JP6201489B2 - 音波変換装置および音波変換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、音波変換装置および音波変換方法に関し、特に、電歪振動子に圧縮荷重をかけることにより広帯域で高出力を達成する音波変換装置および音波変換方法に関する。
水中用アクティブソーナーにおいて、遠方の標的の捜索を可能とするために、高出力の超音波変換器(超音波トランスデューサ)が求められる。このような超音波変換器としては、ランジュバン振動子が広く普及している。図7はランジュバン振動子を用いた超音波変換器を示す図である。図7を参照して、超音波トランスデューサ100は電歪振動子101、フロントマス102、リアマス103、ボルト104とから構成されている。電歪振動子101の分極方向(紙面上下方向)を金属製部材であるフロントマス102、リアマス103で挟み込み、それらを金属製部材であるボルト104で締結する。これにより、ボルト104の軸方向が電歪振動子101の分極方向となるとともに、分極方向に電歪振動子101に圧縮荷重をかけた状態となる。電気信号の入力に伴い電歪振動子101はボルト104の軸方向に伸縮動作する。その伸縮によるエネルギーをフロントマス102、および、フロントマス102に密着した、ゴムなどで作られる音響放射部105を介して水中106に音響信号を放射する。
電歪振動子101は引っ張り方向に弱い材料であり、大きな電気信号を入力すると、電歪振動子101の伸縮により発生する応力により、電歪振動子101を破壊してしまう。そのため、リング状の電歪振動子101を金属ブロックで挟み、金属ブロックと電歪振動子101とをボルト締めする構成をとる。このような構成を採用することで、電歪振動子101に荷重がかかる。これはボルト締めランジュバン振動子と呼ばれる。超音波トランスデューサ100は大きな電気信号の入力による電歪振動子101の破壊を防止し、音響放射部105から水中106へ大きな音響信号を出力することができる。しかし、ボルト締めランンジュバン振動子を用いた超音波変換器では、広帯域な使用周波数で高出力な音響信号を出力するために、高出力・狭帯域タイプの超音波変換器と広帯域タイプの超音波変換器の2つを組み合わせる必要があり、小型軽量化が困難であるという問題があった。
この問題を解決するために、ランジュバン振動子のフロントマスの音響信号放射面側に音響整合層を接続する超音波トランスデューサが特許文献1に記載されている。特許文献1の超音波トランスデューサは、上述の電歪振動子101に対応する4個の圧電セラミック振動子と、最前列の圧電セラミック振動子の先端面に配設された金属材質のフロントマスと、最後列の圧電セラミック振動子の後端面に配設された金属材質のリアマスとを有する。さらに、これらの圧電セラミック振動子とフロントマスとリアマスとをボルト締めして連結するための金属材質のボルトと、4つの電極と、フロントマスの音響放射面に音響整合層(上述の音響放射部105に相当)とから構成されたランジュバン振動子である。ランジュバン振動子の全長は、その基本共振周波数の2分の1波長に設定されている。また、音響整合層はフロントマスの材質と超音波伝達材質である水との中間の固有音響インピーダンスを有しており、ランジュバン振動子の基本周波数の8分の1波長に設定されている。この構成により、超音波トランスデューサ1つで水中へ放射(送波)する音響信号の基本共振周波数帯域での高出力特性と、2倍基本周波数付近での広帯域特性を得ることができるとしている。
特開平10−178700号公報
しかし、特許文献1に記載されたようなランジュバン振動子を用いた関連する超音波トランスデューサは、圧電セラミック振動子に荷重を負荷する構造を採用しており、その構成は圧電セラミック振動子の中心を貫通したボルト、金属材質のフロントマスおよびリアマスから構成されている。このような圧縮荷重構造を適用したランジュバン振動子は反共振を持ち、水中へ放射する音響信号の送波電圧感度の性能が極端に低下する周波数帯域が存在する。図8は、水中における超音波トラスデューサの性能を表す送波電圧感度の例を示す図である。図8の周波数107に示す箇所が荷重負荷の構造による性能低下が生じる周波数である。ここで、ボルトが高剛性であり、その質量がランジュバン振動子の中での割合が大きいと、送波電圧感度が低下する周波数107が使用周波数帯域付近に現れ、使用帯域が制限される。
これを回避するためには、圧電セラミック振動子の構成を変更する必要があり、使用目的に応じた使用周波数帯域を確保することが困難であった。
