JP6192857B2 - 等化装置、等化方法、及び受信装置 - Google Patents

等化装置、等化方法、及び受信装置 Download PDF

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Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を受信した際に生じるキャリア間干渉の除去に関するものである。
OFDMは、直交する複数の狭帯域幅キャリアに信号を乗せて情報を伝送する方式である。OFDMは、周波数利用効率が高く、複数の反射波を受信するマルチパス環境で良好な受信性能を示すことから、デジタル無線通信及び地上デジタル放送等のような多くの通信システムで利用されている。
しかし、OFDM信号を車及び列車等のような移動体の受信機で受信する場合、送信機と受信機との間の伝送路の伝達関数が時間とともに変化することにより複数のキャリア(搬送波信号)間の直交性が崩れ、キャリア間干渉が生じるという問題がある。図1(a)及び(b)は、i番目のキャリアと(i+1)番目のキャリアとのキャリア間干渉を示す模式図であり、横軸は周波数を示し、縦軸は振幅を示す。図1(a)及び(b)において、fは、キャリア間間隔を示す周波数を示し、iは、正の整数を示す。伝送路の伝達関数が時間に依存せず一定である場合には、図1(a)に示されるように、i番目のキャリアと(i+1)番目のキャリアとは、キャリア間間隔を示す周波数f毎の位置において振幅0で互いに交差するため(すなわち、キャリア間干渉成分が0であるため)、一方のキャリアは他方のキャリアに影響を及ぼさない。また、伝送路の伝達関数が時間とともに変化する場合には、図1(b)に示されるように、ドップラーシフトの影響により、複数のキャリアの各々がドップラー周波数だけシフトし、複数のキャリアは0以外の振幅の周波数において互いに交差するため(すなわち、キャリア間干渉成分が0でないため)、複数のキャリアが互いに影響を及ぼすキャリア間干渉が生じる。
特許文献1は、OFDM信号に含まれるキャリア間干渉を推定及び除去する信号処理方法を記載している。この信号処理方法では、1OFDMシンボル長の期間において伝送路の伝達関数は線形に変化すると仮定し、伝送路の伝達関数の一次導関数をもとにしてキャリア間干渉を推定する。また、この信号処理方法では、キャリア間干渉の推定精度を向上させるために、伝送路の伝達関数の一次導関数を時間方向及び周波数方向にフィルタリングしている。
非特許文献1は、1OFDMシンボル長の期間において伝送路の伝達関数が線形に変化するという仮定を必要とせず、キャリア間干渉を推定及び除去する手法を記載している。この手法は、n番目のキャリアで受信された信号に含まれるキャリア間干渉成分を抽出し、このキャリア間干渉成分を(n+d)番目のキャリアで送信された信号で除算することで、(n+d)番目のキャリアからn番目のキャリアへの干渉のゲイン(以下「干渉ゲイン」という)を算出する。ここで、nは0以上の整数を示し、dは1以上の整数を示す。上記除算の結果をH′(n)とすると、H′(n)には(n+d)番目のキャリアからn番目のキャリアへの干渉成分(所望の干渉成分)の他に、(n+d)番目以外のキャリアからn番目のキャリアへの干渉成分(所望の干渉成分以外の干渉成分)が含まれている。非特許文献1の手法では、所望の干渉成分以外の干渉成分を抑制するために、H′(n)をnの方向(n=0,1,2,…)、すなわち、周波数方向にフィルタリングする。また、非特許文献1には、このフィルタリングに使用するフィルタは、伝送路の最大遅延時間が通過帯域となるよう設計されることが説明されている。
特表2008−501275号公報(段落0028〜0035)
Liang Zhang、 Zhihong Hong、 Louis Thibault、 Richard Boudreau、 Yian Wu著、 「A Low−Complexity Robust OFDM Receiver for Fast Fading Channels」、 IEEE Transaction on Broadcasting、 Vol.60、 No.2、 2014年6月、 pp.347−357
しかしながら、受信機を備えた移動体の速度が速くなると伝送路の伝達関数の変化が速くなるため、伝送路の時間変動が線形であるという仮定が成り立たなくなる。このため、移動体の速度が速い場合には、伝送路の時間変動が線形であるという仮定を必要とする特許文献1に記載の信号処理方法によるキャリア間干渉の推定の精度が低下するという問題がある。
また、非特許文献1に記載の手法は、伝送路の時間変動に関する仮定を必要としないため、特許文献1の信号処理方法に比べて、より高速に移動する環境下でもキャリア間干渉を精度よく推定することができる。しかし、非特許文献1に記載の手法では、上記除算の結果を周波数方向にフィルタリングするのみであるから、ガウス雑音の影響が大きい低SN比の環境下においては、ガウス雑音の影響を十分に抑圧することができないという問題がある。
そこで、本発明は、受信信号に含まれるキャリア間干渉を精度良く推定及び除去することができる等化装置及び等化方法、並びに、この等化装置を備えることによって良好な受信性能を実現することができる受信装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る等化装置は、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部と、前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定部と、前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、前記干渉成分抽出部によって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、前記FFT部の前記出力から、前記伝達関数と前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とを用いて、前記送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定部とを備えることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る等化装置は、複数のアンテナで受信されたOFDM信号から変換された複数のベースバンド信号をそれぞれ処理する複数の信号処理部と、第1の合成部と、第2の合成部とを有する等化装置であって、
前記複数の信号処理部の各々は、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部とを有し、
前記第1の合成部は、前記複数の信号処理部の各々における前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を取得し、
前記複数の信号処理部の各々は、前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定部と、前記FFT部の前記出力から前記第2の干渉成分を減算する干渉除去部とを有し、
前記第2の合成部は、前記複数の信号処理部の各々における前記干渉除去部による前記減算の結果として得られた前記複数の干渉除去部の出力と前記伝達関数とをもとに、前記送信信号の第2の推定結果を算出することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る等化方法は、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFTステップと、前記フーリエ変換によって得られたFFT出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定ステップと、前記FFT出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定ステップと、前記FFT出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出ステップと、前記干渉成分抽出ステップによって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算ステップと、前記除算によって得られた除算出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ処理ステップと、前記FFT出力から、前記伝達関数と前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とを用いて、前記送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る受信装置は、受信されたOFDM信号をベースバンド信号に変換する受信部と、前記受信部で変換された前記ベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部と、前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定部と、前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、前記干渉成分抽出部によって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、前記FFT部の前記出力から、前記伝達関数と前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とを用いて、前記送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、1OFDMシンボル長の期間において伝送路の伝達関数は線形に変化するという仮定を必要としないので、高速に移動する環境下でもキャリア間干渉を精度よく推定及び除去することができる。また、本発明によれば、2次元フィルタ部が時間方向のフィルタリングと周波数方向のフィルタリングの両方によって所望のキャリア間干渉の干渉ゲインを高精度に求めるので、この干渉ゲインを用いて行われるキャリア間干渉の推定が高精度になり、よって、低SN比の環境下であってもキャリア間干渉を精度良く除去することができる。
