以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラおよび撮影レンズの中央断面図、図1(b)はこのデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。図1(a)および図1(b)では、同一の符号が付してあるものはそれぞれ対応している。
図1(a)において、1はカメラ本体、2はカメラ本体1に装着されるレンズユニット、3はレンズユニット2に内蔵された撮影光学系を形成するレンズ、4は撮影光学系の光軸、6は撮像素子である。また、9は背面表示装置、11はカメラ本体1とレンズユニット2の電気接点、12はレンズユニット2に設けられたレンズシステム制御部、14はクイックリターンミラー、16はカメラ本体1に設けられたファインダ表示部である。
図1(b)は撮像装置であるデジタルカメラおよびレンズの電気的構成を示すブロック図である。カメラ本体1およびレンズ2からなるカメラシステムは、撮像系、画像処理系、記録再生系、制御系を有する。撮像系は、撮影光学系3 、撮像素子6を含み、画像処理系は、画像処理部7を含む。また、記録再生系は、メモリ部8、背面表示装置9を含み、制御系は、カメラシステム制御回路5、操作検出部10、およびレンズシステム制御回路12、レンズ駆動部13を含む。レンズ駆動部13は、焦点レンズ、ブレ補正レンズ、絞りなどを駆動することができる。なお、本実施形態のカメラでは、一定の周期で撮像素子6の信号を取得することにより動画を生成する。
撮像系は、物体からの光を、撮影光学系3を介して撮像素子6の撮像面に結像する光学処理系である。撮像素子6の表面(撮像素子上)にはマイクロレンズが格子状に配置されており、いわゆるマイクロレンズアレイ(以下 MLA)を形成している。MLAは本実施形態において、光線制御手段を構成する。MLAの機能や配置の詳細については図2を用いて後述する。後述するように、撮影素子6からピント評価量/適切な露光量が得られるので、この信号に基づいて撮影光学系3が調整されることで、適切な光量の物体光を撮像素子6に露光するとともに、撮像素子6の近傍で被写体像が結像される。
画像処理部7は、内部にA/D変換器、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、補間演算回路等を有しており、記録用の画像を生成することができる。また、本実施形態の要部である、現像手段、像シフト手段、像生成手段、コントラスト評価手段、相関計算手段等を含めることもできる。なお、本実施形態ではこれらの要素はカメラシステム制御回路5内に配置する場合を想定している。
メモリ部8は実際の記憶部に加えて記録に必要な処理回路を備えている。メモリ部8は、記憶部へ出力を行うとともに、背面表示装置9に出力する像を生成し、保存する。また、メモリ部8は、予め定められた方法を用いて画像、動画、音声などの圧縮を行う。
カメラシステム制御回路5は撮像の際のタイミング信号などを生成して出力する。また、外部操作に応動して撮像系、画像処理系、記録再生系をそれぞれ制御する。例えば、不図示のシャッターレリーズボタンの押下を操作検出部10が検出して、撮像素子6の駆動、画像処理部7の動作、メモリ部8の圧縮処理などを制御する。さらに情報表示を行う背面表示装置9の各セグメントの状態を制御する。
制御系による光学系の調整動作について説明する。カメラシステム制御回路5には画像処理部7が接続されており、撮像素子6からの信号を元に焦点位置、絞り位置を求める。カメラシステム制御回路5は、電気接点11を介してレンズシステム制御回路12に指令を出し、レンズシステム制御回路12はレンズ駆動部13を制御する。さらにレンズシステム制御回路12には不図示の手ぶれ検出センサが接続されており、手ぶれ補正を行うモードにおいては、手ぶれ検出センサの信号を元にレンズ駆動部13を介してブレ補正レンズを制御する。
本実施形態の要部である撮像素子制御手段、コントラスト評価手段、現像面制御手段はカメラシステム制御回路5に備えられている。また、現像手段は画像処理部7に備えられている。さらにレンズ制御手段は、カメラシステム制御回路5、電気接点11、レンズシステム制御回路12およびレンズ駆動部13からなっている。
