JP6186997B2 - 塗布型帯電防止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形体の表面に塗布するための塗布型帯電防止剤に関し、特に、低湿度下でも優れた帯電防止性を示し、且つ高温環境下の保管後においても高い帯電防止性を維持し、接触や摩擦に対する耐久性と透明性に優れた帯電防止膜が得られる塗布型帯電防止剤に関する。
樹脂は、軽くて丈夫という特徴から、工業材料や食品包装材料等に幅広く使用されている。しかしながら、絶縁体であり静電気を帯びやすい性質であるため、電気機器の誤作動、人体への不快感、ほこりの吸着による商品価値の低下等、種々のトラブルが引き起こされる。このような静電気による障害を防ぐ手段として、界面活性剤を樹脂表面に塗布し帯電防止剤として用いる方法が知られている。界面活性剤は、イオン性によってカチオン性、アニオン性、両性、非イオン性に一般的に分類されており、帯電防止効果はカチオン性が最も高いといわれている(非特許文献1)。
しかしながら、カチオン性界面活性剤を単独で使用した場合、表面の帯電防止膜は弱く、接触や摩擦によって性能が低下するおそれがある。また、低湿度下や高温環境下での保管後に帯電防止性を維持できず効果が著しく低下することが問題となっている。これらの問題を解決するために、カチオン性界面活性剤に他の界面活性剤を加え改良が行われているが性能は不十分である。また、これら構成物質の相溶性が不十分であることが原因となって濁りが生じることや、膜を維持できず、樹脂表面で帯電防止剤が無数の液滴となって曇り、透明性が低下することが問題となっている。
これら、接触や摩擦に対する耐久性を解決する方法として、特許文献1には、樹脂表面にカチオンポリマーを塗布する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、耐久性は十分であるものの、低湿度下での性能が不十分である。また、十分な膜厚が必要なことから透明性などの外観が低下するという問題もある。
また、低湿度環境下における帯電防止効果を向上させる方法として、特許文献2には、イミダゾリウム塩とアンモニウム塩を併用する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、低湿度下での性能は十分なものの、膜が液状であることから摩擦に対する耐久性が低く、また、帯電防止膜が維持できず細かな水滴となり曇りを生じ、透明性が低下する場合がある。
高温環境下で保管した場合の帯電防止性を維持する性能、つまり耐熱性を改良するための塗布型帯電防止剤としては、スルホン酸塩基を有する界面活性剤を用いる方法(特許文献3)やアルキルアミンのオキシアルキレン付加体と有機酸を用いる方法(特許文献4)が知られている。
しかしながら、これら塗布型帯電防止剤では、高温環境下で保管した場合の性能はあるものの、帯電防止膜の耐久性は不十分である。
特開平9−31224号公報 特開2010−121093号公報 特開平4−28728号公報 特開2001−115149号公報
"2007高分子添加剤の市場",p80(シーエムシー出版,2007)
本発明が解決しようとする課題は、低湿度下でも優れた帯電防止性を示し、且つ高温環境下での保管後においても高い帯電防止性を維持し、接触や摩擦に対する耐久性と透明性に優れた帯電防止膜が得られる塗布型帯電防止剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、式(1)の化合物(A)と特定の平均ケン化度および重合度を有するポリビニルアルコール(B)を特定の比率で含有する塗布型帯電防止剤が、低湿度下でも優れた帯電防止性を示し、且つ高温環境下での保管後においても高い帯電防止性を維持し、接触や摩擦に対する耐久性と透明性に優れる帯電防止膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明の塗布型帯電防止剤において、式(2)または式(3)で表される化合物(C)をさらに含有させることによって、高温環境下での保管後における帯電防止効果がより顕著なものとなることを見出した。
すなわち本発明は、式(1)で表されるイミダゾリウム塩(A)50〜99質量%、および平均ケン化度30〜88モル%、重合度500〜3500のポリビニルアルコール(B)1〜50質量%を含有する塗布型帯電防止剤に関するものである。
Figure 0006186997
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基、Xは対イオンを示す。)
また、本発明の塗布型帯電防止剤において、イミダゾリウム塩(A)とポリビニルアルコール(B)の総量100質量部に対して、式(2)または式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)0.1〜10質量部をさらに含有することが好ましい。
HO−[(EO)n1(PO)m1(EO)p1]−H (2)
〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、n1,m1,p1はそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、n1とp1の合計(n1+p1)は4〜300、m1は4〜300であり、n1とm1とp1の合計(n1+m1+p1)は8〜600、m1と(n1+p1)との割合{m1/(n1+p1)}は0.1〜10である。〕
HO−[(PO)n2(EO)m2(PO)p2]−H (3)
〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、n2,m2,p2はそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、n2とp2の合計(n2+p2)は4〜300、m2は4〜300であり、n2とm2とp2の合計(n2+m2+p2)は8〜600、m2と(n2+p2)との割合{m2/(n2+p2)}は0.1〜10である。〕
