JP6199307B2 - 運動補償なしの運動する目標体積のための照射計画の作成方法 - Google Patents

運動補償なしの運動する目標体積のための照射計画の作成方法 Download PDF

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Description

本発明は、好ましくは移動する粒子ビームを用いて、オブジェクトの中の、少なくとも領域において運動する目標体積領域を照射するための放射線治療計画の作成方法に関し、この方法において、好ましくは移動する粒子ビームを照射ポイントに与えることによる各線量入力を、マッピング関数を用いて少なくとも一つの目標ポイント体積において決定する。本発明はさらに、この種類の方法を実行するために適切なデバイスに関する。
チャージするため、機械加工製品の機械加工をするため、及び機械加工製品の材料特性を変化するために、種々のタイプ及び種々のエネルギーの照射を使用することは、幅広い応用分野で普及している。
これに関連して、光子照射(つまり、特に光でのチャージ、X線、紫外線、及び赤外線等でのチャージ)は唯一の可能な照射タイプではなく、特に粒子放射線も考えられる。これに関連して、粒子は実質上、所望のものであってもよい(ここで「粒子」とは、静止質量を、それが例え非常に小さくとも、有する特定の粒子を意味する)。単なる例としてハドロンやレプトンを挙げられ、特にニュートリノ、電子、陽電子、パイ中間子、中間子、プロトン、ニュートロン、原子核(例えばHe核)、原子や分子及びイオン(特に酸素イオン、ヘリウムイオン、ネオンイオン、炭素イオン等の重イオン)を含む。
これら全ての放射線種類の共通点は、その放射線は、放射線で照射した物に特定のエネルギーを付与することである。しかし、場合によってこのエネルギーの付与方式が大きく変わることもある。例えば、光子照射の場合、広いエネルギー範囲に渡ってエネルギー損失は入射した材料に対してほぼ指数関数的に関連する一方、粒子ビームは、特にこの場合ハドロン粒子(特に陽子、イオン、及び重イオン)は、顕著なブラッグピークを示す。よって粒子は材料に浸透する際に、その経路上では最初は比較的少ないエネルギーを失う。粒子が静止する少し前に、エネルギーの大部分が被照射材料に放出される。このブラッグピークの結果として、2次元構造の線量チャージだけでなく、特に3次元構造の線量チャージを実現(すなわち、被照射オブジェクトにおける異なる深さに異なる放射線量放出が)できる。
放射線の種類を変更できる他、放射線でチャージするオブジェクトの種類も変更できる。応用技術分野として例を挙げると、構造化プロセスにおける陽子照射に関する可能例としては、構造化した半導体構成品(メモリエレメント、マイクロプロセッサ等)の製造におけるマスク及び材料の除去又は材料の適用が考えられる。光子もワークピースの切断及び/又は溶接に使用され得る(特に、光子放射が高エネルギーレーザービームの形態である場合)。
電子ビームの応用の一例は、電子ビーム溶接であり、この手段によって、例えば、二つのワークピースを溶接することが可能である。当然、分離プロセス及び構造化プロセスも考えられる。
医学及び獣医学においては、放射線は治療目的で使用される。例えば、X線画像(CT法(コンピュータ断層撮影法)により得られる3次元画像を含む)を生成するためにX線放射を使用することは公知である。また、電子ビームも、例えば癌性腫瘍を治療するために、数十年間医療で使用されている。陽子及びイオン(特に重イオン)を用いる腫瘍の治療も、今や医学において十分確立している。陽子/イオン/重イオンの上記ブラッグピークのため、周囲の組織にほぼ影響しないまま、患者における3次元に定義し構造化した領域(特に腫瘍内)を、粒子ビームをそれに応じて制御(例えば、走査プロセスの一部として)することによる標的化方式で照射することが可能である。ミリメートル範囲内の正確さは、現在可能である。これに関連して、場合によっては広げた粒子ビームが用いられ、それらは例えば様々な厚さのパラフィンプレートを用いて、ビームのエネルギー(そしてよって組織への浸透深さ)に関して空間的に分解した構造を有する。しかし原則として、現在は、適切な偏向磁石及び適切なエネルギー変動によって(浸透深さの変動に至る)、一般的に細い(鉛筆の細さの)粒子ビームが引き続き照射するオブジェクトの線量でチャージする異なる体積領域を「アプローチ」する走査方法が一般的に用いられる。
身体内の三次元体積領域を治療可能にするために、(特に患者における癌の治療)通常は放射線治療計画を作成する必要がある。これに関連して、特定の照射パターンをコンピュータシミュレーションし(つまり粒子ビームの異なるx-y偏向及び粒子ビームの適切な粒子エネルギーのシーケンス)、及びそれぞれ結果とする放射線でチャージされる身体への線量入力を位置の関数として計算する。これは、被照射オブジェクトに放出される線量は、ブラッグピークの領域に集中されるが、それでも特に粒子経路に沿って照射ポイントに近接して位置する領域にも特定の線量が放出される。放射線治療の計画に関連して、所望の照射対象目標体積領域において特定の最小線量が確実に超えられ(例えば癌細胞が確実に破壊されるように)、一方周囲組織は可能な限り免れる、つまり特定の最大線量を超えないような放射線治療計画を作成する努力がされる。これに関連して、設定する最大線量は、被照射オブジェクト領域に依存して大きく変化する。例えば、医療応用において特に生命に関わる及び/又は放射線感受性の組織が存在する場合、これらは可能な限り回避する必要がある。これに関連して、OAR(Organs At Risk)の用語が一般的に使用される。これに関連して、各用途に対する特に適切な放射線治療計画を、粒子ビームを違うように作動させ、及び/又は複数の異なる方向から粒子ビームを導入すること(若しくは少なくとも時には連続的な旋回することを含む複数の異なる方法も可能)により実行可能である。
