として視差画像データIm_fを生成する。ただし、そもそも補間処理前の視差画像データが横方向に1/6に間引かれた画像であるので、横方向の解像度は、縦方向の解像度よりも低下している。つまり、生成される視差画像データの数と、解像度の向上は相反関係にあると言える。なお、本実施形態に適用する具体的な補間処理については後述する。
同様にして、視差画像データIm_e〜視差画像データIm_aが得られる。すなわち、デジタルカメラ10は、横方向に視差を有する6視点の視差画像を生成することができる。
上述のように開口部の画素中心からのずれを6種類持たせたときに、それぞれの視差画素が瞳分割光学系として働き、6つの視点の視差画素を生み出す例を説明してきた。ここで主に述べたのは各々の視差画素がそれぞれ異なる視点の被写体像を結像し、異なる種類の視差画素の間では、視点の異なる像の間の視差を生むということである。
視差画素による瞳分割光学系は単に視差を生み出すという事実だけでなく、視差が生み出されるのは合焦位置からずれた非合焦位置のボケた被写体像にのみ、その非合焦度に応じて視差を生み出すという重要な事実が存在する。この様子を通常の視差なし画素と2視差(左視差、右視差)の場合の説明図を図17、図18に示す。1つの光学系を通ってきた光は、右視差画素にとっては光学系の左側に仮想瞳があるような光学像を結像し、左視差画素にとっては光学系の右側に仮想瞳があるような光学像を結像する。したがって、ピント位置の被写体像の点像分布関数は鋭く結像し、どちらの仮想瞳を通っても同じように鋭い点像分布をもった視差のない被写体像を結像する。他方、ピント位置から前後にボケた被写体位置の点像分布関数は、ピント位置から離れるに従ってボケ幅の大きい広がりを示すとともに結像の中心位置は左右に分離してゆき、視差が生まれる。この2つに分離した点像分布関数を加算合成した1つの点像分布関数は、視差なし画素に結像される点像分布関数に一致し、そのピーク位置は、仮想瞳によって2つに分離した光学像の点像分布関数の真ん中に位置する。
このボケの中にだけ視差が存在し、ボケ具合が大きくなるほど視差量が増大するという重要な事実に着目し本実施形態では、高解像な2D画像と3D画像を同時に取得するための色・視差配列について提案する。
次に、カラーフィルタ102と視差画像について説明する。図6は、ベイヤー配列を説明する図である。図示するように、ベイヤー配列は、Gフィルタが左上(Gb)と右下(Gr)の2画素に、Rフィルタが左下の1画素に、Bフィルタが右上の1画素に割り当てられる配列である。
このようなカラーフィルタ102の配列に対して、視差画素と視差なし画素を、何色の画素にどのような周期で割り振っていくかにより、膨大な数の繰り返しパターン110が設定され得る。視差なし画素の出力を集めれば、通常の撮影画像と同じく視差のない撮影画像データを生成することができる。したがって、相対的に視差なし画素の割合を増やせば、解像度の高い2D画像を出力させることができる。この場合、視差画素は相対的に少ない割合となるので、複数の視差画像からなる3D画像としては画質が低下する。逆に、視差画素の割合を増やせば、3D画像としては画質が向上するが、視差なし画素は相対的に減少するので、解像度の低い2D画像が出力される。RGBのいずれの画素に対しても視差画素を割り振れば、3D画像でありながら、色再現性の良い高品質のカラー画像データとなる。
理想的には、2D画像であっても3D画像であっても、高解像度、高品質のカラー画像データが出力されることが望ましい。ところで、3D画像において観察者が視差を感じる画像領域は、図4、図17、図18を用いて説明した視差の発生原理からも理解されるように、同一の被写体像が互いにずれる非合焦領域である。したがって、観察者が視差を感じる画像領域は、ピントの合っている主要被写体に対して高周波成分が少ないと言える。すると、3D画像を生成するに当たっては、視差が生じている領域において、それほど高解像でない画像データが存在すれば足りることになる。
ピントの合っている画像領域については2D画像データから切り出し、ピントの合っていない画像領域については3D画像データを切り出して、それぞれの視差画像データを合成により生成することができる。あるいは、高解像データである2D画像データを基礎とし、3D画像データの各画素における相対的な比を掛け合わせて、高解像なそれぞれの視差画像データを生成することができる。このような画像処理を採用することを前提とすれば、撮像素子100においては、視差画素の数は、視差なし画素の数よりも少なくて良い。換言すれば、視差画素が相対的に少なくても、比較的解像度の高い3D画像を生成することができると言える。
