JP6189804B2 - 光触媒コーティング用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な光触媒コーティング用組成物、該コーティング組成物を用いた光触媒機能を有する紫外線透過性窓材及び該窓材を用いた紫外線照射装置に関する。
紫外線殺菌は、薬剤による殺菌と異なり残留する物がなく、安全性が高いため、養殖魚や観賞魚などの水性生物の飼育水の殺菌方法として適している。そして、紫外線殺菌した飼育水を用いて魚の養殖を行った場合には、魚の細菌感染による死滅を有効に防止することができるために、餌に添加して投与する抗生物質を無くすか又はその量を著しく減少させることができ、安心・安全の点で付加価値の高い養殖魚を生産することが可能となる。
このような飼育水の紫外線殺菌を行うための装置としては、紫外線光源として水銀ランプを用いた特許文献1乃至3及び6に記載されているような装置が知られている。
なお、前記特許文献6には、活性酸素又はオゾンによる殺菌効果を期待して、光触媒作用を有する物質であるTiOが表面に塗布された石英玉を被殺菌流体の流路に多数配置することなどが記載されている。そして、基体の表面に光触媒物質を塗布するための光触媒コーティング用組成物としては、特許文献7に記載されているような無機透明多孔質体に光触媒物質を担持させたものとバインダーを混合した様なものも知られている。
ところで、紫外線発光ダイオード(以下、UV−LEDともいう。)は、水銀ランプに比べて発光する紫外線強度が低いという欠点があるものの、寿命が長く、消費電力も低いばかりでなく、破損した場合に水銀汚染が起こらないという優れた特徴を有しているため、光源としてUV−LEDを使用することが好ましいことが多い。そして、このようなUV−LEDを使用したものとしては、特許文献4や特許文献5に記載されているような装置が知られている。
なお、前記特許文献4に開示される殺菌装置では、一旦殺菌した水が太陽光に晒されると細菌の光回復現象により殺菌効果が低下するという問題の発生を避けるために、光源として、主発光ピーク320〜400nmのUVA発光するUV−LEDを、好ましくは主発光ピーク254nmのUVCを発光する紫外線ランプと組み合わせて使用することを特徴とするものである。しかしながら、殺菌効果は、260nm付近の波長を有する紫外線(所謂、殺菌線)の方が高いことが知られており、太陽光の影響が少ないか実質的に無視できるような環境下で殺菌を行う場合には、好ましくは200〜350nm、より好ましくは200〜300nm、最も好ましくは200〜280nmの波長を有する紫外線を照射することが有利である。
特開平08−243554号公報 特開平08−252575号公報 特開2014−131787号公報 国際公開第2010/058607号パンフレット 特開2012−115715号公報 特開平09−234237号公報 特開平10−156988号公報
前記特許文献1乃至3に記載されているように、微生物及び浮遊物を含む水を紫外線殺菌する場合には、紫外線ランプを内蔵した光透過管の外側面に液体中の有機物等の汚染物質が付着して紫外線照射効率が低下することを防止するため、適宜自動清掃を行う必要があった。そして、このような自動清掃は、汚染状況をモニタリングしながら汚れが一定のレベルを越えた時に行われるか、装置稼働開始時のみに行われるといったように、比較的長時間のインターバルで行われるのが一般的であった。また、前記特許文献1及び2に示される自動清掃は、モーターを用いてスクレーパー又はブラシを摺動させる、或いは空気噴射により乱流を増加させるなど、何れも比較的多大なエネルギーコストを要し且つ複雑な機構を有する装置によって行われていた。また、前記特許文献3に記載される方法は、簡単なメカニズムにより低エネルギーコストで清掃を行うことができるものの、光源や殺菌室の形状が特定のときのみに実施可能であり、しかも清浄頻度をコントロールすることは困難であった。
このように、水銀ランプを光源とした紫外線殺菌装置においては、上記したような自動清浄装置を用いる事により、長期間安定して殺菌を行うことが可能であった。そして、特許文献5に示されるようなUV−LEDを光源として用いた装置においても紫外線透過性の窓材においても自動清浄装置を設けて窓材(本発明における窓材とは、光源と、光源から出射される光が照射される被照射体との間に介在して両者を隔てると共にそれを通して被照射体に光源から出射された光を照射できるような光透過性を有する隔壁を構成する材料を意味し、たとえば特許文献5における保護カバー19や特許文献4における透光性プレート7、透光性移送管23および透光性容器33も窓材に該当する。)の表面を定期的に洗浄すれば特に問題なく使用できるとされていた。
