以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、システム10の利用環境の一例を示す。システム10は、複数のカメラ100a〜100d、および、複数の無線アダプタ30a〜30dを備える。カメラ100a〜100dは、互いに同様の機能および構成を有する。無線アダプタ30a〜30dは、互いに同様の機能および構成を有する。カメラ100a〜100dを、カメラ100と総称する場合がある。また、無線アダプタ30a〜無線アダプタ30bを、無線アダプタ30と総称する場合がある。無線アダプタ30は、通信機能を有する電子機器の一例である。カメラ100は、撮像装置の一例である。カメラ100のそれぞれには無線アダプタ30が接続される。カメラ100に接続された無線アダプタ30を、カメラ100に付した符号の添え字で識別する。カメラ100は、無線アダプタ30を通じて互いに無線通信を行う。
システム10において、カメラ100aはマスターカメラとして動作するよう設定され、カメラ100b〜100dはリモートカメラとして動作するよう設定されている。カメラ100aは、ユーザ50がレリーズボタン20を押し込んだ場合に撮像動作を開始するとともに、カメラ100b〜100dに対し無線信号によって撮影を指示する。カメラ100b〜100dは、撮影を指示する無線信号を受信した場合に、カメラ100aにおける撮像動作と連動して撮像を行う。これにより、カメラ100b〜100dは、カメラ100aにおける撮像動作と連動して撮像を行う。このように、カメラ100は、いわゆる連動レリーズ機能を有する。
ここで、カメラ100b〜100dは、例えば画像データを記録する不揮発性の記録媒体の空き容量が、撮像により生成される記録用の画像データのデータ量より小さくなった場合等に、撮影することができない旨を示す撮影不可信号を無線信号で送出する。カメラ100b〜100dは、撮影を指示する無線信号をカメラ100aから受信したか否かにかかわらず、撮影不可信号を無線信号で送出する。カメラ100aは、カメラ100b〜100dに対し撮影を指示したか否かにかかわらず、カメラ100b〜100dの少なくとも一つから撮影不可信号を受信した場合に、カメラ100aを操作するユーザ50に警告する。システム10によれば、ユーザ50は、カメラ100aと連動して撮影動作を行うべきカメラ100b〜100dが撮影できるか否かを、容易に知ることができる。
図2は、カメラ100のシステム構成の一例を、無線アダプタ30の構成の一例とともに模式的に示す。カメラ100は、レンズ交換式カメラの一例としての一眼レフレックスカメラである。まず、カメラ100のシステム構成の概要を説明する。
カメラ100は、交換レンズ120、カメラ本体130および無線アダプタ30を備える。交換レンズ120は、レンズマウント接点121を有するレンズマウントを備え、カメラ本体130は、カメラマウント接点131を有するカメラマウントを備える。レンズマウントとカメラマウントとが係合して交換レンズ120とカメラ本体130とが一体化されると、レンズマウント接点121とカメラマウント接点131とが接続される。レンズMPU123は、レンズマウント接点121およびカメラマウント接点131を介してカメラMPU133と接続され、相互に通信しつつ協働して交換レンズ120を制御する。
交換レンズ120は、レンズ群122、レンズ駆動部124およびレンズMPU123を有する。被写体光は、交換レンズ120が有する光学系としてのレンズ群122を光軸に沿って透過して、カメラ本体130に入射する。メインミラー150は、レンズ群122の光軸を中心とする被写体光束中に斜設される斜設状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。
メインミラー150が斜設状態にある場合、メインミラー150は、レンズ群122を通過した被写体光束の一部を反射する。メインミラー150により反射された被写体光束はファインダ部156に導かれて、ユーザに観察される。ユーザは、ファインダ部156を通じて構図等を確認することができる。ファインダ部156は、光学ファインダとして機能してよい。ファインダ部156は、被写体光束に基づく被写体像とともに、種々の情報を被写体像に重畳してユーザに提示してよい。ファインダ部156は、いわゆる電子ビューファインダとして機能してもよい。
斜設状態におけるメインミラー150の光軸近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。メインミラー150の光軸近傍領域を透過した被写体光束は、サブミラー151で反射されて、合焦センサ142へ導かれる。合焦センサ142は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子列を有する。光電変換素子列は、合焦状態にある場合には位相が一致した信号を出力し、前ピン状態または後ピン状態にある場合には、位相ずれした信号を出力する。位相のずれ量は、焦点状態からのずれ量に対応する。合焦センサ142は、光電変換素子列の出力を相関演算することで位相差を検出して、位相差を示す位相差信号をカメラMPU133に出力する。
レンズ群122の焦点状態は、カメラMPU133等の制御により、合焦センサ142からの位相差信号を用いて調節される。例えば、位相差信号から検出された焦点状態に基づき、カメラMPU133によってレンズ群122が含むフォーカスレンズの目標位置が決定され、決定された目標位置に向けてレンズMPU123の制御によってフォーカスレンズの位置が制御される。具体的には、レンズMPU123は、一例としてフォーカスレンズモータを含むレンズ駆動部124を制御して、レンズ群122を構成するフォーカスレンズを移動させる。このように、メインミラー150がダウンして斜設状態にある場合に、位相差検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。合焦センサ142は、被写体像の特定の領域に対応してそれぞれ設けられ、特定の領域のそれぞれにおいて焦点状態を調節することができる。
メインミラー150が被写体光束から退避すると、サブミラー151はメインミラー150に連動して被写体光束から退避する。メインミラー150が退避状態にある場合、レンズ群を透過した被写体光束は、撮像素子132の受光面に入射する。
撮像素子132は、撮像部として機能する。撮像素子132は、レンズ群122を通過した被写体光束により被写体を撮像する。撮像素子132としては、例えばCCDセンサ、CMOSセンサ等の固体撮像素子を例示することができる。撮像素子132は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子を有しており、複数の光電変換素子でそれぞれ生じた蓄積電荷量に応じたアナログ信号をA/D変換器134に出力する。A/D変換器134は、撮像素子132から出力されたアナログ信号を、画像データを表すデジタル信号に変換して出力する。撮像素子132およびA/D変換器134は、カメラMPU133からの指示を受けた駆動部140により駆動される。
A/D変換器134がデジタル信号で出力した画像データは、揮発性メモリの一例としてのSDRAM136に記憶される。SDRAM136の少なくとも一部のメモリ領域は、画像データを一時的に記憶するバッファ領域として使用される。撮像素子132が連続して撮像した場合、順次に出力される画像データはバッファ領域に順次に記憶される。撮像素子132が連続して撮像することにより得られた複数の画像データは、連続する静止画の画像データ、または、動画を構成する各画像の画像データとして、バッファ領域に順次に記憶される。なお、動画を構成する画像の画像データを、特にフレームと呼ぶ場合がある。SDRAM136は、ASIC135において動画を処理する場合にフレームを一時的に記憶するフレームメモリとしても機能する。
ASIC135は、SDRAM136に記憶された画像データを処理する。ASIC135は、画像処理機能に関連する回路等を一つにまとめた集積回路である。画像処理としては、記録用の画像データを生成する処理、表示用の画像データを生成する処理、自動焦点調節(AF)用の画像データ処理等を例示することができる。ASIC135は、SDRAM136の少なくとも一部のメモリ領域を画像処理用のワークエリアとして使用して画像処理を行う。ASIC135は、例えば、欠陥画素補正、ホワイトバランス補正、色補間処理、色補正、ガンマ補正、輪郭強調処理等の画像処理を行う。
ASIC135は、画像データを、規格化された画像フォーマットの画像データに変換して出力する。例えば、ASIC135は、静止画の画像データを、JPEG等の規格に準拠した符号化形式で符号化された静止画データを生成するための画像処理を行う。また、ASIC135は、複数のフレームを、H.264、MPEG2、Motion JPEG等の規格に準拠した符号化方式で符号化された動画データを生成するための画像処理を行う。ASIC135は、生成した静止画データ、動画データ等の画像データを、不揮発性の記録媒体の一例としての外部メモリ160に転送して記録させる。外部メモリ160としては、フラッシュメモリ等の半導体メモリを例示することができる。
