JP6203169B2 - プロセス評価装置およびプロセス評価プログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、プロセス評価装置およびプロセス評価プログラムに関する。
業務や開発の効率化や質を高めるためには、プロセスの最適化を図る必要がある。最適化を行うために、現状のプロセスの評価を行い、改善箇所を特定し、改善策を立案していくことが行われている。
従来、プロセスの評価手法としては、ベストプラクティスと比較する定性的アプローチや、結果に影響する変数を相関関係によって把握する定量的アプローチがある。
しかし、相関関係は因果関係を示している訳ではなく、また、プロセスの評価や改善箇所の特定には時間がかかるだけではなく、人によりばらつく。
さらに、各プロセスに対する作業タスクを一つ一つ確認していくとなると、判定に時間がかかり、改善の結果と原因が複雑に絡み合っており、原因の特定が難しい、という問題があった。
特開2006−127059号公報
本発明が解決しようとする課題は、変数間の因果関係を考慮しながらプロセスの評価が可能であって、大量のデータの中から異常を示すプロセスの箇所を特定することができるプロセス評価装置およびプロセス評価プログラムを提供することである。
実施形態のプロセス評価装置は、業務や開発の作業タスクの流れを示し、定量的に計測可能な変数によって特徴づけられたプロセスに関し、該プロセスの評価を行うユーザによって定義された基準因果モデルを取り込む基準因果モデル定義部と、前記プロセスの複数の前記変数を評価データとして取り込み、ベイジアンネットワークの因果モデル構築アルゴリズムを使用して、評価因果モデルを構築する評価因果モデル構築部と、前記基準因果モデルにおける変数間の因果関係および前記評価因果モデルにおける変数間の因果関係を比較し、前記評価因果モデルにおける前記変数間の因果関係の矛盾に対応するスコアを求めるモデル採点部とを、備える。
本発明の実施形態に係るプロセス評価装置の概略構成を示すブロック図である。 プロセスと変数の関係の一例を示す図である。 多変数のモデル化による因果モデルの生成例を示す図である。 ベイジアンネットワークの構造学習部分の機能を説明する図である。 因果モデル構築アルゴリズムによる評価因果モデルの構築を説明する図である。 変数間の関連の分類を説明する図である。 基準因果モデルと評価因果モデルの比較を説明する図である。 2つの変数間の相関係数の算出を説明する図である。 プロセス評価装置における評価因果モデルの評価処理の流れを説明するフローチャートである。 基準因果モデル定義部において、プロセス評価装置のユーザである業務プロセスの評価者によって定義される基準因果モデルを示す図である。 評価因果モデル構築部において構築される評価因果モデルを示す図である。 モデル採点部における比較後に分類した有向辺の種類を説明する図である。 重み付け後のスコア算出を説明する図である。 改善箇所推薦部においてランク付けした改善箇所の候補を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
まず、本実施形態で用いる主要な用語について説明する。
「グラフ」とは、頂点の集合と頂点をつなぐ辺からなる集合をいう。
「因果関係」とは、原因と結果の関係をいう。
「プロセス」とは、業務や開発の作業タスク(工程)の流れを示したものをいう。
「変数」とは、プロセスを特徴づける指標(定量的に計測できるもの)をいう。
「評価データ」とは、複数の変数からなるデータの集合をいう。
本実施形態においては、定量的なデータをもとに、基準因果モデルとベイジアンネットワークの構造学習部分(因果モデル構築アルゴリズム)を利用して構築する評価因果モデルとを比較し、変数間の関連の違いを捉えることで評価因果モデルを評価し、プロセスの良さを定量的に示す。
図1は、本発明の実施形態に係るプロセス評価装置の概略構成を示すブロック図である。この装置は汎用のコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ(PC)等)と、同コンピュータ上で動作するソフトウェアとを用いて実現される。コンピュータとしては、CAD(Computer Aided Design)やCAE(Computer Aided Engineering)に好適なエンジニアリングワークステーション(EWS)等も含む。本実施形態はこのようなコンピュータに、業務や開発の作業タスクの流れを示し、定量的に計測可能な変数によって特徴づけられたプロセスに関し、該プロセスの評価を行うユーザによって定義された基準因果モデルを取り込む機能と、プロセスの複数の変数を評価データとして取り込み、ベイジアンネットワークの因果モデル構築アルゴリズムを使用して、評価因果モデルを構築する機能と、基準因果モデルにおける変数間の因果関係および評価因果モデルにおける変数間の因果関係を比較し、評価因果モデルにおける変数間の因果関係の矛盾に対応するスコアを求める機能とを、実現させるためのプログラムとして実施することもできる。
