JP6183779B2 - 質量分析用試料調整方法及び質量分析方法 - Google Patents

質量分析用試料調整方法及び質量分析方法 Download PDF

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Description

この発明は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(以下「MALDI」という。)により生体試料に含まれる薬物を質量分析するための試料の調整方法に関し、より詳細には、生体組織に含まれる微量の薬物の質量分析を高精度で行なうためにMALDIによる質量分析用の試料の調整方法及びこのように調整された試料を用いて質量分析する方法に関する。
タンパク質などの生体分子の質量分析において、試料のイオン化のためにマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)やエレクトロスプレーイオン化法(ESI)が一般に用いられる。特にMALDIは、生体組織を直接質量分析する際のイオン化法として用いられている(特許文献1等)。生体組織から直接イオン化を行う場合、イオン化補助剤であるマトリックス(シナピン酸やα−CHCA、2,5-DHBなど)を組織表面に直接分注又は噴霧する手法がとられていた(非特許文献1等)。
これらのマトリックスは試料のタンパク質等の生体分子と共結晶を形成し、その結晶にレーザー照射することにより、この生体分子はイオン化される。一般的に、このイオン化効率はマトリックスと試料の共結晶の大きさに依存することが知られている(非特許文献2)。
そのため、MALDIによる質量分析のために試料上にマトリックスの微結晶を調整するための様々な方法が提案されている。例えば、試料表面の微量分析をするために前処理工程として試料表面にマトリックスを真空蒸着させる方法(特許文献1)、組織表面に予めすりつぶしたマトリックス結晶を絵筆を用いて分散し、その後マトリックス溶液を分注して結晶成長させた後に、MALDIによる質量分析を行なう方法(非特許文献3)、試料表面にインクジェット機構を用いて微結晶層を形成させその結晶を成長させてMALDIによる質量分析を行う方法(特許文献2)、試料表面にスプレーを用いて微結晶層を形成させその結晶を成長させてMALDIによる質量分析を行う方法(特許文献3、4、非特許文献4)、動植物組織にマトリックスを蒸着し、MALDI-MS測定を行う方法(非特許文献5)、20μmの目を持つ篩を用いてマトリックス結晶を試料表面に供給しMALDI-MS測定を行う方法(非特許文献6)、昇華により溶媒無しにマトリックス結晶を試料表面に供給しMALDI-MSを行う方法(非特許文献7)等が報告されている。
特開2002-148157 国際公開WO2008/038812 特開2009-168448 国際公開WO2007/119499
Anal Chem 2004, 76, 87A-93A Appl. Surf. Sci. 1998, 129, 226-234 Anal Chem 2006, 78, 827-834 Anal Chem 2006, 78, 8227-8235 高橋勝利(産業技術総合研究所計測フロンティア研究部門)"質量顕微鏡の植物組織観察への適用"、平成25年3月29日検索、インターネット(http://esplant.net/newsletter/contents/2013_3/News%20Letter5_4.pdf) J Am Soc Mass Spectrom 2008, 19, 882-886 J Am Soc Mass Spectrom 2007, 18, 1646-1652