(a)及び(b)は、i番目のキャリアと(i+1)番目のキャリアとのキャリア間干渉を示す模式図である。 スキャッタリング関数の分布を示す図である。 2次元フィルタ処理の通過帯域を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る等化装置の構成を概略的に示すブロック図である。 デジタル放送におけるパイロットキャリアのシンボル方向及びキャリア方向の配置(割り当て)の例を示す図である。 図4の伝送路特性推定部の構成を概略的に示すブロック図である。 (a)及び(b)は、伝送路の伝達関数の補間に関する図である。 最大遅延時間推定に関する図である。 最大ドップラー周波数推定に関する図である。 本発明の実施の形態2に係る等化装置の2次元フィルタ部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る等化装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る等化装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る等化方法を示すフローチャートである。 図13の伝送路特性推定ステップを示すフローチャートである。 実施の形態5の変形例に係る等化方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6に係る受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態1から4に係る等化装置の構成を示すハードウェア構成図である。
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る等化装置を説明する。実施の形態1に係る等化装置は、本発明が適用された等化方法(例えば、後述の実施の形態5に説明された方法)を実施することができる装置である。実施の形態1に係る等化装置に入力される受信信号としての各キャリア(「サブキャリア」又は「搬送波信号」ともいう)の信号は、式(1)で表される。
Figure 0006192857
式(1)において、yは、等化装置に入力される受信信号(「受信信号ベクトル」ともいう)を示し、xは、送信機が送信する送信信号(「送信信号ベクトル」ともいう)を示し、Hは、伝送路行列を示し、これらは、式(2)〜(4)で表される。ここで、mは、正の整数(すなわち、m=1,2,…)である。
Figure 0006192857
式(2)〜(4)において、K(大文字)は、OFDMシンボルの全キャリア数を示す整数であり、k(小文字)は、0≦k≦(K−1)を満たす整数であり、dは、(1−K)≦d≦(K−1)を満たす整数である。すなわち、k=0,1,…,K−1であり、d=1−K,…,0,…,K−1である。式(2)において、y(k,m)は、m番目のOFDMシンボルのk番目のキャリアで受信した信号(OFDM信号)を示す。式(3)において、x(k,m)は、m番目のOFDMシンボルのk番目のキャリアで送信機が送信した信号(送信信号)を示す。式(4)において、H(k,m)(すなわち、H(0,m)からH(K−1,m)までの要素)は、m番目のOFDMシンボルのk番目のキャリアについての伝送路の伝達関数の値を示し、H(k,m)は、m番目のOFDMシンボルにおいて(k+d)番目のキャリアからk番目のキャリアへの干渉の干渉ゲインを示す。また、伝送路は、信号を送信する送信機から信号を受信する受信機(各実施の形態における等化装置を有する装置であって、例えば、後述する実施の形態6に係る受信装置)までの伝送路であり、時間とともに変化し、また、キャリア毎(周波数毎)に異なる。
キャリア間干渉を推定するためには、式(4)の伝送路行列Hの要素である干渉ゲインH(k,m)が必要となる。干渉ゲインH(k,m)は、例えば、式(5)及び(6)で表される。式(5)及び(6)は、「非特許文献1の第348頁右欄における式3及び4」と同等の式である。ただし、非特許文献1の干渉ゲインには、シンボルのインデックスを示すmは含まれていない。
Figure 0006192857
式(5)及び(6)において、Nは、ガードインターバルを含むm番目のOFDMシンボルのOFDMシンボル長に相当するサンプル数(整数)を示し、L(大文字)は、最大遅延時間に相当するサンプル数(整数)を示し、h(l,n+N)は、m番目のOFDMシンボルのn番目のサンプルにおけるインパルス応答を示し、インデックスl(小文字)は、遅延時間に相当するサンプル数(整数)を示す。また、nは、0≦n≦(K−1)を満たす整数を示す。すなわち、l=0,1,…,K−1であり、n=0,1,…,K−1である。
式(5)及び(6)において、H(k,m)とg(l,m)とは、フーリエ変換対である。実施の形態1に係る等化装置では、g(l,m)が0≦l<Lの範囲においてだけ0以外の値を持つことを利用し、ローパスフィルタを用いて干渉ゲインH(k,m)をインデックスkの方向(k=0,1,…)に平滑化処理することで、干渉ゲインH(k,m)から雑音成分を抑圧(除去)する。ローパスフィルタの通過帯域を最大遅延時間に設定すれば、干渉ゲインを抑圧することなく、雑音成分のみを抑圧することが可能である。ただし、ローパスフィルタの通過帯域が最大遅延時間より広い場合、或いは狭い場合でも、平滑化の効果は得られる。
次に、g(l,m)をmに関してフーリエ変換すると式(7)が得られる。
Figure 0006192857
式(7)において、A(l,p)は、伝送路の特性に依存しない係数を示し、S(l,p)は、伝送路のスキャッタリング関数を示す。ここで、スキャッタリング関数は、伝送路の特性を示す遅延時間とドップラー周波数の2変数関数であり、伝送路の遅延広がり、及びドップラー広がりを表す関数である。図2は、スキャッタリング関数の分布を示す図である。例えば、最大遅延時間τで最大ドップラー周波数fの2波環境下では、スキャッタリング関数S(l,p)の分布は、図2の斜線領域(到来波)のようになる。また、式(7)におけるA(l,p)とS(l,p)は、式(8)及び(9)で表される。
Figure 0006192857
式(5)〜(9)より、キャリア間干渉の干渉ゲインH(k,m)の2次元フーリエ変換対は、S(l,p)である。ここで、周波数を意味するインデックスkの対になるのが遅延時間を意味するインデックスlであり、時間(シンボル)を意味するインデックスmの対になるのがドップラー周波数を意味するインデックスpである。
また、S(l,p)とS(l,p)の関係を表す式(7)より、S(l,p)とS(l,p)は、係数A(l,p)が存在するので、任意のインデックス(l,p)における値は互いに異なる値であるが、S(l,p)とS(l,p)の分布する範囲(S(l,p)≠0、及びS(l,p)≠0となる範囲)は互いに一致する。
図3は、2次元フィルタ処理の通過帯域を示す図である。実施の形態1に係る等化装置においては、図3に示されるように、インデックスkの方向に最大遅延時間τの通過帯域を持ち、インデックスlの方向に最大ドップラー周波数の通過帯域を持つ2次元ローパスフィルタを用いて、H(k,m)をフィルタリングすることで、干渉ゲインを抑圧することなく、雑音成分のみを抑圧することができる。なお、2次元ローパスフィルタの通過帯域が最大遅延時間より広い場合、或いは狭い場合でも、平滑化の効果は得られる。また、2次元ローパスフィルタの通過帯域が最大ドップラー周波数より広い場合、或いは狭い場合でも、平滑化の効果は得られる。実施の形態1に係る等化装置の処理は、インデックスkの方向とインデックスlの方向の各々に通過帯域を持つ2次元ローパスフィルタを用いた処理であり、2次元フィルタのうちインデックスkの方向のみを考慮した非特許文献1の処理と異なる。