ところが、太陽光照射がない様な条件下における、UV−LEDのみを光源として用いた特許文献4の図12に示されるような装置による魚類の飼育水の循環殺菌では、殺菌効果が短時間で急激に低下することがあることが明らかとなった。そして、前記特許文献1、2又は5に示されるような自動清浄を用いて頻繁に洗浄を行って殺菌効率を維持しようとすると、多大なエネルギーコストを要するばかりでなく、頻繁に自動清浄装置のメンテナンス作業を行う必要がある。
本発明者等は、上記問題を解決すべく、先ずその原因を突き止めるべく鋭意検討を行った。その結果、UV−LEDの発光強度が水銀ランプに比べて著しく低いため、特に流路が広く光源から離れた被照射体に紫外線が届き難い場合には、水銀ランプを用いた場合と比べて魚類の飼育水に含まれる微生物及び浮遊物に由来する汚れ物体(特に微生物汚染物)が移送管の内壁に付着しやすく、更に水銀ランプを用いた場合には問題とならないような僅かなレベルで汚れ物体が付着した場合でも、該汚れ物体よる紫外線吸収効果より被殺菌体である飼育水に到達する紫外線の強度が著しく低下してしまうことが原因であることが明らかとなった。
このような原因からすると、UV−LEDの発光強度を著しく高くすることができれば、上記問題を解決することができる。しかしながら、発光強度を高める為には非常に多くのUV−LEDを使用する必要があり経済的に不利であるばかりでなく、装置が大型化してしまう。また個々のUV−LEDの発光効率を高めれば、使用するUV−LED数を比較的少なく抑える事は可能であるが、そのためには作動電圧を上げる必要があり、UV−LEDの寿命低下を招いてしまう。
このような状況の下、本発明者等は、光触媒を利用したセルフクリーニング機能を付与することを着想した。ところが、最も汎用的に使用される光触媒物質であるTiOは代表的な紫外線吸収剤であることからも分かるように、可視光透過性が要求される基材に対して塗布される場合はあるものの、紫外線透過性が要求される窓材に塗布された例は本発明者等の知る限りにおいて皆無である。そして、光触媒利用したセルフクリーニング性を有する物品においては、ほぼ例外なく、光触媒を励起するための励起光を光触媒コート層の露出表面側から照射している。
そこで、光触媒は紫外線遮蔽性(或いは紫外線吸収性)が高く、紫外線透過性要求される窓材に適用することはできないという常識にとらわれず、窓材の紫外線透過性を損なうことなく、光触媒を利用したセルフクリーニング機能を付与する方法、特に、セルフクリーニング機能を付与するために一般に使用されている、光触媒物質及びバインダーを含んでなる硬化性組成物からなる、所謂“光触媒コーティング剤”を用いてこれを実現する方法について鋭意検討を行った。その結果、バインダーとしてその硬化体が紫外線及び光触媒物質の励起光に対して透過性を有するものを使用し、更に光触媒物質を微小領域に局在化さてこれを光触媒コート層全体にわたって実質的に均一になるように分散して存在せしめて、光触媒コート層を光触媒が存在しない海の中に上記微小領域が点在するような海島構造とすれば前記課題を解決することができることに想到し、本発明を完成するに至った。
即ち、第一の本発明は、光触媒物質と、複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体と、からなる複合光触媒粒子(A)と、バインダー(B)と、を含有してなる光触媒コーティング用組成物であって、前記複合光触媒粒子(A)は、前記光触媒物質の微粒子が前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体によって接合されて凝集した形態、又は前記光触媒物質の微粒子が前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体の内部或いは表面に分散した形態を有し、前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体は、紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有し、前記バインダー(B)は、硬化したときに紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する硬化体となるものである、ことを特徴とする前記光触媒コーティング用組成物である。
また、第二の本発明は、 光源と、当該光源から出射される光が照射される被照射体と、の間に介在して両者を隔てる隔壁であって、当該隔壁の内側に配置された前記光源から出射された光を透過して前記隔壁の外側に配置された前記被照射体に照射できる隔壁である窓材であって、窓材本体と、光触媒物質を含んでなる光触媒コート層と、を有し、前記窓材本体は、紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する材料で構成されており、前記光触媒コート層は上記本発明の光触媒コーティング用組成物の硬化体からなり、前記光触媒コート層は前記窓材本体の外側の面を被覆している、ことを特徴とする前記窓材である。
