JP6179607B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射された遊技球が案内される遊技領域において、当該遊技球が入球可能な各種入球手段が設けられている。これら入球手段には、それぞれ遊技球の入球を検出する入球検出スイッチが設けられている。そして、入球検出スイッチから出力される検出信号が主制御装置に入力されると、主制御装置は、これらの検出信号に基づいて遊技に関する各種制御を行うこととなる例えば、特許文献1参照)。
特開2000−107396号公報
しかしながら故意に入球検出スイッチを誤作動させる不正行為行われるおそれがあった
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して抽選を行う抽選手段と、
可動部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な動作状態と、遊技球が入球不能な非動作状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を検出可能な入球検出手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に実行される特定遊技状態において、前記当選結果に応じて前記可動部材を、少なくとも1種類の前記動作状態を含む駆動パターンで駆動可能な駆動制御手段と、
前記入球検出手段により検出された遊技球の入球数を計数する入球計数手段と、
前記入球計数手段により計数された入球数が所定の判定値以上か否かを判定し、前記判定値以上の場合には異常有りの判定を行う異常判定手段と、
前記可動部材の動作状態に応じた設定値を記憶する設定値記憶手段と、を備え、
前記異常判定手段は、前記特定遊技状態中に前記駆動制御手段によって実行され前記可動部材の動作回数に、前記設定値記憶手段に記憶された前記設定値を乗算して得られる前記判定値を基に前記特定遊技状態の終了後に異常判定を行うものであることをその要旨としている。
本発明の遊技機によれば、不正行為の抑制を図ることができるという優れた効果を奏する。
一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 入賞口スイッチと主制御装置との電気的接続構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 スイッチ読込み処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 大当たり判定処理を示すフローチャートである。 (a)は第2モード判定処理を示すフローチャートであり、(b)は第1モード判定処理を示すフローチャートである。 リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 第1表示制御処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 判別情報設定処理を示すフローチャートである。 (a),(b)は各種テーブル構成を示す説明図である。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 第2表示制御処理を示すフローチャートである。 契機対応ユニット制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 コマンドを説明するための説明図である。 装飾図柄表示装置の表示部における図柄の変動表示態様の一例を示す模式図である。 (a)は、入賞口スイッチからの出力信号を説明するためのタイミングチャートであり、(b)は、CPUへの入力信号を説明するためのタイミングチャートである。 各種当たり種別の構成の違いを説明するための説明図である。 各種開放種別の構成の違いを説明するための説明図である。 (a)は、近接スイッチにおける磁界等の変化を説明するための図であり、(b)は、近接スイッチからの出力信号を説明するためのタイミングチャートである。 (a)は、不正行為時における近接スイッチ(入球検出スイッチ)の磁界等の変化を説明するための図であり、(b)は、その際の近接スイッチからの出力信号を説明するためのタイミングチャートである。 別の実施形態に係る可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 別の実施形態に係るスイッチ読込み処理を示すフローチャートである。 別の実施形態に係るスイッチ読込み処理を示すフローチャートである。 異常判定処理等を説明するためのタイミングチャートである。
上述したように、遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射された遊技球が案内される遊技領域において、当該遊技球が入球可能な各種入球手段が設けられている。これら入球手段には、それぞれ遊技球の入球を検出する入球検出スイッチが設けられている。そして、入球検出スイッチから出力される検出信号が主制御装置に入力されると、主制御装置は、これらの検出信号に基づいて遊技に関する各種制御を行うこととなる。
例えば、所定の入球手段に遊技球が入球した場合には、主制御装置は、検出結果に応じた払出指令を払出制御装置に送信する。これにより、所定の入球手段に対応した所定数の賞球が遊技者に対し払出される。
また、始動用の入球手段に遊技球が入球した場合には大当たり状態を発生させるか否かの当落抽選を行い、当選結果が得られると遊技者に有利な大当たり状態が発生する。大当たり状態が発生すると、遊技者は、大当たり用の入球手段に遊技球を入球させることにより、多くの賞球を獲得することができる。
一般的な入球検出スイッチとしては、非接触式で耐久性などに優れた近接スイッチが数多く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
近接スイッチは、遊技球の通過に伴う磁束の変化を検出することにより当該遊技球の通過を検出する。
より詳しく説明すると、近接スイッチは、遊技球を通過させる通過孔と、その通過孔の回りに配設された検出コイルと、当該検出コイルに接続された高周波発振回路とを有している。そして、遊技球が通過孔を通過した場合には、電磁誘導作用によって、金属である遊技球内に誘導電流が流れる。この際の検出コイルのインダクタンスや損失の変化により、高周波発振回路では発振振幅や発振周波数等が変化する。これを検出回路により検出することにより、遊技球の通過を非接触で検出できる。検出回路により検出される信号は、コンパレータ等からなる出力回路を介して外部に出力される。
上記構成の下、遊技球が通過孔を通過してない通常時には、近接スイッチの出力端子からはローレベル信号が出力される一方、遊技球が通過孔を通過している際中にはハイレベル信号が出力される。主制御装置は、この信号レベルの変化を検知することにより、遊技球の通過があった旨を検出することができる。
例えば、近接スイッチの通過孔を遊技球が通過すると、図39(a)に示すように、遊技球の通過中(時間TS1〜TS2)は、高周波発振回路の発振振幅や発振周波数等が変化し、図39(b)に示すように、出力端子からの出力レベルがローレベル(L)からハイレベル(H)に切換わる。
しかしながら、このような近接スイッチを球検出スイッチとして用いた場合、外部からの電波の影響を受けて検出コイル周りの磁界が変化し、遊技球が通過していないにもかかわらず、遊技球が通過したと誤検知してしまうことがある。このため、電波を発信する機器を使用して、故意に近接スイッチを誤作動させる不正行為、いわゆる「電波ゴト」が行われるおそれがあった。
例えば、遊技球の入球を検出する近接スイッチ(入球検出スイッチ)に対しては、図40(a)に示すように、遊技球の通過中(時間TS1〜TS2)に、それよりも発信時間(時間TK1〜TK2)の短い電波を挿し込むことで、図40(b)に示すように、近接スイッチの出力レベルは、時間TK1〜TK2の間がローレベル(L)となる。つまり、遊技球の通過中(時間TS1〜TS2)に信号レベルが2度切換わることとなり、実際には入球手段へ入球した遊技球が1個であるにもかかわらず、2個分の入球があったと誤検知させることができる。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入球手段としての可変入賞装置32、始動入球手段としての始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
始動入賞ユニット33は、上入賞口33a(第1始動入球手段)及び下入賞口33b(第2始動入球手段)と、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a,224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態が付与される。
本実施形態では、大当たり種別として、「確変大当たり」、「通常大当たり」、「突確大当たり」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
図37,38に示すように、「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態においては、可変入賞装置32の開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の10個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作(以下、「長開放」という。)を1回の特賞状態として、これが最大で10回(10ラウンド)繰り返し行われる。
「突確大当たり」の大当たり状態においては、可変入賞装置32の開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の0.4秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の1個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作(以下、「短開放」という。)を1回の特賞状態として、これが最大で10回(10ラウンド)繰り返し行われる。
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが最大で10回繰り返し行われた後、さらに「長開放」を1回の特賞状態として、これが最大で9回繰り返し行われる。換言すれば、1ラウンド目に最大で10回の「短開放」が行われ、2ラウンド目〜10ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
上記のとおり、「確変大当たり」、「通常大当たり」及び「JUB大当たり」の大当たり状態においては「長開放」が行われるため、遊技球の大幅な増加が望めるのであるが、「突確大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」しか行われないため、大当たり状態中に獲得可能な遊技球の数が著しく少ない(遊技球の増加がほぼ望めない)ものとなる。
また、「確変大当たり」、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」が発生した場合には、大当たり状態の終了後に高確率状態(後述する確変モード等の高確率モード)が付与される。但し、「突確大当たり」の大当たり状態においては「短開放」しか行われないため、遊技者に対しては、大当たり状態とならずに突然、確変モードに移行したかのような意外性を与えることができる。一方、「通常大当たり」が発生した場合には、大当たり状態の終了後に低確率状態(後述する時間短縮モード等の低確率モード)が付与される。
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「突確大当たり」の大当たり状態と同様、「短開放」を1回の特賞状態として、これが最大で10回(10ラウンド)繰り返し行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される遊技モードは、小当たり状態発生前の元の遊技モードである。例えば、小当たり状態発生前の遊技モードが確変モードであれば、小当たり状態終了後にも確変モードが維持され、小当たり状態発生前の遊技モードが通常モードであれば、小当たり状態終了後にも通常モードが維持される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aに入球した場合と、下入賞口33bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。上入賞口33aへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、「通常大当たり」、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」のいずれかに振分けられ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」又は「通常大当たり」のどちらかに振分けられることとなる。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様(例えば、文字)により、大当たりか否かが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて、「−」→「7」→「3」→「2」→「1」→「0」→「−」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、「7」、「3」、「2」、「1」のいずれかが変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。但し、後述するように、遊技球が下入賞口33bへ入賞した場合には、「突確大当たり」及び「JUB大当たり」は発生しないため、第2特別表示装置43Rにおいて「2」、「1」が決定表示されることはない。
具体的に、「確変大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示され、「通常大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」が停止表示され、「突確大当たり」が付与される場合には第1特別表示装置43Lにおいて「2」が停止表示され、「JUB大当たり」が付与される場合には第1特別表示装置43Lにおいて「1」が停止表示される。
また、「小当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「0」が停止表示される。
また、第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。これに限らず、他の構成を採用してもよい。例えば第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合、他方には前回に停止表示された内容(例えば前回「1」が停止表示された場合には、当該「1」)をそのまま表示し、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ前回に停止表示された内容がそのまま表示されている構成としてもよい。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上入賞口33aへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化され、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下入賞口33bへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化される。但し、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40と、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御手段(制御手段)としての主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて「確変大当たり」又は「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」の場合、後述するように装飾図柄表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、「確変大当たり」又は「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される。勿論、「突確大当たり」となる場合と、「JUB大当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせが異なる構成としてもよい。また、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
加えて、変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、上述したとおり、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たりや小当たり等の特別遊技状態が発生した際には、遊技球が入賞可能な開状態とされる。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
ここで、各種入球検出スイッチの構成について説明する。本実施形態では、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225として、従来一般に使用される貫通型の近接スイッチを採用している。
貫通型の近接スイッチは、遊技球を通過させる通過孔を有している。その通過孔の回りには高周波発振回路に接続された検出コイルが配設されている。そして、遊技球が通過孔を通過した場合には、電磁誘導作用によって、金属である遊技球内に誘導電流が流れる。この際の検出コイルのインダクタンスや損失の変化により、高周波発振回路では発振振幅や発振周波数等が変化する。これを検出回路により検出することにより、遊技球の通過を非接触で検出できる。検出回路により検出される信号は、コンパレータ等からなる出力回路を介して外部に出力される。
次に上記入球検出スイッチと主制御装置261とに関わる電気的構成について、図8の模式的なブロック図に示す入賞口スイッチ221との関係を例にして説明する。但し、図8では、便宜上、両者を中継する第1盤面中継基板などは省略している。
上述したような貫通型の近接スイッチよりなる入賞口スイッチ221は、入力端子221a、出力端子221b及びアース端子221cを備えている。
入賞口スイッチ221の入力端子221aは、ケーブルコネクタや第1盤面中継基板などにより構成される所定の電気経路226を介して、主制御装置261の電源供給端子227に接続されている。これにより、入賞口スイッチ221には、後述する電源装置313によって生成される+12V電源が動作電源として供給される。
入賞口スイッチ221の出力端子221bは、ケーブルコネクタや第1盤面中継基板などにより構成される所定の電気経路228を介して、主制御装置261の反転回路229に接続されている。主制御装置261の反転回路229は、後述するCPU501に接続されている。これにより、入賞口スイッチ221からの出力信号は、主制御装置261の反転回路229にて論理反転されて、CPU501へ入力される。
