JP6201813B2 - 最大電力値の推定方法、最大電力値の推定装置及びプログラム - Google Patents

最大電力値の推定方法、最大電力値の推定装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、最大電力値の推定方法、最大電力値の推定装置及びプログラムに関する。
データセンターでは、サーバラックおよびサーバラック内の搭載設備(以下、単に「ラック」という。)への安定的な電力の提供と、ラック内設備が安定稼働できるような一定温度・湿度の環境を顧客に提供するサービスを行っている。
データセンターから電力を安定して供給するためには、すべてのラックが使用しうる最大の電力容量がデータセンターで提供できる最大電力値に対して小さくなるように管理しなければならない。データセンター側は、単純に顧客の機器の定格(機器が使用しうる最大の電力)の総和以上の最大電力値を確保すれば間違いなく安全な電力供給が可能である。一方、データセンターが保有する最大電力値は有限である。このため、上記のような単純に定格を守る運用では、使用しない空いた電力容量が多くなり、運用効率が下がる。よって、データセンターは、安全な電力供給を確保しながら空いた電力容量を極力減らすことが可能な、最大電力値を定めることが重要になる。
しかし、データセンターに持ち込まれた顧客の機器が機器の定格に対してどれだけの電力使用量(以下、「実効電力」ともいう)となるかは、配電されたブレーカの電力を計測しなければわからない。また、顧客の機器の稼働状況は常に一定ではなく、定格に対する実効電力は機器毎に異なるため、実際に使用しうる最大電力値を算出することは困難である。また、ブレーカの電力を計測して実効値を試算したとしても、そのブレーカの使用電力は顧客の機器の稼働状況により変動するため、定格に対する定常的な実効電力を割り出すことは難しい。
そこで、データセンターが経験的に得た、定格に対する実効電力の割合を定めて、定格の総和に対してこの割合を掛けたものを想定する実効電力(つまり、最大電力値)として運用することが行われている。また、IT機器の最大電力値を予測する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−10432号公報
しかしながら、データセンターが経験的に得た、定格に対する実効電力の割合は、すべての機器に対して一律ではなく、機器の稼動率やディスク等の実装モジュールにより機器毎に異なる。また、普段は電源をオフにしているモニタや保守用機器などは、顧客の保守作業などの際に随時使用されるため、電力の増減を予測することは困難である。
また、特許文献1では、IT機器の最大電力値を予測するために等分散かつ等分布の検定が行われる。しかしながら、運用状況が変化するIT機器等の機器では、機器の電力分布の変化は、運用経過により等分布になり難い。よって、機器の最大電力値を予測するために等分布検定を行うと、計測データの電力分布が等分布でないために検定が棄却される可能性が高くなる。従って、等分布の検定は、運用状況が変化するIT機器の最大電力値の予測には不向きと考えられる。
そこで、一つの側面として、データセンターで管理する最大電力値を精度よく推定することを目的とする。
一つの態様では、
所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行し、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
処理をコンピュータが実行する最大電力値の推定方法が提供される。
一つの側面として、データセンターで管理する最大電力値を精度よく推定することができる。
機器の電力の定格と使用量との関係の一例を示す図。 電力供給方式毎の概要を示す図。 冗長配電の一例を示す図。 冗長配電の一例を示す図。 電力容量の有効利用についての考え方を説明するための図。 実際に計測したデータに基づく実効電力の割合の一例を示す図。 一実施形態に係る電力管理システムの全体構成の一例を示す図。 一実施形態に係るデータセンターの電力系統の一例を示す図。 一実施形態に係る推定装置の機能構成の一例を示す図。 一実施形態に係る最大電力推定処理の一例を示すフローチャート。 一実施形態に係るブレーカの計測データの分布例を示す図。 一実施形態に係る最大電力値の捜査を説明するための図。 一実施形態に係る電力使用状況(USP/親分電盤)の表示例。 一実施形態に係る電力使用状況(分電盤)の表示例。 一実施形態に係る推定装置のハードウェア構成の一例を示す図。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
(はじめに)
まず、サーバ等のラックに収容される機器の電力の定格と使用量との関係について、図1を参照しながら説明する。図1は、機器の電力の定格と使用量との関係の一例を示す。機器の電力の定格と消費電力とには次の関係がある。
(A)電力の定格と消費電力、最大電力の関係について
「定格」とは、機器が使用しうる最大の電力(単位はW)をいう。定格を超えた電力を使用しようとすると機器そのものや電源ユニットそのものが破損する可能性がある。
「消費電力」とは、機器が使用する電力(単位はW)をいう。消費電力は、機器の稼働状況やオプションモジュールの実装状況により変動する。
「最大電力」とは、機器が実際に使用した最大の電力をいう。この最大電力を供給可能であれば、論理的には機器は安全に稼動する。
