JP6201739B2 - 内燃機関の排水装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両の内燃機関に関し、詳しくは吸排気中から水分を排水する排水装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガス浄化方法として、NOxトラップ触媒を用いたものが知られている。NOxトラップ触媒は、排気中のNOxを酸化雰囲気中で捕捉し、捕捉したNOxを還元雰囲気中で放出してN等に還元することでNOxの排出濃度を低減している。また、ディーゼルエンジン搭載車には、排気中の粒子状物質(PM)を除去するフィルタ装置が設けられており、NOxトラップ触媒はその耐熱性や配置スペースの観点から、一般的にフィルタ装置の下流側に配置されている。
さらに、排気の一部を吸気側に戻すことで燃焼室の燃焼温度を下げ、排気中のNOxを低減させる排気再循環(EGR)方式が知られている。EGR方式には、過給機のタービン上流側排気通路からコンプレッサ下流側吸気通路に排気を戻す高圧EGR方式と、タービン下流側で酸化触媒及びフィルタ装置下流側の排気通路からコンプレッサ上流側吸気通路に排気を戻す低圧EGR方式とがある。ここで、低圧EGR装置及びインタークーラ等の冷却手段を備えた内燃機関では、排気を含む吸気が冷却手段を通過して冷却される際に結露して凝縮水が発生する。この凝縮水が吸気と共に吸気通路から燃焼室に送られると、ウォーターハンマを引き起こしてしまう虞がある。
上述の問題を解決する内燃機関の排気浄化装置の一例が「特許文献1」に開示されている。この排気浄化装置では、インタークーラで発生した凝縮水を貯留する貯留タンクと、凝縮水を加熱して水蒸気とする加熱装置と、貯留タンクと触媒上流側の排気通路とに接続された水蒸気供給路とを有し、凝縮水を水蒸気に変えて触媒の上流側排気通路に供給している。
特開2013−180757号公報
上述の技術では、凝縮水が燃焼室に送られてウォーターハンマを引き起こすことが防止されているが、凝縮水を加熱して水蒸気とする加熱装置が必要となり、同装置の装着によりコスト増、スペース確保等の問題が生じ易い。そこで、インタークーラで発生した凝縮水をNOxトラップ触媒の上流側排気管へ排出するために凝縮水排出通路を設置するという構成を採ることが考えられる。
この場合、凝縮水排出通路の出口より排出された凝縮水がその下流に配備のNOxトラップ触媒に流動して、その凝縮水により触媒が急冷されると、熱応力により担体割れが生じ易くなり、排ガスが悪化するという問題がある。
更に、凝縮水排出通路の出口より排出される凝縮水の排出量はエンジンの運転域により異なり、特に、最大量の凝縮水の排出がある場合でも、その凝縮水の加熱を十分に行なうことで、NOxトラップ触媒の凝縮水の低温化に起因する担体割れのリスクを低減できるような構成を採ることが望まれている。
本発明は上述の問題を解決するもので目的とするのは、凝縮水排出通路より排出された凝縮水がNOxトラップ触媒を急冷しないような構成を採ることで担体割れのリスクを低減できる内燃機関の排水装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、内燃機関の排気通路上に配置される排気後処理手段の上流側に形成された拡径部と、前記内燃機関の吸気通路に一端が、前記排気後処理手段の排気通路上流側に他端がそれぞれ接続されて前記吸気通路内の凝縮水を前記排気通路に排出する排水路と、を備え、前記排気後処理手段の上流側排気管の後端部は前記拡径部の拡径前部内に延長管部として延出し、前記排水路の他端は、前記延長管部の外周壁と前記拡前部の内周壁との間に設けられる部屋に接続され、前記部屋と前記拡径部の内部とを区画する隔壁の重力方向最下部に下部開口部が形成された、ことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の排水装置において、前記延長管部の後端縁を前記拡前部に接合することで前記部屋が排気路から区画される、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の内燃機関の排水装置において、前記拡前部はコーン形状の傾斜部を成し、前記部屋は、前記延長管部の後端が前記延長管部の径方向外側に延出して形成される延出部と、前記傾斜部の内周壁が接合されて形成される、ことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1つに記載の内燃機関の排水装置において、前記部屋と前記拡径部内部とを区画する隔壁に上部開口部が形成され、前記上部開口部は前記排水路の前記他端と前記拡径部との接続位置より重力方向下側に配設される、ことを特徴とする。