図2は、本実施形態における撮影光学系の要部を説明する図である。本実施形態を実施するためには、いわゆる光線空間情報等といわれる光線の位置に加えて角度の情報を取得する必要がある。本実施形態では、角度情報の取得のために撮影光学系3の結像面近傍にMLAを配置するとともに、MLAを構成する1つのレンズに対して複数の画素を対応させている。
図2(a)は撮像素子6とMLA20の関係を模式的に示す図である。図2(b)は撮像素子の画素とMLAの対応を示す模式図である。図2(c)はMLAによってMLA下に設けられた画素が特定の瞳領域と対応づけられることを示す図である。
図2(a)に示すように撮像素子6上にはMLA20が設けられており、MLA20の前側主点は撮影光学系3の結像面近傍になるように配置されている。図2(a)は撮像装置の横からと、正面からMLAを見た状態を示しており、撮像装置正面から見るとMLAのレンズが撮像素子6上の画素を覆うように配置されている。なお、図2(a)ではMLAを構成する各マイクロレンズを見やすくするために、大きく記載したが、実際には各マイクロレンズは画素の数倍程度の大きさしかない。実際の大きさについては図2(b)を用いて説明する。
図2(b)は図2(a)の装置正面からの図を一部拡大した図である。図2(b)に示す格子状の枠は、撮像素子6の各画素を示している。一方MLAを構成する各マイクロレンズは太い円20a,20b,20c,20dで示されている。図2(b)から明らかなようにマイクロレンズ1つに対して複数の画素が割り当てられており、図2(b)の例では、5行×5列=25個の画素が1つのマイクロレンズに対して設けられている。すなわち、各マイクロレンズの大きさは画素の大きさの5倍×5倍の大きさである。
図2(c)は撮像素子6を、マイクロレンズの光軸を含みセンサの長手方向が図の横方向になるように切断した図である。図2(c)の21,22,23,24,25は撮像素子6の画素(1つの光電変換部)を示している。一方図2(c)の上方に示した図は撮影光学系3の射出瞳面を示している。実際には、図2(c)の下方に示したセンサの図と方向を合わせると、射出瞳面は図2(c)の紙面垂直方向になるが、説明を分かりやすくするために投影方向を変化させている。また、図2(c)においては説明を分かりやすくするために、1次元の投影/信号処理について説明する。実際の装置においては、これを容易に2次元に拡張することができる。
図2(c)の画素21,22,23,24,25は図2(b)の21a,22a,23a,24a,25aとそれぞれ対応する位置関係にある。図2(c)に示すように、マイクロレンズ20によって各画素は撮影光学系3の射出瞳面上の特定の領域と共役になるように設計されている。図2(c)の例では画素21と領域31が、画素22と領域32が、画素23と領域33が、画素24と領域34が、画素25と領域35がそれぞれ対応している。すなわち画素21には撮影光学系3の射出瞳面上の領域31を通過した光束のみが入射する。他の画素も同様である。結果として、瞳面上での通過領域と撮像素子6上の位置関係から角度の情報を取得することが可能となる。
ここで後ほどの説明を簡単にするために記号を導入する。図2(c)に示すように、撮像素子6の画素ピッチをΔx、角度分解能をΔθとする。さらに角度の分割数をNθ(図3の例ではNθ=5)とする。画素ピッチは撮像素子6の形状によって決定され、Δθは光線の角度を取得する範囲と角度分割数Nθで決定される。すなわち、物理的な構造(撮像素子6およびMLA20の構造)のみによってこれらのパラメータは決定される。
本実施形態に示した撮影光学系を利用して、撮像素子6の信号からピント状態の良い記録画像を得るとともにレンズ駆動信号を得る処理について図3、図4、図5及び図6を用いて説明する。
図3は本実施形態の撮像装置の撮像動作を説明するためのフローチャートである。図3(a)は動画撮影全体の動作を、図3(b)はコントラストAF手段の動作を、図3(c)は現像手段の動作をそれぞれ示している。また、図3(d)は像シフト手段の動作を、図3(e)は像生成手段の動作を、図3(f)はコントラスト評価手段の動作を、図3(g)は現像面制御手段の動作をそれぞれ示している。
図3(a)を用いて動画撮影について説明する。ステップS1は動画撮影の開始と対応しており、図1(b)の操作検出部10によってユーザの操作を検知して動画撮影開始が指示された場合に該当する。
