[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報コード利用システム1は、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセルを配列した情報コード100を生成する情報コード生成装置2と、情報コード生成装置2によって生成された情報コード100を読み取る情報コード読取装置10とを備えた構成をなしている。また、このシステム1は、図10のように、チェックサーバ60や管理サーバ70なども備えており、更にコンピュータ80や携帯端末90などが接続可能とされている。なお、図10の構成については後に詳述することとし、まず、図1に示す情報コード生成装置2、情報コード読取装置10、及び情報コード100の基本構成について説明する。
(情報コード生成装置)
情報コード生成装置2は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部3と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部4と、ROM、RAM、HDD、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部5と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部6と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部7と、公知のプリンタ等と同様のハードウェア構成をなし且つ制御部3からの印刷データに基づいて情報コード100等を印刷可能な印刷部8(印刷装置)とを備えている。
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置10の全体構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的には二次元コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、図示しないケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
この情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本構成では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに例えば図1のような情報コード100(後述)が印刷などの公知の画像形成方法によって形成されている。
受光センサ23は、情報コード100(後述)を撮像可能な「撮像部」の一例に相当し、読取対象物Rや情報コード100に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コード100のコード画像を結像するように構成されている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード100の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、半導体メモリ装置などの公知の記憶媒体よって構成され、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM、不揮発性メモリ等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、情報コード読取装置10の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを通信可能に接続できるようになっている。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
(情報コード)
次に、図1の情報コード利用システムで利用される情報コード100について図1、図5等を参照して説明する。なお、図1の例と図5右図の例では、セル配列や特定パターンのサイズ等が若干異なるが基本的な考えは同様であり、同様の特徴を有している。図1、図5等に示す情報コード100は、例えば上述の情報コード生成装置2によって生成されるものであり、所定のコード領域の内部に情報を表示する単位となるセル102(明色セル102a又は暗色セル102b)を配列した構成となっている。なお、図1、図5等の情報コード100において、「コード領域」は、複数配列された暗色セルを全て含み得る矩形状の領域であり、具体的には、3つの位置検出パターン(切り出しシンボル)104を全て含む最小の正方形領域又は長方形領域となっている。なお、図1、図5等の例では、複数のセル102が、矩形状(例えば外径が正方形状)の明色(白色)セル102a又は暗色(黒色)セル102bのいずれかによって構成されており、コード領域の内部において後述する空き領域110の周囲にこれらセル102がマトリックス状に配置されている。明色セル102a及び暗色セル102bは、それぞれ白色セル、黒色セルに限られるものではなく、暗色セル102bが所定の明度で構成される場合、明色セル102aはそれよりも明度が高ければよい。また、情報コード100において上記コード領域の周囲には、当該コード領域を取り囲むように明色又は暗色のマージン領域が構成されるようになっており、図1、図5等の例では、明色(例えば、白色或いは暗色セルよりも明度の大きい他色)のマージン領域がコード領域の周囲に隣接して配置されている。
この情報コード100は、矩形状(例えば、正方形状或いは長方形状等)のコード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセル102によって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とが設けられている。図1、図5等のように、情報コード100の特定パターンは、例えば、QRコード(登録商標)の公知の所定型番(図5の例では、JIS等で規格化されたQRコードの所定型番)の特定パターンと同一の形状及び位置となっており、図1、図5等の例では、コード領域の3つの角部にそれぞれ、特定パターンとしての位置検出パターン(切り出しシンボル)104が配置されている。また、上記所定型番において予め定められた位置に、特定パターンとしてのタイミングパターン106やアライメントパターン108も設けられている。このように、情報コード100では、予め定められた位置に決まった形状の特定パターン(位置検出パターン104(以下、特定パターン104とも称する)、タイミングパターン106、アライメントパターン108(図5では省略))が配置されるようになっている。なお、コード領域の内部において、後述する空き領域110以外の位置は、このような特定パターンの領域、記録領域(データ記録領域及び誤り訂正符号記録領域のいずれかからなる領域)などによって構成されている。
情報コード100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(コードワードの配置順序を特定するアドレス)等は読取装置がどのような方法で把握してもよい。例えば、情報コード100の種別において複数の型番が設けられていてもよく、この場合、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードを配置する候補位置(アドレス)が予め定められていればよい。そして、上記型番を特定する型番情報がコード領域内の決められた位置(予約領域)に配置されていれば、読取装置はこの型番情報に基づいて情報コード100のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できるようになる。なお、この方法に限定されるものではなく、読取装置が把握し得る方法であれば他の方法でもよい。
そして、コード領域の内部において、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域以外の位置には、セル102によってデータが記録されない領域であり且つ誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域である空き領域110が、単一のセル102のサイズよりも大きいサイズで設けられている。なお、図1、図5等の例では、データ記録領域、誤り訂正符号記録領域がコード領域の周縁に沿って環状且つ矩形状に配置されており、コード領域の中央部(コード領域の中心を含む所定領域)に空き領域110が構成されている。なお、「セル102によってデータが記録されない領域」とは、即ち、後述するデータコードワードや誤り訂正コードワードなどのコードワードが記録されない領域であり、且つフォーマット情報が記録されない領域であることを意味する。また、「誤り訂正符号による誤り訂正の対象にならない領域」とは、即ち、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いた誤り訂正が行われない領域であることを意味する。従って、空き領域110に何らかの表示がなされていても、空き領域110の周囲に存在する誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号によってその表示に対する誤り訂正がなされることはない。
なお、以下の説明では、図5右図のような上記所定型番に対応する構成と、図5左図のような所定型番よりもサイズが小さい別の型番(Ver.番号)とが対応付けられ、図5右図の情報コード100の各コードワードの位置と、図5左図の他種コード120の各コードワードの位置とが図5下図のような配置変換表によって対応付けられている例を代表例として説明する。この例では、図5左図の他種コード120で格納し得るデータ量であれば、図5右図のような情報コード100により空き領域110を設けた上で表現できるようになっている。逆に、図5右図の情報コード100を読み取る場合には、情報コード100の各コードワードを、図5左図のような他種コード120のコードワードとして読み取ることができるようになっている。
また、図5右図では、空き領域110の周囲に配置される各コードワードの領域を破線枠等によって概念的に示している。なお、図5右図では、一部のコードワードの領域のみを概念的に示し、残りのコードワードの領域の図示を省略しているが、空き領域110の周囲を埋めるように他のコードワードも配置することができる。また、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)は、所定種類のハッチングにて概念的に示している。なお、図5右図では、フォーマット情報を記録する領域や、コードワードを記録する領域では、升目のみを示し、明色セルや暗色セルの具体的配列を省略して示している。また、図5右図の例では、セル配列と対応付けるべく空き領域110(コード領域の中央部分)の内部にも升目を付しているが、空き領域110の構成は自由であり、図1のように構成してもよく、その他の構成であってもよい。
フォーマット情報(形式情報)は、例えば図6のように構成されて情報コード100内の所定位置105(所定種類のハッチング位置)に特定のフォーマット構成で記録されている。このフォーマット情報は、誤り訂正レベルを特定する訂正レベル情報と、マスク番号を特定するマスク番号情報とを含んでいる。訂正レベル情報は、情報コード100で用いる誤り訂正レベルを特定する情報であり、例えば他種コード120に変換して読み取る場合の当該他種コード120で用いる誤り訂正レベルにも相当する。また、マスク番号は、情報コード100のコードワード領域(データコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスクがどのマスク種別であるかを特定する情報である。
図6に示すようにフォーマット情報は、所定種類のマスクパターン(特定マスク)を反映した状態で記録されており、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報のマスク種別を識別することで、図5右図に示すような特定のコード種別(空き領域110を設けた種別)であることを検出できるようになっている。公知規格のQRコードでは、例えばモデル1として構成する場合には、図6のようなフォーマット情報に対してモデル1用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録し、モデル2として構成する場合には、図6のようなフォーマット情報に対してモデル2用のマスクをかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置に記録するようになっている。一方、図5に示す本実施形態の情報コード100(空き領域110を有する特別種類のコード)では、図6のようなフォーマット情報に対してモデル1、2とは異なる種類の特定マスク(図6ではフレームQR用と例示)をかけたときに表現されるデータ(セル配列)を所定位置105に記録するようになっている。そして、公知規格のモデル1及びモデル2、情報コード100の種別のいずれの場合でも、記録する訂正レベル(訂正レベル情報)及びマスク番号(マスク番号情報)に対応するチェックデジットが付された上でフォーマット情報が構成されており、その上で各種別用のマスクがかけられるようになっている。具体的には、各種別用のマスクパターンを用いて公知の方法でマスク処理が行われ、マスク処理後のビットパターンが所定位置105に記録されるようになっている。従って、情報コード100のようにフォーマット情報に対して特定マスク(図6ではフレームQR用と例示)をかけた上で所定位置105に記録する場合、このように所定位置105に記録された情報を上記特定マスクに基づいてマスク処理を解除して解読すればチェックデジットが合うため、情報コード100の種別であることを特定することができる。逆に、情報コード100の所定位置105のデータを、モデル1やモデル2のマスクに基づいてマスクを外しても、チェックデジットが合わなくなるため、公知規格のモデル1やモデル2でないことを特定することができる。
この情報コード100では、特定パターン(位置検出パターン104等)を検出し、公知のQRコードと同様の方法でコード領域、コードの向き、各セル位置を特定した後、公知のQRコードと同様の方法でフォーマット情報が記録された所定位置105を解読することで、解読時に成功したマスクの種別により情報コード100の種別(空き領域110を有する特別種類)であることを特定することができる。そして、解読されたフォーマット情報により、情報コード100で用いる誤り訂正レベルを特定でき、且つ情報コード100のコードワード領域(セルによってデータコードワードや誤り訂正コードワードが記録されている領域)にかけられているマスク種別を特定できるようになっている。
更に、空き領域110の内部には、図1のように、セル配列とは異なる画像を表示できるようになっている。なお、図1、図5の例では、空き領域110(画像領域)の境界を符号121で示しており、この境界121よりも内側が空き領域110となっている。なお、空き領域110(画像領域)の具体的な内容や利用方法は後述する。