例えば、サーバに電源ユニットが二つある場合であって、一つの電源ユニットの定格が800Wの場合を例に挙げて説明する。この場合、定格は1600Wとなる。二つの電源ユニットの配電方法としては、冗長電源の場合(一方の電源ユニットに電力を供給し、他方の電源ユニットは予備とする)、及びサーバ自体の必要電力確保の場合(両方の電源ユニットに電力を供給する)の2パターンがある。
図1の左側の<冗長電源の場合の消費電力>に示すように、冗長電源の場合、定格1600Wに対して最大電力700W、通常の消費電力400W程度となる。一方、図1の右側の<必要電力確保の場合の消費電力>に示すように、必要電力確保の場合、定格1600Wに対して最大電力1200W、通常の消費電力850W程度となる。このように、同じ定格1600Wでも配電方法によって消費電力は異なる。
近年のサーバの傾向としては、高密度化による電源の大容量化と、一つのサーバの定格容量の増大化がある。これにより、定格と実際の消費電力との差が大きくなり、稼働率によって消費電力が大きく変動する状況にある。よって、省エネの効果を得るためには、待機している空いた電力を削減したいが、そのために適した最大電力を算出することは難しい。
(B)データセンターが顧客に提供する電力供給方式について
次に、データセンターが顧客に提供する電力供給方式について説明する。データセンターを利用する顧客は、顧客が所有する機器の定格の総和をデータセンターと契約する。データセンターは、顧客の機器を安全に稼動させることを前提とした稼働環境(ネットワークインフラ・空調・耐震/免震など)と機器に供給する電力を提供する。データセンター側は、顧客の機器へ安定して電力を供給するために、万が一、電力供給系統の事故や故障が発生したときに備えた冗長手段として以下の電力供給方式を用意し、顧客との契約時にこの冗長方式を選択させて契約する。
電力供給方式について、その概要を示した図2を参照しながら説明する。図2に示したように、電力供給方式としては、UPS冗長、系統冗長、分電盤冗長、ブレーカ冗長及び冗長無しの方式がある。
UPS冗長は、異なるUPS(無停電電源)に接続された2つの分電盤のそれぞれからブレーカをラックに配電する電力供給方式である(図8:UPS冗長配電)。UPS冗長は、一方のUPSがダウンしても機器への給電が可能である。UPS冗長では、2N冗長が設定可能であり、2系統のためN+1冗長の設定はできない。
系統冗長は、同じUPSの異なる出力系統から受電した2つの分電盤のそれぞれからブレーカをラックに配電する電力供給方式である(図8:系統冗長配電)。系統冗長は、出力系統の片系がダウンしても機器への給電が可能である。系統冗長では、2N冗長が設定可能であり、2系統のためN+1冗長の設定はできない。
分電盤冗長は、2つ以上の分電盤のそれぞれからブレーカをラックに配電する電力供給方式である(図8:分電盤冗長配電)。分電盤冗長は、いずれか片方の分電盤の主幹がトリップしても機器への給電が可能である。分電盤冗長では、2N冗長が設定可能であり、多数の分電盤を使えばN+1冗長が設定可能である。
ブレーカ冗長は、1つの分電盤から複数本のブレーカをラックに配電する電力供給方式である。ブレーカ冗長は、いずれか一つのブレーカがトリップしても機器への給電が可能である。ブレーカ冗長では、N+1冗長、2N冗長、2N+1冗長が設定可能である。
冗長無しは、任意の分電盤から任意の数のブレーカをラックに配電する電力供給方式である(図8:冗長無し配電)。冗長無しでは、系統ダウン、分電盤の主幹トリップ又はブレーカトリップのいずれかが発生すると機器への給電はできない。

図2に示したように、安全度は、UPS冗長が最も高く、系統冗長、分電盤冗長、ブレーカ冗長及び冗長無しの順に低くなる。顧客との契約時の価格レベルは、UPS冗長が最も高く、系統冗長、分電盤冗長、ブレーカ冗長及び冗長無しの順に低くなる。
(C)冗長配電例
次に、冗長配電の一例について、図3及び図4を参照しながら簡単に説明する。図3(a)は、<冗長無し(サーバ電源ユニットのみの冗長)>の場合の配電例である。二つのサーバのそれぞれに設けられた二つの電源ユニットは、タップに接続されている。タップは、ラック下部のコンセントに接続され、コンセントは分電盤のブレーカに接続されている。
図3(b)は、<コンセントによる冗長(コンセント・タップの回路異常対策)>の場合の配電例である。二つのサーバのそれぞれに二つずつ設けられた電源ユニットは、サーバとタップとが一対一になるように同一タップにそれぞれ接続されている各タップはラック下部の各コンセントに接続され、各コンセントは分電盤のブレーカに接続されている。
図4(a)は、<1+1冗長型>の場合の配電例である。二つのサーバのそれぞれに二つずつ設けられた電源ユニットは、二つのタップうちの異なるタップにそれぞれ接続されている。各タップはラック下部の各コンセントに接続され、各コンセントは分電盤のブレーカに接続されている。
図4(b)は、<N+1冗長型>の場合の配電例である。一つのサーバに設けられた四つの電源ユニットには予備の電源ユニットが一つ含まれている。各電源ユニットは、四つのタップうちの異なるタップにそれぞれ接続されている。各タップはラック下部の各コンセントにそれぞれ接続され、各コンセントは分電盤のブレーカに接続されている。なお、以上に説明した配電は、冗長配電を説明するための一例にすぎず、冗長配電には電力の安全な供給を考慮して様々な配電方法がある。