図1に示すように、本実施形態に係るプロセス評価装置1は、主として、基準因果モデル定義部11、評価因果モデル構築部12、モデル採点部13、改善箇所推薦部14から構成されている。
基準因果モデル定義部11は、評価するプロセスの変数に対して、変数間の時間的な順序関係や関連性を考慮し、“基準因果モデル”(詳しくは、後述する)をプロセスの評価者(ユーザ)が定義する。
<プロセスと変数の関係>
プロセスは、業務や開発の作業タスク(工程)の流れを示したものであるが、本実施形態では、プロセスを特徴づける指標(定量的に計測できるもの)としての“変数”によって、プロセスを把握する。
図2は、プロセスと変数の関係の一例を示す図である。図2に示す例では、例えば、「検査項目作成」と名付けたプロセスは、「作成工数」および「項目数」と名付けた変数によって、特徴づけられている。また、図2に示す例では、プロセスの「検査項目作成」は、「検査環境整備」および「試験項目レビュー」と名付けたプロセスに依存関係がある、ことを示している。
「作成工数」、「項目数」、「指摘件数」等の複数の変数を計測して得られる実データの集合は、“評価データ”と呼ぶ。
<因果モデル>
対象とする変数(事象)を構成するそれぞれの変数(事象)を頂点であるノードで表し、ノード間の依存関係、すなわち多変数間の原因と結果の関係(因果関係)を、原因となる変数から結果となる変数への向きを持つ“有向辺”で図示するネットワーク構造(グラフ)で表現したものが、“因果モデル”である。あるノードを中心と考えるとき、そのノードに有向辺が向かっているノードを“親”と呼び、そのノードから有向辺が伸びているノードが“子”である。
図3は、多変数のモデル化による因果モデルの生成例を示す図である。図3に示す例では、それぞれ「要件数」、「仕様欠陥数」、「設計書ページ数」、「ステップ数」、「試験項目数」と名付けられた複数の変数間における因果関係がネットワーク構造で表現されている。例えば、変数「要件数」からは、変数「仕様欠陥数」および変数「設計書ページ数」に向かって有向辺が引かれているので、変数「要件数」は“原因”であり、変数「仕様欠陥数」および変数「設計書ページ数」は“結果”であることがわかる。
<基準因果モデル>
“基準因果モデル”は、時間的な順序関係と変数間の関連性を考慮して、本実施形態に係るプロセス評価装置のユーザ(業務プロセスの評価者)が作成して定義するものである。基準因果モデルは、例えば、図3に示したようなネットワーク構造で表され、プログラム上では子ノード毎に接続された親ノードの集合を並べたリストによって表現することができる。
基準因果モデルにおいて、有向辺は、作業の時間的な順序関係と変数間の関連性によって表現される。ここで、変数間の関連性は、業務プロセスを担当するユーザの経験に基づいて決定してもよい。例えば、変数「要件数」と変数「設計書ページ数」の関係では、開発する変数「要件数」が決定すると、それに伴い作成する設計書が決定し、ページ数が増減するため、変数「要件数」から変数「設計書ページ数」へ有向辺が引かれる。
評価因果モデル構築部12は、評価するプロセスの“評価データ”を取り込み、ベイジアンネットワークの構造学習部分(因果モデル構築アルゴリズム)を用いて、“評価因果モデル”(詳しくは、後述する)を構築する。
<評価因果モデル>
評価因果モデルは、プロセスの評価に際して計測された実データ、すなわち、評価データを基に、ベイジアンネットワークの構造学習部分(因果モデル構築アルゴリズム)を用いて、機械的に構築される因果モデルである。
<ベイジアンネットワーク>
ベイジアンネットワーク(Bayesian network)は、複数の確率変数(事象)間の定性的な依存関係をグラフ構造によって表し、個々の変数間の定量的な関係を条件付き確率で表した確率モデルである。対象とする現象を構成するそれぞれの変数(事象)をノードで表し、ノード間の依存関係、すなわち因果関係は、原因から結果となる変数の向きを持つ有向辺で図示する。評価因果モデルにおける有向辺の向きは、変数間の確率的依存関係を統計的に調べることによって引かれる。ベイジアンネットワークで用いるグラフ構造は、閉路を持たない有向グラフであり、各ノードは、ある変数(事象)が生起したかどうかを表すために、確率変数となっている。
