以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、00〜99の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bも、00〜99の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bも、00〜99の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに00〜99の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
なお、この実施の形態の遊技機は、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面における下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域になる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態になる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)になると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りになる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りになる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」になる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、飾り図柄が揃って停止表示される。
大当りのうち、「15R確変大当り」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。「15R通常大当り」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に通常状態(非確変状態)に移行させる大当りである)。
以下、15R確変大当りと15R通常大当りとを「15R大当り」と総称することがある。
大当りのうち、「突然確変大当り(突確大当り)」は、「15R確変大当り」や「15R通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りであるが、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変大当り」を、「突確大当り」ともいう。また、この実施の形態では、後述するように、複数種類の「突然確変大当り」がある。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りとなる表示結果(小当り図柄)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、飾り図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。なお、この実施の形態では、後述するように、複数種類の「小当り」がある。
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態と小当り遊技状態とでは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書では、小当りについても開放回をラウンドとする。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101a、および演出制御プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するシリアル通信回路101bを内蔵している。
なお、主基板31には、演出制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するシリアル通信回路505が搭載されている。この実施の形態では、シリアル通信回路505は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。
また、演出制御用CPU101aは、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御手段から受信した演出制御コマンドにもとづいて、演出表示装置9等の演出装置を用いて、大当り遊技に関連する演出や大当りになる可能性を予告報知するための予告演出を実行する。また、変動パターン指定コマンドを受信した場合には装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101aは、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101aの指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101aは、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101aは、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号にもとづいて天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるシリアル通信回路505に内蔵されているデータレジスタの例を示す説明図である。データレジスタは、シリアル通信回路505が送受信するデータを格納するレジスタである。図4に示すように、データレジスタは、8ビットレジスタである。また、データレジスタは、ビット0〜ビット7が書込および読出ともに可能である。
この実施の形態では、シリアル通信回路505が送信データを送信する場合、データレジスタは、送信データレジスタとして用いられる。
シリアル通信回路505に内蔵されている割り込み制御回路は、CPU56に各種割り込み要求を行う。例えば、割り込み制御回路は、送信データレジスタに送信データの送信を完了した状態になると、CPU56に割り込み信号を出力するとともに、シリアル通信回路505に内蔵されているステータスレジスタ(図示せず)のビット6(TC)に「1」を設定することによって割り込み要求を行う。なお、ステータスレジスタのビットの設定値により割込要因を識別可能とするのでなく、割り込み制御回路は、割込要因毎に異なる割り込み信号をCPU56に出力するようにしてもよい。
また、割り込み制御回路は、受信データレジスタに受信データが格納されている状態になると(受信データフルを検出すると)、CPU56に割り込み信号を出力するとともに、ステータスレジスタのビット5(RDRF)に「1」を設定することによって割り込み要求を行う。
また、割り込み制御回路は、各種通信エラーが発生すると、CPU56に割り込み信号を出力するとともに、通信エラーの種類に応じて、ステータスレジスタのビット0〜ビット3に「1」を設定することによって割り込み要求を行う。
