JP6198954B2 - 魚用人工照明システム及び魚用照明を供給する方法 - Google Patents

魚用人工照明システム及び魚用照明を供給する方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば海中ケージ内での養殖用等の魚用の、又は他のタイプの魚の孵化場及び養魚場で使用するための照明システムに関する。
魚又は他の水性動物の自然環境における行動(挙動)は、温度、光の質、酸素濃度、水のPH等の多数の要因に依存する。特定の領域における魚の量又は魚の密度も、当該領域における環境因子により大きく決定される。高度に集中的な魚養殖は、魚種及び淡水又は海水中での発育段階に依存して行われる。例えば、現在のところ、アトランチックサーモンの生産の大部分は海用網ケージ又は海中ケージ内で行われている。
海用網ケージ又は海中ケージ等の水中ケージ及び淡水タンクにおいて、照明条件には水上又は水中に配置される人工光を使用することにより影響を与えることができる。現在のところ、魚用の応用に対しては複数の人工照明システムが利用可能である。これら人工照明システムは、蛍光灯、白熱若しくはメタルハライド電球を用いた、又は発光ダイオードを用いた光源を含んでいる。照明は、例えば、海中ケージ内又は淡水タンク上に配置される。一般的に、既知のシステムは、如何なる調光制御もなしでオン又はオフされる電灯を有している。
人工光は、例えば、海水用途では魚の成熟の防止のために、淡水用途では銀化(スモルト化)(行動)過程のために特に使用される。
使用される人工光の殆どは、白色広帯域スペクトル光であり日中の時間を拡張するために使用されるか、又は魚の松果体(松果腺)を特に目標とする青色光である。
LED照明は、メタルハライド及び蛍光灯照明等の従来の照明に対して複数の利点を有する。LED光源は狭くて良好に定まったスペクトル出力を有することができ、その光強度は広い範囲にわたって変化させることができ、異なるカラーの異なるLED光源を組み合わせてスペクトル出力の制御を行うことができ、このことは異なる目的のための適切なスペクトル及び光強度を可能にする。
米国特許第7878674号公報は、成長のために最適なスペクトル出力を持つ空間的及びスペクトル的に制御された光を供給することができる、孵化場、水族館及び光生物反応器に適用可能なLED照明システムを記載している。
既知のシステムは、使用することが困難であり、ユーザによる多くの知識及び入力を必要とする。
上記に鑑みて、魚養殖の収穫及び生産性を改善することができると同時に、ユーザに対する使い易いインターフェースを提供することができる効果的な人工照明解決策を提供することが望ましい。
本発明は、請求項により定められる。
本発明の一態様によれば、魚用照明システムが提供され、該システムは、
照明装置と、
魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を表す命令を入力する入力インターフェースと、
前記入力された命令を、前記照明装置を駆動するための照明制御信号に変換する変換ユニットと、
を有し、前記照明制御信号は前記魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を得るために前記照明装置からの出力の強度及びカラーを選択するよう適合化される。
このシステムは、ユーザが所望の魚の反応を簡単に指定することを可能にするユーザインターフェースを提供する。このシステムは、この所望の反応を照明システムのための制御信号に変換し、該照明システムは強度及びカラーの両方を制御する。該強度及びカラーは時間にわたり変化し得る。当該システムは、照明が魚の成長及び行動(挙動)に対して果たす役割の新たな見識が発見されるにつれて、追加の情報によりプログラムすることができる。このようにして、当該システムはユーザが操作するのに簡単なままとなる。
一例において、前記インターフェースは、命令を第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組の形態で入力するよう構成される。
他の例において、前記インターフェースは、魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を表す前記命令を第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組に変換するよう構成される。
このようにして、当該システムは前記所望の反応を視覚及び非視覚成分として解釈する。次いで、これら成分の組は、魚の全ての異なる行動的及び生理的反応を表すために使用することが可能な標準化されたデータフォーマットを定義するために使用することができる。この場合、このことは照明制御システムの信号への変換を可能にする。このようにして、異なる魚の反応を、基となるデータ処理を変更する必要性なしに、当該システムに対する可能な入力に追加することができる。前記座標値は、中間データセットとして機能する。
当該照明ユニットは、この場合、この中間データセットの点でも特徴付けられ得るものである。かくして、前記入力命令は魚の生態構造的挙動を表す中間データセットとして供給され又は斯かる中間データセットに変換されるので、該照明ユニットは同データセットによっても特徴付けられ得る。この中間データセットを設けることにより、新たな入力命令を時間にわたり当該システムに組み込むことができ、前記照明装置を時間にわたり調整することができる。このように、当該システムは、異なるシステムに対して又は時間にわたり進化し得るシステムに対して入力命令と照明装置との間の互換性を提供する。
例えば、前記第1座標値は昼光の間の視覚反応を表すことができ、前記少なくとも2つの座標値の組は夜間の視覚反応を表す第3座標値を更に有することができる。このように、この場合、視覚反応パラメータのために少なくとも2つの座標が、非視覚反応パラメータのために少なくとも1つの座標が存在する。前記入力インターフェースは、更に、前記魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を光強度パラメータに変換するよう構成することができる。このようにして、使用されるべき照明カラーを決定するために使用することができる一群の座標値、及び別の強度パラメータが存在する。
