JP6188698B2 - テーパー付きアーチワイヤースロットを備える歯科矯正装置 - Google Patents

テーパー付きアーチワイヤースロットを備える歯科矯正装置 Download PDF

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Description

歯科矯正治療用の装置及び関連方法を提供する。より具体的には、歯科矯正治療に用いられてアーチワイヤーを受容し保持する固定式装置及び関連方法を提供する。
歯科矯正学は歯科学の一専門分野であり、歯群を口腔内の不正咬合位置から適正位置に移動することに関係する。歯科矯正治療は通常、施術者によって行われ、この施術者が、診断、治療計画策定、歯科矯正装置の定置を行うとともに所望の成果が達成されるまで治療を管理する。歯科矯正治療によって、顔面側の美感、咬合機能、及び歯科衛生維持の容易性の向上をはじめとする多くの利益が得られる。
歯科矯正治療の一般的なタイプの1つは、固定式装置療法と呼ばれ、患者の歯群表面への結合装置を用いる。このような固定式装置としては、例えばブラケット及び臼歯チューブが挙げられる。ブラケットは、スロットを備えたごく小さな用具で、歯群の前面又は後面のいずれかに結合され得る。臼歯チューブは、完全に囲まれた通路を有し、一般的には臼歯群に取り付けられる。治療を開始するには、弾力的な「U」字形アーチワイヤーをブラケットのスロット内に、アーチワイヤーの端部が臼歯チューブ内に拘束されるようにして配置する。アーチワイヤーは、はじめに固定式装置に係合された時には歪んでいるが、元の形状に向かって戻る時に、歯群を所望位置の方へ徐々に移動させる軽い連続的な力を及ぼす。日常用語では、ブラケット、チューブ、及びアーチワイヤーは合わせて「ブレース」として知られる。
治療の開始時には、歯群が曲がっている時のブラケット内への係合を容易にするために、小さな断面積を有するアーチワイヤーが一般的に用いられる。しかしながら、歯群が適正位置の方へ移動するにつれ、これを次第に大きな断面積を有するアーチワイヤーに置き換えることができる。歯科矯正ワイヤーの中には、アーチワイヤースロットの断面形状を補完する矩形の断面形状を有することによって、このアーチワイヤーが関連歯群にトルク(又はねじり力)を加えられるようにしたものもある。治療の終了に向けて施術者は、アーチワイヤースロットの形状にほぼ整合する断面形状を有するフルサイズのアーチワイヤーを用いる選択をし得る。このように「スロットを埋める」ことによって施術者は、高度の制御性を手にし、正確な矯正力を歯群に加えることが可能となる。
治療の過程でアーチワイヤーは、施術者が望むタイプの動きに応じて多様なタイプの負荷(又は力)を歯群に伝達する。例えば、アーチワイヤーは、歯を平行移動させる力を加え(一次)、顔面側歯表面の平面に対してその角度を変えるような力を加え(二次)、又はアーチワイヤーの長手方向軸線の周りにトルクを加える(三次)ことができる。これらの力の強度もまた、弛緩状態でのアーチワイヤーの形状に対する不正咬合の性質に応じて大きく異なり得る。効率的であるのみならず実用的で、しかも患者にとって快適な装置を設計することには、技術的なジレンマが伴い得る。一方で装置は、刺激を低減し結合信頼性を最大にするとともに審美性を向上させるために、できるだけ小さく平らである必要がある。他方、装置が小さ過ぎると治療中にアーチワイヤーによって加えられる力のために壊れやすくなることから、あまり小さくてはならない。
装置の破損は、半透明セラミック材料のような非金属ブラケットに関しては特に懸念され得る。このような材料は、金属に比較して例えば卓越した硬さ、耐汚染性、及び優れた美感のような多くの利益をもたらし得る一方でまた、このような材料は本質的に脆く、突然に思いもかけない破損を生じやすい恐れがある。セラミックブラケットの損傷モードの一例はトルクで生じ、ブラケットスロット内に受容されたアーチワイヤーによってねじり力が加えられた際に結合ウィングの一方又は両方が破損するというものである。この問題はアークワイヤースロットの壁を厚くすることによって解決し得るが、そうすると一般にブラケットの寸法が大きくなり、それによってブラケットがより目立つようになるとともに患者の快適さが低下することから、これは理想的な解決法ではない。
脆性材料からなるブラケットは、トルクが非対称的に加わる時、つまり、ブラケットに対してワイヤーの一端部が他端部より大きくねじれる場合には特に破損しやすいこともまた、見出された。これが起こるとワイヤーは、ワイヤーの角がもはや真っすぐではなくわずかにらせん状となるねじれ構造をとる。この結果、相当程度の接触応力がアーチワイヤースロットに沿った局所、典型的には一方の端部近くに生じる。この応力の局在によって、装置が破損しやすくなることが見出された。このような知見に基づき、アーチワイヤースロットの対向する側壁の一方又は両方に、非対称性のトルクが加えられた際にアーチワイヤーに生じるわずかなねじりに合うようにテーパーを付けることによって、トルク強度の相当の向上が実現できることが見出された。この改良は、接触応力をずっと大きな表面積にわたって分散させることに役立ち、それによってトルク強度の劇的で驚くべき上昇がもたらされる。