一般的に、ベイジアンネットワークでは、実データ(本実施形態では、評価データという)から機械学習によりモデルを構築する因果モデル構築アルゴリズムを成す“構造学習”部分と、原因→結果もしくは結果→原因の確率を予測する“確率推論”部分を備えるが、本実施形態では、“構造学習(因果モデル構築アルゴリズム)”部分のみ利用する。図4は、ベイジアンネットワークの構造学習部分の機能を説明する図である。図4に示すように、構造学習部分は、多変量データを与えると、それらデータを最もよく説明する因果モデルを構築する。
図5は、因果モデル構築アルゴリズムによる評価因果モデルの構築を説明する図である。図5(a)は、評価データの一例を示し、図5(b)は、構築された評価因果モデルを示している。図5(a)に示すように、「全ステップ数」、「新規開発ステップ数」、「遅れ日数」の変数について、各サンプルからデータが多数得られている。これら評価データを入力データとして、例えば、統計ソフトRに与える。
統計ソフトRにおけるネットワーク構造の学習には、モデル探索アルゴリズムにGreedy Search AlgorithmとTree Selection Algorithmという全探索アルゴリズムが実装されている。ある現象を説明するモデルが複数個存在するとき、その中から最適なモデルを選択する際の評価基準とするのが、情報量基準であり、AIC(Akaike information criterion)、MDL(Minimum Description Length)などがある。AICは、期待対数尤度からの近似アプローチから情報量基準を導出するもので、推定されたモデル分布と真の分布との間の情報量を最小化することで最適なモデルとする。MDLは、漸近的に真のモデルもしくは予測精度を最大化するモデルを選択するものである。
Greedy Search Algorithmは、近似アルゴリズムのGreedy Algorithm(欲張り法)を利用した探索アルゴリズムである。各ノードに対して“親”の組み合わせをGreedy Searchによって決定し、有向グラフを構築する。
Greedy Searchでは、子ノード毎に親ノードを1つずつ加えてグラフを作成する。作成したグラフの下で、条件付き確率を計算し、情報量基準を評価する。条件付き確率は、P(A|B)で表わされ、事象Bが起こるという条件下で、事象Aの確率を表す。図5(b)に示す例において、「新規開発ステップ数」の条件付き確率が最も大きく、親ノードが存在しない。「遅れ日数」の条件付き確率はP(遅れ日数|新規開発ステップ数)となり、「遅れ日数」が子ノード、「新規開発ステップ数」が親ノードの関係にある。同様に、「全ステップ数」の条件付き確率はP(全ステップ数|新規開発ステップ数)となり、「全ステップ数」が子ノード、「新規開発ステップ数」が親ノードの関係にある。このように、評価が高くなったら親ノードとして採用する。これを繰り返し、探索的にネットワークを構築していく。
以上のようにして、各ノード間にリンクを張って構成するグラフ構造は、プログラム上では子ノード毎に接続された親ノードの集合を並べたリストによって表現することができる。
モデル採点部13は、基準因果モデルと評価因果モデルを比較し、変数間の関連を示す両者の有向辺に違いがある場合に、評価因果モデルにおける変数間の因果関係に矛盾があるとして、評価因果モデルを採点して評価する。
<変数間の関連の分類>
本実施形態では、基準となる基準因果モデルにおける因果関係との相違に着目して、変数間の関連を(1)逆転、(2)消失、(3)発生(順方向)、(4)発生(逆方向)の4つのタイプに分類するものである。図6は、変数間の関連の分類を説明する図である。図6(a)は、基準となる因果モデルを示し、図6(b)は、4つのタイプの分類を示している。図6(a)に示す基準となる因果モデルは、変数Aを原因として変数Bが結果として起こり得ることを示している。また、変数Cは変数A、変数Bとは因果関係にはなく、独立している。
(1)逆転
基準となる因果モデルと異なり、変数Bを原因として変数Aが結果として起ったもので、因果関係の矛盾が発生した場合である。例えば、変数「ステップ数」を“原因”として変数「不具合数」が“結果”として起こる関係が、変数「不具合数」を“原因”として変数「ステップ数」が“結果”として起こる関係となった場合である。“逆転”が起きた場合には、不具合の発生によって構造の見直しが発生しており、開発プロセスの後戻りが発生していると捉えることができる。