入賞口スイッチ221のアース端子221cは、ケーブルコネクタや第1盤面中継基板などにより構成される所定の電気経路230を介して主制御装置261のグランドレベルに電気的に接続(接地)されている。図示は省略するが、CPU501(アース端子)も当然グランドレベルに接続されている。なお、ここでいうグランドレベルとは、主制御装置261において基準電位0Vのレベルとなる電気経路全般を指す。
上記構成により、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、出力端子221bから+12Vのハイレベル信号が出力される。一方、遊技球が通過孔を通過している際には、基準電位0Vのローレベル信号が出力される。従って、主制御装置261のCPU501には、反転回路229を介すことにより、通常時にはローレベル信号が入力され、遊技球の通過を検出した場合にはハイレベル信号が入力されることとなる。
なお、入賞口スイッチ221が通常時にハイレベル信号を出力し、遊技球検出時にローレベル信号を出力する構成とした理由は、主制御装置261のCPU501による誤検知を抑制するためである。
従来のように通常時にはローレベル信号を出力し、遊技球検出時にはハイレベル信号を出力する構成では、入賞口スイッチ221と主制御装置261との間の電気経路228にノイズが乗り、このノイズがあたかもハイレベル信号として主制御装置261に入力されてしまい、実際には入賞口スイッチ221ヘの遊技球の通過がないにもかかわらず、CPU501が遊技球の通過があったと誤認してしまうおそれがあった。ノイズの原因としては、各種電子機器により生じる静電気や、遊技者がパチンコ機10を揺らしたり叩いたりして生じる振動等が挙げられる。
さらには、例えば入賞口スイッチ221と主制御装置261とを接続するケーブルコネクタのコネクタを意図的に抜き差しすることや、予めコネクタの接続状態を緩めておき、パチンコ機10に振動を与えてコネクタの雄雌ピンを衝突させることによりハイレベル信号を生成するといった不正行為が行われるおそれもあるため、上記構成ではこれを抑制する効果もある。
なお、詳細は省略するが、他の入球検出スイッチ(カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225)と主制御装置261との関係についても、入賞口スイッチ221と同様の構成となっている。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図9に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する当否乱数生成手段としての大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する種別乱数生成手段としての大当たり種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(始動入賞ユニット33の開閉部材33cを開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選出にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち変動パターンが決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上入賞口33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下入賞口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(通常モードや時間短縮モード等の低確率モード)と、高確率状態(確変モード等の高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。すなわち、低確率状態においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、高確率状態においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。尚、本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが設けられている。本実施形態では、当否判定テーブルが2つ存在し、「7、307」を記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を記憶した第2当否判定テーブルとがある。
また、大当たり乱数カウンタC1の値は、「小当たり」を判定する場合にも使用され、「小当たり」となる乱数の値は1つで、その値は「150」となっている。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、「通常モード」、「確変モード」及び「時間短縮モード」の間で切替設定される。
「通常モード」とは、「確変モード」及び「時間短縮モード」ではない通常の状態をいう。従って、「通常モード」時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率(例えば1/300)となっている。つまり、本実施形態の「通常モード」は、後述する時間短縮状態及び高入球状態が付加されていない低確率モードである。
「確変モード」とは、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示されること(装飾図柄表示装置42において確変図柄が停止表示されること)によって「確変大当たり」になる、又は、第1特別表示装置43Lにおいて「2」若しくは「1」が停止表示されること(装飾図柄表示装置42においてチャンス図柄が停止表示されること)によって「突確大当たり」若しくは「JUB大当たり」になり、大当たり終了後の大当たり確率が「通常モード」時に比べアップした状態(例えば1/30)をいう。尚、「確変モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
さらに、本実施形態の「確変モード」においては、大当たり確率が高められるだけでなく、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示時間の短い時間短縮状態となる。また、「通常モード」時に比べ、当選1回あたりの始動入賞ユニット33(開閉部材33c)の開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、始動入賞ユニット33が開状態となっている時間帯が長くなるため、始動入賞ユニット33(下入賞口33b)に対して遊技球が頻繁に入球する高入球状態となり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。つまり、本実施形態の「確変モード」は、時間短縮状態及び高入球状態が付加された高確率モードである。
尚、「確変モード」において、普通図柄表示装置41における変動時間を短くしたり、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(開放抽選の当選確率)を「通常モード」時よりも高くして高入球状態とすることとしてもよい。
「時間短縮モード」とは、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって「通常大当たり」になり、大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる合計100回の変動表示にわたって設定される遊技モードである。「時間短縮モード」は、大当たり確率が「通常モード」時と同じ低確率であり、かつ、始動入賞ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が「通常モード」時の割合より高い遊技モードである。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて、上記「確変モード」と同様の状態となる。つまり、本実施形態の「時間短縮モード」は、時間短縮状態及び高入球状態が付加された低確率モードである。尚、「時間短縮モード」は、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて合計100回の変動表示が行われた後、「通常モード」に移行する。
大当たり種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、大当たり種別決定カウンタC2によって、大当たり種別、すなわち「確変大当たり」、「通常大当たり」、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
尚、ROM502には、大当たり種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される大当たり種別判定値記憶手段としての大当たり種別判定テーブルが設けられている。また、上記のように、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aへ入賞した場合と、下入賞口33bへ入賞した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なっている。すなわち、本実施形態では、大当たり種別判定テーブルが2つ存在し、遊技球が上入賞口33aへ入賞した場合に参酌される第1大当たり種別判定テーブルと、遊技球が上入賞口33aへ入賞した場合に参酌される第2大当たり種別判定テーブルとがある。
具体的には、遊技球が上入賞口33aへ入賞した場合、大当たり種別決定カウンタC2の値が「0〜5」であれば「確変大当たり」の付与が決定され、「6,7」であれば「突確大当たり」の付与が決定され、「8〜11」であれば「JUB大当たり」の付与が決定され、「12〜19」であれば「通常大当たり」の付与が決定される。すなわち、上入賞口33aへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、30%の確率で「確変大当たり」となり、10%の確率で「突確大当たり」となり、20%の確率で「JUB大当たり」となり、40%の確率で「通常大当たり」となる。
一方、遊技球が下入賞口33bへ入賞した場合、大当たり種別決定カウンタC2の値が「0〜11」であれば「確変大当たり」の付与が決定され、「12〜19」であれば「通常大当たり」の付与が決定される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、60%の確率で「確変大当たり」となり、40%の確率で「通常大当たり」となる。上述した通り、遊技球が下入賞口33bへ入賞した場合には、「突確大当たり」及び「JUB大当たり」は発生しない。
尚、大当たり種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり種別決定カウンタC2の値が大当たり種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、大当たり種別決定カウンタバッファに格納されている大当たり種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図9中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は6つあり、その範囲は「3〜8」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が所定時間の間、開状態となる。
尚、本実施形態では、普通図柄表示装置41にて当選に対応する図柄が停止表示される確率、すなわち、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選の当選確率はいずれのモードでも共通である。但し、上述したように「確変モード」及び「時間短縮モード」の場合には、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が、「通常モード」の場合に比べて短縮されている。勿論、上述したように遊技モードに応じて開放抽選の当選確率を変化させてもよい。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図12は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図12において、先ずステップS301では、各種入球検出スイッチの読み込み処理を実行する。詳しくは後述するが、ここでは主制御装置261に接続されている各種入球検出スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599,19,238,9)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS301のスイッチ読み込み処理について詳しく説明する。なお、このスイッチ読み込み処理では、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225)を個々に監視して、個別に同様の処理が行われる。従って、ここでは入賞口スイッチ221に係るスイッチ読み込み処理を一例に図13を参照して詳しく説明するが、他の入球検出スイッチに関しても図13に示す処理と同様の処理が行われる。ステップS301のスイッチ読み込み処理の機能が本実施形態における入球判定手段を構成する。
先ずステップS3101では、入賞口スイッチ221からの入力信号の信号レベルをチェックする。この処理の機能が本実施形態における信号監視手段を構成する。
例えば遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力され〔図36(a)のタイミングt1参照〕、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が入力される〔図36(b)のタイミングt1参照〕。図36(a)は、入賞口スイッチ221からの出力信号を説明するためのタイミングチャートであり、図36(b)は、CPU501への入力信号を説明するためのタイミングチャートである。
一方、一般入賞口31へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221からローレベル信号(L)が出力され〔図36(a)のタイミングt2,t3参照〕、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501にハイレベル信号(H)が入力される〔図36(b)のタイミングt2,t3参照〕。
続くステップS3102では、ステップS3101にてチェックした信号レベルを、RAM503の作業エリアに設けられた入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファに記憶する。
なお、信号レベルバッファは、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225)に対応して設けられており、各入球検出スイッチ毎の信号レベルがそれぞれ記憶される。信号レベルバッファが本実施形態におけるレベル記憶手段に相当する。
信号レベルバッファは、リングバッファにより構成されている。リングバッファとは、概念上、バッファ領域内の先頭アドレスと最終アドレスとがリング状に?がり、ライトポインタとリードポインタの2つのアドレスポインタを用いて先頭アドレスから順に書き込んで行き、最終アドレスまで到達すると再び先頭アドレスに戻って書き込めるように制御されるバッファである。そして、ライトポインタの示す所定アドレス位置にデータの書込みが行われた後、当該ライトポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。同様に、リードポインタの示す所定アドレス位置からデータの読出しが行われた後、当該リードポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。
また、本実施形態の各信号レベルバッファを構成するリングバッファには、最も新しい過去200msec分すなわち100周期分のデータが記憶されるとともに、これを越えた古いデータから順に消去される構成となっている。また、リードポインタの位置は最新のデータの記憶された所定アドレス位置を示すようになっており、後述するように当該リードポインタの位置を基準に過去複数回分のデータが読み出される構成となっている。
ステップS3102の説明に戻り、入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファには、2msec周期で信号レベルをチェックする毎に、当該信号レベルに対応した論理値が順にライトポインタの示す所定アドレス位置に書き込まれていく。ここで、CPU501への入力信号の信号レベルが「H(ハイ)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「1」が記憶され、信号レベルが「L(ロー)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「0」が記憶される。
その後、ステップS3103において、一般入賞口31へ遊技球の入球の有無を判定するための前処理である演算処理を行う。
より詳しくは、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転された最先のデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。この処理の機能が本実施形態における論理反転手段や論理積算出手段を構成する。
例えば、図36(b)に示すように、タイミングt1,t2,t3において記憶された信号レベルの論理値が「0」,「1」,「1」である場合、最先のデータの論理反転処理を行うと、最先のデータは「1」となる。従って、このデータと他の2回分のデータの論理積は「1」となる。
続くステップS3104では、ステップS3103にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わったことを意味するため、これをもって一般入賞口31への入球有りと判断し、ステップS3105において入賞口スイッチ221(一般入賞口31)用の入球判別フラグの値に「1」を設定し、本処理を終了する。なお、入球判別フラグは、入球の有無を判別するための判別子であり、各入球検出スイッチに対応してそれぞれ設けられている。そして、ステップS304の始動入賞処理や、ステップS305のスルーゲート通過処理では、これを基に入球の有無を判断している。
一方、論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままか若しくは「H」のまま切り替わらなかった、又は信号レベルが「H」から「L」に切り替わったこと等を意味するため、これをもって一般入賞口31への入球無しと判断し、ステップS3106において入賞口スイッチ221用の入球判別フラグの値に「0」を設定し、本処理を終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図15のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する大当たり乱数記憶エリア、大当たり種別決定カウンタC2の値を記憶する大当たり種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、大当たり乱数記憶エリアは、2バイトを使用して大当たり乱数カウンタC1の値を記憶している。また、大当たり種別乱数記憶エリア及びリーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、大当たり種別決定カウンタC2の値、及び変動選択カウンタC3の値を記憶している。