図5は、大当り判定用テーブルメモリの一例を示す説明図である。大当り判定用テーブルメモリは、CPU56が特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いる複数の大当り判定テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリは、図5(A)に示すように、確変状態以外の遊技状態(通常状態という)において用いられる通常時大当り判定テーブルを記憶する。また、大当り判定用テーブルメモリは、図5(B)に示すように、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルを格納する。
次に遊技機の動作について説明する。図6および図7は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU56は、ステップS4の処理で接続信号の出力を開始した後、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならない限り、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して接続信号を継続して出力する。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。クリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、CPU56は、電力供給の停止が生じた場合に、バックアップRAM領域のデータを保護するための電力供給停止時処理を行う。電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットする。そして、ステップS8の処理で、CPU56は、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定する。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例では、チェックサムの算出)を行う(ステップS9)。
電力供給停止時処理でも、チェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、CPU56は、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でない場合には、初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、ステップS15に移行する。ステップS93でポインタの設定が行われた後、ステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信される。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。なお、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセットされると、ステップS31の出力処理によって接続確認信号を出力する出力ポート0に対応するビットが出力される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13でポインタの設定が行われた後、ステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、各乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。すなわち、各乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路505に設定することによって、シリアル通信回路505に演出制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信させるための設定を行う。
次に、図8は、シリアル通信回路設定処理を示すフローチャートである。シリアル通信回路設定処理において、CPU56は、まず、シリアル通信回路505のボーレートを設定する(ステップS1511)。また、CPU56は、シリアル通信回路505が送受信するデータのデータフォーマットを設定する(ステップS1512)。例えば、送受信データのデータ長(8ビットまたは9ビット)やパリティ機能の使用の有無を設定する。
また、CPU56は、シリアル通信回路505が発生する各割込要求を許可するか否かを設定する(ステップS1513)。例えば、CPU56は、送信時割り込み要求(データの送信時に行う割り込み要求である送信割り込み要求や、送信完了時に行う送信完了割り込み要求)および受信時割り込み要求を許可するか否かを設定する。
シリアル通信回路505を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理の優先順位を高く設定する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路505からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数がある。表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態にされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路505からの割り込み要求を許可する状態になる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路505から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。
なお、ステップS15およびステップS15aの処理をステップS1の処理の前に実行してもよく、また、ステップS1の処理が実行される前に自動的に初期設定がなされるような遊技制御用マイクロコンピュータ560を用いてもよい。
次に、タイマ割込処理について説明する。図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS21)。そして、CPU56は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS22)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS23)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS24)。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンド等を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS25)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