(2)消失
基準となる因果モデルと異なり、変数Aに対応して変数Bが変化しなくなって因果関係がなくなった場合である。例えば、変数「テスト」と変数「不具合件数」の間に関連がなくなった場合である。“消失”が起きた場合には、一生懸命にテストを行っても不具合の洗い出しに効果がなく、本来のテストが機能していないと捉えることができる。
(3)発生(順方向)
基準となる因果モデルと異なり、因果関係にはなく独立していた無関係の変数同士に順方向の因果関係が発生した場合である。“発生”が起きた場合には、プロセスにスキップがあると捉えることができる。または、理想の開発の流れとは異なるプロセスになっていると捉えることができる。
(4)発生(逆方向)
基準となる因果モデルと異なり、因果関係にはなく独立していた無関係の変数同士に逆方向の因果関係が発生した場合である。“発生(逆方向)”が起きた場合には、順方向の発生が起きた場合と同等の解釈が成り立つ。
<評価因果モデルの採点>
モデル採点部13は、基準因果モデルにおける変数間の因果関係および評価因果モデルにおける変数間の因果関係を比較し、評価因果モデルにおける変数間の因果関係の矛盾に対応するスコアを求める。本実施形態では、モデル採点部13は、基準因果モデルと評価因果モデルを比較し、逆転、消失、発生(順方向、逆方向)の有向辺の数をカウントし、評価因果モデルのスコア(点数)を算出する。
図7は、基準因果モデルと評価因果モデルとの比較を説明する図である。図7に示す例では、変数Aと変数B間および変数Cと変数E間で“逆転”が起こり、変数Cと変数D間で“発生(順方向)” が起こり、変数Fと変数C間で“発生(逆方向)” が起こり、変数Aと変数D間で“消失”が起こっている。一方、変数Aと変数C間、変数Dと変数E間および変数Fと変数E間では矛盾は生じていない。
そこで、例えば、理想のプロセスを100点、変数間の関連が変化した組み合わせに対して10点/有向辺として減点すると、図7に示す例では、4つの有向辺が減点対象となるので、そのプロセスの評価は60点との採点となる。このようして、理想のプロセスに対し、現状のプロセスがどの程度遵守できているか確認することができる。
<重み付け>
変数間の関連が変化した組み合わせについては、変数間の因果関係の矛盾の度合い(程度)に応じて、ユーザは重み付けを設定することが好適である。重み付けは、例えば、逆転:10点、発生(逆方向):7点、消失:5点、発生(順方向):3点が好適である。
重み付けを行った場合、図7に示す例では、逆転が起こった有向辺が2つ、消失が起こった有向辺が1つ、発生(順方向)” が起こった有向辺が1つなので、減点分は、(10×2)+(5×1)+(3×1)=25点となる。
改善箇所推薦部14は、プロセスと変数の関係、および評価データを基に、プロセスの改善箇所の候補をランク付けする。まず、上記の有向辺毎に、2つの変数間の相関係数を算出する。図8は、2つの変数間の相関係数の算出を説明する図である。図8に示す例では、変数「総合検査数」を“原因”とし、変数「総合不具合密度」を“結果”とする因果関係にある2つの変数間の相関係数を算出する。変数「総合検査数」をx、変数「総合不具合密度」をyとすると、相関係数は次式で求めることができる。
Figure 0006203169
上記式によれば、変数「総合検査数」と変数「総合不具合密度」の相関係数は0.75767となる。
相関係数算出後の改善箇所候補のランク付けは、次の順に行うのが好適である。(1)関連のタイプのうち重みが大きい順にソートする、(2)関連のタイプが同じもの内で相関係数の大きい順にソートする、(3)プロセスと変数の関係を用いて、プロセスと変数の対応をとる。
以上のようにして、改善箇所のランク付けにより、着目した変数から問題のありそうなプロセスを特定することができる。また、因果関係の矛盾が起きた原因をこれまでの知見などにより特定し、改善策の立案を策定することが可能となる。
<処理の流れ>
以上のようにして構成されたプロセス評価装置1における評価処理の流れについて説明する。図9は、プロセス評価装置1における評価因果モデルの評価処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、ユーザが定義した基準因果モデルを基準因果モデル定義部11に入力する(ステップS91)。
次に、評価データを評価因果モデル構築部12に取り込み、評価因果モデル構築部12に備えるベイジアンネットワーク構築支援ソフトウェアによって、評価因果モデルを構築する(ステップS92)。