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を用いたイメージング質量分析用の生体組織試料を調整する場合、マトリックスと測定対象物質(薬物もしくはタンパク質、ペプチド、脂質、代謝物などの生体分子)試料の均一かつ微細な共結晶形成を達成することは重要である。特に、ヒト臨床検体や生体組織試料の場合、組織表面の物理的な不均一性や塩等の存在により、従来の前処理方法では、形成される結晶の大きさは非常に大きく均一では無いため、再現性のある試料作成が困難であった。さらに、自動溶液分注装置、スプレー溶液噴霧、インクジェット機構等の従来手法でマトリックス溶液を直接生体組織表面へ供給する際には、含まれる有機溶媒により試料によっては収縮、ひび割れ等が発生し、高解像度でのイメージング質量分析を行うことは不可能であった。そのため、従来、MALDIを用いて、生体試料中に微量に含まれる薬剤を調べることが出来なかった。
従って、本願発明は、MALDIを用いて、生体試料中の薬剤の分布を調べたり、生体試料中の薬剤を定量するための、生体試料の前処理の方法を提供することを目的とする。この方法は、臨床試験でイメージング質量分析を行う際に特に有用である。
本発明者らは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)による測定の試料の前処理として、生体組織試料上に、マトリックス粉末を真空蒸着の方法で供給して、マトリックスの微結晶を形成しておくことにより、微量の被検物を検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
この方法によれば、生体組織試料上にマトリックスの微結晶を形成することが可能で、また生体組織試料上に微結晶を形成させるために溶媒を用いないため、微結晶形成時に生体組織試料が破壊されない。そのため、形成された微結晶上に、更に分注又はスプレー噴霧によりマトリックス溶液を供給すると、予め形成させておいた微細マトリックス結晶を核として結晶が成長するため、非常に細かく均質なマトリックス結晶が形成される。その結果、微量の被検物の検出が可能になった。
即ち、本発明は、生体試料中に微量に含まれる薬剤を調べるために、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法による質量分析用の試料を調整するための方法であって、薬剤を含有する生体試料上に、マトリックスを蒸着させることにより、生体試料表面上にマトリックスの微結晶を形成させる段階、及び、この生体試料上に更にマトリックス溶液を分注して又はスプレー噴霧して、この微結晶上にマトリックス結晶を成長させる段階から成る質量分析用試料調整方法である。
また本発明は、次の(a)及び(b)の段階から成る生体試料中に微量に含まれる薬剤の検出方法である。
(a)上記の質量分析用試料調整方法を行う段階、及び
(b)生体試料表面上に存在する薬剤を、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法により質量分析する段階
この方法は、更に、質量分析の結果から、生体試料中の薬剤の分布を調べる段階や、生体試料中の薬剤を定量する段階を含んでもよい。
本願発明の方法によれば、生体試料表面に、溶媒を用いずに蒸着によりマトリックスの微結晶を形成した後、マトリックス溶液を供給することで、迅速に均一で微細なマトリックス結晶を再現性よく形成することができる。その結果、MALDIを用いた質量分析により、生体試料中に微量に含まれる薬剤を調べることが可能になった。そのため、例えば、人に薬物を投与した場合の組織中薬物分布を可視化し(後述の実施例5参照)、また組織中の薬物濃度を見積もることができる(後述の実施例4,5参照)など、細胞レベルの薬物送達を明らかにすることができる。
本願発明の方法は、生体試料表面にマトリックス結晶成長の核となるマトリックス微結晶を、溶媒を用いずに形成させることができるため、溶媒、特に有機溶媒による組織切片の収縮やひび割れ等の生体試料の破壊により、マトリックス微結晶の形成が阻害されることを回避することができる。
また、蒸着により形成されるマトリックス微結晶は、他の方法に比べて、微細なため、本願発明の方法によれば、より高空間解像度でMALDIによる質量分析を行うことができる。