このようなブラケットトルク強度の向上は、ブラケット本体の設計を大きく修正したり、ブラケット材料を変更したりすることなしに、達成可能である。更なる利点として、非常に小さい程度のテーパーのみでも、ブラケットのトルク強度強化に非常に効果的であることから、アーチワイヤーがブラケットに対して及ぼす制御に対する影響は最小で済む。アーチワイヤースロットの幾何学形状をねじれたアーチワイヤーに合うように構成することによってまた、一定の付随的利益も達成され得る。例えば、このような損傷モードの緩和によって、セラミックブラケットをこれまで可能であったよりも小さくすることが可能になる。更に、アーチワイヤーとブラケットとの点接触を避けることにより、相対的に柔らかいアーチワイヤーが相対的に硬いセラミックブラケットに当たって傷ついたり摩耗したりすることを減らすことで、滑りに対する抵抗を低減することができる。
一態様において、歯科矯正装置が提供される。この歯科矯正装置は、基部と、基部から外向きに延在する本体と、本体をほぼ近心側−遠心側方向に横切って延在する細長いアーチワイヤースロットであって、底壁及び実質的に平面の1対の側壁によって少なくとも部分的に境界付けられる、細長いアーチワイヤースロットと、を備え、アーチワイヤースロットの長手方向に沿って変化する横方向スロット寸法を提供するために少なくとも1つの側壁の少なくとも1つの領域にテーパーが付けられ、1対の側壁が、約0.5〜約10度の範囲の相対角度偏差を有する。
別の態様では、基部と、基部から外向きに延在し、かつ1対の近心側結合ウィング及び1対の遠心側結合ウィングを有する本体と、本体を横切って近心側及び遠心側結合ウィングの各対間に延在する細長いアーチワイヤースロットであって、近心側結合ウィングに隣接する1対の対向する近心側側壁と遠心側結合ウィングに隣接する1対の対向する遠心側側壁とによって少なくとも部分的に境界付けられ、対応する各近心側及び遠心側側壁対の一方又は両方が実質的に平面及び非平行である、細長いアーチワイヤースロットと、を備える、歯科矯正装置が提供される。
また別の態様では、基部と、基部から外向きに延在する本体と、本体をほぼ近心側−遠心側方向に横切って延在する細長いアーチワイヤースロットであって、底壁及び1対の対向側壁によって少なくとも部分的に境界付けられる、細長いアーチワイヤースロットと、を備え、アーチワイヤースロットの長手方向に沿って変化する横方向スロット寸法を提供するために少なくとも1つの側壁にテーパーが付けられ、これによって、横方向スロット寸法が、アーチワイヤースロットの全長の約30〜約75パーセントにわたって単調に増加又は減少する、歯科矯正装置が提供される。
更に別の態様では、セラミック歯科矯正装置におけるトルク強度を強化する方法であって、セラミック本体を準備する工程と、本体内に細長いアーチワイヤースロットを付与する工程と、を含み、アーチワイヤースロットが1対の対向側壁を有し、アーチワイヤースロットの長さ方向に沿って変化する横方向寸法を提供するために側壁の一方又は両方にテーパーが付けられ、これによって、アーチワイヤースロット内に受容されるフルサイズ矩形アーチワイヤーと装置との面間接触面積を、アーチワイヤーがその長手方向軸線の周りにねじれる際に、アーチワイヤースロットの長手方向に沿って実質的に分散させる、方法が提供される。
一実施形態によるスロット付き歯科矯正装置の顔面側、近心側、及び咬合側の各側面を、分かりやすくするためにスロットの形体を誇張して示す、斜視図である。 図1の装置の顔面側側面を示す図である。 図1〜2の装置の近心側側面を示す図である。 別の実施形態によるスロット付き歯科矯正装置の顔面側側面を、分かりやすくするためにスロットの形体を誇張して示す、図である。 また別の実施形態によるスロット付き歯科矯正装置の顔面側側面を、分かりやすくするためにスロットの形体を誇張して示す、図である。 更に別の実施形態によるスロット付き歯科矯正装置の顔面側側面を、分かりやすくするためにスロットの形体を誇張して示す、図である。 歯科矯正装置のトルク強度を決定するために用いる試験構成の正面図である。 試験中における図7の試験構成の拡大部分図である。 図7〜8の試験構成においてトルク負荷をかけた時の従来の歯科矯正装置のシミュレーション応力プロファイルである。 図7〜8の試験構成においてトルク負荷をかけた時の図1〜3の装置のシミュレーション応力プロファイルである。