請求項1の発明は、延長管部と傾斜拡径部との間に設けた部屋に吸気通路の水を排水路より流入させ、排気管により部屋に滞留した水の加熱、蒸発を図った上で下流側の排気後処理手段に流下するので、凝縮水は排気後処理手段を通過して排出することができる。さらに、排水路から排出された凝縮水が一旦部屋に滞留するため、排水路から排出される凝縮水の量が急激に増減しても、凝縮水が一気に排気後処理手段に流入して排気後処理手段の目詰まりあるいは触媒の担体割れのリスクを低減できる。
さらに、重力方向で最下部に設けた下部開口部より部屋に滞留する水を確実に排水するので、排水路から排出される凝縮水の量が急激に増減しても、部屋内に滞留した凝縮水を一定量ずつ下流側の排気後処理手段に流下させることができる。さらに、排水路から排出された凝縮水を、一旦部屋に滞留させるので、確実に、凝縮水の加熱、蒸発を図ることが出来る。したがって、排気後処理手段の目詰まりあるいは触媒の担体割れのリスクを低減することができる。
請求項2の発明は、排水路から排出された凝縮水を、拡径部の内周壁と延長管部の外周壁及び後端縁とで形成された部屋の内部に流入させ、次いで部屋から凝縮水を下流側の排気後処理手段に流下できるので、拡径部内に別途に別部材で形成される隔壁を設けることなく凝縮水を滞留させる部屋を形成できるとともに、滞留した凝縮水を延長管部および拡径部の熱で確実に昇温させて凝縮水の蒸発を図ることができる。これにより、排気後処理手段の目詰まりあるいは触媒の担体割れのリスクを更に低減できる。
請求項3の発明は、延長管部の後端が径方向外側に延出して形成された延出部と、拡径部のコーン形状の傾斜部の内周壁とを接合させることで、排気路より区画された部屋を比較的大きな容量として水の滞留を容易化し、加熱、蒸発を容易化できる。
請求項の発明は、開口部が部屋の滞留水の水面を排水路の部屋側の開口より下側に保持する。つまり、凝縮水が一定以上部屋に貯留された際は、下部開口部とともに開口部からも凝縮水が排出される。また、開口部によって部屋と拡径部の内部が連通するので、部屋内に凝縮水が滞留しても部屋内の気圧が上がらず、したがって凝縮水が排水路内に逆流することを防ぐことができる。これにより、吸気通路の凝縮水の流量を調整しつつ、確実に排水路から部屋側に排出できる。
本発明の一実施形態の内燃機関の排水装置を搭載する車載用ディーゼルエンジンの吸排気系の全体構成図である。 図1の内燃機関の排水装置で用いる触媒コンバーターの前部の拡大部分切欠断面図である。 図2の内燃機関の排水装置で用いる触媒コンバーターを示し、(a)は図2中のA−A線断面図、(b)は図2中のB−B線断面図である。 本発明の他の実施形態の内燃機関の排水装置で用いる触媒コンバーターを示し、(a)は触媒コンバーターの前部の拡大部分切欠断面図、(b)は(a)中のC−C線断面図である。
本発明を適用した内燃機関の排水装置について、以下の図面を用いて解説する。
本発明は、要するに、吸気通路に生じた凝縮水を排気通路の触媒装置の上流側に排水させる際に触媒装置が破損することを防止できる排水分散構成を特徴とする。
ここでは、本発明の内燃機関の排水装置を車載用ディーゼルエンジンの給排気系に適用した場合を実施形態1として説明する。
実施形態1の内燃機関の排水装置が搭載された車載用ディーゼルエンジン(以下エンジンという)1は本体中央部を成すシリンダブロック2を備え、その上部にシリンダヘッド3を設ける。シリンダヘッド3の吸気側には吸気通路IRを構成する吸気管4が、排気側には排気通路ERを構成する排気管5がそれぞれ接続されている。シリンダヘッド3には、コモンレール13を介して燃料噴射ポンプ14が接続されている。更に、シリンダヘッド3には、一端をエアフィルタ6よりも下流側の吸気管4に接続されたブローバイガスを排出するブローバイガス通路21の他端が接続されている。
