JP2018196620A - 洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紫外線光源として“UVAのような長波長の紫外線を出射するUV−LED”を用いた場合であっても、OHラジカルの強い酸化力を利用したセルフクリーニング機構により、より確実に槽内の汚れ物質の蓄積を抑えることができる洗濯機を提供する。
【解決手段】 筐体の内部に配置された水槽と、前記水槽の内部に配置される回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に支持する駆動部と、を含んでなる洗濯機において、前記水槽の本体に紫外線透過性物質で構成される紫外線透過領域を設け、その内表面上にUVAで十分励起可能な光触媒含有層を形成し、更に前記光触媒含有層表面に過酸化水素水等の光触媒作用によってOHラジカルを発生する殺菌洗浄液を付着させてから、前記紫外線透過性領域の後方に配置した上記UV−LED等の紫外線光源から紫外線を出射して前記光触媒含有層を励起し、その露出表面上にOHラジカルを発生させて洗浄殺菌を行うようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水槽や回転ドラムを清潔に保つ機能を有する洗濯機に関する。
洗濯機の内部は、水道水に含まれる金属塩、洗剤の残りカス、洗濯物から離脱した皮脂汚れ等を含む有機物等(以下、汚れ物質ともいう)が付着して汚れやすい。特に、回転ドラムの外周壁面(外表面)や、回転ドラムを収容する水槽の内周壁面(内表面)等は、清掃しようとしてもユーザの手が届きにくく、汚れ物質が蓄積しやすい。その結果、当該汚れ物質を元に繁殖する細菌やカビ等が悪臭の原因となる代謝物を生成することで洗濯物に不快臭がついたり、上記周壁面に蓄積した汚れ物質が洗濯中に剥離して洗濯物に再付着したりする不都合があった。
このような不都合を解消するため、例えば特許文献1には、上板、水槽及び外蓋等の汚れ物質の付着し易い部分に紫外線(以下、UVともいう。)を照射すると酸化作用をなし表面に付着する有機物及び細菌等の汚れ物質を分解する光触媒が塗布された電気洗濯機が提案されている。そして、外蓋内面に紫外線光源を設けて前記光触媒に紫外線を照射することによって、洗濯機の水槽等に付着した有機物の汚れ物質を分解することができるとしている。
また、特許文献2には、フタの開閉を検知するフタロックセンサからのフタ閉信号の出力で作動し、脱水槽内の洗濯物に殺菌作用を有する光線を照射する照射器を備えた洗濯機が開示されている。この構成により、脱水工程終了後、槽内に放置された洗濯物の雑菌の繁殖や洗濯物にいやな臭いがつくことを防止することができるとしている。
また、特許文献3にはブラシを用いて脱水槽の外表面を掃除できる機能を有する洗濯機が記載されている。
特開平9−135992号公報 特開平10−43481号公報 特開2016−86976号公報 特開平10−085606号公報 特開2016−049518号公報 特開2016−049519号公報 特開2016−050291号公報 特許第4967971号公報 水環境学会誌 第22巻 第11号 910−915 1999年 野坂芳雄、「光触媒反応におけるOHラジカルの生成と寄与」、第35回光がかかわる触媒化学シンポジウム講演要旨集 (総合1) 2016年6月10日
特許文献1に記載された洗濯機では、励起光である紫外線によって励起された活性化状態の光触媒物質に水が接触した時に起こる光触媒反応によって発生するヒドロキシルラジカル(OHラジカルともいう。)の強い酸化力により汚れ物質の分解や殺菌を行うことができる。しかしながら、特許文献1の構成では、紫外線ランプを外蓋の内面に設けているため、回転ドラムの外表面や水槽の内表面に十分な量の紫外線を照射することが困難であり、これら表面に付着した汚れ物質を効率よく分解することができないという問題がある。また、特許文献2の構成では、槽内の汚れ物質の蓄積という問題を根本的に解決することができない。更に、特許文献3の構成では、洗浄ブラシ自体の洗浄や交換が必要である。
一方、紫外線光源に目を転じてみると、紫外線発光ダイオード(以下、UV−LEDともいう。)は、小型、省電力、長寿命、水銀を使用しない、瞬時の点灯・消灯が可能である、といった優れた特徴を有することから紫外線ランプに代わる紫外線光源として注目されている。しかし、比較的安価で入手も容易な“長波長の紫外線(例えば、波長範囲が315nm〜400nmであるUVA)を出射するUV−LED”は、所謂殺菌線と呼ばれる紫外線殺菌効果の高い波長の紫外線を出射できないこと、さらにそのエネルギー(波長に反比例する)の低さに起因して、光反応の原動力としての効果も低いことから、その実用的利用は限られているのが現状である。
そこで本発明は、紫外線光源として“UVAのような長波長の紫外線を出射するUV−LED”を用いた場合であっても、OHラジカルの強い酸化力を利用したセルフクリーニング機構により、より確実に槽内の汚れ物質の蓄積を抑えることができる洗濯機を提供することを課題とする。
本発明者は、光触媒を用いずにOHラジカルを発生させる方法として、過酸化水素水などの“水の共存下における紫外線照射によってOHラジカルを生成する物質又はイオンが溶解した水溶液”に紫外線を照射する方法が知られていることに着目した。そして、接水表面に有効に紫外線を照射することができれば、接水表面に上記水溶液からなる殺菌洗浄液を付着させて紫外線照射すれば、OHラジカルによるセルフクリーニングが実現できると考え、検討を行った。その結果、接水表面に有効に紫外線を照射することができる方法を見出すことには成功したが、エネルギーの低い長波長の紫外線を用いた場合には、所期の効果を得ることができない場合があるという問題があることが判明した。
そこで、本発明者は、上記の新たな問題を解決すべく更に検討を行ったところ、上記水溶液は光触媒作用によってもOHラジカルを発生できるという知見を得(非特許文献2参照。)、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、筐体と、前記筐体の内部に配置された略有底円筒形状の水槽本体を有する水槽と、複数の通水孔を有し、前記水槽の内部に配置される、略有底円筒形状の回転ドラム本体を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に支持する駆動部と、を含んでなる洗濯機において、水の共存下における紫外線照射によってヒドロキシルラジカルを生成する物質又はイオンが溶解した水溶液からなる殺菌洗浄液を前記水槽の内表面に付着させることができる殺菌洗浄液供給手段と、紫外線光源と、を更に有し、前記水槽本体は、紫外線透過性物質で構成された紫外線透過領域を有し、当該紫外線透過領域の内表面上には第一の光触媒含有層が形成されており、前記紫外線光源を前記水槽本体の外側に配置し、当該紫外線光源から出射される紫外線を、前記紫外線透過領域を透過させて前記第一の光触媒含有層の非露出面側から照射するようにした、ことを特徴とする、前記洗濯機である。
上記本発明の洗濯機においては、前記回転ドラム本体の外表面上には第二の光触媒含有層が形成されており、前記紫外線透過領域を透過した紫外線、又は前記紫外線透過領域及び前記第一の光触媒含有層を透過した紫外線を、前記第二の光触媒含有層の露出面に照射するようにしたものであることが好ましい。
また、これら本発明の洗濯機においては、前記洗浄殺菌液が過酸化水素水であることが好ましく、更に過酸化水素水製造装置を更に含んでなることが好ましい。