照射するオブジェクト(のサブ領域)が運動すると特に問題が起こる。これに関連して、運動とは、並進運動のみではなく、ねじれ運動及び/又は圧縮又は伸張運動も含む。特に走査方法と組み合わせると、適切な対策をとらない限り、オブジェクトの運動が粒子ビームの運動と「干渉」し、比較的悪い照射結果に至る可能性がある。
運動する目標領域を照射することを可能にする目的に対して、様々な解決法が当該技術分野において提案されている。
例えば、第一の解決法は、オブジェクト内の目標体積領域の運動を補償するために、粒子ビームの対応追跡の使用を含む。しかし、この方法の問題は、器具の複雑さが大きく増大する点、及び事前放射線治療の計画において、積極的に照射する照射ポイントの外に位置するオブジェクト領域の線量放出の影響が予測できない問題を含む。結果として、特定の比較的に複雑な監視方法及び補償方法が必要となる。実際の照射に関連して目標領域の実際の運動を決定することでさえ難しい、又は事実上不可能である。特に医療分野において、特定の種類の運動はアクセス不可能又はこの種類の「追跡」によってアクセスしにくい。
もう一つの提案は、(例えばCT方法によって)全ての可能な運動状態をあらかじめ放射線治療の計画において決定し、及びどの場合においても、照射する領域が特定の最小線量でチャージされるように、適切で十分に大きい照射中に照射される領域を選択することを含む。これに関連して、周囲組織のある程度の(本質的に好ましくない)損害を意図的に納得する(又は安全マージンに関連して計画に意図的に含ませる)。計画中の一つの問題は、特に医療応用に関しては、患者における目標体積の(内部)運動は、特に伸張及び圧縮運動及びそれに伴う密度変化を通して、幾何学的位置の変化のみはなく、さらに粒子ビームの組織内への浸透長さにも影響を及ぼす。
このような影響を考慮する方法は、例えばドイツのDE 10 2007 014 723 A1に開示されている。これに関連して、計画目標体積は、最初に、均質な仮想体において身体内の最小目標体積と等価な目標体積を決定することによって決定される。計画目標領域を決定するために、等価な目標領域は安全マージンだけ広げられる。提案される方法の問題は、均質な仮想体への変換は、粒子ビームの入射方向に大きく依存することである。そこで提案される方法では、二つ以上の異なる方向からの放射線入射を含む放射線治療計画の作成/最適化は不可能である。しかし、異なる放射入射方向を用いるこの種類の方法は、周囲組織(特にOAR組織)の暴露を可能な限り減少させるために好ましい。
そこに記載の方法に対する、適切な変換又は逆変換アルゴリズムを使用する改善法は考慮されているにも関わらず、知られている方法には問題が残る。特に、目標体積領域の運動を異なる照射方向と組み合わせると、知られている方法ではこれは局所的に目標線量からの偏差に至り得る(不正確投与という)。しかし何よりも被照射領域において「間隙」(局所的な過小量)は、癌細胞の生き残りを可能にし、治療の成功率を大きく危うくするため、非常に望ましくない。
よって、それでも当該技術分野で知られている方法より優れた放射線治療計画を作成する方法の必要性がある。同様、当該技術分野で知られている方法より優れた放射線治療計画を作成するデバイスも必要である。
本願発明は、この目的を達成する。
オブジェクトの少なくとも領域において運動する目標体積領域を照射するために、放射線治療計画を作成する方法を開発することを提案し、その方法で、照射ポイントに好ましくは運動する粒子ビームを与えることにより得られる各線量入力を、マッピング関数を用いて少なくとも一つの目標ポイント体積において決定し、マッピング関数はさらに運動する目標体積領域の運動状態に依存する。放射線治療計画は、好ましくは運動する粒子ビームのための異なる制御パラメータのセットである。粒子ビームは特にハドロン及び/又はレプトン粒子、特に陽子、ヘリウムイオン、ネオンイオン、及び/又は他のイオン、好ましくは重イオンを使用する。放射線治療計画は、(特に運動する粒子ビームの場合は)特に移動する照射ポイントの時間依存関数として考えられる。よって、照射ポイントは、特に粒子ビームのための個別なパラメータセット(特に数値の組)を意味するようにとり得る。パラメータは、特に粒子ビームにおける粒子のエネルギー、粒子の種類、電離状態、x-y方向における放出(つまり横方向における粒子ビームの偏向)、及び粒子ビームの直径又は形、等を含み得る。好ましくは運動する粒子ビームは、例えばスポット走査方式(粒子ビームは2つのグリッド位置の間ではオフにされ、ビームはそれぞれのグリッド位置に特定の時間留まる)、ラスタ走査方法(ビームは各グリッドポイントで異なる時間留まる、しかし2つのグリッド位置の間ではオフにされない)、又は連続操作方法(粒子ビームは変動する速度で連続的に運動する)により運動させてもよい。