本発明の塗布型帯電防止剤によれば、例えば樹脂成形体の表面に塗布することにより、低湿度下でも優れた帯電防止性を示し、且つ高温環境下の保管後においても高い帯電防止性を維持し、接触や摩擦に対する耐久性と透明性に優れた帯電防止膜を得ることができる。
本発明の塗布型帯電防止剤は、式(1)で表される化合物(A)、および特定の平均ケン化度および重合度を有するポリビニルアルコール(B)を含有し、好ましくは、式(2)または(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)をさらに含有する。
まず、式(1)で表される化合物(A)について説明する。
〔イミダゾリウム塩(A)〕
本発明に用いるイミダゾリウム塩(A)は下記式(1)で表されるイミダゾリウム塩である。
Figure 0006186997
式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ビニル基、プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。式中、Rは水素原子またはメチル基であり、特に水素原子が好ましい。
は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基であり、好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、より好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分岐アルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ビニル基、プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、ベヘニル基が挙げられ、好ましくはエチル基である。Rの炭素数が22よりも大きいと導電性が低下し、帯電防止性が低下する場合がある。
は対イオンであり、典型的には酸由来のアニオンである。かかる酸として、具体的には、カルボン酸類、硫酸エステル類、リン酸エステル類、スルホン酸等の有機酸や超強酸類、リン酸類、ハロゲン化水素類、過ハロゲン酸類などの無機酸などが挙げられ、帯電防止性の面から、ハロゲン化水素類、硫酸エステル類が好ましく、より好ましくは硫酸メチルおよび硫酸エチルである。
式(1)で表されるイミダゾリウム塩(A)の好ましい例としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・メチルサルフェート塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・クロライド塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・クロライド塩、1−メチル−3−オクタデシルイミダゾリウム・クロライド塩等が挙げられる。イミダゾリウム塩(A)は一種または二種以上を用いることができる。なお、イミダゾリウム塩(A)は既知の方法により製造することができる。
〔ポリビニルアルコール(B)〕
本発明に用いるポリビニルアルコール(B)は、通常、酢酸ビニルの重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコール(B)の平均ケン化度は、30〜88モル%であり、好ましくは40〜80モル%である。平均ケン化度が30モル%未満、または88モル%を超える場合、イミダゾリウム塩(A)との相溶性が低下し、分離や濁りが生じて帯電防止性や透明性が低下する場合がある。また、ポリビニルアルコール(B)の重合度は、500〜3500であり、好ましくは1000〜3000であり、より好ましくは1500〜2500である。重合度が500より低いと帯電防止膜が液状となり耐久性が低下する場合がある。重合度が3500より大きいと、イミダゾリウム塩(A)との相溶性が低下し、帯電防止膜の維持が困難となり帯電防止性が低下する場合がある。
なお、本発明におけるポリビニルアルコール(B)の平均ケン化度および重合度は、JIS K6726 に準じて測定することができる。
また、本発明に用いるポリビニルアルコール(B)として、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体、例えば、アセトアセチル基やスルホン酸基などの変性基を有する単量体を酢酸ビニルと重合させて得られる共重合体をケン化させたものも使用することができる。
〔ポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)〕
本発明に用いるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基で構成されるトリブロック共重合体であり、下記式(2)または式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体である。
HO−[(EO)n1(PO)m1(EO)p1]−H (2)
HO−[(PO)n2(EO)m2(PO)p2]−H (3)
式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、n1,n2,m1,m2,p1,p2はそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数である。オキシアルキレン基の平均付加モル数を表すn1,n2,m1,m2,p1,p2は、次の関係を有する。