また、前記紫外線光源は、280nmを越え400nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射する紫外線発光ダイオードを含んでなることが好ましく、特に、240nmを以上280nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射する紫外線発光ダイオードを更に含んでなることが好ましい。
なお、光触媒を用いた殺菌・分解・洗浄に関しては、前記特許文献1に開示されたような、光触媒層の露出表面側から光を照射して光触媒を励起させる技術以外にも、(a)空気調和装置において、調和した空気中の臭気、細菌、その他の汚染物を酸化分解又は死滅させるために使用する光触媒フィルタについて、光触媒全体に紫外線を照射することができなくても所望の光触媒能力を発揮させる技術(特許文献4)や(b)養殖魚や鑑賞魚などの水生生物の飼育水を殺菌するための紫外線殺照射装置において、光触媒層を有する部材の裏側から紫外線を照射してセルフクリーニング性を発揮しながら水の紫外線殺菌を行う技術(特許文献5、6及び7)が知られている。しかし、これら技術は、フィルタや紫外線照射装置そのものに関するものであり、光源を配置することができなかった空間に光源を配置するという発想は無い。また、特許文献4、5、6及び7には、これら技術を、空気調和装置のフィルタや水の殺菌装置以外に適用することに関する記載は存在しない。
前記したように、UVAのような比較的長波長の紫外線は、前記殺菌洗浄液に直接照射した場合にはOHラジカル発生効果が低く、また紫外線殺菌効果(紫外線照射によって微生物のDNAを損傷させて繁殖能力を奪うことにより殺菌する効果)も期待できないことから、その実用的用途は限られていた。たとえば、洗濯機の殺菌洗浄に利用する場合にも、光触媒層の露出面に照射する励起光に使用する以外の有効な使用方法は知られていなかった。そして、そのときに得られる殺菌洗浄効果は、必ずしも満足のゆくものではなかった。
これに対し、本発明の洗濯機では、次に示すような効果が複合して発揮されることにより、UVAのような長波長の紫外線を使用した場合であっても、水槽内表面、更には回転ドラム外表面について、高度な殺菌洗浄を行うことができる。しかも、上記殺菌洗浄は、所謂セルフクリーニングにより行うことができるため、本発明の洗濯機では、人手による清掃頻度を少なくすることができる。
すなわち、本発明の洗濯機では、次のような効果を得ることができる。まず、光触媒含有層の裏面からUVを照射すること(裏面照射)による効果として、(1)光触媒含有層の露出表面側からUV照射した場合に比べて、より確実に光触媒を励起できるという効果、(2)光触媒含有層に、露出表面側から紫外線を照射した時には紫外線を遮ってしまうような汚れ物質が付着している場合でも、裏面照射の場合には当該汚れ物質の下地に存在する光触媒は確実に励起されるので、接合界面において光触媒作用による汚れ物質の直接分解(OHラジカル非存在下でも起こるような分解)が起こり、界面での結合力が弱まって、すすぎ洗浄中における汚れ物質の剥離が促進されるという効果、及び(3)紫外線光源の配置場所に対する自由度が高くなり、たとえば筐体と水槽との間の空間など、従来は紫外線光源の設置場所として利用できなかった空間に紫外線光源を配置することができるようになり、コンパクト化を図ることが可能となるという効果が得られる。
また、殺菌洗浄液と光触媒とを併用した効果として、(4)光触媒のみを用いた場合よりも、OHラジカル濃度を高くすることができる(非特許文献2参照)という効果、及び(5)長波長UVしか使用できない場合において、殺菌洗浄液に単にUVを照射した場合よりもOHラジカルの発生効率を高くすることができるという効果を得ることができる。
さらに、洗浄対象表面に殺菌洗浄液を付着させてからUV照射を行って光触媒活性化を行うことによる効果として、(6)殺菌洗浄液のミストにUV照射を行ってから表面に付着させた場合よりも、洗浄対象面の表面におけるOHラジカル濃度を高くすることができるという効果を得ることができる。
さらにまた、(7)前記殺菌洗浄液として過酸化水素水のように、紫外線照射や光触媒作用を受けなくても、それ自体が殺菌洗浄力を有する殺菌洗浄液を用いることによって、光触媒が存在しない表面の殺菌洗浄を行うことが可能となる、という効果も得ることができる。
本図は、代表的な本発明の洗濯機100を説明するための模式図である。 本図は、洗濯機100で使用可能な、過酸化水素製造装置を用いた殺菌洗浄液供給手段を説明するための模式図である。 本図は、本発明で好適に使用できる紫外線光源を示す図である。 本図は、本発明で好適に使用できる他の紫外線光源を示す図である。 本図は、他の代表的な本発明の洗濯機100´を説明するための模式図である。 本図は、図5に示される洗濯機100´と同様の基本構造を有する洗濯機において、紫外線光源として別の形態のLEDモジュールを配置したときの状態を説明するための模式図である。 本図は、図5に示される洗濯機100´と同様の基本構造を有する洗濯機において、紫外線光源として更に別の形態のLEDモジュールを配置したときの状態を説明するための模式図である。
本発明は、筐体と、前記筐体の内部に配置された略有底円筒形状の水槽本体を有する水槽と、複数の通水孔を有し、前記水槽の内部に配置される、略有底円筒形状の回転ドラム本体を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に支持する駆動部と、を含んでなる洗濯機であればどのような洗濯機にも適用可能であり、本発明の洗濯機は、所謂回転ドラム式又は縦型のいずれであってもよい。
ここで略有底円筒形状とは、有底円筒状または有底円筒を基本とし部分的な変形や付加を許容する形状を意味し、底と側壁との接続部が丸みを帯びていたり、図1に示されるように底部に段差を有していたり、開口部周縁に設けられた鍔状のカバー部を有していたりしてもよい。
本発明の洗濯機は、水の共存下における紫外線照射によってOHラジカルを生成する物質又はイオンが溶解した水溶液からなる殺菌洗浄液を前記水槽の内表面、好ましくは前記水槽の内表面及び前記回転ドラムの外表面、に付着させることができる殺菌洗浄液供給手段と、紫外線光源と、を更に有し、前記水槽本体は、紫外線透過性物質で構成された紫外線透過領域を有し、当該紫外線透過領域の内表面上には第一の光触媒含有層が形成されており、前記紫外線光源を前記水槽本体の外側に配置し、当該紫外線光源から出射される紫外線を、前記紫外線透過領域を透過させて前記第一の光触媒含有層の非露出面側から照射するようにした、ことを特徴とする。
本発明の洗濯機では、上記構成に示されるように、水槽の内表面に第一の光触媒含有層を形成し、その露出表面に前記殺菌洗浄液を付着させた状態で光触媒を励起して、光触媒作用によってOHラジカルを発生させることができるようにしている。前記したように、前記殺菌洗浄液を用いた場合には単なる水を用いた場合よりも高濃度でOHラジカルを発生させることができ、しかも、洗浄対象となる水槽内表面上で絶えずOHラジカルが発生させられるため、OHラジカルの寿命が短くても、当該表面において常に確実にOHラジカル濃度を高い状態に保つことができるので、本発明の洗濯機では、水槽の内表面、更には回転ドラムの外表面の殺菌洗浄をより効果的に行うことができる。このような効果は、たとえば紫外線照射された過酸水素水ミストを表面に付着させた場合には(紫外線照射によって発生したOHラジカルはミストが表面に付着する前に大部分が消滅してしまうので)得ることができない。