情報コード100に記録する内容は、例えば、図3のような構成をなしており、データ配列の先頭部分にヘッダデータ(フレームQR用ヘッダー)が設定され、ヘッダデータの後に入力データ(解読対象データ)が続くようになっている。図3の例では、入力データ(解読対象データ)については、例えば公知の方法で圧縮し、データワード(データコードワード)に変換しているが、このような圧縮を行わなくてもよい。なお、情報コード100で用いるヘッダデータは、以降の説明では、「フレームQR用ヘッダー」とも称する。また、本明細書では、このようなヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ)のデータワード(データコードワード)を記録する領域、及び上述のフォーマット情報を記録する領域が「データ記録領域」に相当する。また、図3の例では、ヘッダデータ(フレームQR用ヘッダー)として、後述する他種コード120(情報コード100を解読するために用いるコード種別であり、配置変換表(図5)によって情報コード100と対応付けられたコード)の種別(型番)を特定し得る情報(図3では、Ver.番号と例示)や、空き領域内の形式を特定し得る識別情報が記録されている。なお、図3の例では、ヘッダデータとして、他種コードの種類(Ver.番号)に加え、空き領域110の形式が図1、図5等に示す画像形式あることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110(画像領域)の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されている。このうち、空き領域110の形式が画像形式であることを特定する情報(第1情報)は、画像領域の存在を示す「識別情報」の一例に相当する。また、空き領域110(画像領域)の位置(画像領域位置)を特定し得る情報(第2情報)は、コード領域内における画像領域の位置を示す「位置データ」の一例に相当する。
図3、図5の例では、画像領域として構成される空き領域110の列位置及び行位置を特定し得る情報が画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。より具体的には、図5に示すような矩形状に構成される情報コード100を複数行且つ複数列に格子状に分割したときの空き領域110の左上の行位置及び列位置の組み合わせと、空き領域110の右下の行位置及び列位置の組み合わせとが画像領域位置情報(位置データ)として記録されている。なお、図5のように情報コード100を格子状に分割したときの各行及び各列の幅は、それぞれ単一のセルの行方向の幅及び列方向の幅に相当している。
そして、図3に示すデータ構成では、入力データ(解読対象データであるデータワード)の後には誤り訂正符号となる誤り訂正コードワード(ECCワード)が続いている。情報コード100では、この誤り訂正符号を記録する領域が誤り訂正符号記録領域となる。なお、データワード(図3の例ではヘッダデータ及び入力データ(解読対象データ))に基づいて誤り訂正符号(誤り訂正コードワード)を生成する方法は、公知の二次元コード(QRコード等)の規格で定められた方法などを用いることができる。例えば、データワード(データコードワード)に基づいて誤り訂正コードワードを生成する方法として、JISX0510:2004に規定された誤り訂正コード語の生成方法(JISX0510:2004、8.5誤り訂正)などを用いることができる。なお、誤り訂正コードワードの生成方法はこれに限られず、公知の様々な方法を用いることができる。
また、情報コード100では、解読対象データを表現する各データワード(データコードワード)や誤り訂正コードワードが予め定められた配置位置情報に基づいてコード領域内に配置されている。本構成では、図5のように、情報コード100のコード領域内において予め各コードワードの配置候補位置が定められており、各配置候補位置にそれぞれ番号(アドレス)が割り当てられている。そして、配置位置情報は、図3に示す記録内容を構成する各コードワードをそれぞれどの配置候補位置に配置すべきかを特定する情報となっている。なお、図5右図の例では、1〜25番の配置候補位置を概略的に例示しており、各配置候補位置では、先頭と最後のビット部分に番号を付して明示している。また、図5右図では、26番以降の配置候補位置は省略している。
具体的には、他種コード120(公知のQRコード)の型番(図3に示すヘッダデータで特定される他種コード120の型番)では、各順番のコードワードを他種コード120内のどの位置に配置すべきかが公知規格等により予め定められており、他種コード120を解読する場合にはこのように定められた配置に基づいて各順番のコードワードを解読する。例えば、図5左図に示す他種コード120の例では、0番目のコードワードを右下に配置し、1番目のコードワードをその上に配置し、2番目のコードワードをその上に配置するといった具合に各コードワードの配置位置が予め決められている。従って、この他種コード120を解読する場合には、このように決められた配置に基づいて0番目のコードワード、1番目のコードワード、2番目のコードワード、3番目のコードワード・・・といった具合に順番に解読することになる。
一方、図5に示す配置位置情報(配置変換表)では、このように他種コード120で予め定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)の番号を、情報コード100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)の番号にそれぞれ対応付けている。具体的には、「他種コード120における1番目のコードワードの配置位置が情報コード100の1番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における2番目のコードワードの配置位置が情報コード100の2番目の配置候補位置に相当」、「他種コード120における3番目のコードワードの配置位置が情報コード100の3番目の配置候補位置に相当」といった情報が、例えばテーブルデータなどとしてそれぞれ記録されており、他種コード120における各番号のコードワードの配置位置を、情報コード100の各配置候補位置にそれぞれ対応付けている。このように構成されているため、情報コード100を解読する場合には、コード領域内の各配置候補位置のコードワード(各アドレスのコードワード)を配置位置情報(配置変換表)で対応付けられた他種コード120の各配置位置にそれぞれ配置し直し、このように配置し直された他種コード120を公知の方法で解読すれば良い。例えば、図5下図に示す配置変換表を用いて情報コード100の解読を行う場合、情報コード100の1番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における1番目のコードワードの配置位置に配置し、情報コード100の2番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120における2番目のコードワードの配置位置に配置し、情報コード100のN番目の配置候補位置のコードワードを他種コード120において当該N番目の配置候補位置に対応付けられているM番目のコードワードの配置位置に配置するといった具合にそれぞれ配置し直した上で、このように配置し直された他種コード(QRコード)を公知の方法で解読すればよい。なお、上述の配置位置情報(配置変換表)については、情報コード100を生成する情報コード生成装置2及び情報コード100を読み取る情報コード読取装置10に共通のデータ(共通の配置変換表)がそれぞれ設けられていることが望ましい。
(情報コードの生成処理)
次に、図8等を参照して情報コード生成処理及び情報コード生成方法について説明する。以下では、図5のように他種コード120がQRコード(登録商標)であり、情報コード100がQRコードと同様の特定パターンを有する場合を例に挙げて説明する。なお、この例では、空き領域110を有する情報コード100を「フレームQR」とも称する。
図8の情報コード生成処理は、情報コード生成装置2によって行われる処理であり、例えば、操作部4での所定操作によって実行される。この処理では、まず、外部からコード化するデータ(解読対象データ)と、属性データと、コード種別データ(情報コード100を生成するか、一般的な二次元コード(例えば一般的なQRコード)を生成するかを特定するデータ)を取得する(S1)。なお、本構成では、制御部3、操作部4が「データ取得部」の一例に相当し、解読対象データ(外部からの入力データ)を取得するように機能する。また、このような例に限らず、例えば、制御部3と通信部7が「データ取得部」として構成され、外部から通信によって入力されるデータを解読対象データとして取得するように機能してもよい。
S1でデータを取得した後には、その取得したデータを圧縮する方法を公知の方法で定め(S2)、入力データを圧縮したデータ(解読対象データ)を複数のデータワード(データコードワード)で表現する(S3)。そして、S3の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)であるか否かを判断する。S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)である場合には、S4にてYesに進み、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)で用いられる特有のヘッダデータ(上述)を生成し、図3のように複数のデータワードを含んだデータ配列の先頭にセットする(S5)。図3のヘッダデータには、上述したように、図5右図に示す他種コード120の種別(型番)を特定し得る情報(バージョン番号情報等)と、空き領域110の形式が画像形式であることを特定する情報(第1情報)と、空き領域110(画像領域)の位置を特定し得る情報(第2情報に相当する「画像領域位置情報」)とが記録されることになる。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)でない場合(一般的な二次元コードを選択するデータ(例えば、モデル1又はモデル2を選択するデータ)である場合)には、S4にてNoに進む。
S4でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。一方、S4からS5に進む場合、S3、S5で生成された最終的なデータワード(ヘッダデータ及び入力データを表現する複数のデータコードワード)の構成に基づいて公知の方法で誤り訂正符号を生成し、この誤り訂正符号を表現する複数の誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を生成する(S6)。
S6の後には、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)であるか否かを判断する(S7)。そして、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)でない場合には、S7にてNoに進み、公知の方法で二次元コード(例えばQRコード)を生成することになる。S7でNoに進む場合、S3で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を格納しうるサイズの二次元コードの型番(この例では、規格化された公知のQRコードの複数の型番において、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納しうるサイズの型番)を決定し、当該型番で予め定められた配置パターンに従い、S3で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを配置する(S9)。
一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)である場合には、S7にてYesに進み、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)と、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)と、空き領域と、を格納しうる情報コード100の型番を決定する(S10)。なお、空き領域のサイズは、予め定められた一定サイズであってもよく、S10の前段階でユーザが入力などによって指定してもよい。また、空き領域のサイズは、行数及び列数で特定してもよく、何ワード分に相当するか、あるいは何セル分に相当するか等の情報によって特定してもよい。図5、図8の例では、例えば情報コード100の種別で予め定められた複数の型番(サイズ)において、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番を決定することになる。なお、情報コード100の種別で複数の型番を使用可能とする場合、各型番毎に、行数及び列数、特定パターンの形状及び配置、フォーマットデータの配置、各コードワードの配置候補位置をそれぞれ定めておけばよい。また、いずれの型番でも、図5右図のように外周側から順番に各コードワードの配置候補位置を定めるようにし(例えば、外周側から内側に渦巻き状に配置候補位置を順番に設定し)、番号が若い配置候補位置ほど外側とするように各コードワードの配置候補位置を定め、用意された配置候補位置の内、コードワードが配置されない部分(即ち、使用されない部分)については、空き領域として用いるようにすれば、中央部により広い空き領域を確保し易くなる。また、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)、S6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)、及び空き領域を格納しうるサイズの型番が複数存在する場合には、その中から一番小さい型番(サイズ)を決定するようにしてもよく、ユーザがその中からいずれかの型番(サイズ)を指定できるようにしてもよい。そして、情報コード100を生成する際には、このように決定された型番において予め定められたサイズ(行数及び列数)、特定パターンの配置、コードワードの各配置候補位置を用いると共に、具体的な各コードワードの配置位置は、上述の配置変換表に従って決定することになる。なお、以下では、S10において図5右図のような型番が決定された例について具体的に説明する。