図4は、実施の形態1に係る等化装置の構成を概略的に示すブロック図である。実施の形態1に係る等化装置は、パイロットキャリアが挿入されたOFDM信号に等化処理を施す装置である。図4に示されるように、実施の形態1に係る等化装置は、OFDM信号から変換されたベースバンド信号を時間領域から周波数領域にフーリエ変換する高速フーリエ変換部であるFFT部(FFT手段)1と、FFT部1から出力された信号に含まれるパイロットキャリアをもとに、OFDM信号の伝送路の伝達関数、伝送路の遅延時間(例えば、伝送路の遅延時間の最大値である最大遅延時間)、及び伝送路のドップラー周波数(例えば、伝送路のドップラー周波数の最大値である最大ドップラー周波数)を推定する伝送路特性推定部(伝送路特性推定手段)2と、FFT部1の出力と伝送路特性推定部2から出力される伝達関数とを用いて送信信号の推定結果を得る第1の送信信号推定部(第1の送信信号推定手段)3とを有する。また、実施の形態1に係る等化装置は、FFT部1の出力(FFT出力)、伝送路特性推定部2から出力される伝達関数、第1の送信信号推定部3から出力される送信信号の推定結果を用いて、FFT部1の出力に含まれる干渉成分を抽出する干渉成分抽出部(干渉成分抽出手段)4と、干渉成分抽出部4の出力を前記送信信号の推定結果で除算する除算部(除算手段)5と、除算部5の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部(2次元フィルタ手段)6とを有する。ここで、2次元フィルタ部6は、ローパスフィルタ(2次元ローパスフィルタ)を用いて、除算部5の出力に含まれる不要な成分を抑圧して干渉ゲインを得る。また、実施の形態1に係る等化装置は、FFT部1の出力と前記伝達関数、前記干渉ゲイン、前記送信信号の推定結果をもとに干渉を除去して等化する信号成分推定部(信号成分推定手段)10とを有する。
信号成分推定部10は、2次元フィルタ部6から出力される干渉ゲインと第1の送信信号推定部3から出力される送信信号の推定結果をもとに、FFT部1の出力に含まれるキャリア間干渉を推定する干渉推定部(干渉推定手段)7と、FFT部1の出力から干渉推定部7の出力を減算する干渉除去部(干渉除去手段)8と、干渉除去部8の出力と伝送路特性推定部2から出力される伝達関数をもとに、送信信号を推定する第2の送信信号推定部(第2の送信信号推定手段)9とを有する。
本出願では、K個のキャリアを多重化して生成された有効シンボルの前にガードインターバルを付加したOFDMシンボルを伝送単位とする場合を説明する。ガードインターバルとしてサイクリックプレフィックスが広く用いられているが、ガードインターバルとしてPN(Pseudo−random)系列又はゼロ値等を用いても良い。また、K個の有効キャリアの内、複数の所定のキャリアにパイロットキャリアが割り当てられる。
図5は、日本及び欧州の地上デジタル放送におけるパイロットキャリアのシンボル方向及びキャリア方向の配置(割り当て)の例を示す図である。ただし、パイロットキャリアの割り当て位置は、図5の例に限らず、図5以外の任意の配置を選択可能である。
図4のFFT部1は、受信した時間領域のOFDM信号を周波数領域の信号に変換する。ここで、受信信号のOFDMシンボルの先頭位置は既知であり、伝送路の最大遅延時間は、ガードインターバル長より短いと仮定する。したがって、OFDMシンボル間の干渉は生じない。以下の説明では、m番目のOFDMシンボルのFFT部1の出力をy(k,m)とする。ここで、k=0,…,K−1である。また、以降の処理は、OFDMシンボル単位で実施される。
図6は、図4の伝送路特性推定部2の構成を概略的に示すブロック図である。図6に示されるように、伝送路特性推定部2は、パイロットキャリアに作用する伝達関数を算出するパイロット伝達関数推定部(パイロット伝達関数推定手段)11と、パイロットキャリアに作用する伝達関数を時間方向に補間する時間方向補間部(時間方向補間手段)12と、時間方向に補間された伝達関数を周波数方向に補間する周波数方向補間部(周波数方向補間手段)13と、伝送路の最大遅延時間を推定する最大遅延時間推定部(最大遅延時間推定手段)14と、伝送路の最大ドップラー周波数を推定する最大ドップラー周波数推定部(最大ドップラー周波数推定手段)15とを有する。
図6のパイロット伝達関数推定部11は、パイロットキャリアに作用する伝達関数を算出する手段である。具体的には、パイロット伝達関数推定部11は、パイロットキャリアが配置されているキャリアで受信した信号を既知のパイロットキャリアの信号で除算する。
図7(a)及び(b)は、伝送路の伝達関数の補間に関する図である。図6の時間方向補間部12は、図7(a)に示されるように、パイロットキャリアに作用する伝達関数を時間方向(シンボル方向)に補間する。図6の周波数方向補間部13は、図7(b)に示されるように、パイロットキャリアに作用する伝達関数を周波数方向(キャリア方向)に補間する。図7(a)及び(b)に示される補間により、全キャリアに作用する伝達関数の値を算出することができる。また、時間方向補間部12及び周波数方向補間部13に代えて、時間方向と周波数方向のフィルタ処理を同時に行う2次元フィルタを用いても良い。以下の説明では、m番目のOFDMシンボルの伝達関数の推定値をH′(k,m)と表記する。ここで、k=0,…,K−1である。
図6の最大遅延時間推定部14は、特定のシンボルに着目してパイロットキャリアに作用する伝達関数の値をキャリア方向に観測し、この観測の結果を逆フーリエ変換して得られる伝送路のインパルス応答の電力をもとに、最大遅延時間を算出する。図8は、最大遅延時間推定に関する図である。例えば、送信された信号を直接受信する直接波の他に、建物等に反射して遅れて届く遅延波が2つ存在する場合、インパルス応答の電力は、図8のようになる。最大遅延時間推定部14は、このインパルス応答の電力と予め決められた閾値を比較し、閾値より大きくなるときの遅延時間を探索し、その中で最も遅延時間の長いものを最大遅延時間の推定結果とする。
図6の最大ドップラー周波数推定部15は、特定のキャリアに着目してパイロットキャリアに作用する伝達関数の値をシンボル方向に観測し、この観測の結果をフーリエ変換した結果をもとに、最大ドップラー周波数を算出する。図9は、最大ドップラー周波数推定に関する図である。例えば、一般的なレイリーフェージング環境下では、最大ドップラー周波数がfの場合、上記のフーリエ変換結果は、図9のようになり、最大ドップラー周波数推定部15は、エッジ検出を実施することで、最大ドップラー周波数fを推定することができる。
上記最大遅延時間及び最大ドップラー周波数の算出では、パイロットキャリアに作用する伝達関数を利用しているが、時間方向補間部12から出力される信号を用いても良いし、周波数方向補間部13から出力される信号を用いても良い。また、最大ドップラー周波数推定部15は、最大ドップラー周波数が移動体の速度に比例することを利用して、外部から入力される移動体の速度から算出することもできる。具体的には、移動体の速度が毎秒vメートル、OFDM信号の搬送波周波数をfヘルツとすると、f=(f×v)/cで算出される。ここで、cは、光の速度(毎秒約3×10メートル)である。
一般に、図6の時間方向補間部12で使用する補間フィルタは、図3に示されるように、最大遅延時間の通過帯域を持つローパスフィルタとして設計すればよく、周波数方向補間部13で使用する補間フィルタは、最大ドップラー周波数の通過帯域を持つローパスフィルタとして設計すれば良いことが知られている。ただし、時間方向補間部12で使用する補間フィルタは、最大遅延時間より広い、或いは狭い通過帯域を持つローパスフィルタとして設計しても良く、周波数方向補間部13で使用する補間フィルタは、最大ドップラー周波数より広い、或いは狭い通過帯域を持つローパスフィルタとして設計しても良い。これらローパスフィルタのフィルタ係数としては、時間とともに変化する最大遅延時間と最大ドップラー周波数に応じて、その都度算出したフィルタ係数を用いることができる。また、これらローパスフィルタのフィルタ係数としては、等化装置のメモリ等の記憶素子に予め格納されている複数のフィルタ係数の中から、最大遅延時間と最大ドップラー周波数に応じて選択されたフィルタ係数を用いても良い。
また、図6においては、時間方向補間部12の下流側に周波数方向補間部13が備えられているが、時間方向補間部12の上流側に周波数方向補間部13を備えても良い。
図4の第1の送信信号推定部3は、FFT部1から出力される各キャリアで受信した信号y(k,m)を、伝送路特性推定部2から出力される伝送路の伝達関数H(k,m)で除算することで、各キャリアで伝送された送信信号の推定を実施する。ここで、k=0,…,K−1である。また、第1の送信信号推定部3は、変調方式が既知の場合(例えば、4位相偏移変調(QPSK)及び16値直交位相振幅変調(16QAM)等の場合)は、等化処理された信号点を最も近い理想信号点に置き換える硬判定処理を実施しても良い。また、第1の送信信号推定部3は、送信側で誤り訂正符号等を使用している場合、等化処理後の信号に対して、デマッピング及び誤り訂正を実施した後、再度、誤り訂正符号化及びマッピングを実施して、各キャリアで伝送された送信信号を推定しても良い。以下の説明では、m番目のOFDMシンボルの送信信号推定結果をx′(k,m)で表す。ここで、k=0,…,K−1である。