試料表面の質量分析スペクトルを示す図である。図中の数字はピーク(*)の最大値を示す。本スペクトルは、合計400点の測定点から得たスペクトルを平均化した。(a)は、マトリックスの蒸着を施した後にマトリックスとエルロチニブの混合溶液を滴下した試料のスペクトル、(b)は蒸着を行わない試料のスペクトル、(c)はオラパリブの溶液を組織表面に滴下し、蒸着を施した後にマトリックス溶液を分注した試料のスペクトル、(d)は蒸着のみでマトリックス溶液を分注しない試料のスペクトルを示す。 本発明の処理を行った試料の顕微鏡写真とイメージング結果を示す図である。(a)はマトリックスの蒸着を行った後に抗がん剤/マトリックス混合溶液を噴霧した場合、(b)はマトリックスの蒸着を行わず抗がん剤/マトリックス混合溶液を噴霧した場合を示す。左図は顕微鏡写真を示し、右図はイメージング結果を示す。 エアブラシを用いて抗がん剤/マトリックス混合溶液を噴霧した試料の顕微鏡写真を示す図である。(a)は噴霧前の腫瘍組織切片、(b)は噴霧後の腫瘍組織切片を示す。(c)は(a)の拡大図、(d)は(b)の拡大図である。 抗がん剤/マトリックス混合溶液中の抗がん剤の濃度を変えた場合の、試料の顕微鏡写真とイメージング結果を示す図である。(a)顕微鏡写真、(b)はイメージング結果を示す。 抗がん剤を投与した患者のヒト肺腺癌試料の顕微鏡写真とイメージング結果を示す図である。(a)顕微鏡写真、(b)は解像度20μmで得たエルロチニブ由来のm/z 394のイメージング結果を示す。 ヒト肺腺癌試料の、癌中心部から得た組織と正常部から得た組織のイメージング結果を示す図である。(a)は腫瘍中心部より得た組織切片の顕微鏡写真(左図)と解像度60μmで得たエルロチニブの強度分布(右図)、(b)は正常組織から得た組織切片の顕微鏡写真(左図)と解像度60μmのエルロチニブの強度分布(右図)を示す。
本発明の質量分析用試料調整方法は、生体試料上に、マトリックス粉末を蒸着させることにより、試料表面上にマトリックスの微結晶を形成させる第1段階、及び、この試料上に更にマトリックス溶液を分注又はスプレー噴霧して、この微結晶上にマトリックス結晶を成長させる第2段階から成る。
本発明の方法の対象である生体試料は、ヒト、動物又は植物から得た組織、細胞、タンパク質、ペプチド、脂質若しくは糖脂質又はこれらの混合物を含み、この対象としては、好ましくは、生体組織であり、例えば、ヒト臨床検体や動物生体組織である。
この生体試料、特に生体組織は、本発明の方法を行う前に、通常、厚さが1〜20μm程度の切片として用意される。具体的には、例えば、生体組織より10μm以下の厚みで凍結切片を作成し、その切片を上記の支持体上で融解させる。凍結組織切片は、支持体上で融解させることで支持材に固定される。
この生体試料は薬剤を含む。
この薬剤は、有機化合物又はペプチド若しくは蛋白質から成ってもよい。
この有機化合物は、主に炭化水素骨格を持ち、N、S、O等のヘテロ原子を含むものであってもよく、またハロゲン原子、もしくはプラチナ等の金属原子等を含んでもよい。薬剤としての有機化合物としては、分子量が100〜1500程度の低分子有機化合物が挙げられる。また薬剤としてのペプチドや蛋白質としては抗体医薬が挙げられ、抗体医薬としては、キメラモノクローナル抗体、ヒト化モノクローナル抗体、ヒトモノクローナル抗体等が挙げられる。
生体試料は通常支持体に固定されて用いられ、この支持体は通常導電性支持体である。このような支持体としては、MALDIターゲットプレート、導電性フィルム(例えば、インジウムスズ酸化金属コートフィルム(例えば、ITOフィルム)、又は金属蒸着ガラス(ITOもしくは金、白金等貴金属を含む金属)が挙げられる。
本発明の方法の第1段階においては、支持体上に固定された生体試料上に、マトリックスを蒸着させる。この方法の利点は、溶媒を用いる必要がないことと、生体試料上に蒸着されるマトリックスが、極めて微細な微結晶であることである。電子顕微鏡写真からこの微粒子の径は10nm程度と考えられる。
蒸着は、公知の方法で行うことができるが、好ましくは、真空度10−3Pa程度以下、通常10−3〜10−4Pa程度の空間に、マトリックス粉末を入れたボートと生体試料を固定した支持体を入れ、ボートを200〜300℃程度に加熱し、5〜20分程度この状態を保持することにより行われる。
マトリックスの蒸着は、通常市販の真空蒸着装置を用いて行われる。