S10の後には、S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード)を上述の配置位置情報(配置変換表)に基づいて配置することになる。情報コード生成装置2では、上述の配置位置情報(配置変換表)が記憶部5に記憶されており、この配置変換表では、上述したように他種コード120で定められた各配置位置(各順番のコードワードの配置位置)を、情報コード100において予め定められた候補位置(各コードワードの配置候補位置)にそれぞれ対応付けている。S11の処理では、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード(データコードワード)及びS6で生成された誤り訂正ワード(誤り訂正コードワード))を、図4、図5左図で示す他種コード120(情報コード100よりもサイズが小さく、且つS3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを格納し得るサイズの二次元コード)で表現するときの各コードワード(各順番のコードワード)の配置位置を特定した上で、それら各順番のコードワードを、配置位置情報(配置変換表)によって各順番のコードワードの配置位置に対応付けられている情報コード100内の各配置候補位置に配置する。例えば、図5の配置位置情報(配置変換表)では、他種コード120での1番目のコードワードの配置位置と、情報コード100の1番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワード(S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワード)の内の1番目のコードワードについては情報コード100内の1番の配置候補位置に配置する。また、他種コード120での2番目のコードワードの配置位置と、情報コード100の2番の配置候補位置とが対応付けられているため、記録すべきコードワードの内の2番目のコードワードについては情報コード100内の2番の配置候補位置に配置する。このように、記録すべきコードワードにおいてN番目のコードワードを配置する他種コード120での配置位置(N番目のコードワードの配置位置)と、情報コード100のM番の配置候補位置とが対応付けられていれば、記録すべきコードワードの内のN番目のコードワードについては情報コード100内のM番の配置候補位置に配置することになる。
つまり、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードだけなら、情報コード100よりも小サイズの他種コード120(公知のQRコードとして構成されたもの)で表現できるが、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を格納する場合には、これよりも大きいサイズの情報コード100によって表現する必要がある。そこで、本実施形態では、S3、S5で生成されたデータワード、S6で生成された誤り訂正ワード、及び空き領域110を、他種コード120よりも大きいサイズの情報コード100によって表し、S3、S5で生成されたデータワード及びS6で生成された誤り訂正ワードを他種コード120(公知のQRコード)で表現した場合のコードワードの各配置と、これよりも大きいサイズの情報コード100に格納する場合のコードワードの各配置との対応関係を、予め定められた配置変換表によって特定できるようにしている。
なお、本構成では、図5のような「配置変換表」が「解読対象データを表現する複数のデータワードをコード領域に配置する際の各配置位置を特定する配置位置情報」の一例に相当しており、この配置変換表(配置位置情報)は、解読対象データを複数のデータワードで表現したときの各順番のデータワードと、各順番のデータワードのコード領域内での各配置位置とを対応付けて定める情報として構成されている。また、記憶部5が「配置位置情報記録部」の一例に相当し、このような配置変換表のデータ(配置位置情報)を記録するように機能する。なお、このような配置変換表のデータは、情報コード100の読み取りが想定されている読取装置10にも設けておくことになる。
S9又はS11の後には、S9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに対してかけるべきマスクパターンを公知の所定方法(例えばQRコードで用いられる公知方法)で決定し、その決定されたマスクパターンをS9又はS11で配置場所が決定されたコードワードに反映するように公知のマスク処理方法でマスクをかける(S12)。そして、S12で設定したマスクパターンの情報(マスク番号)及び誤り訂正レベルの情報に基づいてチェックデジットを算出し、図6のように誤り訂正レベル、マスク番号、チェックデジットを含んだフォーマット情報を生成する(S13)。なお、フォーマット情報として記録するマスク番号や誤り訂正レベルなどのデータは、S1で入力できるようにしてもよい。
そして、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)である場合には、S14にてYesに進み、S13で生成されたフォーマット情報に、上述の特定マスク(フレームQRマスク)を反映するようにマスク処理を行う(図6参照)。一方、S1で取得されたコード種別データが、空き領域110を有する情報コード100の種別(フレームQR)でない場合には、S14にてNoに進み、S16で設定するマスクパターンとは異なるマスクパターンのマスク(モデル1のマスク又はモデル2のマスク)をセットする。S15又はS16によりフォーマット情報に対してマスクをかけた後には、そのマスク処理後のフォーマット情報をコード領域内の所定位置105に配置する(S17)。
このようにして、特定パターン領域、データ記録領域、誤り訂正領域が構成された後には、空き領域110(画像領域)の構成要素を配置する(S18)。図3、図5等に示す例では、例えば空き領域110(画像領域)の外縁部が四角形として予め定められており、S18では、このように決められた外縁部の左上位置及び右下位置がヘッダデータで指定される各位置となるように空き領域110(画像領域)を設定し、このように指定された位置に挿入すべき画像(例えば後述する主体の固有画像)を配置する。
そして、このように情報コード100又は他の二次元コードが生成された後には、そのコードを印刷部8によって印刷する(S19)。なお、S19では、印刷に代えて、表示部6にて情報コード100等の表示を行ってもよく、S18までの処理によって生成された情報コード100のデータを外部装置(例えば、携帯端末やコンピュータ等の情報機器)に送信してもよい。また、図9に示されるように生成された情報コード100を有したアプリケーションを携帯端末にダウンロードしてアイコンとして利用しても良い。
(運用例の概要)
次に、このように生成される情報コード100を利用した運用例について説明する。
本システム1は、情報コード100を生成し、この情報コード100を管理対象として管理する管理システムとして機能しており、図1で説明した生成装置2や読取装置10に加え、チェックサーバ60、管理サーバ70なども設けられている。また、システム1には、外部装置としてのコンピュータ80や携帯端末90などがアクセスできるようになっており、コンピュータ80や携帯端末90で入力された情報を、チェックサーバ60や管理サーバ70で取得できるようになっている。そして、このようなシステム構成で、上述した情報コード100(即ち、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、セルの画像とは異なる画像を示す領域として構成され且つ単一のセルのサイズよりも大きく構成された空き領域110(画像領域)とが設けられてなる情報コード)の利用を管理している。
ここで、チェックサーバ60、管理サーバ70、コンピュータ80、携帯端末90などのハードウェア構成を説明する。
チェックサーバ60は、例えば、情報コードを登録する際に様々なチェックを行うサーバであり、例えば、生成された情報コード100の画像領域の画像と、その元となる固有画像との照合を行う機能を有する。また、登録されようとする新規固有画像が、既に登録された既登録固有画像と類似しているか否かをチェックする機能を有していてもよい。このチェックサーバ60は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部61と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部62と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部63と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部64と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部65とを備えている。なお、チェックサーバ60は、単一の情報処理装置として構成されていてもよく、複数の情報処理装置によって構成されていてもよい。
管理サーバ70は、登録情報の管理などを行うサーバであり、利用者から提示された個別情報(主体又は客体の個別情報)と固有画像(主体又は客体の固有画像)とを対応付けて登録する機能を有する。この管理サーバ70は、上述した情報コード生成装置2によって構成されており、上述の制御部3、操作部4、記憶部5、表示部6、通信部7、印刷部8(図10では図示略)などを備えている。この管理サーバ70も、単一の情報処理装置として構成されていてもよく、複数の情報処理装置によって構成されていてもよい。また、チェックサーバ60と管理サーバ70が1つの情報処理装置で兼用されていてもよい。
コンピュータ80や携帯端末90は、例えば登録を希望する個人や法人が利用し得る装置である。コンピュータ80は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部81と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部82と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部83と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部84と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部85とを備えている。また、携帯端末90は、携帯電話機やスマートフォン、或いはその他の携帯型情報処理装置によって構成されており、CPUなどからなる制御部91と、操作ボタン、タッチパネル、その他の入力装置からなる操作部92と、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部93と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部94と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部95とを備えている。
(登録処理)
次に、この運用例における情報コードの登録処理について説明する。
なお、登録処理は、管理サーバ70において所定操作が行われたときに実行されるものであり、例えば、個人登録処理用の所定操作が行われたときには個人登録用の登録プログラムが実行され、法人登録用の所定操作が行われたときには法人登録用の登録プログラムが実行されるようになっている。なお、個人登録用の登録プログラムも法人登録用の登録プログラムも、基本的な流れは図11のような流れとなっており、一部処理の具体的内容のみが異なっている。よって、いずれの登録処理も図11を参照して説明することとする。
まず、個人に割り当てる情報コードの登録処理について説明する。管理サーバ70において個人登録用の所定操作が行われたときに個人登録用の登録プログラムが実行され、この登録処理では、まず、登録情報の入力処理を行う(S70)。登録情報の入力に際し、登録対象者は、例えば、図12のような事項が記載された個人情報登録シートに個人情報を記入し、管理サーバ70を管理・運用する主体(民間企業や官公庁など)に提出する。このような個人情報登録シートの提出時には、運転免許証や住民基本台帳カード(海外の場合、個人IDカードやソーシャルナンバーカード)など、本人の確認ができる個人識別媒体の現物やコピーなども提出する。また、登録対象者は、このような個人情報登録シートの提出と共に、自身の顔写真を紙媒体や電子データなどを提供する。なお、顔写真の提出は、運転免許証や住民基本台帳カードなどの個人識別媒体の現物やコピーの提出によって行ってもよく、個人識別媒体の提出とは別で行ってもよい。また、このようなシートや顔写真の提出は、サーバ70を管理する主体の窓口で行ってもよく、郵送で行ってもよく、メール送信や特定アドレスへのデータ送信などオンラインで行ってもよい。なお、窓口で行う場合、その窓口に設けられたカメラなどによって登録対象者の顔写真を撮影し、顔写真の電子データを取得するようにしてもよい。この場合、そのカメラから管理サーバ70へ顔写真の電子データを送信すればよい。
このように登録対象者から管理主体側に個人情報登録シート及び顔写真が提供された場合、例えば管理主体側の従業員などの作業者が、操作部4を操作して提出された個人情報登録シートに記録された情報を登録対象者の個人情報として入力し、管理サーバ70の記憶部5に記憶する。また、提供された顔写真又は顔写真のデータ、若しくは窓口で撮影された顔写真を、電子データとして入力する。例えば、窓口で登録対象者の顔写真が撮影される場合には、その顔写真の電子データを上述の個人情報と対応付けて記憶する。また、郵送などで登録対象者の顔写真が提供される場合には、その顔写真を公知のスキャナなどで画像化し、顔写真の電子データとして個人情報と対応付けて記憶する。このようにして、図13(A)のように、登録対象者の個人情報と、その登録対象者の登録画像(顔写真の電子データ)とが得られ、管理サーバ70の記憶部5に一時的に記憶されることになる。
なお、上述の例では、登録対象者が図12のような個人情報登録シートに記入して提出することで管理主体側に個人情報を提供する例を示したが、例えば、コンピュータ80や携帯端末90などによって、オンラインで個人情報を入力するようにしてもよい。この場合、登録希望者がコンピュータ80や携帯端末90を操作して、図12のような各情報を入力し、これらの情報を管理サーバ70に送信すればよい。また、このような個人情報の送信と共に、登録希望者の顔写真の電子データを所定の画像ファイル形式で電子データとして送信すればよい。
なお、本構成では、管理サーバ70の制御部3及び操作部4、或いは制御部3及び通信部7が個別情報取得部の一例に相当し、データ記録領域に記録する情報として、又はデータ記録領域に記録する情報に対応付ける情報として、主体となる個人の個別情報(当該個人固有の個人情報)を取得するように機能する。また、管理サーバ70の制御部3及び操作部4、或いは制御部3及び通信部7は、固有画像取得部の一例に相当し、情報コード100の画像領域に表す情報として、主体となる個人の固有画像(具体的には、当該個人の顔写真の画像)を取得するように機能する。また、管理サーバ70の制御部3及び操作部4、或いは制御部3及び通信部7が登録情報入力部の一例に相当し、予め定められた入力項目(図12等に示す各入力項目、或いは図16等に示す各入力項目など)の入力情報及び画像を受け付けるように機能する。