ASIC135は、記録用の画像データの生成に並行して、表示用の画像データを生成する。再生時においては、ASIC135は、外部メモリ160から読み出された画像データから表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、表示制御部137の制御に従ってアナログの信号に変換され、液晶ディスプレイ等の表示デバイスとしての表示部138に表示される。また、画像の表示と共に、もしくは画像を表示することなく、カメラ100の各種設定に関する様々なメニュー項目も、表示制御部137の制御により表示部138に表示することができる。ASIC135は、表示制御部137を制御して、メニュー項目を表示部138に表示させる。
また、ASIC135は、AF処理用のコントラスト量を検出する処理を担う。具体的には、ASIC135は、画像データからコントラスト量を検出してカメラMPU133に供給する。例えば、ASIC135は、光軸方向の異なる位置にフォーカスレンズを位置させて撮像することにより得られた複数の画像データのそれぞれからコントラスト量を検出する。カメラMPU133は、検出されたコントラスト量とフォーカスレンズの位置とに基づいて、レンズ群122の焦点状態を調節する。例えば、カメラMPU133は、コントラスト量を増大させるようフォーカスレンズの目標位置を決定して、レンズMPU123に、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズの位置を制御させる。このように、メインミラー150がアップして退避状態にある場合に、コントラスト検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。このように、カメラMPU133は、ASIC135およびレンズMPU123と協働して、レンズ群122の焦点調節を行う。
カメラ100は、上記に説明した制御を含めて、カメラMPU133およびASIC135により直接的または間接的に制御される。カメラ100の動作に必要な定数、変数等のパラメータ、プログラム等は、システムメモリ139に格納される。システムメモリ139は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM、EEPROM等により構成される。システムメモリ139は、パラメータ、プログラム等を、カメラ100の非動作時にも失われないように格納する。システムメモリ139に記憶されたパラメータ、プログラム等は、SDRAM136に展開され、カメラ100の制御に利用される。カメラ本体130内の、ASIC135、SDRAM136、システムメモリ139、表示制御部137、カメラMPU133、外部メモリ160は、バス等の接続インタフェース145により相互に接続され、各種のデータをやりとりする。
操作入力部141は、ユーザ操作を受け付ける。操作入力部141は、レリーズボタン20の他、電源スイッチおよび各種操作ボタン等のキーを含む。また、操作入力部141は、タッチパネル等として表示部138と一体に実装された入力部材を含んでよい。カメラMPU133は、操作入力部141が操作されたことを検知して、操作に応じた動作を実行する。例えば、カメラMPU133は、レリーズボタン20が操作された場合に、レリーズ動作を実行するようカメラ100の各部を制御する。例えば、カメラMPU133は、撮像の動作モードが単写モードに設定されている場合に、レリーズボタン20が押し込まれたときは、一つの静止画を撮像するようカメラ100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、撮像の動作モードが連写モードに設定されている場合、レリーズボタン20が押し込まれている間、連続して静止画を撮像するようカメラ100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、操作入力部141の一部としての動画ボタンが操作された場合に、例えばローリング読み出しで撮像素子132に対する読み出しを行うようカメラ100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、タッチパネルとして実装された入力部材が操作された場合に、表示部138に表示されたメニュー項目および操作内容に応じた動作をするよう、カメラ100の各部を制御する。
カメラ本体130および交換レンズ120の各要素ならびに外部メモリ160は、電源170から電力供給を受ける。電源170としては、カメラ本体130に対して着脱できる例えばリチウムイオン電池等の二次電池、系統電源等を例示することができる。二次電池は電池の一例であり、電池とは、実質的に充電することができない非充電式の電池を含む。
カメラMPU133は、電源の状態を検出して、電源の状態に応じてカメラ100の各部を制御する。例えば、カメラMPU133は、電源170が二次電池であるか否か等の電源の種別を判断する。また、カメラMPU133は、電源170が二次電池である場合に、二次電池の容量、残存容量等の電源の状態を検出する。カメラMPU133は、検出した残存容量に応じてカメラ100の各部を制御する。なお、二次電池の容量として、完全充電された二次電池から取り出すことができる電気量としての放電容量、定格容量等を例示することができる。
通信IF180は、カメラMPU133の制御に従って、無線アダプタ30と通信する。通信IF180は、他のカメラ100へ送信されるべき送信データを、通信接続端子181を介して無線アダプタ30へ出力する。また、通信IF180は、無線アダプタ30が他のカメラ100から受信した受信データを、通信接続端子181を介して取得する。通信IF180は、取得した受信データをカメラMPU133へ出力する。
無線アダプタ30は、カメラ本体130に着脱可能に設けられる無線通信アクセサリである。無線アダプタ30は、通信接続端子31、通信IF32、MCU34、無線通信部36および発光部38を含む。
通信接続端子31は、通信接続端子181に接続される。通信IF32は、通信接続端子31を介して、通信IF180から出力された送信データを取得する。通信IF180が取得した送信データは、MCU34の制御により無線通信部36に出力される。無線通信部36は、取得した送信データを変調して無線信号として送信する。例えば、無線通信部36はアンテナを有し、アンテナを介して外部空間に無線信号を放出する。また、無線通信部36は、例えばアンテナを介して無線信号を受信して復調する。無線通信部36で復調されて生成された受信データは、MCU34の制御により通信IF32へ出力される。通信IF32は、取得した受信データを、通信接続端子31を介して通信IF180へ出力する。システム10においては、送信データとして、他のカメラ100に撮影を指示するデータ等を例示することができる。また、受信データとしては、他のカメラ100が撮影できない旨の撮影不可信号のデータ等を例示することができる。発光部38は、LEDを有し、ユーザへの警告等に使用される。例えば、MCU34は、撮影することができないリモートカメラが検出された場合や、無線通信の電波状況等に基づき、発光部38を発光させてよい。MCU34は、上記ユーザへの警告の他に、無線通信機能のON/OFFや電波状態等を示す種々の情報を、色および発光パターンの異なる組み合わせで発光部38から発光させてよい。
図3は、カメラMPU133が有する機能ブロック構成の一例を示す。ここでは、カメラMPU133が有する機能ブロックのうち、システム10に関する機能ブロックを特に取り上げて示す。カメラMPU133は、状態検出部300、撮像制御部310、通信制御部320、計数部330、通知情報生成部340、警告指定情報取得部350、可否判断部360、セキュリティ情報生成部380、および、グループ名取得部390を含む。
カメラ100がリモートカメラとして動作する場合の制御について説明する。可否判断部360は、カメラ100が撮影することができるか否かを判断する。例えば、カメラ100は、外部メモリ160の空き容量に基づいて、カメラ100が撮影することができるか否かを判断する。具体的には、カメラ100は、撮像により得られる画像データのデータ量を、外部メモリ160の空き容量と比較することにより、カメラ100が撮影することができるか否かを判断する。例えば、可否判断部360は、外部メモリ160の空き容量が、撮像により得られる画像データのデータ量より少ない場合に、カメラ100が撮影することができない旨を判断する。
例えば、カメラ100の動作モードが静止画を撮像する静止画撮像モードに設定されている場合、可否判断部360は、静止画を撮像することにより得られる画像データのデータ量を、外部メモリ160の空き容量と比較する。カメラ100の動作モードが単写モードに設定されている場合、可否判断部360は、一の静止画を撮像することにより得られる画像データのデータ量を、外部メモリ160の空き容量と比較してよい。カメラ100の動作モードが連写モードに設定されている場合、可否判断部360は、予め定められた数の静止画を撮像することにより得られる画像データのデータ量を、外部メモリ160の空き容量と比較してよい。また、カメラ100の動作モードが動画を撮像する動画撮像モードに設定されている場合、可否判断部360は、予め定められた時間長さの動画を撮像することにより得られる画像データのデータ量を、外部メモリ160の空き容量と比較してよい。このように、可否判断部360は、カメラ100に設定された動作モードから予測される画像データのデータ量を、外部メモリ160の空き容量と比較して、カメラ100が撮影することができない旨を判断してよい。
また、可否判断部360は、外部メモリ160が接続されていない場合に、カメラ100が撮影することができない旨を判断してよい。このように、可否判断部360は、外部メモリ160の状態に基づいて、カメラ100が撮影することができるか否かを判断してよい。
