JP6202474B2 - 捺染用インクジェットインク組成物 - Google Patents

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JP6202474B2 JP2014020074A JP2014020074A JP6202474B2 JP 6202474 B2 JP6202474 B2 JP 6202474B2 JP 2014020074 A JP2014020074 A JP 2014020074A JP 2014020074 A JP2014020074 A JP 2014020074A JP 6202474 B2 JP6202474 B2 JP 6202474B2
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Description

本発明は、捺染用インクジェットインク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、
各方面で急速な発展を遂げている。例えば、特許文献1には、形成した画像の混色部を有
するグラデーションのざらつき感(単色の色分離)が改良され、かつインクの分散安定性
に優れ、形成した画像の色再現性、画像保存性が良好であるインクジェット記録用インク
セットを提供することを目的として、少なくともイエローインク、マゼンタインク及びシ
アンインクの各色インクから構成され、該各色インクが水、水溶性有機溶剤、分散染料及
び分散剤を含有するインクジェット記録用インクセットにおいて、該各色インクで同一の
分散剤を用いることを特徴とするインクジェット記録用インクセットが開示されている。
特開2004−285218号公報
しかしながら、分散染料の使用には、インク組成物の保管環境の温度変化により、分散
染料が析出し保存安定性が低下するという問題や、ノズル口付近のインク組成物の乾燥に
より、分散染料が析出し間欠特性(キャリッジ空走後のノズル抜け抑制性)が低下すると
いう問題がある。
その上、分散染料が昇華性染料である場合には、記録速度を向上させるため中間記録媒
体の乾燥時間を短縮すると、得られる記録物にブリードが生じるという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、保存安
定性、及び間欠特性に優れる捺染用インクジェットインク組成物を提供することを目的と
する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、ナフタレンスルホ
ン酸塩とリグニンスルホン酸塩とを所定の質量比で併用することにより上記課題を解決で
きることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
分散染料と、分散剤と、を含み、
前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸塩とリグニンスルホン酸塩とを含み、
ナフタレンスルホン酸塩に対するリグニンスルホン酸塩の質量比が、10/100〜7
5/100であり、
前記分散剤の含有量が、5.0〜13質量%である、
捺染用インクジェットインク組成物。
〔2〕
前記分散染料が、分子量380以下の昇華性染料を含む、前項〔1〕に記載の捺染用イ
ンクジェットインク組成物。
〔3〕
前記分散染料が、分子量350以下の昇華性染料を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載
の捺染用インクジェットインク組成物。
〔4〕
前記分散染料の含有量が、2.0〜12質量%である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか
1項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
〔5〕
前記ナフタレンスルホン酸塩に対する前記リグニンスルホン酸塩の前記質量比が、30
/100〜50/100である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の捺染用イン
クジェットインク組成物。
〔6〕
前記分散剤の含有量が、8.5〜11質量%である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1
項に記載の捺染用インクジェットインク組成物。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々
な変形が可能である。
〔捺染用インクジェットインク組成物〕
本実施形態の捺染用インクジェットインク組成物は、分散染料と、分散剤と、を含み、
前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸塩とリグニンスルホン酸塩とを含み、ナフタレンス
ルホン酸塩に対するリグニンスルホン酸塩の質量比が、10/100〜75/100であ
り、前記分散剤の含有量が、5.0〜13質量%である。
〔分散染料〕
イエロー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Yellow3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44
、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、
76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、
104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、
140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、
182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、
211、215、216、218、224、227、231、232等が挙げられる。
オレンジ分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Orange1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、3
1、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50
、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、
80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142
等が挙げられる。
レッド分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Red1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52