この場合、3D画像をカラー画像として生成するには、互いに異なる少なくとも2種類のカラーフィルタが配列されれば良いが、本実施形態においては、図6を用いて説明したベイヤー配列のように、更なる高画質化のためにRGBの3種類のカラーフィルタを採用する。特に、視差画素の数が相対的に少ない本実施形態においては、視差画素は、それぞれの種類の開口部104に対して、RGBの3種類のカラーフィルタのいずれかが設けられたすべての組み合わせを含む。例えば、開口部104が中心よりも左側に偏心した視差Lt画素と、同じく右側に偏心した視差Rt画素を想定すると、視差Lt画素は、Rフィルタを備えた画素、Gフィルタを備えた画素、Bフィルタを備えた画素を含み、視差Rt画素は、Rフィルタを備えた画素、Gフィルタを備えた画素、Bフィルタを備えた画素を含む。すなわち撮像素子100は、6種類の視差画素を有する。このような撮像素子100から出力される画像データは、いわゆる立体視を実現する鮮やかなカラー視差画像データの基礎となる。なお、2種類の開口部に対して2種類のカラーフィルタを組み合わせる場合には、撮像素子100は、4種類の視差画素を有する。
以下に画素配列のバリエーションについて説明する。図7は、第1実施例における繰り返しパターン110の配列を説明する図である。第1実施例における繰り返しパターン110は、4画素を基本単位とするベイヤー配列を、Y軸方向である縦方向に4つ、X軸方向である横方向に4つ含み、64画素から構成される。この繰り返しパターン110は、64画素から成る画素群を一組として、撮像素子100の有効画素領域を上下左右に周期的に配列されている。すなわち、撮像素子100は、図の太線で示す繰り返しパターン110を基本格子とする。なお、繰り返しパターン110内の画素をPIJで表す。例えば、左上画素はP11であり、右上画素はP81である。
第1実施例における視差画素は、開口部104が中心よりも左側に偏心した視差Lt画素と、同じく右側に偏心した視差Rt画素の2種類の開口マスク103のいずれかを有する。図に示すように、視差画素は以下のように配列されている。
P11…視差Lt画素+Gフィルタ(=G(Lt))
P51…視差Rt画素+Gフィルタ(=G(Rt))
P32…視差Lt画素+Bフィルタ(=B(Lt))
P63…視差Rt画素+Rフィルタ(=R(Rt))
P15…視差Rt画素+Gフィルタ(=G(Rt))
P55…視差Lt画素+Gフィルタ(=G(Lt))
P76…視差Rt画素+Bフィルタ(=B(Rt))
P27…視差Lt画素+Rフィルタ(=R(Lt))
他の画素は視差なし画素であり、視差無し画素+Rフィルタ(=R(N))、視差なし画素+Gフィルタ(=G(N))、視差無し画素+Bフィルタ(=B(N))のいずれかである。
このように、基本格子の中に開口部とカラーフィルタのすべての組み合わせによる視差画素を含み、かつ視差画素よりも多い視差なし画素の中にランダム性を有して配置されている配列が好ましい。特に、各カラーフィルタ別にカウントした場合でも、視差なし画素の方が視差無し画素よりも多いことが好ましい。第1実施例の場合、G(N)=28個に対して、G(Lt)+G(Rt)=2+2=4個であり、R(N)=14個に対して、R(Lt)+R(Rt)=2個、B(N)=14個に対して、B(Lt)+B(Rt)=2個である。また、上記の通り、人間の視感特性を考慮して、Gフィルタを有する視差画素および視差なし画素は、他のカラーフィルタを有するそれぞれよりも多く配列されている。
いいかえると、視差画素に対しても R、G、B全てのカラー情報を備えることにより、より高度で正確な立体用の色分布構造を捉えようとしている。
そのRGB比率は、右視差画素についても、左視差画素についても視差なし画素についても全てBayer配列と同じR:G:B=1:2:1の構成をとる。更に視差なし画素が通常のBayer配列の空間分解能をできるだけ保つように視差画素を疎な密度でできるだけ相互に離して分布させる。すなわち、ある色成分の同じ右視差画素同士の間や同じ左視差画素同士の間では等間隔に等方性を保って並べると共に、ある色成分の右視差画素と左視差画素との間の距離も最も離れるように等間隔に並べる。そして色成分を無視した場合の右視差画素同士の間の距離や色成分を無視した場合の左視差画素同士の間の距離ができるだけ離れるように配置して、視差情報を均一に取得するようにする。
なお、実施例1では視差なし画素と左視差画素と右視差画素の画素数比がN:Lt:Rt=14:1:1にあり、視差なし画素の空間解像度はBayer配列に極めて近い状態を保っている。更に、視差画素を互いに最も離れて配置したことにより、視差なし画素が隣接して同時に情報を失う心配がなくなり、ナイキスト周波数を含む高い周波数成分を解像する性能を保持する。
図8は、第1実施例における視差画素の画素間隔の関係を説明する図である。図においては、図7で示した繰り返しパターン110を9個(=3×3)並べて示す。
図示する通り、G(Lt)画素のX方向における間隔もY方向における間隔も、GLtpで表される等間隔である。また、対となるG(Rt)画素についても、X方向における間隔もY方向における間隔も、GRtpで表される等間隔であり、かつ、GRtpはGLtpと等しい。更には、G(Lt)画素の位置からX、Yの一方向にだけGLtpの距離だけを進めたところにG(Rt)画素が存在する。