また、CPU56は、CPU56は、シリアル通信回路505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS26)。なお、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、賞球個数コマンドの下位4ビットを異ならせることにより賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドに設定し、当該設定した賞球個数コマンドをシリアル通信回路505を介して払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続確認信号に関する内容および出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS32)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS22〜S31(ステップS29,S30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の通過を確認すると合算保留記憶数の値を+1する。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りまたは小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグおよび小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8CXX(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8CXX(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、演出制御を行うために図11に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも使用されるが、図11には、主要な演出制御コマンドが示されている。
図12は、ステップS25のコマンド制御処理を示すフローチャートである。コマンド制御処理において、CPU56は、コマンド送信バッファにコマンド(送信されるべき演出制御コマンド)が格納されているか否か確認する(ステップS401)。コマンドが格納されていない場合には、処理を終了する。
なお、コマンド送信バッファは、RAM55の領域の一部であり、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド送信バッファが用いられる。従って、コマンド送信バッファは、送信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、送信するコマンドをコマンド送信バッファにおけるどの領域に格納するのかを示す書込ポインタが用いられる。書込ポインタは、0〜11の値をとる。なお、コマンド送信バッファは、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。また、コマンド送信バッファにおけるどの領域からコマンドを読み出してシリアル通信回路505に出力すべきかを示すポインタとして読出ポインタが使用される。
CPU56は、書込ポインタの値が読出ポインタの値と一致していない場合に、コマンド送信バッファにコマンドが格納されていると判断する。
なお、CPU56は、演出制御コマンド(図11参照)は、特別図柄プロセス処理においてコマンド送信バッファに書き込むとともに書込ポインタの値を+2する。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつコマンド送信バッファに書き込むからである。例えば、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)を開始するときに、変動パターン指定コマンドおよび表示結果指定コマンドが書き込まれる。
CPU56は、ステップS401の判定で、コマンド送信バッファにコマンドが格納されていることを確認した場合には、シリアル通信回路505(図3参照)における送信回路がコマンド送信可能状態であるか否か確認する(ステップS402)。シリアル通信回路505は、送信制御レジスタ(図示せず)を有し、コマンド送信可能状態であれば、送信制御レジスタの該当ビットをオン状態(セット状態)にする。CPU56は、送信制御レジスタの該当ビットがオン状態であるか否かによってコマンド送信可能状態であるか否か確認することができる。
なお、シリアル通信回路505は、シフトレジスタを有し、データレジスタ(図4参照)にデータが書き込まれた場合に、そのデータをシフトレジスタに転送する。シフトレジスタに転送されたデータは、所定のクロック信号に同期して信号線(この場合には、演出制御基板80に至るシリアル通信線)にシリアル出力される。そして、シリアル通信回路505は、シフトレジスタ内のデータの信号線への出力が完了した後、送信制御レジスタの該当ビットをオン状態にする。
CPU56は、コマンド送信可能状態であることを確認したら、コマンド送信バッファにおける読出ポインタが示す領域から演出制御コマンドを読み出し、シリアル通信回路505のデータレジスタに出力する(ステップS403)。また、読出ポインタの値を+2しておく(ステップS404)。そして、ステップS401に移行する。
なお、シリアル通信回路505のデータレジスタは1バイト構成であるから、実際には、2バイトの演出制御コマンドは1バイトずつシリアル通信回路505のデータレジスタに出力され、CPU56は、1バイトのデータを出力する度に、読出ポインタの値を+1する。
以上のような送信制御によって、演出制御コマンドは演出制御基板80に送信されるが、コマンド送信バッファに複数の演出制御コマンドが格納されていた場合には、1回のコマンド制御処理に実行によって、コマンド送信バッファに格納されている全ての演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101a)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101aは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(この実施の形態では、1ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101aは、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101aは、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101aは、まず、演出制御コマンドを受信するためのコマンド受信処理を実行する(ステップS705)。また、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS706)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示す書込ポインタが用いられる。書込ポインタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101aが、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU101aは、演出制御プロセス処理を行う(ステップS707)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
図14は、シリアル通信回路101bが内蔵する受信バッファの構成例を示す説明図である。なお、この実施の形態では、受信バッファは、FIFO構成である。また、この実施の形態では、受信バッファは16バイトで構成されるが(受信バッファ#1〜#16)、16バイトは一例である。また、シリアル通信回路101bは受信データレジスタを有し、演出制御用CPU101aは、受信データレジスタを介して受信バッファからデータを読み出す。