照射ポイントにおける線量入力は、特にそのポイントに粒子が導入される期間、及び/又はこの時点での粒子強度に基づく。しかし、原則としては、運動しない粒子ビームも使用可能であり、(例えば、異なる厚さを有するパラフィンプレートを用いて)ビームはそれに応じて広げ、及び/又は適切な手段によって空間的に分解した及びエネルギーに関して分解した広い粒子ビームを生ずる。このように照射ポイントが好ましくは加速装置を制御するパラメータとして存在する一方、目標ポイント体積は一般的に(特にデカルト座標において)幾何学的に存在する体積である。照射ポイントから目標ポイント体積への変換は、複雑であり、特に非線形的である。これは、例えば撮像方法(例えばCT 又はNMR;CT=コンピュータ断層撮像;NMR=核磁気共鳴)を用いて決定できる「幾何学的空間」において、材料における粒子ビームの有効距離(及びよって、とりわけ、「目標の」照射ポイントにおけるブラッグピークの位置)は一般的に付加的要因に依存し、特に被照射材料の密度及び/又は材料の組成に依存するためである。例えば、肺葉を照射している場合、空気の詰まった(非常に密度が低い)腔が照射される可能性があり、途中で肋骨(高い密度)も照射される可能性がある。粒子ビームの経路上に位置する全ての材料は、ブラッグピークの有効位置に大きく影響し、よって異なる目標ポイント体積における、及びそれによって幾何学的空間における、有効放出線量の分布にも影響する。組織の種類及び密度分布は、運動する目標体積領域の運動中に大きく変化し得る。例えば、患者の呼吸の結果として、肋骨の一部が粒子ビームの粒子経路から外へ移動する可能性があり、及び同時に肺における空気の詰まった体積(そしてよって空気を通る距離)がより長く若しくはより短くなる可能性がある。従って、ブラッグピークの位置及び/又は目標ポイント体積における線量入力に関して、大きな影響を及ぼす。放射線治療計画の作成について比較的大きい目標ポイント体積、特に照射するオブジェクトのより大きい領域(特に照射する領域及び/又は照射しない領域)を含む種々の目標ポイント体積を使用することが有利である。照射する領域は、特にITV(「内部目標体積」)であってもよい。ITVは、一般的に照射する体積領域(一般にCTC又はClinical Target Volumeと呼ばれる)が、全ての(現実的に予想可能な)運動状態を考慮してとり得る領域からなる。よってITVは、一般に「幾何学的エンベロープ体積」の一種である。好ましくは、粒子ビームが届き得る体積(に安全マージンを加えたもの)が(ボクセルと知られている)有限目標ポイント体積エレメントに分解されるように、サイズが選択される。特に、届き得るオブジェクトの領域は、粒子ビームの偏向手段を使用して、及び/又は粒子ビームのエネルギーを変化させることにより届き得る領域(又は提供された放射線計画中に届き可能であるべき領域)を意味する。マッピング関数は、存在してもよく、又は実質的にいかなる所望の方式で提供されてもよい。特に、解析式又は解析近似式を提供可能である。さらに、(所望の数値を「ルックアップ」できる)数値表、補間方法、及び前記方法の組み合わせを使用することも考えられる。特に、迂回無しの直接マッピングはマッピング関数を使用して達成可能であり、例えばその後にさらなる計算に用いられる均質な均等ファントム体への初期変換無しで達成できる。しかし、これはマッピング関数が「複数のパーツ」で存在する可能性を除外しない、例えば変形関数(例えば変形マトリックス)及びHU-LUT(Hounsfieldユニットルックアップ表)を使用可能であり、これはよく粒子治療において使用され、及びそれにより幾何学的体積領域を放射線学的体積領域(そこで材料の異なる厚さを考慮し、多くの場合、「水等価体」に変換し、これに関連して「水等価経路長さ」(WEPL)の用語も良く使われる)に変換する。この種類の変換関数及びHU-LUTからなる組み合わせ関数は、その後本願の意味の範囲内でマッピング関数を形成し得る。さらに、異なる運動状態のそれぞれ個別な状態に対して、対応する個別のITVを決定することも可能である。(必ずしも上に開示したものと対応する必要はない)追加の変換関数もこの方式で生ずるITV全ての同時最適化に使用可能であり、照射方向に依存する該目標体積の水均等範囲を、照射方向に依存しない、全ての照射フィールドに均等に有効である目標体積に変換する。
マッピング関数が、少なくとも粒子ビームの方向における、好ましくは運動する粒子ビームの範囲変化、特に密度の変化、特に放射線学的な密度の変化に起因する好ましくは運動する粒子ビームの範囲変化を考慮するように方法を実行することが有利である。放射線学的な密度の変化は特に水等価単位(WEPL−「水等価経路長さ」における密度変化を意味し得る。特に、提案の方法のこのような開発によって、かなり広い範囲の照射フィールド種類を考慮し、放射線治療計画において同時最適化することが可能になり、それも過小線量を受けた体積領域のリスクを過度に増加させないように可能にする。特に、異なる粒子照射方向及び運動する目標体積領域の両方が存在する場合でも、放射線治療計画を作成可能である。