ステップS2からステップS11はループを形成している。つまり、ユーザからの動画撮影終了の指示、または機器から動画撮影終了の指示(バッテリー残量が規定値以下、記録メディア残量が規定値以下、時間的な制限、発熱によるシャットダウン等が該当)があるまでいわゆる無限ループを形成する。
ステップS3は画像取得であり、設定された時間間隔(いわゆるフレームレート)で撮像素子6から画像信号の取得を行う(取得された画像をフレームと呼ぶ)。フレームレートは事前にユーザによって設定される。
ステップS4はフォーカスキーフレームか否かを判断する。ここでのフォーカスキーフレームとはピント検知を行うフレームのことを指す。動画撮影を行うシステムにおいて、フォーカス検知は演算負荷が大きいため、適当なフレームごとに行うことが多い。例えば、30フレーム/秒で0.5秒刻みにピント検知を行うには15フレームごとにフォーカスキーフレームを設定すれば良い。この時のフォーカスキーフレーム頻度は被写体の移動速度などに依存して設定すれば良い。なお、一般的には高速に移動する被写体の場合は細かく検知して、低速の場合は粗く検知すれば良い。移動速度の上限をモード設定などから規定して、被写界深度との関係から設定する。ステップS4においてフォーカスキーフレームである場合にはステップS5に、フォーカスキーフレームでない場合にはステップS7に進む。
ステップS5ではコントラストAFルーチンを呼び出し、ピント状態の良い記録画像が得られる現像面の情報を得る。コントラストAFルーチンについては図3(b)を用いて後述する。
ステップS6では現像面制御ルーチンを呼び出し、現在のフレームにおいてピント状態の良い記録画像が得られる現像面を決定する。現像面制御ルーチンについては図3(g)を用いて後述する。
ステップS7では前回のフォーカスキーフレームでのピント状態の良い記録画像が得られる現像面の情報およびレンズ制御手段の状態を元に、現在のフレームにおいてピント状態の良い記録画像が得られる現像面を決定する。ステップS8ではステップS6およびステップS7で決定した現像面で画像の生成を行う。
ステップS9ではレンズ制御ルーチンを動作させる。動画撮影においてはピント状態が急激に変化することは品位を損ねる。そのため微小なピントずれの場合はゆっくりとフォーカスレンズを駆動してピント調整を行うことが望ましい。ステップS9はこれを制御するブロックである。具体的には、ステップS5で得られたピント状態の良い記録信号が得られる現像面と、現在の撮像素子の存在する面との差を予め設定された速度で埋める動作を行う。動作の詳細は、図6を用いて後述する
ステップS10は画像のバッファ/圧縮/記録を行う。連続して得られたフレームを適当にバッファしながら予め定められた符号化方式によって圧縮し、メモリ部8へ記録する。
ステップS12は動画撮影の終了に対応している。図3(a)においては画像の取得終了と同時に圧縮/記録等も終了しているが、これは説明を分かりやすくするためであり、必要に応じて後処理(Exifの設定等)を施しても良い。
図3(b)を用いてコントラストAFルーチンについて説明する。ステップS13はコントラストAFルーチンの動作開始を示している。ステップS14からステップS17はループを形成しており、予め定められた評価位置に現像面を設定して画像の評価を行う。図5の例で、−2,−1,0,+1,+2というピント位置を設定していることと対応している。
ステップS15は現像ルーチンを呼び出し、設定された現像面での像を生成する。ステップS16はコントラスト評価ルーチンを呼び出し、ステップS15で得られた像のコントラスト値からピント評価値を得る。コントラスト評価ルーチンの詳細については図3(f)を用いて後述する。
ステップS18では各現像面のピント評価値からピント評価値が最良となる現像面(コントラストが最大となる現像面)を選択してピント状態の良い記録画像が得られる現像面として出力する。ステップS19で呼び出し元のステップS5に戻る。
図3(c)を用いて現像ルーチンについて説明する。ステップS26は現像ルーチンの動作開始を示している。
ステップS27では像シフトルーチンを呼び出し、取得した像を通過した瞳情報(入射角度の情報)をもとに、現像面に適した量シフトさせる。なお、呼び出し元ステップS8ではステップS6およびステップS7で設定された面、呼び出し元ステップS15ではステップS14からステップS17のループで設定されるピント評価面に像を生成する必要があるのでその面、を現像面と称している。像シフトルーチンの詳細については図3(d)を用いて後述する。