このように、ランジュバン振動子を用いた関連する超音波トランスデューサにおいては、圧電セラミック振動子である電歪振動子の構成を変更することなく、使用周波数帯域を確保することが困難である、という問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、ランジュバン振動子を用いた関連する超音波トランスデューサにおいては、電歪振動子の構成を変更することなく、使用周波数帯域を確保することが困難である、という課題を解決する音波変換装置および音波変換方法を提供することにある。
本発明の音波変換装置は、電気信号に応じて伸縮動作を行う電歪振動子と、前記電歪振動子を狭持する第1金属板および第2金属板と、前記第1金属板および前記第2金属板のいずれか一方の前記電歪振動子を狭持する面と反対の面に配置した音響放射部と、前記電歪振動子に圧縮荷重を負荷する荷重負荷構造、とを有し、前記荷重負荷構造は、前記電歪振動子の構成によって定まる周波数特性および所定の使用周波数帯域により定まる特性値を有する。
また、本発明の音波変換方法は、第1金属板と第2金属板によって狭持された電歪振動子に荷重負荷構造を用いて圧縮荷重を負荷し、前記電歪振動子の構成によって定まる周波数特性において所定の使用周波数帯域を確保するように前記荷重負荷構造の特性値を制御する。
本発明の音波変換装置および音波変換方法によれば、電歪振動子の構成を変更することなく、使用周波数帯域を確保することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る音波変換装置の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る音波変換装置の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に対応した2次元解析モデルを示す模式図である。 本発明の第2の実施形態における送波電圧感度特性の計算結果を示す図である。 本発明の第3の実施形態のワイヤー接合部の構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態の音波変換装置の構成を示す断面図である。 関連する超音波トランスデューサの構成を示す断面図である。 関連する超音波トランスデューサの送波電圧感度特性を示す図である。 関連する超音波トランスデューサに対応した2次元解析モデルを示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の音波変換装置は、電歪振動子と、第1金属板と、第2金属板と、音響放射部と、荷重負荷構造とから構成される。電歪振動子を、平板状の第1金属板であるフロントマスと第2金属板とで挟み込む。電歪振動子を狭持するフロントマスの面とは反対の面に音響放射部を設ける。また、荷重負荷構造は第1金属板と第2金属板を介して電歪振動子に圧縮荷重を負荷する。電歪振動子の構造によって定まる周波数特性を有した電歪振動子へ圧縮荷重を負荷することによって、所定の使用周波数帯域における周波数特性を確保することができる。以下にその具体的な実施形態を説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態による音波変換装置の構成を示す断面図であり、音波変換装置の中心軸を含む面で切断した図である。図1を参照して、本発明の第1の実施形態の音波変換装置1の構成を説明する。
音波変換装置1は、電歪振動子11と、フロントマス12と、音響放射部15と、リアマス13と、締結部20と、螺子部18と、ワイヤー19とから構成されている。電歪振動子11は1組の金属板(金属製部材で構成された平板)であるフロントマス12とリアマス13とに挟まれている。ここで、リアマス13は中空形状とした。電歪振動子11の分極方向をフロントマス12とリアマス13とで狭持する方向と一致させる。これにより、電歪振動子の電極(不図示)からの周期的な電気信号(例えば、交流信号)の入力に伴い音波変換装置1の中心軸に沿った方向に周期的な伸縮振動が発生する。リアマス13の電歪振動子11との接触面と反対の面に金属板である締結部20(たとえばナット)が配置されている。フロントマス12の中央部に設けた固定部に溶接あるいはフックなどに接続された高耐力の1本ないしは複数本のワイヤー19は、電歪振動子11とリアマス13とのほぼ中央を通り、締結部20の中央部に形成された雌螺子に勘合する螺子部18が締結されている。ここで、フロントマス12と、その中央部に設けた固定部と、締結部20と、その中央部に設けた螺子部18と、ワイヤー19とが荷重負荷構造を構成する。以下ではワイヤー19を1本とした場合を説明する。なお、ワイヤーの本数により荷重負荷構造の剛性を調整することができ、音波変換構造1全体の剛性に占める割合を制御することができる。