マトリックスの蒸着方法の好ましい例を以下に挙げる。真空蒸着装置に試料を設置し、マトリックスを加熱するボートと試料表面との距離を約5〜15cm、好ましくは約8〜10cm程度に保ち、試料表面と加熱部が正対するよう固定し、マトリックスを加熱し試料表面に蒸着を行う。マトリックス加熱温度は、マトリックスの融点に依存し最適化されるが、例えばα-CHCAの場合約250℃である。蒸着時間は5〜15分、好ましくは6〜10分程度である。
マトリックスとしては、通常MALDI用に用いられているマトリックスであればいかなるものでもよいが、例えば、3,5-Dimethoxy-4-hydroxy-cinnamic acid(シナピン酸)、α-Cyano-hydroxy-cinnamic acid(α-CHCA)、2,5-Dihydroxy benzoic acid(2,5-DHB)、Isocarbostiril、6-Aza-2-thiothymine、1,8-Dihydroxy-9[10H]-anthracenone(Dithranol)、5-Chlorosalicylic acid(5-CSA)、o-Nitrobenzoic acid、3-Aminoquinoline、2-Amino-3-hydroxypyridine、Esculetin、2-(4-Hydroxy-phenylaza) benzoic acid (HABA)、9-アミノアクリジン、ピコリン酸、アントラニル酸、ニコチン酸等が挙げられる。
これらは、通常、室温で固体(粉体)である。
本発明の方法の第2段階においては、試料上にマトリックスの溶液をスプレー噴霧又は分注する。
マトリックスの溶液の溶媒としては、通常有機溶媒単体又は有機溶媒と水の混合液が用いられる。この有機溶媒としては、高い揮発性を有する有機溶媒が適しており、例えば、1気圧での沸点が85℃以下、好ましくは55〜85℃の溶媒を用いることができる。このような有機溶媒として、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロパノール等を挙げることができる。例えば、α-CHCAに適した溶媒として、50%アセトニトリル(含0.1%TFA)などが挙げられる。有機溶媒と水の混合液において、混合液中の有機溶媒の割合は好ましくは50〜90容積%、より好ましくは40〜60容積%である。
スプレー用の好ましい溶媒としては、0.1容積%トリフルオロ酢酸(TFA)を含むアセトニトリル(ACN)を水に50〜90容積%、好ましくは40〜60容積%の濃度で溶解したものが挙げられる。
スプレー用マトリックス溶液は、この溶媒に上記マトリックスを溶解して用いる。マトリックス溶液濃度は、好ましくは5.0〜20.0mg/mL、より好ましくは10.0〜15.0mg/mLである。
このマトリックス溶液のスプレー(噴霧)は、噴霧装置により行われる。噴霧装置の例として、自動マトリックス溶液噴霧機、エアブラシ、又は超音波霧化器等が挙げられる。噴霧装置の条件としては、例えば、エアブラシのノズル先端内径は約100μm〜1 mm、好ましくは内径100〜300μmであり、流速は10μL/分〜500μL/分、好ましくは200〜300μL/分程度である。噴霧機や超音波霧化器で得られる液滴の大きさは直径1〜50μmで典型的には直径3〜20μm程度であり、霧化量は1〜3 mL/min程度である。
マトリックス溶液のスプレーは、複数回行ってもよい。
好ましいマトリックスのスプレー方法の例を以下に挙げる。スプレー装置を、組織表面とスプレーとノズル間の距離を約1〜20cm、好ましくは10〜15cm程度に保ち、試料表面に対して45〜90度のいずれかの角度に固定し、噴霧を行う。マトリックス噴霧時間は20〜60秒程度とし、噴霧後は1〜10分程度放置する。この作業を3〜10回程度繰り返し、組織表面に微結晶を形成する。最も好ましい条件はノズルと組織表面との距離を15cm、角度を45度、噴霧時間を30秒、放置時間を5分とし、4回繰り返した場合である。
分注用のマトリックス溶液として、上記のスプレー用と同じマトリックス溶液を用いることができる。但し、マトリックス、溶媒及びマトリックス溶液濃度は上記定義内で、スプレー用と同じであっても異なってもよい。