ステップS28では像生成ルーチンを呼び出し、ステップS27でシフトさせた像を重ね合わせる(画素信号を加算する)ことで現像面での像を得る。これによりいわゆる現像がなされる。像生成ルーチンの詳細については図3(e)を用いて後述する。ステップS29において、呼び出し元のステップS8またはステップS15に戻る。
本実施形態においては、像のシフトと加算によって現像を行う方法を例示したが、光線情報を利用して、像を取得した面とは異なる面で像を生成する方法であればどのような方法でも現像ルーチンとして利用することが出来る。
図3(d)を用いて像シフトルーチンについて説明する。ステップS31は像シフトルーチンの動作開始を示している。ステップS32からステップS35はループを形成している。ステップS32では瞳分割数に応じた数だけループ計算が実行される。例えば、図2に示した例では、5x5=25個に分割されていたので、25個のそれぞれの瞳位置に応じた計算がなされる。図5を用いて後述するように、像の再構成を考えると同じ再構成面であっても入射角度が異なると像をシフトさせる量が異なる。これを反映させるためのループである。
ステップS33では各画素とそれに対応する瞳領域の情報をもとに、評価を行っている現像面での各瞳領域での像シフト量を計算する。図2を用いて説明した様に、瞳分割手段として動作するマイクロレンズアレイ20と画素の対応は固定的であり撮影状態によって変化することは無い。この撮像素子6上の各画素とMLAとの対応関係が記憶されており、各画素がどの瞳領域の光線を受光しているかが分かっているのでこれを活用している。
ステップS34では同じ瞳領域を通過した光束(同じ入射角の光束)を受光した画素の信号をシフトさせる。同じ入射角の光線を得ている画素は例えば図2(b)の25aと25bが該当する。このような画素がMLAを構成するマイクロレンズの数だけ存在している。像シフトルーチンについては、後に図4を用いて図解も行う。ステップS36において、呼び出し元のステップS27に戻る。
図3(e)を用いて像生成ルーチンの動作の詳細を説明する。ステップS41は像生成ルーチンの動作開始を示している。
ステップS42では、ステップS45での加算のための領域のデータを初期化(0で埋める)する。この時のデータ領域の大きさはMLAの数分あれば良く、データの階調は元のデータの階調と瞳分割数の積を格納できるだけあれば都合がよい。例えば元のデータが8bitで25分割の場合、13bit(>8bit+log225)あればデータの桁あふれを考慮する必要が無い。
ステップS43からステップS47はループを形成している。ステップS43ではMLAを構成するマイクロレンズの数に応じてループ計算が実行される。例えば、図4に示した例では、元の撮像素子の画素数÷25(瞳分割数)がマイクロレンズの数となる。
ステップS44からステップS46はループを形成している。ステップS44では、瞳分割数に応じた数だけループ計算が実行される。例えば、図4に示した例では、5x5=25個に分割されていたので、25個のそれぞれの瞳位置からの光束がステップS45で加算される。シフト量が画素の整数倍でない場合は、加算ステップS45において、内分されながら加算される。重なっている面積に応じて加算すればよい。像生成ルーチンについては、後に図4を用いて図解も行う。ステップS48において、呼び出し元のステップS28に戻る。
図3(f)を用いてコントラスト評価ルーチンの動作の詳細を説明する。ステップS51はコントラスト評価ルーチンの動作開始を示している。
ステップS52では、コントラスト評価を行う評価枠の大きさを設定する。評価枠の大きさの設定は、小さすぎると被写体の局所的な特徴のみを評価することになり評価値が不安定になる場合があり、大きすぎると狙った被写体にピントを合わせにくくなる。撮影光学系の焦点距離などに応じて設定すれば良い。
ステップS53からステップS57はループを形成している。このループは評価枠の大きさに対応したループになっており、本実施形態ではコントラスト評価は1方向で行いその他の方向は加算される。