また、管理サーバ70は、このように登録対象者の個人情報のデータ(個別情報)及び顔写真のデータ(固有画像となる顔画像)が入力された場合、これらのデータに対応するコード番号を割り当てる。例えば、図13(B)で概念的に示すように、その登録対象者の個人情報(個別情報)及び登録画像(固有画像となる顔画像)と、コード番号とを互いに紐付けて一時的に記憶し、それら個人情報及び登録画像に固有のコード番号が割り当てられていることが把握できるようにする。なお、このコード番号は、個別情報に対応付けられて登録部に登録される対応情報に相当し、例えば情報コード毎に個別に割り当てられる固有番号となっており、例えば、情報コードが登録される順に番号を付すように割り当てればよい。
このように登録情報が入力された後には、入力された個人情報(個別情報)の少なくとも一部、又はこの個人情報に割り当てられたコード番号、若しくは個人情報とコード番号の両方をデータ記録領域に記録するように情報コード100を生成する(S71)。ここでは、例えば上述した生成処理(図8)により、空き領域110を有する情報コード100を生成する。但し、ここで生成される情報コード100は、図14のように空き領域110を空白にしたものである。また、本構成では、例えば、空き領域110の構成が異なる複数種類の型番が用意されており、S71では、S70で入力された情報を元に、各型番の情報コード100をそれぞれ生成する。例えば、図14(A)は、空き領域110が所定位置に四角形状に構成される型番の情報コード100を生成した例であり、図14(B)は、空き領域110が所定位置に横長の楕円形状に構成される型番の情報コード100を生成した例である。なお、本構成では、型番ごとにコードワードの配列が予め定められているため、コード領域内の予め定められた位置から型番を読み取ることで型番が特定できればコードワードの配列が特定できるようになっている。また、空き領域の位置情報はデータ記録領域に記録されるようになっているため、データ記録領域を読み取ることで空き領域の位置を特定できるようになっている。
そして、S71で生成された複数の型番の情報コードのうち、いずれを用いるかを指定する。この指定方法は様々であり、例えば、S71で生成された複数の型番の情報コードを表示部6に表示し、いずれを用いるかの選択を求めるようにしてもよい。この場合、操作部4によりいずれを用いるか指定する情報を入力することにより、使用する情報コードを選択することができる。具体的には、登録対象者が図12のような入力シートにおいて空き領域の希望形状を指定できるようにしておき、作業者が操作部4を操作してその希望形状の型番を選択するといった方法などが挙げられる。また、作業者がS71で生成された複数の型番の情報コードを見て、組み込む写真に適した空き領域の型番、例えば図14(A)や図14(B)等を指定するようにしてもよい。いずれの方法を用いる場合でも、S72では、指定された型番の情報コードが選択されることになる。
情報コード100のデータ記録領域に解読対象データ(個人情報やコード番号など)を記録する場合、全て暗号化した上で記録してもよく、解読対象データの一部を暗号化し、残りを暗号化せずに記録してもよい。或いは、全て暗号化せずに記録してもよい。一部のみを暗号化する方法としては、例えば、図12のように提供されたデータのうち、氏名や住所などの情報を暗号化せずに公開する情報とし、クレジットカード番号や勤務先に関するデータ(勤務先の、名称、郵便番号、住所、電話、電子メールアドレス、社員番号など)を暗号化して非公開とするといった方法が挙げられる。このように少なくとも一部を暗号化してデータ記録領域に記録する場合、管理サーバ70で暗号化する際に用いた暗号化キーを、正規の読取装置10に記録しておき、その読取装置10では、その暗号化キー(解読キー)を鍵として所定の解読アルゴリズム(管理サーバ70で暗号化する際に用いた暗号化アルゴリズムで暗号化された暗号を解読するための解読アルゴリズム)によってデータ記録領域の暗号を解読すればよい。
S72で種類が指定された後には、その指定された種類の情報コード100において、空白とされていた空き領域110の内部に、S70で取得された固有画像を表示するように情報コード100を再生成する(S73)。例えば、図14(A)(B)のような2種類の情報コードの中から図14(A)の情報コードが選択された場合、この図14(A)の情報コード100の空き領域110内に、S70で取得した固有画像(登録対象者の顔画像)を表す形で情報コード100を生成する。図15(A)は、このように再生成された情報コード100の一例を示すものである。
なお、本構成では、管理サーバ70が情報コード生成部として機能し、個別情報取得部によって取得された個別情報、又は当該個別情報に対応付けられて登録部に登録されるコード番号(対応情報)の少なくともいずれかをデータ記録領域に記録し、固有画像取得部によって取得された固有画像を空き領域110(画像領域)に表す構成で情報コード100を生成する機能を有する。具体的には、登録情報入力部によって受け付けられた入力項目の少なくとも一部の入力を所定の利用方法(例えば入力項目の一部データをそのまま記録する利用方法、或いは、入力項目のデータに割り当てられた対応情報(コード番号)を記録する利用方法)で利用してデータ記録領域を作成し、且つ登録情報入力部によって受け付けられた画像の全部又は一部を画像領域に入れて情報コードを生成するように機能する。より具体的には、個別情報取得部によって取得された個別情報の少なくとも一部を暗号化した暗号データをデータ記録領域に記録する構成で情報コード100を生成する構成となっている。
そして、S74で生成された情報コードの登録可否を判断する。ここでは、チェックサーバ60により、S70で得られた運転免許証や住民基本台帳の固有画像とS73で生成された情報コード100の空き領域110に入れられている管理サーバ70が取得した登録対象者の顔画像とを比較し、顔画像が一致しているか否かを公知の顔認証方法で判断する。2つの顔画像の一致を判断する方法は、公知の顔認証方法のいずれを用いてもよく、例えば、以下のような方法が挙げられる。
具体的には、2つの画像(S70で管理サーバ70が取得した運転免許証や住民基本台帳の固有画像(元画像)と、S73で生成された情報コード100の空き領域110の顔画像)のそれぞれから、予め決められた方法で特徴点を抽出し、両画像の特徴点が一致するか否かを判断する。図15の例では、例えば、左右の目の輪郭の目頭、目尻の座標、左右の瞳の中心点、鼻の輪郭の左端、右端の座標、口の輪郭の左端、右端の座標を特徴点として抽出している。なお、顔の撮像画像からこれらの特徴点の座標を自動抽出する方法は、顔認証の分野で公知となっている様々な方法を用いればよい。一例としては、特許第4640416号、特許第4730812号、特許第4351982号などの方法が挙げられる。また、作業者が、顔の撮像画像を見ながら、上記特徴点の位置を指定してもよい。そして、このような特徴点の抽出を、S70で得られた固有画像と、S73で生成された情報コード100内の顔画像とで行い、特徴点のデータ同士が一致しているか否かを判断する。なお、2つの顔画像のそれぞれで得られた特徴点同士を比較して一致を判断する方法は、顔認証や指紋認証の分野で公知となっているいずれの方法を用いてもよい。一例としては、特許第4640416号、特許第4730812号、特許第4351982号などの方法が挙げられる。
そして、S74の判断処理において、S70で得られた固有画像(管理サーバ70が取得した運転免許証や住民基本台帳の登録対象者の顔画像)とS73で生成された情報コード100内の顔画像とが一致していないと判断した場合には、S75にてNoに進み、図11に示す登録処理を終了する。この場合、登録がなされないことになる。一方、一致していると判断した場合には、S75にてYesに進み、S73で生成された情報コード100を、S70で取得された個人情報(個別情報)及びこの個人情報に割り当てられたコード番号と対応付けて記憶部5に記憶するように情報コード100を登録する(S76)。このような登録処理により、個別情報(本人登録情報)と情報コード100とがコード番号で紐付けられた形で登録されることになる。そして、このような登録を各個人の個人情報毎に行うことで、図13(C)のように、個人毎に固有の情報コード100が登録されることになる。
なお、上述した例では、割り当てる対応情報としてコード番号を例示したが、この例に限られない。例えば、社会保障番号や会社の社員番号などでも良いし、国コードと社会保障番号とを組み合わせたような番号でも良い。また、1人の個人に対して登録できる情報コード100は1つに限られず、複数の情報コード100を登録することもでき、例えば、画像内容を変更したものなども登録することができる。
本構成では、管理サーバ70の制御部3及び記憶部5が登録部の一例に相当し、個別情報取得部が取得した個別情報と、固有画像取得部が取得した固有画像とを対応付けて登録する機能を有する。また、この登録部は、情報コードを登録する機能をも有する。具体的には、個別情報取得部が取得した個別情報と、管理サーバ70(情報コード生成部)によって生成されると共に当該個別情報又は当該個別情報に対応付けられた対応情報がデータ記録領域に記録されてなる情報コード100とを対応付けて登録するように機能する。
(法人登録)
次に、法人に割り当てる情報コード100の登録処理について説明する。管理サーバ70において法人登録用の所定操作が行われたときに法人登録用の登録プログラムが実行される。この登録処理も、流れは図11と同じであるため、図11を参照して説明する。
まず、登録情報の入力処理を行う(S70)。登録情報の入力に際し、登録対象となる法人の関係者(従業員など)は、例えば、図16のような事項が記載された法人情報登録シートに法人情報を記入し、管理サーバ70を管理・運用する主体(民間企業や官公庁など)に提出する。また、このような法人情報登録シートの提出と共に、登録を希望する固有画像の絵や写真を紙媒体や電子データなどを提供する。この場合も、このようなシートや画像の提出は、サーバ70を管理する主体の窓口で行ってもよく、郵送で行ってもよく、メール送信や特定アドレスへのデータ送信などオンラインで行ってもよい。
法人登録の場合に提出する画像は、図14(A)の空き領域110に表されるような当該法人又は当該法人が扱う商品やサービスを示す標章(例えば、当該法人が商標登録を受けている商標など)、図21(A)の空き領域110に表されるような当該法人が所有する不動産の画像、図21(B)の空き領域110に表されるような当該法人が扱う商品そのものの画像などが挙げられる。
このように登録対象となる法人の関係者から管理主体側に法人情報登録シート及び固有画像が提供された場合、例えば管理主体側の従業員などの作業者が、操作部4を操作して提出された法人情報登録シートに記録された情報を登録対象法人の法人情報として入力し、管理サーバ70の記憶部5に記憶する。また、提供された画像のデータを電子データとして入力する。例えば、郵送などで登録対象法人の標章、建物、商品などの写真が提供される場合には、その顔写真を公知のスキャナなどで画像化し、電子データとして法人情報と対応付けて記憶する。このようにして、図13(A)と同様、登録対象法人の法人情報と、その登録対象法人の登録画像(標章、建物、商品などの画像の電子データ)とが得られ、管理サーバ70の記憶部5に一時的に記憶されることになる。
なお、上述の例では、登録対象法人が図16のような法人情報登録シートに記入して提出することで管理主体側に法人情報を提供する例を示したが、例えば、コンピュータ80や携帯端末90などによって、オンラインで法人情報を入力するようにしてもよい。この場合、登録対象となる法人の関係者がコンピュータ80や携帯端末90を操作して、図16のような各情報を入力し、これらの情報を管理サーバ70に送信すればよい。また、このような法人情報の送信と共に、登録対象法人の標章(商標など)、建物、商品などの画像の電子データを、所定の画像ファイル形式で電子データとして送信すればよい。
なお、この場合も、管理サーバ70の制御部3及び操作部4、或いは制御部3及び通信部7が個別情報取得部の一例に相当し、データ記録領域に記録する情報として、又はデータ記録領域に記録する情報に対応付ける情報として、主体となる法人の個別情報(当該法人固有の法人情報)を取得するように機能する。また、管理サーバ70の制御部3及び操作部4、或いは制御部3及び通信部7は、固有画像取得部の一例に相当し、情報コード100の画像領域に表す情報として、主体又は客体を特定する固有画像(具体的には、登録対象法人(主体)又は当該法人が扱う商品(客体)を特定する標章(商標など)、登録対象法人の建物、登録対象法人が扱う商品そのもののなどの画像)を取得するように機能する。
また、管理サーバ70は、このように登録対象法人の法人情報のデータ(個別情報)及び固有画像のデータが入力された場合、これらのデータに対応するコード番号を割り当てる。具体的には、図13(B)と同様、その登録対象法人の法人情報(個別情報)及び登録画像(登録対象法人の標章(商標など)、建物、商品などの画像)と、コード番号とを互いに紐付けて一時的に記憶し、それら法人情報及び登録画像に固有のコード番号が割り当てられていることが把握できるようにする。
このように登録情報が入力された後には、入力された法人情報(個別情報)の少なくとも一部、又はこの法人情報に割り当てられたコード番号、若しくは法人情報とコード番号の両方をデータ記録領域に記録するように情報コード100を生成する(S71)。ここでも、例えば上述した生成処理(図8)により、空き領域110を有する情報コード100を生成する。法人の場合も、S70で入力された情報を元に、各型番の情報コード100をそれぞれ生成する。そして、S71で生成された複数の型番の情報コードのうち、いずれを用いるかを指定する(S72)。この指定方法は、個人登録の場合と同様であり、指定された型番の情報コードが選択されることになる。
なお、法人登録の場合も、情報コード100のデータ記録領域に解読対象データ(法人情報やコード番号など)を記録する場合、全て暗号化した上で記録してもよく、解読対象データの一部を暗号化し、残りを暗号化せずに記録してもよい。或いは、全て暗号化せずに記録してもよい。一部のみを暗号化する方法としては、例えば、図16のように提供されたデータのうち、会社名や住所などの情報を暗号化せずに公開する情報とし、クレジットカード番号や利益に関するデータ(売上げ、営業利益、経常利益など)を暗号化して非公開とするといった方法が挙げられる。
S72で種類が指定された後には、その指定された種類の情報コード100において、空白とされていた空き領域110の内部に、S70で取得された固有画像を表示するように情報コード100を再生成する(S73)。例えば、図14(A)(B)のような2種類の情報コードの中から図14(B)の情報コードが選択された場合、この図14(B)の情報コード100の空き領域110内に、S70で取得した固有画像(登録対象者の顔画像)を表す形で情報コード100を生成する。図17(A)は、このように再生成された情報コード100の一例を示すものである。
そして、S74では、生成された情報コードの登録可否を判断する。ここでは、チェックサーバ60により、管理サーバ70において既に登録されている情報コードの固有画像(既登録固有画像)と、S73で生成された情報コード100の空き領域110の固有画像(新規登録固有画像)とを比較し、両画像が一致しているか否かを公知の画像認証方法で判断する。2つの画像の一致を判断する方法は、公知の画像認証方法のいずれを用いてもよく、例えば、以下のような方法が挙げられる。
具体的には、管理サーバ70において既に登録されている情報コードの空き領域の固有画像(既登録固有画像)毎に、S73で生成された情報コード100の空き領域110の固有画像(新規登録固有画像)と比較し、2つの画像が一致するか否かを判断する。例えば、照合を行う2つの画像(既登録固有画像、新規登録固有画像)のそれぞれに対して公知のエッジ抽出処理を行うことで外縁を線形化した後、指紋認証で用いられる方法(マニューシャ法)と同様の方法により、端点及び分岐点をそれぞれ特徴点として抽出する。なお、図17(B)は、図17(A)の情報コード内に表される固有画像Tr(法人の商標)から端点や分岐点などの特徴点Paを抽出した例である。そして、このように両画像において特徴点を抽出した後、両画像の特徴点が一致するか否かを判断する。2つの画像のそれぞれで得られた特徴点同士を比較して一致を判断する方法は、指紋認証の分野で公知となっている様々な方法を用いることができ、上述した、特許第4640416号、特許第4730812号、特許第4351982号などの方法を用いてもよい。
そして、S74の判断処理において、S73で生成された情報コード100内の固有画像が既登録の情報コードのいずれの画像にも類似していないと判断される場合には、S75にてYesに進み、S73で生成された情報コード100を、S70で取得された法人情報(個別情報)及びこの法人情報に割り当てられたコード番号と対応付けて記憶部5に記憶するように情報コード100を登録する(S76)。このような登録処理により、法人情報(本人登録情報)と情報コード100とがコード番号で紐付けられた形で登録されることになる。そして、このような登録を各法人の法人情報毎に行うことで、図13(C)と同様の登録が可能となる。一方、S74の判断処理において、S73で生成された情報コード100内の固有画像が既登録の情報コードのいずれかに類似していると判断される場合には、S75にてNoに進み、図11に示す登録処理を終了する。この場合、登録がなされないことになる。
本構成では、チェックサーバ60が判断部の一例に相当し、S70で固有画像取得部が新たに取得した固有画像である新規固有画像と、固有画像取得部が当該新規固有画像を取得する前から登録部に登録されている固有画像である既登録固有画像とが所定の類似条件(上述の例では、特徴点同士が一致するという類似条件)を満たすか否かを判断する機能を有する。そして、登録部に相当する制御部3は、判断部によって既登録固有画像と所定の類似条件を満たすと判断された新規固有画像を登録対象から除外するように機能する。
なお、法人登録の場合、新規固有画像が既登録固有画像と類似するか否かの判断は、公知のパターンマッチングによって行うようにしてもよい。即ち、管理サーバ70において既に登録されている情報コードの空き領域の固有画像(既登録固有画像)毎に、S73で生成された情報コード100の空き領域110の固有画像(新規登録固有画像)と公知のパターンマッチング法によって比較し、2つの画像が一致するか否かを判断してもよい。
以上のように登録される個人用の情報コード100(15(A)等)や、法人用の情報コード100(図17(A)、図21(A)、図21(B)等)は、図18や図19のように決済媒体Caに付して用いることができる。なお、図18、図19では、決済媒体としてクレジットカードを例示しているが、デビットカードや電子マネーカードなど、公知の他の決済媒体に付して用いてもよい。このように決済媒体Caに付して用いることで、決済媒体Caが不正に使用されているか否かを評価するための一つの手段として情報コード100を用いることができ、必要に応じて情報コード100を読み取り、読み取り結果と管理サーバ70の登録内容と照合することで情報コード100の信頼性が評価可能となるため、決済媒体の不正使用を抑制しやすくなる。さらに、読み取り結果を顧客管理に用いれば、手入力をせずに顧客情報を顧客管理データベースに追加収集することができる。
(情報コードの認証処理)
次に、図18、図19のように利用される情報コード100を、図2等に示す情報コード読取装置10によって読み取り、認証を行う例について説明する。図20の読取処理は、例えばユーザによって所定操作(例えば、操作スイッチ42の操作等)がなされたときに実行されるものであり、まず、図20のS40に示すように、受光センサ23の撮像エリアにある二次元コードを撮像して当該二次元コードの撮像画像を取得すると共に、その二次元コードの形を検出する。具体的には、位置検出パターン104の認識や二次元コードの外形を公知の方法で試みる。例えば、QRコード(登録商標)で行われる、1:1:3:1:1の波形を検出する公知の方法等により位置検出パターン104を検出し、撮像された二次元コードの外形をQRコード(登録商標)で行われる公知の方法で検出する。このとき、S40で情報コード100が撮像された場合には、情報コード100の外形が検出されることになる。なお、S40での処理方法は、特定パターンの形状や二次元コードの外形を検出し得る方法であれば他の方法であってもよい。
本構成では、受光センサ23が「撮像部」の一例に相当し、情報コード生成装置2によって生成された情報コード100を撮像するように機能する。
S40の後には、情報コード100の所定位置105の情報(フォーマット情報)を解読し、撮像された情報コードの種別及びマスク訂正レベルを取得する。具体的には、例えば、上述したように所定位置105に記録された情報を上述の特定マスク(フレームQR用マスク)に基づいてマスク処理を解除して解読を試みる。上述の特定マスクのマスクを解除し得る方法でマスク処理を解除した時にチェックデジットが合う場合(即ち、所定位置105を解読したときの訂正レベルのデータとマスク番号のデータとに基づいて算出されたチェックデジットが、所定位置105に記録されたチェックデジットと合うような場合)には、情報コード100の種別(空き領域110を有する種別)であることを特定することができ、フォーマット情報に含まれる誤り訂正レベル及びマスク番号も取得できることとなる。このように特定のマスクに基づいてマスク処理を解除できたとき(即ち、情報コード100の種別(フレームQR)であることが認識できたとき)には、S41にてYesに進む。一方、図6に示すモデル1用のマスクやモデル2用のマスクなど、特定のマスク(フレームQR用マスク)以外の他のマスクによってマスク処理を解除できたときには、S41にてNoに進む。他のマスクによってマスク処理が解除できるときは、S40で撮像された二次元コードが公知のQRコード(登録商標)のケースであるため、S41でNoに進む場合は、公知の方法で当該QRコードを解読して解読結果を出力することになる。なお、図9では、S41でNoとなる場合の処理は省略して示している。
S41でYesに進む場合、まず、データ記録領域に記録されたデータを解読する(S42)。具体的には、S40で取得されたフォーマット情報に含まれるマスク番号に基づいてコード全体(具体的には、コードワードの領域)のマスクを解除する。そして、データワードの先頭に設けられたヘッダデータ(フレームQRヘッダー)に基づいて、元のコードサイズ(他種コード120の型番、形式)を特定し、図5と同様の配置変換表に従って、図5右図に示すような情報コード100から図5左図に示すような元のコード(他種コード120)の配置に戻す。具体的には、情報コード100の各配置候補位置のコードワード(データコードワード及び誤り訂正コードワード)を、配置変換表において各配置候補位置に対応付けられている他種コード120内での配置位置に配置し直す。このように配置変換することにより、情報コード100に配置されていたデータコードワードや誤り訂正コードワードを記録してなる他種コード120が得られることになる。そして、他種コード120は、公知のQRコードであるため、公知のQRコードと同様の方法でデータを解読する(即ち、誤り訂正コードワードに基づいて公知の方法で誤り訂正計算を実施すると共に、データコードワードを解読する)。
S42にてデータ記録領域のデータを解読した後には、ヘッダデータ(フレームQRヘッダー)に含まれる形式情報を読み取る。そして、この形式情報が「画像形式」を示す形式情報である場合には、S44でYesに進む。その他の形式の場合には、S44にてNoに進む。なお、図9では、S44でNoに進む場合の処理を省略して示している。
S44でYesに進む場合(即ち、ヘッダデータ(フレームQRヘッダー)に含まれる形式情報が「画像形式」を示す形式情報である場合)、ヘッダデータに含まれる画像領域位置情報(位置データ)を読み取る(S45)。そして、情報コード100内における空き領域110(画像領域)の位置を特定する。そして、このように特定された空き領域110(画像領域)の画像をコード全体の画像から切り出す(S46)。そして、S42で解読されたデータ(データ記録領域のデータ)と、S46で切り出された画像(空き領域110(画像領域)の画像)とを管理サーバ70に送信するように情報を出力する(S47)。
そして、このような出力データを受ける管理サーバ70側では、送信されてきたデータ記録領域のデータ(コード番号、個人情報、法人情報など)が図13(C)のような登録情報の中に登録されているか否かを判断する。そして、送信されてきたデータ記録領域のデータが登録内容に存在しない場合には認証失敗と判定し、その旨の情報を読取装置10に返す。この場合、読取装置10では、S48にてNoに進み、所定のエラー報知処理(エラーメッセージの表示やブザー音の発生など)を行うことになる。一方、送信されてきたデータ記録領域のデータが登録内容に存在する場合には、登録部においてその存在するデータに紐付けられている情報コードの画像と、データ記録領域のデータと共に送信されてきた画像(空き領域110(画像領域)の画像)とが一致するか否かを上述した画像認証方法のいずれか(パターンマッチングや特徴点同士の比較など)によって判断する。そして、データ(データ記録領域のデータ)と画像(空き領域110(画像領域)の画像)がいずれも正しい場合(即ち、互いに対応付けられていずれも登録されている場合)には、認証成功と判定し、その旨の情報を読取装置10に返す。この場合、読取装置10では、S48にてYesに進み、認証成功の報知処理(認証成功メッセージの表示や所定音声の発生など)を行うことになる。
なお、上述した例では、空き領域110の画像を切り取って管理サーバ70に送信する例を示したが、空き領域110の画像を解析し、解析データを管理サーバ70に送信するようにしてもよい。例えば、S46において空き領域110の画像から特徴点を抽出し、その特徴点のデータ管理サーバ70に送信するようにしてもよい。この場合、管理サーバ70では、送信されてきた特徴点のデータと、そのデータと共に送信されてきたデータ(コード番号、個人情報、法人情報など)に対応付けて登録部に登録された画像から得られる特徴点のデータとを比較して一致を判断すればよい。
本構成では、読取装置10の制御回路40がデータ記録領域読取部の一例に相当し、撮像部によって情報コード100が撮像された場合に、データ記録領域に記録されたデータを読み取るように機能する。また、制御回路40は、画像処理部の一例に相当し、撮像部によって撮像された情報コード100のコード画像において画像領域の画像の抽出処理又は画像領域の画像に対する所定の解析処理を行うように機能する。また、管理サーバ70は認証部の一例に相当し、データ記録領域読取部が読み取ったデータ記録領域のデータと、画像処理部が処理した画像領域の画像データ又は画像領域の画像の解析データと、登録部に登録された登録内容と、に基づき、情報コード読取装置が読み取った情報コードが所定の正規コードであるか否かを判断するように機能する。
以上のような構成により、例えば以下のような効果が得られる。
本構成では、個別情報取得部が設けられており、情報コード100のデータ記録領域に記録する情報として、又はデータ記録領域に記録する情報に対応付ける情報として、主体又は客体の個別情報を取得することができるようになっている。また、固有画像取得部が設けられており、情報コード100の画像領域に表す情報として、主体又は客体の固有画像、若しくは、主体又は客体を特定する固有画像を取得することができるようになっている。そして、このように取得された主体又は客体の個別情報と、主体又は客体を特定する固有画像とを対応付けて登録部に登録しておくことができるため、画像によって目視確認を行うことが可能な情報コード100を管理対象としつつ、このような登録情報の存在により、管理対象となる情報コードの信頼性を高めることができる。
具体的には、情報コード生成部に相当する管理サーバ70を備えており、個別情報取得部によって取得された個別情報、又は当該個別情報に対応付けられて登録部に登録された対応情報の少なくともいずれかをデータ記録領域に記録し、当該個別情報に対応付けられて登録部に登録された固有画像を画像領域に表す構成で情報コード100を生成する構成となっている。
この構成によれば、登録部に登録される情報を利用して信頼性の高い情報コード100を生成し得るシステム1を構築できる。生成される情報コード100は、登録部に登録された情報がデータとしてデータ記録領域に記録され、且つ、登録部に登録された固有画像が画像領域に表された構成となるため、この情報コード100が使用される際には、当該情報コード100を撮像、解析し、登録部の登録内容を参照することで、当該情報コード100が既登録の正当なものであるか否かを評価することが可能となる。
また、情報コード生成部に相当する管理サーバ70では、個別情報取得部によって取得された個別情報の少なくとも一部を公知の暗号化方法で暗号化した暗号データをデータ記録領域に記録する構成で情報コードを生成する構成となっている。この構成によれば、暗号を解読し得ない第三者が情報コードの記録内容から主体又は客体の個別情報を把握することが困難になる。従って、個別情報を利用可能な情報コードを実現しつつ、その個別情報が第三者に流出することを効果的に抑えることができる。
また、管理サーバ70では、個別情報取得部が取得した個別情報と、情報コード生成部によって生成されると共に当該個別情報又は当該個別情報に対応付けられた対応情報がデータ記録領域に記録されてなる情報コード100とを対応付けて登録部に登録する構成となっている。
このように、情報コード100そのものを個別情報と対応付けて登録部に登録する構成とすれば、登録された正規の情報コードの具体的な内容を詳細に特定できるようになり、類似した情報コードの不正使用をより確実に排除しやすくなる。
また、判断部に相当するチェックサーバ60を備えており、この判断部では、固有画像取得部が新たに取得した固有画像である新規固有画像と、固有画像取得部が当該新規固有画像を取得する前から登録部に登録されている固有画像である既登録固有画像とが所定の類似条件を満たすか否かを判断する構成となっている。そして、管理サーバ70の登録部では、判断部によって既登録固有画像と所定の類似条件を満たすと判断された新規固有画像を登録対象から除外する構成となっている。
この構成によれば、既登録の正規の情報コードと画像内容が類似する情報コードの登録を効果的に防ぐことができ、類似した情報コードが存在することに起因する誤認やなりすましを防ぎ易くなる。
また、管理サーバ70が認証部として機能し、情報コード読取装置10のデータ記録領域読取部が読み取ったデータ記録領域のデータと、画像処理部が処理した画像領域の画像データ又は画像領域の画像の解析データと、登録部に登録された登録内容と、に基づき、情報コード読取装置10が読み取った情報コード100が所定の正規コードであるか否かを判断する構成となっている。
この構成によれば、情報コード100のデータ記録領域に記録されたデータ及び画像領域の画像が、登録部に登録されたいずれかの個別情報及びその個別情報に対応付けられた固有画像に対応するものであるかを認証部によって判断することが可能となり、情報コード100が登録された信頼性のあるものであるか否かをより正確に評価することができる。特に、記録データだけでなく、画像領域の画像をも対象として信頼性を評価することができ、例えば、記録データ又は画像の一方のみを改竄するような不正がなされたとしても、このような不正をより確実に検出することができる。
また、本構成では、固有画像取得部が、主体の固有画像として個人の顔画像を取得する構成となっている。この構成によれば、図15(A)、図18のように、個人の顔画像によって目視確認を行うことが可能な情報コード100を管理対象とすることができる。例えば、情報コード100が使用される際に、顔画像の目視確認と登録部を参照した認証とを併用すれば、情報コード100が信頼性のあるものであるか否かをより一層正確に判断することができるため、情報コードの不正使用をより確実に排除しやすくなる。
また、本構成では、固有画像取得部が、主体又は客体を特定する固有画像として、主体又は客体を特定する標章の画像を取得する構成となっている。この構成によれば、図17(A)、図19、図21のように、標章の画像によって目視確認を行うことが可能な情報コードを管理対象とすることができる。例えば、情報コード100が使用される際に、標章の目視確認と登録部を参照した認証とを併用すれば、情報コード100が信頼性のあるものであるか否かをより一層正確に判断することができるため、情報コード100の不正使用をより確実に排除しやすくなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の情報コード利用システムは、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1、図2のような構成が用いられる。
第2実施形態の情報コード利用システムでは、情報コード生成装置2(図1等参照)により図22(B)のような情報コード200を生成する。この構成でも、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン204が配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域とを設け、コード領域の内部において、特定パターン領域以外の位置に、データ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で、データの記録又はデザインの表示の少なくともいずれかが可能となる空き領域210を、単一のセルのサイズよりも大きい所定サイズで設けている。
この構成では、空き領域210の構成以外は、公知のQRコード(登録商標)として構成されており、まず、図22(A)のように、コード領域の内部に、特定パターン領域と、データ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設けている。なお、データ記録領域でのデータコードワードの記録方法及び誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの記録方法は公知のQRコード(登録商標)と同様であり、例えば、JISX0510で規定される方式でコード領域内の位置検出パターン(特定パターン204)の配置、データ記録領域におけるデータコードワードの配置、誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの配置が定められている。
但し、図22(A)のように、一部領域のコードワードを、白セルのみによって表現されるコードワード(白セルのみによって構成されるデータコードワードや埋め草コードワードなど)として構成した情報コード200’を生成し、このように白セルのみによって表現される領域ARを空き領域210として、図22(B)のように、この空き領域210内に図形、模様、色彩又はこれらの結合からなるデザイン、又は1又は複数の記号によって表わされる情報の少なくともいずれかを表示している。図22(B)のように空き領域210にデザインDを表示した場合、図22(A)のような本来のデータ表示とは異なった構成になるが、この空き領域210でのデータの誤りは、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて公知の誤り訂正を行えばよい。
また、図22(B)に示す情報コード200では、空き領域210の位置が予め特定されるため、空き領域210内にデザインや情報を付加して表示する場合にはこの表示による誤り位置が予め分かっていることになる。従って、空き領域210の位置を誤り位置として消失訂正を行うように誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号を構成することもできる。この場合、空き領域210の位置を示す情報を予めデータ記録領域に記録しておいたり、或いは、予め読取装置10(図1)内に記憶しておくことで、読取時に読取装置10が空き領域210の位置(即ち、誤りが生じているデータコードワードの位置)を特定することができるようになり、読取装置10は、このように位置が特定された空き領域210に存在するデータコードワードの誤りを訂正するように、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて消失訂正を行うようにすればよい。
この構成では、データ記録領域に記録されるデータの内、解読対象データの終わりを示す終端子よりも前に配置されるデータ(出力対象となる解読対象データ)を表すデータコードワードについては、空き領域210の外側に配置し、終端子よりも後に配置される埋め草コードワード(解読対象とならないデータ)の領域を空き領域210としてもよい。或いは、空き領域210内のセルが白セルとなるようにデータコードワードを構成して空き領域210内に配置してもよい。
そして、このように構成される情報コード200の空き領域210に上述の固有画像(図15、図17、図21等)を表すことで、図15、図17、図21等と同様の機能を有する情報コード200を構成することができる。なお、情報コード200の登録方法や管理方法は第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の情報コード利用システムも、ハードウェア構成については第1実施形態と同一であり、上述した図1、図2のような構成が用いられる。
第3実施形態の情報コード利用システムでは、情報コード生成装置2(図1等参照)により図23(B)のような情報コード300を生成する。この構成でも、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターン(L字状のアライメントパターン304a及び明色セルと暗色セルが1セルずつ交互に配置され、コード領域の境界に沿ったL字状の領域を構成するタイミングセル304b)が配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域とを設け、コード領域の内部において、特定パターン領域以外の位置に、データ記録領域にデータを記録する方法とは異なる方法で、データの記録又はデザインの表示の少なくともいずれかが可能となる空き領域310を、単一のセルのサイズよりも大きい所定サイズで設けている。
この構成では、空き領域310の構成以外は、公知のデータマトリックスコードとして構成されており、まず、図23(A)のように、コード領域の内部に、特定パターン領域と、データ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域とを設けている。なお、データ記録領域でのデータコードワードの記録方法及び誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの記録方法は公知のデータマトリックスコードと同様であり、コード領域内のアライメントパターン304aやタイミングセル304bの配置、データ記録領域におけるデータコードワードの配置、誤り訂正符号記録領域での誤り訂正コードワードの配置は、例えばECC200バージョンに従って定められている。
但し、図23(A)のように、一部領域のコードワードを、白セルのみによって表現されるコードワードとして構成した情報コード300’を生成し、このように白セルのみによって表現される領域ARを空き領域310として、図23(B)のように、この空き領域310内に図形、模様、色彩又はこれらの結合からなるデザイン、又は1又は複数の記号によって表わされる情報の少なくともいずれかを表示している。図23(B)のように空き領域310にデザインDを表示した場合、図23(A)のような本来のデータ表示とは異なった構成になるが、この空き領域310でのデータの誤りは、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて公知の誤り訂正を行えばよい。
また、図23(B)に示す情報コード300では、空き領域310の位置が予め特定されるため、空き領域310内にデザインや情報を付加して表示する場合にはこの表示による誤り位置が予め分かっていることになる。従って、空き領域310の位置を誤り位置として消失訂正を行うように誤り訂正符号記録領域の誤り訂正符号を構成することもできる。この場合、空き領域310の位置を示す情報を予めデータ記録領域に記録しておいたり、或いは、予め読取装置10(図1)内に記憶しておくことで、読取時に読取装置10が空き領域310の位置(即ち、誤りが生じているデータコードワードの位置)を特定することができるようになり、読取装置10は、このように位置が特定された空き領域310に存在するデータコードワードの誤りを訂正するように、誤り訂正符号記録領域に記録された誤り訂正符号を用いて消失訂正を行うようにすればよい。
そして、このように構成される情報コード300の空き領域310に上述の固有画像(図15、図17、図21等)を表すことで、図15、図17、図21等と同様の機能を有する情報コード300を構成することができる。なお、情報コード300の登録方法や管理方法は第1実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、第1実施形態と同様の空き領域を設ける構成であるが、空き領域の特定のみが第1実施形態と異なっている。
本構成でも、情報コード400の種別において複数の型番が用意されており、型番毎にセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)が予め定められている。そして、生成装置2が情報コード400を生成する際には、型番情報をコード領域内の決められた位置(図24の例では予約領域107)に配置するようになっている。従って、読取装置10が情報コード400を読み取る際には、情報コード400のコード画像を解析し、所定位置に配置された型番情報を読み取ることで、情報コード400のセルの行数及び列数、特定パターンの形状及び位置、フォーマット情報の位置、コードワードの候補位置(アドレス)を把握できることになる。
情報コード400を生成する際には、予め用意された複数の型番の中からいずれかの型番を選択する。これにより、コード領域内の基本構成(特定パターン104の位置、セルの行数及び列数、コードワードの候補位置)が決定する。例えば、図24に示す構成の型番では、29行29列のセル配列となっており、予め定められた3つの角部に、QRコード(登録商標)の切り出しシンボルと同一の構造の特定パターン104が配置されるようになっている。そして、特定パターン104の近くの所定位置に、フォーマット情報を記録する領域(所定位置105)が設けられている。また、29行29列のマトリックス領域において、特定パターン104及び所定位置105以外の位置に、予めコードワードの候補位置が定められており、各候補位置に0〜67までのアドレスが割り当てられている。このように、型番に対応する構成で予めコード領域内の構成が規定されているため、型番が特定されれば、どの順番のコードワードがどの位置に配置されるかを特定することが可能となる。なお、決定した型番の情報は、その型番の配列において予め定められた固定位置に記録される。例えば図24の例では、例えば所定種類のハッチングで特定される領域107に型番の情報が記録されるようになっている。
そして、型番が決定し、コード領域内の基本構成が決定した後には、空き領域の形状及び位置を決定する。空き領域の形状の決定方法は上述した実施形態のいずれの方法を用いてもよく、例えば、予め用意された複数の候補形状の中から選定する方式で決定してもよく、或いは、情報コード生成装置2に対して外部から入力された形状指定情報に従った形状に設定する方式で決定してもよい。また、空き領域の位置については、予め決められた固定位置に決定してもよく、或いはユーザが位置を指定する情報を入力することで、その位置に決定するようにしてもよい。