次に、モデル採点部13は、基準因果モデル定義部11で定義された基準因果モデルおよび評価因果モデル構築部12で構築された評価因果モデルを取り込んで、両者を比較し、逆転・消失・発生のカウントを行う(ステップS93)。
続いて、モデル採点部13において、逆転・消失・発生の重み付けを反映させ、スコアを算出する(ステップS94)。
次に、モデル採点部13は、算出したスコアを外部に用意する表示部に表示させる(ステップS95)。
次に、改善箇所推薦部14において、変数間の相関係数を算出する(ステップS96)。
次に、改善箇所推薦部14において改善箇所候補のランク付けを行い、出力(ステップS97)して、評価因果モデルの評価処理を終了する。
[実施例]
次に、本実施形態の実施例について説明する。
図10は、基準因果モデル定義部11において、プロセス評価装置1のユーザである業務プロセスの評価者によって定義される基準因果モデルを示す図である。評価者は、評価するプロセスの変数に対して、変数間の時間的な順序関係や関連性を考慮し、基準因果モデルを定義する。
図11は、評価因果モデル構築部12において構築される評価因果モデルを示す図である。評価因果モデル構築部12では、評価するプロセスの評価データに対し、ベイジアンネットワークの構造学習(因果モデル構築アルゴリズム)を用いて、評価因果モデルを構築する。因果モデル構築アルゴリズムでは、変数間の確率的依存関係を考慮し、関係するノード間に有向辺が引かれる。
図12は、モデル採点部13における比較後に分類した有向辺の種類を説明する図である。図12に示す例では、変数「単体・結合検査数」と変数「全ステップ数」間、変数「総合不具合数」と変数「全ステップ数」間、変数「総合不具合数」と変数「新規開発ステップ数」間、変数「総合不具合密度」と変数「総合検査数」間で“逆転”が起こり、変数「全ステップ数」と変数「総合検査数」間、変数「新規開発ステップ数」と変数「遅れ日数」間で“消失”が起こり、変数「総合不具合数」と変数「単体・結合検査数」間で“発生(逆方向)”が起きている。一方、変数「新規開発ステップ数」と変数「全ステップ数」間、変数「総合不具合密度」と変数「総合不具合密度」間、変数「総合不具合密度」と変数「総合不具合数」間、変数「総合不具合数」と変数「遅れ日数」間、変数「総合不具合密度」と変数「遅れ日数」間では矛盾は生じていない。したがって、逆転の有向辺が4個、消失の有向辺が2個、発生(逆方向)の有向辺が1個となっている。
図13は、重み付け後のスコア算出を説明する図である。図13に示す例では、逆転:10点、消失:5点、発生(順方向):3点、発生(逆方向):7点の重み付けがなされている。理想のプロセスを100点とすると、本実施例のスコア=100−Σ(重み×有向辺数)=100−57=43点となる。数字の大きさからプロセスの良さを定量的に示すことができるが、本実施例のプロセスは、低評価のレベルであると確認することができる。
図14は、改善箇所推薦部14においてランク付けした改善箇所の候補を示す図である。改善箇所推薦部14は、改善箇所の候補をランク付けする。まず、図12に示すように、変数間の因果関係の矛盾が起きた有向辺毎に、2つの変数間の相関係数を算出する。2つの変数間の相関係数は、上記した算出式による。相関係数算出後のランク付けは、(1)関連のタイプのうち重みが大きい順にソートする、(2)関連のタイプが同じもの内で相関係数の大きい順にソートする、(3)プロセスと変数の関係を用いて、プロセスと変数の対応をとる、の順に行う。
図14に示す例では、重み順に、逆転の関係にある変数のペア、発生(逆方向)の関係にある変数のペア、消失の関係にある変数のペアが大括りで並び、逆転の関係にある変数のペアの中でも、相関係数の大きい変数のペアが上位に並んでいる。
図14に示す例によれば、着目した変数から「総合検査項目作成」や「総合検査」などの問題のありそうなプロセスが特定できる。また、変数「総合不具合密度」と変数「総合検査数」は時間的な順序関係の破綻が起きている。これらの事実から、プロセス「総合検査」の量や質に問題があることが想定されるため、プロセス「総合検査」の作成方法に関する改善施策を立案することが望ましいとの、改善策の立案ができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、関連しあう変数が複数存在する業務プロセスや開発プロセスにおいて、変数間の因果関係を考慮しながらプロセスの評価ができる。さらに、大量のデータの中から異常を示すプロセスの箇所を特定することができ、改善箇所の選定に役立てることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・プロセス評価装置