同様に、R(Lt)画素のX方向における間隔もY方向における間隔も、RLtpで表される等間隔である。また、対となるR(Rt)画素についても、X方向における間隔もY方向における間隔も、RRtpで表される等間隔であり、かつ、RRtpはRLtpと等しい。更には、R(Lt)画素の位置からX、Yの両方向にRLtpの半分の距離だけ進めたところにR(Rt)画素が存在する。
さらに、B(Lt)画素のX方向における間隔もY方向における間隔も、BLtpで表される等間隔である。また、対となるB(Rt)画素についても、X方向における間隔もY方向における間隔も、BRtpで表される等間隔であり、かつ、BRtpはBLtpと等しい。更には、B(Lt)画素の位置からX、Yの両方向にBLtpの半分の距離だけ進めたところにB(Rt)画素が存在する。
すなわち、カラーフィルタの種類ごとにみた場合、開口マスクの種類ごとに、他の開口マスクが対応付けられた視差画素および視差なし画素に挟まれて、2次元方向のいずれに対しても、等間隔で配置されている。換言すれば、2次元方向に、等方かつ均等に配置されている。このように視差画素が配置されることにより、視差画像の出力時に縦方向と横方向で解像感が異ならず、かつ、2D画像の解像感に対する悪影響も軽減できる。
こうして得られた色・視差画素配列の様子を図19にまとめるとともに、その実空間配列に対応する周波数空間における解像域すなわち分解能もk空間図として示す。波数kは周波数fとk=2πfの関係で結ばれる。実空間の格子間隔をaとすると、その逆格子空間を表わすのがk空間であり、解像域は逆格子空間の第1ブリルアンゾーンによって表わされる(たとえば、本出願人と同一発明者のUS2010/021853や日本特許第4239483号を参照)。
図19を見ると撮像段階における疎な左視差画素と疎な右視差画素の解像力は密な視差なし画素に比べて低い。その分、密な視差なし画素はBayer配列に匹敵するような解像力を持っている。
したがって、後述するように一旦視差なし画素を補間して、2Dカラー画像R(N)、G(N)、B(N)を生成し、更に予め、疎な左視差画像R(Lt)、G(Lt)、B(Lt)と疎な右視差画像R(Rt)、G(Rt)、B(Rt)を生成しておく。そうして、これから視差なし画像を中間的に利用して、最終的に密な左視差画像R'(Lt)、G'(Lt)、B'(Lt)と密な右視差画像R'(Rt)、G'(Rt)、B'(Rt)を以下のように疎な視差画像で視差変調を加えることによって得ることができる。
こうして、視差なし画素の高周波成分が新たに生成する視差あり画像に重畳されて、視差あり画像、すなわち3D画像も2D画像と同じ高解像な画像を得ることができる。いいかえると、合焦域近辺のわずかにピントがはずれて視差が少しだけ発生しているような画像領域では、視差なし画像の高解像な画像をゆるやかに変化する視差画像の状態を参照しながら左方向や右方向に少しだけずらす変位処理が視差変調によって行われる。
また、非合焦域の大きくボケた領域の被写体像は視差なし画像の解像力を最大限に保持しながら、ゆるやかに変化する視差あり画像の横方向の空間分解能を最大限に活用して大規模に横ずらしが行われる。
いいかえると、視差変調効果を最大限に発揮させるには視差あり画像が持つ空間分解能が水平方向に高いことが画素配列の条件として挙げられる。最初に6視差の例で示したように、左右の視差画素を水平方向に並べて水平解像を落としてしまうような構成はこのような観点からは望ましくなく、水平方向に高い分解能を持った視差画素配列が求められる。このような条件を満たすように配置したのが等方的な視差画素配列であり、図19のk空間図で等方的な解像を示している。以下、他に挙げる疎な視差画素配列の例は全て等方的な視差画素配列構造を持ち、k空間図と共に示していくことにする。
図9は、第2実施例における繰り返しパターン110の配列を説明する図である。第2実施例における繰り返しパターン110は、第1実施例と同様に、4画素を基本単位とするベイヤー配列を、Y軸方向である縦方向に4つ、X軸方向である横方向に4つ含み、64画素から構成される。この繰り返しパターン110は、64画素から成る画素群を一組として、撮像素子100の有効画素領域を上下左右に周期的に配列されている。すなわち、撮像素子100は、図の太線で示す繰り返しパターン110を基本格子とする。
第2実施例における視差画素は、開口部104が中心よりも左側に偏心した視差Lt画素と、同じく右側に偏心した視差Rt画素の2種類の開口マスク103のいずれかを有する。図に示すように、視差画素は以下のように配列されている。
P11…視差Lt画素+Gフィルタ(=G(Lt))
P51…視差Rt画素+Gフィルタ(=G(Rt))
P32…視差Lt画素+Bフィルタ(=B(Lt))
P72…視差Rt画素+Bフィルタ(=B(Rt))
P23…視差Rt画素+Rフィルタ(=R(Rt))
P63…視差Lt画素+Rフィルタ(=R(Lt))
P15…視差Rt画素+Gフィルタ(=G(Rt))
P55…視差Lt画素+Gフィルタ(=G(Lt))