図15は、シリアル通信回路101bが内蔵する受信制御レジスタの構成例を示す説明図である。図15に示す例では、受信制御レジスタのビット1(b1)は、コマンドの受信に際してエラーが生じているか否かを示すビット(エラービット)である。なお、エラーとして、例えば、パリティエラー(送信されるコマンドにパリティビットが付加される場合に、パリティビットにもとづくチェックの結果データエラーが生じたことを示す。)、フレーミングエラー(コマンドを送信するときに同期用のスタートビットとストップビットが付加される場合に、ストップビットの極性(ハイレベルまたはローレベル)が正規の極性と違っていることを示す。)、オーバーランエラー(受信バッファからデータが読み出されず、新たに受信したデータで上書きされたこと、すなわちデータが失われたことを示す。)がある。
受信制御レジスタのビット0(b0)は、受信バッファに受信データがある(この例では、受信した演出制御コマンド)ことを示すビット(受信データレディビット)である。
演出制御用CPU101aは、受信データレディビットがオン状態(この例では、1)であるときに受信バッファからデータを読み出す。また、シリアル通信回路101bは、受信データレディビットが読み出されると(具体的には、受信制御レジスタの内容が読み出されると)、受信バッファにおいて受信データがなくなった場合には(全て読み出されると)受信データレディビットをオフ状態(この例では、0)にするように構成されている。
また、シリアル通信回路101bは、受信データレディビットが読み出されると、エラービットをオフ状態(この例では、0)にするように構成されている。
受信データレディビットが読み出されるとエラービットがオフ状態になるので、演出制御用CPU101aが受信制御レジスタのエラービットをオフ状態にするための制御を実行する必要はない。よって、演出制御用CPU101aのコマンド受信に要する負担が軽くなる。また、演出制御用CPU101aが実行するプログラムにおいてエラービットをオフ状態にする命令が含まれていなくても、確実にエラービットがクリアされる(オフ状態になる)。
その反面、受信バッファに受信データが存在するか否か確認するために受信データレディビットを読み出す度にエラービットがクリアされることになる。すると、何らの制御も行わないと、コマンドの受信に際してエラーが生じているか否かを正確に確認できなくなってしまう。
そこで、後述するように、この実施の形態では、演出制御用CPU101aは、受信制御レジスタの内容を読み出すと、読み出した内容をRAMに一旦保存し、保存した内容にもとづいてコマンドの受信に際してエラーが生じているか否か確認する。
なお、この実施の形態では、受信データレディビットとエラービットとがともに受信制御レジスタに設定されているが、受信データレディビットとエラービットとが、演出制御用CPU101aによって一時に読み出されるレジスタ(1つのレジスタ)にともに設定されていなくてもよい。受信データレディビットとエラービットとが別に設定されている(例えば、別レジスタのビットとして規定されている。)場合であっても、受信データレディビットが読み出されるとエラービットがオフ状態になるように構成されている場合には、この実施の形態における制御を適用することができる。
なお、マイクロコンピュータに内蔵された乱数回路またはマイクロコンピュータの外に回路構成された乱数回路を用いて乱数を発生させる遊技機において、乱数回路におけるカウンタ(所定のクロック信号にもとづいて値を歩進させる部分)の値を、例えば、始動口スイッチの出力信号でラッチし、ラッチしたことを示すビットを有するラッチ回路を備える機構が使用されることがある。そして、マイクロコンピュータがラッチ回路から、ラッチされている値を読み出すと、ラッチしたことを示すビットがリセットされるように構成されることがある。当該ビットはマイクロコンピュータによってリセットされる必要はないが、マイクロコンピュータが保存すべきビットではない。つまり、そのようなラッチ機構における概念にもとづいて本発明が想起されることはない。
図16は、初期化処理(ステップS701)を示すフローチャートである。初期化処理において、演出制御用CPU101aは、シリアル通信回路101bの初期設定を行う(ステップS501)。例えば、受信するデータのデータフォーマットを設定したり、受信データのデータ長(8ビットまたは9ビット)やパリティ機能の使用の有無を設定する。
また、RAMを初期化する(ステップS502)。
なお、一般に、シリアル通信回路はデータを受信したときにマイクロコンピュータに対して割込を発生する機能を有し、マイクロコンピュータが割込処理でデータを読み出すことも可能であるが、この実施の形態では、割込を使用せず、演出制御用CPU101aは、適宜、受信データレディビットがオン状態であるか否か確認する。よって、ステップS501の処理で、演出制御用CPU101aは、シリアル通信回路101bを、割込を発生しないモードに設定する。
また、後述する通常の受信制御では受信データレディビットがオン状態であれば受信バッファからデータを読み出すが、初期化処理において、受信データレディビットの状態に関わらず(具体的には、受信データレディビットの状態を確認することなく)、受信バッファからデータを読み出す(ステップS503)。
ステップS503の処理が実行されることによって、実際の電気部品の制御を開始する前にコマンド格納エリアが確実に初期化され、受信したコマンドにもとづく制御において誤動作等の不具合が生ずることをなくすことができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101aは、遊技機に対する電力供給が開始されたときに無条件に受信バッファからデータを読み出すことによって受信バッファを初期化するが、無条件に受信データレディビットを読み出すことによって受信バッファを初期化するようにしてもよい。
図17は、コマンド受信処理(ステップS705)を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出制御用CPU101aは、シリアル通信回路101bの受信制御レジスタの内容(8ビットのデータ)を読み出す(ステップS601)。そして、読み出したデータ(この例では、演出制御コマンド)をRAMに保存する(ステップS602)。ステップS602の処理によって、エラービットがRAMに保存される。
また、演出制御用CPU101aは、受信制御レジスタのb0(受信データレディビット)がオン状態(FIFOによる受信バッファにデータがある)か否か確認する(ステップS603)。受信データレディビットがオン状態でない場合には、処理を終了する。
演出制御用CPU101aは、受信データレディビットがオン状態である場合には、受信バッファのデータを読み出す(ステップS604)。次いで、RAMに保存されているエラービットの状態を確認する(ステップS605)。演出制御用CPU101aは、エラービットがオン状態であれば、ステップS604の処理で受信バッファから読み出したデータを破棄する(ステップS606)。なお、演出制御用CPU101aは、実際には、ステップS606の処理を実行しない。すなわち、データを積極的に破棄する処理を実行しない。受信バッファから読み出したデータをコマンド受信バッファ(RAMの一領域である)に格納しないことによって、実質的に、読み出したデータは破棄されるからである。