、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、
78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、10
6、107、108、110、111、113、117、118、121、122、12
6、127、128、131、132、134、135、137、143、145、14
6、151、152、153、154、157、159、164、167、169、17
7、179、181、183、184、185、188、189、190、191、19
2、200、201、202、203、205、206、207、210、221、22
4、225、227、229、239、240、257、258、277、278、27
9、281、288、298、302、303、310、311、312、320、32
4、328等が挙げられる。
バイオレット分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disper
se Violet1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、3
8、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69
、77等が挙げられる。
グリーン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Green9等が挙げられる。
ブラウン分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Brown1、2、4、9、13、19等が挙げられる。
ブルー分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Blue3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、
55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、8
3、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、
115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、
143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、
173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、
198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、
259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、
295、297、301、315、330、333等が挙げられる。
ブラック分散染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse
Black1、3、10、24等が挙げられる。
(昇華性染料)
分散染料には、昇華性染料が含まれることが好ましい。ここで「昇華性染料」とは、加
熱により昇華する性質を有する染料である。従来、昇華転写を利用した被記録媒体に対す
る染色が、広く行われている。このような昇華転写を利用した染色方法としては、例えば
、紙等のシート状の中間転写媒体に昇華性染料を含むインクを用いてインクジェット方式
による印刷を行った後、被記録媒体に中間転写媒体を重ねて、加熱により昇華転写する方
法や、剥離可能なインク受容層が設けられた被記録媒体(フィルム製品等)のインク受容
層にインク組成物を用いてインクジェット方式による印刷を行い、その後、そのまま加熱
して下層側の被記録媒体に昇華拡散染色を行い、さらにその後、インク受容層を剥離する
方法等がある。本実施形態において、分散染料が昇華性染料を含んでも、得られる記録物
におけるブリードの発生が抑制され、耐ブリード性に優れるという効果を奏する。
昇華性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Disperse Ye
llow 3、7、8、23、39、51、54、60、71、86;C.I.Disp
erse Orange 1、1:1、5、20、25:1、33、56、76;C.I
.Disperse Brown 2;C.I.Disperse Red 11、50
、53、55、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、19
0、190:1、207、239、240;C.I.Bad Red 41;C.I.D
isperse Violet 8、17、23、27、28、29、36、57;C.
I.Disperse Blue14、19、26、26:1、35、55、56、58
、60、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、13
1、141、145;C.I.Solvent Blue 36、63、105、111
;C.I.Solvent Violet 13等が挙げられる。
分散染料の分子量は、好ましくは380以下であり、より好ましくは350以下である
。また、分散染料の分子量の下限は、特に限定されないが、好ましくは270以上である
。分子量の低い染料は、インク組成物中への溶解度が比較的高いため、特に分散安定性(
保存安定性)の確保が困難である。特に、インク組成物の保存環境が高温となった場合、
分子量の低い染料のインク組成物中へ溶解度はさらに高くなり、インク組成物の保存環境
が常温に戻ったときに、溶解した染料が再結晶することにより異物が生じる。このような
異物は、インクジェットノズルつまりなどを引き起こし、吐出安定性を低下させる。その
ため、分子量が380以下である分散染料を用いる場合には、本発明が特に有用となる。
また、分散染料として昇華性染料を用いた場合、分子量が380以下であることにより、
昇華性染料の昇華性が向上し、得られる記録物の発色性がより優れる傾向にある。
分散染料の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは2.0〜12質量%で
あり、より好ましくは2.0〜10質量%であり、さらに好ましくは2.0〜7.5質量
%である。分散染料の含有量が2.0質量%以上であることにより、得られる記録物の発
色性がより向上する傾向にある。また、分散染料の含有量が7.5質量%以下であること
により、吐出安定性及び保存安定性がより向上する傾向にある。
〔分散剤〕
分散剤は、ナフタレンスルホン酸塩とリグニンスルホン酸塩とを含む。ナフタレンスル
ホン酸塩は、常温から低温までの保存環境下における保存安定性に特に優れる。一方で、
リグニンスルホン酸塩は、常温から高温までの保存環境下における保存安定性に特に優れ
る。本実施形態のインク組成物は、ナフタレンスルホン酸塩とリグニンスルホン酸塩とを
共に含むことにより、広い温度領域において、高い保存安定性を示すものとなる。
また、ナフタレンスルホン酸塩のみ又はリグニンスルホン酸塩のみを用いる場合、保存
安定性確保のために、添加量を多くする必要がある。しかしながら、ナフタレンスルホン
酸塩又はリグニンスルホン酸塩の添加量を多くした場合、間欠特性が低下するという問題
も生じる。これに対し、本実施形態のインク組成物は、ナフタレンスルホン酸塩とリグニ
ンスルホン酸塩とを共に含むことにより、高い間欠特性を示すものとなる。
ナフタレンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレンスルホン
酸ナトリウム塩、リチウム、カリウム等のナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩、ナフタ
レンスルホン酸アンモニウム塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸塩は、1種単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
リグニンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、リグニンスルホン酸ナ
トリム塩、リチウム、カリウム等のリグニンスルホン酸アルカリ金属塩、リグニンスルホ
ン酸アンモニウム塩が挙げられる。リグニンスルホン酸塩は、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
ナフタレンスルホン酸塩に対するリグニンスルホン酸塩の質量比(リグニンスルホン酸
塩/ナフタレンスルホン酸塩)は、10/100〜75/100であり、好ましくは30
/100〜50/100である。ナフタレンスルホン酸塩に対するリグニンスルホン酸塩
の質量比が10/100以上であることにより、保存安定性がより向上する傾向にある。
また、ナフタレンスルホン酸塩に対するリグニンスルホン酸塩の質量比が75/100以
下であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。
分散剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、5.0〜13質量%であり、好まし
くは7.0〜12質量%であり、より好ましくは8.5〜11質量%である。分散剤の含
有量が5.0質量%以上であることにより、保存安定性がより向上する傾向にある。また
、分散剤の含有量が13質量%以下であることにより、間欠特性がより向上する傾向にあ
る。
(水)
インク組成物は、水を含んでもよい。水としては、特に限定されないが、例えば、イオ
ン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることが好ましい
。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期
間に亘ってカビやバクテリアの発生がより防止される傾向にある。
水の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは55〜85質量%であり、よ
り好ましくは60〜80質量%であり、さらに好ましくは65〜75質量%である。
(保湿剤)
インク組成物は、保湿剤をさらに含んでもよい。保湿剤を含むことにより、吐出安定性
がより向上する傾向にある。そのような保湿剤としては、通常のインクに水溶性有機溶剤
として使用されている化合物を用いることができ、例えば、エタノール又はプロパノール
等の低級アルコール類;グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、又はトリエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−
ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6
−ヘキサントリオール、又はペンタエリスリトール等のポリオール類、及びそのエーテル
又はエステル等の誘導体;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、又はε−カプ
ロラクタム等のラクタム類;チオ尿素、エチレン尿素、又は1,3−ジメチルイミダゾリ
ジノン類等の尿素類;マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、又はマルトース
等の糖類が挙られる。なお、保湿剤は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい
保湿剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0〜25質量%であ
り、より好ましくは7.5〜22.5質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%
である。保湿剤の含有量が上記範囲内であることにより、吐出安定性がより向上する傾向
にある。
(界面活性剤)
インク組成物は、界面活性剤をさらに含んでもよい。界面活性剤としては、特に限定さ
れないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びポリ
シロキサン系界面活性剤が挙げられる。
これらの中でも、インク組成物への溶解度が大きくなりインク組成物中に異物が一層発
生し難くなるため、ポリシロキサン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチ
ル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメ
チル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキ
レンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面
活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオ
ルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製
商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemi
cal Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活
性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルス
ルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル
、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パ
ーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品
としては、特に限定されないが、例えば、S-144、S-145(旭硝子株式会社製);
FC-170C、FC-430、フロラード-FC4430(住友スリーエム株式会社製)
;FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製
);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガ
ノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定され
ないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−34
1、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−34
9(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352
A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、
KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、K
F−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化
学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.20〜1.4質量
%であり、より好ましくは0.40〜1.2質量%であり、さらに好ましくは0.60〜
1.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、中間転写媒体
への濡れ性を高めてインク組成物の浸透性がより優れる傾向にある。
(その他の添加剤)
インク組成物は、さらに必要に応じて、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
キレート剤、酸素吸収剤、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン、アジピン酸、水
酸化カリウム)、又は溶解助剤、その他、通常のインクにおいて用いることができる各種
添加剤を含んでもよい。なお、各種添加剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用して
もよい。
〔記録方法〕
次に、本実施形態のインク組成物を用いた記録物の記録方法の一例について説明する。
分散染料が昇華性染料ではない場合の記録方法としては、特に限定されないが、例えば、
インクジェット方式により、本実施形態のインク組成物を被記録媒体に付着させて記録物
を得る方法が挙げられる。
また、分散染料が昇華性染料である場合の記録方法としては、特に限定されないが、例
えば、インクジェット方式により、本実施形態のインク組成物を中間転写媒体に付着させ
るインク付着工程と、インク組成物が付着した中間転写媒体を乾燥させる乾燥工程と、イ
ンク組成物が付着された中間転写媒体を加熱し、インク組成物を構成する昇華性染料を被
記録媒体に転写させる転写工程と、を有する方法が挙げられる。以下、分散染料が昇華性
染料である場合の記録方法の各工程について詳細に説明する。
(インク付着工程)
インク付着工程では、インクジェット方式により、本実施形態のインク組成物を中間転
写媒体に付着させる。インクジェット方式によるインク組成物の吐出は、公知のインクジ
ェット記録装置を用いて行うことができる。吐出方法としては、ピエゾ方式や、インクを
加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができる。
このなかでも、インク組成物の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
インク付着工程では、本実施形態のインク組成物以外のインク組成物を用いてもよい。
これにより、例えば、表現することのできる色域をより広いものとすることができる。
(中間転写媒体)
中間転写媒体としては、特に限定されないが、例えば、普通紙等の紙、インク受容層が
設けられた被記録媒体(インクジェット用専用紙、コート紙等で呼称される)等を用いる
ことができる。このなかでも、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が設けられた紙が好
ましい。これにより、中間転写媒体に付着したインク組成物が乾燥する過程で、滲み等が
抑制された中間転写媒体を得ることができ、また、後の転写工程において、昇華性染料の
昇華がより円滑に進行する傾向にある。
(乾燥工程)
乾燥工程は、インク組成物が付着した中間転写媒体を乾燥させる工程である。乾燥時間
は、乾燥温度にもよるが、常温においては、好ましくは20分以下であり、より好ましく
は10分以下であり、さらに好ましくは5分以下である。
(転写工程)
その後、インク組成物が付着された中間転写媒体を加熱し、インク組成物を構成する昇
華性染料を被記録媒体に転写させる。これにより、記録物が得られる。
本工程での加熱温度は、160℃以上220℃以下が好ましく、170℃以上200℃
以下がより好ましい。加熱温度が上記範囲内であることにより、転写に要するエネルギー
をより少なくすることができ、記録物の生産性により優れる傾向にある。また、得られる
記録物の発色性がより優れる傾向にある。
本工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、30秒以上90秒以下が好ましく、45
秒以上80秒以下がより好ましい。加熱時間が上記範囲内であることにより、転写に要す
るエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性により優れる傾向にある。ま
た、得られる記録物の発色性がより優れる傾向にある。
また、本工程は、インク組成物が付着された中間転写媒体の表面を、被記録媒体と一定
間隔で離間して対向させた状態で加熱することにより行うことも、中間転写媒体と被記録
媒体とを密着させた状態で加熱することにより行うこともできる。このなかでも、中間転
写媒体と被記録媒体とを密着させた状態で加熱することにより行うことが好ましい。これ
により、転写に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性により優
れる傾向にある。また、得られる記録物の発色性がより優れる傾向にある。
(被記録媒体)
被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、布帛(疎水性繊維布帛等)、樹脂
(プラスチック)フィルム、紙、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。また、被記録媒
体としては、シート状、球状又は直方体形状等の立体的な形状を有する物を用いてもよい