また、可否判断部360は、電源170の状態に基づいて、カメラ100が撮影することができるか否かを判断してよい。例えば、可否判断部360は、電源170の残存容量に基づいて、カメラ100が撮影することができるか否かを判断してよい。可否判断部360は、電源170の残存容量が予め定められた値より小さい場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してよい。
また、可否判断部360は、交換レンズ120がカメラ本体130に装着されていない場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してよい。可否判断部360は、カメラMPU133がレンズMPU123と通信できない場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してよい。
また、可否判断部360は、撮像により得られる画像の明るさが予め定められた値より小さいと判断される場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してよい。可否判断部360は、ASIC135において、AEセンサ等で検出された明るさが予め定められた値より小さいと判断された場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してよい。例えばASIC135において、交換レンズ120にレンズカバーが装着されていると判断された場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してよい。例えば、可否判断部360は、ASIC135において、交換レンズ120の対物光学系が汚れていると判断された場合に、カメラ100が撮影することができないと判断してもよい。
通信制御部320は、可否判断部360による判断結果を、無線アダプタ30から無線信号により送信させる。通信制御部320は、可否判断部360によりカメラ100が撮像することができないと判断された場合に、撮影不可信号を無線アダプタ30から送信させる。通信制御部320は、可否判断部360によりカメラ100が撮像することができると判断された場合に、撮影可能信号を無線アダプタ30から送信させる。このように、カメラ100が撮影することができるか否かを示す情報を、無線信号により送信する。
なお、撮影不可信号には、カメラ100が撮像できない状態の種別を示す情報が含まれてよい。例えば、外部メモリ160の空き容量がない旨の情報、電源170の残存容量が小さい旨の情報、交換レンズ120が装着されていない旨の情報、撮像により得られる画像が暗い旨を示す情報等が、撮影不可信号に含まれてよい。
可否判断部360は、カメラ100において撮影することができるか否かを、予め定められた時間間隔で判断する。通信制御部320は、可否判断部360による判断結果を、予め定められた時間間隔で無線アダプタ30から無線信号により送信させる。
なお、通信制御部320は、カメラ100の識別情報を含む撮影不可信号を無線アダプタ30から送信させてよい。識別情報としては、ユーザによりカメラ100毎に設定された文字列情報を適用できる。当該文字列情報は、システムメモリ139等に予め記憶されていてよい。当該識別情報は、送信データのペイロード部分に含まれてよい。リモートカメラとして動作するカメラ100が、撮影可否を示す情報を識別情報とともに送信することにより、マスターカメラとして動作するカメラ100は、撮影できない状態にあるカメラ100を特定することができる。識別情報としては、ユーザ等が割り当てたニックネーム、IPアドレス等の情報の他、MACアドレス等のハードウェアアドレス、カメラ100の工場出荷時に割り当てられた個体識別番号等を例示することができる。
撮像制御部310は、通信制御部320で受信された受信データが撮影を指示するものである場合、カメラ100の各部を制御して撮像を行わせる。例えば、撮像制御部310は、マスターカメラとして動作するカメラ100のレリーズボタン20が全押し状態であることを示す受信データを受信した場合に、撮像を行わせる。なお、撮像により得られた画像データには、撮影を指示したカメラ100の識別情報が付帯されて外部メモリ160に記録される。
次に、カメラ100がマスターカメラとして動作する場合の制御について説明する。状態検出部300は、レリーズボタン20の状態を検出する。例えば、状態検出部300は、レリーズボタン20が押し込まれた状態にあるか否かを判断する。状態検出部300は、レリーズボタン20が押し込まれた状態にある場合に、半押し状態および全押し状態のいずれの状態にあるかを検出してよい。
撮像制御部310は、レンズMPU123に交換レンズ120が有するレンズを制御させる。また、撮像制御部310は、駆動部140を制御して撮像素子132を駆動させる。例えば、レリーズボタン20の状態に変化があった場合、撮像制御部310は、レリーズボタン20の状態に応じて駆動部140を制御することにより、撮像素子132を制御する。また、通信制御部320は、レリーズボタン20の状態を示す情報を、他のカメラ100へ送信する。具体的には、通信制御部320は、レリーズボタン20の状態を示す情報を無線信号により送信するよう、通信IF180を通じて無線アダプタ30に指示する。このように、通信制御部320は、無線信号により、1以上の他のカメラ100b〜100dに対して撮影を指示する。
通知情報生成部340は、ユーザへ通知すべき通知情報を生成する。通知情報生成部340は、通知情報をSDRAM136に記憶する。また、通知情報生成部340は、通知情報のデータを表示制御部137に供給して、表示制御部137を介して表示部138から通知情報を表示させる。通知情報生成部340は、1以上の他のカメラ100のうちの少なくとも一のカメラ100から、無線アダプタ30および通信IF180を介して撮影不可信号の受信データを通信制御部320が受信した場合に、ユーザへ警告するための通知情報を生成する。表示部138は、当該通知情報に基づく表示を行うことにより、ユーザへ警告する。通知情報の表示先は、表示部138であってよい。また、通知情報の表示先は、ファインダ部156であってもよい。ファインダ部156は、被写体光束に基づく被写体像に、通知情報に基づく像を重畳してユーザに提示してよい。また、ファインダ部156が電子ビューファインダとして機能する場合、通知情報の表示先は電子ビューファインダであってもよい。また、通信制御部320は、無線アダプタ30が含む発光部38を発光させることでユーザへ警告してもよい。このように、カメラ100は、1以上の他のカメラ100のうちの少なくとも一のカメラから撮影できない旨を無線信号で受信した場合に、ユーザへ警告する。
なお、他のカメラ100で撮像できない状態の種別を示す情報が撮影不可信号に含まれている場合、通知情報生成部340は、当該種別を含む通知情報を生成してよい。そして、表示部138は、通知情報に従って、当該種別を表示してよい。これにより、ユーザは、他のカメラ100ラにおいて撮影することができない理由を容易に理解することができる。
警告指定情報取得部350は、ユーザへ警告するか否かを指定する情報を取得する。例えば、警告指定情報取得部350は、SDRAM136に記憶されたユーザ設定情報から、ユーザへ警告するか否かを指定する情報を抽出することにより、ユーザへ警告するか否かを指定する情報を取得する。通知情報生成部340は、当該情報によってユーザへ警告する旨が指定されていることを条件として、ユーザへ警告するための通知情報を生成する。このように、カメラ100は、ユーザへ警告する旨が指定されていることを条件として、ユーザへ警告する。例えば連動レリーズさせるべき所定台数のカメラ100と無線接続できるまでは、マスターカメラにおいて警告を行われることとなる。ところが、本撮影時ではなく、連動レリーズさせるカメラ100を準備している場合や、単に動作確認等をしているだけの場合にいちいち警告表示を行うと、ユーザが煩わしく感じてしまう場合がある。しかし、カメラ100によれば、警告するか否かをユーザ等が選択することができるので、不必要な警告を抑制することができる。
無線信号は、無線信号を送信した1以上の他のカメラ100を識別する識別情報を含む。すなわち、通信制御部320が受信した受信データに、他のカメラ100を識別する識別情報が含まれる。通知情報生成部340は、撮影不可信号を送信したカメラ100を識別する情報を含む通知情報を生成して、表示部138に表示させる。このように、表示部138は、撮影できない旨を無線信号で送信したカメラ100を識別する情報を表示する。
計数部330は、1以上の他のカメラ100から受信した無線信号に基づいて、1以上の他のカメラ100のうち撮影できるカメラの数、および、1以上の他のカメラ100のうち撮影できないカメラの数の少なくとも一方を計数する。具体的には、計数部330は、無線信号で受信した撮影不可信号の受信データに含まれる他のカメラ100の識別情報に基づき、撮影することができない他のカメラ100の数を計数する。また、計数部330は、無線信号で受信した撮影可能信号の受信データに含まれる他のカメラ100の識別情報に基づき、撮影できるカメラの数を計数する。通知情報生成部340は、計数部330で計数された数を示す通知情報を生成する。表示部138は、撮影できるカメラの数および撮影できないカメラの数の少なくとも一方を示す情報を表示する。計数部330は、受信データに含まれる無線信号の送信元情報を識別情報として用いて計数してよい。その他、計数部330は、上述したユーザにより設定された文字列情報等を識別情報として用いて、計数してもよい。