図4の干渉成分抽出部4は、式(10)に示されるように、FFT部1の出力y(k,m)から、伝送路の伝達関数の推定結果H′(k,m)と送信信号の推定結果x′(k,m)の乗算結果を減算することでキャリア間干渉成分I′(k,m)を抽出する。ここで、k=0,…,K−1である。
Figure 0006192857
式(10)でキャリア間干渉成分I′(k,m)が抽出される理由を説明する。式(1)の演算結果を式(11)として示す。
Figure 0006192857
式(11)において、右辺の第2項がキャリア間干渉成分である。ここで、伝送路の伝達関数の推定結果と送信信号の推定結果に誤差が存在しないと仮定すると、
H(k,m)=H′(k,m)であり、x(k,m)=x′(k,m)である。このとき、式(10)のキャリア間干渉成分I′(k,m)が、式(11)の右辺の第2項で算出されることが分かる。
図4の除算部5は、式(12)に示されるように、干渉成分抽出部4の出力I(k,m)を、第1の送信信号推定部3の出力x′(k+d,m)で除算して、H′(k,m)を算出する。ここで、k=0,…,K−1であり、d=−k,…,K−k−1である。
Figure 0006192857
ここで、伝達関数の推定結果と送信信号の推定結果に誤差が存在しないと仮定すると、 H(k,m)=H′(k,m)であり、x(k,m)=x′(k,m)であり、式(12)で算出される値は式(13)のようになる。
Figure 0006192857
式(13)の右辺の第1項は、m番目のOFDMシンボルにおいて(k+d)番目のキャリアからk番目のキャリアへの干渉ゲイン(所望成分)であり、第2項は、不要な成分である。
図4の2次元フィルタ部6は、上記の不要な成分を抑圧するために、H′(k,m)をインデックスkの方向及びインデックスmの方向に平滑化フィルタ処理を施す。具体的には、H′(k+d,m)に対して、式(14)で表される2次元フィルタ処理を行い、H″(k,m)を得る。ここで、k=0,…,K−1であり、d=−k,…,K−k−1である。
Figure 0006192857
式(14)において、w(q,r)は、(Q+1)×(R+1)の2次元ローパスフィルタ係数であり、式(5)〜(9)で述べたように、2次元ローパスフィルタは、インデックスqの方向に最大遅延時間の通過帯域を持ち、インデックスrの方向に最大ドップラー周波数の通過帯域を持つよう設計すれば良い。また、2次元ローパスフィルタは、インデックスqの方向に最大遅延時間より広い、或いは狭い通過帯域を持つように設計しても良く、インデックスrの方向に最大ドップラー周波数より広い、或いは狭い通過帯域を持つように設計しても良い。上記の最大遅延時間と最大ドップラー周波数は、伝送路特性推定部2から得られる。2次元フィルタ部6は、最大遅延時間及び最大ドップラー周波数が算出される度にフィルタ係数を算出しても良いが、予め複数のフィルタ係数を用意して等化装置に備えられたメモリ等の記憶素子に格納しておき、最大遅延時間と最大ドップラー周波数の値に応じて、上記のフィルタ係数を選択しても良い。また、フィルタのサイズを表すQ及びRは、全キャリア数Kより小さな正の整数である。
また、m番目のシンボルのk番目のキャリアにおける干渉ゲインは、d=−k,…,K−k−1(d≠0)の(K−1)個存在する。式(12)で表される除算部5の演算及び式(14)で表される2次元フィルタ部6の演算は、全ての干渉ゲインを算出することを想定しているが、実際には、dの絶対値が大きくなるにつれて干渉ゲインも小さくなるため、予め決められた範囲d=−D,…,Dの干渉ゲインのみを算出しても良い。以下の説明では、予め決められた範囲d=−D,…,Dの干渉ゲインのみが算出される。
図4の干渉推定部7は、2次元フィルタ部6から出力される干渉ゲインと第1の送信信号推定部3から出力される送信信号の推定結果とをもとに、キャリア間干渉成分を算出する。具体的には、干渉推定部7は、式(15)で表される処理を実施して、キャリア間干渉成分I″(k,m)を算出する。ここで、k=0,…,K−1である。
Figure 0006192857
図4の干渉除去部8は、FFT部1の出力y(k,m)から干渉推定部7の出力I″(k,m)を減算することで、キャリア間干渉成分を除去する。
図4の第2の送信信号推定部9は、干渉除去部8から出力される信号を伝送路特性推定部2から出力される伝達関数で除算することで、各キャリアで伝送された送信信号の推定を実施する。
以上に説明したように、実施の形態1に係る等化装置では、干渉ゲインに対して、キャリア方向(式(14)のインデックスkの方向)とシンボル方向(式(14)のインデックスmの方向)の2次元ローパスフィルタ処理を施すことで、干渉ゲインに含まれる不要成分(式(13)の右辺の第2項)を抑圧することができる。このように、実施の形態1に係る等化装置によれば、キャリア方向にのみローパスフィルタを施す非特許文献1の手法と比較して、低SN比(信号雑音比)の環境下でより精度良くキャリア間干渉成分を推定及び除去することが可能となるという効果がある。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る等化装置は、2次元フィルタ部6の構成及び動作の点で、実施の形態1に係る等化装置と相違する。この点以外について、実施の形態2に係る等化装置は、実施の形態1に係る等化装置と同じである。したがって、実施の形態2の説明に際しては、実施の形態1の説明で用いた図4及び図6をも参照する。なお、実施の形態2に係る等化装置は、本発明が適用された等化方法を実施することができる装置である。
図10は、実施の形態2に係る等化装置の2次元フィルタ部6の構成を概略的に示すブロック図である。図10に示されるように、実施の形態2における2次元フィルタ部6は、除算部5の出力を時間方向(シンボル方向、すなわち、インデックスmの方向)にフィルタ処理を施す時間方向フィルタ部(時間方向フィルタ手段)21と、時間方向フィルタ部21の出力を周波数方向(キャリア方向、すなわち、インデックスkの方向)にフィルタ処理を施す周波数方向フィルタ部(周波数方向フィルタ手段)22とを有する。
実施の形態2における時間方向フィルタ部21は、除算部5の出力H′(k,m)に対してインデックスkの方向にフィルタ処理を施して、式(16)で示される
Figure 0006192857
を得る。
Figure 0006192857
式(16)において、フィルタ係数w(r)は、通過帯域が最大ドップラー周波数となるローパスフィルタとして設計すれば良いが、通過帯域が最大ドップラー周波数より広い、或いは狭いローパスフィルタとして設計しても良い。ここで、r=−R,…,Rである。時間方向フィルタ部21は、伝送路特性推定部2で最大ドップラー周波数が算出される度に、フィルタ係数w(r)を算出し直しても良いが、予め複数のフィルタ係数を等化装置に備えられたメモリ等の記憶素子に格納しておき、記憶されている複数のフィルタ係数の中から最大ドップラー周波数に応じてフィルタ係数w(r)を選択しても良い。
実施の形態2における周波数方向フィルタ部22は、時間方向フィルタ部21から出力される
Figure 0006192857
に対してインデックスmの方向にフィルタ処理を施して、式(17)で示されるH″(k,m)を得る。
Figure 0006192857
式(17)において、フィルタ係数w(q)は、通過帯域が最大遅延時間となるローパスフィルタとして設計すれば良いが、通過帯域が最大遅延時間より広い、或いは狭いローパスフィルタとして設計しても良い。ここで、q=−Q,…,Qである。周波数方向フィルタ部22は、伝送路特性推定部2で最大遅延時間が算出される度に、フィルタ係数w(q)を算出し直しても良いが、予め複数のフィルタ係数を等化装置に備えられたメモリ等の記憶素子に格納しておき、記憶されている複数のフィルタ係数の中から最大遅延時間に応じてフィルタ係数w(q)を選択しても良い。
実施の形態1では、2次元ローパスフィルタを用いて干渉ゲインに含まれる不要成分を抑圧していたが、フィルタのサイズを(Q×R)とすると、1つの干渉ゲインを算出するために、(Q×R)回の乗算が必要である。これに対し、実施の形態2では、1次元のローパスフィルタを2つ使用し、(Q+R)回の乗算で1つの干渉ゲインの算出が可能であり、乗算回数が少なくなる。このように、実施の形態2に係る等化装置によれば、実施の形態1に係る等化装置よりも、演算回数が少なくなり、回路規模の削減を実現できる。
また、伝送路特性推定部2の中の時間方向補間部12で使用するローパスフィルタと、2次元フィルタ部6の中の時間方向フィルタ部21で使用するローパスフィルタは、ともに同一の通過帯域をもつローパスフィルタである。したがって、等化装置に1つの上記フィルタを実装し、時分割で両方の機能の処理を実施する構成を採用すれば、等化装置の回路規模を削減することができる。