また、本発明の洗濯機では、前記水槽本体に紫外線透過性物質で構成された紫外線透過領域を設けると共に、前記紫外線光源を前記水槽本体の外側に配置して当該紫外線光源から出射される紫外線を、前記紫外線透過領域を透過させて前記第一の光触媒含有層の非露出面側から照射するようにしているので、前記第一の光触媒含有層を確実に励起することができる。また、前記第一の光触媒含有層に、露出表面側から紫外線を照射した時には紫外線を遮ってしまうような汚れ物質が付着している場合でも、紫外線を裏面照射した場合には、その下地に存在する光触媒は励起されるので、汚れ物質の接合界面において光触媒作用による汚れ物質の(OHラジカル非存在下でも起こるような直接的な)分解作用も期待でき、その結果(界面結合力が弱まって)すすぎ洗浄中における汚れ物質の剥離も促進される。
本発明で使用する殺菌洗浄液は、水の共存下に紫外線を照射させることによってヒドロキシルラジカル(OHラジカル)を生成する物質又はイオンが溶解した水溶液からなるものであれば特に限定されない。上記水溶液に紫外線を照射した場合には、前記物質又はイオンが周囲の水を反応してOHラジカルを発生させるが、光触媒は、紫外線と同様に作用してこのような反応を促進するので、前記物質又はイオンの種類によって程度の差はあるものの、上記水溶液の多くは光触媒作用によってもOHラジカルを発生させることができる。
水の共存下における紫外線照射によってOHラジカルを生成する物質又はイオンとしては、このような機能が知られている物質又はイオンが特に限定されず使用できる。これら物質又はイオンとしては、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ウレタン化合物、セルロース誘導体、過酸化水素、オゾン等が挙げられる。これらの中でも、取扱いの容易さ及びOHラジカル発生効率の観点から、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び過酸化水素から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンであるか、又は過酸化水素であることがより好ましい。さらに、洗濯機の筐体内に収納可能な装置で製造することができ、水以外の原料補給が特に必要ないという理由、及び殺菌洗浄液をノズルから噴射又は噴霧する場合においてノズル詰まりの原因となる、乾燥した時に析出するような塩類を含まなくて済む、という理由から、殺菌洗浄液としては過酸化水素水を使用することが最も好ましい。
上記殺菌洗浄液における“水の共存下における紫外線照射によってOHラジカルを生成する物質又はイオン”の濃度は、高いほどOHラジカルは生成し易いが、高すぎると折角生成したOHラジカルどうしが反応して消滅するため効率的ではなく、また、取扱も難しくなる。したがって、前記物質又はイオンの濃度は、0.01mM〜10M、特に0.05mM〜5Mであることが好ましく、0.1mM〜1Mであることが最も好ましい。なお、ここでMは(mol/リットル)を表す。
また安全性の観点から、前記殺菌洗浄液は、オゾンを実質的に含まないことが好ましい。ここで、実質的に含まないとは、オゾンや塩類を積極的に添加しないことを意味し、不純物としての不可避的な混入は許容する。不純物として不可避的に混入するときの濃度は低ければ低いほど良いが、通常、質量基準で1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下、最も好ましくは0.01ppm以下である。
前記殺菌洗浄液として過酸化水素水を使用する場合には、消毒液などとして市販されている過酸化水素水をそのまま又は水で希釈して使用してもよいし、過酸化水素水製造装置を洗濯機の筐体内に配置し、これを用いて、水道水あるいはこれをイオン交換樹脂で処理したイオン交換水を原料として過酸化水素水を製造し、それをそのまま又は必要に応じて希釈して使用してもよい。
過酸化水素水製造装置としては、特許文献8記載されているような、「水素イオン伝導性を有する電解質膜である高分子電解質膜、当該高分子電解質膜を挟んで一方の面に接するように配設される陽極電極、他方の面に接するように配設される陰極電極で構成される電解セルを備え、前記陽極電極には陽極端子が、前記陰極電極には陰極端子が夫々取付けられており、前記高分子電解質膜、前記陽極電極および前記陰極電極は水密シートを介してネジにより固定されており、前記電解セル陽極側には陽極貯水部が、陰極側には陰極貯水部が夫々設けられている、過酸化水素製造装置」及び特開2008−81760号公報に記載されているような「水素イオン伝導性を有する電解質膜と前記電解質膜の第1の面に接して配置された陽極電極と前記電解質膜の第2の面に接して配置された陰極電極とにより構成される電解セルと、前記陽極電極に水を供給する手段と、前記陰極電極に供給する酸素含有ガスおよび水のうち少なくとも酸素含有ガスを供給する手段と、前記陰極電極で発生するガスと液体を分離する気液分離手段と、前記気液分離手段により分離されるガスを前記陽極電極に供給するガス供給手段と、前記陽極電極と前記陰極電極に直流電圧を印加する電源と、を備えたことを特徴とする過酸化水素製造装置」などを用いた、コンパクト化が可能な過酸化水素水製造装置が特に制限なく使用できる。
また、前記殺菌洗浄液を前記水槽の内表面、好ましくは前記水槽の内表面及び前記回転ドラムの外表面、に付着させることができる殺菌洗浄液供給手段は、このような機能を有するものであれば特に限定されない。通常は、殺菌洗浄液用ポンプと、配管と、ノズルと、を有し、殺菌洗浄液用タンクに蓄えられた殺菌洗浄液をポンプにより圧送してノズルから前記水槽の内表面及び/又は前記回転ドラムの外表面に供給する。ノズルとしては、殺菌洗浄液を前記表面に接触するようにして供給できるものであれば特に限定されず、たとえばミストノズルやスプレイノズルなどが適用できる。(1)前記殺菌洗浄液が前記表面と接触しながら流動するようにして供給を行う場合には、スプレイノズルが、(2)前記殺菌洗浄液が前記表面と接触しながら保持されるようにして供給を行う場合には、ミストノズルが、夫々好適に使用される。また、(3)すすぎ処理(被洗濯物を入れない状態でのすすぎ操作)のすすぎ水として前記殺菌洗浄液を供給することもできる。この場合には、特殊なノズルを使用することなく、水槽に洗濯水やすすぎ水を供給するための給水路や水槽の貯留水を循環させる循環水路に流路切換え弁付きの枝管を設け、殺菌洗浄液用タンクから殺菌洗浄液用ポンプを用いて殺菌洗浄液用を前記枝管に送り、給水路の給水口や循環水路のシャワーヘッドなどから水槽内に供給するようにしてもよい。すすぎ処理時には回転ドラム本体が回転されるので、水槽内に供給され、溜められた殺菌洗浄液は、前記水槽の内表面及び/又は前記回転ドラムの外表面を濡らすことになる。
紫外線光源としては、紫外線光源として良く知られている水銀ランプやエキシマランプを使用することもできるが、小型、省電力、長寿命、水銀を使用しない、瞬時の点灯・消灯が可能である、といった理由から紫外線発光ダイオード(UV−LED)を使用することが好ましい。
ところで、前記したように、紫外線によって励起される光触媒を含む層に対する紫外線透過性や紫外線そのものによる殺菌効果については紫外線の波長依存性があることが知られている。すなわち、波長の長い紫外線ほど、裏面(背面)照射したときに光触媒層の露出表面を活性化し易く(非特許文献1参照。)、又265nm周辺の波長領域の紫外線は菌効果が高い。このため、光触媒含有層に対して裏面(背面)から紫外線を照射して光触媒層の表面(露出表面)を確実に励起するという観点からすると、長波長、たとえば280nmを越え400nm以下、特に290nm以上390nm以下の波長領域の紫外線を照射することが好ましい。一方、光触媒含有層に紫外線透過性を持たせて、透過した紫外線を雰囲気の紫外線殺菌や(他の部分の)光触媒含有層への露出面からの照射による活性化に使用する場合は、240nm以上280nm以下、特に250nm以上270nm以下の波長領域の紫外線を照射することが好ましい。さらに、上記両方の効果を得るためには、280nmを越え400nm以下の波長領域の紫外線と240nm以上280nm以下の波長領域の紫外線とを同時に照射することが好ましい。このような理由から、UV−LEDを使用する場合には、240nm以上280nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射するUV−LEDと、280nmを越え400nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射するUV−LEDと、を併用することが好ましい。また、安全性のためにオゾン発生を防止するという観点から、照射する紫外線は200nm未満の波長を有する紫外線を含まないことが好ましい。