吸気管4には、吸気通路IRの上流側からエアフィルタ6、低圧スロットル弁7、低圧EGRバルブ8、過給機であるターボチャージャ9の図示しないコンプレッサ、インタークーラ10、高圧スロットル弁11、高圧EGRバルブ12等が設けられている。
排気管5には、シリンダブロック2側である排気通路の上流側からターボチャージャ9の図示しないタービン、酸化触媒15及び排気フィルタとしてのフィルタ装置16が設けられている。
酸化触媒15は、例えば白金のような貴金属触媒を担持しており、排気中のNOをNOに転換する作用と、排気中のHCやCO等の有害成分を酸化させる作用とを有している。NOはNOよりも酸化作用が強く、NOによってフィルタ装置16に捕獲された粒子状物質(ディーゼル・パティキュレート)の酸化反応が促進される。また、このNOは後述するNOxトラップ触媒18で還元除去される。フィルタ装置16は排気中の粒子状物質を捕獲するフィルタ装置(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)であり、捕獲された粒子状物質はNOの強力な酸化作用で燃焼除去される。
フィルタ装置16の下流側には、排気中の酸素濃度量を検知する酸素濃度センサ(LAFS)17が設けられており、その下流側に触媒であるNOxトラップ触媒18を内蔵した触媒コンバーター19が、さらにその下流側に酸素濃度センサ20が設けられている。排気通路ER上に配置される排気後処理手段であるNOxトラップ触媒18は、酸化雰囲気においてNOxを捕捉し、捕捉したNOxを例えばHCやCO等を含む還元雰囲気中で放出して窒素(N)に還元する機能を有する浄化装置である。つまり、酸化触媒15で生成されたNO及び酸化触媒15で酸化されずに排気ガス中に残存するNOを捕捉し、窒素(N)に還元して放出する。
高圧EGRバルブ12の下方には、高圧EGR管23と高圧EGRクーラ24とを有する高圧EGR装置22が配設されている。高圧EGR管23は、その一端を高圧スロットル弁11とシリンダヘッド3との間の吸気管4に、その他端をシリンダヘッド3とターボチャージャ9のタービンとの間の排気管5にそれぞれ接続されており、その途中には高圧EGRクーラ24が設けられている。高圧EGR管23の一端は、高圧EGRバルブ12によって開閉される。
低圧EGRバルブ8の下方には、低圧EGR管26と低圧EGRクーラ27とを有する排気再循環装置としての低圧EGR装置25が配設されている。低圧EGR管26は、その一端を低圧スロットル弁7とターボチャージャ9のコンプレッサとの間の吸気管4に、その他端をフィルタ装置16とNOxトラップ触媒18との間の排気管5にそれぞれ接続されており、その途中に低圧EGRクーラ27が設けられている。低圧EGR管26の一端は、低圧EGRバルブ8によって開閉される。
次に、吸気通路IR内に生じた凝縮水を排水路wrを通して排気通路ER内に流出させる本発明の実施形態1に係る内燃機関の排水装置M1を説明する。
ここでの排水路wrはその一端の流入口281がインタークーラ下流側であってインタークーラ10と高圧スロットル弁11との間の吸気管4に接続され、排気後処理手段であるNOxトラップ触媒18の排気路上流側に他端の排水口282が接続される。
なお、排水路wrの一端の接続位置は、インタークーラ10と高圧スロットル弁11の間の吸気管4に限定されず、例えばシリンダブロック2の下流側の排気管5上流側に接続されてもよい。これにより、内燃機関のアイドリング中に排気管5の内部で発生した凝縮水を排水路を通じて排出することができる。
この排水管28の途中には開閉弁29が配設され、開閉弁29にはこの開閉弁の開閉制御を行なう制御手段30が接続される。