定義
本明細書において使用する場合、
「近心側」は、正中線(すなわち、患者の湾曲した歯列弓の中央)に向かう方向を意味する。
「遠心側」は、正中線から遠ざかる方向を意味する。
「咬合側」とは、患者の歯の外側先端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側」とは、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔面側」は、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側」は、患者の舌に向かう方向を意味する。
ここで、添付図面を参照しながら、より具体的に例示的実施形態を説明する。これらの実施形態は、歯科矯正装置及び同装置を製造する関連方法、並びに同装置のトルク強度強化方法を目的とする。本明細書に提示する装置は顔面側装置(歯群の前面に取り付けることが意図される)であるが、本発明はまた、舌側装置(歯群の後面に取り付けることが意図される)においても実施可能である。すなわち、提供される装置及び方法が歯群の両方の面上で有用であり得ることが当業者には明らかであることから、「舌側」と特定される場合、この用語は「顔面側」と交換し得る。
一実施形態による歯科矯正ブラケットを図1〜3に示し、数字100で表す。これらの図に示すように、ブラケット100は、歯科矯正治療を受ける患者の歯面に取り付けるのに適した外面104を備える基部102を有する。必要に応じて、外面104は凹状輪郭を有し、溝、粒子、凹部、アンダーカット、化学結合強化材料、又はブラケット100の歯面への結合を助長する他の任意の材料若しくは構造若しくはこれらの組み合わせを備える。
図1〜3に更に示すように、ブラケット100は、基部102から外向きに、ほぼ顔面側方向に延在する本体106を更に含む。細長いアーチワイヤースロット108が、ほぼ近心側−遠心側方向に沿って本体106の顔面側表面を横切って延在する。アーチワイヤースロット108は、やはりほぼ近心側−遠心側方向に延在する長手方向軸線109(図2及び3に示す)を有し、対向する近心側側壁110、112、対向する遠心側側壁111、113、及び底壁114によって画定される。必要に応じて、図示のように、底壁114はほぼ平面であり、隣接する側壁110、111、112、113と直交する。アーチワイヤースロット108は、ほぼ顔面側方向に面する開口部を有するが、スロット108はまた、他の方向に面してもよい。例えば、舌側装置においては、アーチワイヤースロット108は、アーチワイヤーの挿入を容易にするために咬合側方向に向かう開口を有利に有し得る。
本実施形態では本体106は、相互に離間された近心側及び遠心側部材116、118を有するツインブラケット装置の一部である。部材116、118から、それぞれ近心側結合ウィング対120及び遠心側結合ウィング対122が外向きに延在している。図示のように、各結合ウィング対120、122は、ほぼ咬合側及び歯肉側方向に突出している。アーチワイヤースロット108は、全体として近心側及び遠心側結合ウィング120、122の各対間に延在し、更に、分離した近心側及び遠心側部分124、126を含む。
ツイン装置の一部として各部分124、126は独自の幾何学形状を有し、施術者が所望すれば、それぞれが独立にアーチワイヤーに結合され得る。図1及び2に示すように、近心側側壁110、112は、遠心側側壁111、113と同様にほぼ平面でかつ非平行である。代替例として、近心側側壁110、112又は遠心側側壁110、112のいずれかが平行であり得る。必要に応じて、弾性材、ヘッドギア、弾性鎖などの配置を容易にするために、図示のように、一体式近心側フック128が近心側結合ウィング122から突出する。
図2及び3は、アーチワイヤースロット108の更なる幾何学形状態様を示す。ここで、図1〜5において、記載された実施形態の独特の形体を説明しやすくするために、アーチワイヤースロット108の特定の特徴が意図的に誇張されていることを強調しておく。換言すれば、これらの形状は縮尺通りではなく、これらの実施形態に用いられる実際のアーチワイヤースロットの幾何学形状を表示するものと解釈されてはならない。
アーチワイヤースロット108の各側壁110、111、112、113が直線的テーパーを有することにより、アーチワイヤースロット108の横方向(ここでは咬合側−歯肉側)寸法は同スロットの長手方向に沿って(長手方向軸線109に沿って)変化する。図示のように、アーチワイヤースロット108は、ブラケット100の対応する近心側及び遠心側側面上に位置する近心側及び遠心側終端部を有する。横方向寸法は、アーチワイヤー108の最も近い近心側又は遠心側終端部に近づくにつれて狭義単調増加する。
図1及び2に更に示すように、テーパー付き側壁110、111、112,113は、底壁114に垂直で長手方向軸線109と同一平面上の水平基準面130(図3にも示される)に関して、ほぼ咬合側−歯肉側対称性を示す。更に図示するように、テーパー付き側壁110、111、112、113は、長手方向軸線109に垂直で本体106の近心側及び遠心側部材116、118間を通る垂直基準面132に関して、ほぼ近心側−遠心側対称性を示す。しかしながらこれらの対称性は、ブラケットが全体として偏菱形であることから完全なものではない。
アーチワイヤースロット108の近心側部分124と、非対称性トルク状態にある矩形アーチワイヤーとの間の相互作用を考えてみよう。側壁110、112の一方又は両方にテーパーがあることにより、アーチワイヤースロット108内に受容されるフルサイズ矩形アーチワイヤーとブラケット100との間の面間接触面積を、アーチワイヤーがその長手方向軸線の周りにねじれる際に、アーチワイヤースロット108の長手方向に沿って実質的に分散させることができる。好ましくは、テーパーの程度は、治療の過程、例えばはじめに矩形アーチワイヤーを不正咬合歯列上に配置する際、又は大幅なトルク調整をした後で既存のアーチワイヤーを交換する際などに実際的に生じ得る、ねじれたアーチワイヤー構成に基づく。アーチワイヤーに過度に高レベルのトルクを加えることによってのみ実現するようなアーチワイヤー構成は、側壁110、112の適切なテーパーを決定する際の検討対象から除外し得る。
治療の過程で遭遇しやすいアーチワイヤー構成については、有限要素法(FEA)を用いることによって、ねじれたアーチワイヤーとブラケット100の側壁110、111、112、113との間の接触応力の分布を予測することが可能である。以下に示すように、これらの研究によって、小さい程度のテーパーでも、アーチワイヤーとブラケット100との間の応力の非局在化に有益であることが実証された。同じ研究によってまた、大き過ぎるテーパー角の実施もまた、アーチワイヤーとブラケット100との間の接触応力の望ましくない局在化を招き得ることが実証された。
実施形態によっては、側壁110、112は、相互に少なくとも約0.5度、少なくとも約0.75度、少なくとも約1.0度、少なくとも約1.25度、又は少なくとも約1.5度の相対角度偏差を有する。実施形態によっては、側壁110、112は、相互に最大約10度、最大約8度、最大約6度、最大約4度、又は最大約2度の相対角度偏差を有する。別の説明の仕方をすれば、水平基準面130に対する各側壁110、112の角度偏差は、好ましくは少なくとも約0.25度、少なくとも約0.375度、少なくとも約0.5度、少なくとも約0.625度、又は少なくとも約0.75度である。水平基準面130に対する各側壁110、112の角度偏差は、好ましくは最大約5度、最大約4度、最大約3度、最大約2度、最大約1度である。
以上の説明は、アーチワイヤースロット108の遠心側部分126上の対向する遠心側側壁111、113にも類推して、また独立に適用できることから、ここでは同説明を繰り返さない。
アーチワイヤー108は、以上に説明しまた図1〜3に示したような対称性の構成を有する必要はない。例えば、予測されるアーチワイヤートルクの方向性及び程度によっては、アーチワイヤースロット108が、水平基準面130に対して非対称的に配設された側壁110、111、112、113を有することが有利なこともあり得る。場合によっては、側壁110、111、112、113が垂直基準面132に対して非対称性であることが好ましいこともあり得る。代替的実施形態では、例えば側壁110、111、112、113の全部ではないいくつかが、水平基準面130に対してテーパーを有する。別の実施形態では、側壁110、111、112、113のすべてがそのようなテーパーを備えるが、相互に異なるテーパーの程度を有する。
これらの実施形態では、各側壁110、111、112、113は、その全長にわたってテーパーを有する。しかしながら必ずしもそうである必要はない。例えば、対向する側壁110、112は、その長さの1領域にのみテーパーを有し、その長さの残りの領域については平行であることも可能である。あるいは、テーパーの程度が、アーチワイヤースロット108の長さに沿ったさまざまな位置で鋭く、又は滑らかに変化することも可能である。これらの態様のいくつかを以下に更に例示する。
図4は、別の実施形態による歯科矯正用ブラケット200を示す。ブラケット200は、アーチワイヤースロット208の幾何学形状を除けばブラケット100と同様の構成を有する。図に示したように、アーチワイヤースロット208の近心側側面は、対向側壁210、212を有するが、各側壁210、212は、その近心側−遠心側全長には至らない部分にのみテーパーが付けられている。ここで、側壁210は平行領域210a及びテーパー付き領域210bを含む。同様に、側壁212はそれぞれ平行領域及びテーパー付き領域212a及び212bを含む。