ステップS54は帯域通過フィルタ(BPF)であり、コントラスト評価を行うのに適した周波数帯の信号を選択的に取り出す。ここでいう周波数とはいわゆる空間周波数に対応しており、被写体像の明暗信号の細かさに対応している。これは、時間方向の一般的な周波数とは異なるものである。
ステップS55はステップS54の出力に対してピークホールドを行う。ステップS56ではステップS55の出力を積分する。ステップS54からステップS56の演算によって被写体像に含まれる特定の周波数帯の信号の大まかなコントラスト値(良い近似値)を簡易な計算で得ることが可能となる。ステップS58で積分値をコントラストの評価値として設定する。ステップS59で呼び出し元のステップS16に戻る。
図3(f)を用いて現像面制御ルーチンについて説明する。ステップS61は現像面制御ルーチンの動作開始を示している。
ステップS62は以下に示す式(1)を計算する。
z=z0+f(zAF−zL) …(1)
ただし、fは現像ルーチンでの現像面への写像を表す演算子であり、z0は撮影光学系3の空中結像面に対応する現像面である。zAFはフォーカスキーフレームで得られた空中結像面に対応する現像面からピント状態の良い記録画像が得られる現像面への距離であり、zLはフォーカスキーフレームからのピント調整量である。
詳細は図6を用いて後述するが、式(1)によりピント状態の良い記録画像が得られる現像面を選択することが可能となる。またfは現像ルーチンでの現像面への写像であるが、現像ルーチンが連続した現像面で現像可能な場合はそのままの値を返し、不連続な現像面で現像可能な場合は最も近い現像面の値を返すような写像である。本実施形態では説明を分かりやすくするために不連続な現像面で現像を行うように図4、図5および図6を記載しているが、その他の面で現像可能としても本実施形態の要部に影響は無い。ステップS63は現像面としてステップS62で求めたzを設定する。ステップS64で呼び出し元のステップS6またはステップS7に戻る。
次に図4を用いて像シフトおよび像生成を模式的に示し、像の再構成によるコントラスト計算の有用性について述べる。図4は上から(a)、(b)、(c)と並んでいる。そして、図4(b)は撮像素子6が存在して画像を取得した面を、図4(a)は図4(b)よりも物体側の再構成面(再構成面1とする)を、図4(c)は図4(b)よりも物体から遠い側の再構成面(再構成面2とする)をそれぞれ示している。
図4(b)において、X1,i、X2,i、X3,i、X4,i、X5,i、はそれぞれ瞳領域1、2、3、4、5を通過してマイクロレンズXiに入射して得られたデータを示している。すなわち、添え字のうち前半は通過する瞳領域を、後半は画素の番号を示している。また、図4においても説明を簡単にするためにデータを1次元的な広がりしかもたないものとして記述している。物理的な位置との関係においては、X1,iは図2(c)の領域21から得られるデータを、X2,iは図2(c)の領域22から得られるデータを、以下添え字の3、4、5は領域23、24、25に対応していることを示している。
取得面での画像を生成するためには、図4(b)にあるように、マイクロレンズXiに入射したデータを加算すればよい。具体的には、Si=X1,I +X2,i+X3,i+X4,i+X5,iでXiに入射した光の角度方向の積分値を得ることができる。これにより通常のカメラと同様の像が生成される。
次に再構成面1での像の生成方法を考える。図2で説明したように、本実施形態の撮影光学系は、各画素に入射する光束を特定の瞳領域に限定しているために、入射角度が既知である。この角度に沿って再構成面での各画素の位置を再構成する。具体的にはX1,iのように瞳領域の添え字が1のものは図4右側において41に示すような角度で入射しているとする。以下瞳領域の添え字2,3,4,5はそれぞれ42,43,44,45に対応しているとする。この時再構成面1でのマイクロレンズXiに入射した光束は、取得面においては、Xi-2からXi+2に分散して入射していることになる。より具体的には、X1,i-2、X2,i-1、X3,i、X4,i+1、X5,i+2に分散している。Xiに限らず再構成面1での像を復元するためには、入射角度に応じて像をシフトさせて加算すれば良いことが分かる。再構成面1での像を生成するためには、瞳領域の添え字が1のものは右に2画素シフト、瞳領域の添え字が2のものは右に1画素シフト、瞳領域の添え字が3のものはシフトなし、瞳領域の添え字が4のものは左に1画素シフト、瞳領域の添え字が5のものは左に2画素シフトすることで入射角度に応じたシフトを与えることができる。