以上に説明したように、同じ定格でも配電方法によって消費電力は異なる。よって、同じ定格でも配電方法によって最大の電力容量の最適値は異なる。前述したように、データセンター側は単純に顧客の所有する機器の定格の総和を最大の電力容量にすれば間違いなく安全な電力供給ができる。しかし、データセンターの保有する最大の電力容量は有限であり、単純に定格を守る運用では空き電力が多くなる。このため、データセンター側はできる限り多くの顧客と契約するために、空いた電力容量を使用することで運用効率を高める。
ここで、データセンターの運用側と経営側で電力容量の有効利用の考え方に差異が生じてくる。図5は、電力容量の有効利用についての運用側と経営側の考え方を説明するための図である。図5(a)は、データセンターの経営側の考え方を説明するための図であり、図5(b)は、データセンターの運営側の考え方を説明するための図である、図5(a)及び図5(b)の左側の棒グラフは、データセンタ―の電力容量例を示す。ここでは、A系統とB系統の複数の電力系統を有し、各系統の電力容量が2000kVAの場合を例に挙げて説明する。
データセンターの経営側の要望としては、データセンターが提供できる最大の電力容量は有限であり、極限まで空きの電力容量をなくして多くの顧客を取り込みたい。また、電力の安定提供には5種類の異なるレベルのサービス(供給電源の冗長化)があり、できるだけ安全度の高い冗長方式を顧客に契約させたい。
データセンターの経営側は、安全度の高い冗長方式は、消費電力は変わらないが、契約電力以上の電力容量が必要なため、ある意味、使用することの無い電力容量を顧客に提供でき、その使用しない電力容量は他の顧客に使わせても良い。これにより、図5(a)の右側の棒グラフに示すように、最大電力容量及び使用電力容量に対して契約電力容量が大きくなる。また、最大電力容量に対して極限まで空きの電力容量をなくして多くの顧客を取り込む状態にしたい。
一方、経営側の課題としては、上記の運用時には使用することの無い電力容量を無計画に使いまわすと、万が一発生した電力供給設備の事故の際に、顧客との契約を守れない場合が生じる。つまり、冗長化によって電力供給設備に異常があったときに安全に電力が供給できる系統があったとしても必要な電力供給ができない場合が生じ、電力供給状態に影響を与えてしまう。このため、必要最低限の空き電力(余力)を電力系統の節々に確保しておかなければならない。
これに対して、データセンターの運用側の要望としては、契約電力が電力供給設備の最大容量に近くなるように管理したい。また、複数系統の冗長配電に対して、万が一、電力供給設備の事故が起こり、片系統がダウンしたとしても、冗長配電されたラックには影響を与えないように、他の系統を使用して確実に安全な運用を行いたい。更に、電力の使用状況は、例えば機器の起動時等に瞬間的に大きくなることもある。単一機器であれば、データセンターの持つ巨大な電力容量の中のほんのわずかな電力の増大である。しかし、たまたまでも複数機器により最大電力が重なった場合、実測電力に応じギリギリまで空きを減らした電力容量の運用を行っていると、電力事故の誘発になりかねない。このため、空きの電力容量をある程度確保しておきたい。これにより、図5(b)の右側の棒グラフに示すように、契約電力容量と最大電力容量が近くなり、使用電力容量が小さくなる。
一方、運用側の課題としては、電力容量の余力を大きくとると電力供給面では安全ではあるが、分電盤のブレーカ数や電力容量など有限資源の使用効率が悪くなり、電力容量の空きを生むだけでなく、空調能力を持て余した運用になることもありうる。よって、運用側は、できる限り無駄な余力となりうる空き電力容量は排除したい。
上記より、経営側も運用側も電力の余力(空き電力容量)の管理が重要と考えていると言える。なお、 顧客(利用側)の視点では、データセンター側での安全な電力供給のサービスレベルをできる限り低くし、サービスで決まった電力容量をできる限り有効活用したい。
そこで、データセンターの電力管理としては、
(1)経営側と運用側の双方が満足できる電力管理方法が必要である。
(2)また、利用側と経営側は相反した考え方であり、このため、経営側は利用側がサービス内容(電力容量の契約内容)を違反していないかどうかの監視が必要である。
(2)に関しては、電力の計測・監視により、ある程度判断できる。しかし、(1)に関しては、各サービスレベルで異なる電力の提供形態の電力容量管理を行い、できる限り電力の空き容量をなくし、かつ、安全な電力提供ができる電力容量管理が必要である。
なお、データセンターの多くは、経営側及び運用側それぞれの経験により、設備の定格電力容量の何割が実際の使用電力であるかという電力の容量管理を行っている。その際、データセンターの多くは、経営側よりの電力容量管理(できる限り電力の空き容量をなくしていく管理)、又は、運用側よりの安全な電力容量管理(定格電力を基準とした電力の余力を含めた管理)のいずれかに偏る傾向がある。
(経験的に得られた実効電力の割合)
この点について、データセンターの経営側及び運用側のそれぞれが経験的に得られた定格に対する実効電力の割合を定めて、定格の総和に対してこの割合を掛けたものを想定する実効電力として運用を行うことがある。例えば、経験的に得られた実効電力の割合を経験的に50%とし、定格の50%を実効電力の目安とした場合、2kVA(2000W)の定格の機器の実効電力は1kVA(1000W)となる。このとき、データセンターは、1kVAを確保すべき電力容量とみなして、「他のすべての機器」に対しても同じ割合で管理を行う。
しかし、この割合は、すべての機器に対して一律ではない。サーバ等の機器が使用する電力は、その機器の稼動率やディスク等の実装モジュールにより異なる。よって、定格に対する実効電力の割合は機器毎に異なる。実際に計測したデータに基づく実効電力の割合の一例を図6に示す。