演出制御用CPU101aは、エラービットがオフ状態であれば、受信バッファから読み出したデータをコマンド受信バッファに保存する(ステップS607)。また、1つの演出制御コマンド(2バイト構成)をコマンド受信バッファに書き込む度に書込ポインタの値を+2する(ステップS608)。そして、ステップS601に移行する。
なお、シリアル通信回路101bは、受信バッファからデータが読み出されても、受信バッファに未だデータが格納されている場合(複数のコマンドを一時に(具体的には短期間に)受信した場合)には、受信データレディビットのオン状態を維持する。
よって、演出制御用CPU101aは、1回のコマンド受信処理で、受信バッファに格納されている全ての受信データを読み出すことができる。
図18は、コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。コマンド受信バッファは、RAMの領域の一部であり、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、図18に示すように、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信した(具体的には、シリアル通信回路101bの受信バッファから読み出した)コマンドをコマンド受信バッファにおけるどの領域に格納するのかを示す書込ポインタが用いられる。書込ポインタは、0〜11の値をとる。なお、コマンド受信バッファは、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。また、コマンド受信バッファにおけるどの領域からコマンドを読み出すべきかを示すポインタとして読出ポインタが使用される。
この実施の形態では、演出制御用CPU101aは、シリアル通信回路101bの受信制御レジスタの内容(エラービットを含む。)を読み出すと、その内容を一旦RAMに保存する。そして、シリアル通信回路101bの受信バッファからデータを読み出す際に、RAMに保存されているエラービットの状態を確認する。よって、受信データレディビットが読み出されるとエラービットをオフ状態にするようにシリアル通信回路101bが構成されている場合でも、確実にコマンド受信に関するエラーを検知することができる。
また、演出制御用CPU101aは、シリアル通信回路101bの受信バッファからコマンドを読み出した後に、コマンドにエラーが生じているか否か判定するので(ステップS604,S605参照)、受信バッファからコマンドを読み出す前にコマンドにエラーが生じているか否か判定する場合に比べて、コマンドの読み出しに関する処理を簡略化することができる。受信バッファからコマンドを読み出す前にコマンドにエラーが生じているか否か判定するように構成すると、エラーが生じていない場合には受信バッファアからコマンドを読み出して所定の処理を行い、エラーが生じている場合にも受信バッファからコマンドを読み出す(読み出されたコマンドは破棄される)処理を行うことになるからである。
また、この実施の形態では、図9に示すタイマ割込処理(遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)による遊技制御処理に相当)は4ms間隔で起動され、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、1ms間隔でステップS705〜S707の処理を実行する。従って、遊技制御手段は、4ms周期で演出制御コマンドを送信するための制御を行い、演出制御手段は、1ms周期で演出制御コマンドを受信する制御(具体的には、シリアル通信回路101bの受信バッファからデータを読み出す処理)を行う。従って、演出制御手段は、遊技制御手段から送信された全てのコマンドをコマンド格納エリアから確実に読み出すことができる。
図19は、コマンド解析処理(ステップS706)を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101aは、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、書込ポインタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。受信コマンドが格納されていない場合には、処理を終了する。
そして、演出制御用CPU101は、読み出した受信コマンドをRAMの保存領域に格納するか、または、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS614)。
演出制御プロセス処理で、受信した演出制御コマンドそのものが使用される場合(例えば、変動パターンコマンドを受信した場合)には、演出制御用CPU101は、受信コマンドをRAMの保存領域に格納する。また、演出制御プロセス処理で、演出制御コマンドを受信したことを認識できればよい場合(例えば、図柄確定指定コマンドを受信した場合)には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする。
図20は、演出制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101aは、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグ(変動パターンコマンドを受信したことを示すフラグ)がセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りまたは小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中または小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
以上に説明したように、この実施の形態では、演出制御手段は、遊技制御手段から受信したコマンドを格納するための複数のコマンド格納エリアを有する受信バッファ(図14参照)と、受信バッファに、コマンドが格納されているか否かを確認可能な情報が設定される受信データレディビットと、コマンドの受信に際してエラーが生じているか否かを示す情報が設定されるエラービットと、受信バッファからコマンドを読み出す手段とを含み、エラービットは、受信データレディビットの情報が読み出されるとクリアされるように構成され、コマンドを読み出す手段が受信バッファからコマンドを読み出す前に、エラービットを読み出して保存し、コマンドを読み出す手段が受信バッファからコマンドを読み出す際に、保存されているエラービットにもとづいてコマンドにエラーが生じているか否か判定するので、コマンドの受信に際してエラーが生じているか否かを示す情報が失われることが防止されるので、受信したコマンドにエラーが生じたときに適切にエラーの発生を検出することができる。