フロントマス12の電歪振動子11との接触面と反対側の面上に音響放射部15を配置し、音響放射部15が水中16と接している。フロントマス12を介して電歪振動子11で生じた機械的な伸縮振動を音響放射部15から水中16へ放射する。音波変換装置1(具体的には、電歪振動子11とフロントマス12とリアマス13と音響放射部15)に対して締結部20を廻して、螺子部18が回転することなく、または、ワイヤー19が捻れることなく、フロントマス12から離れる方向に動かし、ワイヤー19に張力をかける。これにより、フロントマス12とリアマス13(または締結部20)とに狭持された電歪振動子11に、音波変換装置1の中心軸に沿った方向(以降、中心軸方向という)に圧縮荷重がかかる。これにより、電歪素子11によって電気エネルギーから変換された機械エネルギーがフロントマス12、音響放射部15を経て水中16に放射する。
ワイヤー19の直径はリアマス13および電歪振動子11の内径より十分に細い。また、ワイヤー19の断面形状に特に限定はない。円形、楕円形、多角形であってもよく、筒状となっていてもよい。
また、電歪振動子11は筒状(リング状)であればよい。具体的には、筒の周形状は円筒の形状、もしくは、三角形、四角形などの多角形である角筒の形状であってもよい。さらに、リアマス13も電歪振動子11と同じ筒形状であってもよい。締結部20の外周形状は電歪振動子11およびリアマス13の外周形状と同じとする。これにより、ワイヤー19の張力により電歪振動子11の中心軸方向に均等に圧縮荷重をかけることができる。なお、リアマス13および電歪振動子11の外周面と締結部20の外周面とは必ずしも一致しなくてもよい。リアマス13および電歪振動子11の外周面に対し締結部20の外周面が突出していてもよい。また、締結部20にもうけた螺子部18の螺子部穴の大きさはリアマス13の内径より小さくする。
なお、音波変換装置1の中心軸に沿った方向はフロントマス12、電歪素子11、リアマス13、および、締結部20を積層した方向と一致している。
以上のように、本発明の第1の実施形態では、音波変換装置1の中心に設けたワイヤー19によりフロントマス12とリアマス13(または締結部20)で狭持した電歪振動子11に圧縮荷重をかけることで電歪振動子自信の伸張に伴う自己破壊を防止することができる。さらに、荷重負荷構造の構成により送波電圧感度が低下する周波数を制御することが可能である。そのため、電歪振動子の構成を変更することなく、音波変換装置1の使用する送信波の周波数帯域を確保することができる。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。図2は本発明の第2の実施形態による音波変換装置の構成を示す断面図である。図1と同様に、図2は音波変換装置の中心軸を含む面で切断した図である。第2の実施形態では、第1の実施形態の電歪振動子を中心軸方向に複数に分割し、分割された電歪素子の間に電極が挿入された構成とした。なお、図1と同じ構成部品を同じ符号で記載している。図2を参照して、本発明の第2の実施形態の音波変換装置2の構成を説明する。
音波変換装置2は、第1の実施形態の音波変換装置1の構成部品に加え、リング状でありかつリングの中心軸方向に分極された電歪素子22、23、24、25と、電極32、33,34、35、36と、カラー21と、接合部17とから構成されている。フロントマス12の上面(リアマス13と対向する面)の中央領域にワイヤー19を固定する固定部17を設け、その外側にカラー21を設ける。カラー21の上面(リアマス13に対向する面)に電歪素子22から25と電極32から36とを交互に積み重ねる。電歪素子22から25は、隣り合った電歪素子と分極方向が交互になるように配置する。電極22の上にリアマス13を配置し、その上に締結部20を配置する。ここで、フロントマス12と、固定部17と、締結部20と、螺子部18と、ワイヤー19とが荷重負荷構造を構成する。
電歪素子22から25、電極32から36、カラー21、リアマス13から構成されるリング状積層構造37の内側から、固定部17に溶接またはフックなどによって接合されたワイヤー19を引き出す。ワイヤー19の固定部17の固定点とは反対の先端を螺子部18と勘合させる。螺子部18を回転方向に固定した状態で、螺子部18が音波変換装置2の中心軸方向かつフロントマス12から離れる方向に移動するよう締結部20をリング状積層構造37に対して廻す。なお、螺子部18を回転方向に固定しているのは、ワイヤー19が締結部20の回転に伴って捻れないようにするためである。ワイヤー19はフロントマス12の接合部17に接合されているため、フロントマス12もワイヤー19に引っ張られてリアマス13側に動こうとするが、フロントマス12と締結部20の間にはリング状積層構造37が存在するため、フロントマス12の音波変換装置2の中心軸方向の移動は抑制され、螺子部18だけが音波変換装置2の中心軸に沿ったフロントマス12から離れる方向に動く。このため、ワイヤー19に音波変換装置2の中心軸に沿ったフロントマス12へ近づく方向に張力がかかり、逆に、リング状積層構造37には張力とは反対の方向に圧縮荷重がかかる。