マッピング関数がさらに、好ましくは運動する粒子ビームの照射方向に依存することが特に好ましい。上述したように、(特に大きく異なる材料領域の密度を有する医療分野における)特定のオブジェクトにおいては、場合によって、放射線学的な密度と、よって粒子ビームのブラッグピークの最終的な位置は、粒子ビームがとる照射するオブジェクトを通る経路に大きく依存する。よって、特に医療分野においては、ブラッグピークの位置は一般に粒子ビームの照射方向に大きく依存する。マッピング関数によりこの依存性が(少なくとも部分的に)考慮されると、場合によって結果とする放射線治療計画の質を大きく改善できる。
提案方法においては、放射線でチャージする材料の放射線有効性を考慮するとさらに有利である。特に医学においては、これに関連して例えばRBE(相対的生物学的効果比)を追加で考慮し得る。
提案方法において、互いに区別可能な方式で、少なくとも時に、及び/又は少なくとも部分的に、異なる運動状態及び/又は異なる照射方向に対して、少なくとも一つの目標ポイント体積に入力される線量を決定することをさらに提案する。つまり、各運動状態及び/又は各異なる照射方向(両方を考慮する場合、特に両方の効果を考慮する、対応する大きいマトリックスを使用することが可能)に対して、この状態又はこの照射方向に対応する結果となる、幾何学的空間における線量分布を決定できる。よって、好ましくは(初期に関しては)異なる運動状態及び/又は異なる照射方向、その他同様の平均化はない。この開発はさらに、一般に特に良い放射線治療計画を達成可能にする。
この方法において、少なくとも幾つかの目標ポイント体積を、照射する目標ポイント体積及び/又は照射しない目標ポイント体積として分類するとさらに有利である。特に、照射する目標ポイント体積に対しては、超えるべき最小放射線量を、及び/又は照射しない目標ポイント体積に対しては、超えないべき最大放射線量を定義してもよい。当然、照射する目標ポイント体積及び照射しない目標ポイント体積の両方に対する異なる領域において、異なる制限値を定義することは可能である。このように、例えば特定な感受性組織を、特に計算において考慮可能であり、及び/又は計算において破壊すべき組織(材料)が実際に破壊されることをある程度確実にすることは可能である。
好ましくは、方法は異なる運動状態における複数の目標ポイント体積、好ましくは全ての目標ポイント体積に対して放射線治療計画を計算するために、実質的に同一の照射パターンを使用するように実行される。つまり、各運動状態に対して、それに対応する結果の線量分布を決定し、そして対応する結果の線量分布は、適切な数学的方法を用いて分布について最適化できる。この提案は、運動の補償をしない照射方法において、照射すべき目標体積領域はどんな運動段階にあってもいいという考察に基づく。したがってこれは計算において考慮される。これも特に有利で正確な放射線治療計画に繋がり得る。
方法において、さらに複数の運動状態を、特に典型的な運動シーケンスを表す複数の運動状態を、放射線治療計画の作成に使用する。これに関連して、好ましくは一方の特に微細な解像度(そしてよって優れた結果)と、他方の管理可能な計算時間との間で良い妥協をする。いくつの運動状態が利用可能か、又は(例えばCTスキャンを提供した医療関係者により)利用可能にし得るかも、実際に決定的である。運動状態及び/又は典型的な運動シーケンスは特に実際の照射の前に、撮像処理により取得可能である。この文脈においては、特にCT方法及び/又はNMR方法、特に時間分解方式で作動する場合、が適切である。
しかし、放射線治療計画の作成のために、運動状態のサブセットも利用可能である。場合によって、放射線治療計画の質が実質的に障害されないにも関わらず、これは計算時間を相当減少することを可能にする。例えば、特に適切な運動状態のサブセットは、特に頻繁にされる、及び/又は特に長い間される、及び/又は極端な位置を表す運動状態(例えば呼吸サイクルにおける完全吸入状態及び完全吐出し状態)である。
目標線量及び/又は耐線量を、少なくとも目標ポイント体積の少なくとも一部に割り当てると特に有利である。この種類の値は、放射線治療計画の自動最適化のための特にふさわしい入力パラメータとして使用し得る。これに関連して、耐線量は、下限値及び/又は上限値の形式であっても良い。
方法において、実際に少なくとも時には及び/又は少なくとも領域においてマッピング関数としてデータマトリックスを使用すると、取扱いが特にシンプルであることが見出された。このように、(特に、解析形式の関数に関して)計算時間を一般に節約することができる。近代のコンピュータでは、具体的には、記憶ではなく、計算時間が問題である。これに関連して、数万個の目標ポイント体積を有する複雑なシステムに関しても、ただギガバイト範囲の記憶が必要なだけであり、これは現在市販のコンピュータで比較的にシンプルでコスト効果の良いように提供できる。
方法において、目標線量分布を最適化することもさらに有利である。特に、具体的に多次元的システムにおいてそれ自体が知られている最適化方法を用いて、最適化を自動化してもよい。特に、マッピング関数を用いて個別な同時ITVを直接最適化することは可能である。しかしさらに、又は代わりに、各個別な運動フェーズのそれぞれに対して、好ましくは最適化された、この運動状態における目標体積を覆うITVを決定可能である。選択されたITVの全てをこのように同時最適化するために、各ITVを、照射方向に依存しない同時目標体積に変換する変換規則を使用しても良い。その後前記体積は(再度)最適化できる。