本発明の洗濯機においては、紫外線光源は、前記水槽本体の外側に配置される。そして、当該紫外線光源から出射される紫外線は、前記紫外線透過領域の外側(裏側)の表面に向けて出射され、前記紫外線透過領域を透過して前記回転ドラム本体の外表面上に形成された第一の光触媒含有層に、その非露出面(裏面又は背面)側から照射される。そのためには、(i)紫外線光源を、その紫外線出射部が前記紫外線透過領域の外側(裏側)の表面と対向するようにして設置するか又は(ii)紫外線光源を前記水槽本体の外側の任意の場所に設置して、当該紫外線光源から出射された紫外線を光ファイバなどの光伝送手段を用いて伝送し、前記紫外線透過領域の外側(裏側)の表面と対向するようにして設置された紫外線出射用光学部材から出射することが好ましい。
ここで、紫外線出射用光学部材としては、光ファイバ用コリメータ、レンズ拡散板、拡散レンズ又は導光板が好適に使用さる。照射領域を広くすることができるという理由からはレンズ拡散板、拡散レンズ又は導光板であることが特に好ましい。ここで、光ファイバコリメータとは、光ファイバからの出射光をコリメート光(平行光)とする部材であり、光ファイバ用フェルールに非球面レンズを組み込んだコネクタタイプのものが好適に使用できる。レンズ拡散板(Light Shaping Diffuser)とは、拡散フィルム、拡散フィルタ又は拡散シートとも呼ばれるものであり、表面にランダムに形成される微小なレンズの作用等により、光を円形や楕円形などに拡散整形して均一な照射を可能にするものである。また、拡散レンズとしては株式会社エンプラス社製Light Enhancer Cap(登録商標)のようなものが好適に使用できる。さらに導光板としては、たとえば特開2006−237563号公報に開示されている面発光デバイスのようなものが好適に使用できる。
前記(i)及び(ii)の場合において、紫外線光源(iの場合)および紫外線出射用光学部材(iiの場合)は、紫外線透過領域の外側(裏側)後方に固定して配置してもよく、また、移動可能に配置してもよい。固定して配置する場合には、前記紫外線透過領域の裏面全体に紫外線を照射できるように複数の紫外線光源又は紫外線出射用光学部材を整列配置することが好ましい。また、移動可能に配置する場合には、移動可能な光源等用の基体上又は筐体内に紫外線光源又は紫外線出射用光学部材を配置してモジュール化し、上記光源等用の基体又は筐体を移動させながら紫外線を出射し、出射された紫外線が前記紫外線透過領域の裏面の全面又は略全面を走査(scan)する、或は紫外線が裏面の全面又は略全面をなぞりながら移動するようにすることが好ましい。紫外線光源や紫外線出射用光学部材の数を少なくすることができるという観点からは、これらを移動可能に配置することが好ましい。
水槽本体に形成される紫外線透過領域を構成する紫外線透過性物質としては、使用する紫外線に応じて、水槽本体に要求される厚みであっても紫外線を透過できる光透過性を有する物質であれば特に限定されず、サファイア、天然又は合成石英、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、ガラスなどの無機材料、PFA、FEP、ETFE、PCTFEなどのフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネートなどの紫外線透過性樹脂、およびこれらの複合材料が使用できる。これらの中でも成形加工が容易であるという理由から、紫外線透過性樹脂を使用することが好ましい。
前記紫外線透過領域の内表面上に形成される前記第一の光触媒含有層及び必要に応じて前記回転ドラム本体の外表面上に形成される前記第二の光触媒含有層としては、光触媒物質のみからなる薄膜層や有機及び/又は無機の基材中に光触媒物質の微粒子が分散した構造を有する薄膜層が好適に採用される。光触媒物質としては光触媒作用を示すことが知られている物質、たとえばTiO、SrTiO、ZnO、CdS,SnO、WO等が特に制限なく使用できるが、光触媒効果の高さの観点から、TiO又はTiO系光触媒物質を使用することが好ましい。
光触媒物質のみからなる薄膜層は光触媒物質を用いたスパッタリング法や蒸着法、更にはCVD方などにより形成することができる。この場合における当該薄膜層の一般的な膜厚は100nm〜10μmであり、好ましい膜厚は150nm〜5μmである。
一方、有機又は無機の基材中に光触媒物質の微粒子が分散した構造を有する薄膜層は、有機及び/又は無機バインダー中に光触媒物質の微粒子が分散した所謂光触媒コーティング剤を塗布して硬化させることにより形成することができる。この場合における当該薄膜層の一般的な膜厚は0.3〜50μmであり、好ましい膜厚は0.5〜10μmである。また、上記有機又は無機の基材は、通常、上記光触媒コーティング剤のバインダー成分の硬化体であり、このような基材中に分散する光触媒物質の濃度は、質量基準で0.5〜20質量%、特に1〜15質量%とすることが好ましい。また、光触媒物質の微粒子の粒子径は透過型電子顕微鏡撮影の画像の画像解析によって求められる1次粒子が5nm〜1μmの範囲であればよいが、光触媒機能の高さの観点から上記1次粒子の粒子径が5〜50nmであることが好ましい。
第一の光触媒含有層が紫外線透過性を有する場合には、裏面(背面)照射により第一の光触媒含有層を活性化させることができるばかりでなく、第一の紫外線透過性光触媒含有層を透過した紫外線(以下、「光cat層透過UV」ともいう。)を周辺雰囲気の紫外線殺菌や(他の部分の)光触媒含有層への露出面からの照射による活性化に利用することができる。このようなメリットが得られるという理由から、第一の光触媒含有層の少なくとも一部は紫外線透過性を有することが好ましい。第一の光触媒含有層に紫外線透過性を持たせるために、上記有機又は無機の基材、特に第一の領域の光触媒含有層における基材は、紫外線透過性を有する物質で構成されることが好ましく、光触媒含有層形成の容易さから、「その硬化体が紫外線及び前記光触媒物質の紫外線に対して透過性を有するバインダー」の硬化体であることが好ましい。上記バインダーとしては、ケイ酸塩系バインダー、無機コロイド系バインダー、金属アルコキシド系バインダー等の無機バインダー、フッ素樹脂系バインダー等の有機系バインダー又はこれらの組み合わせを使用することができる。
紫外線透過性の更に高くなるという理由から、前記第一の光触媒含有層は、前記特許文献6に開示されているような、「光触媒物質と、その硬化体が紫外線及び該光触媒物質の紫外線に対して透過性を有するバインダーとを含んでなる硬化性組成物を硬化させて得た硬化体を粉砕して得た複合光触媒粒子と、その硬化体が紫外線及び前記光触媒物質の紫外線に対して透過性を有するバインダーと、を含有してなることを特徴とする光触媒コーティング用組成物」の硬化体からなることが好ましい。