遠心側から近心側(左から右)に向かって、スロット208の横方向寸法は、平行領域210a、212aに沿って実質的に一定であり、テーパー付き領域210b、212bに沿って狭義単調増加する。注目すべきは、同方向において、スロット208の横方向寸法は、側壁210、212の全長にわたって単調に増加する(換言すれば、減少しない)。アーチワイヤースロット208の近心側と実質的に鏡像関係にある遠心側についても、同様の所見を得ることができる。
ブラケット200に見られるような平行アーチワイヤースロット部分を用いることにより、アーチワイヤースロット208の端部付近の接触応力を分散する利点を維持しつつ、アーチワイヤーとブラケット200との間に高度の制御性を有利に提供することが可能である。
平行アーチワイヤースロット部分はまた、更に別の実施形態による歯科矯正ブラケット300を示す図5にも見られる。このブラケット300は、ブラケット200と同様にスロットの全体的幾何学形状を画定する対向側壁310、312を備えたアーチワイヤースロット308を含む、非ツイン装置である。しかしながら、ブラケット200とは異なり、側壁310、312は、アーチワイヤースロット308の全長にわたって中断なしに延在する。更に示すように、側壁310、312は遠心側テーパー付き領域310a、312b、中央平行領域310b、312b、及び近心側テーパー付き領域310c、312cを備える。
遠心側から近心側(左から右)に向かって、スロット308の横方向寸法は、遠心側領域310a、312aに沿って狭義単調減少し、中央領域310b、312bに沿っては実質的に一定のままであり、近心側領域310c、312cに沿って狭義単調増加する。同様の基準方向に沿って、スロット308の横方向寸法は、遠心側領域310a、312aを除き、中央及び近心側領域310b、312b、310c、312cの全長にわたって単調に増加する。最後に、この基準方向に沿って、スロット308の横方向寸法は、遠心側及び中央領域310a、312a、310b、312bの全長にわたって単調に減少するが、近心側領域310c、312cを除く。
いくつかの実施形態では、この横方向スロット寸法は、アーチワイヤースロット108、208、308の全長の少なくとも約5パーセント、少なくとも約8パーセント、少なくとも約10パーセント、少なくとも約12パーセント、又は少なくとも約15パーセントにわたって、狭義単調増加又は減少する。いくつかの実施形態では、この横方向スロット寸法は、アーチワイヤースロット108、208、308の全長の最大約50パーセント、最大約45パーセント、最大約40パーセント、最大約35パーセント、又は最大約30パーセントにわたって、狭義単調増加又は減少する。
いくつかの実施形態では、この横方向スロット寸法は、アーチワイヤースロット108、208、308の全長の少なくとも約30パーセント、少なくとも約35パーセント、少なくとも約40パーセント、少なくとも約43パーセント、又は少なくとも約45パーセントにわたって、単調に増加又は減少する。いくつか実施形態では、この横方向スロット寸法は、アーチワイヤースロット108、208、308の全長の最大約75パーセント、最大約70パーセント、最大約65パーセント、最大約62パーセント、又は最大約60パーセントにわたって、単調に増加又は減少する。
これらの実施形態におけるテーパー付き側壁により、アーチワイヤースロット108、208、308の近心側及び遠心側端部の横方向寸法は、その公称仕様(通常の歯科矯正用ブラケットについて18ミル(0.46ミリメートル)又は22ミル(0.56ミリメートル))を特定差だけ上回って増加する。いくつかの実施形態では、その特定の差は少なくとも約0.5ミル(0.013ミリメートル)、少なくとも約0.6ミル(0.015ミリメートル)、少なくとも約0.7ミル(0.018ミリメートル)、少なくとも約0.75ミル(0.019ミリメートル)、又は少なくとも約0.8ミル(0.020ミリメートル)である。いくつかの実施形態では、その特定の差は最大約1.0ミル(0.025ミリメートル)、最大約1.2ミル(0.030ミリメートル)、最大約1.5ミル(0.038ミリメートル)、最大約2.0ミル(0.051ミリメートル)、又は最大約3.0ミル(0.076ミリメートル)である。好ましい実施形態では、公称018(18ミル、すなわち0.46ミリメートル)のスロット寸法を有するアーチワイヤースロットは、その近心側及び遠心側の端部において19ミル(すなわち、0.48ミリメートル)の横方向寸法を有し得る。
図6は、また別の実施形態によるブラケット400を示すが、これは非直線状テーパーを例示する。図示のように、ブラケット400は、平面ではなく湾曲した対向側壁410、420を備えたアーチワイヤーロット408を有する。アーチワイヤーがその長手方向軸線の周りにねじれた時の形状に応じて、1つ又は2つ以上の連続湾曲側壁を使用することにより、アーチワイヤーと装置との間の接触応力を、接触表面が相互に実質的に整合する場合には特に、均一に分散させる助けとなり得る。いくつかの実施形態では、2つの隣接した平面側壁部分間に介在する湾曲した側壁部分を有することが、両平面側壁部分が合わさる場所における応力局在を避けるために、有利であり得る。例えば、図5のブラケット300において、歯肉側及び咬合側側壁部分310a、310b、310c、312a、312b、312cは、丸みのある接合部を有するか、又は別に、湾曲した側壁部分によって相互接続されてもよい。
上述したようなテーパー付きアーチワイヤースロットを備えた装置から、多くの技術的利点が得られる。第1に、これらのアーチワイヤースロットの幾何学形状が、アーチワイヤーによってブラケット上に生じる応力を再配分する、すなわち、応力がスロットの終端部に集中する代りにアーチワイヤースロットの長手方向に沿ってより均一に分散するようにできる。このように応力を再配分することで、トルク強度が、テーパーのないスロットを有するブラケットのトルク強度に比較して実質的に増大し得る。いくつかの実施形態では、アーチワイヤースロットの側壁にテーパーを付けることによって、ブラケットのトルク強度が少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、又は少なくとも50パーセント増大し得る。この利益を実現するためには、ブラケットスロットの幾何学形状のほんのわずかな変更で足り得る。このため、大幅な設計変更が避けられる。
第2に、テーパー付き側壁により、変更なしのブラケットと同様のトルク強度を維持しながら、ブラケットを相当程度小さくすることができる可能性がある。このことは、セラミックブラケットについては特に有利である。セラミックブラケットは脆性破壊しやすく、したがって金属製のものよりも大きくなりがちなためである。ブラケット寸法が小さくなることから、他の多様な利益、例えばブラケットがより目立ちにくくなる、患者の快適さが向上する、そして結合信頼性が高まるなどの利益が得られる。
第3に、テーパー付き側壁は、アーチワイヤーとブラケットとの接触によって生じる傷又は摩耗の影響を軽減できる可能性がある。このこともまた、セラミックブラケットについては特に有益である。セラミックと金属との硬度差のためである。この硬度差のために、アーチワイヤースロットの端部において生じやすい観測可能なワイヤー損傷が増加し得る。アーチワイヤースロット壁をアーチワイヤー表面壁に合わせる助けとなる幾何学形状を付与することにより、得られる装置は、治療中にアーチワイヤーに生じる損傷が減少することによる利益を享受し得る。このような表面損傷は摩擦を増大させる結果となることから、このような損傷を避けることで、滑りに対する抵抗を低減し、治療効率を高めることができる。
提供する装置は、口腔内での使用に好適ないずれの材料から製造してもよい。例えば装置は、ステンレス鋼、金、チタンなどの金属、単若しくは多結晶性酸化アルミニウムなどのセラミック、又はガラス充填ポリカーボネートなどのポリマー複合材料から製造し得る。特に好適な材料としては、米国特許第6,648,638号(Castro他)に記載された微粒子多結晶性酸化アルミニウムが挙げられる。別の選択として装置は、アーチワイヤースロットライナーによって少なくとも部分的に画定されるアーチワイヤースロットを備えることができ、このライナーをテーパー付きとすることも可能である。多様なタイプのアーチワイヤーライナーが、例えば米国特許第5,358,402号(Reed他)、並びに米国特許公開第2007/0134610号(Wyllie他)、同第2008/0081309号(Wyllie他)、及び2008/0070182号(Wyllie他)に記載されている。
材料の選択の他に、当業者に既知のいずれの製造方法もまた、提供する装置の形成に使用し得る。例示的方法としては、ミリング、鋳造、ラピッドプロトタイピング、金属射出成形、及びインベストメント鋳造、並びにこれらの変形が挙げられる好ましくは、選択される製造方法は、本明細書に記載した有利な応力分散プロファイルを可能にするテーパー付き側壁を再現するのに十分な精密さを有する。