11・・・基準因果モデル定義部
12・・・評価因果モデル構築部
13・・・モデル採点部
14・・・改善箇所推薦部

Claims (12)

  1. 業務や開発の作業タスクの流れを示し、定量的に計測可能な変数によって特徴づけられたプロセスに関し、該プロセスの評価を行うユーザによって定義された基準因果モデルを取り込む基準因果モデル定義部と、
    前記プロセスの複数の前記変数を評価データとして取り込み、ベイジアンネットワークの因果モデル構築アルゴリズムを使用して、評価因果モデルを構築する評価因果モデル構築部と、
    前記基準因果モデルにおける変数間の因果関係および前記評価因果モデルにおける変数間の因果関係を比較し、前記評価因果モデルにおける前記変数間の因果関係の矛盾に対応するスコアを求めるモデル採点部とを、
    備えるプロセス評価装置。
  2. 前記基準因果モデルは、評価する前記プロセスの前記変数に対して、前記変数間の時間的な順序関係や関連性を考慮して定義される請求項1に記載のプロセス評価装置。
  3. 前記基準因果モデルは、ネットワーク構造で表され、子ノード毎に接続された親ノードの集合を並べたプログラムリストによって表現する請求項1または請求項2に記載のプロセス評価装置。
  4. 前記因果関係の矛盾の有無は、原因となる前記変数から結果となる前記変数への向きを持つ有向辺の状態で判定する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプロセス評価装置。
  5. 前記ベイジアンネットワークの因果モデル構築アルゴリズムでは、モデル探索アルゴリズムにGreedy Search Algorithm を実装し、AIC(Akaike information criterion)を情報量基準として最適なモデルを選択する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプロセス評価装置。
  6. 前記モデル採点部は、前記基準因果モデルにおける前記変数間の因果関係の矛盾を、前記変数間の因果関係が逆となった逆転、前記変数間の因果関係がなくなった消失、独立していた無関係の前記変数同士に順方向の因果関係が生じた順方向の発生、独立していた無関係の前記変数同士に逆方向の因果関係が生じた逆方向の発生に分類する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプロセス評価装置。
  7. 前記モデル採点部は、前記変数間の因果関係の矛盾の度合いに応じ、前記分類の逆転、逆方向の発生、消失、順方向の発生の順に重み付けを設定可能である請求項6に記載のプロセス評価装置。
  8. 前記モデル採点部は、前記変数間の因果関係に矛盾のある有向辺の数をカウントし、前記重み付けを反映させて、前記評価因果モデルのスコアを算出する請求項7に記載のプロセス評価装置。
  9. 前記プロセスの改善箇所の候補を、前記変数間の因果関係に矛盾のある有向辺毎にランク付けする改善箇所推薦部を備える請求項8に記載のプロセス評価装置。
  10. 前記改善箇所推薦部における前記ランク付けは、前記変数間の因果関係の矛盾の度合いに応じた重みが大きい順にソートする請求項9に記載のプロセス評価装置。
  11. 前記改善箇所推薦部は、前記変数間の因果関係の矛盾毎に、該2つの前記変数間の相関係数を算出し、前記重みが同じ場合には、前記相関係数の大きい順にソートする請求項10に記載のプロセス評価装置。
  12. プロセスを評価するプロセス評価装置に、
    業務や開発の作業タスクの流れを示し、定量的に計測可能な変数によって特徴づけられたプロセスに関し、該プロセスの評価を行うユーザによって定義された基準因果モデルを取り込む機能と、
    前記プロセスの複数の前記変数を評価データとして取り込み、ベイジアンネットワークの因果モデル構築アルゴリズムを使用して、評価因果モデルを構築する機能と、
    前記基準因果モデルにおける変数間の因果関係および前記評価因果モデルにおける変数間の因果関係を比較し、前記評価因果モデルにおける前記変数間の因果関係の矛盾に対応するスコアを求める機能とを、
    実現させるためのプロセス評価プログラム。
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