上記本発明の窓材においては、200nm〜400nmの波長領域内に単一又は複数のピークを有する紫外線を透過させた時における主ピークに対応する波長の紫外線に対する透過率が30.0%以上99.5%以下であることが好ましく、50%以上98%以下、特に60%以上97%以下であることがより好ましい。
更に、第三の本発明は、紫外線を出射する光源と、窓部を有するケーシングとを有し、該ケーシング内に前記光源が収容されてなり、前記窓部は上記本発明の窓材で構成されてなることを特徴とする紫外線照射装置である。
上記本発明の紫外線照射装置は、装置の内部から前記光触媒物質の励起光を窓材に照射することにより、セルフクリーニング効果を発揮させることができる。そして、該本発明の紫外線照射装置においては、前記光源から発光される紫外線が前記光触媒物質の励起光を含まない場合、又は前記光源から発光される紫外線が前記光触媒物質の励起光を含むが十分な強度が十分でない場合であっても外部に上記励起光の光源を別途設置する必要がないというという理由から、ケーシング内に収容する光源として紫外線及び前記光触媒物質の励起光を出射する光源を用いるか、又は前記光源と共に前記光触媒物質の励起光を出射する別の光源(前記光源より強い発光強度を有するものが好ましい。)をケーシングに収容することが好ましい。
本発明の窓材は、一般に紫外線遮蔽性又は紫外線吸収性を有することが知られている光触媒コート層を表面に有するにもかかわらず、紫外線透過性を有するという特長を有する。このため、内部にUV−LEDや紫外線ランプのような紫外線の光源をケーシング内に収容し、ケーシングに設けられた窓部から紫外線を出射する紫外線照射装置の窓材として使用した場合において、窓材の内側から前記光触媒粒子の励起光を窓材に照射することにより、セルフクリーニング効果を発揮させることができる。
したがって、微生物及び浮遊物を含む水を紫外線殺菌する装置における窓材として本発明の窓材を使用した場合には、分解洗浄や自動洗浄の頻度を大幅に低減することが可能となる。しかも、外部に別途光触媒物の励起光用の光源を設置する必要がないので、装置のコンパクト化を図ることができる。
本図は、本発明の光触媒コーティング用組成物に含まれる複合光触媒粒子を模式的に示した図である。 本図は、代表的な本発明の窓材及びそれを用いた紫外線照射装置の模式図である。 本図は、別の代表的な本発明の紫外線照射装置の模式図である。
本発明の光触媒コーティング用組成物は、光触媒物質と、複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体と、からなる複合光触媒粒子(A)と、バインダー(B)と、を含有してなる光触媒コーティング用組成物であって、前記複合光触媒粒子(A)は、前記光触媒物質の微粒子が前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体によって接合されて凝集した形態、又は前記光触媒物質の微粒子が前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体の内部或いは表面に分散した形態を有し、前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体は、紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有し、前記バインダー(B)は、硬化したときに紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する硬化体となるものである、ことを特徴とする。

前記複合光触媒粒子を製造するための硬化性組成物に含まれる光触媒物質としては光触媒作用を示すことが知られている物質、たとえばTiO、SrTiO、ZnO、CdS,SnO、WO等が特に制限なく使用できる。光触媒効果の高さの観点から触媒物質としては、TiO又はTiO系光触媒物質の微粒子を使用することが好ましい。光触媒物質の微粒子の粒子径は透過型電子顕微鏡撮影の画像の画像解析によって求められる1次粒子が5nm〜1μmの範囲であればよいが、光触媒機能の高さの観点から上記1次粒子の粒子径が5〜50nmであることが好ましい。
また、前記複合光触媒粒子を製造するための硬化性組成物に含まれる「その硬化体が紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有するバインダー」としては、ケイ酸塩系バインダー、無機コロイド系バインダー、金属アルコキシド系バインダー等の無機バインダー、フッ素樹脂系バインダー等の有機系バインダー又はこれらの組み合わせを使用することができる。後述する「本発明の光触媒コーティング用組成物で使用されるバインダー」として有機系バインダーを用いた時の劣化が少なく、光触媒コート層の耐久性が高くなるという理由及び粉砕しやすいという理由から、複合光触媒粒子製造時に使用するバインダーとしては無機バインダーを使用することが好ましい。さらに上記硬化性組成物は粘度を調整する等の目的で水及び/又は有機溶媒を含んでいてもよい。なお、これらバインダーの硬化体における紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対する透過性は、本発明の窓材における窓材本体におけるこれら透過性より低いことが多い。