上述したように、演出制御手段は、遊技制御手段から受信した演出制御コマンドにもとづいて大当り遊技に関連する演出や予告演出を実行するので、コマンドの受信に際してエラーが生じた場合には、正規のコマンドではないコマンドにもとづいて演出を実行してしまう。例えば、遊技制御手段は大当りに対応する表示結果指定コマンドを送信したにも関わらず演出制御手段がはずれを示すコマンドを受信したと認識した場合には、大当り遊技が行われるにも関わらず演出表示装置9にはずれ図柄が導出表示される。また、予告演出に関するコマンドにエラーが生じたときには、はずれになるにも関わらず大当りになる可能性が高いことを遊技者に想起させるような種類の予告演出が実行されるおそれがある。そのような状況が生ずると、遊技者が不審感を抱くおそれがある。しかし、この実施の形態では、受信したコマンドにエラーが生じたときに適切にエラーの発生を検出することができるので、そのような状況を生じさせないようにすることができる。
なお、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機に設けられている電気部品を制御する電気部品制御手段として、演出制御手段を例にしたが、他の電気部品制御手段、例えば、遊技制御手段からのコマンドにもとづいて払出装置を制御する払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ)にも本発明を適用できる。
以下、遊技機の他の例であるスロットマシンの実施例について図面(図21および図22)を用いて説明する。スロットマシン601は、図21に示すように、前面が開口する筐体(図示せず)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉とで構成されている。
本実施例のスロットマシン601の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール602L、602C、602R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に設けられ、図21に示すように、リール602L、602C、602Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓603から見えるように配置されている。
リール602L、602C、602Rの外周部には、例えば、「赤7(図中白抜き7)」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール602L、602C、602Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓603において各々上中下三段に表示される。
各リール602L、602C、602Rは、各々対応して設けられリールモータ632L、632C、632R(図22参照)によって回転させることで、各リール602L、602C、602Rの図柄が透視窓603に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール602L、602C、602Rの回転を停止させることで、透視窓603に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるよ。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部604、メダルが払い出されるメダル払出口609、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ605、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では通常遊技状態においては「3」、レギュラーボーナスにおいては「1」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ606、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ610、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ607、リール602L、602C、602Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ608L、608C、608Rが設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器611、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器612、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器613が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED614、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED615、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED616、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED617、スタートスイッチ607の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED618、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED619、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED620が設けられている。
また、MAXBETスイッチ606の内部には、1枚BETスイッチ605及びMAXBETスイッチ606の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED621(図22参照)が設けられており、ストップスイッチ608L、608C、608Rの内部には、該当するストップスイッチ608L、608C、608Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED622L、622C、622R(図22参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉の内側上方中央位置には、遊技に関連する演出画像等を表示可能な液晶表示器651が設けられており、その前方に配置された液晶表示窓670を通して表示画面に表示される表示画像を視認できるようになっている。また、該液晶表示器651の左右側には、遊技に関連する演出を行う2つの可動役物675L,675Rがそれぞれ配設されており、左右の可動役物675L,675Rの前方に配置されるように前面扉に設けられた透明パネルからなる演出用透視窓671L,671Rから内部の可動役物675L,675Rを透視できる。