前記照明装置は、好ましくは、複数のLEDを有する(他の光源も使用することができるが)。
魚の所望の反応を入力することに加えて、当該システムは温度センサ及び/又は周囲光センサを更に有することができる。この構成は、光処方が温度及び周囲照明に従って調整されることを可能にする。この周囲照明は、例えば、日中の時刻を示すことができる。
本発明は、光強度分布の形態で魚用照明を供給する方法も提供し、該方法は、
魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を表す命令を入力するステップと、
前記入力された命令を照明制御信号に変換するステップと、
前記照明制御信号を用いて照明装置を駆動するステップと、
を有し、前記照明制御信号は前記魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を得るために前記照明装置からの出力の強度及びカラーを選択するように適合化される。
前述したように、前記入力された命令を変換するステップは、第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組を導出する中間ステップを有することができる。他の例として、当該方法は、これらの座標値を入力として受けることもできる。
前記入力された命令を照明制御信号に変換するステップは、
複数の光源の各々を、第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組を用いて特徴付けるステップと、
前記光源を、組み合わされた照明が前記入力された命令の又は該命令から導出された前記少なくとも2つの座標値の組に合致するように駆動するステップと、
を有することができる。
このようにして、前記光源は当該システムに対する入力から導出されるものと同じ生理的反応特性により特徴付けられる。この構成は、付加的に光スペクトルプロファイルに変換するよりも一層効果的な制御方法を提供する。
前記第1座標値は昼光の間の視覚反応を表すことができ、前記少なくとも2つの座標値の組は夜間の視覚反応を表す第3座標値を更に有することができる。前記魚の所望の行動的及び/又は生理的反応は光強度パラメータに変換することもできる。
好ましくは、前記少なくとも2つの座標値を導出するステップは、
前記魚の少なくとも1つの視覚感光色素の所望の反応を、供給されるべき前記光強度分布に対して設定するステップ、及び
前記魚の少なくとも1つの非視覚感光色素の所望の反応を、前記光強度分布に対して設定するステップ、
を有することができる。
このようにして、前記中間データセットを定める際に、魚の感光色素細胞が考慮に入れられる。例えば、前記魚の少なくとも1つの視覚感光色素の所望の反応を、供給されるべき前記光強度分布に対して設定するステップは、
桿体感光色素の所望の反応を設定するステップと、
赤色、緑色、青色及びUVの組の錐体感光色素の各々の所望の反応を設定するステップと、
を有することができる。
前記魚の少なくとも1つの非視覚感光色素の所望の反応を前記光強度分布に対して設定するステップは、第1及び第2松果体感光色素の各々の所望の反応を設定するステップを有することができる。
各々の場合において、前記所望の反応は、感度の和に対して正規化された、前記供給されるべき光強度分布と各感光色素の正規化された光吸収特性との積の周波数にわたる積分を有することができる。
所望の照明は、温度及び/又は周囲照明特性を考慮に入れることもできる。
図1は、本発明の照明システムを示す。 図2は、鱒に関する桿体感光色素及び錐体感光色素の相対的光学密度の一例を示す。 図3は、松果体光受容体の相対的光学密度の一例を示す。 図4は、所望の波長範囲にわたる光スペクトルをどの様に形成することができるかを示す。 図5は、異なる周波数特性を付与するために、どの様に異なる蛍光体を使用することができるかを示す。 図6は、所望の波長範囲にわたる光スペクトルを形成するために、どの様に1つの蛍光体変換層を青色LEDと共に使用することができるかを示す。
以下、本発明の実施態様を、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、入力インターフェースが魚の所望の行動的及び/又は生理的反応の形態の命令を入力する魚用照明システムを提供する。この命令は照明装置を駆動するための照明制御信号に変換され、該照明装置からの出力の輝度(強度)及びカラーが上記所望の魚の行動的及び/又は生理的反応を得るために時間にわたり変化される。
図1は、本発明の魚用照明システムの一例を示す。
該照明システムは、魚の所望の行動的及び/又は生理的反応12の形態で、且つ、魚のタイプ14も指定する命令を入力するための入力インターフェース10を有する。当該魚の収穫時期及び成長段階も指定することができる。
反応12は、例えば特定の期間内での成熟への成長を防止するための、当該魚の所望の成熟速度であり得る。このように、該反応は長期的成長反応を含み得る。該反応は、代わりに、繁殖周期を開始するため又は給餌するため等の、短期的反応を含み得る。
他の所望の魚の反応は、改善された飼料要求率、減少された死亡率、増加される成長率、魚色に対する影響等を含み得る。
これらの所望の反応はインターフェース10に供給され、該インターフェースは該所望の反応を変換ユニット16に供給する、該変換ユニットは、入力された命令を、照明装置18を駆動するための照明制御信号RGB,tに変換するためのものである。