方法の更なる有利な進歩は、少なくとも2つの運動状態及び/又は少なくとも2つの放射線入力方向を、放射線治療計画の計算の際に考慮するときに生じる。しかし、より多い数の運動状態及び/又は放射線入力の方向を考慮することが、これは一般に放射線治療計画の質を大きく改善するために有利である。
さらに、好ましくは運動する粒子ビームを使用して運動する目標体積領域を治療するための放射線治療計画を作成するためのデバイスを提案し、デバイスは上記特徴を有する方法を実行するように構成され設置される。この種類のデバイスはよって、上記の利点及び特性を、少なくとも類似した方法で含み得る。さらに、デバイスは上記の記載の意味の範囲内で、少なくとも類似した方法で開発できる。
デバイスが少なくとも1つのプログラム制御された演算ユニットを含むように構成されると、一般に特に有利である。特にコンピュータが考えられる(例えばパソコン及び/又はワークステーション及び/又は大型コンピュータ)。この種類のデバイスは、プログラムしやすく、市販ですぐに利用可能であるため、方法を実行するために特に適切であるとみられる。
以下、添付図面を参照しながら、発明を有利な実施形態としてより詳細に説明する。
、及び 複数の運動フェーズに対する、照射ポイントと目標ポイント体積の間のマッピング関数の可能な一例を示す。 、及び 異なる照射方向及び異なる放射線治療計画最適化方法を適用する際の、合計線量入力への影響を示す。 線量放出の位置の運動が存在下で、異なる組織密度の影響を示す。 放射線治療計画の作成をするために方法の図式的なフローチャートである。 プロトタイプに対する異なる種類の照射方法の線量−体積ヒストグラム(DVH)である。
図1は、照射ポイントBをチャージすることによってもたらされる異なる体積領域Vへ入力される有効線量を実装可能にする可能なマッピング関数の、ある可能な実施形態に従う一例である。この場合は、マッピング関数は(多次元の)マトリックス1の形式である。これに関連して、マトリックス1の次元は、考慮する運動フェーズの数から決定される(図1は、これらの異なる運動フェーズの「平面」をそれぞれ上下に示す)。
マッピングマトリックス1を作成するために、照射する体は、ボクセルVと知られている比較的多い数の個別な有限体積エレメントに分割される。この種類のボクセルVに分割すべき目標オブジェクトの体積領域は、実際に放射線でチャージする目標領域(例えば、治療すべき腫瘍、又は照射ファントムにおける対応する目標体積領域)より大きいように選択され、実際の目標体積領域の(内部)運動による照射すべき領域の拡大及び/又は安全マージンを考慮することによる照射すべき領域の拡大を含む。これは、放射線治療計画を作成する際に、目標オブジェクトの通常の運動を、放射線治療計画を作成するときに考慮することが得策であることが見出されたためである。このように、放射線治療医計画は、線量でチャージすべき体積領域に入力する十分な線量及びそれ自体が線量でチャージされないべき体積領域(完全に妨害することは一般に不可能であるが)に入力可能な最小線量に関して最適化できる。特に感受性の組織及び/又は別の理由で特に保護を必要とする組織(よくOARと呼ばれる‐Organs At Risk)を含む特定の体積領域への線量入力を開始することが側に妥当である。逆に、個別ボクセルVへの分割に、必ずしもオブジェクト目標領域の全体を考慮する必要はない。照射すべき目標領域が、オブジェクト全体に対して比較的小さい場合は、放射線治療計画を作成する際に遠い領域も考慮することによる計算コストの増加は、放射線治療計画の改善度には一般に比例しない。この一例としては、肺に位置する腫瘍を治療する際に、患者の足を考慮するケース(これは一般に得策ではない)が考えられる。
選択された体積のサイズ及び個別のボクセルVへの分割(正確さ)に依存して、対応するボクセルVの数nが存在する。このボクセルVの数nは、結果とするマッピングマトリックス1のサイズに影響する。
また、照射中に粒子ビームにアプローチされる照射ポイントBのセットが予め決定される。これに関連して、同様に各システム(特にx及びy偏向の変化及びz方向に対応するエネルギーの変化)を用いて物理的に届き得る全ての領域を必ずしも考慮する必要はない。それよりも、通常は治療対象の体積に得策な関係を有するパラメータのセットが使用される。これに関連して、照射ポイントBはある程度粒子ビームのパラメータに対応し、よって特にビームの偏向及び粒子ビームにおける粒子のエネルギーに対応する。これに関連して、照射ポイントBの数mもマッピングマトリックス1のサイズに影響する。個別な照射ポイントBが現在粒子ビームに「アプローチ」されたら、これは個別なボクセルVへの(又は非常に少ない数の直接互いに隣接するボクセルVへの)線量入力を引き起こすのみならず、遠く離れて位置するボクセルVにも線量の入力がある。特に、目標への途中で粒子ビームが通過する領域に位置するボクセルV(近位に位置する領域)に線量が入力される。なお、照射される組織の種類もオブジェクトにおける粒子ビームの有効距離に影響する。例えば、密度の高い組織であれば(特に水に富んだ組織)、これは粒子ビームが「静止する」までに進む経路の距離を低減する。対照的に、低密度領域がある場合、(例えば空気が詰まった口腔、例えば吸入状態の肺)粒子ビームはオブジェクトにおいて、同エネルギーでより長い距離を進む。この関連性は、以下、図3を参照しながらより詳細に説明する。