また、伝送路特性推定部2の中の周波数方向補間部13で使用するローパスフィルタと、2次元フィルタ部6の中の周波数方向フィルタ部22で使用するローパスフィルタは、ともに同一の通過帯域をもつローパスフィルタである。したがって、等化装置に1つの上記フィルタを実装し、時分割で両方の機能の処理を実施する構成を採用すれば、等化装置の回路規模を削減することができる。
以上に説明したように、実施の形態2に係る等化装置では、干渉ゲインに対して、キャリア方向(インデックスkの方向)とシンボル方向(インデックスmの方向)の2次元ローパスフィルタ処理を施すことで、干渉ゲインに含まれる不要成分を抑圧することができる。このように、実施の形態2に係る等化装置によれば、キャリア方向にのみローパスフィルタを施す非特許文献1の手法と比較して、低SN比(信号雑音比)の環境下でより精度良くキャリア間干渉を推定及び除去することが可能となるという効果がある。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3に係る等化装置の構成を概略的に示すブロック図である。図11において、図4に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図4における符号と同じ符号を付す。実施の形態3に係る等化装置は、信号成分推定部を伝送路行列算出部(伝送路行列算出手段)31と第2の送信信号推定部(第2の送信信号推定手段)32とで構成している点が、実施の形態1及び2に示される等化装置と相違する。これらの点を除いて、実施の形態3は、実施の形態1及び2と同じである。なお、実施の形態3に係る等化装置は、本発明が適用された等化方法を実施することができる装置である。
実施の形態3に係る等化装置において、伝送路行列算出部31は、伝送路特性推定部2から出力される伝送路の伝達関数と2次元フィルタ部6から出力される干渉ゲインとをもとに、伝送路行列を作成する。第2の送信信号推定部32は、伝送路行列算出部31から出力される伝送路行列をもとに、FFT部1の出力を等化する。
伝送路特性推定部2からは、m番目のOFDMシンボルの伝達関数の推定結果H′(k,m)が出力され、2次元フィルタ部6からは、干渉ゲインH″(k,m)が出力される。ここで、k=0,…,K−1であり、d=−D,…,Dである。
図11の伝送路行列算出部31は、上記伝達関数と干渉ゲインをもとに、式(18)で表されるK×Kの伝送路行列を生成する。
Figure 0006192857
第2の送信信号推定部32は、m番目のOFDMシンボルのFFT結果に対して、伝送路行列の逆行列を乗算することで、式(19)のように、送信信号の推定結果を得る。
Figure 0006192857
式(19)の(H′−1は、H′の逆行列であり、yは、式(2)で定義されている受信信号を表すベクトルである。実施の形態3において、逆行列は、一般的に知られているGauss−Jordan法又は特異値分解による方法等を用いて導出する。実施の形態3における干渉ゲインの導出方法は、実施の形態1及び2と同じである。
したがって、実施の形態3に係る等化装置では、実施の形態1及び2と同様、干渉ゲインに対して、キャリア方向(インデックスkの方向)とシンボル方向(インデックスmの方向)の2次元ローパスフィルタ処理を施すことで、干渉ゲインに含まれる不要成分を抑圧することができる。このように、実施の形態3に係る等化装置によれば、キャリア方向にのみローパスフィルタを施す非特許文献1の手法と比較して、低SN比(信号雑音比)の環境下でより精度良くキャリア間干渉を推定及び除去することが可能となるという効果がある。
また、実施の形態1及び2では、干渉推定部7において、送信信号の推定結果を用いてキャリア干渉成分を算出するため、送信信号の推定結果に含まれる誤差が大きい場合に、キャリア間干渉の推定結果の精度が悪くなることがあり得る。これに対して、実施の形態3では、キャリア間干渉を除去する際に送信信号の推定結果を用いないため、送信信号の推定結果の誤差による精度劣化量が少ないという効果がある。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4に係る等化装置の構成を概略的に示すブロック図である。図12において、図4に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図4に示される符号と同じ符号を付す。図12に示されるように、実施の形態4に係る等化装置は、複数のアンテナで受信されたOFDM信号から変換された複数のベースバンド信号をそれぞれ処理する複数の信号処理部(信号処理手段)51,52と、第1の合成部(第1の合成手段)41と、第2の合成部(第2の合成手段)42とを有する。複数のアンテナの数並びに複数の信号処理部51,52の数は、2台に限定されず、3台以上であっても良い。
複数の信号処理部51,52の各々は、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部1と、フーリエ変換によって得られたFFT部1の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、OFDM信号の伝送路の伝達関数、伝送路の遅延時間(例えば、伝送路の遅延時間の最大値である最大遅延時間)、及び伝送路のドップラー周波数(例えば、伝送路のドップラー周波数の最大値である最大ドップラー周波数)を推定する伝送路特性推定部2とを有する。第1の合成部41は、複数の信号処理部51,52の各々におけるFFT部1の出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を取得する。第1の合成部41は、例えば、複数の信号処理部51,52のFFT部1の出力と複数の信号処理部51,52の伝送路特性推定部2から出力される伝達関数とを用いて、ダイバーシチ合成を行うことによって、第1の推定結果を生成することができる。
また、複数の信号処理部51,52の各々は、FFT部1の出力、前記伝達関数、及び第1の推定結果を用いて、FFT部1の出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部4と、第1の干渉成分を第1の推定結果で除算する除算部5と、この除算によって得られた除算部5の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部6と、干渉ゲインと第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定部7と、FFT部1の出力から第2の干渉成分を減算する干渉除去部8とを有する。第2の合成部42は、複数の信号処理部51,52の各々における干渉除去部8による減算の結果として得られた複数の干渉除去部8の出力と前記伝達関数とをもとに、送信機から送信される送信信号の第2の推定結果を算出する。第2の合成部42は、例えば、複数の信号処理部51,52の干渉除去部8の出力と複数の信号処理部51,52の伝送路特性推定部2から出力される前記伝達関数とを用いて、ダイバーシチ合成を行うことによって、前記第2の推定結果を取得することができる。
また、2次元フィルタ部6は、最大遅延時間と前記最大ドップラー周波数とを通過帯域とするローパスフィルタを含むことができる。また、2次元フィルタ部6は、最大遅延時間より広い、或いは狭い通過帯域を持つように設計しても良く、最大ドップラー周波数より広い、或いは狭い通過帯域をもつように設計しても良い。
図12に示される第1の合成部41と第2の合成部42は、各アンテナの伝達関数を用いて入力信号を合成する手段である。例えば、a番目のアンテナのm番目のOFDMシンボルのFFT部1の出力、或いは、干渉除去部8の出力を、w(k,m)(k=0,…,K−1)(a=0,…,A−1)とする。kは、0≦k≦K−1を満たす整数であり、aは、0≦a≦A−1を満たす整数である。伝送路特性推定部2から出力される伝達関数をH′(k,m)(k=0,…,K−1)(a=0,…,A−1)とする。第1の合成部41及び第2の合成部42は、式(20)で表される処理を実施する。
Figure 0006192857
式(20)において、Aはアンテナの数を示す整数であり、括弧()の後の「*」印は、複素共役であることを示す。したがって、「(W(k,m))」は、(W(k,m))の複素共役を示す。式(20)は、一般的に知られている最大比合成法を示しているが、第1の合成部41及び第2の合成部42が実行する合成法として、等利得合成法又は最大値選択合成法などのような他の合成方法を用いても良い。
図12の第1の合成部41の出力は、実施の形態1及び2における第1の送信信号推定部3の出力に相当する。したがって、第1の合成部41の出力は、送信信号の推定結果として干渉成分抽出部4、除算部5、及び干渉推定部7で使用される。
実施の形態4における干渉ゲインの導出方法は、実施の形態1及び2と同じである。したがって、実施の形態4に係る等化装置及びこの装置が実行する等化方法によれば、実施の形態1及び2と同様に、キャリア方向にのみフィルタを施す非特許文献1と比較して、低SN比の環境下でより精度良くキャリア間干渉を推定及び除去することができるという効果がある。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5に係る等化方法を示すフローチャートである。図13に示される等化方法は、実施の形態1に係る等化装置の動作に相当する。したがって、実施の形態5の説明に際しては、図4、図6、図7(a)及び(b)、図8、及び図9をも参照する。