照明装置18は異なる照明モジュールを有することができ、これら照明モジュールは、例えば、魚を収穫するために使用される海中ケージ内の異なる深度に配置することができる。該照明装置は、概ね均一な光点の分布を生成するために複数のモジュールを有することができる。当該照明システムは浸水型光源を有することができ、これら浸水型光源は、例えば、海中ケージの全容積にわたり均一に分布させることができる。他の例として、これら光源は水面より上に取り付けることもできる。如何なる好適な光源も使用することができる。一例はLED光源である。
光センサ19は全体の光レベルを供給することができるか、又は該センサは周囲光レベルを別々に測定することができ、当該システムにより人工光が供給されるようにする(図1に示されるように)。周囲光を検出するための光センサは、水の表面より上に配置され、周囲光データを供給することができる。このように、周囲光は水面より上で感知される光であると考えられる。
一例において、変換ユニット16は、入力された命令を標準化されたフォーマットに変換するための第1変換ユニット20(C1)を有する。これは、中間データフォーマットであると考えることができる。このフォーマットは、図1に示される変数w,x,y,z,b,c,d,Intensityを有する。これらのパラメータを以下に説明する。しかしながら、この変換は、ユーザが斯かる組の変数に基づいて所望の魚の反応を指定することができるという点で、必須ではない。このように、当該システムに対する入力は、一般的に、所望の魚の行動的及び/又は生理的反応を表す命令である。これらの命令は、次いで変数値w,x,y,z,b,c,d,Intensityへの変換を必要とする所望の結果(“6ヶ月間は成熟させない”)の形態とすることができる。他の例として、斯かる命令は当該変数組の形態とすることができる。
例えば、当該システムを利用する生物学者又は養魚業者は、飼育している魚を如何にして最良に成長させるかを見付け出すであろう。この結果、温度、栄養摂取計画及び光処方の説明書が得られる。現在の光処方は特定の期間の間に特定のタイプのランプをオン又はオフさせるという命令である。本発明のシステムは、これに代えて、当該ランプのスペクトル組成を定義し、この場合、該スペクトル組成は変数x,y,z,b,c,d及び絶対光レベルを表すIntensityを用いることにより定義することができる。このように、養殖業者又は生物学者は、これらの変数を当該照明システムに対する入力として供給することができる。
もし使用される場合、第1変換ユニット20はプロセッサ及びメモリを有し、該メモリは時間にわたり新たな可能性のある魚の反応及び魚種により更新することができる。このように、新たな理解が得られたら、当該システムは簡単にアップグレードすることができる。しかしながら、当該魚の反応は常に標準化されたフォーマットに変換されるので、光制御信号への後の変換は同じ処理を用いることができる。上記第1変換ユニットは、例えば、所望の魚の反応から中間データフォーマットへ変換するためのルックアップテーブルを構成することができる。
一例において、上記標準化されたフォーマットへの変換は、図1に示されるように日付(季節及び日中の長さに関する情報を与える)、温度、酸素レベル(主に孵化場の場合)及び周囲光レベルを考慮に入れることができる。上記の標準化されたフォーマットは、静的で、命令が実行されている間にそのまま有効であるか、又は時間にわたりパラメータの動的進化をもたらすこともできる。この進化は、魚のタイプのみならず、成長段階、魚を淡水から海水に移動させる所望の時点及び所望の収穫時期にも依存し得る。
このように、結果としての標準化されたデータセットは、魚の生態構造に関係する項目で表されてはいるが所望の照明条件を意味している(後に説明する)。該データは、照明装置18に対してRGB制御信号を発生する照明コントローラ24に供給される。図示されたように、当該LED照明装置からは該照明コントローラ24へのフィードバック25が存在し、該照明コントローラは該照明装置の実際の可能性のある出力色域を考慮して前記所望の光出力に対して最も近い可能性のある実際の光出力を導出するようにする。更に、フィードバック25は個々の光モジュールの光出力特性が同一のパラメータx,y,z,b,c,d,Aの項目で表されることを可能にする。
照明装置18に対する光(照明)制御信号は時間パラメータを含み、該照明制御信号は時間にわたり該照明装置からの光出力の輝度及びカラーを変化させて、前記所望の魚の行動的及び/又は生理的反応を得るよう適合化させることができる。
前記パラメータx,y,z,b,c,dは、例えば、パラメータ当たり1又は2バイトを用いてエンコードすることができる。照明コントローラ24は同じパラメータを用いて照明装置18と通信する。
この照明装置18の各ランプに関して、カラーポイント(又は色域)及び絶対光レベルは照明コントローラ24により分かっている。これらの値は、照明コントローラ24に事前にプログラムすることができるか、又は該照明装置のランプから双方向通信により取り込むことができる。該照明装置は、フルカラーの可制御LED照明又は従来の固定若しくは調光可能なランプを有することができる。
カラーポイントは、(x,y,z,b,c,d),Aカラー空間で入力することができるか、又は(x,y,z,b,c,d),Aカラー空間内の値に変換することができ、このカラー空間を用いて該照明装置を制御することができるようにする。
照明コントローラ24は、個々のランプを制御することにより前記光処方に最も近いカラーポイント及び光レベルを形成する。当該カラー制御が可能なランプは所望のカラーポイントを入力し、最適なセットポイントを独立に計算する。該最適さは、当該ランプのエネルギ効率に基づくものとすることができるか、又は異なるランプに跨がる負荷のバランスに基づくものとすることができる(同一のカラーポイントには異性により2以上の方法で到達することができることに注意されたい)。
人間と丁度同様に、魚は輝度及び波長の点で光に対して固有の感受性を有している。魚の光に対する感受性は、種によって及び発育状態に従って変化する。従って、魚は、発育を支援し、海水適応を最大にするために成長の間に異なる光の強度及び波長を必要とする。