本発明においては、前記第一の光触媒含有層が紫外線透過性を有しない場合でも紫外線透過領域から出射された紫外線を周辺雰囲気の紫外線殺菌や(他の部分の)光触媒含有層への露出面からの照射による活性化に利用することもできる。すなわち、紫外線不透過性の第一の光触媒含有層を紫外線透過領域の内表面上に配置する場合に、当該内表面(紫外線出射面となる)の全面を前記第一の光触媒含有層で被覆するように配置するのではなく、前記内表面(紫外線出射面)の一部が露出するようにすることにより、当該露出部から、前記第一の光触媒層を通ることなく外部に直接出射された紫外線(以下、「光cat層不通過UV」ともいう。)を上記目的に使用することができる。第一の光触媒含有層による効果と、光cat層不通過UVによる前記効果と、がムラなく均一に得られるという理由から、前記特許文献5に示されるように、紫外線出射面上に互いに独立した複数の第一の光触媒含有層が実質的に均一に分散するように形成するか、又は第一の光触媒含有層を打抜網状に、打抜き部が前記有効面上に実質的に均一に分散するように形成するかして、紫外線出射面の全面積に対する第一の光触媒含有層の総面積の割合(%)で定義される被覆率が2〜95%となるようにすることが好ましい。このとき、表面を凹凸のない滑らかな表面とするために第一の光触媒含有層が形成されていない部分に、紫外線透過性の層を、第一の光触媒含有層と同じ厚さで形成してもよい。
前記光cat層透過UV及び光cat層不通過UVは、次のような効果をもたらす。第一に、裏面(背面)照射による第一の光触媒含有層の活性化が不十分である場合、別の位置から出射された光cat層透過UV及び光cat層不通過UVが当該第一の光触媒含有層の露出面側から照射されることにより、高い活性化状態を得ることが可能になるという効果がもたらされる。第二に、前記回転ドラム本体の外表面上に第二の光触媒含有層が形成した場合において、当該第二の光触媒含有層の活性化が可能になり、回転ドラム外表面においても前記殺菌洗浄液からOHラジカルを発生させてこれを殺菌洗浄に利用できるという効果がもたらされる。
紫外線照射できる回転ドラム本体の外表面の領域を可及的に広くしたいという観点からすると、紫外線透過領域は広ければ広いほど好ましいが、出射された紫外線の指向角や散乱による影響により、通常は紫外線透過領域の面積より広い面積の回転ドラム本体の外表面に紫外線が照射される。また、紫外線透過領域に紫外線拡散機能を持たせて、照射可能領域をさらに広げることもできる。更に、殺菌洗浄液として過酸化水素水など、それ自体で殺菌洗浄効果を発揮するものを用いることによって紫外線が照射されない部分の洗浄殺菌も行うこともできる。このような理由から、必ずしも前記水槽本体の全体を紫外線透過領域とする必要はなく、通常、水槽本全体に占める紫外線透過領域の割合は10%以上あればよく、好ましい前記割合は、20〜80%、特に25〜60%である。
このような理由から、水槽本体を、たとえば回転ドラム本体のように多数の貫通孔が均一に分布した、ステンレスなどの金属材料(紫外線不透過性材料)で構成すると共に、前記多数の貫通孔を紫外線透過性物質で塞ぐような構造としてもよい。また、紫外線透過性樹脂を成形して水槽本体を構成する場合でも、強度を高くするために、励起光が透過しにくいリブ部を設けたり、金属などの励起光不透過性材料からなる補強材を用いたりしてもよい。なお、多数の貫通孔を有する紫外線不透過性材料からなる略有底円筒形状体の前記貫通孔を紫外線透過性物質で塞いで水槽本体とする場合、当該紫外線透過性物質には、導光板のコア層およびクラッド層も含まれる。すなわち、導光板の紫外線出射面の一部を凸状に盛り上げ、その盛り上がった部分(凸部)を穴に嵌め込むようにして穴をふさぎ、凸部以外の部分は紫外線不透過性材料からなる部分を裏打ちするようにして配置し、当該導光板の側端面に紫外線光源からの紫外線を照射して前記凸部の紫外線出射面から紫外線が出射するようにしてもよい。
なお、前記水槽本体部の紫外線透過領域の内表面上には第一の光触媒含有層が形成されるが、紫外線透過領域を樹脂で構成する場合には、第一の光触媒含有層の下地となる部分の樹脂が光触媒作用により劣化することを防止すという観点から、樹脂部分と第一の光触媒含有層との間に、ガラス等の無機系の励起光を透過する材料からなる被複層を設けることが好ましい。
以下、図面を参照して本発明の洗濯機について詳しく説明する。
図1に示す本発明の洗濯機100は、所謂回転ドラム式の洗濯機であり、基本的には一般的に普及している回転ドラム式の洗濯機と同様の構造を有している。すなわち、筐体10の内部に、略有底円筒形状の水槽本体20を、斜め横姿勢又は横姿勢で支持すると共に、上記水槽本体20の内部に略有底円筒形状の回転ドラム本体30を同軸上での回転自在に支持して構成されている。筐体10内部における水槽本体20の支持は、図示しない弾性体および減衰装置(たとえば、オイルを作動流体とする粘性ダンパー)によって行われ、脱水運転時に回転ドラム本体30を高速回転させたときにおける水槽本体20の共振振動振幅が低減されるようになっている。また、筐体10は、その底部の四隅に配置されているゴムなどの弾性材料で構成される脚部(図示せず)によって洗濯機パンなどの設置面上に設置されている。
前記回転ドラム本体30は、前記水槽本体20よりも小径の略有底円筒形状を有し、その底部には、回転ドラム本体30を正逆に回転させることができる回転軸42の一端が連結されている。上記回転軸42は、水槽本体20の底板中央部の外側に固設されるモータ41と共に駆動部40を構成するものであり、水槽本体20を水密に貫通して、その他端はモータの出力軸と同軸的に連結している。前記モータ41は、例えば、インバータ制御されるブラシレス直流モータであり、回転速度を自在に変化させて、回転ドラム本体30を水槽本体20の内部において回転させることができるようになっている。また、回転ドラム本体30には、周壁を貫通する小径の通水孔31(簡略化のため、図1左側図面では一部を示し、右側図面では省略している。)が全面に亘って多数形成されている。また回転ドラム本体30の周壁内面には、軸長方向に延びるバッフル(図示せず)が、周方向に等配をなして複数突設されている。
また洗濯機100は、給水源からの水を水槽本体20の内部に送り込む給水手段50と、水槽本体20の内部の貯留水を機外に排出する排水手段60とを備えている。給水手段50は、給水管51、給水弁52及び接続管53を備えている。なお、洗濯機100は、水槽本体20の貯留水を循環させる循環水路(図示せず)を有していてもよい。
上記給水管51は、筐体10の内部の水槽本体20の外側上部に設けてあり、その一端は、水槽本体20の内部に連通し、他端は、給水弁52の出側に接続されている。また、接続管53は、筐体10の上面に突出するように設けてあり、その一端は給水弁52の入側に接続され、他端は耐圧ホース等を介して給水源(水道)に接続される。給水弁52は、常閉形の電磁弁であり、運転制御部(図示せず)から与えられる動作指令に応じて開となる。給水源からの給水は、給水弁52が開となることにより、水槽本体20の内部に給水され、さらに、前記通水孔31を経て回転ドラム本体30の内部にも浸入し、水槽本体20及び回転ドラム本体30の底部に溜まるようになっている。
排水手段60は、排水管61、フィルタ装置(図示せず)、排水弁62及び排水ホース63備えている。排水管61、水槽本体20下部に開設された排水口に接続されて下方に延び、フィルタ装置の入口に接続されている。フィルタ装置は、繊維屑を捕捉するリントフィルタを筒形のフィルタケース内に収容保持してなる公知の構成を有している。洗濯機100が循環水路を有する場合、フィルタ装置は、2つの出口を有し、一方の出口は、排水弁62を介して排水ホース63に接続される。排水ホース63は、筐体10底面に沿って敷設され、機外に延びている。前記排水弁62は、常閉形の電磁弁であり、運転制御部(図示せず)から与えられる動作指令に応じて開となる。