図6(a)は、ブレーカA〜Fのブレーカ毎の電流計測値を示す。図6(b)は、利用負荷、つまり、定格を示す。図6(c)は、想定負荷、つまり、経験的に得られた実効電力の割合(ここでは、20%〜60%)を定格に掛けたものである。
図6(d)は、最大電力値に対する想定負荷の差分を示す。負の値は空き電力容量の不足を示し、正の値は空き電力容量の無駄を示す。図6(e)を見ると、ブレーカAでは、定格の2割以下の電力が使用されている状況であり、電力容量に無駄が発生していることがわかる。一方。図6(f)を見ると、ブレーカEでは、定格の6割以上の電力が使用されている状況であり、電力容量に不足が発生していることがわかる。
なお、以上のブレーカ以外の機器、例えば、普段は電源を落としているモニタや保守用機器などは、顧客の保守作業などの際に随時使用され、電力の増減を予測することが困難である。顧客の機器の稼働率や稼働状況が計測できれば、ある程度電力使用率を割り出すことも可能と思われるが、顧客の機器やネットワークに対して稼働率や稼動状況を計測するようなことは、セキュリティ上困難である。
近年行われているデータセンターにおける顧客への配電電力の使用状況の計測・モニタリングは、あくまで現状把握や分析に使用され、最大電力を予測することは難しい。よって、極力無駄な空き容量を削減するためには、新たな定格に対する実効電力の最大値を求める方法が必要である。
そこで、本発明の一実施形態では、ブレーカ毎の電力の実測データ(計測データ)に基づき、ブレーカ単位の最大電力値を統計的手法で捜査する。これにより、データセンターの経営側と運用側に現状の必要最低限の電力容量となるブレーカ単位の最大電力値を明確に示す。これにより、データセンターの経営側と運用側は、データセンターの安全運用のための必要電力容量をリアルタイムにチェックする。これによれば、これまでの経験的に得られた実効電力の割合による電力の容量管理を改善し、データセンターで管理する最大電力値を精度よく定めることができる。以下、本発明の一実施形態にかかる電力管理システム及び最大電力値の推定方法について説明する。
[電力管理システムの全体構成例]
まず、本発明の一実施形態に係る電力管理システムの全体構成の一例を、図7を参照しながら説明する。図7は、一実施形態に係る電力管理システムの全体構成の一例を示す。本実施形態に係る電力管理システム1は、データセンター10と最大電力値を推定する推定装置14とが、ネットワーク13を介して接続されている。
図7(a)は、データセンター10を上から見た図である。データセンター10には、多数のラック11がA〜H列に並んで配置されている。各列の端部にはラック用の分電盤12が設けられている。図7(b)は、図7(a)のA−A面を示し、H列の側面を見た図である。図7(b)に示すように、各列の分電盤12は床面に置かれ、H列に並んだラック11と電源ケーブル15によりそれぞれ接続されている。図7(b)の分電盤12を拡大した図を参照すると、分電盤12の内部には、計測装置12aと多数のブレーカ12bとを有する。各ブレーカ12bは、ここでは図示しないサーバ等のIT機器やその他の機器に接続されている。計測装置12aは、各ブレーカ12bの電力を所定時間毎に計測する。電力の計測データは、ネットワーク13を介して推定装置14に送信される。
推定装置14は、ブレーカ12b毎の電力の計測データ(実測データ)に基づき、後述されるようにブレーカ単位の最大電力値を、統計的手法を用いて推定する。推定装置14は、例えば、サーバやパーソナルコンピュータ等、常時データの計測や演算ができる装置であれば、いずれの情報処理装置であってもよい。
[データセンターの電力系統例]
次に、本実施形態に係るデータセンター10の電力系統の一例を、図8を参照しながら説明する。図8は、一実施形態に係るデータセンター10の電力系統の一例を示す。データセンター10は、特高設備16、特高受電機器17a、17b、UPS(無停電電源装置:Uninterruptible Power Supply)18a、18b、分電盤及び動力盤19a、19b、親分電盤20a1、20a2、20b1、20b2、ラック用分電盤12a1〜12a6、12b1〜12b6の電力系統を有する。ラック用分電盤12a1〜12a6、12b1〜12b6は、供給された電力をラック11a1〜11a4、11b1〜11b3に配電される。
以下、親分電盤20a1、20a2、20b1、20b2を総称して親分電盤20とも称呼する。また、ラック用分電盤12a1〜12a6、12b1〜12b6を総称してラック用分電盤12とも称呼する。また、ラック11a1〜11a4、11b1〜11b3を総称してラック11とも称呼する。
データセンター10内には、商用電源からの給電が途絶えたときにも、データセンター10内の電力供給を停止することなく安全に自家発電装置等の代替電力供給設備の切り替えを可能にするために、UPS18a、18bが設けられている。図8に示したデータセンター10は、A系統とB系統の2系統の電力系統例である。ただし、このデータセンター10内の電力系統は一例であり、データセンター10は3系統以上の電力系統を有してもよい。また、各系統を構成する機器の個数や配置はこれに限られない。
以上のようにして、データセンター10は、商用電源からの給電の停止や基幹電力設備(分電盤や動力盤や分岐盤など)の異常があっても、ラック11に電力が供給されるようになっている。これにより、ラック11内に収められたサーバ等のIT機器に電力が供給され、IT機器などの利用が可能になる。IT機器等による消費電力は、計測装置12aによって計測される。計測データは、ネットワーク13を介して最大電力値の推定装置14に送信される。