先ず、ステップS501では、遊技球が下入賞口33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bに対応する上記入球判別フラグの値に基づき判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS502で否定判別された場合には、ステップS509へ移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する第2モード判定処理を行う。尚、第2モード判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。ステップS507の後、ステップS509へ移行する。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の大当たり判定処理の詳細について、図16を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応する値(第1当否判定テーブルに記憶された値)「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。尚、図16では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、大当たり乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合、すなわち大当たり状態が発生すると判別された場合には、ステップS5102において大当たり当選フラグをオンにした後、ステップS5105へ移行する。
一方、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、後述する高確率状態フラグがオンであるか否かを判別し、高確率状態(確変モード等の高確率モード)であるか否かを判別する。
ステップS5103で肯定判別された場合、すなわち高確率状態である場合には、ステップS5104において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が(第2当否判定テーブルに記憶された値)「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5104で肯定判別された場合、すなわち高確率状態においては大当たり状態が発生すると判別された場合には、ステップS5102において大当たり当選フラグをオンにした後、ステップS5105へ移行する。
ステップS5103、又はステップS5104で否定判別された場合、すなわち「外れ」である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS5105では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりに対応する値「150」と一致するか否かを判別する。
ステップS5105で肯定判別された場合、すなわち小当たり状態が発生すると判別された場合には、ステップS5106において小当たり当選フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5105で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、ステップS506の第2モード判定処理について、図17(a)を参照して説明する。
先ず、ステップS5201では、直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された場合には、ステップS5202において、第2大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値が、「通常大当たり」に対応する値「12〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5202で否定判別された場合、すなわち大当たり種別決定カウンタC2の値が「確変大当たり」に対応する値「0〜11」のいずれかであった場合には、ステップS5203において確変フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5204において通常フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図18を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、当選フラグ(大当たり当選フラグ又は小当たり当選フラグ)が設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち大当たり状態が発生しない場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図15の説明に戻り、ステップS507の処理の後、又は、ステップS501で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が上入賞口33aに入賞したか否かを第1始動入賞ユニットスイッチ224aに対応する上記入球判別フラグの値に基づき判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。尚、ステップS513の大当たり判定処理は、上記ステップS505の大当たり判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上入賞口33aへの入球に基づくものであるといった点だけが異なる。このため、便宜上、詳細な説明は省略する。
続くステップS514では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する第1モード判定処理を行う。尚、第1モード判定処理の詳細については後述する。
続くステップS515では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。ステップS515の後、本処理を終了する。尚、ステップS515のリーチ判定処理は、上記ステップS507のリーチ判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上入賞口33aへの球に基づくものであるといった点が異なる。このため、便宜上、詳細な説明は省略する。
次に、ステップS514の第1モード判定処理について、図17(b)を参照して説明する。
先ず、ステップS5401では、直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で肯定判別された場合には、ステップS5402において、第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタC2の値が、「通常大当たり」に対応する値「12〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において通常フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、大当たり種別決定カウンタC2の値が「JUB大当たり」に対応する値「8〜11」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405でJUBフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5404で否定判別された場合には、ステップS5406において、第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、大当たり種別決定カウンタC2の値が「突確大当たり」に対応する値「6,7」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5406で肯定判別された場合には、ステップS5407で突確フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5406で否定判別された場合には、ステップS5408で確変フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、ステップS506の第2モード判定処理や、ステップS514の第1モード判定処理などにより、本実施形態におけるモード決定手段が構成される。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図14は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図14のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。RAM503のバックアップエリア503aが、本実施形態におけるバックアップ記憶手段を構成する。
ステップS112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。なお、初期化コマンドを受信したサブ制御装置262は、後述するように自身の初期化処理を実行し、遊技モードを初期設定である通常モードに設定する。つまり、当該初期化コマンドは、初期設定の遊技モードとして設定すべき通常モードを判別可能なコマンドに相当する。
その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。RAMの初期化処理(ステップS113等)が、本実施形態における初期化手段を構成する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を電源断時の遊技状態に復帰させる復帰コマンドを送信する。尚、サブ制御装置262に送信する復帰コマンドには、RAM503に記憶された電源断時の遊技モードに係るモード情報が含まれる。つまり、電源断時の遊技モード(「通常モード」、「確変モード」又は「時間短縮モード」)を判別可能なコマンドに相当する。ここでいうモード情報は、後述する変動パターンコマンドに含まれるモード情報とは厳密に一致するものでなくともよく、サブ制御装置262が遊技モードを判別可能なものであればよい。
ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図11のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。以下により詳しい具体例をいくつか挙げる。
例えば、上記各種入球判別フラグを参酌して、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判別し、入賞有りの場合には当該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。そして、当該コマンドの送信後において、対応する入球判別フラグの値を「0」に戻す。
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し当該コマンドを出力する。
また、外部出力処理では後述する大当たり中フラグなど各種判別情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
例えば、入球エラーが検出された場合には、外部中継端子板240の所定の端子を介して、遊技ホールのホールコンピュータへオン信号(パルス信号)が出力され、入球エラーがない場合には、オフ信号が出力される。
また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、図34に示すように、例えば「通常モード」時には、「FF08」,「FF09」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」,「FF17」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。同様に「確変モード」時には、「FD07」,「FD08」,「FD09」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」,「FD17」が設定される。「時間短縮モード」時には、「FE07」,「FE08」,「FE09」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」,「FE17」が設定される。
一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する変動パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには「通常モード」時には「FF11」が設定され、「確変モード」時には「FD11」が設定され、「時間短縮モード」時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は「通常モード」時で「20秒」、「確変モード」時で「8秒」、「時間短縮モード」時で「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには「通常モード」時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、「確変モード」時及び「時間短縮モード」時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に「通常モード」時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば「通常モード」時で「FF12」、「確変モード」時で「FD12」、「時間短縮モード」時で「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば「通常モード」時で「FF13」、「確変モード」時で「FD13」、「時間短縮モード」時で「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば「通常モード」時で「FF14」、「確変モード」時で「FD14」、「時間短縮モード」時で「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには「通常モード」時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、「確変モード」時及び「時間短縮モード」時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に「通常モード」時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば「通常モード」時で「FF15」、「確変モード」時で「FD15」、「時間短縮モード」時で「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「通常モード」時で「FF16」、「確変モード」時で「FD16」、「時間短縮モード」時で「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドは、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値と、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値との合計値(合計保留数)の違いに応じて複数設定されている。本実施形態では、10秒、5秒、3秒パターンの3種類(「完全外れ(10s)」,「完全外れ(5s)」,「完全外れ(3s)」)が用意されている。但し、「完全外れ(3s)」パターンは、「確変モード」時又は「時間短縮モード」時にのみ出力され得るものである。
詳しくは、「通常モード」時で合計保留数が「0」〜「2」の場合には、「完全外れ(10s)」に対応する「FF09」が変動パターンコマンドに設定され、「通常モード」時で合計保留数が「3」以上の場合には、「完全外れ(5s)」に対応する「FF08」が設定される。
「確変モード」時で合計保留数が「0」の場合には、「完全外れ(10s)」に対応する「FD09」が変動パターンコマンドに設定され、「確変モード」時で合計保留数が「1」〜「3」の場合には、「完全外れ(5s)」に対応する「FD08」が設定され、「確変モード」時で合計保留数が「4」以上の場合には、「完全外れ(3s)」に対応する「FD07」が設定される。
「時間短縮モード」時で合計保留数が「0」の場合には、「完全外れ(10s)」に対応する「FE09」が変動パターンコマンドに設定され、「時間短縮モード」時で合計保留数が「1」〜「3」の場合には、「完全外れ(5s)」に対応する「FE08」が設定され、「時間短縮モード」時で合計保留数が「4」以上の場合には、「完全外れ(3s)」に対応する「FE07」が設定される。
さらに、上記のように、本実施形態では、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」となる場合には、装飾図柄表示装置42にてリーチ状態が発生することなく、上・中・下図柄表示領域に「3」・「4」・「1」の図柄(チャンス図柄)が停止表示される。また、「小当たり」となる場合も同様、装飾図柄表示装置42にてリーチ状態が発生することなく、上・中・下図柄表示領域に前記チャンス図柄が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「突確大当たり」又は「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。そして、本実施形態では、「突確大当たり」、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンコマンドには「通常モード」時で「FF17」が変動パターンコマンドに設定され、確変モード時で「FD17」、時間短縮モード時「FE17」が設定される。
上記のように変動パターンコマンドは、2バイト構成からなっている。2バイト構成からなるコマンドのうち、1バイト目(上位バイト)は、その時点の遊技モードを判別可能なモード情報によって構成されている。より詳しくは、「FF」が「通常モード」を示すモード情報に相当し、「FD」が「確変モード」を示すモード情報に相当し、「FE」が「時間短縮モード」を示すモード情報に相当する。
また、2バイト目(下位バイト)は、ノーマルリーチ等の演出に係る時間情報及び変動パターンを示唆する、より具体的な指示内容に該当するパターン情報によって構成されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」,「A6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
図11の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか当該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態や小当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33においてどのような制御を行うか当該始動入賞ユニット33の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
図20において、ステップS801では、詳しくは後述する各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判別する。尚、当たり状態(大当たり状態及び小当たり状態)中には、当たり状態の最中と当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。ここで言う当たり状態終了後の所定時間とは、当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、装飾図柄表示装置42にて当たり状態の終了や当たり後に付与される各種モードを示す表示などが行われる。また、特別表示装置43L、43R、及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32(大入賞口)が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は装飾図柄表示装置42にて当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても当たり中に含まれる。
ステップS801で肯定判別された場合、すなわち当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で否定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップS920参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップS814参照)にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、第2保留ランプ46bを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行ってから、ステップS807に移行する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、第1保留ランプ46aを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行ってから、ステップS807に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS807では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図21を参照して説明する。
先ずステップS901では、上記小当たり当選フラグがオンであるか否かを判別することで、変動表示が小当たりに対応するものであるか否かを判別する。
ここで小当たりに対応するものであると判断された場合にはステップS910へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合には、ステップS902へ移行する。
ステップS902では、上記大当たり当選フラグがオンであるか否かを判別することで、変動表示が大当たりに対応するものであるか否かを判別する。
ここで大当たりに対応するものであると判断された場合にはステップS903へ移行する。一方、大当たりでも小当たりでもないと判断された場合、すなわち外れである場合には、ステップS912へ移行する。
ステップS903では、確変フラグがオンであるか否かを判別することで、変動表示が「確変大当たり」に対応したものであるか否かを判別する。
ステップS903で肯定判別された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、ステップS904にて「確変大当たり」に対応する変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS920へ移行する。
ステップS903で否定判別された場合には、ステップS906に移行し、通常フラグがオンであるか否かを判別することで、変動表示が「通常大当たり」に対応したものであるか否かを判別する。当該ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップS907にて「通常大当たり」に対応する変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS920へ移行する。
尚、ステップS904,ステップS907では、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。
ここで、当たり時の第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図23(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS906で否定判別された場合には、ステップS909に移行し、突確フラグ又はJUBフラグがオンであるか否かを判別することで、変動表示が「突確大当たり」又は「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判別する。当該ステップS909で肯定判別された場合、すなわち「突確大当たり」又は「JUB大当たり」である場合には、ステップS910へ移行する。
ステップS910においては、「突確大当たり」及び「JUB大当たり」並びに「小当たり」に対応する変動パターン(チャンス変動パターン)を決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS911にてチャンス図柄(本実施形態では「A6」)を図柄コマンドに設定して、ステップS920へ移行する。尚、上記のように、「突確大当たり」及び「JUB大当たり」並びに「小当たり」に対応する変動パターンコマンドには、遊技状態に応じて、「通常モード」時には「FF17」、「確変モード」時には「FD17」、「時間短縮モード」時には「FE17」が設定される。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップS912において、前後フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS912で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS913にて「前後外れリーチ」に対応する変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後フラグをオフする。その後、ステップS914にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS920へ移行する。
一方、ステップ912で否定判別された場合、ステップS915において、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS915で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS916にて「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後以外フラグをオフする。その後、ステップS917にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS920へ移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS918にて外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS919にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS920へ移行する。
尚、上記ステップS913,ステップS916,ステップS918で「外れ」時の変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904やステップS907等と同様である。
ここで、リーチ状態が発生する「外れ」時の第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば「通常モード」中の前後外れリーチ時においては、図23(b)に示すような「通常モード」中の前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、「通常モード」時で合計保留数が「0」〜「2」の場合には、「完全外れ(10s)」に対応する「FF09」が変動パターンコマンドに設定され、「通常モード」時で合計保留数が「3」以上の場合には、「完全外れ(5s)」に対応する「FF08」が設定される。
また、ステップS914,ステップS917,ステップS919における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905、ステップS908等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS920では、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。特別表示装置43L、43Rは上述したような7セグメント表示装置であり、表示されている文字が「−」であれば「7」、「7」であれば「3」、「3」であれば「2」、「2」であれば「1」、「1」であれば「0」、「0」であれば「−」へ(但し、第2特別表示装置42Rに関しては「2」,「1」が表示されることはなく、表示されている文字が「3」であれば「0」へ)切替表示を行う。そして、ステップS920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図20の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在表示されている文字が「−」であれば「7」、「7」であれば「3」、「3」であれば「2」、「2」であれば「1」、「1」であれば「0」、「0」であれば「−」(但し、第2特別表示装置43Rに関しては「3」であれば「0」)への切替えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、「確変モード」への移行を伴う「確変大当たり」である場合には「7」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、「時間短縮モード」への移行を伴う「通常大当たり」である場合には「3」を停止表示させ、「確変モード」への移行を伴う「突確大当たり」である場合には「2」を停止表示させ、「確変モード」への移行を伴う「JUB大当たり」である場合には「1」を停止表示させ、「小当たり」である場合には「0」を停止表示させ、外れである場合には「−」を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いて、ステップS816において判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図22を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグを参酌し、停止表示が大当たり又は小当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たり又は小当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、当たり設定を行う。具体的には、大当たり中フラグ、小当たり中フラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、開放数カウンタ及び入賞カウンタ等の設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たり中フラグとは、大当たり状態中か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
小当たり中フラグとは、小当たり状態中か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり中フラグと同様、小当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
第1可変フラグとは、可変入賞装置32(大入賞口)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間(特賞状態の発生時間)や各特賞状態間のインターバル等を計測するための計測手段であり、開閉部材32aの開放開始又は開放終了から規定時間が経過したか否かを判別する際等に参酌される。本実施形態におけるステップS1002の当たり設定処理では、第1可変タイマに対して「7500」又は「100」が値として設定される。これにより、開閉部材32aの1開閉動作あたりの最大開放時間(規定時間)が「30秒」又は「0.4秒」に設定されることとなる。本実施形態では、上記「長開放」の場合には、第1可変タイマに「7500」が設定され、上記「短開放」の場合には、第1可変タイマに「100」が設定される。
開放数カウンタとは、大当たり状態中又は小当たり状態中に実行される特賞状態の発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理(「長開放」又は「短開放」)の実行回数を判別するための判別情報であり、本実施形態におけるステップS1002の当たり設定処理では10回を示す「10」がカウンタ値として設定される。
入賞カウンタとは、可変入賞装置32へ入球した遊技球の数を計数する入球計数手段である。本実施形態では、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図12参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223に対応する入球判別フラグの値に基づき判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると、入賞カウンタVxの値が1加算される。
また、ステップS1002の当たり設定処理では、開閉部材32aの1開閉動作(一回の特賞状態)あたりの可変入賞装置32への最大入球予定数である規定個数K1の設定を行う。規定個数K1は、上述したとおり、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば規定個数K1として「10」、「短開放」であれば規定個数K1として「1」が設定される。なお、開放種別と最大入球予定数(規定個数K1)との対応関係を定めた入球予定数判定テーブル(図38参照)はROM502に記憶されており、かかる設定処理を行う際に参酌される。
さて、ステップS1001において、大当たり又は小当たりに対応しない、すなわち上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグがオフであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように「通常大当たり」終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、「通常大当たり」の終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをオフする処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをオフする処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。かかる可変入賞装置制御処理の機能が本実施形態における開閉制御手段を構成する。
まずステップS1201において大当たり中フラグ又は小当たり中フラグがオンであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、本処理をそのまま終了する。
ステップS1202で肯定判別された場合には、続くステップS1202において、上記第1可変タイマのカウント値を1減算する。
続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合、すなわち可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち開閉部材32aの1開閉動作(「長開放」又は「短開放」)あたりの開放時間(規定時間「30秒」又は「0.4秒」)が残されているか否かを判別する。
ステップS1204にて否定判別された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタVxの値が規定個数K1以上であるか否か、すなわち1回の特賞状態で可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が最大入球予定数(規定個数「10個」又は「1個」)に達したか否かを判別する。ステップS1205にて否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(特賞状態終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判別された場合には、ステップS1206に進み、第1可変タイマ及び判定値K2の設定処理を行う。
ここで、第1可変タイマには、特賞状態の終了から所定時間が経過したか否か(例えば大当たりや小当たりの終了から所定時間が経過したか否か、所定の特賞状態の終了から次の特賞状態が開始されるまでのインターバルが経過したか否か等)を判別するため、本実施形態では「3秒」に相当する値「750」がセットされる。
また、判定値K2は、一回の特賞状態(特賞状態終了後の上記所定時間を含む)で可変入賞装置32へ入球した遊技球の数が適正であるか否かを判定するための値である。なお、判定値K2は、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば判定値K2として「13」、「短開放」であれば判定値K2として「3」が設定される。なお、開放種別と判定値K2との対応関係を定めた判定値記憶手段としての判定値判定テーブル(図38参照)はROM502に記憶されており、かかる設定処理を行う際に参酌される。
その後、ステップS1207に進み、開放数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち特賞状態(「長開放」又は「短開放」)の実行回数が規定回数の10回に達したか否かを判別する。
ステップS1207で肯定判別された場合には、ステップS1208においてJUBフラグがオンであるか否かを判別することで、当該可変入賞装置制御処理が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判別する。
ステップS1208で肯定判別された場合には、ステップS1209において設定変更処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1209の設定変更処理では、1回の特賞状態に係る規定個数K1を「短開放」に対応する「1」から「長開放」に対応する「10」に変更する。また、開放数カウンタの値を「9」に設定する。これにより、「JUB大当たり」の場合には、上述したように、1ラウンド目に最大で10回の「短開放」が行われ、2ラウンド目〜10ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
一方、ステップS1208で否定判別された場合には、ステップS1210において開放終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1210の終了設定処理では、第1可変フラグをオフするとともに、当たり終了フラグをオンする。
ステップS1207で否定判別された場合、すなわち特賞状態(「長開放」又は「短開放」)の実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップS1211において、特賞送り処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1211の特賞送り処理では、開放数カウンタの値を1減算すると共に、第1可変フラグをオフにする。これにより、特賞状態の実行回数が最大で上記規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われることとなる。
さて、上記ステップS1203にて否定判別された場合、すなわち特賞状態終了後の所定時間内(当たり終了後の所定時間内、又は、特賞状態間のインターバル中)である場合には、ステップS1212に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1212にて肯定判別された場合、すなわち特賞状態の終了から所定時間が経過し、次の過程(次の特賞状態の開始、又は、通常遊技の開始)へ移行するタイミングに至った場合には、ステップS1213へ移行する。一方、ステップS1212にて否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS1213では、入賞カウンタVxの値が判定値K2以上であるか否か、すなわち1回の特賞状態でカウントスイッチ223により検出された遊技球の球数が異常個数(「13個」又は「3個」)に達したか否かを判別する。ステップS1213に係る処理機能が本実施形態における異常判定手段を構成する。
ステップS1213にて肯定判別された場合には、ステップS1214にて異常報知設定処理を行った後、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1213にて否定判別された場合には、ステップS1215へ移行する。
ステップS1214の異常報知設定処理では、異常有り(入球エラー)を報知するための設定処理(報知処理)が行われる。例えば、本実施形態では、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドをサブ制御装置262へ出力するための設定や、遊技ホールのホールコンピュータへエラー信号を出力するための設定などが行なわれる。これに基づき、上述した通常処理の外部出力処理において、サブ制御装置262に対し当該コマンドが出力され、サブ制御装置262によってエラー表示ランプ104の点滅制御が行われる。このエラー表示ランプ104や、入球エラー信号を出力する外部中継端子板240などが本実施形態における報知手段を構成する。
ステップS1215では、上記当たり終了フラグを参酌して、大当たり状態又は小当たり状態を終了するか否かを判別する。
ステップS1215で肯定判別された場合には、ステップS1216において当たり終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
一方、ステップS1215で否定判別された場合には、ステップS1217において特賞状態開始処理を行った後、本処理を終了する。
ステップS1216の当たり終了設定処理では、大当たり中フラグ又は小当たり中フラグをオフするとともに、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理、モード切換コマンドの設定処理などが行われる。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、上述した「確変フラグ」、「通常フラグ」、「突確フラグ」及び「JUBフラグ」に基づいて、高確率状態フラグの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に確変モードが設定される場合(「確変フラグ」、「突確フラグ」、又は「JUBフラグ」がオン)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、「時間短縮モード」が設定される場合(「通常フラグ」がオン)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、上述した「確変フラグ」、「通常フラグ」、「突確フラグ」及び「JUBフラグ」に基づいて、時間短縮状態フラグの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に時間短縮状態が設定される場合(「確変フラグ」、「通常フラグ」、「突確フラグ」又は「JUBフラグ」がオン)には、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、上述した「確変フラグ」、「通常フラグ」、「突確フラグ」及び「JUBフラグ」に基づいて、高入球状態フラグの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高入球状態が設定される場合(「確変フラグ」、「通常フラグ」、「突確フラグ」又は「JUBフラグ」がオン)には、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
本実施形態における主制御装置261によるモード判別は、上述した高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合わせにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、「確変モード」と判別される。また、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオフ状態(フラグ値「0」)であれば、「通常モード」と判別される。また、高確率状態フラグのみがオフで、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグがオンであれば、「時間短縮モード」と判別される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様に「確変フラグ」等に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
尚、「確変フラグ」、「通常フラグ」、「突確フラグ」、「JUBフラグ」に関しては、上記高確率状態フラグの設定処理等の後、オフされる。
モード切換コマンドとは、遊技モード(「通常モード」、「確変モード」又は「時間短縮モード」)の切換えをサブ制御装置262に対し指示するためのコマンドである。当該コマンドには、上記モード判別により把握された新たな遊技モードに係るモード情報が含まれる。後述するように、これを受信したサブ制御装置262は、自身の把握している遊技モードを新たな遊技モードに切換える。また、モード切換コマンドを省略し、これに代えて、例えば大当たり状態の終了を告げるエンディングコマンド等にモード情報が含まれる構成としてもよい。
ステップS1217の特賞状態開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対し上記開放種別に応じた開放時間(「7500」又は「100」)を設定し、さらに入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図25のフローチャートを参照して説明する。
図25において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、「通常モード」においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間は2秒であるため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、「確変モード」及び「時間短縮モード」においては、第2表示タイマに「100」が設定される。当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、始動入賞ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第2可変タイマとは、始動入賞ユニット33の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。尚、本実施形態では、高入球状態(「確変モード」及び「時間短縮モード」)と低入球状態(「通常モード」)とで始動入賞ユニット33の開放時間が異なり、高入球状態においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、低入球状態においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第2可変フラグがオンではない(始動入賞ユニット33が閉状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は始動入賞ユニット33が開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、始動入賞ユニット33に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が閉状態となる(開閉部材33cが閉状態とされ、下入賞口33bへの遊技球の入球が不可能となる)。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図27を参照して受信割込み処理を説明し、その後図28を参照してメイン処理を説明する。
図27は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図29に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図28を参照して説明する。図28は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図29のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図30を参照して以下に説明する。
図30は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図27参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図29のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図31を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、コマンド判定処理を行う。ここでは、まず受信したコマンドをRAM553のコマンドバッファから読み出す。続いて、当該コマンドが初期化コマンド、復帰コマンド、変動パターンコマンド又はモード切換コマンドのいずれであるかが判別される。
ここで、主制御装置261から送信されたコマンドが初期化コマンドであれば、電源投入時に主制御装置261からRAM553の初期化が指示されていることになるので、RAM553をクリアし、RAM553の初期値を設定する。これにより、RAM553のモード情報格納エリアには、初期設定である「通常モード」に対応するモード情報(例えば「FF」)が記憶される。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが復帰コマンドであれば、主制御装置261が電源遮断前の状態に復帰するので、バックアップ機能を持たないサブ制御装置262は、当該復帰コマンドに含まれるモード情報(例えば「確変モード」に対応するモード情報「FD」)を読み出し、RAM553のモード情報格納エリアに記憶する。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであれば、当該変動パターンコマンドに含まれるモード情報(例えば「確変モード」に対応するモード情報「FD」)を読み出すとともに、当該モード情報と、RAM553のモード情報格納エリアに格納されたモード情報とを比較する。ここで変動パターンコマンドに含まれるモード情報(例えば「確変モード」に対応するモード情報「FD」)と、RAM553のモード情報格納エリアに記憶されたモード情報(例えば「通常モード」に対応するモード情報「FF」)とを比較し、両モード情報が異なっていれば、モードエラー報知に係る設定処理を行う。
また、主制御装置261から送信されたコマンドがモード切換コマンドであれば、主制御装置261において遊技モードが切換わるタイミングであるので、当該モード切換コマンドに含まれるモード情報(例えば「確変モード」に対応するモード情報「FD」)を読み出し、RAM553のモード情報格納エリアに記憶する。
図31の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図32に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たり(「確変大当たり」又は「通常大当たり」)の際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5はステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が「外れ」となった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図33に示すように、ステップS4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
尚、本実施形態において、「突確大当たり」又は「JUB大当たり」の場合に停止表示されるチャンス図柄は、装飾図柄の組合わせが1パターン(「3」・「4」・「1」)であるため、装飾図柄の表示に際しカウンタ情報を用いる必要はない。
図31の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。当該処理では、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。より詳しくは、サブ制御装置262は、装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様を決定し、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値を変動時間タイマに設定する。
上述した表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
また、当該ステップS3907の表示設定処理では、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図32参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A6」が設定されている場合、装飾図柄表示装置42の上・中・下図柄表示領域に対応して「3」・「4」・「1」の図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3907で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
ここで装飾図柄表示装置42の表示部における表示態様について説明する。装飾図柄表示装置42には、図35に示すように、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられており、各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」〜「9」の数字の付された装飾図柄として各種図柄Zが表示される。各種図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示され、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄列においては、各種図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び下図柄列においては、同じく各種図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、その停止時に図柄Zが、例えば所定の大当たりライン上に大当たり図柄の組合わせ(本実施形態では、同一種類の図柄の組合わせ)で揃えば「確変大当たり」又は「通常大当たり」として大当たり状態が開始される。なお、上述した大当たり図柄の組合わせが表示される直前においては、いわゆるリーチ状態(リーチ態様の成立状態)となる。但し、リーチ状態となった場合でも大当たり状態に至らない場合もある。
本実施形態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄列において、各種図柄Zのうち同一種類のものが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで確定停止表示されると、大当たり状態が発生する。
また、当該ステップS3907の表示設定処理では、モード切換設定処理をあわせて行う。当該モード切換設定処理は、装飾図柄表示装置42の表示態様を遊技モードの種別に応じた態様で行うための処理を表示制御装置45に実行させるための表示コマンドを設定するための処理である。
装飾図柄表示装置42における表示態様は、上記モード情報格納エリアに記憶されたモード情報に基づき、遊技モードに応じて背景画像BGの色調等が適宜切換えられる。具体的には、「通常モード」時には、背景画像BGが、複数色を使用した色鮮やかなフルカラー配色態様となっている。また、「確変モード」時には、背景画像BGが赤みがかった第1のモノトーン配色態様となり、「時間短縮モード」時には、背景画像BGが緑がかった第2のモノトーン配色態様となる。
また、当該ステップS3907では、演出ボタン125の操作の有無についても確認し、演出ボタン125の操作が確認された場合には、これに応じた設定を行う。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態によれば、1回の特賞状態中(特賞状態終了後の所定時間を含む)に可変入賞装置32へ入賞した遊技球(カウントスイッチ223により検出された遊技球)の球数が適正範囲を超えた場合には異常報知を行う構成となっている。これにより、電波検知センサを備えることなく、可変入賞装置32に対する電波ゴト等の不正行為を早期発見ひいては抑制することができる。
特に本実施形態では、入球数の異常判定用の判定値K2が開放種別(「長開放」又は「短開放」)ごとに定められている。これにより、例えば大当たりや小当たり等といった多様な当たり種別ごとに異常判定用の判定値を記憶しておく構成に比べ、データ記憶数の増加を抑制しつつも、多様な当たり種別に対応することができる。また、大当たりや小当たり等の特別遊技状態の終了を待つことなく、特賞状態が終了するごとに異常判定を行うことができ、不正行為を早期発見ひいては抑制を図ることができる。
さらに、本実施形態では、開閉部材32aが開状態から閉状態となった後、当該閉状態中(例えばインターバル中など)に計数された値を含み、異常判定を行う構成となっている。開閉部材32aの開状態中にいくら上記「発明が解決しようとする課題」で述べたような「電波ゴト」等を行おうとしてもカウントスイッチ223によって検出される球数が規定個数に達した場合には、開閉部材32aの開閉動作が適正に終了してしまう。つまり、可変入賞装置32に対し上記電波ゴトが行われるケースとしては、開閉部材32aが閉状態となっている間に行われる可能性が高い。また、開閉部材32aが開状態から閉状態となった後の所定時間内(インターバル中など)は、開閉部材32aが閉じる間際に可変入賞装置32へ適正に入球したが未だカウントスイッチ223により検出されていない遊技球(残存球)の検出を待つ必要があるため、カウントスイッチ223による検出処理を停止することができない。従って、本実施形態によれば、可変入賞装置32に対し行われ易い電波ゴト等の不正行為をより確実に検出することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、入賞口スイッチ221等の各種入球検出スイッチとして、貫通型の近接スイッチを採用している。入球検出スイッチのタイプはこれに限定されるものではない。例えばフォトスイッチなど他の非接触式スイッチや、マイクロスイッチなどの接触式スイッチなどを採用してもよい。例えば入球検出スイッチに対し針金等を挿し込み、当該入球検出スイッチをオンオフさせることにより、「電波ゴト」等と同様に、実際に遊技球を入球手段へ入球させることなく、遊技球が入球したと入球検出スイッチに誤検知させる不正行為も行われ得るため、電波に影響を受けにくい入球検出スイッチに対しても本願発明は奏効する。
(b)上記実施形態では、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221等からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力され、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が入力される。一方、一般入賞口31等へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221等からローレベル信号(L)が出力され、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501にハイレベル信号(H)が入力される。
このような構成に限らず、例えば、反転回路229を省略して、入賞口スイッチ221等から出力された信号がそのままCPU501に入力される構成としてもよい。
また、遊技球が通過してない通常時には、入賞口スイッチ221等からローレベル信号(L)が出力され、遊技球が通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221等からハイレベル信号(H)が出力される構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、入球判定処理を行うに際して、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータの論理反転処理を行うとともに、当該論理反転されたデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出し、この演算結果に基づき判定処理を行う。これに限らず、信号レベルバッファに記憶された少なくとも2回分のデータを基に同様の処理を行う構成としてもよい。また、最先のデータの論理反転処理を省略して、単に複数回分のデータの論理積を算出する構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、電波ゴトに係る異常報知として、エラー表示ランプ104を発光させると共に、外部中継端子板240から遊技ホールのホールコンピュータへ入球エラー信号を出力する構成となっている。報知手段はこれらに限定されるものではなく、例えばスピーカSP等の音声発生手段や、装飾図柄表示装置42等の各種表示手段などを採用してもよい。
(e)上記実施形態では、1回の特賞状態中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が適正範囲を超えたと1回でも異常判定されると、エラー報知を行う構成となっているが、これに限らず、例えば異常有りと判定された回数を記憶可能な異常回数記憶手段としての異常計数カウンタを備え、大当たり終了後、その値が所定値以上となっている場合にはホールコンピュータへ入球エラー信号を出力する構成等としてもよい。
(f)上記実施形態では、異常を検出した際の処理として、エラー報知を行う構成となっているが、これに代えて又は加えて、例えば入球有り判定をキャンセルする処理や、遊技球の払出制御を中止する処理、保留データを消去する処理、遊技球の発射を停止する処理などを行う構成としてもよい。
(g)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
(h)上記実施形態では、上入賞口33aに遊技球が入球した場合と、下入賞口33bに入球した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なるよう構成されているが、同じにしてもよし、逆にしてもよい。
また、大当たり種別の内容は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば大当たり終了後に、後述する潜伏確変モードが付与されるような大当たり(潜伏確変大当たり)を付与する構成としてもよい。
(i)上記実施形態では、遊技モードとして、「通常モード」、「確変モード」及び「時間短縮モード」が設定可能な構成となっている。これに限らず、他のモードが設定される構成としてもよい。例えば、高確率モードが付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態、すなわち潜伏状態となる「潜伏確変モード」が付与される構成としてもよい。
ここで「潜伏確変モード」とは、大当たり終了後の大当たり確率が上記「確変モード」と同様、「通常モード」時に比べアップした状態(例えば1/30)をいう。また、「潜伏確変モード」は、上記「確変モード」と同様、次回の大当たり状態が発生するまで継続するようにしてもよい。但し、「潜伏確変モード」においては、単に大当たり確率が高められるだけで、他は表面上、「通常モード」の場合と何ら変わりない。つまり、上記「確変モード」とは異なり、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示時間の短い時間短縮状態にもならず、始動入賞ユニット33(下入賞口33b)に対して遊技球が頻繁に入球する高入球状態ともならない。つまり、「潜伏確変モード」は、時間短縮状態及び高入球状態が付加されていない高確率モードに相当する。従って、上記実施形態の下では、高確率状態フラグのみがオンで、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグがオフであれば、「潜伏確変モード」と判別できる。
(j)上記実施形態では、入球数の異常判定用の判定値K2が開閉部材32aの開放種別(「長開放」又は「短開放」)ごとに定められている。これに限らず、例えば異常判定用の判定値を当たり種別ごと(又は各ラウンドごと)に記憶し、複数回の特賞状態中に入賞した遊技球の球数を当たり終了時(又は各ラウンド終了時)に判定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、1回の特賞状態が終了するごとに入球数の異常判定を行う構成となっているが、これに限らず、所定回数の特賞状態が終了するごとに入球数の異常判定を行う構成としてもよい。かかる場合において、例えば特賞状態の開放種別(例えば「長開放」)に対応する判定値K(例えば「13個」)と、所定の当たり状態中(又は各ラウンド中)に実行された特賞状態の実行回数とを乗算して得られた判定値(例えば「13個」×「10回」)を基に、当該当たり状態の終了時(又は各ラウンドの終了時)に入球数の異常判定を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、各種当たり状態において、可変入賞装置32の開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間が経過すること又は規定個数の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作を1回の特賞状態として、これが複数回(複数ラウンド)繰り返し行われるといったように、開閉部材32aの一開閉動作(一回の特賞状態)ごとに、可変入賞装置32への最大入球予定数である規定個数K1が設定されている。これに限らず、例えば「JUB大当たり」の1ラウンド目のように、1ラウンド中に開閉部材32aの開閉動作が複数回行われる構成等においては、当該ラウンドごとに規定個数が設定される構成としてもよい。換言すれば、可変入賞装置32への最大入球予定数である規定個数が設定される所定回数の特賞状態を1ラウンドととらえることができる。同様に、「突確大当たり」や「小当たり」のように、「短開放」を1回の特賞状態とするものにおいては、複数回(例えば10回)の特賞状態を1ラウンドとしてとらえてもよい。
以下、上記構成下における上記ステップS206の可変入賞装置制御処理の別例について図41のフローチャートを参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の構成部分については、その詳細な説明を省略する。
まずステップU1201において大当たり中フラグ又は小当たり中フラグがオンであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、本処理をそのまま終了する。
ステップU1201で肯定判別された場合には、続くステップU1202において、上記第1可変タイマのカウント値を1減算する。
続くステップU1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合、すなわち可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップU1204へ移行する。
ステップU1204では、入賞カウンタVxの値が規定個数K3以上であるか否かを判別する。規定個数K3には、上記判別情報設定処理(ステップS816)等において、1ラウンド分の最大入球予定数が設定される。例えば「確変大当たり」又は「通常大当たり」であれば「10個」が設定される。また、「JUB大当たり」の1ラウンド目、「突確大当たり」又は「小当たり」であれば、「5個」が設定される。
ステップU1204で否定判別された場合には、ステップU1205に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち開閉部材32aの1開閉動作(「長開放」又は「短開放」)あたりの開放時間(規定時間「30秒」又は「0.4秒」)が残されているか否かを判別する。
ステップU1205にて否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(特賞状態終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップU1205にて肯定判別された場合には、ステップU1206へ移行する。
また、ステップU1204で肯定判別された場合には、ステップU1220へ移行し、長開放フラグがオンであるか否かを判別する。なお、長開放フラグとは、開閉部材32aの開閉動作態様が「長開放」であるか否かを判別するためのフラグであり、オンの場合には「長開放」である旨を示し、オフである場合には「短開放」である旨を示す。長開放フラグは、上記判別情報設定処理(ステップS816)等、開閉部材32aの開閉動作態様の設定が行われる際に適宜、オンオフ設定される。
ステップU1220にて肯定判別された場合には、ステップU1206へ移行し、否定判別された場合には、ステップU1208へ移行する。
ステップU1206では、第1可変タイマ及び判定値K2の設定処理を行う。
ここで、第1可変タイマには、特賞状態の終了から所定時間が経過したか否か(例えば大当たりや小当たりの終了から所定時間が経過したか否か、所定の特賞状態の終了から次の特賞状態が開始されるまでのインターバルが経過したか否か等)を判別するため、本実施形態では「3秒」に相当する値「750」がセットされる。
また、判定値K2は、一回の特賞状態(特賞状態終了後の上記所定時間を含む)で可変入賞装置32へ入球した遊技球の数が適正であるか否かを判定するための値である。なお、判定値K2は、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば判定値K2として「13」、「短開放」であれば判定値K2として「3」が設定される。なお、開放種別と判定値K2との対応関係を定めた判定値記憶手段としての判定値判定テーブル(図38参照)はROM502に記憶されており、かかる設定処理を行う際に参酌される。
その後、ステップU1207に進み、開放数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち特賞状態(「長開放」又は「短開放」)の実行回数が規定回数の10回に達したか否かを判別する。
ステップU1207で肯定判別された場合には、ステップU1208においてJUBフラグがオンであるか否かを判別することで、当該可変入賞装置制御処理が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判別する。
ステップU1208で肯定判別された場合には、ステップU1209において設定変更処理を行い、本処理を終了する。
ステップU1209の設定変更処理では、規定個数K3を10回の「短開放」に対応する「5」から、1回の「長開放」に対応する「10」に変更する。また、開放数カウンタの値を「9」に設定する。さらに、長開放フラグをオンにする。これにより、「JUB大当たり」の場合には、上述したように、1ラウンド目に最大で10回の「短開放」が行われ、2ラウンド目〜10ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
一方、ステップU1208で否定判別された場合には、ステップU1210において開放終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップU1210の終了設定処理では、第1可変フラグをオフするとともに、当たり終了フラグをオンする。
ステップU1207で否定判別された場合、すなわち特賞状態(「長開放」又は「短開放」)の実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップU1211において、特賞送り処理を行い、本処理を終了する。
ステップU1211の特賞送り処理では、開放数カウンタの値を1減算すると共に、第1可変フラグをオフにする。これにより、特賞状態の実行回数が最大で上記規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われることとなる。
さて、上記ステップU1203にて否定判別された場合、すなわち特賞状態終了後の所定時間内(当たり終了後の所定時間内、又は、特賞状態間のインターバル中)である場合には、ステップU1212に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップU1212にて肯定判別された場合、すなわち特賞状態の終了から所定時間が経過し、次の過程(次の特賞状態の開始、又は、通常遊技の開始)へ移行するタイミングに至った場合には、ステップU1213へ移行する。一方、ステップU1212にて否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップU1213では、入賞カウンタVxの値が判定値K2以上であるか否か、すなわち1回の特賞状態でカウントスイッチ223により検出された遊技球の球数が異常個数(「13個」又は「3個」)に達したか否かを判別する。
ステップU1213にて肯定判別された場合には、ステップU1214にて異常報知設定処理を行った後、そのまま本処理を終了する。一方、ステップU1213にて否定判別された場合には、ステップU1215へ移行する。
ステップU1214の異常報知設定処理では、異常有り(入球エラー)を報知するための設定処理(報知処理)が行われる。
ステップU1215では、上記当たり終了フラグを参酌して、大当たり状態又は小当たり状態を終了するか否かを判別する。
ステップU1215で肯定判別された場合には、ステップU1216において当たり終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
一方、ステップU1215で否定判別された場合には、ステップU1217において特賞状態開始処理を行った後、本処理を終了する。
ステップU1216の当たり終了設定処理では、大当たり中フラグ又は小当たり中フラグをオフするとともに、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理、モード切換コマンドの設定処理などが行われる。
ステップU1217の特賞状態開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対し上記開放種別に応じた開放時間(「7500」又は「100」)を設定し、さらに入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする。
上記構成によれば、1ラウンドあたりの可変入賞装置32への最大入球予定数である規定個数K3については、ラウンド単位で監視するのに対し、カウントスイッチ223により検出される入球数の異常値(判定値K2)については、1回の特賞状態ごとに監視している。このため、「JUB大当たり」の1ラウンド目、「突確大当たり」又は「小当たり」の場合においては、カウントスイッチ223により検出される入球数が規定個数K3に達する前段階、すなわち1ラウンドが終了する前段階において、異常(入球エラー)を検出することが可能となる。結果として、不正行為を早期発見することができる。
勿論、可変入賞装置32への最大入球予定数である規定個数を大当たり単位で設定した構成においても、カウントスイッチ223により検出される入球数の異常値(判定値K2)については、1回の特賞状態ごと(又はラウンドごと)に監視するようにすれば、同様の作用効果が得られる。