上記硬化性組成物中における光触媒物質の濃度は、光触媒物質を局在化し、複合光触媒粒子の表面に光触媒物質が露出しやすいという観点から高い方が好ましいが、あまりに高すぎる場合には硬化体を破砕した時の粒径制御が困難となるので、硬化体中の質量基準で50〜98質量%、特に70〜95質量%とすることが好ましい。
また、上記硬化性組成物の硬化は一般的な“光触媒コーティング剤”と同様に、乾燥後実用に応じた熱処理を行えばよい。硬化体は、破砕後分級することにより複合光触媒粒子とされる。このようにして得られる複合光触媒粒子1は、図1に示されるように、光触媒物質の微粒子2がバインダーの硬化体3によってのりづけされたような形で凝集した様な形態または、光触媒物質の微粒子2又はその凝集体がバインダーの硬化体3の内部および表面に分散した様な形態を有する。ここでバインダーの硬化体3は紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有するので、例えば複合光触媒粒子1の下側から紫外線及び光触媒物質の励起光を照射した場合には紫外線は(その強度は弱まるものの)複合光触媒粒子1の上側に透過すると共に、複合光触媒粒子1の上側表面に露出した光触媒物質も活性化させて光触媒として機能することができる。
なお、複合光触媒粒子の平均粒子径は、最終的に本願発明の光触媒コーティング用組成物を用いて形成する光触媒コート層の平均膜厚の10〜110%、特に20〜100%であることが好ましく、30〜95%であることが最も好ましい。さらに何れの場合も、上記平均膜厚の110%を越える粒子径の複合光触媒粒子は含まないことが好ましい。
本発明の光触媒コーティング用組成物で使用されるバインダーとしては、複合光触媒粒子調製用の前記硬化性組成物のバインダーと同様ものが使用できる。このとき、両者は同種であっても異なる種類のものであってもよい。但し、光触媒コート層の耐久性の観点から、ケイ酸塩系バインダー、無機コロイド系バインダー、金属アルコキシド系バインダー等の無機バインダー又はフッ素樹脂系バインダーを使用することが好ましい。本発明の光触媒コーティング用組成物における複合光触媒粒子の含有量は、硬化させて光触媒コート層としたときの光触媒機能の強さと紫外線透過性とのバランスから、光触媒コート層の厚さにもよるが、硬化体の質量を基準とした触媒物質の質量%で表して0.5〜20質量%、特に1〜15質量%となるようにすることが好ましい。さらに本発明の光触媒コーティング用組成物は、粘度を調整する等の目的で水及び/又は有機溶媒を含んでいてもよい。
次に、本発明の窓材について説明する。本発明の窓材は、その内側の空間から照射される紫外線を、その外側の空間に透過する窓材であって、窓材本体と、該窓材本体の外側の面を被覆する光触媒コート層と、を有し、前記窓材本体は紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する材料で構成されており、前記光触媒コート層は上記本発明の光触媒コーティング用組成物の硬化体からなることを特徴とする。
前記した様に本発明において窓材とは、光源と該光源から出射される光が照射される被照射体との間に介在して両者を隔てると共にそれを通して光源から出射された光を被照射体に照射できるような光透過性を有する隔壁を構成する材料を意味する。したがって、1)開口部を有する容器内に光源を収容し、前記開口部を透光性板状体で塞いで封止し、該透光性板状体の外側に配置した被照射体に向かって光を照射するタイプの光照射装置における前記透光性板状体、2)透光性管状体の内部に光源を収容し、両端を蓋で塞いで封止し、前記透光性管状体の外部に配置された被照射体に向かって光を照射するタイプの光照射装置における前記透光性管状体、3)透光性管状体の内部に被照射体を配置し、該透光性管状体の外周に沿って光源を配置して前記被照射体に向かって光を照射するタイプの光照射装置における前記透光性管状体、更には4)所謂LEDパッケージやLEDモジュールにおける窓材、レンズ、透光性カバー等を構成する材料も窓材に含まれる。
本発明の窓材は、その内側の空間から照射される紫外線を、その外側の空間に透過する窓材である。ここで紫外線とは200nm〜400nm波長領域の光を意味するが、該波長領域の全ての紫外線を透過する必要はなく、紫外線照射装置の窓材として用いた時における光源の種類、紫外線照射の目的に応じて特定の紫外線に対して透過性を有すればよい。本発明の窓材においては、200nm〜400nmの波長領域内に単一又は複数のピークを有する紫外線を透過させた時における主ピークに対応する波長の紫外線に対する透過率が30.0%以上99.5%以下であることが好ましく、50%以上98%以下、特に60%以上97%以下であることがより好ましい。