フィルタ装置のもう一方の出口は循環水路の循環ポンプ(図示せず)に接続され、当該循環ポンプによって送り出された洗濯水は循環水ホース(図示せず)を通って、水槽本体20の開口部周縁に設置された循環水ノズル(図示せず)から水槽本体20及び回転ドラム本体30の内部に向けて噴射される。
前記水槽本体20及び回転ドラム本体30の開口部は、筐体10の前面に開設された洗濯物の投入口に対向しており、当該投入口は、筐体10に取り付けた扉11により開閉可能に覆われている。この扉11は、閉止時に投入口の周縁部に密着するリング状の外鍔と、該外鍔の内周に連設され、洗濯槽及び回転ドラム本体30の内部に張り出す張り出し部とを有する耐熱ガラス製の扉本体と、該扉本体を外側から覆うように取り付けられた樹脂製の外装板とを備えてなる。
このようなドラム式の洗濯機100による洗濯は、通常、扉11を開放して回転ドラム本体30の内部に洗濯物を投入した後、扉を閉止して洗濯槽の内部に給水手段50により適量の洗濯水(適量の洗剤が溶けた水)を給水し、駆動手段40を用いて回転ドラム本体30を回転させることにより実施される。回転ドラム本体30内の洗濯物は、水槽本体20及び回転ドラム本体30の底部に溜まる洗濯水中に浸され、回転ドラムの回転による持ち上げ及び落下を繰り返し、落下時に回転ドラムの内面に叩き付けけられることで洗濯される。
上記したような洗い運転終了後、排水手段60の排水弁62を開として水槽本体20内の洗濯水を排水した後、まず、回転ドラム本体30を高速回転させる中間脱水を実施し、次いで、給水弁52を開として洗剤を含まないすすぎ水を給水し、回転ドラム本体30を低速回転させて“すすぎ運転”が実施される。このすすぎ運転は、中間脱水を含めてすすぎ水を入れ換え、通常複数回繰り返された後に、最終脱水工程が行われる。最終脱水工程では、前記した中間脱水と同様に回転ドラム本体30を高速回転させることにより、洗濯物に含まれるすすぎ水を除去する。
このような、洗濯における一連の操作は、筐体10の前面上部に配置された操作パネル(図示せず)に設けられた操作キーから入力された情報に基づき、筐体10の内部に設けられた運転制御部(CPU、ROM及びRAMを備えるコンピュータ)の動作により、相互に関連した一連の運転、又は個々に独立した運転として実行される。また、洗濯機の各種状態や操作メニューは、前記操作パネルのディスプレイに表示されるようになっている。
本発明の洗濯機100では、前記水槽本体20として、その全体がフッ素樹脂等の紫外線透過性物質で構成された紫外線透過領域21となっている物を使用している。そして、当該水槽本体20の内表面上には、その全面に亘って、図示しない紫外線透過性無機材料からなる薄いコーティング層を介して第一の光触媒含有層22が形成され、水槽を構成している。また、回転ドラム本体30はステンレスなどの金属材料等で構成され、その外表面上には第二の光触媒含有層32が形成され、回転ドラムを構成している。
さらに、洗濯機100では、殺菌洗浄液として、過酸化水素水81を使用し、殺菌洗浄液供給手段80によって、これを前記水槽の内表面(具体的には水槽本体20の紫外線透過領域21の内表面上に形成された前記第一の光触媒含有層22の露出表面上)及び前記回転ドラムの外表面(具体的には回転ドラム本体30の外表面上に形成された第二の光触媒含有層32の露出表面上)に付着させることができるようになっている。また、洗濯機100は、前記水槽本体20の外側に配置される紫外線光源70を有している。
図1では、簡略化のために、殺菌洗浄液供給手段80としては殺菌洗浄液用ノズル86、86´のみを示し、その他の部分は省略している。殺菌洗浄液供給手段80としては、予め外部で調製された殺菌洗浄液、たとえば消毒液などとして市販されている過酸化水素水をそのまま又は水で希釈して筐体の内部に設けられた殺菌用洗浄液タンク(図示せず)に供給し、殺菌洗浄液用ポンプを用いて殺菌洗浄液用ノズル86、86´から噴霧されるようにしてもよい。また、図2に示す殺菌洗浄液供給手段80のように筐体10内に設置された過酸化水素水製造装置82を用いて製造した過酸化水素水81を用いたものとしてもよい。
過酸化水素水製造装置82としては、例えば、図2に示すような前記特許文献8に開示されているのと同様の構造を有する過酸化水素水製造装置、すなわち「水素イオン伝導性を有する電解質膜である高分子電解質膜82b、当該高分子電解質膜82bを挟んで一方の面に接するように配設される陽極電極(図示せず)、他方の面に接するように配設される陰極電極(図示せず)で構成される電解セル82aを備え、前記陽極電極には陽極端子(図示せず)が、前記陰極電極には陰極端子(図示せず)が夫々取付けられており、前記高分子電解質膜82b、前記陽極電極および前記陰極電極は水密シート(図示せず)を介してネジにより固定されており、前記電解セル陽極側には陽極貯水部82cが、陰極側には陰極貯水部82dが夫々設けられている、過酸化水素製造装置82」を使用することができる。
特許文献8によれば、上記過酸化水素製造装置82では、次のようにして過酸化水素水81が製造される。すなわち、陽極端子と陰極端子に直流電源が接続されて、陽陰極間に連続的もしくは断続的に1.5〜10Vの直流電圧を印加しながら電解セル82aが作動させられる。このとき陽極貯蔵部82cに集められた水は、陽極電極を通過して高分子電解質膜82bに接触する。そして、水は高分子電解質膜82bに吸収され、高分子電解質膜82b内を拡散し、保持される。陽極電極では、供給された水が下記反応式(1)で示すように酸素(O)と水素イオン(H)とに分けられる。直流電源により電圧を印加すると、電流が流れ、陽極電極の表面から酸素分子が発生する。高分子電解質膜82bは、気体を透過せず、電気絶縁性があり、水および水素イオン(H)のみを伝導する性質を有するので、陰極側から空気などの酸素(O)を含有するガスおよび水(HO)が供給されると、陰極電極上で高分子電解質膜82bとの界面に達した陽極電極から伝導した水素イオン(H)、および水素イオン(H)に起因する還元性物質と酸素ガス(O)が反応し、下記反応式(2)で示す還元反応によって過酸化水素(H)が発生する。この過酸化水素水81は、陰極貯水部82dに溜められ時間をかけるほど濃度が高まっていく。
陽極: 2HO → O+ 4H + 4e (1)
陰極: O + 2H + 2e → H (2)
過酸化水素水の原料水としては水道水が使用できる。原料となる水道水は、給水管51に図示しない流路切り替えバルブを設け、そこから分岐した原料水供給用配管87を介して水道水を過酸化水素水製造装置82の陽極貯水部82cに供給される。その後、過酸化水素水製造装置82を稼働させて、陰極貯水部82dに製造された過酸化水素水81が溜められる。この時、水道水の供給量および過酸化水素水製造装置の運転条件等は、図示しない制御手段により制御され、所定時間連続して過酸化水素水が製造できるようになっている。このようにして陰極貯水部82dに溜められた過酸化水素水81は、そのまま又は一旦殺菌用洗浄液タンク(図示せず)に溜められてから殺菌洗浄液用ポンプ83を起動して殺菌洗浄液用供給管84内を圧送される。殺菌洗浄液用供給管84はフレキシブルな耐圧性のチューブからなり、他の部材と干渉しないようにして(例えば紫外線光源ユニット711a〜eとぶつかったり、その紫外線照射を妨げたりしないようにして)、水槽本体20と回転ドラム30との間の空間に配置された殺菌洗浄液用ノズル86、86´につながっており、そこから過酸化水素水81が噴霧される。この時の噴霧量(噴霧速度)は、殺菌洗浄液用ノズル86、86´より上流側に配置された流量調節バルブ85、85´によって制御される。かくして、前記水槽の内表面(前記第一の光触媒含有層22の露出表面上)及び前記回転ドラムの外表面(前記第二の光触媒含有層32の露出表面上)に過酸化水素水21(殺菌洗浄液)が均一に付着される。