更に、同じ成長段階内において、魚は日中の長さ(光周期作用)及び季節、水温、水中の酸素レベル等の異なる環境パラメータにより影響を受ける。季節内の時期及び一日における時刻に依存して、魚は異なる摂食パターン及び挙動を持つ。しかしながら、魚は光に応答してのみ行動するのではなく、温度等の他の環境要因も重要な役割を果たす。
既知のシステムにおいて、照明は当該魚の固有の成長フェーズを支援及び最大限に生かすための正確な照明条件(輝度及びカラーの両方における)に近いものを生成することはない。
本発明は、異なるタイプの照明装置、照明制御装置、光センサ、温度センサ等の間の複雑な通信を管理する必要性を回避しながら、照明処方が当該魚に施されることを可能にする。
本発明は、所望の魚の行動的及び/又は生理的反応を表す命令の形で入力を行うことにより、ユーザに対して当該システムを簡単化する。この所望の反応は、“魚の行動空間”とも考えることができる標準の組の魚反応パラメータとして供給される(又は斯かるパラメータに変換される)。これが、図1における中間パラメータの組である。
上記パラメータの組は、前記光処方制御及び実施が一層容易になされることを可能にすると共に、該制御が当該照明装置及び他の構成部品の技術的構成に余り依存しないようにさせ得る。
上記“魚の行動空間”を定義することにより、正しい組み合わせしか計算及び発生する必要がない。同一の組み合わせを、異なる照明装置により異なるスペクトルを用いて使用することができる。このようにして、所要の及び/又は所望の照明条件を発生するための最も効率的な方法を用いることができる。これは、エネルギ効率、費用効果及び人間工学的要件にさえも基づくものとすることができる。このように、“魚の行動空間”は、光に対する当該魚の反応を予測すると共に異なる成長段階における異なる魚種のための光処方を定義するために使用することができるパラメータに関するものである。
当該照明装置の光のスペクトルは、当該ランプの正確な光のスペクトルについての詳細な知識なしに、所望の光のカラー及び強度を通知することにより制御することができる。例えば、フィードバック制御を実施するために、光センサ19を結果としてのスペクトルを測定するために使用することができる。このように、当該LEDコントローラは、図1に示されるデータフィードバック25に代えて光フィードバックを用いることができる。
上記“魚の行動空間”のフィーチャは、魚に供給される光のスペクトル組成を、生理的吸収及び反応/行動特性から導出される該魚の生理機能に関係する単位で表すことができることである。当該システムは、魚養殖者、魚類生理学者及び生物学者とランプ製造者との間の簡単化された情報伝達を可能にする。
前記所望の魚の行動的及び/又は生理的反応は:
(i)異なるスペクトル組成を持つ異なるタイプのランプを使用することにより特性の目標(例えば、一層短い成長サイクル、ストレスの無い魚、魚及び水産養殖の品質の向上、攻撃性の低減等)を達成するために使用することができる。その実施は、当該制御を照明装置及び他の構成部品の技術的構成に余り依存しなくさせる。
(ii)他の魚種に対する又は同じ魚種の他の成長段階に対する光処方を定義すべく、光に対する当該魚の反応を予測するために使用することができる。
(iii)成長光のための動的スペクトル制御を行うために使用することができる。光センサを、光スペクトルを測定するために使用することができ、周囲昼光組成に基づいて人工光のスペクトル組成を定めるために前記座標を用いることができる。当該制御系は、当該ランプの正確な光スペクトルについての詳細な知識無しで、正しい座標を通知することにより照明装置の光スペクトルを制御することができる。光源は、結果としてのスペクトルを測定することができ、その結果を通知することができる。
前記中間パラメータの組を導出し、これにより“魚行動空間”を定義するために、魚に関する固有の行動反応を記述することができる。これらの反応は、魚の生態構造、特に種々の光受容体等の該魚の光応答性細胞から生じる。
所与の光強度分布に対しては所与の光受容体による特定のレベルの検出が存在し、次いで、この検出が対応する魚の生理的反応を引き起こす。
他の脊椎動物と同様に、魚は2つの種類の光受容体センタを有している。即ち、
(i)主に視覚に関連される視覚光受容体、及び
(ii)生理的変化又はバイオリズム変化につながる非視覚的光受容に関係する松果体、副松果体、脳深部及び他の光受容体である。
視覚光受容体の一部は、食物、光の方向、捕食動物を見るために使用され得る。松果体及び脳深部光受容体は例えば光周期情報の伝達に関係することが知られている。松果体光受容体はメラトニンホルモンを生成する。メラトニン生成は、明暗(LD)サイクルにおける暗部に限定され、概日及び/又は光周期行動の調節に重要な役割を果たす化学信号を供給する。
メラノプシン光受容体は、網膜及び、恐らくは、脳深部が共に光周期情報を視床下部/下垂体系に直接伝達することを含み、複数の経路を介して光周期情報を伝達することに関わり得る。
“魚行動空間”として機能する図1に示された中間パラメータの組は、これらの異なる効果の組み合わせを表している。
このパラメータの組を利用することにより、本発明は魚の成長、発育及び安寧さを刺激するために人工光を制御する新たな方法を提供する。
上記“魚の行動空間”のパラメータの組は、アプリケーションの設備で使用される照明装置の正確なスペクトル特性とは可能な限り独立した照明条件に関する情報伝達を可能にする。本発明は殆どの魚(淡水及び海水の両方の)に対して使用することができる。
図示されたシステムの例は、可変光分布(即ち、強度及びスペクトル)の正確な内容を、一日の時刻、自然光又は供給されている人工光以外の光の光強度及び光分布、魚種、魚の成長段階及び収穫時期の関数として供給することができる。
前記“魚行動空間”は光に対する複数の異なる魚の反応を考慮する。