[推定装置の機能構成例]
次に、本実施形態に係る最大電力値の推定装置14の機能構成の一例を、図9を参照しながら説明する。図9は、一実施形態に係る推定装置14の機能構成の一例を示す。
推定装置14は、データ収集部141、データ記録部142、計測データDB143、F検定部144、推定部146及び電力演算部147を有する。
データ収集部141は、計測装置12aによって計測された計測データを取得する。データ記録部142は、取得した計測データを計測データDB143に記録し、蓄積する。
F検定部144は、所定時間毎に計測される電力の計測データのうち最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データを算出する。F検定部144は、第3消費電力データと第1消費電力データとのF検定を実行する。F検定部144は、F検定の結果に基づき第1消費電力データと第3消費電力データとが同一の母集団に属するか否かを判定する。
F検定とは、抽出した2つのサンプルの集合が同一の母集合であるかどうかを検定する手法であり、サンプルデータの集合が正規分布に従わない場合であっても検定できる手法である。
図10(a)に示したように、正規分布は、平均値を中心とした左右対称の釣鐘型の分布となる。サンプルデータの集合が正規分布に従う場合、サンプルデータに対する等分布の検定が可能である。しかし、サーバ等の機器の消費電力の分布の変化は、運用経過により等分布になり難い。実際にブレーカ毎の電力の状況を計測した結果の一例を図10(b)及び図10(c)に示す。図10(b)及び図10(c)は、異なるブレーカの電力の計測データの例である。これによれば、ブレーカ毎に電力の分布の特性は異なる。また、ブレーカ毎の電力分布は、左右対称でなく、平均値が中心よりずれている。このことからブレーカ毎に電力の分布は、平均値を中心とした左右対称の釣鐘型の正規分布とは言い難い。したがって、ブレーカ毎の電力の計測データに基づく等分布の検定では、運用状況が変化するブレーカ毎の最大電力値の予測は難しい。つまり、ブレーカ毎の電力の計測データの検定は、その計測データの集合が正規分布に従わない場合であっても検定できるF検定が好ましい。
ブレーカの電力は、所定時間毎に(例えば、一定間隔(1〜5分間隔程度))で計測される。所定時間毎に計測される計測データのうち、第1消費電力データは、最新の所定期間の計測データである第2の消費電力データを含む過去の長期間の計測データである。第1消費電力データは、計測データDB143に蓄積された計測データのうち、直近の1週間程度(期間は可変)の計測データを含むデータであってもよい。
第2消費電力データは、最新の所定期間の計測データである。第2消費電力データは、直近の1週間程度(期間は可変)の計測データであってもよい。
前述のとおり、F検定部144は、第2消費電力データに第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データを算出する。F検定部144は、第1消費電力データと第3消費電力データとが同一の母集団に属するかを判定する。F検定部144は、同一の母集団に属さないと判定されるまで、第1消費電力データの最大値に所定値αを加算したデータを第1消費電力データの最大値として第2消費電力データに加算した第3消費電力データと第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行する。
推定部146は、第1消費電力データと第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの第3消費電力データの最大値を、最大電力値と推定する。推定部146は、ブレーカ毎に最大電力値を推定し、電力演算部147は、すべてのブレーカの最大電力値の総和をシステム全体の最大電力値と推定する。
[最大電力値の推定方法(最大電力推定処理)]
次に、本実施形態に係る最大電力値の推定方法について、図11を参照しながら説明する。図11は、本実施形態に係る最大電力推定処理の一例を示したフローチャートである。
本実施形態に係る最大電力推定処理では、経験に基づく定格に対する実効電力の割合を使用した電力容量管理ではなく、ブレーカの電力を一定間隔(1〜5分間隔程度)で計測した計測データを用いてF検定によりブレーカ毎の最大電力値を算出する。ブレーカ毎の電力の計測データは、顧客のサービス(契約)期間を対象とし、データの蓄積とリアルタイムな分析を行う。
本処理の実行に際しては、計測データDB143に蓄積されたブレーカの電力の計測データを使う。蓄積された計測データのうち、最新の所定期間である、直近の1週間又は数週間程度(期間は可変)の計測データを標本2とする。蓄積されたすべての計測データを標本1とする。標本1は第1消費電力データに相当し、標本2は第2消費電力データに相当する。標本1は、最新の所定期間よりも長い期間の過去の計測データを含んでいれば、すべての計測データでなくてもよい。
図11の最大電力推定処理が開始されると、最大電力値の推定装置14は、各ブレーカの電力の計測データに基づき、全ブレーカについてブレーカ毎に以下の処理を行う(ステップS10)。まず、F検定部144は、標本1の電力の計測データを取得する(ステップS12)。次に、F検定部144は、標本2の電力の計測データを取得する(ステップS14)。