本発明の窓材で使用する窓本体は、窓材の主要部を構成するものであり、紫外線透過性および前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する材料で構成されている必要がある。ここで、光触媒物質の励起光とは、光触媒物質(半導体物質である)がその光を吸収することによって励起され光触媒として機能するようになる光であり、その波長は光触媒物質ごとに特有である。たとえば、TiOの励起光は波長380nm以下の光である。
窓材本体を構成する材料としては、サファイア、天然または合成石英、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、ガラスなどの無機材料、PFA、FEP、ETFE,PCTFE等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネートなどの有機材料、及びこれらの複合材料が好適に使用できる。これら窓材の中でも耐水性の観点からサファイア、天然若しくは合成石英、又はフッ化カルシウム若しくはフッ化マグネシウムの露出表面をフッ素系樹脂でコーティングしたものを使用することが好ましい。なお、窓材本体の厚さは、紫外線透過性の観点からは薄い方がよく、紫外線透過性と強度や取扱やすさのバランスから適宜決定すればよい。一般的な厚さは、通常、20μm〜10mmの範囲であるが、50μm〜7mm、特に100μm〜5mmの範囲内であることが好ましい。
本発明の窓材の光触媒コート層とは、前記本発明の光触媒コーティング用組成物の硬化体からなる。光触媒コート層の厚さは一般的には0.3〜50μmの範囲であるが、光触媒物質を露出しやすくして光触媒機能を高め更に光触媒コート層における紫外線透過率をできるだけ高くするために0.5〜10μmとすることが好ましい。
前記光触媒コート層を、前記窓材本体の外側の面上に被着させる方法は特に限定されず、ディピング法、スピンコート法、スプレイ法などの塗布方法を用いて本発明の光触媒コーティング用組成物を塗布した後に乾燥し、熱処理等を施して硬化させればよい。
最後に図2及び図3を参照して本発明の紫外線照射装置について説明する。
図2には、夫々上部に開口を有する箱型のケーシング9内に殺菌効果の高いUVC(波長200〜280nmの紫外線)を発光するUV−LED11及び光触媒物質であるTiOの励起能が高いUVA(波長320−400nmの紫外線)を発光するUV−LED12を収容し、前記開口を本発明の窓材4で塞いで窓部10を構成した本発明の紫外線照射装置8が示されている。窓材4はサファイア又は石英からなる窓材本体5と光触媒コート層6とを有する。上記光触媒コート層6は、光触媒物質としてのTiO微粒子とバインダーとしてシリカゾルを含む硬化性組成物を硬化させて得た複合光触媒粒子1´と、(光触媒コーティング用組成物の)バインダーとして上記と同じシリカゾルを含む本発明の光触媒コーティング用組成物を塗布して形成したものである。
このようにして形成した触媒コート層6は、触媒が存在しない(本発明の光触媒コーティング用組成物における)バインダーの硬化体7からなる海の中に光触媒物質を高濃度で含む複合光触媒粒子1´が均一に分散して点在するような海島構造を有している。そして、近接する複合光触媒粒子1´間の距離は光触媒微粒子を複合粒子化せずにそのままバインダーに分散させて光触媒コート層を形成した時における近接する得た特における光触媒微粒子間の距離に比べて有意に長くなっている。このため、光触媒微粒子に吸収されることなく紫外線が透過できる部分の面積が大きくなり、高い紫外線透過性を維持することができる。一方、光触媒によるセルフクリーニング機能を発揮させるためには、光触媒物質を必ずしも対象物の表面上に密に存在させる必要がないことが知られている。即ち、一般的な“光触媒コーティング剤”を用いて多数の光触媒コート層を、これら光触媒コート層が互いに独立して被対象物の表面上に均一に分散して被着するように形成した場合、被覆率が0〜10%の範囲において被覆率の増加に伴い表面は急激に親水化され、表面に付着した汚れは水膜によって容易に除去できることが知られている(参考特許文献1:特許第3773087号公報参照)。したがって、複合光触媒粒子1´が比較的疎らに分散するような状態(たとえば、複合光触媒粒子1´間の最近接距離が1mm程度或いは5mm程度)であっても十分なセルフクリーニング効果を得ることができると考えられる。特に窓材の外側表面が常に水流と接触するような条件下で使用する場合には、より確実に十分なセルフクリーニング効果を得ることができると考えられる。
