JP6178701B2 - 無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、ミリ波やテラヘルツ波の無線伝送技術に関する。
ミリ波(30−300GHz)やテラヘルツ波(300GHz−3THz)などの高い周波数を持つ電磁波を搬送波として用いる無線通信技術がある。この技術は変調に用いる帯域を大きく確保できる可能性があるため、高速な無線通信システムへの応用が期待されている。
通常、そのような無線通信システムを従来のIC技術を用いて構成することが考えられる。しかし、100GHzを超えるような搬送波を発生し変調することは、ICの応答速度の限界によって困難であった。
そこで、非特許文献1によれば、図8に示すように光技術を用いてミリ波やテラヘルツ波を発生させる送信システム100を提案している。周波数が異なる2つの光源11a,11bからの各光信号を合波器14で合波した後にフォトミキサ15でフォトミキシングすることにより、(f1−f2)の周波数差の周波数を持つ電気信号(電磁波信号)を出力するシステムである。
例えば、300GHzの搬送波を出力したい場合は、周波数差が300GHzとなる2つの光源11a,11bを利用する。なお、変調器13の設置場所は用途や変調方式に応じて異なるが、図8では片方の光源11aと合波器14との間に接続する例を示している。
一方、受信システム200では、送信システム100からの電気信号を復調するために同期検波器24が利用される。同期検波器24は、変調時に用いた光信号と位相が同期した参照信号を入力し、その参照信号を用いて復調信号を検波する。
このような位相変調による無線通信システム1で同期検波を行う際には、送信システム100や受信システム200で位相管理が必要となる。以下にこの問題の発生原理を説明する。
位相変調方式は、電磁波の位相を伝送したい符号によって切り替える変調方式である。例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式(4値位相変調方式)における変調信号s(t)の時間波形は、
符号が(0,0)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(0,0)
符号が(0,1)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(0,1)
符号が(1,0)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(1,0)
符号が(1,1)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(1,1)
となる。Aは振幅、ωは角速度、θは符号に応じた位相変動を示している。同期検波方式による受信システム200では位相変動θを観測することによって符号の復調が行われる。
しかしながら、送信システム100において、一方の光源11aの出力端から合波器14の入力端に至る経路の実効長と、もう一方の光源11bの出力端から合波器14の入力端に至る経路の実効長との差分が環境の状況やその状態によって変動するため、変調信号の時間波形が変化し正しく復調することができない。
この実効長の変動は小さいため、周波数の低いマイクロ波を用いた無線通信システムでは十分無視できる。しかし、ミリ波やテラヘルツ波を扱う無線通信システムでは、変調処理が行われる光の波長が短いため、経路の実効長の変動が光の位相に大きく影響する。この場合、QPSK変調方式の変調信号の時間波形は2つの光信号の位相変動によって変動するため以下のようになる。
符号が(0,0)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(0,0)+φ(t)}
符号が(0,1)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(0,1)+φ(t)}
符号が(1,0)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(1,0)+φ(t)}
符号が(1,1)の場合 s(t)=Asin{ωt+θ(1,1)+φ(t)}
つまり、同期検波方式による受信システム200では、(θ+φ)の位相変動を観測することになるため、ランダムに変動するφ(t)の影響により正常な復調が困難となる。
このような問題に対し、非特許文献2によれば、経路の実効長の変動が環境温度に起因することに着目し、温度を安定化させる装置を伝送路中に組み込むことによってその変動の低減を図っている。例えば図9に示すように、経路の実効長の変化が生じる構成要素を恒温筐体17に格納し、温度調整機構18によって筐体内の温度を環境温度に寄らず一定に保つようにしている。
A. Hirata、外9名、"120-GHz-Band Millimeter-Wave Photonic Wireless Link for 10-Gb/s Data Transmission"、IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques、Vol.54、No.5、2006年5月、p.1937-1944 A. Roggenbuck、外8名、"Using a fiber stretcher as a fast phase modulator in a continuous wave terahertz spectrometer"、J. Opt. Soc. Am. B、Vol.29、No.4、2012年4月 藤野忠、"ディジタル移動通信"、第3章
しかしながら、ミリケルビンの単位まで一定となるように筐体内の温度を調整する必要があるため、高品質かつ高機能の恒温筐体及び温度調整機構が要求される。これにより送信システムの製造コストが増加してしまう。また、長時間に渡って温度調整を一定に保つことは極めて困難でもある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、復調処理を確実に行うことを目的とする。
請求項1に記載の無線通信システムは、送信システム及び受信システムを備えた無線通信システムにおいて、前記送信システムは、所定周波数の第1光信号を出力する光源と、前記第1光信号と、前記周波数とは異なる周波数であって位相変調後の第2光信号とを合波する合波器と、合波された光信号をフォトミキシングすることにより、前記第1光信号と前記第2光信号との周波数差の周波数を持つ電気信号を発生するフォトミキサと、前記電気信号を空間に放射する送信アンテナと、を有し、前記受信システムは、前記空間を介して伝搬された前記電気信号を受信する受信アンテナと、受信した前記電気信号は2分岐され、一方の電気信号を前記変調用信号のシンボル長と同一時間だけ遅延させる遅延回路と、前記周波数差に基づく大きさの制御信号を用いて自身の位相回転量を可変することにより、2分岐された他方の電気信号の位相回転量を制御する位相器と、前記遅延回路と前記位相器とからそれぞれ出力された2つの電気信号から復調信号を検波する遅延検波回路と、を有することを要旨とする。
本発明によれば、遅延回路や遅延検波回路を用いて受信システムを構成するため、同期検波方式と比べて位相変動を抑制することができる。また、位相器において、第1光信号と第2光信号との周波数差に基づく大きさの制御信号を用いて自身の位相回転量を可変することにより、2分岐された他方の電気信号の位相回転量を制御するため、位相器及び遅延回路から遅延検波回路にそれぞれ入力される2つの電気信号の位相関係が調整(例えば、位相器で回転させる位相量が、送信システムからの電気信号の中心周波数変更に基づき変化した遅延回路での位相回転量に一致するように調整)されるので、送信システムから放射される電気信号の中心周波数が変更された場合でも確実に復調することができる。
請求項2に記載の無線通信システムは、請求項1に記載の無線通信システムにおいて、前記受信システムは、前記遅延検波回路から出力された前記復調信号のアイパターンのアイの大きさが最大となるように前記制御信号の大きさを制御する波形解析部を更に有することを要旨とする。
請求項3に記載の無線通信システムは、請求項1又は2に記載の無線通信システムにおいて、前記第2光信号は4値位相変調方式を用いて2つの変調用信号で位相変調され、前記遅延検波回路は、前記位相器から出力された電気信号は2分岐され、前記周波数差に基づく大きさの制御信号で自身の位相回転量を変化させることにより、一方の電気信号の位相回転量を制御する第2位相器と、当該2分岐された他方の電気信号の位相を90度回転する90度位相器と、前記遅延回路から出力された電気信号は2分岐され、前記周波数差に基づく大きさの制御信号で自身の位相回転量を変化させることにより、一方の電気信号の位相回転量を制御する第3位相器と、前記第2位相器から出力された電気信号と当該2分岐された他方の電気信号とをミキシングして復調信号を出力するミキサと、前記90度位相器から出力された電気信号と前記第3位相器から出力された電気信号とをミキシングして復調信号を出力するミキサと、を有することを要旨とする。
請求項4に記載の無線通信システムは、請求項3に記載の無線通信システムにおいて、前記受信システムは、いずれかの前記ミキサから出力された前記復調信号のアイパターンのアイの大きさが最大となるように、前記第2位相器及び/又は前記第3位相器に入力される前記制御信号の大きさを制御する波形解析部を更に有することを要旨とする。
本発明によれば、復調処理を確実に実施できる。
第1実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。 電気信号の位相変動の例を示す図である。 第2実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。 復調ベースバンド信号の例を示す図である。 第3実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。 遅延検波回路の回路構成を示す図である。 送信システムの変形例を示す図である。 従来の無線通信システムの全体構成(第1例)を示す図である。 従来の無線通信システムの全体構成(第2例)を示す図である。
本発明は、無線通信システム1において、同期検波器24や温度調整機構18を用いる代わりに、送信システム100の位相変動や符号誤り率に寄らないように、遅延検波器22(遅延回路221及び遅延検波回路222)を用いて受信システム200を構成することを特徴としている。遅延検波方式は、1シンボル前の信号との位相差を検知するため、同期検波方式と比べて位相変動を抑制することができる。
また、遅延検波回路222に入力されるもう一方の電気信号の位相回転量を位相器223で調整することを特徴としている。これにより、遅延検波回路222に入力される2つの電気信号の位相関係が調整されるので、中心周波数が変更された場合でも確実に復調することができる。例えば、位相器223の位相回転量を、送信システム100からの電気信号の中心周波数が変更されたことに起因する遅延回路221での位相回転量に一致するように調整する。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る無線通信システム1の全体構成を示す図である。この無線通信システム1は、光技術を用いて電磁波の発生や変調及び復調を行うシステムであり、送信システム100と受信システム200とを備えて構成される。
送信システム100は、周波数f1の光を発振する光源11aと、周波数f1と異なる周波数f2の光を発振する光源11bと、光源11aからの光信号を増幅する利得可変増幅器12aと、光源11bからの光信号を増幅する利得可変増幅器12bと、QPSK等の変調方式を用いて増幅後の周波数f1の光信号に対し入力される変調用ベースバンド信号A,Bに対応した位相変調処理を行う変調器13と、増幅後及び変調後の周波数f1の光信号と増幅後及び未変調の周波数f2の光信号とを合波する合波器14と、合波された光信号をフォトミキシングすることにより、(f1−f2)の周波数差の周波数を持つ電気信号を発生するフォトミキサ15と、その電気信号を電磁波として空間に放射する送信アンテナ16とで構成される。
受信システム200は、空間を介して伝搬された電気信号を受信する受信アンテナ21と、QPSK等の遅延検波方式を用いて受信した電気信号から復調ベースバンド信号A,Bを検波する遅延検波器22とで構成される。
ここで遅延検波器22について説明する。遅延検波器22は、受信した電気信号は2分岐され、一方の電気信号を変調用ベースバンド信号A,Bのシンボルレートと同じ時間だけ遅延させる遅延回路221と、(f1−f2)の周波数差に基づく大きさの制御信号S1で自身の位相回転量を変化することにより、2分岐されたもう一方の電気信号の位相回転量を制御する位相器223と、遅延回路221と位相器223とからそれぞれ出力された2つの電気信号から復調ベースバンド信号A,Bを検波する遅延検波回路222とで構成されている。
次に、無線通信システム1の動作について説明する。まず、送信システム100の動作を説明する。ただし、送信システム100ではQPSKの変調方式を用い、受信システム200ではQPSKの遅延検波方式を用いるものとする。
まず、光源11aから周波数f1の光信号が出力され、光源11bから周波数f2の光信号が出力される。周波数f1と周波数f2の周波数差は、送信システム100と受信システム200との間の無線区間で伝搬させたい電磁波の周波数となるように設定されている。
次に、光源11aからの周波数f1の光信号は、利得可変増幅器12aで増幅された後に、変調器13により2つの変調用ベースバンド信号A,Bを用いてQPSK変調が行われる。これにより、その光信号は、周波数f1を中心としたQPSK変調光信号となる。
なお、受信システム200の受信方式はQPSKの遅延検波方式のため、変調に用いられる変調用ベースバンド信号A,Bは予め積算処理されたものが入力される。変調用ベースバンド信号A,Bのシンボルレートは、背景技術で説明した理由から10Msps以上であることが望ましい。
続いて、その周波数f1を中心としたQPSK変調光信号は合波器14へ入力され、その入力に併せて更に、光源11bからの周波数f2の光信号も利得可変増幅器12bで増幅された後に合波器14に入力される。
なお、合波器14に入力される2つの光信号は、利得可変増幅器12a,12bの利得をそれぞれ調整することによって同じ電力値となるように設定されている。これは、後述するフォトミキシングの際に最も高い効率で周波数変換が行われるようにするためである。
その後、合波器14により、入力された2つの光信号が合波され、フォトミキサ15により、合波された2つの光信号がミキシングされ周波数変換が行われる。この結果、フォトミキサ15から、(1)周波数f1を中心としたQPSK変調光信号、(2)周波数f2の光信号、(3)周波数f1+f2を中心としたQPSK変調光信号、(4)周波数f1−f2を中心とするQPSK変調波の信号が出力される。送信アンテナ16は周波数f1−f2の帯域のみを送信周波数帯域として備えており、その送信アンテナ16から上記(4)の電気信号のみが空間に放射される。
次に、受信システム200の動作を説明する。
まず、受信アンテナ21は送信アンテナ16と同じ帯域の受信周波数帯域を備えており、その受信アンテナ21により、先の空間を介して飛来した上記(4)の電気信号が受信され、遅延検波器22に出力される。
次に、受信された電気信号は遅延検波器22の内部で2分岐され、一方の電気信号は遅延回路221に入力される。そして、その遅延回路221により、変調用ベースバンド信号A,Bのシンボルレートと同じ時間だけ遅延された後に遅延検波回路222に出力される。
また、もう一方の電気信号は位相器223に入力される。この位相器223の位相回転量は(f1−f2)の周波数差に基づく大きさの制御信号S1により変更されており、入力された電気信号は、その位相器223により位相回転量が調整された後に遅延検波回路222に出力される。
その後、遅延回路221からの電気信号と位相器223からの電気信号とは遅延検波回路222に入力され、その遅延検波回路222により、QPSKの遅延検波を用いて復調ベースバンド信号A,Bが検波され出力される。この遅延検波回路222は検波と減算処理を同時に行うため、復調ベースバンド信号A,Bは変調用ベースバンド信号A,Bの積算処理前の信号と同じものになる。なお、その検波処理や減算処理については非特許文献3に詳述されている。
これまで説明したように、本実施の形態では、遅延検波器22(遅延回路221及び遅延検波回路222)を用いて受信システム200を構成するようにしている。この遅延検波方式は、1シンボル前の信号との位相差を検知するため、同期検波方式と比べて位相変動を抑制することができる。以下にその効果が得られる理由を説明する。
図2は、送信システム100から出力される電気信号の位相変動を示す図である。位相変動の速度や大きさはシステム構成によって異なるが、最大で毎秒1200度で位相変動が生じている。QPSK変調方式は90度間隔の位相変化を検知する手法であるため、環境変動に起因する位相変動は90度よりも十分小さい必要がある。例えば、位相変動が0.001度程度であれば十分無視できる。
一方、遅延検波方式では、受信した信号と変調用ベースバンド信号における1シンボル前の信号との位相差を検知して復調を行う。例えば、シンボルレートが10Mspsであった場合、受信信号と1シンボル前の信号との時間差は100ナノ秒と非常に短い。よって、毎秒1200度の位相変動があったとしても、シンボル間の位相変動は非常に小さく、0.00012度程度となる。すなわち図2に示した位相変動が伝送特性に与える影響は十分に小さく無視できる。ゆえに、遅延検波方式を用いることにより、位相が変動するQPSK変調波を誤りなく受信することができる。
一方、このような無線通信システムを実際に使用する場合、通信に使用する以外の電磁波による干渉等を防止するため、送信システム100から出力される電気信号の中心周波数を変更することがある。
しかし、送信システム100は2つの光の周波数差の光信号を合波して電気信号を生成するため、その中心周波数の変更により位相が変化してしまう。これにより、遅延回路221に生じる位相回転量が周波数差(f1−f2)の大きさにより変化するため、遅延検波回路222に入力される2つの電気信号の位相関係も変化してしまう。その反面、遅延検波方式で用いられる遅延検波器22の遅延回路221は送信システム100で生成される電気信号の中心周波数に合わせて設計されている。ゆえに、送信システム100からの電気信号の中心周波数が変更されると受信システムで復調できなくなる。
そこで、本実施の形態では、遅延検波回路222に入力される2つの電気信号の位相関係を、周波数f1−f2を中心とするQPSK変調波の信号に応じて調整できるようにしている。すなわち、送信システム100から出力される電気信号の中心周波数の変更により遅延回路221の位相回転量が変化するが、遅延検波回路222に入力されるもう一方の電気信号の位相回転量を位相器223で調整するため、周波数f1−f2の値が変化した場合であっても、遅延回路221や遅延検波回路222の回路構成を変更することなく、その遅延検波回路222に入力される2つの信号の位相関係を最適に保つことができる。
ここで、制御信号S1の設定例を説明する。制御信号S1の値は、f1−f2の周波数差の変動に対して数値的に求めることができる。例えば、入力される2つの信号の位相関係が同位相であることが求められる遅延検波回路222を用い、電気長がLの遅延回路221を用いる場合を考える。周波数f1−f2の波長をλ0、変動した周波数f1’−f2’に相当する波長をλ1とする。周波数差がf1−f2の場合、遅延回路221から出力される位相は、L/λ0×360°を計算することにより求められる。よって、位相器223で回転させる位相量は、位相器223から出力される位相がL/λ0×360°と同相になるような値を設定すればよい。また、周波数が変動してf1’−f2’となった場合は、遅延回路221から出力される電気信号の位相はL/λ1×360°となるため、位相器223で回転させる位相量もこれと同相になるような値を設定すればよい。
本実施の形態によれば、遅延検波器22(遅延回路221及び遅延検波回路222)を用いて受信システム200を構成するので、同期検波方式と比べて位相変動を抑制することができる。また、遅延検波回路222に入力される遅延回路221以外からの電気信号の位相回転量を位相器223で調整するので、送信システム100が発振する電磁波の周波数及びその変動を補償でき、確実に復調することができる。環境変動の補償装置を伴わないため、大規模かつ高精度な装置を用いて送信システム100の位相及び周波数の安定化を図る必要がなく、簡便かつ小型な無線通信システムで無線伝送を実現できる。
〔第2の実施の形態〕
図3は、第2の実施の形態に係る無線通信システム1の全体構成を示す図である。この無線通信システム1は、受信システム200において、遅延検波回路222から出力された復調ベースバンド信号Aを解析して制御信号S1の適正値を自動的に求める波形解析部23を更に備えている。それ以外の構成は第1の実施の形態と同じである。
第1の実施の形態で説明したように、周波数f1−f2の値が変動した場合、遅延検波回路222に入力される2つの電気信号の位相関係が最適な位相関係(例えば、同相関係)からずれてしまうため、遅延検波の特性が劣化してしまう。
そこで、本実施の形態では、波形解析部23により、復調ベースバンド信号Aの波形を観測することによって復調時の精度劣化を検知し、最適な値の制御信号S1を自動的に生成して位相器223に入力するようにしている。
ここで、復調ベースバンド信号の例を図4に示す。この復調ベースバンド信号はアイパターンと呼ばれ、図中に示すアイの開きが大きければ伝送品質が良いという指標となる。波形解析部23は、遅延検波器22から出力された復調ベースバンド信号Aのアイパターンを観測し、アイの開きが最も大きくなるように制御信号S1の大きさを調整する。これにより、周波数f1−f2の値の変動に対して動的に自動でより最適に追随することができる。
なお、制御信号S1の値を最適化する手法は、例えば、所定の周波数f1−f2に対して、アイの開きが最も大きくなる制御信号S1の値を中心値として常にわずかに制御信号S1を変動させる手法がある。所定の周波数f1−f2が変動しない場合は、常に変動の中心値でアイの開きが最大となる。一方、周波数が変動した場合は、中心値からずれた点でアイの開きが最大となる。このような場合は、変動の中心値をアイの開きが最大となる点に変更させる。本手法に用いることによって、変動の中心値で常にアイの開きが最大になるように調整することができる。
本実施の形態によれば、復調ベースバンド信号Aのアイパターンのアイの大きさが最大となるように制御信号S1の大きさを制御するので、周波数f1−f2が動的に変動する場合においても常に安定した無線伝送を実現できる。また、光源11a,11bはその周波数安定度が高いほど高価になるが、本実施の形態では周波数f1,f2の変動を補償できるので、安価な光源を用いることが可能となる。
〔第3の実施の形態〕
図5は、第3の実施の形態に係る無線通信システム1の全体構成を示す図である。図6は、その受信システム200を構成している遅延検波回路222の回路構成を示す図である。
この無線通信システム1は、受信システム200の遅延検波回路222において、波形解析部23からの制御信号S2,S3により自身の位相回転量をそれぞれ変化させる位相器224,225を更に備えている。
つまり、遅延検波回路222は、位相器223からの電気信号が2分岐され、(f1−f2)の周波数差に基づく大きさの制御信号S2で自身の位相回転量を変化することにより、2分岐された一方の電気信号の位相回転量を制御する位相器224と、もう一方の電気信号の位相を90度回転する90度位相器226と、遅延回路221からの電気信号が2分岐され、(f1−f2)の周波数差に基づく大きさの制御信号S3で自身の位相回転量を変化させることにより、当該2分岐された一方の電気信号の位相回転量を制御する位相器225と、位相器224からの電気信号と遅延回路221からの2分岐された他方の電気信号とをミキシングして復調ベースバンド信号Aを検波するミキサ227と、90度位相器226からの電気信号と位相器225からの電気信号とをミキシングして復調ベースバンド信号Bを検波するミキサ228とで構成される。なお、位相器224,225を除いた遅延検波回路222は第1,第2の実施の形態で用いた遅延検波回路222の例とされる。
第1の実施の形態で説明したように、遅延検波回路222に入力される2つの電気信号の位相関係は予め定められた所望の位相関係(例えば、同相関係)である必要がある。遅延検波器22を設計する際には、(f1−f2)の周波数差から計算される波長を考慮し、遅延検波回路222に入力される2つの電気信号の経路長を適当な値に設定することにより所望の位相関係を得る必要がある。
さらに厳密には、遅延検波回路222の内部においても、入力された2つの電気信号の位相関係を最適に保つため、(f1−f2)の周波数差から計算される波長を考慮して経路長を適当な値に設定しなければならない。遅延検波回路222のサイズが遅延回路221よりも一般的に小さく、(f1−f2)の差に相当する周波数の波長が遅延検波回路222よりも十分大きい場合は、(f1−f2)の周波数差の変動に起因する遅延検波回路222の内部での位相変動は小さく、遅延検波の特性に対する影響は十分無視できる。
しかし、例えば、(f1−f2)の差に相当する周波数がミリ波帯やテラヘルツ帯の場合には、遅延検波回路222のサイズに比べて波長が小さくなり、(f1−f2)の差の周波数の変動に起因する遅延検波回路222の内部での位相変動は大きくなるため、遅延検波の特性に対する影響は無視できなくなる。
また、一般的なQPSK変調方式の遅延検波回路222では、その内部に90度位相器226が含まれるため、周波数f1−f2が変動した場合には当該90度位相器226の特性も変動し、これまでの位相器223だけでは完全な最適化が図れなくなる。
そこで、本実施の形態では、電気信号の中心周波数の変更により周波数f1−f2の値が変化した場合、復調ベースバンド信号Aから分岐した復調ベースバンド信号Aを波形解析部23で観測することによりそのアイパターンのアイの開きが最も大きくなる制御信号S1〜S3を求め、それらを用いて各位相器223,224,225の位相回転量をそれぞれ変化させ、各ミキサ227,228に入力される電気信号の位相を調整する。
これにより、遅延検波回路222に入力される2つの信号の位相関係及びその内部での位相関係が予め定められた所望の位相関係になるように調整され、遅延検波の特性をより高精度に最適化することができる。
なお、制御信号S1〜S3の各値の最適化方法は第2の実施の形態で説明した方法と同様である。例えば、良好に遅延検波が行える条件を中心値として、制御信号S1〜S3をわずかに変動させながらアイの開きを観測し、変動の中心値でアイの開きが常に最大となるように制御信号を変化させていくことにより最適化できる。
本実施の形態によれば、位相器223及び遅延回路221からの2つの電気信号の各位相を遅延検波回路222の内部でも調整し、復調ベースバンド信号Aのアイパターンのアイの大きさが最大となるように位相器223と遅延回路221に入力される制御信号S2,S3の大きさを制御するので、より確実に復調することができる。
最後に、各実施の形態で説明した送信システム100の変形例を図7に示す。各実施の形態では光源11aと変調器13を用いて変調後の光信号を生成する例について説明したが、図示しない光有線ネットワークから送信された中心周波数f1の光変調信号を用いるようにしてもよい。これにより、既設のネットワークとシームレスに接続可能となり、送信システム100において光源11a及び変調器13を不要にできる。
なお、各実施の形態では、無線通信システム1を動作させるために必要な構成品のみを挙げて説明したが、実際にシステムを構築する際には、必要な送信出力や感度、帯域制限を行うためにアンプやフィルタを適宜システムに加えてもよい。
1…無線通信システム
100…送信システム
11a,11b…光源
12a,12b…利得可変増幅器
13…変調器
14…合波器
15…フォトミキサ
16…送信アンテナ
17…恒温筐体
18…温度調整機構
200…受信システム
21…受信アンテナ
22…遅延検波器
221…遅延回路
222…遅延検波回路
223,224,225…位相器
226…90度位相器
227,228…ミキサ
23…波形解析部
24…同期検波器

Claims (2)

  1. 送信システム及び受信システムを備えた無線通信システムにおいて、
    前記送信システムは、
    所定周波数の第1光信号を出力する光源と、
    前記第1光信号と、前記周波数とは異なる周波数であって位相変調された第2光信号とを合波する合波器と、
    合波された光信号をフォトミキシングすることにより、前記第1光信号と前記第2光信号との周波数差の周波数を持つ電気信号を発生するフォトミキサと、
    前記電気信号を空間に放射する送信アンテナと、を有し、
    前記受信システムは、
    前記空間を介して伝搬された前記電気信号を受信する受信アンテナと、
    受信した前記電気信号は2分岐され、一方の電気信号を前記位相変調に係る変調用信号のシンボル長と同一時間だけ遅延させる遅延回路と、
    前記周波数差に基づく大きさの制御信号を用いて自身の位相回転量を可変することにより、2分岐された他方の電気信号の位相回転量を制御する位相器と、
    前記遅延回路と前記位相器とからそれぞれ出力された2つの電気信号から復調信号を検波する遅延検波回路と、を有し、
    前記第2光信号は、4値位相変調方式を用いて2つの変調用信号で位相変調され、
    前記遅延検波回路は、
    前記位相器から出力された電気信号は2分岐され、前記周波数差に基づく大きさの制御信号で自身の位相回転量を変化させることにより、一方の電気信号の位相回転量を制御する第2位相器と、
    当該2分岐された他方の電気信号の位相を90度回転する90度位相器と、
    前記遅延回路から出力された電気信号は2分岐され、前記周波数差に基づく大きさの制御信号で自身の位相回転量を変化させることにより、一方の電気信号の位相回転量を制御する第3位相器と、
    前記第2位相器から出力された電気信号と当該2分岐された他方の電気信号とをミキシングして復調信号を出力するミキサと、
    前記90度位相器から出力された電気信号と前記第3位相器から出力された電気信号とをミキシングして復調信号を出力するミキサと、
    を有することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記受信システムは、
    いずれかの前記ミキサから出力された前記復調信号のアイパターンのアイの大きさが最大となるように、前記第2位相器及び/又は前記第3位相器に入力される前記制御信号の大きさを制御する波形解析部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
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