次に、F検定部144は、標本1の計測データの最大電力値を取得する(ステップS16)。図12には、標本1、標本2、及び標本1の計測データの最大電力値(最大電力捜査値の初期値)の一例が図示されている。例えば、図12のグラフの点Pが標本1の最大電力値であるとする。
次に、F検定部144は、最大電力捜査値の初期値を設定する(ステップS18)。F検定部144は、標本1の計測データの最大電力値を最大電力捜査値の初期値とし、最大電力捜査値の初期値を標本2に加算する。
最大電力捜査値は、説明の便宜上、最大電力値を捜査するために一時的に使用する電力値である。つまり、最大電力捜査値は、標本1の最大電力値に所定値を加算した後の標本1の最大値である。最大電力捜査値は、F検定が実行され、最大電力捜査値の初期値に所定値αが加算された後、F検定が実行される毎に所定値αだけ値が大きくなる。以下では、最大電力捜査値を標本2に加算したデータを標本3(第3消費電力データ)とする。
次に、ブレーカ毎の最大電力値が推定されるまで、以下の処理が実行される(ステップS20)。すなわち、F検定部144は、最大電力捜査値を標本2に加算した標本3と標本1とのF検定を実行する(ステップS22)。F検定部144は、F検定により標本1と標本3とが同一の母集団に属するか否かを判定する。これは、標本1及び標本3に関してF検定を行い、「標本1及び標本3が同一母集合である」という帰無仮説の検定である。
F検定部144は、標本1と標本3とが同一の母集団に属する場合、ステップS24において検定異常でないと判定し、標本1と標本3とが同一の母集団に属さない場合、ステップS24において検定異常と判定する。
検定異常でないと判定された場合、F検定部144は、最大電力捜査値に所定値αを加算する。(ステップS26)。次に、F検定部144は、加算後の最大電力捜査値が打切り閾値よりも大きいかを判定する(ステップS28)。図12では、点Rが、打切り閾値の一例を示す。
加算後の最大電力捜査値が打切り閾値以下である場合、ステップS20に戻り、F検定部144は、加算後の最大電力操作値を標本2に加算した標本3と標本1とのF検定を繰り返す(ステップS22)。たとえば、図12において最大電力捜査値が点P'に示される値であるとき、加算後の最大電力捜査値は打切り閾値以下であるため、ステップS20に戻り、F検定が再度実行される。このようにして、F検定部144は、最大電力捜査値を所定値αずつ増やしながら、F検定の結果が検定異常(棄却)になるか、又は最大電力捜査値が打切り閾値以上となるまで、F検定を繰り返し実行する(ステップS22〜S30)。
図12において最大電力捜査値が点Qに示される値になったとき、F検定結果が検定異常(棄却)となったとする。つまり、標本1と標本3とが同一の母集団に属さないと判定された場合である。このとき、推定部146は、今回(現状)の最大電力捜査値を該当ブレーカの最大電力値と推定し(ステップS30)、ステップS10に戻って次のブレーカの計測データについてステップS12以降のF検定を実行する。このようにしてすべてのブレーカについてブレーカ毎の最大電力値が推定されたとき本処理が終了する。
以上、本実施形態に係る最大電力値の推定方法について説明した。この最大電力値の推定方法では、F検定結果が帰無仮説を否定できるか否かにより処理が振り分けられる。具体的には、F検定結果が帰無仮説を否定できない場合、標本1,3は同一母集合として妥当であり、その最大電力捜査値は統計的に運用中に起こりうる電力値であると判断できる。よって、これよりもさらに大きい最大電力捜査値が無いかが、最大電力捜査値に所定値αを加えて再度F検定を行うことで判定される。
一方、検定結果が帰無仮説を否定できる場合、標本1,3は同一母集合として妥当でない、つまり、標本3に含まれる最大電力捜査値は、統計的に運用中に起こりにくい電力値であると判断できる。最初に検定結果が帰無仮説を否定できたときの最大電力捜査値は、通常運用中に起こりうる電力と起こりにくい電力との境界となる。したがって、このときの最大電力捜査値をこのブレーカの最大電力値とする。
なお、打切り閾値の算出方法の一例としては、標本1の最大電力値と定格電力の間で以下の式で算出された値を適用することができる。
打切り閾値=(定格電力−最大電力捜査値の初期値)×β+最大電力捜査値の初期値
ただし、係数βは可変に設定できる値である。
[効果の例]
以上の処理により推定された最大電力値による効果の一例について説明する。本実施形態では、ブレーカ毎の電力の計測データに基づき、ブレーカ単位の最大電力値を統計的手法を用いて捜査した。これにより、データセンター10の経営側と運用側にとって納得できる現状の必要最低限確保すべき電力容量となるブレーカ単位の最大電力値を明らかにし、データセンター10の安全運用のための必要電力容量をリアルタイムにチェックすることができる。これによれば、これまでの経験的に得られた実効電力の割合による電力の容量管理を改善し、データセンター10で管理する最大電力値を精度よく推定することができる。
また、データセンター10の運用者が、分電盤の電力の空き状況を把握でき、空き電力容量を有効活用できる。また、電力の空き容量の変化を時系列的に記録することができ、現状の電力容量の分析や今後の電力容量の予測に役立てられる。
本実施形態により推定されたブレーカ毎の最大電力値は、電力演算部147によりラック用分電盤毎に合計され、さらに分電盤より上位の電力系統でも合計されることで、最終的に図8のデータセンター10の電力系統毎に最大電力値を算出できる。