また、左右の可動役物675L,675Rと演出用透視窓671L,671Rとの間には、左右の可動役物675L,675Rを演出用透視窓671L,671Rから透視不可能に隠蔽する隠蔽状態と、左右の可動役物675L,675Rを演出用透視窓671L,671Rから透視可能とする非隠蔽状態と、に変更可能な2つのシャッタ装置(図示せず)を構成する無端状のシャッタシートが設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作によりRAM異常エラーを除くエラー状態及び打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ623、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器624、メダル投入部604から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられたホッパータンク(図示せず)側またはメダル払出口609側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド630、メダル投入部604から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ631が設けられている。
筐体内部には、上述したリール602L、602C、602R、リールモータ632L、632C、632R、各リール602L、602C、602Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ633からなるリールユニット(図示せず)、メダル投入部604から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示せず)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口609より払い出すためのホッパーモータ634、ホッパーモータ634の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ635、電源ボックス(図示せず)が設けられている。
電源ボックスの前面には、ビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ636、ビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ629、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ637、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ638、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ639が設けられている。
本実施例のスロットマシン601においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部604から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ605、またはMAXBETスイッチ606を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図21参照)が有効となり、スタートスイッチ607の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、本実施例では、規定数の賭数として通常遊技状態においては3枚が定められており、レギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ(レバーともいう)607を操作すると、各リール602L、602C、602Rが回転し、各リール602L、602C、602Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ608L、608C、608Rを操作すると、対応するリール602L、602C、602Rの回転が停止し、透視窓603に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール602L、602C、602Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール602L、602C、602Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口609(図21参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール602L、602C、602Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図22は、スロットマシン601の構成を示すブロック図である。スロットマシン601には、図22に示すように、遊技制御基板640(図2に示す遊技制御基板(主基板)31に相当)、演出制御基板690(図3に示す演出制御基板80に相当)、電源基板600が設けられている。遊技制御基板640によって遊技状態が制御され、演出制御基板690によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板600によってスロットマシン601を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
遊技制御基板640には、上述した1枚BETスイッチ605、MAXBETスイッチ606、スタートスイッチ607、ストップスイッチ608L、608C、608R、精算スイッチ610、リセットスイッチ623、投入メダルセンサ631、リールセンサ633が接続されているとともに、電源基板600を介して上述した払出センサ635、打止スイッチ636、自動精算スイッチ629、設定キースイッチ637、リセット/設定スイッチ638が接続され、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
また、遊技制御基板640には、上述したクレジット表示器611、遊技補助表示器612、ペイアウト表示器613、1〜3BETLED614〜616、投入要求LED617、スタート有効LED618、ウェイト中LED619、リプレイ中LED620、BETスイッチ有効LED621、左、中、右停止有効LED622L、622C、622R、設定値表示器624、流路切替ソレノイド630、リールモータ632L、632C、632Rが接続されているとともに、電源基板600を介して上述したホッパーモータ634が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板640に搭載されたメイン制御部641(図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560に相当)の制御にもとづいて駆動される。