また、フロントマス12のリング状積層構造37を設置した面とは反対側の面上に、ゴム等で作られた音響放射部15が接着されている。音響放射部15においてフロントマス12との接着面と反対側の面が水中16に接している。
リング状積層構造37への圧縮荷重は電歪素子に発生する最大発生応力より大きい値に設定する。具体的には、電歪素子22から25に想定されうる最大電圧が入力された時、電気機械変換により電歪素子22から25に発生する応力の合計を最大発生応力と定義し、その値より大きい値を圧縮荷重に設定する。
なお、リング状積層構造37の各積層構造物の間は、接着剤により固定されている。また、電極32から36は、電歪素子22から25の外周面より少なくとも一部が突起している。この突起部が電気信号入力の端子であり、電線を接合している。
電極32、33、34の組と、電極35、36の組がそれぞれ同電位になるように電線を接続し、交流電気信号を入力する。電歪素子22から25でそれぞれ電気機械変換が生じ、電歪振動22から25は互いに同期して伸縮動作する。この伸縮動作によるエネルギーは、フロントマス12と音響放射部15を伝搬して水中16に音響信号として放射される。ここで、交流電気信号の周波数、および入力電圧を変化させることで、所望の音響信号を得ることができる。
図2に示した第2の実施形態を図3に示す2次元軸対称モデルとして有限要素法解析を行った計算結果を図4に示す。また、関連する超音波トランスデューサについて、図9に示す2次元軸対称モデルを用いて有限要素法解析を行った計算結果も併せて図4に示す。図3では、図2と同じ構成要素は同じ符号で表している。なお、有限要素解析でのモデル化を簡単とするため、電極32から36は省略している。また、図9では、図3の解析モデルと同じように、フロントマス102の上面(ボルト104取り付け面)にカラー121を配置し、その上に電歪素子122から125が積層され、電歪素子122の上面にリアマス103が積層されている。リアマス103の上面にボルト104の頭部108が配置されている。
図4は音波変換装置2が水中16へ放射する送波信号の電圧感度を計算した結果であり、横軸は送波信号の周波数、縦軸は送波電圧感度である。さらに、図中の実線のグラフが本実施形態の計算結果であり、図中の点線のグラフが関連するランジュバン振動子である超音波トランスデューサについての計算結果である。
なお、本実施形態と関連する超音波トランスデューサの計算結果を比較しやすいように、図3および図9の解析モデルにおいて、積層した電歪素子、フロントマス、リアマス、カラーは両者とも同一寸法としている。また、図3では、螺子部と締結部とを同一材料で作成するものとし、解析上では螺子部と締結部との一体とした勘合体28とみなしている。また、関連する超音波トランスデューサのボルト104の頭部108は本実施形態の勘合体28と同一形状となるよう設定した。さらに、図3のワイヤー19の直径はボルト104の直径より細くなるように設定した。
図4より、関連するランジュバン振動子である超音波トランスデューサの送波電圧感度が極端に低下する性能低下点である反共振点は周波数38であり、本実施形態の送波電圧感度が極端に低下する性能低下点は周波数39である。周波数39は周波数38より高周波側に移動していることがわかる。音波変換装置の使用周波数が帯域幅40に示す領域とすると、ワイヤー19を用いた音波変換装置の性能低下点である反共振点を使用帯域の外側、具体的には使用周波数帯域の上限の高周波側に移動させることができる。使用帯域内および使用帯域付近に反共振点となる性能劣化点がないことにより、電歪振動素子の構成を変更することなく、圧縮荷重する構成部材の寸法を調整することで、容易に所望の使用周波数帯域における送波電圧感度の良好な周波数特性を得ることができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、電歪素子自信の伸張に伴う自己破壊を防止することができる。また、複数の電歪振動素子の全体構成および各電歪振動子の構成を変更することなく、音波変換装置2の送信波の使用周波数帯域を確保することができる。具体的には、剛性が低く、細いワイヤー19に中心軸方向のみの張力を付与することで、電歪素子22から25への中心軸方向以外の不要な応力を抑制し、性能劣化する周波数を使用周波数帯域より高帯域側へシフトすることができる。