この集計処理により、データセンター10の主に運用者に図13及び図14に示される画面に表示される情報を提供できる。図13は、本実施形態に係るブレーカ毎に推定された最大電力値の合計(USP及び親分電盤)を含む電力使用状況の画面表示の一例である。図14は、本実施形態に係るブレーカ毎に推定された最大電力値の合計(分電盤)を含む電力使用状況の画面表示の一例である。
データセンター10の運用者は、画面上の管理値(例えばUPSの定格を2250kVAとした場合、その定格の80%である1800kVAを管理値とする)と最大値累積と実績値(計測値)の比較で、電力の使用状況を把握できる。つまり、ブレーカ毎に算出した最大電力値は、図13のUSP/親分電盤の場合及び図14の分電盤の場合のいずれも経験則から求められた最大電力値である管理値と比べてデータセンター10の安全かつ効率的な運用に適した必要電力容量に設定されていることがわかる。
以上に説明したように、本実施形態に係る最大電力値の推定方法によれば、データセンター10で一律だった定格に対する最大の実効電力の割合を、ブレーカの計測データから統計的に割り出した最大電力値に代替する。これにより、ブレーカ単位で無駄な空き電力の削減を図ることができる。
特に、本実施形態では、ブレーカ単位で割り出した最大電力値を分電盤より上位の基幹電力設備(UPS等)に積み上げて、安全かつ効率的な電力容量管理を行うことができる。
[ハードウェア構成例]
最後に、最大電力値の推定装置14のハードウェア構成例について簡単に説明する。図15は、本実施形態にかかる推定装置14のハードウェア構成の一例を示す図である。
図15に示すように、推定装置14は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、通信I/F107及びHDD(Hard Disk Drive)108を備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
入力装置101は、キーボードやマウスなどを含み、推定装置14に各操作を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、データセンター10の運用者に推定された最大電力値による電力使用状況の結果等を表示する。
通信I/F107は、推定装置14とデータセンター10等の機器との通信を行うためのインタフェースである。推定装置14は、通信I/F107を介してデータセンター10から計測データを取得する。
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、装置全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。また、HDD108は、上記実施形態にかかる最大電力推定処理を行うためにCPU106により実行されるプログラムを格納する。
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。推定装置14は、外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカード(SD Memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等がある。記録媒体103aには、最大電力推定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されてもよい。
ROM105は、不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)であり、起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する演算装置である。
かかる構成により、推定装置14のF検定部144、推定部146及び電力演算部147の各部の機能は、HDD108にインストールされたプログラムがCPU106に実行させる最大電力推定処理により実現される。計測データや打切り閾値は、例えば、RAM104、HDD108又は推定装置14に通信I/F107を介して接続される記憶装置に記録されてもよい。つまり、推定装置14は、必ずしも図9に示した計測データDB143を保持していなくても、外部の記憶装置に計測データを蓄積させ、その記憶装置から通信I/F107を介して計測データを取得してもよい。
以上、最大電力値の推定方法、最大電力値の推定装置及びプログラムを上記実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施形態の記載は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
例えば、上記実施形態にかかる最大電力値の推定方法では、ブレーカ毎の電力の計測データに基づき、ブレーカ単位の最大電力値を統計的手法を用いて捜査し、現状の必要最低限確保すべき電力容量となるブレーカ単位の最大電力値を推定した。しかしながら、本発明にかかる最大電力値の推定方法は、タップ単位で実測された電力の計測データに基づき、タップ単位の最大電力値を推定してもよい。また、本発明にかかる最大電力値の推定方法は、コンセント単位で実測された電力の計測データに基づき、コンセント単位の最大電力値を推定してもよい。この場合、所定時間毎に計測される計測データは、ブレーカ毎の計測データ、コンセント毎の計測データ又はタップ毎の計測データの少なくともいずれかであってもよい。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行し、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