制御手段30は、上述したように、排水管28内に貯留された凝縮水の量が一定量に達したり、エンジン1の運転時間や走行距離が一定値に達した場合に開閉弁29を開弁し、排水管28内の凝縮水を触媒コンバーター19を介して車外に排出する機能を備える。更に、制御手段30は排水管28から凝縮水が抜けて酸素濃度センサ20が排水管28を通じて漏出する吸気ガス内の酸素濃度を検出して、これがリーン側の所定値に達すると、排水管28から凝縮水が完全に抜けたと判断し、開閉弁29を閉弁させる機能を備える。この制御手段30の制御により排水管28からの凝縮水排出が完了後に吸気ガスが該排水管から排出され、エンジン1のトルク低下や出力低下を引き起こしてしまうことを防止している。
次に、図1に示すように、排気通路ERを成す上流側排気管501の後端にNOxトラップ触媒(排気後処理手段)18を有する触媒コンバーター19が接続される。この触媒コンバーター19は、排気通路ERの拡径部を成す筒状の容器本体(シエル)を備える。容器本体はNOxトラップ触媒18を収容保持する主部191と、主部191に連続形成された排気通路ER前側の拡径部である拡径前部192と、排気通路ER後側の拡径後部193とを有する。
図1に示すように、拡径前部192は排気路方向Xに向かって排気路径を徐々に拡大するコーン形状の傾斜部(フロントコーン)を成し、その前端が排気通路上流側の上流側排気管501に接続される。拡径後部193は下流に向けて排気路径を徐々に縮小するコーン形状の傾斜部を成し、その後端が排気通路下流側の下流側排気管502に接続される。
図2に示すように、上流側排気管501の後端部は拡径前部192の前端に重なり互いに溶着された上で拡径前部192内の中央部近傍まで直管状の延長管部5011として延出形成される。なお、延長管部5011の後端縁はNOxトラップ触媒18を支持する担持体前面f1と対向配備される。
延長管部5011はその後端部が延長管部5011の径方向外側に大きく延出した延出部である拡大返し部5012が形成されている。図3(a)に示すように、拡大返し部5012はその外周縁部が拡径前部192の内壁面f2に当接し、互いが環状に長く溶着され、即ち、接合することで、溶着ビードmが形成され、後述の部屋Eが排気路から区画される。
環状の溶着ビードmの斜め左右上方に2つの開口部を成す非溶接区間40か形成される。ここでは拡大返し部5012と拡径前部192の内壁面間に環状空間Eが形成され、この環状空間Eが斜め左右上方に開口部を成す非溶接区間40の隙間t(図2参照)を通して拡径前部192後方の空間である触媒コンバーター19の前部空間とに連通している。
一方、図2に示すように、傾斜部を成す拡径前部192はその外壁の上部にボス31を溶着し、該ボス31に設けた貫通孔の上端側を排水管28の他端である排水側と接続している。ボス31の貫通孔の下端側は拡径前部192を貫通して,延長管部5011の外周壁と傾斜拡径部である拡径前部192の内周壁との間に設けられた部屋Eに排水路wrに続く排水口282を接続するよう形成されている。
図3(a)、(b)に示すように、排水路wrの他端となる排水口282は延長管部5011の重力方向gで上側に配置される。
更に、図3(a)に示すように、斜め左右上方の2つの非溶接区間40はオーバーフロー用の開口部を成し、排水口282から非溶接区間40を経て流動する凝縮水をNOxトラップ触媒18を支持する主部191の前部空間に排出可能である。
ここで、特に、排水口282からの凝縮水の排出量が急増したような場合でも、2つの開口部を成す非溶接区間40により部屋E内に滞留する凝縮水の水面を排水口282(排水路の部屋E側の開口)より落差h1だけ下側に保持できる。
このため、部屋E内に凝縮水が満杯になることを防止でき、吸気通路IRの凝縮水を排水路wrを通し、部屋E側に確実に排出できる。また、開口部を成す非溶接区間40によって部屋と拡径部の内部が連通するので、部屋内に凝縮水が滞留しても部屋内の気圧が上がらず、したがって凝縮水が排水路内に逆流することを防ぐことができる。これにより、吸気通路の凝縮水の流量を調整しつつ、確実に排水路から部屋E側に排出できる。
なお、凝縮水排出通路の出口である排水口282より排出される凝縮水の排出量はエンジン1の運転域により異なり、特に、最大量の凝縮水の排出がある場合でも、その凝縮水の加熱を十分に行なう必要がある。そこで、ここでは部屋Eの容量が、エンジン1に応じた最大流量の凝縮水を一時滞留できる容量を確保するよう形成される。