(i)視覚反応は光の方向、食物、捕食動物の視覚認知に関係する。これらの視覚作用のために使用される感光色素は、主に、350〜400nmのUV帯域(380nmにピーク)、410〜470nmの青色帯域(435nmにピーク)、470〜550nmの緑色帯域(530nmにピーク)及び550〜650nmの橙-赤色帯域(580nmにピーク)にグループ化される。これらは、所謂A1系(ロドプシン)及び所謂A2系(ポルフィロプシン)に関連される。
しかしながら、A1/A2比は網膜位置、水温、日中の長さ、回遊習性、ホルモン組成等に伴い変化する。色素の割合は全ての種に対して同一ではなく、加えて、季節を通して又は年齢に伴い一定には留まらない。
視覚反応は、錐体感光色素により決定され、以下では積分Aに関連して参照される昼間視覚反応、及び桿体感光色素により決定され、以下では積分Bに関連して参照される夜間視覚反応の間で分けられる。
図2の(a)は可視光スペクトルに対する桿体感光色素のスペクトル感度を示す一方、図2の(b)は可視光スペクトルに対する4つの異なる細胞タイプの錐体感光色素のスペクトル感度を示す。錐体のスペクトル感度は種毎に相違し得る。
図2において、生の吸収データは記号により表され、適合方程式はラインにより表されている。
(ii)非視覚的バイオリズム反応は非視覚的光受容に関係するが、例えば、概日及び/又は光周期行動の調節に限定されるものではない。日の出の直前及び間に並びに夕暮れに発生する色の遷移を検出することが有益であり、これは、実際に概日リズムの調節を決定する松果器官の神経内分泌活動のための開始又は停止信号に関する情報を提供する。
2つの松果体感光色素が存在し、第1のものは463nmに吸収ピークを有する一方、第2のものは561nmに吸収ピークを有する。
図3は、松果体感光色素の相対光学密度を示す。各曲線は自身の最大光学密度に正規化されている。
これらの松果体感光色素とは別に、目及び脳深部の両方に見付かるメラノプシン並びに副松果体光受容体等のバイオリズムを調節する他の光受容体も存在する。更に、バイオリズム又は他の生体内作用を調節することに貢献する他の光受容体も存在する。
以下に説明するシステムは、これらの更なる特性は考慮に入れてはいないが、ここに記載される本発明のシステムは追加の反応をカバーするよう拡張することができる。
本出願で詳細に説明する本発明のシステムの例は、視覚昼光、視覚夜間及び松果体作用に関係する少なくとも3つの次元を用いる。これらの反応は、一緒になって、異なる状況における照明条件の記述を可能にする。このようにして、“魚の活動空間”を定義するために使用される座標は、少なくとも或る量の視覚活動及び或る量の松果体活動を表す。
各行動(活動)座標は、入射光スペクトルの各波長に関して特定の光受容体の相対感度を計算し、これらの相対量を全ての関連する波長にわたり合計することにより導出することができる。
このようにして、特定の活動に対する全ての貢献度が光の全ての関連する波長に関して組み合わされる。当該光の異なる波長における強度は、加重された貢献度を生じさせる。
これらの原理に基づく“魚の行動(活動)範囲”の一例を示す。
第1パラメータWは、UV錐体感光色素の反応(応答)を表す。前述したように、特定の光強度分布I(λ)に対して、所与の波長における該感光色素の感度UV(λ)は該波長における光強度により乗算され、該乗算結果は可視光スペクトル300nm〜800nmにわたって合計される:
第2パラメータXは、赤色椎体感光色素の反応を表す。
第3パラメータYは、緑色椎体感光色素の反応を表す。
第4パラメータZは、青色椎体感光色素の反応を表す。
全体の視覚反応は:
と定義することができる。
この全体的反応は:
と定義することにより、他の値を正規化するために使用することができる。
第4座標は他の3つの組み合わせから導出され得るので、カラーポイントは3つの次元(x,y,z)のみを用いることにより決定されることに注意されたい:
このように、カラーポイント(x、y、z)は、絶対光強度のためのAと一緒にして、魚の目における受容体の昼光反応を記述するのに十分である。勿論、Aと一緒のx,y,z及びwの如何なる他の組み合わせも用いることができる。
錐体光受容体は、しばしば、スペクトルの一部を吸収するために色素を持つ油滴を含み、吸収スペクトル間の重なりが低減されると共に、最小限の色差が検出されるようにする。補償は、関連する色素の吸収スペクトルを用いて補償することにより実行され得る。
例えば、青色感光色素の場合:
である。
これは、吸収層を考慮するために感光色素感度関数Blue(λ)に対する修正を行う。もし必要なら、同様の修正を他の関数に適用することができる。
桿体感光色素の感度に対応する視覚夜間光の場合、下記の関数が定義される:
同様のアプローチが、2つのピーク光学密度において松果体により調節されるバイオリズムにも当てはまる:
これらの方程式において、A(Visual daylight)はW,X,Y,Z座標の関数として表現され、これは人の視覚の場合におけるのと同様である。I(λ)はワットで定義される。この例において、バイオリズム関連パラメータは松果体の表現のみを含み、将来においては、副松果体及びメラノプシン表現にも拡張することができる。
正規化関数を形成するために、全ての反応は昼光反応Aに関連させることができる。これは、昼光スペクトルが全ての他のスペクトル反応との重なりを有するからである:
このことは、昼間座標系は視覚カラー値及び全体の光強度に関する値Aに関係する6つの次元(b,c,d,x,y,z)を有し得ることを意味する。前述したように、Wは値A,x,y,zから導出可能である(A=W+X+Y+Zであり、W=A(1−x−y−z)であるからである)。
このように、パラメータ(B,C,D,W,X,Y,Z)の全ては、魚の六次元相対カラー空間内で描くことができる。
この表現を用いることにより、値(x,y,z)は魚のカラー知覚を説明し、(b,c,d)座標は、bも潜在意識的知覚に相関される場合、潜在意識的行動を表す。
光のレベルはA値で表される。特定のA値より下では(x,y,z)値は意味を有さないことに注意されたい。