両方の効果、つまり粒子ビームの浸透深さ(そしてよって異なる材料密度を考慮して、幾何学的体積‐例えば撮像方法で決定できる‐と放射線的位置の関係)及び遠隔に配置する体積領域(ボクセルV)への線量入力はそれぞれのマトリックスエレメントMij の値に表される。よって、個別の係数Mij は、i個の照射ポイントがアプローチされる際に、j個のボクセルに入力される線量を表す。従って、該個別の係数は粒子数に関して基準化されている。放射線治療計画を作成する際に、提供される放射線治療計画はよって計算的に「テスト」され、マッピングマトリックス1を用いて得られた幾何学的体積における(ボクセルVにおける)有効分布が決定される。粒子フルーエンス(つまり、照射ポイント毎の適用粒子数)に依存して、個別係数Mij は、粒子フルーエンスに従って掛算する必要がある。
しかし、係数の分布は照射対象のオブジェクトの目標領域における(内部)運動の存在で変化する。これは、内部の運動は対応する目標領域の幾何学的変位のみならず、周囲の材料(組織)の密度変化にも至るためである。これは、それに対応する粒子ビームの浸透深さの変化にも影響する。
従って、これらの影響を考慮するために、特定の運動フェーズk(図1aにおいては運動フェーズk=1)のための個別なマッピングマトリックス1だけを使用するのではなく、むしろ、それぞれが異なる運動フェーズkを表す複数の個別マッピングマトルックス1を使用する。運動フェーズk(及び対応する目標体積領域の変化)は、例えばCT方法及び/又はNMR方法等の撮像方法を使用して事前に取得可能である。これに関連して、運動フェーズk=1...oは都合よいように選択すべきである。特に、2つの個別運動フェーズk間の運動からなる位置の変化は、個別のボクセルVの解像度(サイズ)に対して得策な比率を有するべきである。
結果としてこれは、各異なる運動フェーズk=1...oのための複数のマッピングマトリックスをもたらす。
完璧を期するためにのみ、(同次元であるにもかかわらず)必要な係数を受け入れられるように、個別のマッピングマトリックスを対応して大きくすること(つまり一般にo倍に大きく)することも可能であることに留意されたい。
完璧を期するためにのみ、この方法をゲーティング方法との組み合わせで使用すると、運動フェーズkの数を減少できることに留意されたい。ゲーティング方法においては、目標体積が特定の運動フェーズkに位置する場合にのみ線量が与えられる。当然、その後放射線治療の計画にこの運動フェーズのみを考慮する必要がある。
目標体積への粒子ビームの照射方向は、マッピングマトリックス1の係数の分布に影響する可能性がある。よって、適切であればマッピングマトリックス1は適宜に拡大する。
これに関連して、放射線治療計画中に放射線経路を計算する際に、従来技術のように個別なボクセルベクトル を、各ボクセルエレメントV、j=1...nにおける目標割り当てを表すために使用することはない。代わりに、個別なボクセルベクトル をそれぞれの運動フェーズに使用する。しかし、目標割り当てはこれに関連して変化しないため、線量の割り当ての要件は一つの運動フェーズから全ての運動フェーズに移転される。これに関連して粒子割り当て(照射ポイントB)のベクトルの長さは変わらない。マッピングマトリックスがエントリMij を有することにより、ボクセルベクトル は粒子配慮のベクトルにリンクされる。この処置は、追跡無し(及び任意的にはゲーティング無し)の照射中には、実際の目標体積は照射中にいずれの運動フェーズにあっても良いことを前提とすべき配慮に基づく。(ゲーティング方法が使用される場合、よって特定の運動フェーズに限定される。)
後続の放射線治療計画の最適化において、その後に粒子の割り当てが個別のボクセルベクトル仕様 からの目標割り当て(目標線量)の点から最適化されるように選択(最適化)するように試みられる。
これに関連して、目標の割り当ては、特に各ボクセルに対する特定の目標線量(許容の変動を含む)であっても良い。特に、目標線量及び/又は許容の変動幅に対して、特定の最小値を下に及び/又は特定の最大値を上に、提供可能である(特にOARのために)。
ここに開示する方法の主な利点は、望ましくない過量投与又は過小量投与に至らずに、この特定の多フィールド最適化が可能であることである。これは、図2に参照してより詳細に説明する。各図2a〜cは、それぞれ単一フィールド照射を左に示し、異なる方向からの放射線投与21、22での二重フィールド照射を右に示す。
図2aにおいて、線量分布6(縦線)は、縦線を通る左からの放射線入力(矢印に示される)に示される。これに関連して、目標領域7は、放射線治療計画が最適化されている参照フェーズに位置する。この参照フェーズにおいては、さらに線量入力が2つの異なる方向21、22(矢印に示される)から起こり得る。これに関連して、放射線治療計画は、図の左側にある粒子ビーム21によりもたらせられる第一の線量入力6(縦線)及び粒子ビーム22によりもたらせられる上からの第二の線量入力8(横線)がシームレスな線量入力を形成するように選択される。