分注用のマトリックスとスプレー用のマトリックスは、蒸着に用いるマトリックスと同じであっても異なってもよいが、同じマトリックスであることが好ましい。
分注は、通常の分注方法で行なえばよく、例えば、ピペットや自動試薬分注装置を用いて行なうことができる。分注操作は複数回行ってもよい。
自動試薬分注装置を用いてマトリックスを分注する場合、0.5〜5nL、好ましくは0.5〜1.5nLの少量分注を繰り返し、目的量まで分注することで、微小で均一なマトリックス結晶を得ることが可能となる。最適な条件は、スプレー噴霧後1nLの分注を50回繰り返し、全量50nLのマトリックス溶液を組織の微小領域に分注することである。このとき、1度の分注操作が終了した後、分注箇所は完全に乾燥している状態もしくは半乾燥状態になっているほうが望ましい。この状態を保つために必要な間隔は、そのプリント箇所の数に依存するがプリント数が10箇所までであればプリント後に30秒放置して次のプリントを行うことが好ましい。10箇所以上であるときは1分程度放置して次のプリントを行うことが好ましい。
分注やスプレーの後、乾燥工程を加えてもよい。しかし、特に乾燥操作を行わなくとも、ある程度の時間放置すれば溶媒は自然乾燥するものと考えられる。乾燥操作を加える場合には、単に送風だけでもよいし、温風を送風してもよい。
分注操作やスプレー操作を複数回行う場合はそれぞれ上記乾燥操作を伴ってもよい。
次段階の質量分析の前には、試料は乾燥していること(即ち、溶媒が揮発していること)が好ましい。
マトリックスを分注又はスプレーした後、試料をMALDI型の質量分析装置に導入し分析を行う。
質量分析用試料調整装置は、生体試料を固定するための導電性支持体、該試料上にマトリックス粉末を蒸着させるための蒸着装置、及び該試料上にマトリックス溶液を噴霧するためのスプレー装置、又は該試料上にマトリックス溶液を分注するための分注装置から成る。蒸着装置、スプレー装置及び分注装置はこの質量分析用試料調整装置として一体の装置に成っていなくともよい。
この装置は、更に、この生体試料上にマトリックス粉末を蒸着させた後に、マトリックス粉末が蒸着された該試料の領域に、マトリックス溶液を分注する又はスプレー噴霧するように該支持体、蒸着装置、該スプレー装置及び該分注装置の少なくとも一つを移動させる移動制御装置を備える必要がある。この装置は更に、スプレー装置や分注装置にマトリックス溶液を供給するマトリックス用タンクと供給ポンプ、試料の雰囲気を一定湿度に保つ湿度制御装置、分注後に該試料の溶媒の揮発を促進させるための乾燥装置(例えば、送風装置など)を備えてもよい。また、上記移送制御装置は、試料上に形成されたマトリックスの微結晶の位置を確認して、その微結晶の上にマトリックス溶液を分注又はスプレーさせるよう移動を制御するものであってもよい。また、この移動制御装置は、試料上に多点で分注できるよう分注を制御してもよく、更に分注を複数回行なう場合には、正確に同一場所に分注できるように制御してもよい。
更にこの質量分析用試料調整装置をMALDI装置と共に質量分析装置と組み合わせて一つの質量分析装置としてもよい。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
以下の実施例において、イメージングとは「イメージング質量分析」を意味し、イメージング質量分析では、試料表面を微小な面積範囲に分けて直接質量分析し、各位置で得られた質量スペクトルを位置情報と共に保存し、目的ピークの強度分布を表示する。
実施例1
ヒト乳がん細胞株のMDA-MB-436をヌードマウスの背側部皮下に2×106細胞を移植して71日目に切除し液体窒素により凍結した。このマウスに移植した腫瘍組織を用いて、クライオミクロトーム(ライカ製)により、厚さ8μmの凍結切片を作成し、この切片をITOガラス(ブルカーダルトニクス製)にのせ、融解させ、試料とした。
この試料を、真空蒸着装置(SVC-700TMSG、サンユー電子製)に設置し、マトリックス粉末(α-CHCA、純度99%、シグマアルドリッチ製)を加熱するボートにのせた。このボートと試料との距離を8cmに保ち、試料表面とボートが正対するように固定した。250℃でマトリックス粉末を加熱して、8分間蒸着を行った。蒸着中の真空度は2×10-4 Pa程度である。