これにより、排水口282より最大流量の凝縮水が排出されても、部屋Eの2つの非溶接区間40より加熱前の低温の凝縮水がオーバーフローすることを防止できる。この点より、NOxトラップ触媒18が凝縮水の低温化に起因して担体割れを生じるというリスクを低減できる。
このような内燃機関の排水装置M1の作動を説明する。
エンジン1の運転中、特に低圧EGR装置25使用時にはインタークーラ10の出口部に多量の凝縮水が発生する。発生した凝縮水は、排水路を通ってNOxトラップ触媒18の上流側近傍に位置する拡径前部192内に送られ、触媒コンバーター19を介して車外に排出される。この場合、排水路を成す排水管28の途中に設けられた開閉弁29が閉じられているときには排水管28内に貯留される。開閉弁29は、排水管28内に設けられた図示しない水位センサによって貯留された凝縮水の量が一定量に達したとき、あるいはエンジン1の運転時間や走行距離が一定値に達したときに制御手段30に開弁駆動される。
エンジン1の運転中に排気通路ERを流動してきた排気は容器本体(シエル)内に流入してから、NOxトラップ触媒18を保持する担持体前面f1に拡散して流入している。
この際、図3(b)に示すように、排水口282から流出した凝縮水が重力方向gで下側に位置する延長管部5011に当接するように排出され、2点鎖線の矢印で示すように凝縮水が確実に分散、拡散され、部屋Eの下部に滞留する。なお、部屋Eの上部の非溶接区間40は排気通路ERから離れて位置しており、延長管部5011内の排気流動による減圧の影響は少ないため、部屋Eは非溶接区間40の隙間tを介して拡径前部192の下流側とほぼ同圧を保って接続する。
部屋E内の凝縮水は排気ガスで加熱されている延長管部5011や拡大返し部5012や拡径前部192により加熱され、高温化し、蒸発して、非溶接区間4の隙間tを通過して、排気通路ERの下流側に流動する。具体的には、排気ガスと混合した蒸気はNOxトラップ触媒18を支持する担持体前面f1に侵入し、触媒コンバーター19を通過して車外に排出される。
このように、延長管部5011や拡大返し部5012や拡径前部192の間に設けた部屋Eに吸気通路IRの凝縮水を排水路wrより流入させ、上流側排気管501や延長管部5011により部屋Eに滞留した凝縮水の加熱、蒸発を図った上で下流側の排気後処理手段であるNOxトラップ触媒18に流下する。このため、凝縮水は排気後処理手段を通過して排出することができる。さらに、排水路wrから排出された凝縮水が一旦部屋Eに滞留するため、滞留期間中に加熱を促進でき、凝縮水を確実に高温化できる。更に、排水路wrから排出される凝縮水の量が急激に増減しても、凝縮水が一気にNOxトラップ触媒18に流入してそのNOxトラップ触媒18の目詰まり、あるいはNOxトラップ触媒18の担体割れのリスクを低減できる。
上述の実施形態1の内燃機関の排水装置M1では環状の溶着ビードmの斜め左右上方に非溶接区間40を2つ形成していたが、これに代えて、図4(a)、(b)に示すような構成を採る実施形態2に係る内燃機関の排水装置M2を次に説明する。
実施形態2の内燃機関の排水装置M2では、図4(a)、(b)に示すように、触媒コンバーター19aの拡径前部192aの内壁面f2に、延長管部5011aの後端部の拡大返し部5012aの外周縁部が溶着され、環状空間Eaが設けられる。更に、ここで形成された溶着ビードmaには斜め左右上方と、重力方向最下部付近の3箇所に拡径部内部と触媒コンバーター19aの前部空間とを区画する開口部を成す非溶接区間40a、40eaが形成される。なお、最下部付近の下部開口部を成す非溶接区間40eaは、凝縮水が環状空間である部屋Eaに一時的に留まり、その滞留時間に応じて高温化が促進されるため、凝縮水の昇温、蒸発を促進できる程度の滞留時間を確保できるような隙間幅Bmで形成される。