このように殺菌洗浄の対象である前記水槽の内表面及び前記回転ドラムの外表面に過酸化水素水21(殺菌洗浄液)が均一に付着した状態で、前記紫外線光源70を点燈し、紫外線を出射することにより、セルフクリーニングが開始されることになる。すなわち、図1に示されるように、紫外線光源70として使用される複数種類の紫外線光源ユニット711(711a、711b、711c、711d及び711e)は、いずれも有底円筒状の水槽本体20の外側に配置されているので、これらを点灯することにより、紫外線は、水槽本体20側壁(紫外線透過領域21である)外側の表面だけでなく底部(該部も紫外線透過領域21である)外側の表面(駆動装置40でおおわれている部分は除く)及び開口部周縁に設けられた鍔状のカバー部(該部も紫外線透過領域21である)外側の表面に向けられて出射される。そして、出射された紫外線は、これら紫外線透過領域21を透過して、前記第一の光触媒含有層22を、その非露出面側(裏面側)から照射して、これを励起する。そして、励起された光触媒の作用により当該第一の光触媒層22の露出表面(水槽の内表面)上に付着した過酸化水素水21(殺菌洗浄液)からOHラジカルを発生させると共に、その一部は回転ドラム本の側壁面外側の表面、底部外側表面及び鍔状カバー外側表面に向かって照射され、これら表面上に形成された第二の光触媒含有層32を励起する。そして、当該第二の光触媒含有層32の露出表面(回転ドラムの外表面)上に付着した過酸化水素水21(殺菌洗浄液)からOHラジカルを発生させる。このようにして発生したOHラジカルの酸化力により前記水槽の内表面及び前記回転ドラムの外表面に付着した汚れ物質が分解されると同時に殺菌が行われることになる。
洗濯機100におけるセルフクリーニングの作用機構は、上記した通りであるが、当該作用機構を図1右側に示される図を参照して更に詳しく説明すると、次のようになる。すなわち、図1右側に示される図は、洗濯機100について、図1の左側の断面図においてX−X´面の断面を投入口側から水槽本体20の底面側を見た時の断面図であり、水槽本体20及び回転ドラム本体30を輪切りにした状態を示している。同図に示されるように水槽本体20の内側に回転ドラム本体30が同心円状に配置され、水槽本体20の外側に、これを囲むように紫外線光源70(具体的には紫外線光源ユニット711a〜e)が配置されている。水槽本体20は、その全体がフッ素樹脂等の紫外線透過物質で構成された紫外線透過領域21であるため、紫外線光源70から出射された紫外線は紫外線透過領域21を透過して水槽本体20の内表面上に形成された第一の光触媒含有層22を裏面側から照射してこれを励起(活性化)させる。そして活性化された光触媒の作用により、当該第一の光触媒含有層22の露出表面上に付着した過酸化水素水21(殺菌洗浄液)からOHラジカルを発生させ、当該OHラジカルの酸化力により前記内表面に付着した汚れ物質を分解する。この時、頑固に固着した汚れ物質が存在したとしても第一の光触媒含有層との界面で光触媒作用によって上記汚れ物質が直接(OHラジカルなしでも)分解されるので、リンスなどにより汚れ物質を容易に剥離除去することができる。また、光cat層透過UVは、紫外線は対向する位置に配置された前記回転ドラムの外表面上に形成された第二の光触媒含有層32に向かい、これを露出表面側から照射して励起する。そして、活性化された光触媒の作用により、当該第二の光触媒含有層32の露出表面上に付着した過酸化水素水21(殺菌洗浄液)からOHラジカルを発生させ、当該OHラジカルの酸化力により回転ドラムの外表面に付着した汚れ物質を分解する。
なお、紫外線光源ユニット711a〜eは、いずれも図3に示すようなLEDモジュールユニット718となっている。ここで、LEDモジュールとは、一般に、LEDパッケージを基板などに実装するか、又は複数のLED(発光ダイオード)を平面的若しくは立体的に配列して、機械的、電気的制御回路若しくはその一部、及び光学的に多数の要素で構成して、一つのユニットとして取り扱えるようにしたもの、またはその集合体のことを意味する。そして、LEDモジュールユニット718とは、LEDモジュールの構成単位であることを意味する。
図3に示すLEDモジュールユニット718では、長方形又は略長方形の紫外線出射用窓材714で開口部が塞がれた断面コの字状の紫外線光源ユニット筐体712の内部にUV−LED713を横に複数列並べ、UV−LEDの光軸の角度が各列で異なるようにして収容されている。こうすることにより、図1の右側の図に示されるように、互いに隣接する紫外線光源ユニット711aどうしの間に多少の隙間があっても、水槽本体20の外周面全体に紫外線を照射できるようになっている。当該LEDモジュールユニット718は、複数のLEDモジュールユニット718を連結一体化して1つのLEDモジュール719として使用することもできる。また、LEDモジュールユニット718を単独で使用する場合は、それ自体がLEDモジュール719となる。
図1では前記の各種紫外線光源ユニット711a〜eは、それぞれを単独で、LEDモジュール719として用いているが、たとえば互いに隣り合う紫外線光源ユニット711aと711b、711dと711b、711cと711eは、それぞれ2つの紫外線光源ユニットを連結して1つのLEDモジュール719とすることもできる。
紫外線光源70については、水槽本体20よりわずかに径が大きい同心の円筒状の基体を設け、その内周面に多数のUV−LEDを整列配置して、水槽本体20の外周面全体に紫外線を照射できるようにしたものを用いることも勿論可能であるが、メンテナンスの容易さからは、上記したようなLEDモジュールユニット718を用いたUV−LEDモジュール719とすることが好ましい。
紫外線光源70としては、図4に示すようなLEDモジュールユニット718´を使用することもできる。図4に示されるLEDモジュールユニット718´は、導光板を用いたモジュールユニットであり、縦長の基体715上に複数のUV−LED713を一列に配置し、その周囲を保護枠716で囲ったユニットを縦長の導光板717の側端面に配置して、前記UV−LED713から出射された紫外線を導光板717の光出射面717aから出射するようにしたものである。
洗濯機100では、紫外線光源70を固定配置しているが、移動可能に配置してもよい。移動可能に配置する場合には、移動可能な基体上または筐体内にUV−LEDを配置する等してLEDモジュール719とし、そのLED−モジュール719を移動させながら紫外線を出射し、出射された紫外線が紫外線透過領域21の裏面の全面又は略全面を走査(scan)する、或は前記紫外線の照射領域が裏面の全面又は略全面をなぞるようにして移動するようにすることが好ましい。使用するUV−LEDの数を少なくすることができるという観点からは、このようにして紫外線光源70を移動可能に配置することが好ましい。