そして、空き領域が決定した後には、決定された空き領域の位置から外れるコードワードの候補位置に、データ記録領域のコードワード及び誤り訂正符号記録領域のコードワードをそれぞれ配置する構成で情報コード400を生成する。例えば、図24のような構成の型番では、3つの角部に特定パターン104が配置され、これら特定パターン104の位置を基準として、0〜67の番号が付された68個のコードワードの候補位置が予め規定されている。このようなレイアウトにおいて、図24のように空き領域410が決定した場合、少なくとも一部が空き領域410内に入るコードワードの候補位置を配置対象位置から除外し、その除外されたコードワードの位置を飛ばすようにして、順番にコードワードを配置する。例えば、図24の例では、50、51番、53、54番、60〜67番のコードワードの候補位置に入り込むように空き領域410が設定されているため、これら50、51番、53、54番、60〜67番のコードワードの候補位置にはコードワードを配置しないようにする。即ち、0〜49番の位置に順番にコードワードを配置した後、50、51番を飛ばして52番の位置にコードワードを配置し、その後、53、54番を飛ばして55〜59番の位置にコードワードを順番に配置することになる。このようにすれば、解読対象データを符号化したデータコードワードと、誤り訂正符号を表す誤り訂正コードワードとを、空き領域410から外れた候補位置に確実に配置することができる。
このように特定パターン領域(特定パターン104やその他の特定パターンの領域)、フォーマット領域(所定位置105)、型番領域107、各コードワード領域などを決定した後には、空き領域410の具体的な内容を決定する。この構成でも、空き領域410に上述の固有画像(図15、図17、図21等)を表すことで、図15、図17、図21等と同様の機能を有する情報コード400を構成することができる。なお、情報コード400の登録方法や管理方法は第1実施形態と同様である。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態に係るシステム500の基本構成は、上述した第1実施形態の説明における、(情報コード生成装置)(情報コード読取装置)(情報コード)(情報コードの生成処理)の各項目で説明した内容と同一となっている。よって、これらの詳細な説明は省略し、適宜図1〜図9を参照することとする。
情報コード生成装置2は、第1実施形態の(情報コード生成装置)で説明した内容を全て含んでおり、本構成では、例えば、携帯端末90bが情報コード生成装置2として機能している。また、情報コード読取装置10は、第1実施形態の(情報コード読取装置)で説明した内容を全て含んでおり、本構成では、携帯端末90aが情報コード読取装置10として機能している。
また、本構成で利用対象となる情報コード100(図32、図34等)は、第1実施形態の(情報コード)の項目で説明した内容を全て含んでおり、空き領域110の絵柄やデータ記録領域に記録された具体的データの内容のみが第1実施形態と異なっている。また、この情報コード100は、第1実施形態の(情報コードの生成処理)での説明と同一の流れで生成されるようになっている。この情報コード100も、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域と、前記セルの画像とは異なる画像を示す領域として構成され且つ単一の前記セルのサイズよりも大きく構成された画像領域と、が設けられた構成となっている。各情報コード100の空き領域110(画像領域)の内容は、例えば、各情報コード100に対応するSNS(Social Networking Service)の運営主体を示す商標や各情報コード100に対応するSNSの運営主体が扱うキャラクタなどが挙げられる
システム500は、図25のように、チェックサーバ560、管理サーバ570、複数のSNS(Social Networking Service)サーバ502などを備えている。また、システム500には、外部装置としてのコンピュータ80や携帯端末90などがアクセスできるようになっており、コンピュータ580や携帯端末590で入力された情報を、チェックサーバ560や管理サーバ570で取得できるようになっている。そして、このようなシステム構成で、上述した情報コード100(即ち、コード領域の内部に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類のセル102によってデータを記録するデータ記録領域と、セルの画像とは異なる画像を示す領域として構成され且つ単一のセルのサイズよりも大きく構成された空き領域110(画像領域)とが設けられてなる情報コード)の利用を管理している。
チェックサーバ560は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部とを備えている。なお、チェックサーバは、単一の情報処理装置として構成されていてもよく、複数の情報処理装置によって構成されていてもよい。
管理サーバ570は、登録情報の管理などを行うサーバであり、ハードウェア構成はチェックサーバ560と同様となっており、チェックサーバ560と同様の制御部、操作部、記憶部、通信部を備えている。この管理サーバ570も、単一の情報処理装置として構成されていてもよく、複数の情報処理装置によって構成されていてもよい。また、チェックサーバ560と管理サーバ570が1つの情報処理装置で兼用されていてもよい。
各SNSサーバ502は、各SNS運営主体が扱うサーバであり、ハードウェア構成はチェックサーバ560と同様となっており、チェックサーバ560と同様の制御部、操作部、記憶部、通信部を備えている。各SNSサーバ502も、単一の情報処理装置として構成されていてもよく、複数の情報処理装置によって構成されていてもよい。また、図25の例では、2つのSNSサーバ502を例示しているが、SNSサーバ502の数は3以上であってもよい。
コンピュータ80や携帯端末90は、例えば登録を希望する個人や法人が利用し得る装置である。コンピュータ80は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成されており、CPUなどからなる制御部と、キーボード、マウス、その他の入力装置からなる操作部と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部とを備えている。また、携帯端末90は、携帯電話機やスマートフォン、或いはその他の携帯型情報処理装置によって構成されており、CPUなどからなる制御部と、操作ボタン、タッチパネル、その他の入力装置からなる操作部と、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶装置からなる記憶部と、公知の表示装置(液晶ディスプレイやその他の表示デバイス)などからなる表示部と、外部装置と有線通信或いは無線通信を行うための通信インタフェースとして機能する通信部とを備えている。
なお、図25の例では、2つの携帯端末90を例示しているが、携帯端末90の数は3以上であってもよい。また、コンピュータ80の数は2以上であってもよい。また、図25の例では、いずれかの携帯端末90aを読取装置10として機能させ、いずれかの携帯端末90bを生成装置として機能させているが、コンピュータ80や携帯端末90のいずれもが生成装置2としての機能と、読取装置10としての機能を備えている。
本構成では、複数設けられた携帯端末90やコンピュータ80のいずれにも、後述する(情報コードの生成処理)と(情報コードの読取処理)を実行可能なアプリケーションプログラム(以下、フレームQR連携アプリ、連携ツールなどとも称する)が備えられている。このアプリケーションプログラムは、例えば管理サーバ570やチェックサーバ560に予め記憶されており、これらのサーバから携帯端末90やコンピュータ80にダウンロードすることができるようになっている。
また、前記フレームQR連携アプリを起動トリガとして使用するアプリケーションのアイコンは所定の前記情報コード100(例えば、図14の(A)又は(B))を使用し、フレームQR連携アプリのダウンロード時に配置することになっている。
(事前登録処理)
ここで、システム500を利用する各利用主体の登録処理について説明する。
本構成でも、第1実施形態と同様の情報を第1実施形態と同様の方法で登録可能となっている。例えば、コンピュータ80や携帯端末90に備えられた上述のアプリケーションプログラム(以下、フレームQR連携アプリ、連携ツールなどとも称する)は、コンピュータ80や携帯端末90において所定操作が行われたときに図27のような入力画面を表示するようになっており、このような入力画面において、図27のような各個人情報が入力されたときにこれらの情報をチェックサーバ560に送信するようになっている。チェックサーバ560は、コンピュータ80や携帯端末90から図27のような項目の一連の入力情報が送られてきた場合、その一連の情報を互いに対応付けて管理サーバ570の記憶部に記憶する。なお、図27のような新規登録の際には、図27のような個人情報の送信と共に、登録希望者の顔写真の電子データを所定の画像ファイル形式でコンピュータ80や携帯端末90から管理サーバ570に送信できるようにしてもよい。
なお、ここでは各登録対象者の個人情報をコンピュータ80や携帯端末90からオンラインで登録する例を示したが、第1実施形態で説明したように、登録対象者が個人情報登録シートに個人情報を記入し、管理サーバ570を管理・運用する主体(民間企業や官公庁など)に提出すると共に、運転免許証や住民基本台帳カード(海外の場合、個人IDカードやソーシャルナンバーカード)など、本人の確認ができる個人識別媒体の現物やコピーなどを提出する方法で登録してもよい。この場合、例えば管理主体側の従業員などの作業者が、管理サーバ570の操作部を操作して提出された個人情報登録シートに記録された情報を登録対象者の個人情報として入力し、管理サーバ570の記憶部に記憶すればよい。
また、本構成では、第1実施形態での登録項目に加え、図28のように、チェックサーバ560での認証に用いるアカウント及びパスワード(図28の例ではアカウント1及びパスワード1)と、各SNSサーバ502での認証に用いるアカウントとパスワード(図28の例ではアカウント2、パスワード2、及びアカウント3、パスワード3)を登録できるようになっている。例えば、上述のアプリケーションプログラムでは、図27左図のような初期画面においてアカウント及びパスワードが入力されたときに、これらをチェックサーバ560での認証に用いるアカウント及びパスワード(基本アカウント及び基本パスワード)として暗号化して送信するようになっており、図27右図のような詳細入力画面において各SNSサーバに対応するアカウント及びパスワードが入力されたときに、各SNSサーバに対応するアカウント及びパスワードを上述の基本アカウント及び基本パスワードと対応付けてチェックサーバ560に送信するようになっている。チェックサーバ560は、コンピュータ80や携帯端末90からSNSサーバに対応するアカウント及びパスワードが新規に送られてくる度に、そのアカウント及びパスワードを基本アカウント及び基本パスワードと対応付けて管理サーバ570の記憶部に記憶する。このようにして、図28のように、基本アカウント及び基本パスワード(アカウント1、パスワード1)で特定される個人に対応付けてSNSサーバに対応するアカウント及びパスワードを1又は複数種類登録可能となる。
本構成では、チェックサーバ560又は管理サーバ570の制御部が、主体の個別情報を取得する個別情報取得部の一例に相当する。また、管理サーバ570の記憶部は、個別情報取得部が取得した個別情報を登録する登録部の一例に相当し、各主体の個別情報として、各主体のアカウントとパスワードが登録されるようになっている。
(情報コードの生成処理)
次に、SNSサーバ502において、いずれかの個人(第1主体)と他の個人(第2主体)とを関連付けて設定する例について説明する。なお、以下の例では、図26に示す個人Bが第1主体であり、個人Aが第2主体である。
まず、個人Bが自分の携帯端末90bを操作し、携帯端末90bに備えられた上述のアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプログラムは、当該プログラムの実行に伴い、携帯端末90bの表示部94bに図30のような初期画面を表示する。そして、この初期画面の表示中に個人Bが自身の基本アカウント及び基本パスワードを入力欄A1、P1に入力した場合、これら入力されたアカウント情報(基本アカウント及び基本パスワード)はすぐに暗号化されて一時ファイルとして保存される。アプリケーションプログラムは、図30の初期画面において基本アカウント及び基本パスワードが入力された場合、図31の選択画面を携帯端末90bの表示部94bに表示する。この選択画面は、詳細プログラムの選択を行う画面であり、アプリケーションプログラムは、いずれかの選択項目94c〜94fが指定された場合に、その指定された選択項目に対応する詳細プログラムを動作させるようになっている。
図31の選択画面で、「フレームQR一覧」の項目94dが選択された場合、図32のように、現在までに作成されている情報コード100(フレームQR)を一覧表示する。本構成の携帯端末90bでは、後述の生成処理によって各SNSに対応する情報コード100(フレームQR)を生成することができるようになっており、いずれかのSNSに対応する情報コード100(フレームQR)が生成された場合には、その生成された情報コード100に対応するSNSの表示部に当該情報コード100を表示するようになっている。
情報コード100が生成されていないSNSに対して新たに情報コードを生成・登録する場合、操作者が図32のようなSNSの一覧画面の中から希望するSNSを選択する。例えば図32の一覧画面で表示されるSNSのうち、項目94hに対応するSNSの情報コード100を生成する場合、図32のように項目94hを指定し、情報コード100の生成を開始する。携帯端末90bのアプリケーションプログラムは、図32のようにいずれかのSNSが指定された場合、図33のように、そのSNSでの設定目的を入力する画面を表示する。図33の例では、複数の設定目的が表されるようになっており、操作者が図33のような画面の中からいずれかの設定目的を指定した場合、その指定された設定目的を特定する特定情報をデータ記録領域に記録するように情報コード100を生成することになる。以上のように一連の選択がなされた後には、第1実施形態と同様の方法で情報コード100を生成する。
この情報コード100のデータ記録領域には、アクションコード表に記載されたいずれかの情報(どのSNSにどのような設定を要求するかを指定する情報)と、第1主体(個人B)の基本アカウントと基本パスワードを暗号化した情報を記録する。なお、携帯端末90とチェックサーバ560には、予め共通の暗号化キーが登録されており、携帯端末90のアプリケーションプログラムで暗号化された情報はチェックサーバ560で解読できるようになっている。本構成では、図35のように、各SNSに対してA〜Fのそれぞれの情報が割り当てられており、各設定目的(実行目的)には1〜3のそれぞれの情報が割り当てられている。したがって、図36に示すA1〜F3のいずれかを特定情報として含ませることで、その特定情報により、どのSNSサーバ502に対してどのような設定要求を行うかを特定できるようになる。
本構成では、携帯端末90bが情報コード生成部、出力端末の一例に相当し、表示部94bが出力部の一例に相当する。また、携帯端末90bの操作部が第1入力部の一例に相当し、登録部に登録されたいずれかの第1主体の個別情報の少なくとも一部(具体的には第1主体のアカウント及びパスワード)を入力可能とされている。そして、情報コード生成部に相当する携帯端末90bは、第1入力部によって第1主体の個別情報が入力された場合に、その入力された当該個別情報をデータ記録領域に記録した構成で情報コード100を生成するように機能し、具体的には、第1入力部によって入力された第1主体のアカウント及びパスワードをデータ記録領域に記録した構成で情報コード100を生成するように機能する。
(アイコンQRの配置処理)
次に、前記情報コード100(アイコンQR)の配置処理について説明する。なお、以下の例では、個人Bが所持する携帯端末90bについて図31、図9を参照し説明する。
図31の前記アプリケーションプログラムのアイコンとして配置94eは、前記フレームQR連携アプリのダウンロード時に配置したアイコン(例えば、図14の(A)又は(B))もしくは、他アプリケーションプログラムの起動トリガとして携帯端末90bのトップ画面に既配置されているアイコンと、前記情報コード100であるアイコンQR(例えば、図15の(A)又は図17の(B))の画像を、入れ替えて配置する機能を有する。
(情報コードの読取処理)
次に、情報コード100の読取処理について説明する。なお、以下の例では、個人Aが所持する携帯端末90aにより、個人Bの携帯端末90bに表示された情報コード100を読み取る場合について説明する。
例えばSNSサーバ502において、個人Aに対応付けて保存されるリストに個人Bの個人情報(電話番号など)を登録する場合など、SNSサーバ502において個人Aが個人Bと関連した登録を行う場合、図29のような流れで行われ、まず、図30と同様の初期画面において、個人Aの基本アカウント及び基本パスワードを入力することになる(S501)。個人Aの基本アカウント及び基本パスワードが入力されると、それらは上述した共通の暗号化キーを用いて暗号化される(S502)。そして、個人Aは、自身の携帯端末90aによって個人Bの携帯端末90bに表示された情報コード100を読み取る(S502)。図34のように、個人Bの携帯端末90bには、登録が可能なSNSに対応する情報コード100が表示されるようになっているため、個人Aは、携帯端末90aにより、希望するSNSの情報コード100を読み取る。このように読み取りがなされた場合、情報コード100に記録された個人Bの基本アカウント及び基本パスワードと、携帯端末90aで入力された個人Aの基本アカウント及び基本パスワードをチェックサーバ560(管理装置)に送信する。また、これらの情報と共に、設定目的とSNSサーバを指定する情報(図36に示す表のいずれかの情報)もチェックサーバ560(管理装置)に送信する。
これらの情報を受け取ったチェックサーバ560(管理装置)は、送信内容に含まれる暗号を解読し、送信されてきた個人Bの基本アカウント及び基本パスワードと、個人Aの基本アカウント及び基本パスワードとが、いずれも正規情報であるか否かを確認する(S505)。そして、正規情報である場合には、送信されてきた内容に含まれる設定目的及びSNSサーバを指定する情報に従い、当該情報で指定されるSNSサーバに対し、その設定目的で指定される設定を要求する。例えば、指定された設定目的が電話帳追加申請である場合には、まず、個人Bの代わりに指定されたSNSサーバ502に対して個人Bの電話帳への追加申請を送信する(S506)。このとき、個人Bの当該SNSサーバ502のアカウント及びパスワードも送信する。これにより、そのSNSサーバ502は、個人Bの電話帳追加申請を受け付ける。そして、今度は、個人Aの電話帳追加許可情報(個人Aが個人Bの電話帳に追加されることを許可する情報)を送信する(S506)。このとき、個人Aの当該SNSサーバ502のアカウント及びパスワードも送信する。これにより、そのSNSサーバ502は、個人Aの追加許可を受け付ける。このようにして、追加申請と追加許可を一連の流れで同時期に行うことができる。なお、設定目的は、両者が共通フォルダを使用する設定であってもよく、両者を同一のグループにメンバー追加するような設定でも良い。
本構成では、携帯端末90aが読取端末の一例に相当し、携帯端末90b(出力端末)の表示部94b(出力部)が出力した情報コード100を読み取るように機能する。また、携帯端末90aの制御回路が読取部の一例に相当し、携帯端末90aの操作部は、第2入力部の一例に相当する。また、携帯端末90aの制御部及び通信部は、送信部の一例に相当する。
本構成によれば、管理サーバ570(登録部)に登録されたいずれかの第1主体の個別情報の少なくとも一部が第1入力部によって入力された場合に、その入力された当該個別情報をデータ記録領域に記録した構成で情報コード100を生成し、携帯端末90b(出力端末)の表示部94b(出力部)に出力することができる。従って、携帯端末90b(出力端末)を使用する者は、情報コード100を媒介として第1主体(個人B)の個別情報を外部に伝達できるようになる。
一方、第2主体(個人A)の携帯端末90a(読取端末)では、読取部により、携帯端末90b(出力端末)の表示部94b(出力部)で出力された情報コード100から第1主体(個人B)の個別情報を読み取ることができる。そして、この携帯端末90a(読取端末)で第2主体(個人A)の個別情報が入力された場合には、第1主体及び第2主体の両個別情報をいずれもチェックサーバ560(管理装置)に送信し、認証を受けることができる。
そして、チェックサーバ560(管理装置)は、管理サーバ570(登録部)に登録された内容に基づいて携帯端末90a(読取端末)からの情報を認証する認証処理を行い、当該認証処理で認証が成功した場合に、SNSサーバ502(情報処理装置)に対して第1主体と第2主体とを特定可能な所定の要求情報を出力するようになっている。一方、SNSサーバ502(情報処理装置)は、チェックサーバ560(管理装置)からの要求情報に応じて、第1主体と第2主体とに関する所定の設定処理を行う構成となっている。
このように、チェックサーバ560(管理装置)側では、携帯端末90a(読取端末)から送信された第1主体及び第2主体の両個別情報に基づいて認証を試みることができ、認証が成功した場合にSNSサーバ502(情報処理装置)に対して第1主体及び第2主体を特定した要求を行うことができる。この構成では、SNSサーバ502(情報処理装置)に対して第1主体及び第2主体に関連した設定を要求する場合に、複数の端末から個別にSNSサーバ502(情報処理装置)にアクセスする必要がなくなり、このような個別アクセスに起因する作業時間や手間の増大を抑えやすくなる。
例えば、従来技術では、SNSへの新規アカウント登録の際に住所やメールアドレスなど同じような情報を毎回記入しなければいけないといった手間が避けられないが、本構成によればこのような手間を極力削減しやすくなる。また、従来技術では、SNSでの追加登録(電話帳追加登録など)を行う際に、追加登録を行ってもらう者がSNSにアクセスし個人アカウントのアドレスが記載されたQRコード(登録商標)を随時作成発行して表示させておき、次に追加登録を行う者が、その表示されたQRコード(登録商標)を読み取り、アカウントページを表示させ追加申請を行い、その後、登録させたい相手が認証許可を行うといった一連の作業を行う必要があり、非常に手間と時間がかかっていたが、本構成によれば、このような手間や時間を大幅に削減できる。
また、要求処理を代行するチェックサーバ560(管理装置)は管理サーバ570(登録部)を参照して認証を行うことで、携帯端末90a(読取端末)で入力された第2主体の個別情報は勿論のこと、それと共に送信される第1主体の個別情報が信頼すべき情報であるかさえも確認できるようになる。つまり、チェックサーバ560(管理装置)では、携帯端末90b(出力端末)から携帯端末90a(読取端末)への情報の受け渡しに、登録された情報を含む信頼性の高い情報コード100が使用されたか否かを間接的に確認した上で、SNSサーバ502(情報処理装置)に対して第1主体及び第2主体に関連した設定を要求することができるため、第1主体の個別情報を知りえない者が携帯端末90a(読取端末)を操作して第1主体に関連した設定要求を勝手に行うといった不正を効果的に排除しやすくなる。
また、要求処理を代行するチェックサーバ560(管理装置)は、管理サーバ570(登録部)を参照して認証を行うことで、携帯端末90a(読取端末)で入力された第2主体のアカウント及びパスワードの確認は勿論のこと、それと共に送信される第1主体のアカウント及びパスワードが正規情報であるかさえも確認できるようになる。よって、第1主体のアカウント及びパスワードを知りえない者が携帯端末90a(読取端末)を操作して第1主体に関連した設定要求を勝手に行うといった不正を効果的に排除しやすくなる。
また、本構成では、情報コード生成部が、目的情報を取得する目的情報取得部を備えており、目的情報取得部が取得した目的情報をデータ記録領域に記録した構成で情報コード100を生成している。また、チェックサーバ560(管理装置)は、認証処理で認証が成功した場合に、SNSサーバ502(情報処理装置)に対して目的情報に対応した要求情報を出力し、SNSサーバ502(情報処理装置)は、チェックサーバ560(管理装置)からの要求情報に基づき、目的情報に応じた設定処理を行う構成となっている。
この構成では、情報コード100の生成の際に、目的情報を含ませた構成で情報コード100を生成することができ、チェックサーバ560(管理装置)での認証が成功してチェックサーバ560(管理装置)からSNSサーバ502(情報処理装置)に対して要求がなされた場合には、SNSサーバ502(情報処理装置)において、その目的情報に応じた設定処理を行うことができる。つまり、情報コード100を生成して出力する側では、目的を限定して設定を許可することができるようになり、意図しない目的で勝手に設定がなされてしまうことを防ぎやすくなる。
また、本構成では、複数のSNSサーバ502(情報処理装置)が設けられている。そして、情報コード生成部は、複数のSNSサーバ502(情報処理装置)のいずれかを特定する情報(特定情報)を取得する特定情報取得部を備えており、特定情報取得部が取得した特定情報をデータ記録領域に記録した構成で情報コード100を生成している。また、チェックサーバ560(管理装置)は、認証処理で認証が成功した場合に、複数のSNSサーバ502(情報処理装置)のうちの特定情報に対応するSNSサーバ502(情報処理装置)に対して要求情報を出力する構成となっている。
この構成では、複数のSNSサーバ502(情報処理装置)に対する設定要求を管理装置が一括して代行できるようになる。また、いずれのSNSサーバ502(情報処理装置)置に対して設定を要求するかは、携帯端末90a(読取端末)がどの情報処理装置に対応する情報コードを読み取るかによって簡単に指定できるようになる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
図1等の構成では、情報コード生成装置2と情報コード読取装置10が別々の装置として構成された例を示しているが、情報コード生成装置2が情報コード読取装置10として構成されていてもよい。
上記実施形態では、コード領域の中央部に空き領域110を設けた例を示したが、空き領域110の配置はこの例に限られない。例えば、コード領域の周縁付近に空き領域を設けてもよい。
第1実施形態では、他種コードとしてQRコードを例に挙げ、情報コード100で用いる特定パターンとしてQRコードの特定パターンを例に挙げたが、これ以外の種類の二次元コードを用いてもよい。例えば、他種コードとしてデータマトリックスコードを用い、情報コード100で用いる特定パターンをデータマトリックスコードの特定パターンとしてもよい。
図5のように設定した配置変換表における対応関係は、図7のように任意に変更することができる。例えば、情報コード生成装置2、情報コード読取装置10において図5のように設定されていた配置変換表を図7のように変更した場合、生成される情報コード100では、22〜26番目のコードワードの配置が、図5右図のような配置(22〜26番の配置候補位置に記録する配置)から図7右図のような配置(42〜46番の配置候補位置に記録する配置)に変更され、これにより空き領域110の位置や形状も変化することになる。つまり、この構成では、配置変換表を調整することで空き領域110の位置や形状を調整することができ、空き領域を構成する上での自由度をより高めることができる。
上記実施形態では、「コード領域」の一例を示したが、「コード領域」は、情報コードを構成する複数種類のセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域であればよく、コード領域の内縁部の一部にセルが配列されていなくてもよい。例えば、図37の情報コード100ように、空き領域110がコード領域の周縁部に隣接して形成されていてもよい。この場合、情報コード100を構成する複数種類のセルを全て含む最小の正方形領域又は長方形領域は、一点鎖線ARのようになり、空き領域110の外縁は、例えば二点鎖線AR2のようになる。また、画像領域はコード領域内に少なくとも一部が存在すればよく、図38の画像領域AR3ように、残余の部分がコード領域外に存在するような構成であってもよい。図38のような例では、予め画像領域AR3がどのような範囲になるかを特定する情報をデータ記録領域に記録しておけばよい。
第1実施形態では、図13(C)のように、個人ごと、又は法人ごとに、個別情報取得部が取得した個別情報(個人情報)と固有画像取得部が取得した固有画像(個人または法人の画像を含んだ情報コード画像)とを対応付けて登録し、その対応付けた情報に固有のコード番号を割り当てることで、所定の読み出し方式(コード番号を特定し、そのコード番号に対応付けられた個人情報および固有画像(具体的には固有画像を含む情報コード)を読み出す方式)で読み出したときに、各個人または各法人の個別情報及び固有画像を選択できるようにしていたが、所定の読み出し方式で読み出したときに、各個人の個別情報及び固有画像を選択できる方法であれば、個人毎又は法人毎の個別情報及び固有画像格納方法は上述の例に限られない。例えば、個人や法人の個別情報や固有画像を登録する際に、個別情報の記録時間と固有画像の記録時間をそれぞれ特定できるようにしておけば、「個別情報の記録時間に最も記録時間が近い固有画像を読み出す方式」で読み出しを行うことにより、いずれかの個人や法人に対応する個別情報及び固有画像を選択的に読み出すことが可能となる。このような例に限らず、所定の読み出し方式で読み出したときにいずれかの個人や法人に対応する個別情報及び固有画像を選択的に読み出すことができる格納方法であれば他の方法を用いてもよい。