遊技制御基板640には、CPU641a、ROM641b、RAM641c、I/Oポート641dを備えたマイクロコンピュータを含み、遊技の制御を行うメイン制御部641、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路642、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路643、遊技制御基板640に直接または電源基板600を介して接続されたセンサやスイッチ等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路644、リールモータ632L、632C、632Rの駆動制御を行うモータ駆動回路645、流路切替ソレノイド630の駆動制御を行うソレノイド駆動回路646、遊技制御基板640に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路647、スロットマシン601に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部641に対して出力する電断検出回路648、電源投入時またはCPU641aからの初期化命令が入力されないときにCPU641aにリセット信号を与えるリセット回路649、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU641aは、I/Oポート641dを介して演出制御基板690に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板640から演出制御基板690へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板690から遊技制御基板640へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板640から演出制御基板690へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板680を介して接続されており、遊技制御基板640と演出制御基板690とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板690には、スロットマシン601の前面扉に配置された液晶表示器651(図21参照)、演出効果LED652、スピーカ653、654、リールLED655及びシャッタモータ810、シャッタセンサ811、可動物用LED881、可動物用モータ805、可動物用センサ829等の電気部品が接続され、電気部品は、演出制御基板690に搭載されたサブ制御部691による制御にもとづいて駆動される。
演出制御基板690には、メイン制御部641と同様にCPU691a、ROM691b、RAM691c、I/Oポート691dを備えたマイクロコンピュータで構成され、演出の制御を行うサブ制御部691、演出制御基板690に接続された液晶表示器651の駆動制御を行う液晶駆動回路692、演出効果LED652、リールLED655、可動物用LED881の駆動制御を行うLED駆動回路693、スピーカ653、654からの音声出力制御を行う音声出力回路694、電源投入時またはCPU691aからの初期化命令が入力されないときにCPU691aにリセット信号を与えるリセット回路695、シャッタセンサ811、可動物用センサ829やスイッチ等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路696、シャッタモータ810及び可動物用モータ805の駆動制御を行うモータ駆動回路697やその他の回路等、が搭載されており、CPU691aは、遊技制御基板640から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板690に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
以上のように構成されたスロットマシンにも、図17等に示されたコマンド受信処理を適用することができる。
すなわち、サブ制御部691は、メイン制御部641から、演出制御コマンドとしての状態コマンド(ビッグボーナス状態であることを示すコマンド、レギュラーボーナス状態であることを示すコマンド、RT(Replay Time )状態であることを示すコマンドなど、または、ビッグボーナス開始コマンドおよびビッグボーナス終了コマンド、レギュラーボーナス開始コマンドおよびレギュラーボーナス終了コマンド、RT状態開始コマンドおよびRT状態終了コマンドなど)等を受信して、液晶表示器651等の演出装置の制御を行うが、コマンドの受信に際してエラーが生じた場合には、正規のコマンドではないコマンドにもとづいて演出を実行してしまう。例えば、遊技制御手段としてのメイン制御部641はレギュラーボーナス状態に対応するコマンドを送信したにも関わらず演出制御手段としてのサブ制御部691がビッグボーナス状態に対応するコマンドを受信したと認識した場合には、実際にはレギュラーボーナス状態であるにも関わらず演出装置においてビッグボーナス状態に対応する演出が実行される。そのような状況が生ずると、遊技者が不審感を抱くおそれがある。しかし、図17等に示されたコマンド受信処理を適用することによって、受信したコマンドにエラーが生じたときに適切にエラーの発生を検出することができるので、そのような状況を生じさせないようにすることができる。
なお、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが 本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
上記実施の形態においては、特別図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(通常演出)を示すコマンド(第1コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(特定演出)を示すコマンド(第2コマンド)を送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。なお、「擬似連」とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の可変表示(変動表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左右中)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターンのことを指す。一般的には再変動の繰り返し実行回数(擬似連回数)が多い程信頼度が高くなる。また、擬似連変動を実行した場合には必ず最終的に何らかのリーチ演出を実行するものでも良い。さらに再変動の繰り返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するものでもよい。例えば再変動の実行回数が2回(擬似連回数3回)まで行くと「リーチ確定」、再変動の実行回数が3回(擬似連回数4回)まで行くと「スーパーリーチ確定」、再変動の実行回数が4回(擬似連回数5回)まで行くと「大当り確定」となるようなものでも良い。また、仮停止する際の停止図柄の組合せを特定のチャンス目にしても良い。例えば「1」「3」「5」の奇数目、「1」「2」「3」の並び目のようにゾロ目では無いが特徴のある出目を出すことで遊技者に擬似連をアピールすることができる。また、仮停止する際、及びまたは、再変動する際に特殊な報知演出(表示、音、ランプ、可動物等)を実行すると、より遊技者に擬似連をアピールできる。また、「擬似連変動」中の再変動時でもステップアップ予告を実行してもよい。つまり、再変動を3回実行(擬似連回数4回)する場合にはステップアップ予告を4回実行可能である。その際には、擬似連回数が進むにつれてステップアップ数を増加させることでより信頼度が高いことを遊技者に知らせることが可能になる。