P36…視差Rt画素+Bフィルタ(=B(Rt))
P76…視差Lt画素+Bフィルタ(=B(Lt))
P27…視差Lt画素+Rフィルタ(=R(Lt))
P67…視差Rt画素+Rフィルタ(=R(Rt))
他の画素は視差なし画素であり、視差無し画素+Rフィルタ(=R(N))、視差なし画素+Gフィルタ(=G(N))、視差無し画素+Bフィルタ(=B(N))のいずれかである。
このように、基本格子の中に開口部とカラーフィルタのすべての組み合わせによる視差画素を含み、かつ視差画素よりも多い視差なし画素の中にランダム性を有して配置されている配列が好ましい。特に、各カラーフィルタ別にカウントした場合でも、視差なし画素の方が視差無し画素よりも多いことが好ましい。第2実施例の場合、G(N)=28個に対して、G(Lt)+G(Rt)=2+2=4個であり、R(N)=12個に対して、R(Lt)+R(Rt)=4個、B(N)=12個に対して、B(Lt)+B(Rt)=4個である。
この配列は、第1実施例で視差画素配列のRGB比を1:2:1としていたところをRとBの視差画素をGと同じまで増加してR:G:B=1:1:1とした配列である。その分視差なし画素の空間分解能が落ちる。実空間図とk空間図を図20に示す。
図10は、第3実施例における繰り返しパターン110の配列を説明する図である。第3実施例における繰り返しパターン110は、第1実施例、第2実施例と同様に、4画素を基本単位とするベイヤー配列を、Y軸方向である縦方向に4つ、X軸方向である横方向に4つ含み、64画素から構成される。この繰り返しパターン110は、64画素から成る画素群を一組として、撮像素子100の有効画素領域を上下左右に周期的に配列されている。すなわち、撮像素子100は、図の太線で示す繰り返しパターン110を基本格子とする。
第3実施例における視差画素は、開口部104が中心よりも左側に偏心した視差Lt画素と、同じく右側に偏心した視差Rt画素の2種類の開口マスク103のいずれかを有する。図に示すように、視差画素は以下のように配列されている。
P11…視差Lt画素+Gフィルタ(=G(Lt))
P32…視差Lt画素+Bフィルタ(=B(Lt))
P63…視差Rt画素+Rフィルタ(=R(Rt))
P55…視差Rt画素+Gフィルタ(=G(Rt))
P76…視差Rt画素+Bフィルタ(=B(Rt))
P27…視差Lt画素+Rフィルタ(=R(Lt))
他の画素は視差なし画素であり、視差無し画素+Rフィルタ(=R(N))、視差なし画素+Gフィルタ(=G(N))、視差無し画素+Bフィルタ(=B(N))のいずれかである。
このように、基本格子の中に開口部とカラーフィルタのすべての組み合わせによる視差画素を含み、かつ視差画素よりも多い視差なし画素の中にランダム性を有して配置されている配列が好ましい。特に、各カラーフィルタ別にカウントした場合でも、視差なし画素の方が視差無し画素よりも多いことが好ましい。第3実施例の場合、G(N)=30個に対して、G(Lt)+G(Rt)=2個であり、R(N)=14個に対して、R(Lt)+R(Rt)=2個、B(N)=14個に対して、B(Lt)+B(Rt)=2個である。
この配列は、第1実施例で視差画素配列のRGB比を1:2:1としていたところをGの視差画素をRとBと同じまで減らしてR:G:B=1:1:1とした配列である。その分視差なし画素の空間分解能が上がる。実空間図とk空間図を図21に示す。
第3実施例の場合、視差画素は、開口マスクの種類ごとに2次元方向の行方向(X方向)および列方向(Y方向)のいずれに対してもずれて配置されている。すなわち、行方向においては、視差Lt画素は、1、2、7行目に配置されており、視差Rt画素は、3、5、6行目に配置されている。また、列方向においては、視差Lt画素は、1、2、3列目に配置されており、視差Rt画素は、5、6、7列目に配置されている。このように、カラーフィルタの種類別を考慮せずとも、開口マスクの種類ごとに2次元方向のいずれに対しても等間隔で配置されていれば、画素配列のランダム性がより向上し、高品質な視差画像を出力することができる。すなわち、視差情報を等方的に捉える。これは第1実施例で述べた配置の原則をそのまま踏襲して当てはめたものである。
図11は、第4実施例における繰り返しパターン110の配列を説明する図である。第4実施例における繰り返しパターン110は、4画素を基本単位とするベイヤー配列を、Y軸方向である縦方向に2つ、X軸方向である横方向に2つ組み合わせた上で、左上および右下のベイヤー配列におけるGb画素のGフィルタを、可視光波長帯域のいずれも通過させるWフィルタに置き換えた、16画素から構成される。この繰り返しパターン110は、16画素から成る画素群を一組として、撮像素子100の有効画素領域を上下左右に周期的に配列されている。すなわち、撮像素子100は、図の太線で示す繰り返しパターン110を基本格子とする。
第4実施例における視差画素は、開口部104が中心よりも左側に偏心した視差Lt画素をWフィルタが対応付けられたP11に、同じく右側に偏心した視差Rt画素のをWフィルタが対応付けられたP33に有する。