窓材4において、触媒コート層6は光触媒物質としてTiO微粒子を使用しているため、紫外線照射装置8では、殺菌作用の強いUVCを発光とするUV−LED11に加えてTiOの励起効率を高める目的でUVAを発光するUV−LED12をケーシング9内に収容している。一般にUVCを発光とするUV−LED11において発光強度を高めることは難いのに対し、UVAを発光するUV−LED12では高強度化が比較的容易であるため、両者を併用することにより、UV−LED11のみを用いた場合に比べて光触媒機能をより高めることができる。なお、図2では光源としてUV−LEDのみを用いた態様を示したが、UVCを発光する低圧水銀ランプやエキシマUVランプとUVAを発光するUV−LED12とを組み合わせて使用することも勿論可能である。
紫外線照射装置8におけるケーシング9を構成する材料としては金属、セラミックス、樹脂、及びこれらの組み合わせなどが使用できる。ケーシング9内への光源の収納方法は特に限定されず、各UV−LEDは素子の状体のまま収容されていてもパッケージ化又はモジュール化されて収容されていてもよい。なお、図2ではUV−LEDの搭載状態の詳細やUV−LEDを駆動させるための電源、配線、回路等は省略して示している。
図3には、別の本発明の窓材4´及びそれを用いた紫外線照射装置8´を示した。これら窓材4´及び紫外線照射装置8´は、光源として1本の又は並列配置された複数の紫外線ランプ13を用いた以外は図2に示される窓材4と同じである。なお、光源としては、発光スペクトルの広い(UVCとUVAを同時に発光する)高圧水銀ランプを使用している。
1、1´・・・複合光触媒粒子
2、2´・・・触媒物質の微粒子
3、3´・・・複合光触媒粒子におけるバインダーの硬化体
4、4´・・・本発明の窓材
5、5´・・・窓材本体
6、6´・・・光触媒コート層
7・・・本発明の光触媒コーティング用組成物におけるバインダーの硬化体
8、8´・・・本発明の紫外線照射装置
9、9´・・・ケーシング
10、10´・・・窓部
11・・・UVCを発光するUV−LED
12・・・UVAを発光するUV−LED
13・・・紫外線ランプ(高圧水銀ランプ)

Claims (5)

  1. 光触媒物質と、複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体と、からなる複合光触媒粒子(A)と、バインダー(B)と、を含有してなる光触媒コーティング用組成物であって、
    前記複合光触媒粒子(A)は、前記光触媒物質の微粒子が前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体によって接合されて凝集した形態、又は前記光触媒物質の微粒子が前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体の内部或いは表面に分散した形態を有し、
    前記複合光触媒粒子製造用バインダーの硬化体は、波長200〜280nmの紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有し、
    前記バインダー(B)は、硬化したときに波長200〜280nmの紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する硬化体となるものである、ことを特徴とする前記光触媒コーティング用組成物。
  2. 光源と、当該光源から出射される光が照射される被照射体と、の間に介在して両者を隔てる隔壁であって、当該隔壁の内側に配置された前記光源から出射された光を透過して前記隔壁の外側に配置された前記被照射体に照射できる隔壁である窓材であって、
    窓材本体と、光触媒物質を含んでなる光触媒コート層と、を有し、前記窓材本体は、紫外線及び前記光触媒物質の励起光に対して透過性を有する材料で構成されており、前記光触媒コート層は請求項1に記載の光触媒コーティング用組成物の硬化体からなり、前記光触媒コート層は前記窓材本体の外側の面を被覆している、ことを特徴とする前記窓材。
  3. 200nm〜400nmの波長領域内に単一又は複数のピークを有する紫外線を透過させた時における主ピークに対応する波長の紫外線に対する透過率が30.0%以上99.5%以下である請求項2に記載の窓材
  4. 紫外線を出射する光源と、窓部を有するケーシングとを有し、該ケーシング内に前記光源が収容されてなり、前記窓部は請求項2又は3に記載の窓材で構成されてなることを特徴とする紫外線照射装置。
  5. 前記光源として紫外線及び前記光触媒物質の励起光を出射する光源を用いるか、又は前記光源と共に前記光触媒物質の励起光を出射する別の光源をケーシングに収容したことを特徴とする請求項4に記載の紫外線照射装置。
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