実施の形態5に係る等化方法は、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFTステップST1と、フーリエ変換によって得られたFFT部の出力(FFT出力)に含まれるパイロットキャリアをもとに、OFDM信号の伝送路の伝達関数、伝送路の遅延時間(例えば、伝送路の遅延時間の最大値である最大遅延時間)、及び伝送路のドップラー周波数(例えば、伝送路のドップラー周波数の最大値である最大ドップラー周波数)を推定する伝送路特性推定ステップST2と、FFT出力と伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定ステップST3とを有する。さらに、実施の形態5に係る等化方法は、FFT出力、伝達関数、及び第1の推定結果を用いて、FFT出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出ステップST4と、このステップによって抽出された第1の干渉成分を第1の推定結果で除算する除算ステップST5と、除算によって得られた除算出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ処理ステップST6と、FFT出力から、伝達関数と干渉ゲインと第1の推定結果とを用いて、送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定ステップST10とを有する。2次元フィルタ処理ステップST6は、ローパスフィルタ処理を含む。このローパスフィルタ処理は、通過帯域を最大遅延時間と最大ドップラー周波数とすると良いが、通過帯域を最大遅延時間より広く或いは狭くしても良く、通過帯域を最大ドップラー周波数より広く或いは狭くしても良い。
信号成分推定ステップST10は、例えば、干渉ゲインと第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定ステップST7と、FFT出力から干渉推定部で推定された第2の干渉成分を減算する干渉除去ステップST8と、干渉除去ステップST8による減算の結果として得られた干渉除去部8の出力と伝送路特性推定ステップST2によって推定された伝達関数とをもとに、送信機から送信された送信信号の第2の推定結果を算出する第2の送信信号推定ステップST9とを含むことができる。
以下に、各ステップをより具体的に説明する。図13のFFTステップST1は、受信した時間領域のOFDM信号を周波数領域に変換する。ここで、受信信号のOFDMシンボルの先頭位置は既知であり、伝送路の最大遅延時間は、ガードインターバル長より短いと仮定する。したがって、OFDMシンボル間の干渉は生じない。以降、m番目のOFDMシンボルFFT部1の出力を、y(k,m)(k=0,…,K−1)とする。また、以降の処理は、OFDMシンボル単位で実施される。
図14は、図13の伝送路特性推定ステップST2の一例を示すフローチャートである。伝送路特性推定ステップST2は、パイロットキャリアに作用する伝達関数を算出するパイロット伝達関数推定ステップST21と、伝送路の最大遅延時間を推定する最大遅延時間推定ステップST22と、伝送路の最大ドップラー周波数を推定する最大ドップラー周波数推定ステップST23と、パイロットキャリアに作用する伝達関数を時間方向に補間する時間方向補間ステップST24と、時間方向に補間された伝達関数を周波数方向に補間する周波数方向補間ステップST25とを有する。
図14のパイロット伝達関数推定ステップST21は、パイロットキャリアに作用する伝達関数を算出するステップである。具体的には、このステップでは、パイロットキャリアが配置されているキャリアで受信した信号を既知のパイロットキャリアの信号で除算する。
図14の最大遅延時間推定ステップST22では、特定のシンボルに着目してパイロットキャリアに作用する伝達関数の値をキャリア方向に観測し、それを逆フーリエ変換して得られる伝送路のインパルス応答の電力をもとに、最大遅延時間を算出することができる。例えば、送信された信号を直接受信する直接波の他に、建物等に反射して遅れて届く遅延波が2つ存在する場合、インパルス応答の電力は、図8のようになる。このインパルス応答の電力と予め決められた閾値を比較し、閾値より大きくなるときの遅延時間を探索し、その中で最も遅延時間の長いものを最大遅延時間の推定結果とする。
図14の最大ドップラー周波数推定ステップST23では、特定のキャリアに着目してパイロットキャリアに作用する伝達関数の値をシンボル方向に観測し、それをフーリエ変換した結果をもとに、最大ドップラー周波数を算出することができる。例えば、一般的なレイリーフェージング環境下では、最大ドップラー周波数がfの場合、上記のフーリエ変換結果は、図9のようになり、エッジ検出を実施することで、最大ドップラー周波数fを推定することができる。
図14の時間方向補間ステップST24及び周波数方向補間ステップST25は、図7(a)及び(b)に示されるように、パイロットキャリアに作用する伝達関数を時間方向(シンボル方向)と周波数方向(キャリア方向)に補間することで、全キャリアに作用する伝達関数の値を算出する。以降、m番目のOFDMシンボルの伝達関数の推定値をH′(k,m)(k=0,…,K−1)とする。
一般に、図14の時間方向補間ステップST24で使用する補間フィルタは、最大遅延時間の通過帯域を持つローパスフィルタとして設計すればよく、周波数方向補間ステップST25で使用する補間フィルタは、最大ドップラー周波数の通過帯域を持つローパスフィルタとして設計すれば良いことが知られている。ただし、時間方向補間ステップST24で使用する補間フィルタは、最大遅延時間より広い、或いは狭い通過帯域を持つローパスフィルタとして設計しても良く、周波数方向補間ステップST25で使用する補間フィルタは、最大ドップラー周波数より広い、或いは狭い通過帯域を持つローパスフィルタとして設計しても良い。時間とともに変化する最大遅延時間と最大ドップラー周波数に応じて、フィルタ係数をその都度算出しても良いし、又は、予め複数のフィルタ係数をメモリ等の記憶素子に格納しておき、最大遅延時間と最大ドップラー周波数に応じてフィルタ係数を選択しても良い。
また、図14の時間方向補間ステップST24と周波数方向補間ステップST25の順番を入れ替えても良い。
上記の最大遅延時間及び最大ドップラー周波数の算出では、パイロットキャリアに作用する伝達関数を利用しているが、時間方向補間ステップST24で出力される信号を用いても良いし、周波数方向補間ステップST25で出力される信号を用いても良い。また、最大ドップラー周波数は、移動体の速度に比例するため、外部から入力される移動体の速度から算出することもできる。具体的には、移動体の速度が毎秒vメートル、OFDM信号の搬送波周波数をfヘルツとすると、f=(f×v)/cで算出される。ここで、cは、光の速度(毎秒約3×10メートル)である。
図13の第1の送信信号推定ステップST3では、FFT部1から出力される各キャリアで受信した信号y(k,m)(k=0,…,K−1)を、伝送路特性推定部2から出力される伝達関数H(k,m)(k=0,…,K−1)で除算することで、各キャリアで伝送された送信信号の推定を実施する。また、変調方式(QPSK及び16QAM等)が既知の場合は、等化処理された信号を最も近い信号に置き換える硬判定処理を実施しても良い。また、送信側で誤り訂正符号等を使用している場合、等化処理後の信号に対して、デマッピング及び誤り訂正を実施した後、再度、誤り訂正符号化及びマッピングを実施して、各キャリアで伝送された送信信号を推定しても良い。以降、m番目のOFDMシンボルの送信信号推定結果をx′(k,m)(k=0,…,K−1)で表す。
図13の干渉成分抽出ステップST4では、式(21)に示されるように、FFTステップST1におけるFFT出力y(k,m)から、伝達関数の推定結果H′(k,m)と送信信号の推定結果x′(k,m)の乗算結果を減算することで干渉成分I′(k,m)(k=0,…,K−1)を抽出する。
Figure 0006192857
図13の除算ステップST5では、式(20)に示されるように、干渉成分抽出部4の出力I(k,m)を第1の送信信号推定部3の出力x′(k+d,m)で除算を実施し、H′(k,m)(k=0,…,K−1)(d=−k,…,K−k−1)を算出する。
Figure 0006192857
図13の2次元フィルタ処理ステップST6では、H′(k,m)に含まれる不要な成分を抑圧するために、H′(k,m)をインデックスkの方向、及びインデックスmの方向に平滑化フィルタ処理を施す。具体的には、H′(k+d,m)に対して、式(23)で表される2次元フィルタ処理を実施し、H″(k,m)(k=0,…,K−1)(d=−k,…,K−k−1)を得る。