その後図4(a)の縦方向に加算することで再構成面1でのデータを得ることができる。具体的には、Si=X1,i-2+X2,i-1+X3,i+X4,i+1+X5,i+2で再構成面1において、Xiに入射した光の角度方向の積分値を得ることができる。これにより再構成面での画像が得られた。
ここで、再構成面1において、Xiに輝点があったとすると、取得面においてはX1,i-2、X2,i-1、X3,i、X4,i+1、X5,i+2に分散していわゆるボケ状態にある。しかしながら、上述した再構成面1での像を生成すると、再びXiに輝点が生成されコントラストの高い像が得られる。すなわち像を再構成してコントラストを計算することで、いわゆるコントラストAFを行うことが可能となる。
また、図4(c)から分かるように、再構成面2においても再構成面1と全く同様に像を生成することができる。再構成面を配置する方向が異なると(物体に対して反対側という意味)シフトさせる方向を反転させれば良いだけである。
図3および図4を用いて説明した様に、画像を1度しか読みださずに、像を再構成してコントラスト評価を行うことでピント状態の良い記録画像が得られる現像面を得ることは可能である。
図5を用いてフォーカスキーフレームでの動作を説明する。図5の上段は横軸に時間をとって時間的に連続するフレーム51,52,53,54,55のうち53がフォーカスキーフレームであることを示している。ここでフォーカスキーフレームとは図3で説明した様にピント検知を行うフレームのことを指す。
図5の中央において、53a,53b,53c,53d,53eはそれぞれフォーカスキーフレーム53から再構成された像を示している。フォーカスキーフレーム53を抜き出して(フレーム53は、図3(a)のステップS4でYesの判断をしてステップS5に進むという意味)、現像面を変化させて現像して複数の像を生成する動作を示している。これは図3(b)に示したループS14からS17において現像面を変化させてステップS15によって現像された像を得る動作と対応している。
図5の下段は横軸に現像面(ピント位置、図4に示したように再構成の現像面を変えることとピント位置を変えることは等価)、縦軸にコントラスト評価値をとったグラフであり、図3(b)に示したステップS16で得られる評価値をグラフ化している。図5の下段において63a,63b,63c,63d,63eはそれぞれ再構成像53a,53b,53c,53d,53eのコントラスト評価値を、64はコントラスト評価値を結ぶ近似曲線を、65は近似曲線64の極値(ピーク)をそれぞれ示している。また図5の中央から図5の下段に向けて伸びた破線は同じ現像面での画像と評価値の対応であることを示す線である。
図5の例ではピント状態を5つ変化させてコントラスト評価値を得る例を示している。5つという数は例示であって複数で有ればいくつでも良い。ただし、コントラストに基づくピント検知のため一般的には3つ以上の点で計算を行う。またピント状態は−2,−1,0,+1,+2というように示したが(それぞれ再構成像53a,53b,53c,53d,53eに対応)、これはピント状態(現像面)が異なることを示す指標であって物理的な意味をもつものではない。つまり現像面に対応するシフト量を示しているものではなく、図3(b)のループS14からS17のループカウンタに対応するものである。ただし、この数字の順にピント状態が異なっていることを示している。図4の例で説明すると再構成面1、取得面、再構成面2の順に例えば−1,0,+1に対応させる。0という値は、現在の撮影光学系のピント位置(撮影光学系の設計上の空中結像面を現像面にする位置)に設定されている。
図5の例ではピント:0の位置よりもピント:+1に近い位置にコントラストが最大となる位置がある場合を想定して図示した。これは例えば被写体がカメラに向かって近づく(または遠ざかる)場合に対応しており、フォーカスキーフレーム取得の瞬間においては若干ピント位置がずれていることを示している。このとき図3(b)のコントラストAFルーチンはピント評価値が最良となる現像面として図5の65の位置を出力する。これが式(1)のzAFとなる。またこのフレームでピント評価値が最良となる現像面を計算し直したので式(1)のzLをリセットして0に戻す。