図7は、例示的ブラケット52の接触応力をシミュレーションするために用いる簡易化した試験装置50を示す。この応力は、図に示すようなブラケット52に係合したアーチワイヤー54に非対称トルクを加えることによって生じさせる。装置50において、ブラケット52を、アーチワイヤー54がブラケット52のスロット内に完全に収まって間隙内に固定されるように、配置する。アーチワイヤー54は、ブラケットに近接した把持部56とブラケットから離れた把持部58とを有し、これらの把持部はアーチワイヤー54の終端部に剛結合されている。非対称性トルク状態をシミュレーションするために、把持部56を徐々に回転させて、ブラケット52の外表面に沿った応力集中プロファイルを観察する。把持部58は、空間的には固定位置に拘束されているが、自由に回転できる。ANSYS工学シミュレーションソフトウェア(バージョン12、Canonsburg,PAのANSYSより)を用いて、ブラケット52について有限要素法(FEA)を実行した。
図8は、把持部56によってトルクが加えられた時にアーチワイヤー54の形状がどのようにねじれるかを、より詳細に示す。アーチワイヤー54におけるねじりがブラケット52のスロット内部においても観察され得ることに注目すべきである。FEAを用いて、ブラケット52とアーチワイヤー54との間における力の相互作用を調べることができる。
FEAの結果を図9及び10に示すが、それぞれ、テーパーなしのアーチワイヤースロット及びテーパー付きアーチワイヤースロットを備えたブラケット60、62における応力集中プロファイルを示している。両シミュレーションにおいて、アーチワイヤー54の1つの端部を、既定の最大応力が得られるまで、上述したようにねじった。同条件が満たされた時に、アーチワイヤースロット表面に沿った応力プロファイルを捉えた。ここでは、応力集中の大きさが視覚的対比によって、すなわち色が濃いほど高い応力値を示すものとして、示されている。両シミュレーションとも全く同一の試験設定下で行い、ブラケット60、62上の応力をそれぞれのアーチワイヤースロットの側壁に沿って観察した。しかしながら、図9のブラケット60を図10のブラケット62に比較すると、テーパーなしのスロットではアーチワイヤースロットの遠心側の端部に局在する応力集中がもたらされたのに対し、テーパー付きスロットでは均一に分散した応力プロファイルがもたらされた。
トルク強度試験
この項では、提供される歯科矯正装置の利益を明らかにするために行ったトルク強度試験について説明する。各試験は、従来のセラミック歯科矯正用ブラケットのアーチワイヤースロット内に受容された、特別にテーパーを施したアーチワイヤーを用いて行った。ここでは、アーチワイヤースロットの側壁のテーパーリング効果を実証するために、アーチワイヤーの対向面のテーパーリングを代りに用いた。
ブラケット結合
すべてのトルク強度測定は、018(18ミル、又は0.46ミリメートル)アーチワイヤースロットを有する左下犬歯CLARITYブランドAdvancedセラミックブラケット(3M Unitek、Monrovia,CA)を用いて行った。しかしながら、その他のブラケットシステム、例えばTRANSCENDブランドセラミックブラケット(3M Unitek、Monrovia,CA)もまた、これらのトルク強度測定に用い得ることは理解されるべきである。各ブラケットを、同犬歯ブラケット基部の輪郭に合った凸状の複合曲率を有するステンレス鋼刻み付きリングに結合した。便宜上、単一の刻み付きリングの円周に沿って、最大10個のブラケット試料を結合することができる。
ブラケットを結合するために、TRANSBONDブランドXT Light Cure Adhesive Primer(REF 712−034、3M Unitek、Monrovia,CA)をリングに、またTRANSBONDブランドXT Light Cure Adhesive Paste(REF 712−036、3M Unitek、Monrovia,CA)をブラケット基部に、メーカーの指示に従って塗布した。次いで、ブラケットをリングの外縁に、アーチワイヤースロットがリングの中心軸と平行になるように合わせて放射状に取り付けた。最後に、ORTHOLUXブランドLED Curing Light(REF 704−360、3M Unitek、Monrovia,CA)を用い、メーカーの指示に従って接着剤を硬化させた。
矩形ワイヤー
直線状の018×025 HI−TブランドIIステンレス鋼矩形ワイヤー(REF 256−825、3M Unitek、Monrovia,CA)から、テーパー付き矩形ワイヤーを調製した。各ワイヤーを精密に加工し、矩形ワイヤーの中間セグメントに沿ってその「A」寸法(018)にテーパーを施した。試料に応じてテーパーは、各ブラケットのアーチワイヤースロット長の全体(約0.070インチ又は1.8ミリメートルの長さ)、又はアーチワイヤースロット長の半分(約0.035インチ又は0.89ミリメートル)のいずれかにわたって延在した。テーパー付きセグメントに沿って、ワイヤーの横方向寸法は、スロット長全体にわたって約1度、又はスロット長の半分にわたって約2度のテーパー角に対応して、約16ミル(0.48ミリメートル)〜約18ミル(0.46ミリメートル)の範囲であった。各テーパーは、ワイヤーの対向面上の、相互に位置合わせをした1対の三角形状の切り込み(各切り込みは線形的に0〜0.001インチ(0.0025ミリメートル)の範囲の深さを有する)として特徴付けられ得る。