(k)開閉部材32aの開放種別は上記実施形態の「長開放」及び「短開放」の2種類に限定さるものではない。例えば「長開放」よりも開放時間が短く、「短開放」よりも開放時間の長い「中開放」を備えるなど、3種類以上の開放種別を備えた構成としてもよい。また、例えば「JUB大当たり」など1回の当たり状態中に、開閉部材32aの開閉動作態様が3パターン以上切換わる構成(3種類以上の開放種別が行われる構成)としてもよい。
また、開閉部材32aの動作態様の違いとしても、1回の開閉動作に要する規定時間が異なることのみならず、これに代えて又は加えて、例えば開閉部材32aの開放角度が異なる(例えば半開きになる)など、開閉部材32aの動き自体が異なる構成としてもよい。
(l)上記実施形態に係るステップS301のスイッチ読み込み処理とは異なるスイッチ読み込み処理を実行可能な構成としてもよい。以下、スイッチ読み込み処理の別例を図42を参照して詳しく説明する。なお、上記実施形態と同様の構成部分については、その詳細な説明を省略する。
先ずステップU401では、入賞口スイッチ221からの入力信号の信号レベルをチェックする。
続くステップU402では、ステップU401にてチェックした信号レベルを、RAM503の作業エリアに設けられた入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファに記憶する。
ステップU403では、後述する異常監視タイマCTの設定状況(例えば異常監視タイマCTの設定の有無を判別可能な設定フラグの値など)を見て、異常監視タイマCTが設定されている場合には、当該異常監視タイマCTの減算処理を行う。後述するように、異常監視タイマCTには当初1000msecがセットされ、この処理が1回行われる毎にその値が2msecずつ減算されていく。一方、異常監視タイマCTが設定されていない場合には、そのまま次の処理へ移行する。異常監視タイマCTが本実施形態における経過時間計測手段を構成する。
ステップU404では、一般入賞口31へ遊技球の入球の有無を判定するための前処理である演算処理を行う。
続くステップU405では、ステップU404にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わったことを意味するため、これをもって一般入賞口31への入球有りと判断して、ステップU406において入賞口スイッチ221(一般入賞口31)用の入球判別フラグの値に「1」を設定し、ステップU408へ移行する。
一方、ステップU405にて論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままか若しくは「H」のまま切り替わらなかった、又は信号レベルが「H」から「L」に切り替わったこと等を意味するため、これをもって一般入賞口31への入球無しと判断して、ステップU407において入賞口スイッチ221用の入球判別フラグの値に「0」を設定し、ステップU413へ移行する。上述したステップU404〜U407の一連の処理(入球判定処理)の機能が本実施形態における入球判定手段を構成する。
ステップU408では、異常監視タイマCTの値が964msec以上であるか否かを判別する。後述するように、異常監視タイマCTは、一般入賞口31への入球有りと判断した時点で1000msecが設定される。つまり、ステップU408では、一般入賞口31への入球有りと判定された第1の時点t5から、次に一般入賞口31への入球有りと判定された第2の時点t7までに経過した時間TL3が36msec以下であるか否かを判別する(図44参照)。
図44に示すように、本実施形態において、遊技球(直径11.0mmのパチンコ球)が自由落下して入賞口スイッチ221等の通過孔を通過するのに要する時間TL1は、8msecから遅くとも30msec程度である。また、仮に2つの遊技球が連なるように一般入賞口31等へ入球した場合でも、第1に入球した遊技球の検出終了時t6から第2に入球した遊技球の検出開始時t7までには、28msec以上の時間TL2を要する。従って、一般入賞口31への入球有りと判定された第1の時点t5から、次に一般入賞口31への入球有りと判定された第2の時点t7までに経過した時間TL3が36msec以下である場合には、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたような「電波ゴト」が行われた可能性が高い。
但し、遊技球の入球間隔(時間TL3)が36msec以下となるような異常が検出された場合でも、その検出回数が少ない場合(例えば1回だけの場合)には、不正行為ではなく、単にノイズ等による偶発的な不具合である可能性も考えられる。これに対し、このような異常が多数検出された場合には不正行為である可能性が高い。前記「36msec」が本実施形態における規定時間(第1の規定時間)に相当する。なお、36msecという数値は任意に設定したものであり、上記「電波ゴト」等に起因した異常を判別可能な値であれば、適宜、変更可能である。
そこで、ステップU408にて、異常監視タイマCTの値が964msec以上であると判定された場合には、ステップU409にて、RAM503の作業エリアに設けられた異常計数カウンタの値に1を加算し、ステップU410にて、異常計数カウンタの値が50以上となったか否かを判定する。異常計数カウンタは、異常有りと判定された回数を加算して記憶していく異常回数記憶手段である。一方、ステップU408にて、異常監視タイマCTの値が964msec未満であると判定された場合には、そのままステップU412へ移行する。ステップU408の判定処理の機能が本実施形態における異常判定手段を構成する。
ステップU410にて異常計数カウンタの値が50以上と判定された場合には、ステップU411にて、第1報知設定処理を行った後、ステップU412へ移行する。一方、異常計数カウンタの値が50未満と判定された場合には、そのままステップU412へ移行する。
ステップU411の第1報知設定処理では、異常有りを報知するための設定処理(報知処理)が行われる。例えば、本実施形態では、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドをサブ制御装置262へ出力するための設定や、遊技ホールのホールコンピュータへエラー信号を出力するための設定などが行なわれる。これに基づき、後述する通常処理の外部出力処理において、サブ制御装置262に対し当該コマンドが出力され、サブ制御装置262によってエラー表示ランプ104の点滅制御が行われる。このエラー表示ランプ104や、入球エラー信号を出力する外部中継端子板240などが本実施形態における報知手段を構成する。
ステップU412では、一般入賞口31への今回の入球有り判定に起因して、異常監視タイマCTの設定処理が行われる。本実施形態では、ここで第2の規定時間である1000msecをセットする。なお、1000msecという数値は任意に設定したものであり、後述する「不正大球」等に起因した異常を判別可能な値であれば、適宜、変更可能である。
その後、ステップU413において、入賞口スイッチ221による遊技球の検出終了時を特定するための検出終了時判定処理を行う。
具体的には、まず信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最新のデータ(最も新しいデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転された最新のデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。
例えば、図36(b)に示すように、タイミングt2,t3,t4において記憶された信号レベルの論理値が「1」,「1」,「0」である場合、最新のデータの論理反転処理を行うと、最新のデータは「1」となる。従って、このデータと他の2回分のデータの論理積は「1」となる。
続いて、算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「H」から「L」に切り替わったことを意味するため、これをもって入球検出終了と判断し、入賞口スイッチ221(一般入賞口31)用の終了判別フラグの値に「1」を設定する。なお、終了判別フラグは、入球検出終了を判別するための判別子であり、各入球検出スイッチに対応してそれぞれ設けられている。そして、後述するステップU415の判定処理においては、これを基に入球検出終了時を判別している。一方、論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままか若しくは「H」のまま切り替わらなかった、又は信号レベルが「L」から「H」に切り替わったこと等を意味するため、入賞口スイッチ221用の終了判別フラグの値に「0」を設定する。
続くステップU414では、異常監視タイマCTの値が964msec未満であるか否かを判別する。つまり、一般入賞口31への入球有りと判定された時点から36msec経過したか否かを判別する。
ここで異常監視タイマCTの値が964msec未満と判別された場合には、ステップU415において、終了判別フラグの値が「1」か否かを判別する。一方、異常監視タイマCTの値が964msec以上である場合には、そのままステップU417へ移行する。
ステップU415にて終了判別フラグの値が「1」であると判別された場合、すなわち入賞口スイッチ221による遊技球の検出が終了したと判別された場合には、ステップU416において終了判別フラグの値を「0」に設定すると共に、異常監視タイマCTの設定を解除する。なお、ここで異常監視タイマCTの設定を解除することには、例えば異常監視タイマCTの値を初期値(本実施形態では1000msec)にリセットすることや、異常監視タイマCTの設定の有無を判別可能な設定フラグの値を、設定有りを示す「1」から、設定無しを示す「0」に代えることなどが含まれる。
一方、ステップU415にて終了判別フラグの値が「0」であると判別された場合、そのままステップU417へ移行する。
ステップU417では、異常監視タイマCTの値が「0」か否かを判別する。すなわち、異常監視タイマCTが設定された状況下で、一般入賞口31への入球有りと判定された時点から1秒(1000msec)が経過したか否かを判別する。ここで、1秒経過していないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。なお、上記ステップU416において異常監視タイマCTの設定を解除する際、仮に異常監視タイマCTの値を初期値(例えば0msec)にリセットする方法を採用した場合には、ステップU417においては、例えば異常監視タイマCTの値が「2」以下であるか否かを判別するといった構成を採用すればよい。
「電波ゴト」には、上述したような実際に入賞口スイッチ221等を通過する遊技球を検出することに基づき出力されるレベル信号を分断して検出回数を増やす不正行為とは別に、例えば正規の遊技球(直径11.0mm)及び入賞口スイッチ221の通過孔(例えば直径11.4mm)よりも直径の大きい遊技球(以下、「不正大球」という。例えば直径11.8mm)を用いる方法も考えられる。かかる場合、まず不正大球を一般入賞口31へ入賞させる等して、予め球通路内へ入れる。そうすると、当該不正大球は、入賞口スイッチ221の通過孔を通過できずに、当該通過孔に引っ掛った状態となる。これにより、入賞口スイッチ221は、常時、不正大球を検出したオン状態(ローレベル信号を出力した状態)となる。この状態で、入賞口スイッチ221をオフ状態(ハイレベル信号を出力した状態)とする不正な電波を適宜発信することにより、オンオフ状態を切換え、遊技球が通過していないにもかかわらず、遊技球が通過したと誤検知させることができる。
上述したように本実施形態においては、遊技球が入賞口スイッチ221等の通過孔を通過するのに要する時間TL1は、8msecから遅くとも30msec程度である。つまり、一般入賞口31への入球有りと判定された時点から継続して1秒以上、ハイレベル信号が出力され続けている場合には、上記不正大球による不正行為が行われている可能性が高い。
そこで、ステップU417にて肯定判別された場合、すなわち一般入賞口31への入球有りと判定された時点から1秒が経過し、異常監視タイマCTの値が「0」となった場合には、ステップU418にて第2報知設定処理を行い、本処理を終了する。ステップU417の判定処理の機能が本実施形態における異常判定手段を構成する。
ステップU418の第2報知設定処理では、上記第1報知設定処理(ステップU411)と同様に、異常有りを報知するための設定処理が行われる。
尚、上記構成では、スイッチ読み込み処理が実行される毎に上記ステップU413〜U418の一連の処理が常に実行される構成となっているが、処理負担を軽減するため、上記一連の処理が毎回行われない構成としてもよい。
例えば図43に示すように、ステップU407の処理が行われた後、ステップU4071において異常監視タイマCTの値が「0」以上であるか否かを判別する。すなわち、異常監視タイマCTによる計測が実行中(異常監視タイマCTの値が「0」となった場合を含む)であるか否かを判別する。ここで、肯定判別された場合には、上記ステップU413〜U418の処理を実行し、本処理を終了する。一方、ステップU4071において否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
上記各構成では、入賞口スイッチ221等から入力される信号レベルを監視して入球判定を行うと共に、異常監視タイマCTによって所定の入球有り判定時から所定の契機(第1規定時間又は第2規定時間の経過時)までの時間を計測し、その経過時間に基づき異常判定を行う構成となっている。そして、何らかの異常を検出した場合には、エラー表示ランプ104等の報知手段により遊技ホール関係者等に報知する。これにより、例えば上記「発明が解決しようとする課題」で例示したような電波ゴト(実際に入賞口スイッチ221等を通過する遊技球を検出することに基づき出力されるレベル信号を分断して検出回数を増やす電波ゴト。以下、「第1の電波ゴト」という。)や、上記不正大球を用いた電波ゴト(以下、「第2の電波ゴト」という。)等の不正行為を、電波検知センサを備えることなく早期発見し、ひいては当該不正行為を抑制することができる。
なお、電波ゴト防止対策として電波検知センサを用いた場合には、以下に例示するような不具合が生じるおそれがある。例えば、複数の入球手段が配置された遊技領域全体を1つの電波検知センサによりカバーしようとした場合には、検出範囲の広い電波検知センサを用いなければならず、不正電波とは無関係の電波までも検出してしまうおそれがある。逆に、検出範囲の狭い電波検知センサを各入球手段に対応して設けた場合には、部品点数の増大、取付構造の複雑化、電気配線の煩雑化等を招くおそれがある。
また、上記「第1の電波ゴト」を検出するにあたっては、不正行為とは無関係な電波等による影響を排除する必要があるため、本実施形態では、検出開始時の間隔が36msec以下となるような異常が検出された回数を計数し、その回数が50回以上となった場合にのみエラー報知する構成となっている。結果として、真の不正行為に対しより適切な対応をとることが可能となり、不正行為を効率よく防止することができる。ひいては、むやみに警報を発しないなど、遊技ホールにとっては、遊技者との無用なトラブルを回避し、円滑なホール運営を行うことができる。
さらに、本実施形態では、上記「第1の電波ゴト」を検出するための時間計測と、上記「第2の電波ゴト」を検出するための時間計測とを共通の異常監視タイマCTにより行っているため、構成の簡素化を図ることができる。
なお、本実施形態では、上記「第1の電波ゴト」を検出するにあたって、検出開始時の間隔が36msec以下となるような異常が検出された回数を計数し、その回数が50回以上となった場合にのみエラー報知する構成となっている。エラー報知を行う条件回数は、50回に限定されるものではなく、異なる値にしてもよい。また、異常計数カウンタを省略し、異常判定により異常有りと判定される毎にエラー報知する構成としてもよい。
また、経過時間計測手段は上記実施形態における異常監視タイマCTに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば、上記「第1の電波ゴト」を検出するためのタイマと、上記「第2の電波ゴト」を検出するためのタイマとを別々に備えた構成としてもよい。また、異常監視タイマCTに代えて、例えばスイッチ読込み処理の2msec周期ごとに所定のカウンタに1カウントずつ加算していき、その値が500に達した場合に1秒経過と把握する構成としてもよい。
(m)上記実施形態では、特に言及していないが、カウントスイッチ223による遊技球の検出が有効となる有効期間を、特賞状態の開始から所定時間内に限定する構成としてもよい。このようにすれば、より一層「電波ゴト」の抑制を図ることができる。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段0.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された入球手段と、
前記入球手段へ入球した遊技球を検出可能な入球検出手段と、
前記入球検出手段の検出結果に基づき、所定の異常の有無を判定可能な異常判定手段とを備えることにより、
所定の電波検出手段の検出結果を参照することなく(電波検出手段を備えることなく)、所定の電波ゴトに起因した所定の異常を検出可能としたことを特徴とする遊技機。
上記「発明が解決しようとする課題」で述べたような「電波ゴト」を防止するため、従来では、遊技機に電波検知センサ(電波検出手段)を設ける等の対策が採られている。
しかしながら、複数の入球手段が配置された遊技領域全体を1つの電波検知センサによりカバーしようとした場合には、検出範囲の広い電波検知センサを用いなければならず、不正電波とは無関係の電波までも検出してしまうおそれがある。逆に、検出範囲の狭い電波検知センサを各入球手段に対応して設けた場合には、部品点数の増大、取付構造の複雑化、電気配線の煩雑化等を招くおそれがある。
これに対し、上記手段0によれば、電波検知センサ等を備えることなく、入球手段に対する電波ゴト等の不正行為を早期発見ひいては抑制することができる。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して当落抽選を行う抽選手段と、
開閉動作可能な開閉部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を検出可能な入球検出手段と、
前記当落抽選により当選結果が得られた場合において、所定の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段と、
前記入球検出手段により検出された遊技球の入球数を計数する入球計数手段と、
前記入球計数手段により計数された入球数が予め定められた判定値以上か否かを判定し、前記判定値以上の場合には異常有りの判定を行う異常判定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、可変入球手段へ入球した遊技球の入球数を監視(計数)し、当該入球数に基づき異常判定を行うことにより、所定の異常を適切に検出することができる。結果として、電波検知センサを備えることなく、可変入球手段に対する電波ゴト等の不正行為を早期発見ひいては抑制することができる。