通知情報生成部340は、1以上の他のカメラ100のうち撮影できるカメラ100の数が予め定められた数より少ない場合に、ユーザへ警告するための通知情報を生成する。表示部138は、1以上の他のカメラ100のうち撮影できるカメラ100の数が予め定められた数より少ない場合に、ユーザへの警告表示を行う。このように、カメラ100は、1以上の他のカメラ100のうち撮影できるカメラ100の数が予め定められた数より少ない場合に、ユーザに警告する。当該予め定められた数は、ユーザにより設定され、システムメモリ139等に予め記憶されていてよい。
次に、無線通信におけるセキュリティにかかる機能ブロックについて説明する。グループ名取得部390は、1以上の他のカメラ100と共通に割り当てられるグループ名を取得する。例えば、グループ名取得部390は、SDRAM136に記憶されたグループ名を取得する。グループ名は、操作入力部141等を通じてユーザにより設定され、システムメモリ139等にデータとして予め記憶されてよい。グループ名取得部390は、システムメモリ139からSDRAM136に展開されたグループ名のデータを取得する。
セキュリティ情報生成部380は、グループ名取得部390により取得されたグループ名から、他のカメラ100との間の無線通信用のセキュリティ情報を生成する。例えば、セキュリティ情報生成部380は、グループ名から、他のカメラ100との間の無線通信用のネットワーク名および暗号化キーを生成する。無線通信用のネットワーク名としては、IEEE 802.11におけるSSID(Service Set Identifier)を例示することができる。暗号化キーとしては、WEP(Wired Equivalent Privacy)等の種々の暗号化方式における秘密鍵を例示できる。セキュリティ情報生成部380は、グループ名から一意に定まるネットワーク名を生成する。また、セキュリティ情報生成部380は、グループ名から一意に定まる暗号化キーを生成する。セキュリティ情報生成部380は、グループ名のデータに予め定められた第1のハッシュ関数を適用することによりネットワーク名を生成してよい。また、セキュリティ情報生成部380は、グループ名のデータに予め定められた第2のハッシュ関数を適用することにより、暗号化キーを生成してよい。これらのハッシュ関数は、システムメモリ139内にソフトウェアルーチンとして予め組み込まれてよい。なお、セキュリティ情報生成部380は、グループ名とは異なるネットワーク名を生成してよい。また、グループ名は、ネットワーク名であってよい。例えば、グループ名とは、ユーザから設定されたネットワーク名であってよい。この場合、セキュリティ情報生成部380は、ネットワーク名から暗号化キーを生成してよい。
通信制御部320は、セキュリティ情報生成部380で生成されたセキュリティ情報を用いた無線通信を制御する。具体的には、通信制御部320は、セキュリティ情報生成部380で生成されたネットワーク名および暗号化キーを用いた無線通信を制御する。このように、セキュリティ情報生成部380は、カメラ100の無線通信に用いるセキュリティ情報をグループ名から生成する。このため、ユーザは、カメラ100にグループ名を指定するだけで、カメラ100における無線通信設定を自動的に行うことができる。
本セキュリティにかかる機能ブロックの機能は、マスターカメラとしてカメラ100が動作する場合、および、リモートカメラとしてカメラ100が動作する場合のいずれの場合の無線通信にも適用できる。また、システム10にかかる無線通信以外にも、種々の無線通信に適用できることは言うまでもない。本機能ブロックの機能を、無線通信の相手機器と共通に割り当てられるグループ名からセキュリティ情報を生成する通信機器に適用することができる。
以上に説明したカメラ100を備えるシステム10においては、リモートカメラとして動作するカメラ100b〜100dは、例えば外部メモリ160の空き容量が予め定められた値より少なくなった場合に、撮影できない旨の情報を無線信号によりカメラ100aに送信する。具体的には、カメラ100b〜100dは、撮影できるか否かを示す情報を、予め定められた時間間隔で無線信号により送信する。したがって、カメラ100b〜100dが遠隔に設けられている場合でも、マスターカメラとして動作するカメラ100aを操作するユーザは、カメラ100b〜100dの少なくとも一のカメラが撮影できない状態になったことを容易に知ることができる。特に、他のカメラ100b〜100dが、それぞれ撮影できるか否かを示す情報およびカメラ100を識別する識別情報を含む無線信号を送信することで、ユーザは、いずれのカメラが撮像できない状態になったかを容易に知ることができる。また、カメラ100は、それぞれ他のカメラ100と共通に割り当てるグループ名を取得し、グループ名から、カメラ100との間の無線通信用に用いるネットワーク名および暗号化キーを生成する。このため、ユーザは、各カメラ100にグループ名を設定するだけで、複雑な無線のセキュリティ設定を極めて容易に行うことができる。
図4は、通信プロファイル設定画面400の一例を示す。通信プロファイル設定画面400は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される。例えば、通信プロファイル設定画面400は、通信プロファイル設定する旨のユーザ操作をカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
通信プロファイル設定画面400は、カメラ100において外部と通信する場合に使用する通信プロファイルを選択するためのオブジェクト410、オブジェクト420およびオブジェクト430と、新たにプロファイルを作成するためのオブジェクト440とを含む。オブジェクト410は、カメラ100が連動して撮影動作を行うための通信プロファイルを選択するためオブジェクトである。また、オブジェクト420およびオブジェクト430は、他の通信プロファイルを選択するためのオブジェクトである。他の通信プロファイルとしては、他のカメラ100やパーソナルコンピュータ等の他の機器と無線接続して画像データを共有するための通信プロファイル等を例示することができる。
図5は、連動レリーズ設定画面500の一例を示す。連動レリーズ設定画面500は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される。例えば、通信プロファイル設定画面400に含まれるオブジェクト410が選択されたことをカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
連動レリーズ設定画面500は、グループ名を設定するためのオブジェクト510、マスターカメラの動作モードおよびリモートカメラの動作モードのいずれのカメラモードで動作するかを設定するためのオブジェクト520、リモートカメラのチェックを行うか否かを設定するためのオブジェクト530、リモートカメラの台数を設定するためのオブジェクト540を含む。
オブジェクト510は、設定されたグループ名を示す文字のオブジェクト512を含む。本例は、"AAA"というグループ名が設定された場合の画面例である。オブジェクト520は、マスターカメラおよびリモートカメラのいずれが設定されているかを提示するための文字のオブジェクト522を含む。本例は、マスターカメラとして動作する旨が設定された場合の画面例である。
オブジェクト530は、リモートカメラのチェックを行うか否かの設定結果を提示するための文字のオブジェクト532を含む。本例は、リモートカメラのチェックを行う旨が設定された場合の画面例である。オブジェクト540は、設定されたリモートカメラの台数を提示するための文字のオブジェクト542を含む。本例は、リモートカメラの台数として2台が設定された場合の画面例である。オブジェクト530およびオブジェクト540は、マスターカメラとして動作することが選択された場合に有効となる。例えば、オブジェクト530およびオブジェクト540は、オブジェクト520を通じてリモートカメラとして動作することが選択された場合、グレーアウトされる等されるとともに当該オブジェクトにはカーソルで選択できないようにされる。そして、オブジェクト520を通じてマスターカメラとして動作することが選択された場合、グレーアウトが解除されるとともにオブジェクト530およびオブジェクト540がカーソルで選択できるようにされる。
図6は、グループ名設定画面600の一例を示す。グループ名設定画面600は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される画面である。例えば、連動レリーズ設定画面500に含まれるオブジェクト510が選択されたことをカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
グループ名設定画面600は、グループ名として使用される文字を選択するためのオブジェクト610、および、グループ名を提示するためのオブジェクト620を含む。グループ名として使用できる文字としては、数字、英字、ハイフン等の予め定められた記号を例示することができる。オブジェクト610には、これらの数字、英字および記号を示すオブジェクトが含まれる。オブジェクト610においては、ユーザ操作に応じて移動するカーソルのオブジェクトを含む。