この理想化されたトルク試験構成において、上述したような矩形ワイヤーの対向面上のx度テーパーをプログラミングすることによって、アーチワイヤースロットの対向側壁におけるx度テーパーの効果が、効果的にシミュレートされる。
トルク強度装置
トルク強度試験付属品が装備されたMTS QTest/5試験機(MTS Systems、Eden Prairie,MN)を用いて試験を行った。この付属品は、約0.953インチ(24.2ミリメートル)離れて対向するワイヤー把持部を有する。第1の把持部は自由に回転可能であるが、第2の把持部は試験機によって制御される。この付属品が、第2の把持部に取り付けられた直径1.92インチ(4.88センチメートル)の鎖歯車を部分的に取り囲む可撓性の鎖を用いて、引張力を回転力に変換する。ブラケットを含んだ刻み付きリングを、把持部間に位置する垂直方向に調整可能なチャックに取り付けた。
トルク測定値
ワイヤー端部を把持部内に取り付け、ワイヤーがブラケットのアーチワイヤースロット内にくるように、刻み付きリングを備えたチャックを位置付けることによって、試験のセットアップを行った。テーパーの終端部とブラケットスロットとの接触を避けるために、テーパー付きセグメントをスロットの長手方向中央に配置するように注意した。図7に概略的に示すように、回転する把持部をブラケットスロットの先端から約0.20インチ(5.1ミリメートル)離して配置した。その後、試験を開始するために、試験機のクロスヘッドを上向きに、2.0インチ/分(50.8ミリメートル/分)の固定速度で移動させることにより、第2の把持部を約12度/分の回転速度で反時計回りに回転させた。同時に、荷重計によってトルクを連続的に測定し、クロスヘッドの線形伸長の関数として記録した。試験は、1)ブラケットの破損が検出される(トルク値の初期ピークとして示される)か、又は2)付属品が伸長範囲の上限、0.80インチ(20.3ミリメートル)に達するかした時に終了した。
以下の表1において、試料1〜3が、テーパーなしのワイヤー、スロット長の全体にわたって1度のテーパーを有するワイヤー、及びスロット長の第2の把持部に最も近い半分にわたって2度のテーパーを有するワイヤーを用いて得られたトルク試験結果を表す。表1には、試料寸法、公称ワイヤー寸法、テーパー角度、テーパー長、トルク強度、及びテーパーなしの試料1と比較してのトルク強度変化が含まれる。以下に報告するように、トルク試験強度値は、少なくとも7回行った測定の平均値を示す。
Figure 0006188698
表1に示されるように、テーパー付きワイヤー構成では両方とも、テーパーなしのワイヤー構成よりも著しく高い平均トルク強度が測定された。
上記で触れた特許及び特許出願のすべてを本明細書に明確に援用するものである。上記に述べた実施形態は本発明を例示するものであり、他の構造もまた可能である。したがって、本発明は、上記に詳細に説明し、添付図面に示した実施形態に限定されるものと見なされるべきではなく、以下の特許請求の範囲の正当な範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである。

Claims (2)

  1. 基部と、
    前記基部から外向きに延在する本体と、
    前記本体をほぼ近心側−遠心側方向に横切って延在する細長いアーチワイヤースロットであり、底壁及び実質的に平面状の1対の側壁によって少なくとも部分的に境界付けられた細長いアーチワイヤースロットと、を備え、前記アーチワイヤースロットの長手方向に沿って変化するスロット横寸法を提供するように少なくとも1つの側壁には、その全長にわたってテーパーが付けられ、前記1対の側壁が、0.5〜10度の範囲の相対角度偏差を有し、前記スロット横寸法が前記アーチワイヤースロットの前記近心側又は前記遠心側に近づくにつれて単調に増加している、歯科矯正装置。
  2. 前記アーチワイヤースロットの横寸法が公称値を有し、前記アーチワイヤースロットの近心側及び遠心側の端部の横寸法が、その公称値を0.13ミリメートル〜0.76ミリメートルの範囲の選択された差だけ上回って増加している、請求項1に記載の歯科矯正装置。

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