式(2)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体のオキシプロピレン基の平均付加モル数m1は、4〜300であり、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜50である。m1が4から300の範囲のとき、帯電防止性および耐熱性を向上させることができる。同様に、オキシエチレン基の平均付加モル数の合計(n1+p1)は、4〜300であり、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜50である。(n1+p1)が4から300の範囲のとき、透明性を維持することができる。
また、オキシアルキレン基の付加モル数の合計(n1+m1+p1)は、8〜600であり、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜100である。オキシプロピレン基とオキシエチレン基との割合を示す{m1/(n1+p1)}は、0.1〜10であり、好ましくは0.2〜5であり、より好ましくは0.5〜2である。(n1+m1+p1)が8から600の範囲であり、{m1/(n1+p1)}が0.1から10の範囲のとき、透明性を維持しつつ、帯電防止性および耐熱性を向上させることができる。
式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体のオキシエチレン基の平均付加モル数m2は、4〜300であり、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜50である。m2が4から300の範囲のとき、透明性を維持することができる。同様に、オキシプロピレン基の平均付加モル数の合計(n2+p2)は、4〜300であり、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜50である。(n2+p2)が4から300の範囲のとき、帯電防止性および耐熱性を向上させることができる。
また、オキシアルキレン基の付加モル数の合計(n2+m2+p2)は、8〜600であり、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜100である。オキシエチレン基とオキシプロピレン基との割合を示す{m2/(n2+p2)}は、0.1〜10であり、好ましくは0.2〜5であり、より好ましくは0.5〜2である。(n2+m2+p2)が8から600の範囲であり、{m2/(n2+p2)}が0.1から10の範囲のとき、透明性を維持しつつ、帯電防止性および耐熱性を向上させることができる。
なお、ポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)として、式(2)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体と式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体とを併用することもできる。
本発明の塗布型帯電防止剤の組成において、式(1)のイミダゾリウム塩(A)の含有量は、50〜99質量%であり、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは70〜80質量%である。イミダゾリウム塩(A)の含有量が50質量%よりも少ないと帯電防止性能が十分に発揮されない場合があり、99質量%よりも多いと樹脂成形体に均一に塗布できず、帯電防止性が低下する場合がある。
ポリビニルアルコール(B)の含有量は、1〜50質量%であり、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましく20〜30質量%である。ポリビニルアルコール(B)の含有量が1質量%より少ないと樹脂成形体に均一に塗布できない場合があり、50質量%より多いと帯電防止性能が十分に発揮されない場合がある。
なお、式(1)のイミダゾリウム塩(A)とポリビニルアルコール(B)の含有量の総計は100質量%である。
式(1)のイミダゾリウム塩(A)およびポリビニルアルコール(B)を特定の比率で含有する本発明の塗布型帯電防止剤において、式(2)または式(3)で表される化合物(C)をさらに含有させることによって、高温環境下での保管後における帯電防止効果がより顕著なものとなり好ましい。
式(2)または式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)の含有量は、イミダゾリウム塩(A)とポリビニルアルコール(B)の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは2〜6質量部である。ポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)の含有量が、(A)と(B)の総量100質量部に対して、0.1から10質量部の範囲であるとき、透明性、接触や摩擦に対する耐久性を維持しつつ、帯電防止性および耐熱性を向上させことができる。
なお、ポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)として、式(2)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体と式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体とを併用する場合には、両ポリオキシアルキレンブロック共重合体の総量が上記範囲となるように調整する。
本発明の塗布型帯電防止剤は、溶剤に溶解させて使用される。かかる溶剤としては、本発明の塗布型帯電防止剤を均一に溶解できる溶剤であり、塗布型帯電防止剤の計量、塗布、乾燥等の各工程を容易に行えるようになることから、水または有機溶剤が好ましく、特に水が好ましい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの有機溶剤は1種の単独使用でも2種以上の併用でも良く、さらに水を併用しても良い。
なお、溶剤中における塗布型帯電防止剤の濃度は、塗布型帯電防止剤を樹脂成形体表面に塗布する際の塗布量等の条件に応じて、適宜決定される。
本発明の塗布型帯電防止剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、染料、光安定剤等を含有していて良い。
本発明の塗布型帯電防止剤を塗布する成形体の樹脂としては、一般に市販ないし流通されている熱可塑性および熱硬化性樹脂が挙げられる。例えば、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、分子内に弾性を有する軟質セグメント(ブタジエンやイソプレン等)と塑性変形を防止する硬質セグメント(オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂等)とからなる熱可塑性エラストマー、フェノール系樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。これら樹脂のうち好ましい樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ) アクリル系樹脂が挙げられる。本発明の塗布型帯電防止剤を塗布する成形体は、これら樹脂のうち一種から成形されたものでも、これら樹脂のうち二種以上を用いて成形されたもののいずれでも良い。なお、(メタ)アクリルは、メタクリルまたはアクリルを表わす。
本発明の塗布型帯電防止剤を塗布する際の樹脂成形体の形態において特に限定はなく、フィルム、シート、中空品、射出品、織布、不織布、合成皮革等の各種形態を挙げることができる。
樹脂成形体の表面に塗布型帯電防止剤を塗布する方法についても特に限定はなく、例えば、ロールコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフ法、含浸法、カーテン法を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
本発明の塗布型帯電防止剤の塗布量は、塗布型帯電防止剤の溶液に含まれる溶剤が揮発した後の乾燥状態における有効成分として、0.005〜1g/m、好ましくは0.01〜0.5g/mである。
以下、実施例1〜11および比較例1〜7を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
イミダゾリウム塩(A)として表1に示す1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート塩(A−1)60. 0質量%と、ポリビニルアルコール(B)として表2に示すポリビニルアルコール(B−1)40. 0質量%を水で希釈し、有効成分の濃度が0. 1質量%となるように水溶液を調製した。
(実施例2〜7、比較例1〜7)
表1に示すイミダゾリウム塩(A−1〜A−4)およびアンモニウム塩(A−5)ならびに表2に示すポリビニルアルコール(B−2〜B−8)を用い、各化合物の質量%、および水溶液濃度をそれぞれ表4に示すものに変更する以外は実施例1と同様にして、水溶液を調製した。
なお、表2に記載のポリビニルアルコールの平均ケン化度および重合度は、JIS K6726 に準じて測定した。
(実施例8〜11)
表1に示すイミダゾリウム塩(A−1、A−2、A−4)および表2に示すポリビニルアルコール(B−3〜B−5)、さらに表3に示すポリオキシアルキレンブロック共重合体(C−1〜C−4)を用い、各化合物の質量%、および水溶液濃度をそれぞれ表5に示すものに変更する以外は実施例1と同様にして、水溶液を調製した。
なお、表3中のポリオキシアルキレンブロック共重合体(C−1〜C−3)は式(2)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)を表し、ポリオキシアルキレンブロック共重合体(C−4)は式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)を表す。
また、表5に記載の化合物(C)〔ポリオキシアルキレンブロック共重合体〕の含有量(質量部)は、化合物(A)〔イミダゾリウム塩〕と化合物(B)〔ポリビニルアルコール〕の総量100質量部に対する含有量を表す。また、表5に記載の水溶液濃度(質量%)は、水溶液中における化合物(A)および化合物(B)の双方の濃度を表す。
得られた各実施例および比較例の水溶液を用いて、下記に示す含浸法またはスプレーコート法にて、表4または表5に記載の樹脂基板(フィルム)上に塗布し、常温にて1日乾燥させて、帯電防止膜を形成した。
(塗布方法)
含浸法:樹脂基板(フィルム)を帯電防止剤水溶液中に1分間浸漬した後、バーコータを用い均一な膜を表面に形成する方法。
スプレーコート法:市販品のスプレーを用いて、樹脂基板(またはフィルム)に帯電防止剤水溶液を30秒間スプレーした後、バーコータを用い均一な膜を表面に形成する方法。
Figure 0006186997
Figure 0006186997
Figure 0006186997
Figure 0006186997
Figure 0006186997
各種の樹脂基板(フィルム)を温度23℃、湿度50%RHの環境下にて、ハイレスターUP MCP-HT450型((株)三菱化学アナリテック製)を使用して、印加電圧500V、測定時間10秒の条件にて、表面固有抵抗値(Ω/□)の測定を行った(表6および7中、「常温乾燥1日後」と表記)。
その後、低湿度環境下での帯電防止性能を確認するため、露点温度−60℃のドライルームにて1日静置した後、ハイレスターUP MCP-HT450型((株)三菱化学アナリテック製)を使用して、印加電圧500V、測定時間10秒の条件にて、ドライルーム内で表面固有抵抗値(Ω/□)の測定を行った(表6および7中、「低湿度下1日後」と表記)。
また、1日乾燥後の各種の樹脂基板(またはフィルム)を用い、高温環境下の保管後における帯電防止性(耐熱性)の確認を行うため、温度60℃の環境下に1日、および7日静置後、23℃、湿度50%RHの環境下にて、ハイレスターUP MCP-HT450型((株)三菱化学アナリテック製)を使用して、印加電圧500V、測定時間10秒の条件にて、表面固有抵抗値(Ω/□)の測定を行った(表6および7中、それぞれ「60℃保存1日後」「60℃保存7日後」と表記)。
さらに、化合物(C)をさらに含有させた実施例8〜11に関しては、1日乾燥後の各種の樹脂基板(またはフィルム)を用い、温度60℃の環境下に28日静置後、23℃、湿度50%RHの環境下にて、ハイレスターUP MCP-HT450型((株)三菱化学アナリテック製)を使用して、印加電圧500V、測定時間10秒の条件にて、表面固有抵抗値(Ω/□)の測定を行った(表7中、「60℃保存28日後」と表記)。
同様に、1日乾燥後のアクリル板を用い、帯電防止膜の摩擦に対する耐久性を確認するため、23℃、湿度50%RHの環境下において、綿布にて表面を10回摩擦した後、ハイレスターUP MCP-HT450型((株)三菱化学アナリテック製)を使用して、印加電圧500V、測定時間10秒の条件にて、表面固有抵抗値(Ω/□)の測定を行った(表6および7中、「表面摩擦後」と表記)。
表面固有抵抗値の測定結果は、下記の基準に従って表6および7にそれぞれ表記した。
108Ω/□以上、109Ω/□未満:◎
109Ω/□以上、1010Ω/□未満:○
1010Ω/□以上、1013Ω/□未満:△
1013Ω/□以上、1015Ω/□未満:×
また、透明性を評価するために、濁りと曇りを目視にて確認して、下記の基準に従って表4に表記した。
曇り、濁り無し:○
曇り、濁りやや有り:△
曇り、濁りあり:×
Figure 0006186997
Figure 0006186997
本発明に係る実施例1〜11による帯電防止膜は、低湿度下でも優れた帯電防止性を示し、且つ高温環境下の保管後においても高い帯電防止性を維持することができる。また、摩擦に対する耐久性および透明性も高い。特に、式(2)または式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)をさらに含有させた実施例8〜11の帯電防止膜は、温度60℃の環境下に28日静置させた後も表面固有抵抗値が低く維持されており、帯電防止性をより長期間にわたって維持できることが分かる。
一方、比較例1は(B−3)成分の比率が高いので、低湿度下での帯電防止性が得られない。
比較例2は(B−4)成分の割合が1質量%未満であるので、濡れ性が低く、優れた耐熱性、耐久性が得られない。
比較例3は(B−6)成分の平均ケン化度が88モル%を超えているので、(A−1)成分との相溶性が低く、低湿度下および高温環境下の保管後のいずれにおいても優れた帯電防止性、耐久性が得られない
比較例4は(B−7)成分の重合度が500未満であるので、有効分が液体となり優れた耐久性が得られない。
比較例5は(B−8)成分の平均ケン化度が88モル%を超えており、且つ重合度が500未満であるので、低湿度下および高温環境下の保管後のいずれにおいても優れた帯電防止性、耐久性が得られない。
比較例6は(B)成分の代わりにアンモニウム塩(A−5)を使用しているので、優れた耐熱性、耐久性、透明性が得られない。
比較例7は(A)成分の代わりにアンモニウム塩(A−5)を使用しているので、優れた帯電防止性、耐久性、透明性が得られない。

Claims (2)

  1. 式(1)で表されるイミダゾリウム塩(A)50〜99質量%、および平均ケン化度30〜88モル%、重合度500〜3500のポリビニルアルコール(B)1〜50質量%を含有する塗布型帯電防止剤。
    Figure 0006186997
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜22のアルキル基または炭素数2〜22のアルケニル基、Xは対イオンを示す。)
  2. イミダゾリウム塩(A)とポリビニルアルコール(B)の総量100質量部に対して、式(2)または式(3)で表されるポリオキシアルキレンブロック共重合体(C)0.1〜10質量部をさらに含有する請求項1に記載の塗布型帯電防止剤。
    HO−[(EO)n1(PO)m1(EO)p1]−H (2)
    〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、n1,m1,p1はそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、n1とp1の合計(n1+p1)は4〜300、m1は4〜300であり、n1とm1とp1の合計(n1+m1+p1)は8〜600、m1と(n1+p1)との割合{m1/(n1+p1)}は0.1〜10である。〕
    HO−[(PO)n2(EO)m2(PO)p2]−H (3)
    〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、n2,m2,p2はそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、n2とp2の合計(n2+p2)は4〜300、m2は4〜300であり、n2とm2とp2の合計(n2+m2+p2)は8〜600、m2と(n2+p2)との割合{m2/(n2+p2)}は0.1〜10である。〕
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