0.1容積%TFA(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)と0.1容積%TFA-アセトニトリル(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を等量混合して溶媒とし(以下、この溶媒を「50%ACN/0.1%TFA」という。)、α-CHCAの10.0 mg/mL溶液(以下「マトリックス溶液」という。)を調製した。
抗がん剤(エルロチニブ、(N-(3-ethynylphenyl)-6,7- bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine、selleck製、MW 393.436、下式)の100%ジメチルスルホキシド(和光純薬製)溶液(11 mg/mL)を調整し、これを110 ng/mLの濃度になるように50%メタノールを用いて調整した。この溶液と上記マトリックス溶液を等量混合した(以下「エルロチニブ/マトリックス溶液」という。)。この溶液を、試料表面(マトリックスが蒸着した組織表面)に0.1 μL滴下し、5分間風乾させた。
この試料表面を、イメージング質量分析装置(質量顕微鏡、株式会社島津製作所製)を用いて観察し、イメージング質量分析を行った。イメージング質量分析は、正イオン検出モードで、検出質量範囲をm/z 100〜400とし、MS/MSモードで測定を行い、スペクトルは直径約1 mmのスポット内部に縦×横20点×20点のデータ点を作成し取得したスペクトルを平均化した。得られたスペクトルを図1(a)に示す。
比較例1
蒸着を行わずに、試料を調製し、実施例1と同様に測定した。得られたスペクトルを図1(b)に示す。
実施例2
抗がん剤として、オラパリブ(4-[[3-[[4-(Cyclopropylcarbonyl]-1-piperazinyl]carbonyl]-4-fluorephenyl]methyl)-1(2H)-phthalazinone、selleck製、MW 434.471、下式)を用いて、抗癌剤の濃度が916 ng/mLになるように50%メタノールで調整して、未処理の腫瘍組織表面に0.1μL滴下し風乾した。風乾後、実施例1と同様に蒸着を施し、マトリックス溶液をオラパリブ滴下部位に0.1μL滴下し、実施例1と同様に測定した。検出質量範囲はm/z100〜450とした。得られたスペクトルを図1(c)に示す。
比較例2
蒸着のみを行い、その後マトリックス溶液は滴下せずに、試料を調製し、実施例2と同様に測定した。得られたスペクトルを図1(d)に示す。
蒸着を施した後にエルロチニブ/マトリックス溶液を滴下した試料(図1(a))のスペクトルの強度(エルロチニブ由来のm/z 336.1)は、蒸着を行わない試料(図1(b))と比較し約10倍程度強い。また、蒸着を施した後にマトリックス溶液を滴下した試料(図1(c))のスペクトルの強度(オラパリブ由来のm/z 367.1)は、蒸着のみ施した試料(図1(d))と比較し、約16倍程度強い。
実施例3
実施例1と同様に調製したマウス腫瘍組織切片試料に、実施例1と同様にマトリックスの蒸着を行った。
この試料表面に、エアブラシ(HT-241 スーパーエアブラシ トリガータイプ、WAVE製)を用いて、実施例1と同じエルロチニブ/マトリックス溶液を噴霧した。混合溶液の噴霧にあたり、大気雰囲気下で組織観察のために100μL噴霧を行った。このとき、エアブラシ先端と組織切片表面を約15 cm程度の距離を保った。イメージング質量分析用の試料は、さらに3分間噴霧を行い、組織表面を結晶で覆った。
噴霧後の組織表面の観察を、質量顕微鏡(島津製作所製)の光学顕微鏡を用いて行い、実施例1と同様にイメージング質量分析を行った。組織全体は対物レンズ倍率1.25倍で、拡大図は対物レンズ倍率20倍で行った。イメージングデータの取得は、対物レンズ倍率を40倍とし組織表面上に縦×横35点×47点のデータ点(データ間隔10μm)を作成し、各点でのプロダクトイオンスペクトルを保存した。