処理をコンピュータが実行する最大電力値の推定方法。
(付記2)
所定時間毎に計測される計測データは、ブレーカ毎の計測データであり、
前記最大電力値を推定する処理は、ブレーカ毎に最大電力値を推定する、
付記1に記載の最大電力値の推定方法。
(付記3)
前記F検定を実行する処理において、前記第3消費電力データが、予め定められた打切り閾値よりも大きくなった場合、前記最大電力値を推定する処理は、直前のF検定のときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
付記1又は2に記載の最大電力値の推定方法。
(付記4)
所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属するかを判定するF検定部と、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する推定部と、
を有し、
前記F検定部は、前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行する、
最大電力値の推定装置。
(付記5)
所定時間毎に計測される計測データは、ブレーカ毎の計測データであり、
前記推定部は、ブレーカ毎に最大電力値を推定する、
付記4に記載の最大電力値の推定装置。
(付記6)
前記推定部は、前記F検定部において前記第3消費電力データが、予め定められた打切り閾値よりも大きくなった場合、直前のF検定のときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
付記4又は5に記載の最大電力値の推定装置。
(付記7)
所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行し、
前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記8)
所定時間毎に計測される計測データは、ブレーカ毎の計測データであり、
前記最大電力値を推定する処理は、ブレーカ毎に最大電力値を推定する、
付記7に記載のプログラム。
(付記9)
前記F検定を実行する処理において、前記第3消費電力データが、予め定められた打切り閾値よりも大きくなった場合、前記最大電力値を推定する処理は、直前のF検定のときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
付記7又は8に記載のプログラム。
1:電力管理システム
10:データセンター
11:ラック
12:分電盤
12a:計測装置
12b:ブレーカ
14:推定装置
141:データ収集部
142:データ記録部
143:計測データDB
144:F検定部
146:推定部
147:電力演算部

Claims (5)

  1. 所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、
    前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行し、
    前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
    処理をコンピュータが実行する最大電力値の推定方法。
  2. 所定時間毎に計測される計測データは、ブレーカ毎の計測データであり、
    前記最大電力値を推定する処理は、ブレーカ毎に最大電力値を推定する、
    請求項1に記載の最大電力値の推定方法。
  3. 前記F検定を実行する処理において、前記第3消費電力データが、予め定められた打切り閾値よりも大きくなった場合、前記最大電力値を推定する処理は、直前のF検定のときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
    請求項1又は2に記載の最大電力値の推定方法。
  4. 所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属するかを判定するF検定部と、
    前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する推定部と、
    を有し、
    前記F検定部は、前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行する、
    最大電力値の推定装置。
  5. 所定時間毎に計測される電力の計測データのうち、最新の所定期間の計測データである第2消費電力データに該第2消費電力データを含む計測データ群である第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を実行し、
    前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されるまで、前記第1消費電力データの最大値に所定値を加算し、前記第2消費電力データに加算後の前記第1消費電力データの最大値を加算した第3消費電力データと前記第1消費電力データとのF検定を繰り返し実行し、
    前記第1消費電力データと前記第3消費電力データとが同一の母集団に属さないと判定されたときの前記第3消費電力データの最大値を最大電力値と推定する、
    処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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