オブジェクト610において、グループ名を入力するユーザ操作がなされた場合、カーソルの位置に対応する文字が、グループ名に追加する文字として選択される。オブジェクト620は、ユーザ操作により選択された文字を含むグループ名を示す文字のオブジェクトを含む。本例は、"AA"がグループ名の一部として既に入力済みであり、オブジェクト610において"A"の文字が選択されている状態の画面例である。グループ名設定画面600において、グループ名を確定するユーザ操作がなされると、連動レリーズ設定画面500に遷移する。
図7は、カメラモード選択画面700の一例を示す。カメラモード選択画面700は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される画面である。例えば、連動レリーズ設定画面500に含まれるオブジェクト520が選択されたことをカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
カメラモード選択画面700は、マスターカメラとして動作する動作モードであるマスターカメラモードを選択するためのオブジェクト710、および、リモートカメラとして動作する動作モードであるリモートカメラモードを選択するためのオブジェクト720を含む。本例は、マスターカメラモードが選択された状態の画面例である。カメラモード選択画面700において、カメラモードを確定するユーザ操作がなされると、連動レリーズ設定画面500に遷移する。
図8は、リモートカメラチェック設定画面800の一例を示す。リモートカメラチェック設定画面800は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される。例えば、連動レリーズ設定画面500に含まれるオブジェクト530が選択されたことをカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
リモートカメラチェック設定画面800は、リモートカメラの台数チェックを行うことを選択するためのオブジェクト810、および、リモートカメラの台数チェックを行わないことを選択するためのオブジェクト820を含む。本例は、リモートカメラの台数チェックを行うことが選択された状態の画面例である。リモートカメラチェック設定画面800において、リモートカメラのチェック設定を確定するユーザ操作がなされると、連動レリーズ設定画面500に遷移する。
図9は、台数設定画面900の一例を示す。台数設定画面900は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される。例えば、連動レリーズ設定画面500に含まれるオブジェクト540が選択されたことをカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
台数設定画面900は、リモートカメラの台数を設定するためのオブジェクトを含む。本例は、リモートカメラの台数として2が選択された状態の画面例である。本例に示すように、リモートカメラの台数として1台から10台までを設定することができる。撮影可能な状態のリモートカメラの台数が、本画面で設定された台数より少ない場合に、ユーザに警告される。なお、リモートカメラチェック設定画面800を通じてリモートカメラの台数チェックを行うことが選択されていることを更なる条件として、ユーザに警告される。台数設定画面900において、リモートカメラの台数設定を確定するユーザ操作がなされると、連動レリーズ設定画面500に遷移する。
図10は、マスターカメラモードで動作しているカメラ100のネットワーク設定画面1000の一例を示す。ネットワーク設定画面1000は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される。例えば、ネットワーク設定画面1000は、現在のネットワーク設定を表示する旨の予め定められたユーザ操作をカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
ネットワーク設定画面1000は、ネットワーク通信に使用する無線デバイスを選択または提示するオブジェクト1010、通信機能のON/OFFを提示するオブジェクト1020、ネットワーク接続の種別を提示するオブジェクト1030、ネットワーク通信におけるオプション情報を提示するオブジェクト1040を含む。
オブジェクト1010は、ネットワーク通信に用いる無線アダプタ30を特定する情報を提示する文字のオブジェクト1012を含む。例えば、オブジェクト1012は、無線アダプタ30の機種名を示す。オブジェクト1020は、通信機能が有効にされている否かを示す文字のオブジェクト1022を含む。本例は、通信機能が有効(ON)にされている状態の画面例である。ユーザは、本オブジェクト1020を選択することにより表示される設定メニューを通じて、通信機能を有効にするか否かを選択できる。なお、ユーザ操作によって無線アダプタ30の通信機能が無効(OFF)に設定された場合には、オブジェクト1022には通信機能が無効にされた旨のオブジェクトが表示される。
オブジェクト1030は、接続設定の種別を提示または設定するアイコンのオブジェクト1032を含む。本例のオブジェクト1032は、連動レリーズ用のネットワーク設定であることを示す。オブジェクト1040は、オプション情報を示す文字のオブジェクト1042を含む。例えば、オプション情報としては、無線アダプタ30に割り当てられたMACアドレス等の物理アドレス等を例示することができる。
本例において、オブジェクト1050は、グループ名設定画面600で設定されたグループ名を示す文字のオブジェクト1052、カメラモードおよび動作状態を示す文字のオブジェクト1054、撮影可能な状態にあるリモートカメラの台数を示す文字のオブジェクト1055、撮影不可な状態にあるリモートカメラの台数を示す文字のオブジェクト1056、電波状況を示すアイコンのオブジェクト1058を含む。
図11は、リモートカメラモードで動作しているカメラ100のネットワーク設定画面1100の一例を示す。ネットワーク設定画面1100は、ユーザ設定の一部として表示部138に表示される。例えば、ネットワーク設定画面1000は、現在のネットワーク設定を表示する旨の予め定められたユーザ操作をカメラMPU133が検出した場合に、表示部138に表示される。
ネットワーク設定画面1100は、ネットワーク通信に使用する無線デバイスを提示するオブジェクト1110、通信機能のON/OFFを提示するオブジェクト1120、ネットワーク接続の種別を設定するオブジェクト1130、ネットワーク通信におけるオプション情報を提示するオブジェクト1140、および、動作状況を提示するオブジェクト1150を含む。なお、オブジェクト1110、オブジェクト1120、オブジェクト1130およびオブジェクト1140は、それぞれオブジェクト1010、オブジェクト1020、オブジェクト1030およびオブジェクト1040と同様の内容を提示するものであるので、説明を省略する。
オブジェクト1150は、オブジェクト1050に対応するオブジェクトであるので、ここではオブジェクト1050の内容との相違点について説明する。オブジェクト1154は、オブジェクト1054に対応するオブジェクトである。ここでは、リモートカメラモードに設定されている旨と、リモートカメラとして動作中である旨が表示されている。なお、マスターカメラを探索中である場合は、本例の「動作中」の文字に代えて、「探索中」等の文字が表示されてよい。リモートカメラ用のネットワーク設定画面1100では、オブジェクト1055およびオブジェクト1056に対応するオブジェクトは含まれない。
図12は、カメラ100の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、例えば操作入力部141の一部としての電源スイッチがON位置に切り替えられた場合に、開始される。本フローは、カメラMPU133が主体となってカメラ100の各部を制御することにより実行される。
ステップS1202において、カメラ100の初期設定を開始する。例えば、カメラ100を制御するためのパラメータ、プログラム等が、システムメモリ139からSDRAM136に展開される。カメラMPU133は、展開されたパラメータ、プログラム等に従って、例えば操作入力部141の一部としての撮像モードダイヤル等の状態に基づき、カメラ100の各部の動作条件を設定する。動作条件としては、人物、風景等を指定する被写体の種別に関する撮像モード、露光時間および撮像感度等を含む撮像条件、記録画素数等の記録条件等を例示することができる。また、カメラ本体130に接続された無線アダプタ30の検出、および、検出された無線アダプタ30との間の通信設定も、初期設定の一部として行われる。
続いて、ステップS1204において、カメラMPU133は、初期設定により設定された内容を表示部138に表示させる。例えば、カメラMPU133は、撮像モード、撮像条件、記録条件、および無線アダプタ30の検出結果等の情報を、アイコン表示等の種々の形式で表示部138に表示させる。
