JP6188183B1 - 薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 - Google Patents
薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6188183B1 JP6188183B1 JP2017095242A JP2017095242A JP6188183B1 JP 6188183 B1 JP6188183 B1 JP 6188183B1 JP 2017095242 A JP2017095242 A JP 2017095242A JP 2017095242 A JP2017095242 A JP 2017095242A JP 6188183 B1 JP6188183 B1 JP 6188183B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tablet
- weight
- uncoated tablet
- drug
- total weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
Description
特許文献1の実施例6及び比較例6では、ヒドロキシプロピルセルロースを結合剤として用いて造粒した、アセトアミノフェンとトラマドール塩酸塩を含有する造粒物を含む圧縮錠剤が記載され、部分アルファー化デンプンや無水リン酸水素カルシウム等を含む実施例の錠剤は打錠障害の発生が抑制されることが示されている。特許文献2では、アセトアミノフェンとトラマドール塩酸塩を含有する二層組成物の錠剤が記載され、其の錠剤は持続的な放出性をもつことが示されている。
しかし、アセトアミノフェン/トラマドール塩酸塩の配合錠について其の摩損度を改善する技術は、先行文献において十分な情報が開示されていない。錠剤摩損度の改善は、高品質な錠剤を安定に工業生産する上で重要な課題である。
そこで本発明者は、薬物高含有錠剤の摩損度を顕著に改善する新たな技術的手段の開発を目指した。
本発明者はその知見に基づいて更に鋭意検討を重ね、下記の本発明を完成するに至った。
(1)素錠全重量に対して85.0〜95.0重量%の、アセトアミノフェン及びトラマドール塩酸塩である薬物を含有し、さらにポリビニルアルコールである結合剤を含有する素錠。
(2)素錠全重量に対して0.5〜5.0重量%の、結合剤を含有する、前記(1)に記載の素錠。
(3)素錠全重量に対して2.0〜20.0重量%の、カルメロースカルシウムである崩壊剤を含有する、前記(1)又は(2)に記載の素錠。
(4)素錠の重量が380〜420mgであり、素錠全重量に対して薬物を含有する造粒物が80.0重量%以上含まれる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の素錠。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の素錠がフィルムコーティング層で覆われた錠剤。
(6)薬物を含有する造粒物を湿式造粒法によって製造し、950〜1300kgfの打圧による打錠で素錠を製造する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の素錠、を製造する方法。
本発明の錠剤は主に圧縮錠剤であり、素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)又は素錠をフィルムコーティング層で被覆した錠剤(フィルムコーティング錠)等の剤形を有するものである。素錠の重量は、380〜420mgの範囲内にあることが好ましい。
本発明に係る錠剤の形状は特に限定されず、円形錠{円形平錠(隅角錠等含む)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等含む)等}や異形錠等のいずれの形状でもよいが、異形錠であることが好ましい。
本発明の錠剤は、薬物の含有率が高いことを特徴とする、薬物高含有錠剤である。含有される薬物としてアセトアミノフェン、トラマドール塩酸塩等が挙げられるが、好ましくはアセトアミノフェン及びトラマドール塩酸塩である。本発明の錠剤に含有される薬物は素錠の全重量に対して85.0重量%以上、好ましくは85.0〜95.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
本発明に係る錠剤はポリビニルアルコールを含有しており、ポリビニルアルコールは結合剤として用いることが可能である。ポリビニルアルコールは素錠の全重量に対して0.1重量%以上、好ましくは0.5〜5.0重量%、より好ましくは0.8〜4.0重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。
本発明に係る錠剤の製造に用いられる、医薬的に許容可能な医薬添加剤としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、流動化剤、可塑剤、滑沢剤、矯味剤、界面活性剤、着色剤、コーティング剤等が使用できる。
本発明に係る賦形剤は、例えば、乳糖水和物、結晶セルロース、無水乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン等から選ばれ、好ましくは結晶セルロースである。賦形剤は素錠の全重量に対して好ましくは10.0重量%以下の範囲で素錠中に含有される。
本発明に係る崩壊剤は、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸等から選ばれ、好ましくはカルメロースカルシウムである。崩壊剤は素錠の全重量に対して好ましくは2.0〜20.0重量%、より好ましくは4.0〜15.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
本発明に係る滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム等から選ばれ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は素錠の全重量に対して0.1〜3.0重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。
本発明に係るコーティング剤は、ヒプロメロース、エチルセルロース、エチルセルロース分散液、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、ジメチルアミノメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー等から選ばれる。コーティング剤は錠剤の全重量に対して0.05〜10.0重量%の範囲で錠剤中に含有されることが好ましい。