現在、目標領域7において密度の減少がある場合、粒子ビーム21、22の範囲が増加する。よって、第一の線量入力6の面積が、密度の減少に対応するように「長く」なる。第一の線量入力面積6の「左端」は、目標領域7の外では密度の変化がない前提のために、変化しない。単一フィールドの場合(図の左側)、よっては目標領域7の右に位置する、それ自体がチャージされないべき材料に望まれない線量がチャージされる。この効果はすでに望ましくない。しかし、一般により大きい起こりうる不利な点である、照射する材料における過少量投与は起こらない(これは例えば癌細胞が破壊されないために癌の治療の成功率を危うくする)。
しかし、2つの異なる粒子照射方向を使用する場合、対応する線量入力フィールドだけが長くなるわけではない。第一の線量入力フィールド6の「左端」が目標領域7の中心にあるため、(及びよって密度変化が起こった領域にあるため)線量入力フィールド6の「左端」は従って変位している。これは、結果として過小量投与された領域9に至り、上記のように、癌治療の場合は大きく治療成功率を危険にする。
しかし、図2bに示される運動状態のために個別な最適化が実行されると、特に過小量投与無しに均質な照射入力を再現することができる。これは図2cに示されている。可能性としては、第一の線量入力フィールド6と第二の線量入力フィールド8の間の境界領域に(やや)強力な線量もあり得る。
図3は、また密度変化による粒子ビームの範囲の変化を示す。
第一の線において、照射する目標領域10は、3つの異なる運動状態a,b,cにおいて示されている。目標領域10において、線量でチャージする運動する目標体積11が表示されている。また、目標体積11に対して上流に近位する同様な運動する低密度領域12も存在する。
(放射線学的に)低密度領域12が粒子ビームの範囲を変化させるため、これは「粒子ビームからみて」異なる目標体積13が照射される結果となる。図3において、簡単にするために、より高い密度の領域12における体積エレメントは、粒子ビームに向かう他の組織に比べて二倍の放射線学的密度を有することを前提とする。従って、幾何学的空間における高密度領域12における1個の体積エレメントは、「放射線学的座標イメージ」における体積エレメント2個に対応する。
以上のように、放射線学的イメージにおける目標体積13は、異なる運動フェーズA,B,Cの間に相当に変化する(図3における下の線)。
図4は提案方法を簡潔にフローチャート15の形式で表す。最初は、第一のステップ16において、照射する目標領域11の幾何学的位置(及び随意的にはOAR等の照射しない領域の幾何学的位置も)が異なる運動フェーズにおいて決定される。例として、医療分野において、CT及びNMR方法はこの目的に適切である。
この情報が取得されると、照射中に照射する体積が異なる運動フェーズにおいて決定される(ステップ17)。医療分野において、これはCTV(Clinical Target Volume)と呼ばれる。これは、照射する領域において最小投与量が確実に達成されるように、一般に安全マージンにより拡大される(これによって健康な組織にある程度の損害を与え得るとしても)。
その後、ステップ18において、マッピングマトリックスが作成される(例えば図1のようなマッピングマトリックス1)。
このマッピングマトリックスを使用して、個別な「テスト放射線治療計画」が現在計算され、最適化アルゴリズムを使用して最適化される(ステップ19)。このように、最適化した放射線治療計画が最終的に取得され、ステップ20において出力される。
図5は、異なる照射方法のためのプロトタイプへの線量入力を表すDVH(線量―体積ヒストグラム)を示す。これは、肺に位置する腫瘍をシミュレーションする。DVH23は、x軸24に対して線量入力をパーセントで示し、それぞれの線量でチャージされる組織の割合がy軸25に示される。照射する組織領域の理想的な線量入力は、体積の100%及び線量の100%を表す線に沿う直角の線である。従って、照射しない組織領域の理想的な線量入力は、体積の0%及び線量の0%を表す線に沿う直角の線である。3つの照射方法(26,27,28)が表示され、各場合に照射する組織領域(26a,27a,28a)が図5の右上に示され、照射しない組織領域(26b,27b,28b)が図5の左下に示される。
線26は、多フィールドITV放射線治療計画(ITV=Internal Target Volume)を用いて得られた照射結果を表す。照射する組織領域に関する線26aから見られるように、照射する組織領域には良い線量割り当てが存在する。しかし、これは、照射しない組織領域への高い線量入力(線26b)という犠牲を払う。感受性臓器(特にOAR,Organs at risk)の場合は、これは許容できない。
OAR(この場合は心臓)を考慮する多フィールドITV放射線治療計画を用いると改善が得られる。この結果は線27から見られる。照射しない組織領域への線量入力(線27b)が大きく減少されることが明確である。しかし同時に、場合によって実際に照射する組織領域への線量割り当てがよくない(過小量投与)が存在し、これも同様に問題である(線27a)。
2つの運動フェーズ(のみ!)を考慮する場合(この場合は完全に息を吸った状態と完全に息を吐き出した状態)の多フィールドITV放射線治療計画を使用するだけで、照射する領域及び照射しない領域の両方に関するより優れた結果が得られる。これは、黒い実線28から見られる。照射する組織領域への線量割り当て(線28a)は非常に良く、照射しない組織領域への(低い)線量割り当ても非常に良い(線28b)。