続いて、ステップS1206において、カメラMPU133は、生じたイベントを判断する。ここでは、設定操作で生じるイベントである設定イベント、再生操作で生じるイベントである再生イベント、レリーズ操作で生じるイベントであるレリーズイベント、通信で生じる通信イベント、タイマの満了に伴い生じるイベントについて説明する。設定イベントは、操作入力部141の一部としてのボタンやセレクタ等のキー等に対するユーザ操作が、動作設定を行うべきーザ操作に該当する場合に生じる。再生イベントは、操作入力部141の一部としてのキー等に対するユーザ操作が、再生処理を行うべきーザ操作に該当する場合に生じる。レリーズイベントは、レリーズボタン20に対するユーザ操作を検出した場合に生じる。タイマイベントは、タイマが満了した場合に生じる。
設定イベントが生じた場合、ユーザ操作に基づく設定処理を行う(ステップS1212)。設定処理としては、図4から図11で例示した画面に関連して説明した設定処理や表示処理等を例示することができる。
再生イベントが生じた場合、再生処理を行う(ステップS1214)。再生処理としては、外部メモリ160に記録された静止画データ、動画データ等の画像データを用いて表示部138にサムネイルを表示する処理、ユーザにより指示された画像データを用いて表示部138に画像を表示する処理等を例示することができる。
レリーズイベントが生じた場合、撮像動作に関する処理を行う(ステップS1216)。本処理については、図15に関連して説明する。通信イベントが生じた場合、通信に関する処理を行う(ステップS1218)。本処理については、図14および図16に関連して説明する。タイマイベントが生じた場合、満了したタイマに関連して定められた処理を行う(ステップS1220)。本処理については、図17に関連して説明する。
ステップS1212、ステップS1214、ステップS1216、ステップS1218、ステップS1220の処理が完了すると、ステップS1222に進む。ステップS1222では、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、カメラ100が動作を開始してから予め定められた期間、ユーザ指示が無い状態が継続した場合や、電源スイッチがOFF位置にされた場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFしないと判断した場合はステップS1206に処理を移行する。電源をOFFすると判断した場合は、電源をOFFする前に必要な処理を行う(ステップS1224)。本処理としては、変更されたパラメータをシステムメモリ139に格納する処理等を例示することができる。変更されたパラメータとしては、上述したグループ名等、図4から図11で例示した画面に関連して説明した設定処理で変更されたパラメータを例示することができる。ステップS1224の処理が完了すると、本フローを終了する。
図13は、連動レリーズに関する設定を行うフローの一例を示す。本フローは、図12のステップS1212の一部の処理として実行される。本フローは、図5から図9で例示した画面に従って設定された内容が確定された場合に、開始される。
本フローが開始すると、ステップS1302において、リモートカメラに対するチェック設定を動作に反映させるための処理を行う。具体的には、カメラMPU133は、リモートカメラをチェックするか否かを示す変数に、リモートカメラチェック設定画面800を通じて設定されたチェックの有無に対応する値を格納する。
続いて、ステップS1304において、設定されたリモートカメラの台数を動作に反映させるための処理を行う。具体的には、カメラMPU133は、リモートカメラの台数を示す変数に、台数設定画面900を通じて設定されたリモートカメラの台数を示す値を格納する。リモートカメラの台数とは、撮像状態にあるべきリモートカメラの台数を示す。
続いて、ステップS1306において、設定されたカメラモードを動作に反映させるための処理を行う。具体的には、カメラMPU133は、カメラモードを示す変数に、設定されたカメラモードを示す値を格納する。
続いて、ステップS1308において、設定されたグループ名を動作に反映させるための処理を行う。具体的には、カメラMPU133は、グループ名を表す変数に、設定されたグループ名を示す値を格納する。
続いて、ステップS1310において、グループ名が変更されたか否かを判断する。グループ名が変更された場合、セキュリティ情報生成部380は、無線通信で用いるSSIDおよび暗号化キーを算出し(ステップS1312)、ステップS1316に処理を進める。グループ名が変更されていない場合、カメラモードが変更されたか否かを判断する(ステップS1314)。カメラモードが変更された場合、ステップS1316に処理を進める。
ステップS1316において、設定されているカメラモードがマスターカメラモードであるかリモートカメラモードであるかを判断する。設定されているカメラモードがマスターカメラモードである場合、マスターカメラとして動作できるか否かを判断する(ステップS1318)。例えば、リモートカメラを検出した場合に、マスターカメラとして動作できる旨を判断する。リモートカメラが検出されたか否かは、マスターカメラとしての通信に応答してきたリモートカメラが存在するか否かに基づいて判断してよい。例えば、送信したビーコン信号にリモートカメラとして応答してきたカメラ100が存在した場合に、リモートカメラが検出されたと判断する。
ステップS1318においてマスターカメラとして動作できる旨が判断された場合、通信環境の良否を判断する(ステップS1320)。通信環境の良否は、ビットエラーレート等に基づいて判断してよい。通信環境が良好であると判断された場合、アドホックモードで無線LAN通信を開始する(ステップS1322)。
通信環境が不良であると判断された場合、リモートカメラとの通信を開始できない旨をユーザに通知する(ステップS1324)。ステップS1318においてマスターカメラとして動作できない旨が判断された場合、ステップS1324に進んで、リモートカメラとの通信を開始できない旨をユーザに通知する。ステップS1324では、無線アダプタ30において発光部38の発光を制御することで、通信を開始できない旨を通知してよい。例えば、光の色、光の強度、発光パターンを制御することで、通信を開始できない旨を通知する。また、カメラ100において、ファインダ部156の表示を通じて、通信を開始できない旨を通知してよい。また、表示部138の表示を通じて、通信を開始できない旨を通知してよい。
ステップS1316において設定されているカメラモードがリモートカメラモードであると判断された場合、リモートカメラとして動作できるか否かを判断する(ステップS1326)。例えば、マスターカメラを検出した場合に、リモートカメラとして動作できる旨を判断する。例えば、マスターカメラからのビーコン信号を検出した場合に、リモートカメラとして動作できる旨を判断する。リモートカメラとして動作できる旨が判断された場合、ステップS1320に処理を進める。リモートカメラとして動作できない旨が判断された場合、ステップS1324に処理を進めて、マスターカメラとの通信を開始できない旨をユーザに通知する。
ステップS1322では、マスターカメラモードで動作する場合は、マスターカメラ用の通信モードで通信を開始する。具体的には、無線通信における親機としての通信モードで通信を開始する。例えば、無線LANにおけるビーコン信号を送信する通信モードで、通信を開始する。リモートカメラモードで動作する場合は、リモートカメラ用の通信モードで通信を開始する。具体的には、無線通信における子機としての通信モードで通信を開始する。例えば、無線LANにおけるビーコン信号を受信する通信モードで、通信を開始する。リモートカメラとして動作するカメラ100は、自身と同じグループ名が割り当てられたマスターカメラと無線接続することができる。
ステップS1322、ステップS1324の処理が完了すると、本フローを終了する。また、S1314の判断において、カメラモードに変更がなかった場合、本フローを終了する。グループ名およびカメラモードのいずれも変更されなかった場合は、通信モードを変更することなく、本フローを終了する。
なお、ステップS1318において、送信したビーコン信号にリモートカメラとして応答してきたカメラ100が存在した場合に、マスターカメラとして動作できる旨を判断するとした。このように、リモートカメラが、特定のマスターカメラと通信を開始した場合に、マスターカメラとして動作しようとするカメラ100からの信号を受信しても当該信号に応答しないようにすることで、新たなマスターカメラが同一のネットワークに加わることを防ぐことができる。これにより、システム10においてはマスターカメラを1台に限定することができる。
また、ステップS1318において、マスターカメラが既に存在していることを検出した場合に、マスターカメラとして動作できない旨を判断してよい。例えば、他のマスターカメラからのビーコンを予め定められた期間内に検出した場合に、マスターカメラとして動作できない旨を判断してよい。このように、新たにマスターカメラとして動作しようとする場合に、他のマスターカメラが存在しないことを条件としてマスターカメラとしての通信を開始するようにすることで、新たなマスターカメラが同一のネットワークに加わることを防ぐことができる。これにより、システム10においてはマスターカメラを1台に限定することができる。
また、ステップS1318において、既に存在するマスターカメラ等から、新たなマスターカメラを拒否する拒否信号を検出した場合に、マスターカメラとして動作できない旨を判断してよい。例えば、送信したビーコン信号等に応答して、既に存在するマスターカメラから拒否信号を受信した場合に、マスターカメラとして動作できない旨を判断してよい。このように、マスターカメラとして動作しているカメラ100が、新たにマスターカメラとして動作しようとするカメラ100に拒否信号を送信することで、新たなマスターカメラが同一のネットワークに加わることを防ぐことができる。これにより、システム10においてはマスターカメラを1台に限定することができる。