実施形態2の内燃機関の排水装置M2では、斜め左右上方の2つの非溶接区間40aからは、延長管部5011aや拡大返し部5012aや拡径前部192aから伝達される排気ガスの熱により生成された凝縮水の蒸気が排出される。更に、重力方向最下部付近の非溶接区間40eaからは排気の熱により加熱された凝縮水が液体状あるいは気化して排出される。これら3箇所の開口部を成す非溶接区間40a、40eaの所定隙間ta、隙間幅Bmより拡径前部192aの排気路方向Xで後方の空間に気化あるいは液体状のまま分散して排出される。更に、凝縮水は高温化し、3箇所より分散して排出されるので、排気通路ERの中央側より比較的離れているので、排気ガス流に乗りにくい状態にあり、この点でも拡散効果が増し、担体割れ防止効果を維持できる。
このように、実施形態2の内燃機関の排水装置M2では、環状空間である部屋Eaが、拡大返し部5012aの外周と拡径前部192a(フロントコーン)を溶接し、その際重力方向最下部の区間とそれ以外の上方の一部区間を除いて溶接し、3つの開口を有するよう形成されている。これにより、排水路wrを経て排水口282から排出された凝縮水が非溶接区間40aが形成する落差h1を持つ部屋Eaに一時的に滞留し、その間に排気管5と拡径前部192aの熱で、凝縮水の昇温、蒸発を促進できる。
しかも、凝縮水が一定以上部屋Eaに貯留された際は、非溶接区間40ea(下部開口部)とともに非溶接区間40a(開口部)からも凝縮水が排出される。また、非溶接区間40aによって部屋内の気圧が上がらず、凝縮水が排水路wrに逆流することを防ぐことができ、凝縮水の流量を調整しつつ、確実に排水路から部屋側に排出できる。更に、部屋Ea内に滞留した凝縮水を一定量ずつ下流側のNOxトラップ触媒(排気後処理手段)18に確実に流下させることができ、この点でも凝縮水の加熱熱、蒸発を確実に図ることが出来る。したがって、NOxトラップ触媒(排気後処理手段)18の目詰まりあるいはこの触媒の担体割れのリスクを低減することができる。
上述のところにおいて、内燃機関の排水装置は車載用ディーゼルエンジンに搭載されるとしたが、場合により定置式ディーゼルエンジンに搭載されてもよく、更に、ガソリンエンジンに搭載されてもよく、これらの場合もほぼ同様の効果が得られる。
1 内燃機関(エンジン)
4 吸気管
5 排気管
501 上流側排気管
5011、5011a 延長管部
5012、5012a 拡大返し部
10 インタークーラ
18 NOxトラップ触媒(排気後処理手段)
19 触媒コンバーター
191 主部
192 拡径前部
28 排水管
282 排水口
wr 排水路
E、Ea 部屋
IR 吸気通路
ER 排気通路
M1、M2 内燃機関の排水装置
X 排気路方向

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路上に配置される排気後処理手段の上流側に形成された拡径部と、
    前記内燃機関の吸気通路に一端が、前記排気後処理手段の排気通路上流側に他端がそれぞれ接続されて前記吸気通路内の凝縮水を前記排気通路に排出する排水路と、
    を備え、
    前記排気後処理手段の上流側排気管の後端部は前記拡径部の拡径前部内に延長管部として延出し、
    前記排水路の他端は、前記延長管部の外周壁と前記拡前部の内周壁との間に設けられる部屋に接続され、
    前記部屋と前記拡径部の内部とを区画する隔壁の重力方向最下部に下部開口部が形成された、
    ことを特徴とする内燃機関の排水装置。
  2. 前記延長管部の後端縁を前記拡前部に接合することで前記部屋が排気路から区画される、
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排水装置。
  3. 記拡前部はコーン形状の傾斜部を成し、
    前記部屋は、前記延長管部の後端が前記延長管部の径方向外側に延出して形成される延出部と、前記傾斜部の内周壁が接合されて形成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排水装置。
  4. 前記部屋と前記拡径部の内部とを区画する隔壁に上部開口部が形成され、
    前記上部開口部は前記排水路の前記他端と前記拡径部との接続位置より重力方向下側に配設される、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の排水装置。
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