結果を、図2に示す。
蒸着を行った後に混合溶液を噴霧した場合、組織が収縮すること無くマトリックス結晶が形成されており(図2a左図)、m/z 336.1の分布も均一であることが分かる(図2a右図)。なお、表面に見えるひび割れは、切片を作製した段階で入ったものである。
比較例3
蒸着を行わずに、試料を調製し、実施例3と同様の操作を行った。
蒸着を行わず直接マトリックス溶液をスプレーした試料では組織の収縮により形成された間隙にマトリックス結晶が蓄積している様子が観察され(図2b左図)、イメージングを行っても、目的とする質量分析ができていない(図2b右図)。マトリックスが、試料表面に微粒子として均一に分布せず、その一方でひび割れ部分に大量に蓄積してしまうためと考えられる。
参考のため、試料(腫瘍組織切片)に、エアブラシを用いて、エルロチニブ/マトリックス溶液を噴霧した試料の顕微鏡写真を。図3に示す。噴霧前の腫瘍組織切片(図3(a)(c))に比べて、噴霧後の腫瘍組織切片(図3(b)(d))では、組織全体が収縮したことによる、ひび割れが観察される。噴霧後の腫瘍組織切片の拡大図(図3(d))では、組織が収縮し島状の形態を示し、その間からスライドガラスが見える。
以上の結果は、溶媒を用いるマトリックス溶液によって試料上にマトリックス結晶を形成させる方法では、高解像度のイメージング結果を得ることができないことを示している。本発明においては、溶媒を用いない蒸着により、生体組織上に、一旦マトリックスの微結晶(結晶成長の核)を形成させるため、その後に溶媒を用いたマトリックス溶液を用いても結晶を成長させることができる。
実施例4
実施例3と同様の試料を用いて、その上に、実施例3と同様に、マトリックスを蒸着させた。
抗がん剤として、AZD5363((S)-4-amino-N-(1-(4-chlorophenyl)-3-hydroxypropyl)-1-(7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-4-yl)piperidine-4-carboxamide、MW 429、下式)を100%ジメチルスルホキシド(和光純薬工業株式会社製)により50 mg/mLの濃度で調整したものを50%メタノールで100 nMと50 nMの濃度になるよう希釈した。
マトリックス溶液とこの抗がん剤溶液を等量混合し、蒸着済みの腫瘍組織切片表面に0.1μLずつ滴下し風乾した。
その後、実施例1と同様に、スポットの観察とイメージング質量分析を行った。検出質量範囲はm/z 100〜450とし、AZD5363の構造由来であるm/z 215.1の分布を表示した。本試料上で0.1μL滴下することにより得られるスポットは、組織表面上で拡散し直径約1.5mm程度になる。顕微鏡写真とイメージング結果を図4に示す。イメージングデータ(図4(b))は、各点で得られたm/z 215.1の強度分布を表示する。
図4(b)に示す各濃度のスポットのイメージング結果から、それぞれのスポットのピクセル強度を抽出し平均したところ、ピクセル相対強度(50nM:25nM)は1:0.54となり、シグナル強度は滴下した抗がん剤の濃度にほぼ比例していることが分かった。
実施例5
非小細胞肺がん患者(adenocarcinoma, EGFR L858R 変異陽性)にエルロチニブ製剤としてタルセバ錠 (N-(3-ethynylphenyl)-6,7- bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine、中外製薬製、MW 393.436) 150 mgを術前6時間前に投与し、手術により左上葉を摘出した。
摘出された組織から、腫瘍中心部、周辺部及び正常部より組織を採取した。ここで「正常部」とは、摘出した手術検体内部の正常部位より採取した組織を意味する。採取された組織は迅速に液体窒素により凍結した。得られた凍結組織を、クライオミクロトーム(ライカ製)により厚さ8μmの凍結切片を作製しITOスライドガラス上に凍結融解し接着した。得られた試料プレートをシリカゲル入り50mL遠心管に封入した。
試料を室温に戻した後、実施例1と同様に、マトリックス粉末を蒸着した。
蒸着後、実施例3と同様にエアブラシによりマトリックス溶液を組織表面に噴霧した。
得られた試料について、実施例1と同様に、顕微鏡観察及びイメージング分析を行った。検出質量範囲はm/z 390〜398とし、タルセバのプリカーサイオン由来のシグナルであるm/z 394の強度分布をイメージングデータとして得た。イメージング測定は、20倍の対物レンズで観察した視野全体を20 μmのデータ間隔でデータを取得した。各点で得られたm/z 394の強度分布をイメージング結果として表示した。顕微鏡写真とイメージング結果を図5に示す。
その結果、この抗がん剤は腫瘍組織への集積が期待されるものであるが、ヒト腺癌の形態を反映したエルロチニブの分布が得られた。イメージング結果から、がん組織における抗がん剤の分布を知ることができることが分かる。
また、同じ試料の、癌中心部から得た組織と正常部から得た組織のイメージを比較した。腫瘍中心部より得た組織切片のエルロチニブイメージング結果(図6(a))と正常組織におけるエルロチニブイメージング結果(図6(b))のいずれの試料からもエルロチニブ由来のシグナルが得られているが、シグナル強度を抽出し半定量解析を行うと、腫瘍中心では正常部位に比べ約6倍程度シグナル強度が高くなっていることが分かる。シグナル強度から、半定量的な薬剤の濃度を見積もることができることが分かる。

Claims (8)

  1. 生体試料中に微量に含まれる薬剤を調べるために、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法による質量分析用の試料を調整するための方法であって、薬剤を含有する生体試料上に、マトリックスを蒸着させることにより、生体試料表面上にマトリックスの微結晶を形成させる段階、及び、この生体試料上に更にマトリックス溶液を分注して又はスプレー噴霧して、この微結晶上にマトリックス結晶を成長させる段階から成る質量分析用試料調整方法。
  2. 前記生体試料が、厚さが1〜20μmの切片である請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体試料が導電性支持体上に固定されている請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記薬剤が有機化合物又はペプチド若しくは蛋白質から成る請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 次の(a)及び(b)の段階から成る生体試料中に微量に含まれる薬剤の検出方法。
    (a)請求項1〜4のいずれか一項に記載の質量分析用試料調整方法を行う段階、及び
    (b)前記生体試料表面上に存在する前記薬剤を、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法により質量分析する段階
  6. 更に、前記質量分析の結果から前記生体試料中の前記薬剤の分布を調べる段階を含む請求項5に記載の方法。
  7. 更に、前記質量分析の結果から前記生体試料中の前記薬剤を定量する段階を含む請求項5に記載の方法。
  8. 生体試料中に微量に含まれる薬剤を調べるために、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法による質量分析用の生体試料を調整するための装置であって、該試料を固定するための導電性支持体、該試料上にマトリックス粉末を蒸着させるための蒸着装置、及び該試料上にマトリックス溶液を噴霧するためのスプレー装置、又は該試料上にマトリックス溶液を分注するための分注装置を備え、更に、該試料上にマトリックス粉末を蒸着させた後に、マトリックス粉末が蒸着された該試料の領域に、マトリックス溶液を分注する又はスプレー噴霧するように該支持体、蒸着装置、該スプレー装置及び該分注装置の少なくとも一つを移動させる移動制御装置を備えた質量分析用試料調整装置。
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