本発明の錠剤は薬物を含有する造粒物を含むことが好ましく、其の造粒物はポリビニルアルコールを含有する溶液を用いて攪拌造粒や流動層造粒、噴霧乾燥造粒等の湿式造粒法によって製造することが可能である。前記造粒物は素錠の全重量に対して85.0重量%以上、より好ましくは90.0〜99.9重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。造粒物はコーティング剤で被覆した被覆造粒物とすることが可能である。
本発明の錠剤である圧縮錠剤は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法によって作成することが可能である。
まず、原薬、賦形剤、崩壊剤等を混合した粉末に水に溶解したポリビニルアルコールを加えて流動層造粒を行って造粒物を製造する。そして、得られた造粒物を整粒(乾式解砕等)した後に、滑沢剤等と混合して打錠機によって圧縮成形して錠剤(素錠)とする。さらに所望によって、得られた素錠にフィルムコーティング層を施すことが可能である。
本発明の素錠を打錠して製造する際の打圧は400kgf以上、好ましくは800kgf以上、より好ましくは950〜1500kgf、さらにより好ましくは950〜1300kgfの範囲内の任意の数値から選ばれる。
実施例1のポリビニルアルコールをポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(Type−F/日新化成社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1153kgfで打錠する点以外は実施例1と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例1のポリビニルアルコールをヒドロキシプロピルセルロース(SL/日本曹達社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1039kgfで打錠する点以外は実施例1と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例1のポリビニルアルコールをアルファー化デンプン(アミコールC/日澱化学社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1100kgfで打錠する点以外は実施例1と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例1のポリビニルアルコールをヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5M/信越化学社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1167kgfで打錠する点以外は実施例1と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例2のカルメロースカルシウムをカルメロース(NS300/五徳薬品社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1200kgfで打錠する点以外は実施例2と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例2のカルメロースカルシウムをクロスカルメロースナトリウム(キッコレートND−200/ニチリン化学工業社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1220kgfで打錠する点以外は実施例2と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例2のカルメロースカルシウムを低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−021/信越化学工業社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1092kgfで打錠する点以外は実施例2と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
実施例2のカルメロースカルシウムをクロスポビドン(ポリプラスドンXL−10/ASHLAND社製)に置き換え、錠剤密度が1.10mg/mm3となるように打圧1330kgfで打錠する点以外は実施例2と同様の処方・製造方法で錠剤を製造した。
尚、本実施例3の製造において、アセトアミノフェンは事前にJIS150メッシュの篩にて篩過したものを使用し、トラマドール塩酸塩は事前にピンミル粉砕(20Hz)したものを使用した。
実施例1、2、3及び比較例1〜8で得られた各々の錠剤について、第16改正日本薬局方・一般試験法の錠剤の摩損度試験法により摩損度を、錠剤の硬度試験法により硬度を測定した。実施例1及び比較例1〜4の測定結果は下記の表4に示し、実施例2及び比較例5〜8の測定結果は下記の表5に示し、実施例3の測定結果は下記の表6に示している。尚、比較例3,4の摩損度は、摩損度試験中に錠剤が割れてしまったことにより、その値を測定することが出来なかった。
尚、実施例3の錠剤において、錠剤全重量に対する結合剤の量を約1重量%とより低くした目的は薬物の溶出性をより改善することである。
Claims (5)
- 素錠全重量に対して85.0〜95.0重量%の、アセトアミノフェン及びトラマドール塩酸塩である薬物を含有し、さらにポリビニルアルコールである結合剤を含有する素錠であって、素錠全重量に対して2.0〜15.0重量%の、カルメロースカルシウムである崩壊剤を含有する素錠。
- 素錠全重量に対して0.5〜5.0重量%の、結合剤を含有する、請求項1に記載の素錠。
- 素錠の重量が380〜420mgであり、素錠全重量に対して薬物を含有する造粒物が85.0重量%以上含まれる、請求項1又は2に記載の素錠。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の素錠がフィルムコーティング層で覆われた錠剤。
- 薬物を含有する造粒物を湿式造粒法によって製造し、950〜1300kgfの打圧による打錠で素錠を製造する、請求項1〜3のいずれかに記載の素錠、を製造する方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016102257 | 2016-05-23 | ||
JP2016102257 | 2016-05-23 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017145985A Division JP2017210478A (ja) | 2016-05-23 | 2017-07-28 | 薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6188183B1 true JP6188183B1 (ja) | 2017-08-30 |