Figure 0006192857
式(23)において、w(q,r)は、(Q+1)×(R+1)の2次元フィルタ係数であり、式(5)〜(9)で述べたように、インデックスqの方向に最大遅延時間の通過帯域を持ち、インデックスrの方向に最大ドップラー周波数の通過帯域を持つローパスフィルタを設計すれば良い。また、インデックスqの方向に最大遅延時間より広い、或いは狭い通過帯域を持つようにローパスフィルタを設計しても良く、インデックスrの方向に最大ドップラー周波数より広い、或いは狭い通過帯域を持つようにローパスフィルタを設計しても良い。上記の最大遅延時間と最大ドップラー周波数は、伝送路特性推定ステップST2で得られる。なお、最大遅延時間及び最大ドップラー周波数が算出される度にフィルタ係数を算出しても良いが、予め複数のフィルタ係数を用意してメモリ等の記憶素子に格納しておき、最大遅延時間と最大ドップラー周波数の値に応じて、上記複数のフィルタ係数の中からフィルタ係数を選択しても良い。また、フィルタのサイズを表すQ及びRは、全キャリア数Kより小さな正の整数である。
また、m番目のシンボルのk番目のキャリアにおける干渉ゲインは、d=−k,…,K−k−1(d≠0)のK−1個存在する。式(22)で表される除算ステップと、式(23)で表される2次元フィルタステップでは、これら全ての干渉ゲインを算出することを想定しているが、実際には、dの絶対値が大きくなるにつれて干渉ゲインも小さくなるため、予め決められた範囲d=−D,…,Dの干渉ゲインのみを算出しても良い。なお、以下の説明では、予め決められた範囲d=−D,…,Dの干渉ゲインのみが算出される。
図13の干渉推定ステップST7では、2次元フィルタ処理ステップST6で出力される干渉ゲインと第1の送信信号推定ステップST3で出力される送信信号の推定結果をもとに、キャリア間干渉成分を算出する。具体的には、式(22)で表され処理を実施され、キャリア間干渉成分I″(k,m)(k=0,…,K−1)を算出する。
Figure 0006192857
図13の干渉除去ステップST8では、FFTステップST1のFFT出力y(k,m)から干渉推定ステップST7の出力I″(k,m)を減算することで、キャリア間干渉成分を除去する。
図13の第2の送信信号推定ステップST9では、干渉除去ステップST8から出力される信号を伝送路特性推定ステップST2から出力される伝達関数で除算することで、各キャリアで伝送された送信信号の推定を実施する。
以上に説明した実施の形態5に係る等化方法では、実施の形態1と同様に、干渉ゲインに対して、キャリア方向とシンボル方向の2次元ローパスフィルタを施すことで、干渉ゲインに含まれる不要成分を抑圧することができ、低SN比の環境下でより精度良くキャリア間干渉を推定及び除去することが可能となるという効果がある。
図15は、実施の形態5の変形例に係る等化方法を示すフローチャートである。図15に示される等化方法は、実施の形態4に係る等化装置の動作に相当する。したがって、図15の説明に際しては、図12をも参照する。図15に示される等化方法は、複数のアンテナで受信されたOFDM信号から変換された複数のベースバンド信号をそれぞれ処理する複数の信号処理部51,52と、第1の合成部41と、第2の合成部42とを有する等化装置が行う等化方法である。図15に示される等化方法は、複数の信号処理部51,52の各々において、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFTステップST31と、複数の信号処理部51,52の各々において、フーリエ変換によって得られたFFT出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間(例えば、前記伝送路の遅延時間の最大値である最大遅延時間)、及び前記伝送路のドップラー周波数(例えば、前記伝送路のドップラー周波数の最大値である最大ドップラー周波数)を推定する伝送路特性推定ステップST32と、第1の合成部41において、複数の信号処理部51,52におけるFFT出力と伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を取得する第1の推定結果取得ステップST33とを有する。また、図15に示される等化方法は、複数の信号処理部51,52の各々において、FFT出力、伝達関数、及び第1の推定結果を用いて、FFT出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出ステップST34と、複数の信号処理部51,52の各々において、干渉成分抽出ステップST34によって抽出された第1の干渉成分を第1の推定結果で除算する除算ステップST35と、複数の信号処理部51,52の各々において、除算によって得られた除算出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ処理ステップST36とを有する。さらに、図15に示される等化方法は、複数の信号処理部51,52の各々において、干渉ゲインと第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定ステップST37と、複数の信号処理部51,52の各々において、FFT出力から第2の干渉成分を減算する干渉除去ステップST38と、第2の合成部42において、複数の信号処理部51,52の各々における干渉除去ステップST38による減算の結果として得られた複数の干渉除去出力と複数の伝達関数とをもとに、送信信号の第2の推定結果を算出する第2の推定結果取得ステップST39とを有する。2次元フィルタ処理ステップST36は、ローパスフィルタ処理を含む。このローパスフィルタ処理は、通過帯域を最大遅延時間と最大ドップラー周波数とすると良いが、通過帯域を最大遅延時間より広く或いは狭くしても良く、通過帯域を最大ドップラー周波数より広く或いは狭くしても良い。
以上に説明したステップST31〜ST39の処理は、図13に示されるステップST1〜ST9と同様の処理である。したがって、図5に示される等化方法によれば、キャリア方向にのみフィルタを施す非特許文献1と比較して、低SN比の環境下でより精度良くキャリア間干渉を推定及び除去することができるという効果がある。
実施の形態6
図16は、本発明の実施の形態6に係る受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。実施の形態6に係る受信装置は、例えば、地上デジタル放送の受信機である。図16に示されるように、実施の形態6に係る受信装置は、アンテナで受信された信号を中間周波数信号に変換するチューナ部61と、チューナ部61から出力される中間周波数信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル(AD)変換部62と、基準周波数信号を生成する局部発振部63と、この基準周波数信号を用いてAD変換部62から出力されるデジタル信号をベースバンドのデジタル信号(ベースバンド信号)に変換する直交復調部64とを有する。チューナ部61とAD変換部62と局部発振部63と直交復調部64とは、受信されたOFDM信号をベースバンド信号に変換する受信部60を構成する。また、実施の形態6に係る受信装置は、直交復調部64で変換されたベースバンド信号に等化処理を施す等化部65と、等化部65によって等化処理を施された信号(すなわち、等化結果)に対して誤り訂正処理を行う誤り訂正部66とを有する。等化部65としては、実施の形態1から4のいずれかの等化装置及び実施の形態5の等化方法を適用することができる。なお、等化部65として、実施の形態4に係る等化装置を適用する場合には、受信部60は、複数のアンテナで受信された複数のOFDM信号に基づく複数のベースバンド信号を受け取り、これらの複数のベースバンド信号を用いて等化処理を行い、等化結果を誤り訂正部66に与える。
実施の形態6に係る受信装置は、OFDM伝送方式が採用されている地上デジタル放送方式の受信装置に適用可能である。地上デジタル放送方式としては、日本のISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)、並びに、欧州のDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)及びDVB−T2等がある。ただし、実施の形態6に係る受信装置は、OFDM信号を受信することができる装置であれば、テレビ、映像記録装置、パーソナルコンピュータなどのような各種の装置に適用可能である。
実施の形態6に係る受信装置においては、等化部65としては、実施の形態1から4のいずれかの等化装置又は実施の形態5の等化方法を適用するので、キャリア間干渉を精度良く推定及び除去することができる。その結果、実施の形態6に係る受信装置によれば、特に、高速移動する移動体に搭載されたモバイル端末向けの地上デジタル放送受信装置及び車載の地上デジタル放送受信装置において、低SN比の環境下でも高速移動時に地上デジタル放送の視聴を可能にすることができるという効果がある。
変形例.
図17は、上記実施の形態1から4に係る等化装置の構成を示すハードウェア構成図である。図17に示される等化装置は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ71と、メモリ71に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ72とを有する。図17に示される等化装置は、実施の形態1から4に係る等化装置の構造の具体例を示している。図17に示される等化装置の動作は、実施の形態1から4に係る等化装置の動作、又は、実施の形態5に係る等化方法の処理と同じである。
図17に示される等化装置が、実施の形態1及び2に係る等化装置における処理を実現する場合には、図4に示されるFFT部1、伝送路特性推定部2、第1の送信信号推定部3、干渉成分抽出部4、除算部5、2次元フィルタ部6、及び信号成分推定部10は、プロセッサ72がメモリ71に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。
図17に示される等化装置が、実施の形態3に係る等化装置における処理を実現する場合には、図11に示されるFFT部1、伝送路特性推定部2、第1の送信信号推定部3、干渉成分抽出部4、除算部5、2次元フィルタ部6、及び信号成分推定部10aは、プロセッサ72がメモリ71に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。
図17に示される等化装置が、実施の形態4に係る等化装置における処理を実現する場合には、図12に示される複数の信号処理部51,52、第1の合成部41、及び第2の合成部42は、プロセッサ72がメモリ71に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。
図17に示される等化装置が、実施の形態5に係る等化方法を実現する場合には、図13に示される処理ステップST1からST6及びST10は、プロセッサ72がメモリ71に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。
図17に示される等化装置が、実施の形態5に係る他の等化方法を実現する場合には、図15に示される処理ステップST31からST39は、プロセッサ72がメモリ71に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。
以上に説明したように、図17に示される等化装置によって、実施の形態1から5で説明した等化装置及び等化方法を実現することができる。
1 FFT部、 2 伝送路特性推定部、 3 第1の送信信号推定部、 4 干渉成分抽出部、 5 除算部、 6 2次元フィルタ部、 7 干渉推定部、 8 干渉除去部、 9 第2の送信信号推定部、 10,10a 信号成分推定部、 11 パイロット伝達関数推定部、 12 時間方向補間部、 13 周波数方向補間部、 14 最大遅延時間推定部、 15 最大ドップラー周波数推定部、 21 時間方向フィルタ部、 22 周波数方向フィルタ部、 31 伝送路行列算出部、 32 第2の送信信号推定部、 41 第1の合成部、 42 第2の合成部、 51,52 信号処理部、 60 受信部、 61 チューナ部、 62 AD変換部、 63 局部発振部、 64 直交復調部、 65 等化部、 66 誤り訂正部、 ST1 FFTステップ、 ST2 伝送路特性推定ステップ、 ST3 第1の送信信号推定ステップ、 ST4 干渉成分抽出ステップ、 ST5 除算ステップ、 ST6 2次元フィルタ処理ステップ、 ST7 干渉推定ステップ、 ST8 干渉除去ステップ、 ST9 第2の送信信号推定ステップ、 ST10 信号成分推定ステップ、 ST21 パイロット伝達関数推定ステップ、 ST22 最大遅延時間推定ステップ、 ST23 最大ドップラー周波数推定ステップ、 ST24 時間方向補間ステップ、 ST25 周波数方向補間ステップ。

Claims (12)

  1. OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、
    前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部と、
    前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定部と、
    前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、
    前記干渉成分抽出部によって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、
    前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、
    前記FFT部の前記出力から、前記伝達関数と前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とを用いて、前記送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定部と
    を備えることを特徴とする等化装置。
  2. 前記2次元フィルタ部は、前記遅延時間の最大値である最大遅延時間と前記ドップラー周波数の最大値である最大ドップラー周波数とを通過帯域とするローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載の等化装置。
  3. 前記2次元フィルタ部は、時間方向フィルタ部と周波数方向フィルタ部とを有し、
    前記時間方向フィルタ部は、前記最大ドップラー周波数の通過帯域を持つ第1のローパスフィルタを含み、
    前記周波数方向フィルタ部は、前記最大遅延時間の通過帯域を持つ第2のローパスフィルタを含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の等化装置。
  4. 前記信号成分推定部は、
    前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定部と、
    前記FFT部の前記出力から前記干渉推定部で推定された前記第2の干渉成分を減算する干渉除去部と、
    前記干渉除去部による前記減算の結果として得られた前記干渉除去部の出力と前記伝送路特性推定部によって推定された前記伝達関数とをもとに、前記送信信号の前記第2の推定結果を算出する第2の送信信号推定部と
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の等化装置。
  5. 前記信号成分推定部は、
    前記伝送路特性推定部によって推定された前記伝達関数と前記2次元フィルタ部で算出された前記干渉ゲインとをもとに、前記伝送路を示す伝送路行列を作成する伝送路行列算出部と、
    前記FFT部の前記出力である受信信号ベクトルに前記伝送路行列の逆行列を乗算して、前記送信信号の前記第2の推定結果としての送信信号ベクトルを生成する第2の送信信号推定部と
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の等化装置。
  6. 複数のアンテナで受信されたOFDM信号から変換された複数のベースバンド信号をそれぞれ処理する複数の信号処理部と、
    第1の合成部と、
    第2の合成部と
    を有する等化装置であって、
    前記複数の信号処理部の各々は、
    OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、
    前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部と
    を有し、
    前記第1の合成部は、前記複数の信号処理部の各々における前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を取得し、
    前記複数の信号処理部の各々は、
    前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、
    前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、
    前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、
    前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定部と、
    前記FFT部の前記出力から前記第2の干渉成分を減算する干渉除去部と
    を有し、
    前記第2の合成部は、前記複数の信号処理部の各々における前記干渉除去部による前記減算の結果として得られた前記複数の干渉除去部の出力と前記伝達関数とをもとに、前記送信信号の第2の推定結果を算出する
    ことを特徴とする等化装置。
  7. 前記2次元フィルタ部は、前記遅延時間の最大値である最大遅延時間と前記ドップラー周波数の最大値である最大ドップラー周波数とを通過帯域とするローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項6に記載の等化装置。
  8. 前記第1の合成部は、前記複数の信号処理部の前記FFT部の出力と前記複数の信号処理部の前記伝送路特性推定部から出力される前記伝達関数とを用いて、ダイバーシチ合成を行い、
    前記第2の合成部は、前記複数の信号処理部の前記干渉除去部の出力と前記複数の信号処理部の前記伝送路特性推定部から出力される前記伝達関数とを用いて、ダイバーシチ合成を行う
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の等化装置。
  9. OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFTステップと、
    前記フーリエ変換によって得られたFFT出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定ステップと、
    前記FFT出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定ステップと、
    前記FFT出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出ステップと、
    前記干渉成分抽出ステップによって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算ステップと、
    前記除算によって得られた除算出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ処理ステップと、
    前記FFT出力から、前記伝達関数と前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とを用いて、前記送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定ステップと
    を備えることを特徴とする等化方法。
  10. 複数のアンテナで受信されたOFDM信号から変換された複数のベースバンド信号をそれぞれ処理する複数の信号処理部と、第1の合成部と、第2の合成部とを有する等化装置が行う等化方法であって、
    前記複数の信号処理部の各々において、OFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFTステップと、
    前記複数の信号処理部の各々において、前記フーリエ変換によって得られたFFT出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定ステップと、
    前記第1の合成部において、前記複数の信号処理部における前記FFT出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を取得する第1の推定結果取得ステップと、
    前記複数の信号処理部の各々において、前記FFT出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出ステップと、
    前記複数の信号処理部の各々において、前記干渉成分抽出ステップによって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算ステップと、
    前記複数の信号処理部の各々において、前記除算によって得られた除算出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ処理ステップと、
    前記複数の信号処理部の各々において、前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定ステップと、
    前記複数の信号処理部の各々において、前記FFT出力から前記第2の干渉成分を減算する干渉除去ステップと、
    前記第2の合成部において、前記複数の信号処理部の各々における前記干渉除去ステップによる前記減算の結果として得られた複数の干渉除去出力と複数の前記伝達関数とをもとに、前記送信信号の第2の推定結果を算出する第2の推定結果取得ステップと
    を備えることを特徴とする等化方法。
  11. 受信されたOFDM信号をベースバンド信号に変換する受信部と、
    前記受信部で変換された前記ベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、
    前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部と、
    前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を得る第1の送信信号推定部と、
    前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、
    前記干渉成分抽出部によって抽出された前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、
    前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、
    前記FFT部の前記出力から、前記伝達関数と前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とを用いて、前記送信信号の第2の推定結果を得る信号成分推定部と
    を備えることを特徴とする受信装置。
  12. 複数のアンテナで受信されたOFDM信号を複数のベースバンド信号に変換する受信部と、
    前記複数のべーバンド信号をそれぞれ処理する複数の信号処理部と、
    第1の合成部と、
    第2の合成部と
    を有する受信装置であって、
    前記複数の信号処理部の各々は、
    アンテナで受信されたOFDM信号から変換されたベースバンド信号をフーリエ変換するFFT部と、
    前記フーリエ変換によって得られた前記FFT部の出力に含まれるパイロットキャリアをもとに、前記OFDM信号の伝送路の伝達関数、前記伝送路の遅延時間、及び前記伝送路のドップラー周波数を推定する伝送路特性推定部と
    を有し、
    前記第1の合成部は、前記複数の信号処理部の各々における前記FFT部の前記出力と前記伝達関数とを用いて、送信機から送信される送信信号の第1の推定結果を取得し、
    前記複数の信号処理部の各々は、
    前記FFT部の前記出力、前記伝達関数、及び前記第1の推定結果を用いて、前記FFT部の前記出力に含まれる第1の干渉成分を抽出する干渉成分抽出部と、
    前記第1の干渉成分を前記第1の推定結果で除算する除算部と、
    前記除算によって得られた前記除算部の出力に対して時間方向と周波数方向の2次元フィルタ処理を施して干渉ゲインを算出する2次元フィルタ部と、
    前記干渉ゲインと前記第1の推定結果とをもとに、第2の干渉成分を推定する干渉推定部と、
    前記FFT部の前記出力から前記第2の干渉成分を減算する干渉除去部と
    を有し、
    前記第2の合成部は、前記複数の信号処理部の各々における前記干渉除去部による前記減算の結果として得られた前記複数の干渉除去部の出力と前記伝達関数とをもとに、前記送信信号の第2の推定結果を算出する
    ことを特徴とする受信装置。
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