図1に示されたように、中間座標系は、これらの値(x,y,z,b,c,d,A)を有している。
一例において、照明装置18は380nm〜700nmの全可視範囲をカバーするLEDを含む。
光強度範囲は、種の光感度により決定される。例えば、鮭は450〜550nmの範囲内の青色及び緑色波長に対してピーク感度を有し、光周期は全体の魚の可視スペクトルにより決定される。鮭に必要とされる最小光強度レベルは、魚/松果体レベルで0.016W/cm2である。
図1に示されたように、中間パラメータの組は照明コントローラ24により使用される。
パラメータx,y,z,b,c,dにおいて、全ての値は1に正規化される。これらの値は照明装置のスペクトル組成を定義するために使用される。
魚のスペクトル反応曲線に基づいた(スペクトル関数に基づく代わりに)パラメータを用いることにより、魚の成長に関係する光処方を定義することができる。このパラメータの組を用いて定義される場合、異性(異なるスペクトルであるが同一の魚反応特性を持つ光源)は同一のカラーポイントを有するであろう。反応は種依存的であるが、それにも拘わらず、魚活動空間は所望のランプスペクトル特性を定義する好適な一般的方法を提供する。
当該魚活動空間は、海洋生物学者及び養魚者が、光スペクトルに関してではなく魚の反応に関して魚の成長のための光処方を記述することを可能にする。
前述したように、カラー空間は6つの次元(x,y,z,b,c,d)及び全光レベルのためのAにより表すことができる7次元空間である。6次元は表すことが困難であるので、昼光視覚は4次元カラー空間(x,y,z)+Aにより別途表すことができ、全体反応(日中視覚は1つの値として表される)は(b,c,d)+Aとして表される。
このようにして、2つの三次元カラー空間が全光レベルAにより相互に関連付けられる。
正規化の結果として、各値(x,y,z,b,c,d)は0と1との間の値を有する。
必要とされる照明制御信号を導出するために、個々の制御可能なランプは、座標空間(x,y,z,b,c,d),Aを持つカラーポイントとして表される。2つの光源(例えば、LED)は2つのカラーポイントを有するであろう。
これら2つのカラーポイントが(x,y,z,b,c,d),A及び(x,y,z,b,c,d),Aである場合、これらカラーポイントの間のラインを該組み合わされた2つの光源の新たなカラーポイントを定義するために用いることができる:
複数の光源の場合も、計算は同様に:
となる。
全体の光レベルは総和である:
当該制御可能な照明システムにおいて、これらのA値は制御(調光)することができる。全出力は光源1に対してA1を付与し、50%の調光レベルにおいて光出力は0.5*A1となる。
このように、照明ドライバは個々の光源に対する制御信号の組み合わせを実質的に定め、これらの光出力特性の和が所望のデータセット(x,y,z,b,c,d),Aを生じるようにする。
異なる感光色素に関して反応スペクトルには大きな重なりが存在するので、特定のカラーポイントを正確に実現することはできないであろう。特に、パラメータ(b,c,d,x,y,z)は独立ではない。例えば、カラーポイント(1,0,0,0,0,0)を持つ光源は存在しない。
昼光視覚系において、上記重なりは最小であるので、魚が視覚的に区別することができる何らかのカラーを形成するためには、単に4つのカラー(UV、青色、緑色、赤色)が必要とされるだけである。これは、人が区別することができる殆どのカラーを形成するために3つのカラーを必要とする人の目に対するカラー空間(2D馬蹄形配置での)と等価である。試みのための等価物は4つの光源を必要とするであろう。しかしながら、白色光を形成するために単色光源を使用することは、劣った演色を生じさせる。広帯域スペクトルの光源を使用することは、カラーポイントの制御は余り良くないが、広いスペクトルを形成する能力が一層良くなる。このように、光源の選択にはトレードオフが存在する。
魚のカラー視覚の場合、3Dカラー空間内ではあるが、類似の馬蹄形が存在する。
夜間視覚及び松果体反応は、魚の場合は視覚カラー空間内にあるが、ピーク及びスペクトル幅が相違する。閾値も相違する。このように、カラーポイントのみならず光のレベルも実際の反応において役割を果たし、光処方の一部となるであろう。
他の反応に関して、カラー空間は互いに交差及び重なり合って折り返された表面を持つ複雑な形状である。このことは、全く異なる有色光が魚の意識的行動に対して同じ効果を生じ得ることも意味する。
このような理由で、異なる光受容体反応に関するパラメータで光を定義する本発明の方法は、光源を制御する際の柔軟性及び実施の容易さを可能にするための最適なパラメータの組を提供する。
一層多くの異なるカラーの光源が使用されるほど、カラーポイントについての一層多くの制御が存在する。最低限、当該システムは魚のカラー反応空間において(即ち、値x,y,z,b,c,dにより特徴付けられる場合)異なるカラーポイントを持つ少なくとも2つの光源を必要とする。これら光源のうちの少なくとも1つは、該魚カラー反応空間における上記2つのカラーポイントの間のライン上のカラー設定点に到達するために調光することができなければならない。
前述したように、当該システムは、所望の魚の行動的及び/又は生理的魚反応の形態で命令を入力し、これを“魚行動空間”パラメータに変換することができるか、又は“魚行動空間”値を該システムに入力することができる。最も簡単な実施化例において、上記“魚行動空間”は所望の視覚的反応(第1パラメータとして)及び所望のバイオリズム反応(第2パラメータとして)を含むことができる。当該照明システムのインターフェース部は、所与の照明システムにより適用することができる一群の光設定値を入力する。上記“魚行動空間”内において、光設定値は上記第1及び第2パラメータ並びに光強度パラメータにより表される。
当該照明システムは、次いで、調整可能な強度及び/又はスペクトルを有する各ランプのパワーを調整することにより制御される。好ましい実施化例において、前記“魚反応空間”は少なくとも3つの座標値(第1次元で視覚昼光を表す第1座標、第2次元で視覚夜間光を表す第2座標、及び第3次元でバイオリズム反応を表す第3座標)を有する。光強度パラメータは、所望の魚の反応に関連する全光出力から導出される。