また、本手段によれば、1つの電波検知センサにより複数の入球手段を監視する場合に比べ、可変入球手段に応じた適切な処理を行うことも可能となる。例えば可変入球手段に関して異常有りと判定された場合には、当該可変入球手段に関連する処理のみ中止するといったように、他の入球手段に関連する処理に大きな影響を与えることなく、可変入球手段を狙った特定の不正行為のみに対応する処置をとることも可能となる。結果として、電波ゴトに対しより適切な対応をとることが可能となり、電波ゴトを効率よく抑制することができる。
「電波ゴト」には、上述したような実際に入球検出手段を通過する遊技球を検出することに基づき出力されるレベル信号を分断して検出回数を増やす不正行為とは別に、例えばハイレベル信号及びローレベル信号のオンオフを自由に操る電波発信機を用いる方法も考えられる。かかる方法によれば、実際に遊技球を入球手段へ入球させることなく、遊技球が入球したと誤検知させることが可能となる。
前段の実際に遊技球を入球手段へ入球させることに基づき行われる電波ゴトは、実際に遊技球が入球検出手段を通過するタイミングを合わせて、不正な電波を挿し込まなければならず、実行が困難である。これに対し、後段の発信機を用いる方法は、実際に遊技球を入球手段に入球させることなく、実行するのが比較的容易であるため、このような不正行為を抑止可能な手段を設けることは、電波ゴト対策としてより奏効する。
尚、上記「所定の開閉動作」としては、例えば「前記開閉部材を閉状態から開状態へ切換えた後、規定時間が経過した場合に閉状態とするまでを一回とする開閉動作」や、「前記開閉部材を閉状態から開状態へ切換えた後、規定時間が経過した場合又は規定個数の遊技球が前記入球検出手段により検出された場合に閉状態とするまでを一回とする開閉動作」などが挙げられる。
また、前者の構成において、所定回数(1又は2以上)の開閉動作が行われる間に規定個数の遊技球が前記入球検出手段により検出された場合に閉状態とする構成としてもよい。さらに、当該所定回数の開閉動作を1ラウンドとして、当該ラウンドを所定回数(1又は2以上)実行する構成としてもよい。
手段2.前記開閉部材の一回の開閉動作に係る当該開閉部材の動作態様を複数種類(複数パターン)有した構成であって、
前記開閉部材の各動作態様に対応して前記判定値を記憶した判定値記憶手段を備えたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
近年では、当落抽選により所定の当選結果が得られた場合に行われる可変入球手段の開閉制御が多様化してきている。例えば当選結果に応じて、開閉部材の開閉動作の実行回数や開閉動作に要する規定時間などが変化する。また、一連の特別遊技状態(例えば15ラウンドの大当たり状態)の発生中に開閉部材の開閉動作の動作態様が切換わる(複数の動作態様が行われる)こともある。そのため、例えば開閉部材の開閉動作が所定回数実行される一連の特別遊技状態の種別(当たり種別)ごとに、異常判定用の判定値を記憶しておく構成では、データ記憶数が膨大となるおそれがある。
この点、本手段2のように、開閉部材の各動作態様に対応して異常判定用の判定値を記憶しておくことにより、データ記憶数の増加を抑制することができる。
また、大当たりや小当たり等の特別遊技状態や、当該特別遊技状態中に実行される各ラウンドや特賞状態等の終了を待つことなく、開閉部材の開閉動作が終了するごとに異常判定を行うことができ、不正行為を早期発見ひいては抑制を図ることができる。
なお、開閉部材の動作態様の違いとしては、例えば1回の開閉動作に要する規定時間が異なること等が挙げられる。
手段3.前記異常判定手段は、前記開閉部材が開状態から閉状態となった後の所定時間内(インターバル中など)において前記入球計数手段により計数された入球数を含み、前記開閉部材が開状態となった後の所定期間内(例えば開閉部材の1回目の開放開始時から2回目の開放開始時までの期間内や、開閉部材の開閉動作が複数回行われる期間内)に計数された入球数が予め定められた判定値以上か否かを判定し、前記判定値以上の場合には異常有りの判定を行うことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
開閉部材の開状態中にいくら上記電波ゴトを行おうとしても入球検出手段によって検出される入球数が規定個数に達した場合には、開閉部材の開閉動作が適正に終了してしまう。つまり、可変入球手段に対し上記不正行為が行われるケースとしては、開閉部材が閉状態となっている間に行われる可能性が高い。また、開閉部材が開状態から閉状態となった後の所定時間内(インターバル中など)は、開閉部材が閉じる間際に可変入球手段へ適正に入球したが未だ入球検出手段により検出されていない遊技球(残存球)の検出を待つ必要があるため、入球検出手段による検出処理を停止することができない。従って、上記手段3の構成がより奏効することとなる。
これに鑑みれば、「前記異常判定手段が、前記開閉部材が開状態から閉状態となった後の所定時間内(インターバル中など)において前記入球計数手段により計数された入球数が予め定められた判定値以上か否かを判定し、前記判定値以上の場合には異常有りの判定を行う」構成や、「前記入球検出手段による遊技球の検出が有効となる有効期間が設定される構成において、前記異常判定手段が、前記開閉部材が開状態から閉状態となった後の所定時間内でかつ前記入球検出手段の有効期間が経過した後段階において前記入球計数手段により計数された入球数が予め定められた判定値以上か否かを判定し、前記判定値以上の場合には異常有りの判定を行う」構成においても、同様の作用効果が奏されることとなる。
手段4.前記異常判定手段による異常判定に基づき、所定の異常があった旨を報知可能な報知手段を備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段4によれば、報知手段を備えることにより、可変入球手段に対し不正行為が行われているなど、何らかの異常が発生したことを遊技ホール関係者等が把握することができる。結果的に、不正行為などの早期発見に繋がる。なお、報知手段としては、ランプ等の発光手段、スピーカ等の音声発生手段、表示手段、ホールコンピュータ等の外部装置に対し信号を出力する外部端子基板等の外部出力手段などが挙げられる。
手段5.前記異常判定手段により異常有りと判定された回数を記憶可能な異常回数記憶手段を備え、
前記報知手段は、前記異常有りと判定された回数が所定回数以上となった場合において、その旨を報知することを特徴とする手段4に記載の遊技機。
異常が検出された場合でも、その検出回数が少ない場合(例えば1回だけの場合)には、不正行為ではなく、偶発的な入球である可能性も考えられる。これに対し、このような異常が多数検出された場合には不正行為である可能性が高い。
また、電波検知センサを用いた場合、電波検知センサにより検出される電波の中には、各種電子機器から発せられる電波ノイズなど、電波ゴトとは無関係なものも多く含まれる。このような電波ノイズ等を検出した場合にまで一様の処理を行っていては、電波ゴトに対する適切な対応策とならないばかりか、電波ゴトとは無関係の遊技者に対し不測の不利益をもたらすおそれもある。
この点、上記手段5によれば、上記例示した方法による電波ゴトが行われた旨を判別可能となり、当該電波ゴトの抑制を図ることができる。さらに、偶発的な要因を極力排除し、前記電波ゴトの判断精度を高めることができる。結果として、真の不正行為に対しより適切な対応をとることが可能となり、不正行為を効率よく防止することができる。ひいては、むやみに警報を発しないなど、遊技ホールにとっては、遊技者との無用なトラブルを回避し、円滑なホール運営を行うことができる。
手段6.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された入球手段と、
前記入球手段へ入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段から出力される信号を監視して所定の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、
前記入球検出手段は、遊技球の非検出中は第1レベルの信号(例えばハイレベル信号)を継続して出力し、遊技球の検出中は第2レベルの信号(例えばローレベル信号)を継続して出力し、
前記制御手段は、
前記入球検出手段から入力される信号レベルを定期的に監視する信号監視手段と、
前記入球検出手段から入力される信号レベルの切換わりに基づき、少なくとも前記入球手段へ遊技球が入球した旨を判定可能な入球判定手段と、
前記入球判定手段による入球有り判定時(第1レベルの信号から第2レベルの信号への切換わり検出時)から所定の契機までの経過時間を計測可能な経過時間計測手段と、
前記経過時間計測手段により計測された経過時間に基づき、所定の異常の有無を判定可能な異常判定手段と、
前記異常判定手段による異常判定に基づき、所定の異常があった旨を報知可能な報知手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段6によれば、入球検出手段から入力される信号レベルを監視して入球判定を行うと共に、所定の入球有り判定時から所定の契機までの経過時間を計測し、その経過時間に基づき異常判定を行うことにより、例えば信号レベルの所定の切換わりポイントが適正な時間間隔よりも早い又は遅いタイミングでやってくるなど、所定の異常を適切に検出することができる。結果として、電波検知センサを備えることなく、電波ゴト等の不正行為を早期発見ひいては抑制することができる。
さらに、報知手段を備えることにより、入球検出手段に対し不正行為が行われているなど、何らかの異常が発生したことを遊技ホール関係者等が把握することができる。結果的に、不正行為などの早期発見に繋がる。なお、報知手段としては、ランプ等の発光手段、スピーカ等の音声発生手段、表示手段、ホールコンピュータ等の外部装置に対し信号を出力する外部端子基板等の外部出力手段などが挙げられる。
なお、上記「所定の契機」には、例えば「次の入球有り判定時」や、タイマ等の経過時間計測手段の「所定の最大計測時間への到達時」などが一例に挙げられる。また、「制御手段」により行われる「所定の制御」としては、例えば、遊技球の払出制御、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選制御、識別情報を変動表示する表示制御などが挙げられる。
また、本手段によれば、1つの電波検知センサにより複数の入球手段を監視する場合に比べ、各入球手段に応じた適切な処理を行うことも可能となる。例えば特定の入球検出手段に関して異常有りと判定された場合には、当該特定の入球検出手段に関連する処理のみ中止するといったように、他の入球検出手段に関連する処理に大きな影響を与えることなく、特定の入球検出手段を狙った特定の不正行為のみに対応する処置をとることも可能となる。結果として、様々な電波ゴトに対し適切な対応をとることが可能となり、電波ゴトを効率よく抑制することができる。
手段7.前記経過時間計測手段は、少なくとも所定の入球有り判定時から次の入球有り判定時までの経過時間を計測可能に構成され、
前記異常判定手段は、少なくとも前記経過時間が予め設定された規定時間(第1の規定時間)よりも短い場合に異常有りと判定可能に構成され、
前記異常判定手段により異常有りと判定された回数を記憶可能な異常回数記憶手段を備え、
前記報知手段は、前記異常有りと判定された回数が所定回数以上となった場合において、その旨を報知することを特徴とする手段6に記載の遊技機。
一般に遊技球が入球手段へ入球して第2レベルの信号が出力された場合には、その出力時間(信号継続期間)は数msecから遅くとも30msec程度である。また、仮に2つの遊技球が連なるように入球手段へ入球した場合でも、第1に入球した遊技球の検出終了時から第2に入球した遊技球の検出開始時までには、30msec前後の時間を要する。従って、入球手段への入球有りと判定された第1の時点から、次に入球手段への入球有りと判定された第2の時点までに経過した時間が規定時間(例えば40msec)以下となるような極めて短い場合には、上記「発明が解決しようとする課題」で例示した方法による電波ゴトが行われた可能性が高い。
但し、上述したように2つの遊技球の入球間隔が規定時間以下となるような異常が検出された場合でも、その検出回数が少ない場合(例えば1回だけの場合)には、不正行為ではなく、単にノイズ等による偶発的な不具合である可能性も考えられる。これに対し、このような異常が多数検出された場合には不正行為である可能性が高い。
また、電波検知センサを用いた場合、電波検知センサにより検出される電波の中には、各種電子機器から発せられる電波ノイズなど、電波ゴトとは無関係なものも多く含まれる。このような電波ノイズ等を検出した場合にまで一様の処理を行っていては、電波ゴトに対する適切な対応策とならないばかりか、電波ゴトとは無関係の遊技者に対し不測の不利益をもたらすおそれもある。
この点、上記手段7によれば、上記例示した方法による電波ゴトが行われた旨を判別可能となり、当該電波ゴトの抑制を図ることができる。さらに、偶発的な要因を極力排除し、前記電波ゴトの判断精度を高めることができる。結果として、真の不正行為に対しより適切な対応をとることが可能となり、不正行為を効率よく防止することができる。ひいては、むやみに警報を発しないなど、遊技ホールにとっては、遊技者との無用なトラブルを回避し、円滑なホール運営を行うことができる。
手段8.前記経過時間計測手段は、少なくとも所定の入球有り判定時から当該入球有り判定に係る入球無し判定時(第2レベルの信号から第1レベルの信号への切換わり検出時)までの経過時間(所定の最大計測時間へ到達する場合を含む)を計測可能に構成され、
前記異常判定手段は、少なくとも前記経過時間が予め設定された第2の規定時間よりも長い場合に異常有りと判定可能に構成され、
前記報知手段は、前記異常判定手段により異常有りと判定された場合において、その旨を報知することを特徴とする手段6又は7に記載の遊技機。
「電波ゴト」には、上述したような実際に入球検出手段を通過する遊技球を検出することに基づき出力されるレベル信号を分断して検出回数を増やす不正行為とは別に、例えば正規の遊技球よりも直径の大きい遊技球(以下、「不正大球」という)を用いる方法も考えられる。かかる場合、まず不正大球を入球手段へ入球させる等して予め球通路内へ入れる。そうすると、当該不正大球は、入球検出手段の通過孔を通過できずに、当該通過孔に引っ掛った状態となる。これにより、入球検出手段は、常時、不正大球を検出したオン状態(第2レベル信号を出力した状態)となる。この状態で、入球検出手段をオフ状態(第1レベル信号を出力した状態)とする不正な電波を適宜発信することにより、オンオフ状態を切換え、遊技球が通過していないにもかかわらず、遊技球が通過したと誤検知させることができる。
上述したように遊技球が入球検出手段の通過孔を通過するのに要する時間(第2レベル信号の継続出力時間)は、数msecから遅くとも30msec程度である。つまり、入球手段への入球有りと判定された時点から継続して第2の規定時間(例えば1秒)以上、第2レベル信号が継続して出力されている場合には、上記不正大球による不正行為が行われている可能性が高い。
この点、上記手段8によれば、上記不正大球を用いた電波ゴトが行われた旨を判別可能となり、当該電波ゴトの抑制を図ることができる。
なお、前段の実際に入球検出手段を通過する遊技球を検出することに基づき出力されるレベル信号を分断して検出回数を増やす電波ゴトは、実際に遊技球が入球検出手段を通過するタイミングを合わせて、不正な電波を挿し込まなければならず、実行が困難である。これに対し、後段の不正大球を用いる方法は、実行するのが比較的容易であるため、このような不正行為を抑止する手段を設けることは、電波ゴト対策としてより奏効する。
また、不正大球を用いた不正行為を判定するために必要な第2の規定時間は比較的長いため、当該第2の規定時間に達したか否かを判定するにあたり、仮に信号レベルのレベル情報を定期的に記憶していき、これらレベル情報を基に判定を行う構成を採用した場合には、演算処理にかかる処理負担が極めて大きくなるおそれがある。これに対し、タイマなどを経過時間計測手段として用いれば、処理負担の軽減を図ることができる。
さらに、手段7の「所定の入球有り判定時から次の入球有り判定時までの経過時間」の計測と、手段8の「所定の入球有り判定時から当該入球有り判定に係る入球無し判定時までの経過時間」の計測を共通の経過時間計測手段により行うことにより、構成の簡素化を図ることができる。経過時間計測手段を共通化する構成としては、以下の手段9等が一例に挙げられる。
手段9.前記入球判定手段は、前記入球検出手段から入力される信号レベルの切換わり(第2レベルの信号から第1レベルの信号への切換わり)に基づき、遊技球の検出が終了した旨の入球無し判定が可能に構成され、
前記経過時間計測手段は、前記所定の入球有り判定時から次の入球有り判定時までの経過時間の計測中において、前記入球無し判定があった場合には、前記所定の入球有り判定時から前記規定時間(第1の規定時間)が経過するのを待って、前記所定の入球有り判定時から当該入球有り判定に係る入球無し判定時までの経過時間の計測を終了することを特徴とする手段8に記載の遊技機。
手段10.前記入球検出手段は、遊技球の通過に伴う磁束の変化に基づき当該遊技球の通過を検出可能なもの(例えば、近接スイッチ)であることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
手段11.前記遊技機は弾球遊技機(例えば、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機)であることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、32a…開閉部材、33…始動入賞ユニット、221…入賞口スイッチ、223…カウントスイッチ、224a,224b…始動入賞スイッチ、261…主制御装置、Vx…入賞カウンタ、K2…判定値。

Claims (2)

  1. 遊技球を発射する発射手段と、
    発射された遊技球が案内される遊技領域と、
    前記遊技領域内に配置された始動入球手段と、
    前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して抽選を行う抽選手段と、
    可動部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な動作状態と、遊技球が入球不能な非動作状態とに切換可能な可変入球手段と、
    前記可変入球手段へ入球した遊技球を検出可能な入球検出手段と、
    前記抽選により当選結果が得られた場合に実行される特定遊技状態において、前記当選結果に応じて前記可動部材を、少なくとも1種類の前記動作状態を含む駆動パターンで駆動可能な駆動制御手段と、
    前記入球検出手段により検出された遊技球の入球数を計数する入球計数手段と、
    前記入球計数手段により計数された入球数が所定の判定値以上か否かを判定し、前記判定値以上の場合には異常有りの判定を行う異常判定手段と、
    前記可動部材の動作状態に応じた設定値を記憶する設定値記憶手段と、を備え、
    前記異常判定手段は、前記特定遊技状態中に前記駆動制御手段によって実行され前記可動部材の動作回数に、前記設定値記憶手段に記憶された前記設定値を乗算して得られる前記判定値を基に前記特定遊技状態の終了後に異常判定を行うものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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