図14は、マスターカメラモードで動作中に通信イベントが生じた場合の動作フローの一例を示す。本フローは、図12のステップS1218の一部の処理として、他のカメラ100からパケットを受信した場合に開始される。
本フローが開始すると、ステップS1402において、リモートカメラを新たに検出したか否かを判断する。例えば、通信制御部320は、受信したパケットの送信元が、通信相手のリモートカメラとして記憶しているカメラ100以外のカメラ100である場合に、リモートカメラが新たに検出されたと判断する。
通信制御部320は、通信相手として記憶しているリモートカメラの台数が上限に達しているか否かを判断する(ステップS1404)。例えば、通信制御部320は、通信相手として記憶しているリモートカメラの台数を表す変数の値に基づいて判断を行う。通信相手として記憶しているリモートカメラの台数が上限に達していない場合、通信制御部320は、リモートカメラとしての動作を許可する旨の許可通知を送信する(ステップS1406)。続いて、通信相手として記憶しているリモートカメラの台数を表す変数をインクリメントして(ステップS1408)、ステップS1412に進む。このとき、表示制御部137は、新たなリモートカメラを許可した旨を表示部138等に表示させてよい。
ステップS1404の判断において、通信相手として記憶しているリモートカメラの台数が上限に達していると判断された場合は、通信制御部320は、リモートカメラとしての動作を許可しない旨の不許可通知を送信し(ステップS1410)、ステップS1412に進む。これにより、ユーザは、連動レリーズさせるカメラの台数を、意図した台数に制限することができる。なお、通信制御部320は、新たに検出したリモートカメラに不許可通知を送信してよい。例えば、通信制御部320は、新たに検出したリモートカメラにのみ不許可通知を送信してよい。例えば、新たに検出したリモートカメラを宛先として不許可通知を送信してよい。また、表示制御部137は、新たなリモートカメラを拒否した旨を表示部138等に表示させてよい。ステップS1402において新たなリモートカメラを検出していない場合は、ステップS1412に処理を進める。
ステップS1412において、通信制御部320は、受信したパケットが撮影可否を示すパケットであるか否かを判断する。通信制御部320は、撮影可能信号のパケットまたは撮影不可信号のパケットであるかを判断する。撮影可否を示すパケットである場合、計数部330は、当該パケットの送信元等から、当該パケットを送信したリモートカメラを特定する(ステップS1414)。続いて、計数部330は、撮影可能なリモートカメラの台数含むリモートカメラの状態情報を更新する(ステップS1416)。リモートカメラの状態情報として、撮影不可能なリモートカメラの台数を含んでよい。具体的には、計数部330は、現在記憶している各リモートカメラの状態、特定したリモートカメラおよび撮影可否の情報に基づき、撮影可能なリモートカメラの台数や撮影不可能なリモリモートカメラの台数を計数する。
続いて、通知情報生成部340は、リモートカメラの状態を示す情報を生成して、表示部138に表示させる(ステップS1418)。このようにリモートカメラの状態を示す情報がリアルタイムに表示される。なお、リモートカメラの状態を示す情報は、SDRAM136に記憶され、ネットワーク設定画面1000を表示する場合に使用される。例えば、オブジェクト1055およびオブジェクト1056を表示する場合に使用される。
続いて、リモートカメラをチェックするよう設定されているか否かを判断する(ステップS1420)。具体的には、リモートカメラをチェックするか否かを示す変数の値に基づいて、リモートカメラをチェックするよう設定されているか否かを判断する。リモートカメラをチェックするよう設定されている場合、撮影可能なリモートカメラの台数が、設定台数より小さいか否かを判断する。設定台数は、ステップS1304で設定された台数である。
撮影可能なリモートカメラの台数が設定台数より小さい場合には、リモートカメラの状態に関してユーザに警告する(ステップS1424)。例えば、通知情報生成部340は、警告を表すオブジェクトを表示部138に表示させる。また、通信制御部320は、無線アダプタ30が含む発光部38を発光させる。なお、通信制御部320は、電波状況などの通信環境に基づき警告を行う場合とは異なる色や発光パターンで発光部38を発光させることで、リモートカメラに関する警告を行ってよい。
ステップS1422の判断において、撮影可能なリモートカメラの台数が設定台数以上である場合は、ユーザに警告せずに本フローを終了する。また、ステップS1420の判断において、リモートカメラをチェックしないように設定されている場合も、ユーザに警告せずに本フローを終了する。また、ステップS1412の判断において受信したパケットが撮影可否のパケットでないと判断された場合も、本フローを終了する。
なお、ステップS1410に関連して、通信制御部320は、新たに検出したリモートカメラに不許可通知を送信するとしたが、通信制御部320は、新たに検出したリモートカメラ以外のリモートカメラにも不許可通知を送信してもよい。例えば、通信制御部320は、新たに検出したリモートカメラ以外のリモートカメラを宛先として、不許可通知を送信してよい。このとき、新たに検出したリモートカメラ以外の少なくとも一部のリモートカメラへ不許可通知を送信してもよい。ここで送信される不許可通知は、リモートカメラとしての動作を停止することを要求する通知であってよい。
リモートカメラが当該不許可通知を受信した場合、リモートカメラとしての動作を停止するか否かを各リモートカメラで判断してもよい。リモートカメラとしての動作を停止する旨を判断した場合に、リモートカメラとしての動作を停止する旨の通知をマスターカメラに送信してよい。マスターカメラが少なくとも一のリモートカメラから当該通知を受信した場合に、通信制御部320は、新たに検出されたリモートカメラへ許可通知を送信してもよい。なお、ブロードキャスト等により、全てのリモートカメラへ不許可通知を送信するとしてもよい。また、ステップS1410に関連して、新たなリモートカメラを拒否した旨を表示部138等に表示させるとしたが、表示制御部137は、新たなリモートカメラを拒否した旨を表示させなくともよい。
図15は、マスターカメラモードで動作中にレリーズボタン20が操作された場合の処理フローの一例を示す。本フローは、図12のステップS1216の一部の処理として、レリーズボタン20の状態が変化した場合に開始される。
本フローが開始されると、状態検出部300は、レリーズボタン20の押し込みイベントの種類を特定する。具体的には、レリーズボタン20が第1段階まで押し込まれたことを示す半押しイベントであるか、第1段階より深くまで押し込まれたことを示す全押しイベントであるか、を判断する。
全押しイベントである場合、撮像制御部310は、カメラ本体130の各部に撮像動作を指示する(ステップS1504)。半押しイベントである場合、撮像制御部310は、焦点調節動作を指示する(ステップS1506)。続いて、通信制御部320は、レリーズボタン20の状態を示すパケットをマルチキャストで送信する(ステップS1508)。なお、通信制御部320は、レリーズボタン20の全押しが解除されるまで、レリーズボタン20が押し込まれた状態にあることを示すパケットを送信し続けてよい。
図16は、リモートカメラモードで動作中に通信イベントが生じた場合の動作フローの一例を示す。本フローは、図12のステップS1218の一部の処理として、マスターカメラからパケットを受信した場合に開始される。
ステップS1602において、受信したパケットがリモートカメラとしての動作を許可または不許可するパケットであるか判断する。受信したパケットが許可通知のパケットである場合、通知情報生成部340は、リモートカメラとして動作中である旨の情報を生成して、リモートカメラとして動作中である旨を表示部138に表示させる(ステップS1604)。受信したパケットが許可通知のパケットでない場合、通知情報生成部340は、リモートカメラとして動作できない旨の情報を生成して、表示部138に表示する(ステップS1606)。本情報は、リアルタイムに表示部138に表示されてよい。また、図11に関連して説明したネットワーク設定画面1100に表示されてもよい。受信したパケットが他のパケットである場合は、ステップS1608に処理を進める。
ステップS1608において、受信したパケットが他のカメラ100のレリーズボタン20の状態を示すパケットであるか否かを判断する。他のカメラ100のレリーズボタン20の状態を示すパケットである場合、撮像制御部310は、当該パケットで示されるレリーズボタン20の状態に応じて、カメラ100の各部を動作する。例えば、レリーズボタン20の状態が全押し状態である旨が当該パケットで示されている場合、撮像制御部310は駆動部140等を制御することにより撮影動作を開始させる。レリーズボタン20の状態が半押し状態である旨が当該パケットで示されている場合、撮像制御部310は焦点調節動作を開始させてよい。