被記録媒体が布帛である場合に、布帛を構成する繊維としては、特に限定されないが、
例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポ
リアミド繊維及びこれらの繊維を2種以上用いた混紡品等が挙げられる。また、これらと
レーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡品を用いてもよい。
また、被記録媒体が樹脂(プラスチック)フィルムである場合、用い得る樹脂(プラス
チック)フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ
ウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。樹脂(プラスチック)
フィルムは、複数の層が積層された積層体であってもよいし、材料の組成が傾斜的に変化
する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
また、本実施形態のインク組成物は、中間転写媒体を用いない昇華転写においても好適
に使用できる。中間転写媒体を用いない昇華転写は、特に限定されないが、例えば、剥離
可能なインク受容層が設けられた被記録媒体(フィルム製品等)のインク受容層に、イン
クジェット方式により本実施形態のインク組成物を付着させる工程と、インク組成物が付
着されたインク受容層が設けられた被記録媒体をそのまま加熱して、インク受容層から、
その下層側の被記録媒体に昇華拡散染色する工程と、インク受容層を被記録媒体から剥離
して記録物を得る工程とを有する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実
施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りで
ある。
〔分散染料〕
C.I.Dispers Red 60
C.I.Solvent Violet 13
C.I.Dispers Blue 60
〔分散剤〕
ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩
リグニンスルホン酸ナトリウム塩
〔保湿剤〕
グリセリン
〔界面活性剤〕
BYK348(シリコーン界面活性剤、BASF社製)
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお
、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
Figure 0006202474
Figure 0006202474
〔保存安定性〕
口径10μmのメンブレンフィルター(JCWP04700)に通過させたインク組成物をサン
プル瓶に入れ、60℃で1週間放置した。その後、口径10μmの金属製フィルター(面
積0.8mm2、厚さ10μm)に通過させた場合の異物の発生状況により、保存安定性
を評価した。評価基準を以下に示す。
(評価基準)
A :異物が2個/10mL以下発生した。
B :異物が3〜10個/10mL発生した。
C :異物が11個/10mL以上発生した。
〔間欠特性〕
上記で得られたインク組成物をインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンタ
(PX-H6000、セイコーエプソン社製)に装着した。その後、プリンタードライバーを用い
て、プリンタのヘッドにインク組成物を充填し、目詰まりしているノズルがなく、通常記
録できることを確認した。
インクを吐出させない状態でキャリッジを5.0秒間駆動させた後、中間転写媒体(Tr
ansjetSportsline9310、Cham Paper社製)上にインク滴を吐出した。尚、プリンタの動作
環境は23℃、50RH%とした。ノズル抜けの生じたノズル数を測定し、以下の評価基準で
間欠特性を評価した。
A:ノズル抜けなし。
B:ノズル全体の0%超過10%以下でノズル抜けが生じた。
C:ノズル全体の10%超過でノズル抜けが生じた。
〔耐ブリード性〕
インクジェットプリンタ(PX-H6000、セイコーエプソン社製)に、得られたインク組成
物をそれぞれ充填し、インクジェットノズルから吐出できることを確認した。このインク
ジェットプリンタ(PX-H6000、セイコーエプソン社製)を用いて、各インク組成物を、各
中間記録媒体に付着させて、パッチを記録した。なお、パッチの大きさ及び形状は、3c
m×3cm四方とした。
各中間記録媒体への記録後、23℃、50RH%の環境下で5分間各中間記録媒体を放置し
た。その後、パッチを記録した各中間記録媒体のインク組成物が付着した面と、被記録媒
体(東レ社製アミーナ)とを対向させた状態で、200℃で60秒間加熱し、インク組成
物に含まれる分散染料を被記録媒体に転写させて、各記録物を得た。各記録物は、中間記
録媒体のパッチに対応する記録面を有した。
上記同様に、放置時間を10分、120分とした場合の記録物も作製した。各記録物の
パッチに対応する記録面のブリードを目視で観察し、下記評価基準によりにじみを評価し
た。
(評価基準)
A:放置時間5分でもにじみが発生しなかった。
B:放置時間5分ではにじみが発生したが、放置時間10分ではにじみが発生しなかっ
た。
C:放置時間10分ではにじみが発生したが、放置時間120分ではにじみが発生しな
かった。または、放置時間120分でもにじみが発生した。

Claims (6)

  1. 分散染料と、分散剤と、を含み、
    前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸塩とリグニンスルホン酸塩とを含み、
    ナフタレンスルホン酸塩に対するリグニンスルホン酸塩の質量比が、10/100〜7
    5/100であり、
    前記分散剤の含有量が、5.0〜13質量%である、
    捺染用インクジェットインク組成物。
  2. 前記分散染料が、分子量380以下の昇華性染料を含む、請求項1に記載の捺染用イン
    クジェットインク組成物。
  3. 前記分散染料が、分子量350以下の昇華性染料を含む、請求項1又は2に記載の捺染
    用インクジェットインク組成物。
  4. 前記分散染料の含有量が、2.0〜12質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の捺染用インクジェットインク組成物。
  5. 前記ナフタレンスルホン酸塩に対する前記リグニンスルホン酸塩の前記質量比が、30
    /100〜50/100である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の捺染用インクジェ
    ットインク組成物。
  6. 前記分散剤の含有量が、8.5〜11質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の捺染用インクジェットインク組成物。
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