望まれ得るタイプの照明制御の幾つかの例を説明する。
養魚者の1つの狙いは、一層良好な飼料摂取により成長を改善すると共に飼料要求率(feed conversion rate)を改善することにより、魚の成長を改善することであり得る。このことは、前述したように当該魚の視覚、松果体及び脳深部光受容体の両方を標的とすることにより達成することができる。これらの全ての光受容体の感度を組み合わせることにより、適切な魚用のカラーが420nm〜650nmの範囲内で定義される。魚が餌を見ることができることも重要であり、光が魚の代謝及びバイオリズムに対して影響を有するという対比も関連する。
このように、1つの結果としての所望の光出力は、420nm〜650nmの間のスペクトルの少なくとも50%を有し得る。このカラーは、青色、白色及び緑色LEDの組み合わせを用いることにより供給することができる。
図4は、これをどの様に行うことができるかの一例であり、緑色LEDのスペクトル40、青色LEDのスペクトル42、及びこれらが広帯域白色スペクトルと組み合わされた場合の結果的スペクトル44を示している。
LEDは、蛍光体を用いた直接光変換と共に使用することができる。使用することができる蛍光体の例は、GaドープYAG、LuAg、LuGaG、SSONe、β-SiAlON、BOSE/OSEである。
独立に又は組み合わせで使用することができる蛍光体の幾つかの例の放射スペクトルの例が、図5に示される。プロット50はネモトYAG370Al20蛍光体(ガリウムドープガーネット: (GaxY1-x)3Al5O12:Ce)であり、プロット52はLuGaAG蛍光体(ガリウムドープLuAG: (GaxLu1-x)3Al5O12:Ce)であり、プロット54はSrGa2S4:Eu蛍光体(チオガリウム酸塩)であり、プロット56はLuAG lumiramic蛍光体(セラミックLuAG)である。
他の例として、420nm〜650nmの所要のスペクトルを供給するために遠隔蛍光体変換層を青色LEDとの組み合わせで使用することができる。
使用される遠隔蛍光体は、図5に示されるタイプのものであり得る。
ネモトから得られるGaYAG蛍光体(タイプ370Al20)を用いて供給されるカラーの一例が、図6に示されている。該蛍光体の組み合わせは、魚の視覚スペクトルを目標とすると共に水の吸収による光の損失を低減するように適応化されている。
図6において、魚に関連する光60は帯域420〜650nm内にある。より短い波長領域62は強い水による吸収を受ける一方、より長い波長領域64は目又は松果体感度を有さない。
幾つかの状況においては、鮭及び他の魚種に対して、藍(deep blue)/近紫外放射を持つSAE(アルミン酸ストロンチウム・ユーロピウム)等の他の蛍光体を使用することができる。例えば、鮭が稚魚、小魚及び幼魚等の淡水段階にある場合、これら鮭は藍及びUV光を知覚する。
前述したように、当該光制御の1つの用法は性的成熟を抑制することである。この目的のためには、光強度が0.012〜0.016W/mより高くなければならないことが分かった。
本発明は、適応的光制御方法を用いる水産養殖(養魚)にとり主に関心のあるものである。本発明は、例えば魚、軟体動物、海老等を含む淡水及び海水の水産養殖にとり関心のあるものである。
前記入力インターフェースは、視覚的又は非視覚的光に関係付けられた発育の必要性又は行動反応等の特定の所望の魚の反応を処理することにより魚の反応を表す一群のパラメータを計算する。
図1のシステムはデータ処理機能を実行する。この目的のために、コントローラを使用することができる。斯かるコントローラのために採用することができる要素は、これらに限定されるものではないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。
種々の実施化例において、プロセッサ又はコントローラは、RAM、PROM及びEEPROMなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ等の1以上の記憶媒体と組み合わせることができる。斯かる記憶媒体は、1以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行された場合に所要の機能を実行する1以上のプログラムによりエンコードすることができる。種々の記憶媒体は、プロセッサ若しくはコントローラ内に固定することができるか、又は記憶された上記1以上のプログラムをプロセッサ若しくはコントローラにロードすることができるように可搬型とすることができる。
当該照明装置は、好ましくは、LEDを有する。しかしながら、もっと一般的に言うと、輝度、放射又はこれら両方を調整することができる如何なる照明装置を使用することもできる。
LEDが使用される場合、これらは固体LEDとすることができるが、オプションとして有機LEDとすることもできる。固体LEDと有機LEDとの組み合わせも適用することができる。“LED”なる用語は、複数のLEDにも関係し得る。従って、2以上のLEDのLEDパッケージ等のように、単一のLED位置に複数のLEDを配置することもできる。
LEDを使用することの主たる利点は、光のスペクトル組成を所望のスペクトルに密に合致するよう制御することができることから生じる。LEDを使用することは、エネルギ消費及び関連する費用の低減も期待させる。
LEDは固体デバイスであるので、固体LEDはデジタル制御システムに容易に組み込むことができ、複雑な照明プログラムを容易にする。
尚、当業者であれば、請求項に記載された本発明を実施するに際して、開示された実施態様に対する他の変形例を図面、本開示及び添付請求項の精査から理解し、実施することができる。また、請求項において“有する”なる文言は他の要素及びステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。また、請求項における如何なる符号も当該範囲を限定するものとみなしてはならない。