続いて、カメラMPU133は、カメラ100において実行する動作が撮影動作を含むか否かを判断する(ステップS1612)。撮影動作を含む場合、可否判断部360は、撮影終了を待って(ステップS1614)、撮影可否を判断する(ステップS1616)。具体的には、可否判断部360は、撮像により得られた記録用の画像データを外部メモリ160に記録した後、外部メモリ160の空き容量と、予測される画像データのデータ量とに基づいて、撮影可否を判断する。続いて、通信制御部320は、撮影可否を示す可否情報を含むパケットをマスターカメラへ送信させ(ステップS1618)、ステップS1620に進む。ステップS1612の判断において、実行する動作が撮影動作を含まないと判断された場合や、ステップS1608の判断においてレリーズボタン20の状態を示すパケットでないと判断された場合も、それぞれS1620に処理を進める。
ステップS1620において、通信制御部320は、マスターカメラとの通信が切断されたか否かを判断する。具体的には、通信制御部320は、マスターカメラからのビーコン信号を予め定められた期間にわたって受信できなかった場合に、マスターカメラとの通信が切断されたと判断する。マスターカメラとの通信が切断されたと判断された場合、通知情報生成部340は、マスターカメラを探索中である旨の状態情報を生成して、マスターカメラを探索中である旨を表示部138表示させる(ステップS1622)。状態情報はSDRAM136に記憶されて、図11に関連して説明したオブジェクト1154の表示に用いられる。ステップS1622の処理が完了すると、本フローの処理を終了する。ステップS1620でマスターカメラとの通信が切断されていないと判断された場合は、リモートカメラとして動作中の表示をさせたまま、本フローを終了する。
図17は、リモートカメラモードで動作中にタイマイベントが生じた場合の動作フローの一例を示す。本フローは、図12のステップS1220の一部の処理として開始される。
可否判断部360は、カメラ100において撮影することができるか否かを判断する。例えば、外部メモリ160の空き容量に基づいて新たな画像データを外部メモリ160に記録できないと判断した場合に、撮影することができないと判断する。可否判断部360は、撮影できないと判断するための予め定められた全条件が否定された場合に、カメラ100が撮影できる状態にあると判断してよい。続いて、ステップS1704において、通信制御部320は、撮影不可信号または撮影可能信号のパケットをマスターカメラへ送信させる。続いて、撮影可否の判断間隔を定めるタイマをリセットして(ステップS1706)、本フローを終了する。
図18は、システム1800の利用環境の他の一例を示す。システム1800は、システム10が備える構成要素に加えて、カメラ100eを更に備える。カメラ100eには、無線アダプタ30eが接続される。カメラ100eは、システム10に関連して説明したカメラ100a〜100dと同様の機能を有する。また、無線アダプタ30eは、システム10に関連して説明した無線アダプタ30の機能と同様の機能を有する。システム1800におけるカメラ100の動作について、システム10におけるカメラ100の動作との相違点について説明する。
カメラ100eは、カメラ100b〜100dに対してマスターカメラとして動作する。すなわち、システム1800において、カメラ100aおよびカメラ100eが、ともにカメラ100b〜100dに対するマスターカメラとして動作する。カメラ100b〜100dは、カメラ100eの撮像動作にも連動して撮影動作を行う。したがって、カメラ100b〜100dは、カメラ100aおよびカメラ100eの少なくとも一方が撮像動作を行った場合に撮影動作を行う。
システム10に関連して説明したように、カメラ100b〜100dは、撮像により得られた画像データに、撮影を指示したマスターカメラの識別情報を付帯して外部メモリ160に記録する。このため、カメラ100aおよびカメラ100eのいずれの撮像動作に連動した撮像動作によって得られた画像データであるかを、画像データの付帯情報に基づいて特定することができる。したがって、例えばカメラ100eで撮像することで得られた画像データを、カメラ100eの撮像動作に連動してカメラ100b〜100dで撮像して得られた画像データを関連づけることが可能になる。例えば、カメラ100eは、カメラ100eの撮像動作に連動して撮像することで得られた画像データを、カメラ100b〜100dから選択して取得することができる。例えば、カメラ100b〜100dは、カメラ100eから画像データの送信を要求された場合、カメラ100eを識別する識別情報を含む付帯情報が付帯された画像データを選択して、カメラ100eに送信することができる。
システム10およびシステム1800においては、リモートカメラとして動作する複数のカメラ100を例示したが、リモートカメラは1台であってよい。すなわち、1以上のカメラ100がリモートカメラとして動作してよい。システム1800において、2つのカメラ100がマスターカメラとして動作するとした。しかし、3以上のカメラ100がマスターカメラとして動作し得ることは言うまでもない。
なお、予め定められた台数以下のカメラ100が、マスターカメラとして動作してよい。マスターカメラとして動作するカメラ100の数には上限値が設けられてよい。当該上限値は、ユーザにより設定されてよい。例えば連動レリーズ設定画面500が、当該上限値を設定するためのオブジェクトを更に有してよい。当該上限値は、初期値として1が設定され、ユーザ設定により上限値を2以上に設定されてよい。すなわち、ユーザにより上限値が変更されなかった場合、マスターカメラは1台しか許容されない。ユーザが当該上限値を2以上に変更することで、複数台のマスターカメラが許容されるとしてよい。当該上限値には、最大値が予め定められていてよい。例えば、最大数が10である場合、ユーザは、10以下の値を上限値として設定することが可能であってよい。なお、上限値は、マスターカメラとして動作することが許容されるカメラ100の台数を示し、設定された上限値の台数のカメラ100が常にマスターカメラとして動作することを要しない。例えば、上限値として3が設定されている場合に、3台以下のカメラ100がマスターカメラとして動作していればよい。上限値に代えて、マスターカメラとして動作しているべきカメラ100の数がユーザ設定等により設定できるとしてよい。この場合、マスターカメラとして動作していることが検出されたカメラ100の台数が、設定された数より少ない場合に、いずれかのカメラ100が警告するとしてよい。
システム10は、スタジアム等で行われるスポーツ等の試合を撮影する場合の他、スタジオ撮影や、ライブ会場等での撮影等、種々の場面に適用できる。
上記の説明において、カメラMPU133の動作として説明した処理は、カメラMPU133がプログラムに従ってカメラ100が有する各ハードウェアを制御することにより実現される。また、上記の説明において、MCU34の動作として説明した処理は、MCU34がプログラムに従ってカメラ100が有する各ハードウェアを制御することにより実現される。また、上記の説明においてASIC135により実現される処理は、プロセッサによって実現することができる。例えば、ASIC135の動作として説明した処理は、プロセッサがプログラムに従ってカメラ100が有する各ハードウェアを制御することにより実現される。すなわち、本実施形態のカメラ100、無線アダプタ30に関連して説明した処理は、プロセッサがプログラムに従って動作して各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現することができる。すなわち、当該処理を、いわゆるコンピュータ装置によって実現することができる。コンピュータ装置は、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータ装置は、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体から当該プログラムをロードすることができる。
本実施形態において、カメラ本体130に対して無線アダプタ30が取り外し可能に設けられるとして説明した。しかし、無線アダプタ30の機能はカメラ本体130に内蔵されてよい。すなわち、カメラ本体130が、無線アダプタ30の機能を有してよい。
また、本実施形態において、交換レンズ120が装着された状態のカメラ100を、撮像装置の一例として取り上げた。しかし、撮像装置とは、交換レンズ120が装着されていないカメラ本体130を含む概念である。また、撮像装置としては、一眼レフレックスカメラの他に、レンズ非交換式カメラの一例であるコンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、放送用の撮像機器、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能付きのゲーム機器等の娯楽装置等、撮像機能を有する種々の機器を適用の対象とすることができる。また、自身が撮像機能を有するか否かに関わらず、一の撮像装置の撮像に連動して他の1以上の撮像装置に撮影動作を行わせる電子機器を、適用の対象とすることができる。例えば、無線アダプタ30は、当該電子機器の一例である。また、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置、テレビジョン装置、無線リモートコントローラ、携帯電話機等の電子機器を適用の対象とすることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。