その結果、図3(a)のステップS6(フォーカスキーフレームでのピント検知直後の現像面制御ルーチン)においては、zAFはステップS5で得られた値、zL=0、として処理され結果として図5の65の位置を現像面として指定する。
次に図6を用いてフォーカスキーフレーム以降、次のフォーカスキーフレームまでの動作を説明する。図6の上段は図5と同様で横軸に時間をとって時間的に連続するフレーム52,53,54,55,56,57,58のうち53がフォーカスキーフレームであることを示している。図6の下段は縦方向に現像面(ピント位置)、横方向にフォーカスキーフレーム位置においてはコントラスト評価値、その他の位置においては時間をとって示した。
図5と図6で同じ番号を付した物はそれぞれ対応しており、フォーカスキーフレーム53においてピント評価値が最良となる現像面は、63c,63dの間にあり65で示されている。また81はフォーカスキーフレーム53におけるピントのずれ量を、82,83,84,85,86はそれぞれフォーカスキーフレーム53からフレーム54,55,56,57,58までのピント調整量である。また、82aはフレーム54におけるピント調整の残り量である。
また図6においてフレーム53,54,55,56,57,58から縦に伸ばした破線は同じ時間であることを示す線である。さらにピント−2,−1,0,+1,+2の下から右方向に延びる実線は現像面の位置を示す。フォーカスキーフレーム53以降フレーム58まで実線が傾斜しているのは、後述するようにレンズ制御ルーチンによってピント調整が行われ、画像処理での現像面位置が変化していることを示している。
この時レンズ制御ルーチンは、いわゆるピントがずれた状態にあるのでこれを補正する方向に動作する。ただし、前述した様に動画においてはゆっくりとフォーカスレンズを駆動してピント調整を行うことが望まれるのでピントのずれ81を直ちに修正するのではなく時間を掛けて(数フレーム以上にまたがって)修正する。この様子を図6は模式的に示している。
フォーカスキーフレーム53でピントのずれ81が検知されるので、レンズ制御ルーチンはレンズを動かすべき方向と量を直ちに判断できる。これをレンズ駆動部13を利用して予め定められた速度以下にピント調整速度を調整しながら、ピントのずれが少なくなるようにピント調整を行う。また明らかに、ピント状態の良い記録画像を得るための計算(65の位置を得る計算)を行うことで、レンズ駆動するための信号を得ることが出来る。
図6の例ではフォーカスキーフレーム53からフレーム54までに移動した量を82で、フォーカスキーフレーム53からフレーム55までに移動した量を83で、以下同様にフォーカスキーフレーム53からフレーム58までに移動した量を86で図示した。すなわちピント調整量82,83,84,85,86は式(1)のzLに対応している。なお、当然ではあるがzLはフレームごとに変化する値である。また、図6の例では86と81は同じ量でありフレーム58でピント調整が完了したことを示している。レンズ制御ルーチンは、図6の例のようにピント調整を行い、調整が完了すると撮影光学系3の調整を停止させる。
フレーム54を例にとって説明する。このフレームまでに82に対応するピント調整が完了している。この時式(1)を考えると、(zAF−zL)によって図6のピント調整残り量82aが計算される。すなわち、フォーカスキーフレーム53から光学系によってのピント調整が82に対応する分進んだので、画像の再構成によるピント調整は、ピント調整残り量82aに対応するように行えばよいことを示している。
以下のフレームにおいても同様の計算を繰り返す。フレーム58以降においては(zAF−zL)=0となり、撮影光学系3の空中結像面を現像面として像の再構成を行えばよい。
本実施形態によると、動画撮影中にピント状態の良い記録画像を得るとともにレンズ駆動信号を得ることを可能にした撮像装置を提供することが可能となる。
なお、本発明の要部は、像の再構成によってピント調整可能な撮像装置に適用可能であり、多眼カメラなどの他の形態で視差像を得る(光線空間情報を得る)場合においても本発明を適用することが出来る。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。