他の画素は視差なし画素であり、視差無し画素+Rフィルタ(=R(N))、視差なし画素+Gフィルタ(=G(N))、視差無し画素+Bフィルタ(=B(N))のいずれかである。
このような配列であっても、開口マスクの種類ごとに、他の開口マスクが対応付けられた視差画素および視差なし画素に挟まれて、2次元方向のいずれに対しても、等間隔で配置されている。また、視差画素は、開口マスクの種類ごとに2次元方向の行方向(X方向)および列方向(Y方向)のいずれに対してもずれて配置されている。
この配列の実空間図とk空間図を図22に示す。
第4実施例における撮像素子100からは、視差画像データとして輝度情報を取得することができる。すなわち、画像データとしてモノクロの3D画像を出力させることができる他、被写体の距離を算出するための距離画像としても利用できる。また、高解像データである2D画像データを基礎として、輝度情報としての3D画像データの各画素における相対的な比を掛け合わせれば、高解像度のカラー視差画像データを生成することもできる。
これまで第1〜第4実施例で述べてきたのは「疎な視差画素」と「等方的な視差画素」の配置の両方の原則を守りながら構成した例である。この原則に基づいてその他に考えられうる色・視差画素の配列構成を以下の図に示す。図23、図24、図25はカラーフィルタはBayer配列の構造をとり、視差画素としてG画素のみを採用した場合の構成であり、それぞれ視差画素の密度を少しずつ変えたものである、図26、図27、図28はモノクロのセンサーに対して、上記原則に基づいて構成した視差画素配列である。何れの図もk空間図で視差画素の周波数解像域は等方的で、かつ視差なし画素の解像域を広大に保ったままで、視差画素の情報もボケ領域に視差が発生するという観点から適切な範囲の分解能を備えている。
同様にして補色系の配列の例の場合を図29、図30、図31、図32に示す。なお、Cはシアン、Mはマゼンダ、Yはイエロー、Wはホワイトを意味する。
上述のように原色系、モノクロ系、補色系の場合の各視差画素配列について示してきたが、カラー配列の中でも特に優れる配列は実施例1にし示したものである。それは基本がBayer配列にあり、視差なし画素も視差あり画素もRGB比がR:G:B=1:2:1という視感度に近い分解能比を視差なし画素が通常のBayer配列とほぼ同じ性能を保って実現するからである。
次に、第5実施例として、第1実施例の視差画素の密度をR、G、B成分ともに2倍に増やした場合の例を示す。第2実施例では、第1実施例のRとB成分のみの視差画素のみを増やしたが、本実施形態ではG成分も増やし、視差なし画素間の色分配比R(N):G(N):B(N)=1:2:1も左視差画素間の色分配比R(Lt):G(Lt):B(Lt)=1:2:1も右視差画素間の色分配比R(Rt):G(Rt):B(Rt)=1:2:1も全てがBayer配列と同じ色分配比を保って、視差なし画素(N)と左視差画素(Lt)と右視差画素(Rt)の分配比率N:Lt:Rt=14:1:1からN:Lt:Rt=6:1:1に増やす。
図34にその配列図を示す。合わせてそのk空間図も示す。ただし、k空間図の視差なし画素の解像範囲は、視差画素が疎であるため、解像範囲がBayer配列と比べて落ちなかったと仮定したものである。G(Lt)とG(Rt)の解像範囲はおよその見積もりで記載している。
配列の並びについて説明を加えておくと、8×8の基本格子内の様子を見ると、全ての行で左視差画素と右視差画素が1つ1つ存在している。また、全ての列でも左視差画素と右視差画素が1つ1つ存在している。その距離は等間隔に、異なる視差画素同士の距離が最も離れるように配置されている。また、色を無視して左視差画素同士を直線で結ぶと、水平から約30度傾いた左斜め線が結ばれつつ、それと直交する方向にも右斜め線が結ばれる。これは右視差画素同士の間でも同様である。したがって、疎な視差画素が等方的に配置されている。
この配列は、2D解像と3D解像の空間解像バランスが非常によいという性能をもつ特徴がある。すなわち、視差なし画素が密な配列で2D画質を保ちつつ、視差画素が各々の行と列で捉えられるほどの密度で立体画像を生成できるということになる。ゆえに、第1実施例と第5実施例は、Bayer配列の色分配比率の概念を踏襲しながら、単眼瞳分割立体撮像に適した形で、発展させた視差画素配列ということができる。
次に、2D画像データと複数の視差画像データを生成する画像処理の概念について説明する。繰り返しパターン110における視差画素および視差なし画素の配列からもわかるように、撮像素子100の出力をその画素配列に一致させてそのまま羅列しても、特定の像を表す画像データにはならない。撮像素子100の画素出力を、同一に特徴付けられた画素グループごとに分離して寄せ集めてはじめて、その特徴に即した一つの像を表す画像データが形成される。例えば、既に図5を用いて説明したように、視差画素の出力をその開口部の種類ごとに寄せ集めると、互いに視差を有する複数の視差画像データが得られる。このように、同一に特徴付けられた画素グループごとに分離して寄せ集められたそれぞれの画像データを、プレーンデータと呼ぶ。
画像処理部205は、撮像素子100の画素配列順にその出力値が羅列されたRAW元画像データを受け取り、複数のプレーンデータに分離するプレーン分離処理を実行する。以下に各プレーンデータの生成処理について、図7を用いて説明した第1実施例の撮像素子100からの出力を例に説明する。
図12は、2D画像データとしての2D−RGBプレーンデータの生成処理の例を説明する図である。上段の図は、撮像素子100における一つの繰り返しパターン110およびその周囲の出力を、その画素配列に一致させてそのまま羅列した様子を示す。図においては、図7の例に則して画素の種類が理解されるように記載するが、実際には各画素に対応した出力値が並ぶ。
2D−RGBプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、まず視差画素の画素値を除去して、空格子とする。そして、空格子となった画素値を、同種のカラーフィルタを有する周辺画素の画素値を用いて補間処理により算出する。例えば、空格子P11の画素値は、斜め方向に隣接するGフィルタ画素の画素値である、P−1−1、P2−1、P−12、P22の画素値を平均化演算して算出する。また、例えば空格子P63の画素値は、上下左右に1画素飛ばして隣接するRフィルタの画素値である、P43、P43、P83、P65の画素値を平均化演算して算出する。同様に、例えば空格子P76の画素値は、上下左右に1画素飛ばして隣接するBフィルタの画素値である、P74、P56、P96、P78の画素値を平均化演算して算出する。
このように補間された2D−RGBプレーンデータは、ベイヤー配列を有する通常の撮像素子の出力と同様であるので、その後は2D画像データとして各種処理を行うことができる。すなわち、公知のベイヤー補間を行って、各画素にRGBデータの揃ったカラー画像データを生成する。画像処理部205は、静止画データを生成する場合にはJPEG等、動画データを生成する場合にはMPEG等の、予め定められたフォーマットに従って画像処理を行う。
図13は、視差画像データとしての2つのGプレーンデータの生成処理の例を説明する図である。すなわち、左視差画像データとしてのGLtプレーンデータと右視差画像データとしてのGRtプレーンデータである。
GLtプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、撮像素子100の全出力値からG(Lt)画素の画素値以外の画素値を除去して空格子とする。すると、繰り返しパターン110には、P11とP55の2つの画素値が残る。そこで、繰り返しパターン110を縦横に4等分し、左上の16画素分をP11の出力値で代表させ、右下の16画素分をP55の出力値で代表させる。そして、右上の16画素分および左下の16画素分は、上下左右に隣接する周辺の代表値を平均化演算して補間する。すなわち、GLtプレーンデータは、16画素単位で一つの値を有する。
同様に、GRtプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、撮像素子100の全出力値からG(Rt)画素の画素値以外の画素値を除去して空格子とする。すると、繰り返しパターン110には、P51とP15の2つの画素値が残る。そこで、繰り返しパターン110を縦横に4等分し、右上の16画素分をP51の出力値で代表させ、左下の16画素分をP15の出力値で代表させる。そして、左上の16画素分および右下の16画素分は、上下左右に隣接する周辺の代表値を平均化演算して補間する。すなわち、GRtプレーンデータは、16画素単位で一つの値を有する。
このようにして、2D−RGBプレーンデータよりは解像度の低いGLtプレーンデータとGRtプレーンデータを生成することができる。
図14は、視差画像データとしての2つのBプレーンデータの生成処理の例を説明する図である。すなわち、左視差画像データとしてのBLtプレーンデータと右視差画像データとしてのBRtプレーンデータである。
BLtプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、撮像素子100の全出力値からB(Lt)画素の画素値以外の画素値を除去して空格子とする。すると、繰り返しパターン110には、P32の画素値が残る。この画素値を繰り返しパターン110の64画素分の代表値とする。
同様に、BRtプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、撮像素子100の全出力値からB(Rt)画素の画素値以外の画素値を除去して空格子とする。すると、繰り返しパターン110には、P76の画素値が残る。この画素値を繰り返しパターン110の64画素分の代表値とする。
このようにして、2D−RGBプレーンデータよりは解像度の低いBLtプレーンデータとBRtプレーンデータが生成される。この場合、BLtプレーンデータとBRtプレーンデータの解像度は、GLtプレーンデータとGRtプレーンデータの解像度よりも低い。
図15は、視差画像データとしての2つのRプレーンデータの生成処理の例を説明する図である。すなわち、左視差画像データとしてのRLtプレーンデータと右視差画像データとしてのRRtプレーンデータである。
RLtプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、撮像素子100の全出力値からR(Lt)画素の画素値以外の画素値を除去して空格子とする。すると、繰り返しパターン110には、P27の画素値が残る。この画素値を繰り返しパターン110の64画素分の代表値とする。
同様に、RRtプレーンデータを生成するにあたり、画像処理部205は、撮像素子100の全出力値からR(Rt)画素の画素値以外の画素値を除去して空格子とする。すると、繰り返しパターン110には、P63の画素値が残る。この画素値を繰り返しパターン110の64画素分の代表値とする。
このようにして、2D−RGBプレーンデータよりは解像度の低いRLtプレーンデータとRRtプレーンデータが生成される。この場合、RLtプレーンデータとRRtプレーンデータの解像度は、GLtプレーンデータとGRtプレーンデータの解像度よりも低く、BLtプレーンデータとBRtプレーンデータの解像度と同等である。
各プレーンの解像度の関係を示す概念図を図16に示す。2D−RGBプレーンデータは、US2010/021853号公報の技術などを用いて補間処理が施されることにより、実質的に撮像素子100の有効画素と同じ画素数分の出力値を有する。GLtプレーンデータおよびGRtプレーンデータは、補間処理が施されることにより、2D−RGBプレーンデータの画素数に対して1/16(=1/4×1/4)の画素数分の出力値を有する。BLtプレーンデータ、BRtプレーンデータ、RLtプレーンデータおよびRRtプレーンデータは、2D−RGBプレーンデータの画素数に対して1/64(=1/8×1/8)の画素数分の出力値を有する。これら解像度の低い各プレーンデータをバイリニア補間することによって拡大変倍し、撮像素子の有効画素数と同じ画素数の解像度をもつプレーンデータに変換する。しかしながら、これらのプレーンデータは実質的に元の変倍前のプレーンデータが持っていた分解能しか解像力は有しない。すなわち、変倍拡大されたプレーンデータは緩やかに変化する画像データである。これらは既にk空間を用いて説明したことと同じことを実空間でもう一度説明したに過ぎない。
このような各プレーンデータ間における解像度のバランスによれば、まず、解像度の高い2D画像を出力させることができる。そして、2D画像の情報を利用しつつ、前述の式の視差変調を行うことによって視差画像データを用いて合成処理を施せば、3D画像についても解像感のある画像として出力させることができる。
なお、第1実施例および第2実施例のように視差画素の種類を2つにすれば2視点の視差画像が得られるが、もちろん視差画素の種類は、出力させたい視差画像数に合わせて様々な数を採用し得る。視点数が増えていっても、仕様、目的等に応じた、さまざまな繰り返しパターン110を形成することができる。この場合、2D画像の出力と3D画像の出力に対して共に解像感を持たせるためには、撮像素子100の基本格子の中に開口部とカラーフィルタのすべての組み合わせによる視差画素を含みつつ、視差画素よりも視差なし画素を多くすることが肝要である。更には、視差画素を等方的に、かつ均等に配置するのが肝要である。
以上、発明の本質を要約すると次の3つの重要点を挙げることができる。第1番目に、視差画素による単眼瞳分割撮像方式は、視差が非合焦部のぼけた被写体像の領域で発生するだけであるから、左右の視差画像として取得すべき空間的な分解能は低くてよく、視差画素を疎な配置することができる。その分、合焦位置の高周波成分を備えた被写体像では視差が消滅するので、視差なし画像を密に配置することができ、単眼瞳分割方式に極めて相性の良い色・視差画素配列を提供することができる。
第2番目に左右の視差画像は、視差なし画像を水平方向に変調させて最終的な高解像なカラー視差画像を生成する役割を担う。そのときに、水平方向の視差変調を最も効果的に高解像に行うためには、視差画像が各々水平方向に高い分解能をもっている必要がある。その解決策を与えるのが、各視差画素を等方的に配置する色・視差画素配列である。
第3番目に、視差なし画素の間に視差画素を埋め込んだときに、視差なし画素の空間分解能を埋め込む前の状態をできるだけ保って、視差画素による損傷を極力抑える必要がある。そのための解決手段が視差画素同士を極力等方的に均質に配置して分布させる方法である。以上の理由により、「疎な視差画素配置」と「等方的な視差画素配置」が極めて有効な単眼瞳分割撮像方式の撮像素子の構成を与える。
上述の例では、カラーフィルタ配列としてベイヤー配列を採用した場合について説明したが、もちろん他のカラーフィルタ配列であっても差し支えない。また、上述の例では、カラーフィルタを構成する原色として、赤色、緑色および青色の3つを用いた。しかし、翠色などを加えた4つ以上を原色としても良い。また、赤色、緑色および青色に代えて、イエロー、マゼンタ、シアンの組み合わせによる3原色を採用することもできる。
なお、視差なし画素として全開口の例を示したが、視差なし画素としては図33に示すように、視差画素と同じ半開口の面積のマスクを画素の中心に配置することによっても実現することができる。
これまで説明してきた視差なし画素(N画素)と視差画素(Lt画素、Rt画素)が共存する配列は、N画素のみから成る通常のBayer配列に比べて、視差画素はおよそ2倍の露光量まで信号量が飽和しないという特性を持つため、ワイドダイナミックレンジ配列を実現するという利点を有する。すなわち、視差画素の半分の開口が遮光されている特性自体が、視差を生み出す立体撮像効果と飽和レベルを拡張する高ダイナミックレンジ化の2つの効果を同時に実現する。したがって、実施形態に示してきた配列を用いて、2D画像や3D画像を生成すると、高ダイナミックレンジまで解像する性能を備えた画像を得ることができる。
以上の説明では、一つの画素に視差Lt画素および視差Rt画素のいずれかを割り当てていたが、視差Lt画素および視差Rt画素の両方を割り当てることもできる。例えば、一つの画素を構成する光電変換素子を左右に分割し、分割された左側を視差Lt画素、分割された右側を視差Rt画素として扱うことができる。このような画素配列においては、視差Lt画素および視差Rt画素の密度が高くなるので、視差Lt画素および視差Rt画素の空間解像度を高くすることができる。なお、視差画素の光電変換素子については、視差なし画素の光電変換素子の専有面積の略半分の専有面積を1画素として扱う。すなわち、N画素の正方画素と、視差Lt画素と視差Rt画素の矩形画素とが混在することになる。視差Lt画素とRt画素を合わせると略正方領域となる。
図35は、一例としての実空間の配列とk空間を示す図である。図35に示す配列では、視差なし画素と視差Lt画素と視差Rt画素の画素数比がN:Lt:Rt=14:2:2となっている。図19に示した配列に比べて、視差Lt画素と視差Rt画素の密度が高くなっている。その結果、図35のk空間図に示すように、R,G,Bのそれぞれにおいて、視差Lt画素と視差Rt画素の空間解像度が高くなっている。
図36は、一例としての実空間の配列とk空間を示す図である。図36に示す配列では、視差なし画素と視差Lt画素と視差Rt画素の画素数比がN:Lt:Rt=6:2:2となっている。図34に示した配列に比べて、視差Lt画素と視差Rt画素の密度が高くなっている。その結果、図36のk空間図に示すように、R,G,Bのそれぞれにおいて、視差Lt画素と視差Rt画素の空間解像度が高くなっている。
以上、説明した画素配列の中の特別な条件を満たすものにおいて、水平方向に複数の画素を加算するとともに、垂直方向の複数の画素を間引くことにより、動画読み出しを行うことができる。図37は図34に示した配列で、動画読み出しを説明する図である。ここでは、水平方向に隣接する同色の3画素を加算するとともに、垂直方向に3画素間引く場合について説明する。図37は、その様子を目で追いやすくするため、図34に示した画素配列が縦方向および横方向のそれぞれに四つずつ並べて示している。また、画素の位置を(i、j)で表す。例えば、左上端の画素の位置は、(1、1)であり、右下端の画素の位置は、(32、32)である。
例えば、(1、1)に位置するGLt画素の画素値と、(1、3)に位置するG画素の画素値と、(1、5)に位置するGRt画素の画素値とを加算すことにより、加算後のGの画素値を得ることができる。同様に、(1、7)に位置するG画素の画素値と、(1、9)に位置するGLt画素の画素値と、(1、11)に位置するG画素の画素値とを加算すことにより、加算後のGLtの画素値を得ることができる。加算および間引き後のGLt画素における視差量は、視差画素1つとN画素2つの平均をとるので、1/3に減衰する。したがって、視差変調のときに視差量を3倍に増幅するとよい。すなわち、差を一定に保つ視差変調のときは変調項全体を3倍すればよく、比を一定に保つ視差変調のときは変調項全体を3乗すればよい。
以上のように動画読み出しを行った場合と、全画素読み出しを行った場合とにおいて、視差なし画素と視差Lt画素と視差Rt画素の画素数比はともにN:Lt:Rt=6:1:1となる。また、配列構造もR成分とB成分の役割を入れ替えれば、全画素読出しのときと全く同じ配列になる。このように、視差なし画素と視差Lt画素と視差Rt画素の画素数比がN:Lt:Rt=6:1:1の画素配列は、動画読み出しを行ってもN:Lt:Rt=6:1:1のまま配列構造の位置関係も変わらないという優れた特性を持つ。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。