1 マッピングマトリックス
2 ボクセルベクトル
3 照射ポイントベクトル
4 マトリックス係数
5 運動フェーズ
6 第一の線量フィールド
7 目標領域
8 第二の線量フィールド
9 過小量投与領域
10 目標領域
11 目標体積
12 (幾何学的)高密度領域
13 (放射線学的)目標体積
14 (放射線学的)高密度
15 フローチャート
16 ITVの決定
17 CTVの決定
18 マッピングマトリックスの作成
19 放射線治療計画の最適化
20 放射線治療計画の出力
21 左からの放射線入力
22 上からの放射線入力
23 DVH(線量−体積ヒストグラム)
24 x軸
25 y軸
26 OAR無しの多フィールドITV
27 OAR有の多フィールドITV
28 OAR及び2つの運動フェーズを有する多フィールドITV

Claims (15)

  1. ブジェクト(10)において少なくとも領域において運動する目標体積領域(11,13)を粒子ビームで照射するための放射線治療計画を作成する装置であって、前記装置は、
    記粒子ビームを照射ポイント(B)に適用することにより得られる線量入力、少なくとも1つの目標ポイント体積(V)において決定する決定手段を含み、
    前記決定手段は、
    前記運動する目標領域の複数の運動状態(k)を規定する工程と、
    前記複数の運動状態(k)のそれぞれに対して、前記運動する目標領域の幾何学的位置を決定する工程と、
    前記運動する目標領域の中に、複数の目標ポイント体積(V )を規定する工程と、
    前記複数の目標ポイント体積(V )のそれぞれについて、前記目標ポイント体積(V )に付与させられる目標線量に関する値を提供する工程と、
    前記粒子ビームで照射する前記照射ポイント(B )と、前記目標ポイント体積(V )との間のマッピング関数(1)を生成する工程であって、前記マッピング関数は、前記複数の運動状態(k)のそれぞれについて、i番目の照射ポイント(B )にアプローチする際に少なくとも1つの目標ポイント体積(V )へ入力される線量を示すデータを含む工程と、
    前記マッピング関数を使用して前記放射線治療計画を算出する工程と、を実行することを特徴とする装置。
  2. 前記粒子ビームが移動することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記マッピング関数(1)は、粒子ビーム方向における前記粒子ビームの範囲の変化に依存することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記範囲の変化は、密度の変化によりもたらされることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. 前記密度の変化は、放射線学的密度の変化であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  6. 前記マッピング関数(1)は、さらに前記粒子ビームの照射方向に依存することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  7. 少なくとも1つの目標ポイント体積(V)への線量入力を異なる照射方向について決定することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記目標ポイント体積(V)の少なくとも幾つかは、照射する目標ポイント体積(V)及び/又は照射しない目標ポイント体積(V)として分類されることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
  9. 異なる運動状態(k)における複数の前記目標ポイント体積(V)の前記放射線治療計画を計算するために、実質的に同一な照射パターンを使用することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記複数の運動状態(k)は、典型的な運動シーケンスを表すことを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の装置。
  11. 目標線量及び/又は許容線量が、少なくとも前記目標ポイント体積(V)の一部に割り当てられることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記マッピング関数(1)として、データマトリックス(1)が使用されることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の装置。
  13. 目標線量分布が最適化されることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記放射線治療計画の計算の際に、放射線入力の少なくとも2つの方向を考慮することを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
  15. 少なくとも1つのプログラム制御される計算ユニットを含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の装置。
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