JP2017210470A JP2017210470A (ja) | 2017-11-30 |
Family
ID=59720306
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017095242A Active JP6188183B1 (ja) | 2016-05-23 | 2017-05-12 | 薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 |
JP2017145985A Pending JP2017210478A (ja) | 2016-05-23 | 2017-07-28 | 薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017145985A Pending JP2017210478A (ja) | 2016-05-23 | 2017-07-28 | 薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP6188183B1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115701992A (zh) * | 2020-07-03 | 2023-02-14 | 步制药股份有限公司 | 片剂及其制造方法 |
JPWO2022065361A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010038695A1 (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-08 | 大洋薬品工業株式会社 | 圧縮成型製剤およびその製造方法 |
JP2015063521A (ja) * | 2013-09-02 | 2015-04-09 | 科研製薬株式会社 | 高い薬物含有率を有する錠剤及びその製造方法 |
-
2017
- 2017-05-12 JP JP2017095242A patent/JP6188183B1/ja active Active
- 2017-07-28 JP JP2017145985A patent/JP2017210478A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010038695A1 (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-08 | 大洋薬品工業株式会社 | 圧縮成型製剤およびその製造方法 |
JP2015063521A (ja) * | 2013-09-02 | 2015-04-09 | 科研製薬株式会社 | 高い薬物含有率を有する錠剤及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017210478A (ja) | 2017-11-30 |
JP2017210470A (ja) | 2017-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5798269B2 (ja) | 薬物高含量錠剤 | |
JP5702305B2 (ja) | 有核型の口腔内崩壊錠 | |
MX2015004296A (es) | Farmaco combinado que comprende gemigliptina y metformina, y metodo para su preparacion. | |
AU2019232937B2 (en) | Ceritinib formulation | |
JP6188183B1 (ja) | 薬物高含有圧縮錠剤の安定な製造方法 | |
AU2008303504B2 (en) | Galenical formulations of Aliskiren | |
JP6321131B2 (ja) | アムロジピン含有配合錠の溶出性改善方法 | |
JP2017014151A (ja) | 光安定性を向上した、シロドシンを含有する有核錠 | |
JPWO2004091600A1 (ja) | 経口固形製剤 | |
JP2019156844A (ja) | メマンチン塩酸塩含有錠 | |
JP2019147798A (ja) | ダサチニブ無水物の結晶形態が安定に維持された固形製剤の製造方法 | |
JP7511596B2 (ja) | リバーロキサバン含有錠剤 | |
JP2016138073A (ja) | 安定性を改善した、シロドシンを含有する錠剤 | |
AU2007201830C1 (en) | High drug load tablet | |
WO2017114597A1 (en) | Pharmaceutical dosage forms comprising ((cis)-n-(4-(dimethylamino)-1,4- diphenylcyclohexyl)-n-methylcinnamamide | |
JP2018020999A (ja) | アトモキセチン錠剤およびアトモキセチン錠剤の製造方法 | |
KR20160081646A (ko) | 멜라토닌 및 설트랄린을 포함하는 경구용 복합정제 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170609 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20170609 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20170622 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170629 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170713 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170713 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170727 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170728 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6188183 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |