JP6179092B2 - 線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラム、渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム及び線状構造物の渦励振流体力実験方法 - Google Patents

線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラム、渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム及び線状構造物の渦励振流体力実験方法 Download PDF

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本発明は、流体中に設けられた線状構造物に発生する渦励振(VIV:Vortex-Induced Vibration)に関連した線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラム、渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム及び線状構造物の渦励振流体力実験方法に関する。
一様な流体中におかれたリジッドな円柱等の物体の下流側には交互にカルマン渦が発生する。円柱の片側が固定されもう一方がフリーの柱状体や長尺ものの両側がフリーとみなせる円形線状構造物の場合、カルマン渦の周波数と物体の固有振動数がほぼ一致すると、流体力の変化が励振を誘起し、渦励振が物体の流れに直交する方向に発生する。海底での掘削や資源の採取を行う際にライザー等の海中線状構造物を使用するが、このとき、潮流等によって渦励振が発生し、最悪の場合には材質疲労によって線状構造物が破損するおそれがある。また、空中に設けられたポールや電線等の片持ち状態の柱状体には風の影響により柱状体が振動する渦励振が発生する。これに対して、柱状体の渦励振を防止する方法や構造が開示されている(特許文献1及び2)。
特開昭61−38240号公報 特開2004−36794号公報
特許文献1や特許文献2の技術は、片側がフリーの柱状体やポール等の構造的な渦励振対策であり、渦励振の予測技術ではない。特に、両側が擬似的にフリーな海中線状構造物であるライザー等は、線状構造物の破損等を防止するために潮流中での線状構造物の挙動予測や疲労寿命評価を適切に行うことが要求されているが、その予測技術は確立されていない。
本発明は、流体中に設けられた線状構造物の挙動予測や疲労寿命評価につながる流体力に関する予測技術を提供することを目的とする。
本発明の線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラムは、コンピュータによって、線状構造物である処理対象に働く流体力データを求めるプログラムであって、前記処理対象の構造物条件と、前記処理対象への加振条件と、レイノルズ数を演算条件として取得するステップ1と、線状構造物に対する実験において、加振条件とレイノルズ数との組み合わせに対して得られた実験流体力データを取得するステップ2と、前記実験流体力データを補間して前記演算条件に含まれるレイノルズ数及び加振条件における補間流体力データを得るステップ3と、前記補間流体力データに対し、前記演算条件に含まれる構造物条件に対応する流体力データを計算流体力データとして求めるステップ4と、前記計算流体力データを出力するステップ5を行う。
なお、線状構造物には、海中に設けられるライザーや浮力缶等、また、空中に設けられるポールや電線等、流体中に設けられる線状を成した構造物のすべてを含む。
ここで、前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象に設けられるストレーキの高さ条件とピッチ条件を含み、前記ステップ4は、前記高さ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−1と、前記ピッチ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−2を有することが好ましい。なお、流体力データを求める順番は、ステップ4−2が先でステップ4−1が後であってもよい。
また、前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象への流れの流入角度条件を含み、前記ステップ4は、前記流入角度条件に対応する流体力データを求めるステップ4−3を有することが好ましい。なお、ステップ4におけるステップ4−3,ステップ4−1,ステップ4−2は任意のステップを選択でき、流体力データを求める順も任意の順が選択できる。
前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象に設けられるストレーキの高さ条件とピッチ条件、前記処理対象への流れの流入角度条件を含み、前記ステップ4は、前記高さ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−1と、前記ピッチ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−2と、前記流入角度条件に対応する流体力データを求めるステップ4−3を順に行うことが好適である。
前記実験流体力データは、前記実験で用いられた線状構造物に設けられたストレーキの高さとピッチ及び/又は前記実験で用いられた線状構造物への流れの流入角度の組み合わせ毎の離散型データであることが好適である。特に、前記離散型データは、複数のレイノルズ数毎に実験で得られた流体力のデータであることが好適である。
また、前記加振条件は、前記処理対象に対する加振周波数及び振幅であることが好ましい。なお、加振時の波形は、正弦波又は擬似正弦波であることが好ましい。
また、前記実験流体力データは、実験抗力係数、実験揚力方向付加質量係数及び実験揚力方向減衰係数を含み、前記ステップ4は、前記計算流体力データとして計算抗力係数、計算揚力方向付加質量係数及び計算揚力方向減衰係数を求めることが好適である。
また、前記ステップ4−1は、前記離散型データを補間して前記ストレーキの高さ条件に対応する流体力データを求めることが好適である。また、前記ステップ4−2は、前記離散型データを補間して前記ストレーキのピッチ条件に対応する流体力データを求めることが好適である。また、前記ステップ4−3は、前記離散型データを補間して前記流入角度条件に対応する流体力データを求めることが好適である。
前記線状構造物が円形断面を有するストレーキ付き円柱形状である場合、前記実験流体力データは、第1範囲:(H/D,P/D)=(0,0),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1、第2範囲:(H/D,P/D)=(0.15,5),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9、第3範囲:(H/D,P/D)=(0.15,15),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9、第4範囲:(H/D,P/D)=(0.25,15),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9とし、前記第1範囲から前記第4範囲の少なくとも1つの範囲で取得されることが好ましい。ただし、H:実験での線状構造物のストレーキの高さ(m)、D:実験での線状構造物の直径(m)、P:実験での線状構造物のストレーキの螺旋ピッチ(m)、Re:実験時のレイノルズ数、fD/V:実験無次元加振周波数、f:実験加振周波数(Hz)、V:実験における線状構造物への流れの流速(m/s)、A/D:実験無次元振幅、A:実験での振動の振幅(m)である。
前記線状構造物が円形断面を有するストレーキ付き円柱形状である場合、前記実験流体力データは、第5範囲:χ=0〜45deg,Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1とし、前記第5範囲の範囲で取得されることが好適である。ただし、χ:実験における線状構造物への流れの流入角度(線状構造物への流れが直角のときを0とする)、D:実験での線状構造物の直径(m)、Re:実験時のレイノルズ数、fD/V:実験無次元加振周波数、f:実験加振周波数(Hz)、V:実験における線状構造物への流れの流速(m/s)、A/D:実験無次元振幅、A:実験での振動の振幅(m)である。
本発明における渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラムは、コンピュータによって、上記渦励振流体力データ計算プログラムを用いて得られた前記計算流体力データを含む設定条件を取得するステップ6と、前記設定条件に基づいて前記処理対象の静的な釣り合い条件を求めるステップ7と、前記釣り合い条件及び前記計算流体力データを用いて設定振動周波数における前記処理対象に働く流体力を計算するステップ8とを行い、前記設定振動周波数を変化させつつ前記ステップ8を繰り返して、前記処理対象に働く流体力を計算して前記処理対象が前記釣り合い条件に達したかを判定する。
なお、前記ステップ8で得られる結果には、線状構造物に働く流体力そのもの以外にも、線状構造物の応答や線状構造物の内力等が含まれる。
ここで、前記ステップ8の繰り返し処理において、前記渦励振流体力データ計算プログラムを用いて前記計算流体力データを再計算し、再計算された前記計算流体力データを用いて前記処理対象が前記釣り合い条件に達したかを判定する。
前記ステップ8は、前記処理対象が置かれた潮流条件を用いて前記処理対象に働く流体力を計算することが好適である。なお、潮流条件は、実海域を想定した潮流条件であることが好適である。また、前記ステップ8は、前記処理対象の固有振動数を算出し、前記処理対象に働く流体力を計算することが好適である。
さらに、前記処理対象に働く流体力を用いて前記処理対象の疲労評価を行うステップ9を備えてもよい。この疲労評価を行うステップ9を備えることにより、線状構造物の疲労寿命評価が可能となる。
また、前記ステップ8における流体力の計算は、有限要素法を用いて行われることが好適である。この有限要素法を用いることにより、構造力学分野で広く使われている数値解析手法が利用できる。
本発明における渦励振流体力実験方法は、上記渦励振流体力データ計算プログラムに用いる前記実験流体力データを得るための渦励振流体力実験方法であって、線状構造物の部分模型を強制揺動させて前記実験流体力データを取得する。
ここで、前記部分模型は、実物大模型であることが好適である。実物大模型を用いることにより、より正確に実験流体力データを取得することが可能となる。
本発明の線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラムは、コンピュータにより、線状構造物である処理対象に働く流体力データを求めるプログラムであって、前記処理対象の構造物条件と、前記処理対象への加振条件と、レイノルズ数を演算条件として取得するステップ1と、線状構造物に対する実験において、加振条件とレイノルズ数との組み合わせに対して得られた実験流体力データを取得するステップ2と、前記実験流体力データを補間して前記演算条件に含まれるレイノルズ数及び加振条件における補間流体力データを得るステップ3と、前記補間流体力データに対し、前記演算条件に含まれる構造物条件に対応する流体力データを計算流体力データとして求めるステップ4と、前記計算流体力データを出力するステップ5を実行することによって、流体の流れの中での線状構造物に働く流体力を評価するために必要な計算流体力データを求めることができる。このとき、後述する渦励振流体力実験方法によって線状構造物に関する実験流体力データを用いて計算流体力データを求めるので、設計対象となる線状構造物に働く渦励振を考慮した流体力を正確に求めることができる。
ここで、前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象に設けられるストレーキの高さ条件とピッチ条件を含み、前記ステップ4は、前記高さ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−1と、前記ピッチ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−2を有することによって、ストレーキを備えた線状構造物の計算流体力データを求めることができる。
また、前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象への流れの流入角度条件を含み、前記ステップ4は、前記流入角度条件に対応する流体力データを求めるステップ4−3を有することによって、流体の流れに対して傾きを有する線状構造物の計算流体力データを求めることができる。
また、前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象に設けられるストレーキの高さ条件とピッチ条件、前記処理対象への流れの流入角度条件を含み、前記ステップ4は、前記高さ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−1と、前記ピッチ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−2と、前記流入角度条件に対応する流体力データを求めるステップ4−3を順に行うことによって、線状構造物への影響が大きい順に流体力データを評価することができ、より正確な計算流体力データを得ることができる。
また、前記実験流体力データは、前記実験で用いられた線状構造物に設けられたストレーキの高さとピッチ及び/又は前記実験で用いられた線状構造物への流れの流入角度の組み合わせ毎の離散型データであることによって、少ない実験条件における実験流体力データを補間処理して計算流体力データを得ることができる。特に、前記離散型データは、複数のレイノルズ数毎に実験で得られた流体力のデータであることによって、レイノルズ数の変化に応じた計算流体力データの評価が可能となる。
前記加振条件は、前記処理対象に対する加振周波数及び振幅であることによって、渦励振流体力実験方法において線状構造物への流体の流れによる渦励振の影響を評価することができる。
前記実験流体力データは、実験抗力係数、実験揚力方向付加質量係数及び実験揚力方向減衰係数を含み、前記ステップ4は、前記計算流体力データとして計算抗力係数、計算揚力方向付加質量係数及び計算揚力方向減衰係数を求めることによって、計算抗力係数、計算揚力方向付加質量係数及び計算揚力方向減衰係数を用いての線状構造物への流体力の影響評価が可能となる。
また、前記ステップ4−1は、前記離散型データを補間して前記ストレーキの高さ条件に対応する流体力データを求めること、又は、前記ステップ4−2は、前記離散型データを補間して前記ストレーキのピッチ条件に対応する流体力データを求めること、又は、前記ステップ4−3は、前記離散型データを補間して前記流入角度条件に対応する流体力データを求めることによって、前記ストレーキの高さ、前記ストレーキのピッチ条件及び前記流入角度条件の少なくとも1つの計算流体力データの評価を行うことができる。
また、前記線状構造物が円形断面を有するストレーキ付き円柱形状である場合、前記実験流体力データは、第1範囲:(H/D,P/D)=(0,0),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1、第2範囲:(H/D,P/D)=(0.15,5),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9、第3範囲:(H/D,P/D)=(0.15,15),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9、第4範囲:(H/D,P/D)=(0.25,15),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9とし、前記第1範囲から前記第4範囲の少なくとも1つの範囲で取得することによって、例えば、海底での掘削や資源の採取を行うライザーを評価対象とした場合のストレーキの高さやピッチの変化に応じた計算流体力データをより正確に得ることができる。
また、前記線状構造物が円形断面を有するストレーキ付き円柱形状である場合、前記実験流体力データは、第5範囲:χ=0〜45deg,Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1とし、前記第5範囲の範囲で取得することによって、例えば、海底での掘削や資源の採取を行うライザーを評価対象とした場合の流体の流入角度の変化に応じた計算流体力データをより正確に得ることができる。
本発明における渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラムは、コンピュータによって、上記渦励振流体力データ計算プログラムを用いて得られた前記計算流体力データを含む設定条件を取得するステップ6と、前記設定条件に基づいて前記処理対象の静的な釣り合い条件を求めるステップ7と、前記釣り合い条件及び前記計算流体力データを用いて設定振動周波数における前記処理対象に働く流体力を計算するステップ8と、前記設定振動周波数を変化させつつ前記ステップ8を繰り返して、前記処理対象に働く流体力を計算して前記処理対象が前記釣り合い条件に達したかを判定することによって、上記渦励振流体力データ計算プログラムによって得られた計算流体力データを用いて線状構造物へ働く渦励振を考慮した流体力を正確に評価することができる。これにより、渦励振対策を図った線状構造物の設計を容易にすることができる。
ここで、前記ステップ8の繰り返し処理において、前記渦励振流体力データ計算プログラムを用いて前記計算流体力データを再計算し、再計算された前記計算流体力データを用いて前記処理対象が前記釣り合い条件に達したかを判定することによって、上記渦励振流体力データ計算プログラムによって再計算された計算流体力データを用いて線状構造物へ働く流体力をより正確に評価することができる。
さらに、前記処理対象に働く流体力を用いて前記処理対象の疲労評価を行うことによって、線状構造物の流体環境下における疲労寿命評価を行って設計を行うことができる。
本発明における渦励振流体力実験方法は、上記渦励振流体力データ計算プログラムに用いる前記実験流体力データを得るための渦励振流体力実験方法であって、線状構造物の部分模型を強制揺動させて前記実験流体力データを取得することによって、例えば、海底での掘削や資源の採取を行うライザーを評価対象とした場合のストレーキの高さやピッチの変化に応じた実験流体力データを正確に得ることができる。このとき、前記部分模型は実物大模型とすることによって、実物に則した実験流体力データをより正確に得ることができる。
本発明の実施の形態における線形構造物の部分模型を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における線形構造物の部分模型の断面図である。 本発明の実施の形態における線形構造物の部分模型への流体の流入角度を説明する図である。 本発明の実施の形態における渦励振流体力データ計算処理及び線状構造物の設計処理を行う装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における渦励振流体力データ計算処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態における渦励振流体力データ計算処理のサブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態における線状構造物の設計処理のフローチャートである。
<渦励振流体力実験方法>
本実施の形態における線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラム、渦励振を考慮した設計プログラムでは、線状構造物の模型に対する実験において得られた実験流体力データを用いて処理対象となる線状構造物に働く流体力等の評価を行う。そこで、まず線状構造物の模型に対する実験による渦励振流体力実験方法について説明する。
本実施の形態では、より正確な実験流体力データを得るために実機と同等の直径を有する線状構造物(ライザー)の部分模型を使用し、曳航中強制動揺実験により実機相当流体力を直接求める方策を採用した。線状構造物は、裸殻状態とVIVを低減させる1つの方法である螺旋ストレーキ(以下,ストレーキという)を取り付けた場合の流体力を取得した。
図1は、実験に使用した線状構造物の部分模型100の斜視図を示す。部分模型100は、ライザーの管12と管12に取り付けられたストレーキ10と両端部に設けた端板14から構成される。曳航中強制動揺実験は、水槽(長さ150m、幅7.5m、水深3.5m)で実験を行った。水槽の曳引台車に強制動揺装置を設置し潮流を模擬した前進速度を与えながら、所定の加振条件(加振周波数及び加振振幅)で部分模型100を上下動させる。部分模型100の両端部に上下方向と水平方向の力を計測するための2分力計をそれぞれ取り付け、部分模型100は2分力計を介して端板14に取り付けることによって計測を行った。端板14は、強制動揺実験において部分模型100の端部における3次元的な影響を除くために設けられる。また、部分模型100の長さは、3次元的な影響を低減するため、直径の5倍以上の長さとした。
部分模型100は、ストレーキ10の影響を調査する場合には、裸殻の模型に硬質ゴムスポンジ製のストレーキ10を取り付けて実験を行う。ストレーキ10は、図2に示すように、管12の直径(D)とストレーキ10の高さ(H)との比(H/D)、及び、管12の直径(D)とストレーキ10の螺旋ピッチ(P)との比(P/D)を変更して部分模型100に働く流体力の変化について計測する。なお、実験に使用するストレーキの材料については、硬質ゴムスポンジ以外に、金属、木材、高分子材、セラミック等の各種の材料が選択し得る。
また、図3(b)に示すように、部分模型100として流入角度の変更対応品を準備し、流れの方向(流入角度χ)を変更して部分模型100に働く流体力の変化を計測することを行った。ここで、流入角度χとは、図3(a)に示すように、部分模型100の軸方向に垂直な流入角度を0としたときの傾きを意味する。部分模型100には、部分模型100の軸方向に垂直な流れの流速成分Vnが作用することになる。
計測で得られる実験流体力データは、抗力係数(実験抗力係数)、揚力方向付加質量係数(実験揚力方向付加質量係数)、揚力方向減衰係数(実験揚力方向減衰係数)を含んでいる。すなわち、部分模型100に作用する抗力FDの時系列データ平均値、FDMから(数式1)の実験抗力係数CDを算出する。
Figure 0006179092
ここで,ρは水の密度、Vnは部分模型100の軸方向に垂直な方向の流れの流速成分である。
また、揚力方向の流体力変動を加振変位と同位相成分の力FL同位相(付加質量成分)と、加振変位と90°位相が異なる成分の力FL90°(減衰成分)に分離し、実験揚力方向付加質量係数(CLA)と実験減衰係数(CLD)を(数式2)、(数式3)から求める.
Figure 0006179092
Figure 0006179092
ここで,M:ストレーキ10付きの管12の質量(空中質量)、A:実験振動振幅、f:実験加振周波数である。
例えば、部分模型100は、ストレーキ10を設けていない裸殻状態の管12において直径(D)を0.320m及び長さ(L)を2.16mの鋼管とした。なお、ストレーキ10の管12に対する巻き数は3とした。また、ストレーキ10自体の形状は二等辺三角形とし、その底辺幅は断面において50mmの一定とした。また、管12の両端には、端部の3次元影響を除くための端板14を取り付けた。ただし、部分模型100はこれに限定されるものでなく、実際に使用される線状構造物の一部を模したものとすることが好ましい。なお、ストレーキ10は、付いたもの、付かないもの、ストレーキ形状も螺旋形以外の例えば直線形のもの、独立型のもの、連続型のもの等、任意の形状が選択し得る。また、管12も円筒以外の多角管や楕円管等の任意の形状が選択できる。
部分模型100を用いて実験を行う際に、レイノルズ数Re(=VD/ν、ν:動粘性係数)は1.0×105〜5.2×105の範囲で複数の点を選んだ。また、加振条件として、無次元加振周波数fD/V(f:実験加振周波数、V:流速)は0.01〜0.3の範囲、無次元振幅A/D(A:構造物振動振幅)は0.1〜1.1の範囲で複数の条件を選んで実験を行った。また、部分模型100の構造物条件として、ストレーキ10は、管12の直径(D)とストレーキ10の高さ(H)との比(H/D)で最大0.25まで,管12の直径(D)とストレーキ10の螺旋ピッチ(P)との比(P/D)は最大15までの範囲で複数条件を設定した。なお、(H/D)=0及び(P/D)=0は、部分模型100にストレーキ10を設けていないことを示す。
特に、海中線状構造物としてライザーを想定した渦励起流体力データ計算プログラムに用いる実験流体力データを取得する場合、第1範囲:(H/D,P/D)=(0,0),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1、第2範囲:(H/D,P/D)=(0.15,5),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9、第3範囲:(H/D,P/D)=(0.15,15),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9、第4範囲:(H/D,P/D)=(0.25,15),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9の範囲において条件を設定して実験流体力データを取得することが好ましい。
また、流入角度χの条件については、第5範囲:χ=0〜45deg,Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1において条件を設定して実験流体力データを取得することが好ましい。このとき、(H/D,P/D)=(0,0)、すなわち部分模型100にストレーキ10を設けない状態で部分模型100に対する流れの方向(流入角度χ)を変更して部分模型100に働く流体力の変化を実験流体力データとすることも可能である。
このような範囲で各パラメータの組み合わせを変更しつつ実験条件を設定し、部分模型100を強制的に揺動させて各パラメータの組み合わせに対応する離散的な実験流体力データを取得した。
<渦励振流体力データ計算処理>
渦励振流体力実験において取得された実験流体力データを用いて渦励振流体力データを求める渦励振流体力データ計算処理について説明する。渦励振流体力データ計算処理では、処理対象となる線状構造物の構造物条件、加振条件及びレイノルズ数に基づいて、処理対象に生ずる渦励振流体力を解析するための計算流体力データを求める。
渦励振流体力データ計算処理は、渦励振流体力データ計算プログラムをコンピュータで実行することによって実現される。図4は、渦励振流体力データ計算プログラムを実行するためのコンピュータ200の構成を示す図である。コンピュータ200は、処理部20、記憶部22、入力部24及び出力部26を含んで構成される。処理部20は、CPU等から構成され、記憶部22に予め記憶された渦励振流体力データ計算プログラムを実行することによって本実施の形態における渦励振流体力データ計算処理を実現する。記憶部22は、処理部20からアクセス可能な半導体メモリ、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置を含んで構成される。記憶部22は、渦励振流体力データ計算プログラム、実験流体力データを含む実験流体力データベース、入力条件や各ステップにおける計算結果等、渦励振流体力データ計算処理に必要な電子情報を記憶する。入力部24は、キーボード、マウス等の入力装置、インターネット等の電子情報回線からデータを取得するインターフェース等を含んで構成される。入力部24は、渦励振流体力データ計算処理に必要な電子情報の入力を受けて、記憶部22に記憶させる。出力部26は、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、インターネット等の電子情報回線へデータを出力するインターフェース等を含んで構成される。出力部26は、渦励振流体力データ計算処理で得られた演算結果をユーザや外部装置等に出力するために用いられる。
渦励振流体力データ計算処理は、図5のフローチャートに沿って行われる。当該フローチャートにおける各ステップは、記憶部22に記憶された渦励振流体力データ計算プログラムを処理部20によって実行することによって実現される。
ステップS10では、処理対象となる線状構造物の構造物条件、当該処理対象への加振条件、及びレイノルズ数を取得する。例えば、処理部20は、入力部24からこれらの情報の入力を受けて記憶部22に記憶させる。処理対象の構造物条件は、処理対象の管の直径(D)とストレーキの高さ(H)との比(H/D)、処理対象の管の直径(D)とストレーキの螺旋ピッチ(P)との比(P/D)を含む。また、処理対象への構造物条件は、処理対象への流体の流入角度(χ)を含んでもよい。処理対象への加振条件は、処理対象への無次元加振周波数fD/V(f:加振周波数、V:流速)及び無次元振幅A/D(A:構造物振動振幅)を含む。
ステップS12では、実験流体力データを取得する。処理部20は、入力部24等から渦励振流体力実験方法で得られた実験流体力データを取得して記憶部22に記憶させる。実験流体力データは、渦励振流体力実験で得られた離散型データであり、予め記憶部22に記憶させておいてもよい。
ステップS14では、処理対象となる線状構造物に対するレイノルズ数及び加振条件に対応する補間流体力データを求める。処理部20は、離散型の実験流体力データを補間して、ステップS10で取得したレイノルズ数及び加振条件に対応する流体力データを補間流体力データとして求める。処理部20は、記憶部22から実験流体力データを読み出し、ステップS10で取得したレイノルズ数及び加振条件に対応する補間抗力係数、補間揚力方向付加質量係数、補間揚力方向減衰係数を算出する。算出された補間流体力データは、記憶部22に記憶される。
実験流体力データにおける抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数は、レイノルズ数及び加振条件以外のパラメータにも依存する。したがって、補間流体力データは、これらのパラメータに依存した抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数のデータ群となる。
例えば、上記第1範囲〜第4範囲について実験流体力データが取得されている場合、(H/D,P/D)=(0,0),(H/D,P/D)=(0.15,5),(H/D,P/D)=(0.15,15),(H/D,P/D)=(0.25,15)の4つのデータ群についてステップS10で取得したレイノルズ数及び加振条件に対応する補間抗力係数、補間揚力方向付加質量係数、補間揚力方向減衰係数が算出される。また、実験流体力データの範囲外では、最も近い限界値をレイノルズ数及び加振条件に対応する値として求める。
ステップS16では、処理対象となる線状構造物の構造物条件に対応する計算流体力データを求める。処理部20は、補間流体力データを補間して、ステップS10で取得した処理対象の構造物条件に対応する流体力データを計算流体力データとして求める。処理部20は、記憶部22から補間流体力データを読み出し、ステップS10で取得した構造物条件に対応する計算抗力係数、計算揚力方向付加質量係数、計算揚力方向減衰係数を算出する。算出された計算流体力データは、記憶部22に記憶される。
ステップS16は、図6のサブルーチンに沿って、ステップS16−1〜S16−3の各ステップとして実行される。
ステップS16−1では、処理対象の管の直径(D)とストレーキの高さ(H)との比(H/D)に応じた抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数を補間処理により算出する。例えば、上記第1範囲〜第4範囲について補間流体力データが求められている場合、(H/D,P/D)=(0,0),(H/D,P/D)=(0.15,15),(H/D,P/D)=(0.25,15)の3つのデータ群を用いて、ステップS10で取得した処理対象の(H/D)に対応する抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数が算出される。また、補間流体力データの範囲外では、線形外挿して得られる値を処理対象の(H/D)に対応する値として求める。なお、補間(内挿)や外挿は線形的な方法に限られるものでなく、非線形的な方法や多項式補間等の各種の方法が選択し得る。
ステップS16−2では、処理対象の管の直径(D)とストレーキの螺旋ピッチ(P)との比(P/D)に応じた抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数に対するピッチ影響補正量(RP)を求める。例えば、上記第1範囲〜第4範囲について補間流体力データが求められている場合、比(H/D)=0.15を基準としたデータ群からピッチ影響補正量(RP)を求める。すなわち、(H/D,P/D)=(0.15,5),(H/D,P/D)=(0.15,15)の2つのデータ群を補間して、ステップS10で取得した処理対象の(P/D)に対応する抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数に対するピッチ影響補正量(RP)が算出される。なお、処理対象の比(P/D)がデータ群の範囲外である場合には線形外挿してピッチ影響補正量(RP)を求める。
ステップS16−3では、処理対象への流体の流入角度(χ)に応じた抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数に対する角度影響補正値(RA)を算出する。例えば、上記第5範囲について補間流体力データが求められている場合、第5範囲のデータを補間して、処理対象の流入角度(χ)に対応する抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数に対する角度影響補正値(RA)が算出される。なお、処理対象の流入角度(χ)がデータ群の範囲外である場合には線形外挿して角度影響補正値(RA)を求める。
ステップS16−4では、ステップS16−1〜S16−3で得られた比(H/D)に対する抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数の補間値、ピッチ影響補正量(RP)及び角度影響補正値(RA)から処理対象に対する抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数の計算流体力データを算出する。すなわち、ステップS16−1で得られた抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数の各々の補間値に、ステップS16−2で得られたピッチ影響補正量(RP)及びステップS16−3で得られた角度影響補正値(RA)を乗算することによって計算流体力データ、すなわち計算抗力係数、計算揚力方向付加質量係数、計算揚力方向減衰係数が算出される。
なお、処理対象への流体の流入角度(χ)を考慮に入れない場合には、ステップS16−3の処理を省略し、抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数の各々の補間値にピッチ影響補正量(RP)を乗算することによって計算流体力データを算出することができる。
ステップS18では、ステップS16にて算出された計算流体力データが出力される。処理部20は、出力部26から計算流体力データを出力してもよいし、続いて線状構造物の設計処理を行う場合には記憶部22へ出力し、記憶部22に計算流体力データを記憶させてもよい。
以上のように、処理対象の管に対する抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数が計算流体力データとして算出される。
ここで、計算流体力データは、比(H/D)、比(P/D)及び流入角度(χ)の順に影響を評価して求めることが好適である。これは、抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数を含む計算流体力データは、線状構造物のストレーキの高さ(H)とストレーキのピッチ(P)では、ストレーキの高さ(H)の影響が大きいので、ストレーキの高さ(H)の影響評価を優先することが好ましい。また、流入角度(χ)の影響評価は、χ=0の評価を基準として流入角度の影響を補正するため、最後に行うことが好ましい。補間処理によって計算流体力データを求める場合には、計算流体力データへの影響が大きくパラメータの順に補間処理を行うことによって計算流体力データの精度を高めることができる。
なお、後述する線状構造物の設計処理において有限要素法を適用する場合、線状構造物の要素毎に計算流体力データを求めることが好適である。
<線状構造物の設計処理>
渦励振流体力データ計算処理で算出された計算流体力データを用いて渦励振を考慮した線状構造物の設計を行う線状構造物の設計処理について説明する。線状構造物の設計処理では、1本の線状構造物の流れの中での振動を計算する。
線状構造物の設計処理は、有限要素法を用いて、細長い線状構造物を複数の要素に分割して各要素に対する流れの影響を演算する。線状構造物の設計処理は、コンピュータによって線状構造物設計処理プログラムを実行することにより実現される。線状構造物設計処理プログラムを実行するためのコンピュータは、図4に示したコンピュータ200と同様の構成とすることができる。この場合、記憶部22に線状構造物設計処理プログラム及び計算流体力データを記憶しておき、処理部20にて線状構造物設計処理プログラムを実行することによって線状構造物の設計処理を実現する。線状構造物設計処理プログラムは、例えば、有限要素法を扱う周波数領域計算プログラムであるVIVANA(MARINTEC製)やSHEAR7(MIT製)等を用いて実現することができる。なお、線状構造物の設計処理は、有限要素法以外にもランプドマス法、境界要素法、パネル法等の各種の方法が選択し得るが、有限要素法は構造力学分野で広く使われている数値解析手法であるため利用が容易である。
渦励振を考慮した線状構造物の設計処理は、図7のフローチャートに沿って行われる。当該フローチャートにおける各ステップは、記憶部22に記憶された線状構造物設計処理プログラムを処理部20によって実行することによって実現される。
ステップS20では、線状構造物設計に必要な条件の設定が行われる。処理部20は、入力部24等から設計対象となる線状構造物の両端の位置、構造物の分割数、剛性等の物理的な条件を取得し、記憶部22に記憶させる。また、渦励振流体力データ計算処理で得られた計算流体力データを取得して記憶部22に記憶させる。また、各ステップで得られた計算結果を一時的に記憶してもよい。
ステップS22では、設定された条件下における線状構造物の静的な釣り合い状態を求める。処理部20は、有限要素法によりステップS20において設定された条件を用いて、流れがない状態における設計対象となる線状構造物の各要素及び要素同士の境界条件について矛盾なく釣り合う条件を算出する。
ステップS24では、線状構造物の固有振動数を算出する。処理部20は、ステップS22において算出された釣り合い条件に基づいて設計対象となる線状構造物の各要素の固有振動数を求める。
ステップS26では、線状構造物が配置される環境の流体の流れを考慮して線状構造物の各要素に働く流体力を算出する。処理部20は、線状構造物の各要素に対する計算流体力データ(抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数)を用いて、設定振動周波数を変更しつつ、線状構造物の各要素に働く流体力を算出し、各要素及び要素同士の境界条件について矛盾なく釣り合う条件を求める。このとき、線状構造物の減衰力等は振動の状況で変化することを考慮することが好適である。また、外力である潮流力も場所により変化していることを考慮することが好適である。
ステップS28では、ステップS26にて算出された流体力が出力される。処理部20は、出力部26から流体力を出力してもよいし、記憶部22に流体力を記憶させてもよい。
このようにして、線状構造物の各要素に働く流体力を計算流体力データに基づいて求めると共に、線状構造物の全体についての釣り合いの条件を探索することによって線状構造物に働く流体力・応答・内力を求めることができる。線状構造物に働く流体力等には、例えば、線状構造物に生ずる振動、周波数、振幅の情報が含まれる。なお、ステップS28の出力として線状構造物に働く曲げモーメントやせん断を得ることもできる。
さらに、得られた流体力等の情報に用いて、線状構造物の疲労評価を行うことができる。疲労評価は、例えば、ステップS28で得られた線状構造物に働く曲げモーメントやせん断力の評価を利用し、材料特性や経時的な条件を考慮して行うことができる。
本実施の形態によれば、線状構造物に生ずる渦励振流体力及びそれによる疲労損傷等への影響をより正確に予測することが可能となる。これによって、線状構造物の設計を容易かつ迅速に行うことを可能とする。例えば、海面から海底まで延びる長いライザーに生ずる渦励振流体力を予測し、用途や利用される海域や要求耐用年数に応じて管径やストレーキ等の仕様(ストレーキ高さ、ピッチ)を最適化して渦励振流体力を低減したライザーを設計することができる。
なお、上記ステップS26では、流体の流れを考慮した線状構造物に働く流体力を算出するが、その算出処理において線状構造物の各要素に対する計算流体力データ(抗力係数、揚力方向付加質量係数、揚力方向減衰係数)に対する条件が変わってしまうことがある。そのような場合、新たな条件を用いて渦励振流体力データ計算処理を再度実行し、線状構造物の各要素に対する計算流体力データを再度算出し、そのデータを用いて線状構造物の設計処理を行うことが好適である。このように、線状構造物の設計処理及び渦励振流体力データ計算処理を繰り返し行うことによって、線状構造物に働く流体力をより正確に求めることができる。
本発明は、流体内に配置される線状構造物に生ずる渦励振流体力の実測及び予測を可能とするものである。本発明の適用範囲は、水中のライザーを含めた線状構造物に限定されるものではなく、空中の屋外設置用ポールや電線等の計算流体力データの算出を通じた疲労破壊の予測や抑制に用いることができる。
10 ストレーキ、12 管、14 端板、20 処理部、22 記憶部、24 入力部、26 出力部、100 部分模型、200 コンピュータ、S10(ステップ1)、S12(ステップ2)、S14(ステップ3)、S16(ステップ4)、S18(ステップ5)、S20(ステップ6)、S22(ステップ7)、S26(ステップ8)。

Claims (21)

  1. 線状構造物である処理対象に働く流体力データを求めるプログラムであって、
    コンピュータによって、
    前記処理対象の構造物条件と、前記処理対象への加振条件と、レイノルズ数を演算条件として取得するステップ1と、
    線状構造物に対する実験において、加振条件とレイノルズ数との組み合わせに対して得られた実験流体力データを取得するステップ2と、
    前記実験流体力データを補間して前記演算条件に含まれるレイノルズ数及び加振条件における補間流体力データを得るステップ3と、
    前記補間流体力データに対し、前記演算条件に含まれる構造物条件に対応する流体力データを計算流体力データとして求めるステップ4と、
    前記計算流体力データを出力するステップ5を行うことを特徴とする線状構造物の渦励振流体力データ計算プログラム。
  2. 請求項1に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象に設けられるストレーキの高さ条件とピッチ条件を含み、
    前記ステップ4は、
    前記高さ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−1と、
    前記ピッチ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−2を有することを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  3. 請求項1又は2に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象への流れの流入角度条件を含み、
    前記ステップ4は、前記流入角度条件に対応する流体力データを求めるステップ4−3を有することを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  4. 請求項1に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記演算条件に含まれる構造物条件は、前記処理対象に設けられるストレーキの高さ条件とピッチ条件、前記処理対象への流れの流入角度条件を含み、
    前記ステップ4は、
    前記高さ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−1と、
    前記ピッチ条件に対応する流体力データを求めるステップ4−2と、
    前記流入角度条件に対応する流体力データを求めるステップ4−3を順に行うことを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記実験流体力データは、前記実験で用いられた線状構造物に設けられたストレーキの高さとピッチ及び/又は前記実験で用いられた線状構造物への流れの流入角度の組み合わせ毎の離散型データであることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  6. 請求項5に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記離散型データは、複数のレイノルズ数毎に実験で得られた流体力のデータであることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記加振条件は、前記処理対象に対する加振周波数及び振幅であることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記実験流体力データは、実験抗力係数、実験揚力方向付加質量係数及び実験揚力方向減衰係数を含み、
    前記ステップ4は、前記計算流体力データとして計算抗力係数、計算揚力方向付加質量係数及び計算揚力方向減衰係数を求めることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  9. 請求項5又は6に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記ステップ4−1は、前記離散型データを補間して前記ストレーキの高さ条件に対応する流体力データを求めることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  10. 請求項5,6及び9のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記ステップ4−2は、前記離散型データを補間して前記ストレーキのピッチ条件に対応する流体力データを求めることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  11. 請求項5,6,9及び10のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記ステップ4−3は、前記離散型データを補間して前記流入角度条件に対応する流体力データを求めることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  12. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記線状構造物は、円形断面を有するストレーキ付き円柱形状であり、
    前記実験流体力データは、
    第1範囲:(H/D,P/D)=(0,0),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1
    第2範囲:(H/D,P/D)=(0.15,5),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9
    第3範囲:(H/D,P/D)=(0.15,15),Re=1.3×105〜5.2×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9
    第4範囲:(H/D,P/D)=(0.25,15),Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.05〜0.3,A/D=0.1〜0.9
    ただし、
    H:実験での線状構造物のストレーキの高さ(m)
    D:実験での線状構造物の直径(m)
    P:実験での線状構造物のストレーキの螺旋ピッチ(m)
    Re:実験時のレイノルズ数
    fD/V:実験無次元加振周波数
    f:実験加振周波数(Hz)
    V:実験における線状構造物への流れの流速(m/s)
    A/D:実験無次元振幅
    A:実験での振動の振幅(m)
    として、前記第1範囲から前記第4範囲の少なくとも1つの範囲で取得されることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  13. 請求項5〜12のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムであって、
    前記線状構造物は、円形断面を有するストレーキ付き円柱形状であり、
    前記実験流体力データは、
    第5範囲:χ=0〜45deg,Re=1.5×105〜5.0×105,fD/V=0.01〜0.3,A/D=0.1〜1.1
    χ:実験における線状構造物への流れの流入角度(線状構造物への流れが直角のときを0とする)
    D:実験での線状構造物の直径(m)
    Re:実験時のレイノルズ数
    fD/V:実験無次元加振周波数
    f:実験加振周波数(Hz)
    V:実験における線状構造物への流れの流速(m/s)
    A/D:実験無次元振幅
    A:実験での振動の振幅(m)
    前記第5範囲の範囲で取得されることを特徴とする渦励振流体力データ計算プログラム。
  14. コンピュータによって、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムを用いて得られた前記計算流体力データを含む設定条件を取得するステップ6と、
    前記設定条件に基づいて前記処理対象の静的な釣り合い条件を求めるステップ7と、
    前記釣り合い条件及び前記計算流体力データを用いて設定振動周波数における前記処理対象に働く流体力を計算するステップ8を行い、
    前記設定振動周波数を変化させつつ前記ステップ8を繰り返して、前記処理対象に働く流体力を計算して前記処理対象が前記釣り合い条件に達したかを判定することを特徴とする渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム。
  15. 請求項14に記載の設計プログラムであって、
    前記ステップ8の繰り返し処理において、前記渦励振流体力データ計算プログラムを用いて前記計算流体力データを再計算し、再計算された前記計算流体力データを用いて前記処理対象のバランス点が前記釣り合い条件に達したかを判定することを特徴とする渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム。
  16. 請求項14又は15に記載の設計プログラムであって、
    前記ステップ8は、前記処理対象が置かれた潮流条件を用いて前記処理対象に働く流体力を計算することを特徴とする渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム。
  17. 請求項14又は15に記載の設計プログラムであって、
    前記ステップ8は、前記処理対象の固有振動数を算出し、前記処理対象に働く流体力を計算することを特徴とする渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム。
  18. 請求項14〜17のいずれか1項に記載の設計プログラムであって、
    前記処理対象に働く流体力を用いて前記処理対象の疲労評価を行うステップ9を備えることを特徴とする渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム。
  19. 請求項14〜18のいずれか1項に記載の設計プログラムであって、
    前記ステップ8における流体力の計算は、有限要素法を用いて行われることを特徴とする渦励振を考慮した線状構造物の設計プログラム。
  20. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の渦励振流体力データ計算プログラムに用いる前記実験流体力データを得るための渦励振流体力実験方法であって、線状構造物の部分模型を強制揺動させて、加振条件とレイノルズ数との組み合わせに対する前記実験流体力データを取得することを特徴とする渦励振流体力実験方法。
  21. 請求項20に記載の渦励振流体力実験方法であって、
    前記部分模型は、実物大模型であることを特徴とする渦励振流体力実験方法。
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