図5および図6に紫外線光源70を移動可能に配置した例を示した。図5に示す紫外線光源70では、2個のLEDモジュールユニットを連結一体化したUV−LEDモジュール719aと1つのLEDモジュールユニットからなるUV−LEDモジュールbを使用している。UV−LEDモジュール719aは、図1における紫外線光源ユニット718aおよび718bを連結させたような構造を有するUV−LEDモジュールであり、UV−LEDモジュールbは、図1における紫外線光源ユニット718c単独からなるUV−LEDモジュールである。図5に示す態様は、前記UV−LEDモジュール719a及びUV−LEDモジュールbを移動させるための移動手段と、当該移動手段並びに前記UV−LEDの点灯及び消灯を制御する制御手段(図示せず)と、を有している。上記移動手段は、水槽本体20および回転ドラム本体30の中心軸上に中心を有する円の円周上に配置されるリング状のガイドレール90a、90bと、LEDモジュールを719aおよび719bをそれぞれガイドレール90aおよび90bに沿って移動可能(周回可能)に連結する支持アーム91aおよび91bと、前記支持アームム91aおよび91bをそれぞれガイドレール90aおよび89bに沿って移動(周回)させる駆動機構(図示せず)と、を有し、前記制御手段の指令に基づき、前記UV−LEDを点灯し、水槽本体20の外表面に向けて紫外線を出射しながら周回移動させることができるようになっている。上記駆動機構としては、電動モータ、スプロケットおよびチェインを組み合わせたような電動アクチュエータ、並びに油圧或いは空気圧シリンダー等を用いた油圧又は空圧アクチュエータなどが特に制限なく利用できる。
図6に示す紫外線光源70では3個のLEDモジュールユニットを連結一体化したUV−LEDモジュール719cを使用している。UV−LEDモジュール719cは、図1における紫外線光源ユニット718a、718bおよび718cを連結させたような構造を有するUV−LEDモジュールであり、各ユニットが少し幅広となるとともに、紫外線光源ユニット718aの相当する部分に切り欠き部を有している。図6に示す態様では、2つのUV−LEDモジュール719cが対向するように、支持アーム91cによってガイドレール90cに連結配置され、図5に示すのと同様の移動手段により、それぞれ±90°(180°)の回転角内の範囲でガイドレール90cに沿って往復運動できるようになっている。図6右側の図は、左側の図に示される状態から反時計回り(矢印の方向)に90°回転させたときの状態を示しており、前記切り欠き部に給水管51又は排水管61が収まるようになっている。こうすることにより、移動手段の数を1つとしても水槽本体20の外表面のほぼ全面に紫外線を照射できるようになっている。
図5及び6では、UV−LEDモジュールとして、略有底円筒形状の水槽20の法線に沿った縦長(円筒側面の高さと実質的に同じ長さを有する)ものを用い、これを水槽20の外周に沿って周回移動させたが、図7に示すように、水槽20の径よりもやや大きい径を有するリング状のUV−LEDモジュール719eを用い、これを水槽20の外周に沿って縦方向(開口部から底に向かう方向)に往復移動させてもよい。このとき、略有底円筒形状の水槽20の開口部周縁に設けられた鍔状のカバー部外側の表面及び底部外側の表面(駆動装置40でおおわれている部分は除く)に対しても紫外線を照射できるように、夫々中心領域に穴を有する円盤状のUV−LEDモジュール719d及び有底円筒状(但し、底部は中心領域に穴を有する円盤となっている)のUV−LEDモジュール719fを配置するようにしている。
以上、図面を用いて本発明の洗濯機について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な改変が可能である。また、水槽及び回転ドラムを垂直に配置し、回転ドラム内の回転翼(パルセータ)を回転させて“もみ洗い”を行う縦型洗濯機に適用することも勿論可能である。
100、100´・・・洗濯機
10・・・筐体
11・・・扉
20・・・水槽本体
21・・・紫外線透過領域
22・・・第一の光触媒含有層
30・・・回転ドラム本体
31・・・通水孔
32・・・第二の光触媒含有層
40・・・駆動部
41・・・モータ
42・・・回転軸
50・・・給水手段
51・・・給水管
52・・・給水弁
53・・・接続管
60・・・排水手段
61・・・排水管
62・・・排水弁
63・・・排水ホース
70・・・紫外線光源
711(711a〜711e)・・・紫外線光源ユニット
712・・・紫外線光源ユニット筐体
713・・・紫外線発光ダイオード(UV−LED)
714・・・紫外線出射用窓材
715・・・基体
716・・・保護枠
717・・・導光板
717a・・・導光板の光出射面
718、718´・・・LEDモジュールユニット
719(719a〜719c)・・・UV−LEDモジュール
80・・・殺菌洗浄液供給手段
81・・・殺菌洗浄液(過酸化水素水)
82・・・過酸化水素水製造装置
82a・・・電解セル
82b・・・高分子電解質膜
82c・・・陽極貯水部
82d・・・陰極貯水部
83・・・殺菌洗浄液用ポンプ
84・・・殺菌洗浄液用供給管
85、85´・・・流量調節バルブ
86、86´・・・殺菌洗浄液用ノズル
87・・・原料水供給用配管
90a、90b、90c・・・ガイドレール
91a、91b、91c・・・支持アーム

Claims (6)

  1. 筐体と、前記筐体の内部に配置された略有底円筒形状の水槽本体を有する水槽と、複数の通水孔を有し、前記水槽の内部に配置される、略有底円筒形状の回転ドラム本体を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に支持する駆動部と、を含んでなる洗濯機において、
    水の共存下における紫外線照射によってヒドロキシルラジカルを生成する物質又はイオンが溶解した水溶液からなる殺菌洗浄液を前記水槽の内表面に付着させることができる殺菌洗浄液供給手段と、紫外線光源と、を更に有し、
    前記水槽本体は、紫外線透過性物質で構成された紫外線透過領域を有し、
    当該紫外線透過領域の内表面上には第一の光触媒含有層が形成されており、
    前記紫外線光源を前記水槽本体の外側に配置し、当該紫外線光源から出射される紫外線を、前記紫外線透過領域を透過させて前記第一の光触媒含有層の非露出面側から照射するようにした、ことを特徴とする、洗濯機。
  2. 前記回転ドラム本体の外表面上には第二の光触媒含有層が形成されており、
    前記紫外線透過領域を透過した紫外線、又は前記紫外線透過領域及び前記第一の光触媒含有層を透過した紫外線を、前記第二の光触媒含有層の露出面に照射するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記洗浄殺菌液が過酸化水素水である請求項1又は2に記載の洗濯機。
  4. 過酸化水素水製造装置を更に含んでなる請求項3に記載の洗濯機。
  5. 前記紫外線光源は、280nmを越え400nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射する紫外線発光ダイオードを含んでなる、ことを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の洗濯機。
  6. 前記紫外線光源は、240nmを以上280nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射する紫外線発光ダイオードを更に含んでなる、ことを特徴とする、請求項5に記載の洗濯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109989227A (zh) * 2019-03-29 2019-07-09 佛山市云米电器科技有限公司 适用于洗衣机的可更换杀菌装置
CN111455611A (zh) * 2020-04-21 2020-07-28 江苏新安电器股份有限公司 一种洗衣机自清洁控制方法
CN112796079A (zh) * 2020-12-31 2021-05-14 珠海格力电器股份有限公司 一种衣物灭菌装置、方法及衣物处理装置

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