〔第3の実施形態〕
続いて、本発明の第3の実施形態について詳細に説明する。図5は本発明の第3の実施形態による音波変換装置のワイヤー接合部の構成を示す断面図である。第3の実施形態の音波変換装置は第2の実施形態と同じ構成である。ただし、ワイヤー19の構成が異なる。つまり、第2の実施形態では1本のワイヤー19を配置する構成であったが、第3の実施形態では複数本のワイヤー19を配置する構成である。図5は、リアマス13側から見たフロントマス12の上面図であり、接合部17の中に記載している黒丸「●」がワイヤー19を示している。
2本のワイヤー19を用いる場合、図5(a)に示すように固定部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して点対称(もしくは、2回対称)となる位置に各々のワイヤー19を接合する。
また、3本のワイヤー19を用いる場合、図5(b)に示すように接合部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して3回対称となる位置に各々のワイヤー19を接合する。また、図5(c)に示すように固定部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して点対称(もしくは、2回対称)となる位置と、中心41とに各々のワイヤー19を接合する。
また、4本のワイヤー19を用いる場合、図5(d)に示すように固定部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して4回対称となる位置に各々のワイヤー19を接合する。また、図5(e)に示すように固定部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して3回対称となる位置と、中心41とに各々のワイヤー19を接合する。
さらに、5本のワイヤー19を用いる場合、図5(f)に示すように固定部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して5回対称となる位置に各々のワイヤー19を接合する。また、図5(g)に示すように固定部17の中心41からほぼ同じ距離、かつ、中心41に対して4回対称となる位置と、中心41とに各々のワイヤー19を接合する。
このように中心41から所定の距離の円周上に、等間隔にワイヤーを配置する。また、ワイヤーの数が3本以上の場合、その内の1本のワイヤーを中心41とし、ほかのワイヤーを前述の円周上に等間隔に配置する。複数本のワイヤーは、同じ材質、同じ直径であることが好ましいが、それに限るものではない。電歪素子22から25への圧縮荷重が均等にかけることができれば、各々のワイヤーの材質、直径を一致させる必要はない。
また、螺子部18に向かう複数本のワイヤー19は、固定部17におけるワイヤーの相対的な位置関係を維持したまま延在し螺子部18に接合される。つまり、接合部17に接合された各々のワイヤーの接合部の相対的位置関係と螺子部18に接合された各々のワイヤーの接合部の相対的位置関係は一致している。しかも、締結部20を廻すことでワイヤー19に張力をかけるとき、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、螺子部18を回転させない。これにより、締結部20が回転しても、各々のワイヤーの相対的位置関係を保持したまま張力をかけることができ、電歪素子22から25に均等に圧縮荷重をかけることができる。
以上のように、本発明の第3の実施形態では、ワイヤーを複数本とすることで1本あたりのワイヤーの張力を抑制しつつ、電歪素子へ均等な圧縮荷重をかけることができる。さらに、複数本のワイヤーを音波変換装置の中心およびその周辺に等間隔で配置することにより、音波変換装置に加わる外力、とくに、中心軸のまわり付加される外力に対して、音波変換装置の回転を防止することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について詳細に説明する。図6は本発明の第4の実施形態による音波変換装置の構成を示す断面図である。図2と同様に、図6は音響変換装置の中心軸を含む面で切断した図である。第4の実施形態では、第2の実施形態と同様に電歪素子を中軸方向に複数に分割し、分割された電歪素子の間に電極が挿入された構成である。なお、図2と同じ構成部品には同じ符号を記載している。図6を参照して、本発明の第4の実施形態の音波変換装置3の構成を説明する。なお、第2の実施形態の音波変換装置2と異なる構成を中心に説明する。
音波変換装置3は、第2の実施形態の音波変換装置2とは電極の突出方向が異なっている。つまり、リング状の電極52から56は電線を接合する端子を内側に備えており、それらは各電極の内向きに突起している。電極52、53、54の組と、電極55、56の組がそれぞれ同電位になるように電線を接続し、交流電気信号を入力する。
フロントマス12の上面でカラー21より外側の領域にワイヤー49の固定部50を設ける。固定部50に溶接もしくはフック等を用いて高耐力のワイヤー49を接合する。ワイヤー49は金属製の線状のものであってもよいが、それに限るものではない。薄い平板状(リボン状)の金属製板でもよい。
第2の実施形態と同様に、フロントマス12の上面にカラー21を配置し、その上に電歪素子22から25と電極52から55を交互に積層する。なお、電歪素子の分極方向は音波変換装置3の中心軸方向に沿っている。さらに、隣り合った電歪素子はその分極方向が交互になるような方向に配置する。電極52の上にリアマス13を配置し、その上にテールプレート46を配置する。リアマス13との接触面とは反対側の面、つまり、テールプレート46の上面において、軸対称(2回対称)となる外周領域にワイヤー49を渡すためのガイド47を各々設ける。また、フロントマス12の固定部50の軸対称となる外周領域に別の固定部となる巻き取り部51を設ける。なお、固定部50、2つのガイド47、巻き取り部51とは、音波変換装置3の上方から見て略一直線に並ぶよう配置する。固定部50に接合したワイヤー49は、テールプレート46のガイド47を跨いで巻き取り部51で巻き取られる。本実施形態では、フロントマス12、ワイヤー49、テールプレート46、固定部50、巻き取り部51が圧縮荷重構造を構成する部材である。
巻き取り部51の巻き取り方向は、音波変換装置3の中心軸に沿った方向と概ね一致している。巻き取り部51によってワイヤー49を巻き取ることで、電歪素子22から25、電極52から56、リング21、リアマス13、テールプレート46から構成されるリング状積層構造57を、音波変換装置3の中心軸に沿ったフロントマス12へ向かう方向に押しつけ、圧縮方向の荷重をかける。なおリング状積層構造57の各構成要素に間は、接着剤により固定される。
テールプレート46の中央部に設けた貫通穴48から電極52から56に接合された電線を引き出している。
リング状積層構造57への圧縮荷重は電歪素子に発生する最大発生応力より大きい値に設定する。具体的には、電歪素子22から25に想定されうる最大電圧が入力された時、電気機械変換により電歪素子22から25に発生する応力の合計を最大発生応力と定義し、その値より大きい値を圧縮荷重と設定する。電歪素子は引っ張り方向の力に脆い性質をもつため、大きな電圧を入力した場合、電歪素子自身の伸縮により発生する応力によって破壊する可能性がある。しかし、他の実施形態と同様に、電歪素子にあらかじめ最大発生応力より大きな圧縮荷重をかけておくことで、破壊を防ぐことができる。
電極52、53、54の組と、電極55、56の組がそれぞれ同電位になるように、電線を介して交流電気信号を入力すると、電歪素子22から25の各々の素子において電気機械変換が行われ、電歪素子22から25は伸縮動作する。この伸縮動作は、フロントマス44と音響放射部58を伝搬して水中16に音響信号として放射される。
以上のように、交流電気信号の周波数、および電圧を変化させることで、所望の音響信号を得ることができる。また、リング状積層構造57の外側からワイヤー49によって圧縮荷重をかける構成によっても、音波変換装置3の送波電圧感度の性能低下点を使用周波数帯域の高周波側に移動させることができる。すなわち、電歪振動子の構成を変更することなく、ワイヤーがリング状積層構造を跨ぐ圧縮荷重構成においても各部材の寸法の調整することにより、使用周波数帯域における送信電圧感度の周波数特性を確保することが可能となる。
なお、第4の実施形態では、ワイヤー49を1本としてリング状積層構造57に圧縮加重をかけているが、これに限るものではない。例えば、複数本のワイヤーによって、リング状積層構造57に圧縮加重をかけてもよい。この場合、各々のワイヤーを接合する接合部および取り巻き部をフロントマス12の外周であり軸対称(2回対称)の位置に設ける。また、2つのガイドをテールプレート46の上面の外周であり軸対称な位置に設ける。固定部、取り巻き部、および、2つのガイドを各々のワイヤーに対して用意し、それらの配置は、音波変換装置3の上方から見て一直線に配置されている。
第3の実施形態では複数本のワイヤー19を中心軸方向に沿って配置しているが、それに限るものではない。フロントマス12からフロントマス13に向かってワイヤー19を中心軸に対して傾斜させてもよい。ただし、中心軸を通るワイヤーがある場合、そのワイヤーは傾斜させない。傾斜させる各々のワイヤーの傾斜方向は中心軸を中心に放射状に広がらせ、その傾斜角は中心軸に対して同程度の角度とすることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
1、2、3 音波変換装置
11、101 電歪振動子
12、102 フロントマス
13、103 リアマス
15、105 音響放射部
16、106 水中
17、50 固定部
18 螺子部
19、49 ワイヤー
20 締結部
22、23、24、25 電歪素子
21、121 カラー
32、33、34、35、36、52、53、54、55、56 電極
37、57 リング状積層構造
38、39、107 周波数
40 帯域幅
41 中心
46 テールプレート
48 貫通穴
47 ガイド
51 巻き取り部
100 超音波トランスデューサ
104 ボルト

Claims (8)

  1. 電気信号に応じて伸縮動作を行う電歪振動子と、
    前記電歪振動子を狭持する第1金属板および第2金属板と、
    前記第1金属板および前記第2金属板のいずれか一方の前記電歪振動子を狭持する面と反対の面に配置した音響放射部と、
    前記電歪振動子に圧縮荷重を負荷する荷重負荷構造、とを有し、
    前記荷重負荷構造は、前記電歪振動子の構成によって定まる周波数特性および所定の使用周波数帯域により定まる特性値を有し、
    前記荷重負荷構造は、線状の剛体からなるワイヤーと、前記ワイヤーを前記第1金属板および前記第2金属板に固定する固定部、とを備え、
    前記周波数特性は、前記電歪振動子の構成によって定まる反共振周波数を含み、
    当該反共振周波数は、前記使用周波数帯域の上限よりも高周波側である
    音波変換装置。
  2. 前記ワイヤーの一端は、前記第1金属板の前記電歪振動子を狭持した面の中央に接合し、
    前記第2金属板の中央に螺旋部を備え、前記螺旋部の前記電歪振動子に対向する面に前記ワイヤーの他端を接合し、
    前記荷重負荷構造は、前記螺部を回転させずに前記第2金属板を回転することで、ワイヤーの張力を前記電歪振動子と前記第2金属板とを圧縮荷重として負荷する
    請求項1に記載の音波変換装置。
  3. 前記ワイヤーは複数本からなり、前記第1金属板の前記電歪振動子を狭持した面の中心およびその周辺に各々のワイヤーの一端を接合し、接合した面内の各々のワイヤーの相対的位置関係と相似となる位置関係で、各々のワイヤーの他端が前記螺旋部に接合している請求項2に記載の音波変換装置。
  4. 電気信号に応じて伸縮動作を行う電歪振動子と、
    前記電歪振動子を狭持する第1金属板および第2金属板と、
    前記第1金属板および前記第2金属板のいずれか一方の前記電歪振動子を狭持する面と反対の面に配置した音響放射部と、
    前記電歪振動子に圧縮荷重を負荷する荷重負荷構造、とを有し、
    前記荷重負荷構造は、前記電歪振動子の構成によって定まる周波数特性および所定の使用周波数帯域により定まる特性値を有し、
    前記荷重負荷構造は、帯状の剛体からなる金属板と、前記金属板を前記第1金属板に固定する第1固定部および第2固定部、とを備え、
    前記周波数特性は、前記電歪振動子の構造によって定まる反共振周波数を含み、
    当該反共振周波数は、前記使用周波数帯域の上限よりも高周波側であ
    波変換装置
  5. 前記金属板は前記第1金属板、前記第2金属板、および、前記電歪振動子を跨いで配置され、前記第2金属板の上面に設けたガイドに前記金属板が当接する
    請求項に記載の音波変換装置。
  6. 前記第1固定部または前記第2固定部のいずれか一方が前記金属板を巻き取る巻き取り部であり、前記巻き取り部は、前記金属板を巻き取り、前記金属板の張力を前記電歪振動子と前記第2金属板とを圧縮荷重として負荷する
    請求項またはに記載の音波変換装置。
  7. 前記金属板は複数本からなり、
    前記金属板のぞれぞれは前記第1固定部および前記巻き取り部を備え、
    前記第1固定部および前記巻き取り部は、前記第1金属板の前記電歪振動子を狭持した面の外周部の軸対称な位置に配置しており、前記第1固定部および前記巻き取り部によって前記位置は前記金属板ごとに異なる
    請求項6に記載の音波変換装置。
  8. 前記電歪振動子は複数の電歪素子を有し、前記電歪素子の積層方向に沿って前記電歪素子の分極方向が交互となるように配置している
    請求項1から7のいずれか1項に記載の音波変換装置。
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