Claims (15)

  1. 照明装置と、
    魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を表す命令を入力する入力インターフェースであって、前記命令を第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組の形態で入力するか、又は前記命令を第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組に変換する入力インターフェースと、
    前記座標値を、前記照明装置を駆動するための照明制御信号に変換する変換ユニットと、
    を有し、
    前記照明制御信号が前記魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を得るために前記照明装置からの出力の強度及びカラーを選択するように適合化される
    魚用照明システム。
  2. 前記第1座標値が昼光の間の視覚反応を表し、前記少なくとも2つの座標値の組が夜間の視覚反応を表す第3座標値を更に有する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記入力インターフェースが更に、
    光強度パラメータを入力するか、又は
    前記命令を光強度パラメータに変換する、
    請求項2に記載のシステム。
  4. 前記照明装置が複数のLEDを有する、請求項1ないし3の何れか一項に記載のシステム。
  5. 温度センサ、及び/又は
    周囲光センサ、
    を更に有する、請求項1ないし4の何れか一項に記載のシステム。
  6. 用照明を供給する方法であって、
    魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を表す命令を第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組として入力するか、又は魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を表す命令を入力すると共に該入力された命令から第1座標値が視覚反応を表す一方第2座標値がバイオリズム反応を表す少なくとも2つの座標値の組を導出するステップと、
    前記座標値を照明制御信号に変換するステップと、
    前記照明制御信号を用いて照明装置を駆動するステップと、
    を有し、
    前記照明制御信号が前記魚の所望の行動的及び/又は生理的反応を得るために前記照明装置からの出力の強度及びカラーを選択するように適合化される
    方法。
  7. 前記座標値を照明制御信号に変換するステップが、
    複数の光源の各々を、該複数の光源からの照明が前記入力された命令の又は該命令から導出された前記少なくとも2つの座標値の組に合致するように駆動するステップと、
    を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1座標値が昼光の間の視覚反応を表し、前記少なくとも2つの座標値の組が夜間の視覚反応を表す第3座標値を更に有する、請求項6又は請求項7に記載の方法。
  9. 光強度のパラメータを前記命令の一部として入力するか、又は前記命令を光強度のパラメータに変換するステップと、
    前記光源を、前記光強度を供給するように駆動するステップと、
    を更に有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記魚の少なくとも1つの視覚感光色素の所望の反応を、供給されるべき光強度分布に基づいて設定するステップ、及び
    前記魚の少なくとも1つの非視覚感光色素の所望の反応を、前記光強度分布に基づいて設定するステップ、
    により、前記少なくとも2つの座標値の組が得られる、請求項6ないし9の何れか一項に記載の方法。
  11. 前記魚の少なくとも1つの視覚感光色素の所望の反応を、前記光強度分布に基づいて設定するステップが、
    桿体感光色素の所望の反応を、前記光強度分布に基づいて設定するステップと、
    赤色、緑色、青色及びUVの組の錐体感光色素の各々の所望の反応を、前記光強度分布に基づいて設定するステップと、
    を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記魚の少なくとも1つの非視覚感光色素の所望の反応を前記光強度分布に基づいて設定するステップが、
    第1及び第2松果体感光色素の各々の所望の反応を、前記光強度分布に基づいて設定するステップ、
    を有する、請求項10又は請求項11に記載の方法。
  13. 前記所望の反応の各々が、前記視覚感光色素及び前記非視覚感光色素の感度の和に対して正規化された前記光強度分布と、前記視覚感光色素及び前記非視覚感光色素の正規化された光吸収特性との積による所定の範囲の周波数にわたる積分により表される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記所望の反応の各々が、前記桿体感光色素及び前記錐体感光色素の感度の和に対して正規化された前記光強度分布と、前記桿体感光色素及び前記錐体感光色素の正規化された光吸収特性との積による所定の範囲の周波数にわたる積分により表される、請求項11に記載の方法。
  15. 前記所望の反応の各々が、前記第1及び前記第2松果体感光色素の感度の和に対して正規化された前記光強度分布と、前記第1及び前記第2松果体感光色素の正規化された光吸収特性との積による所定の範囲の周波数にわたる積分により表される、請求項12に記載の方法。
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