JP6178642B2 - 回転位置センサ、ギアモータ及び給湯装置 - Google Patents
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Description
上述の酸化被膜によるブラシと導電パターンの接触不良は、給湯装置において回転位置センサを採用するうえで特に深刻である。また、一旦、水の流量(湯温)を定めるとその状態で継続して使用されるのが通常であるため、制御弁が固定され、回転位置センサを構成するブラシが駆動されないことで、ブラシの酸化被膜が形成されやすいという実情がある。また、給湯装置は一般の電子機器と比べて湿度の高い環境で使用されるため、更にブラシの酸化被膜が形成されやすいと考えられる。
なお、後述のとおり、直線方向の移動であっても、それを回転移動に変換し回転位置センサによって移動位置を検出することができる。「回転位置センサ」は位置検出の原理を表す。検出される移動を回転移動に限定するものではない。(本明細書において以下同じ。)
被検物の回転角又は位置を検出する回転位置センサであって、
被検物の動きに伴って駆動される互いに電気的に接続された第1摺動部材及び第2摺動部材を有する摺動部と、
前記第1摺動部材により第1軌道に沿って摺動される導電性の第1パターンが連設された第1領域と、前記第2摺動部材により第2軌道に沿って摺動される導電性の第2パターンが複数離間して配設された第2領域と、を有する基板と、
前記第1パターン、前記第1摺動部材、前記第2摺動部材及び前記第2パターンを介して電気信号を検出することで前記被検物の回転角又は位置を求める検出部と、
を備え、
前記第1パターンは前記第1軌道に交差する方向に延びる縁部を含むスリットを1又は2以上有することを特徴とする。
前記交差する方向は、前記第1軌道に略直交する方向であることを特徴とする。
前記スリットは、前記第2摺動部材が前記第2領域のうち前記複数の第2パターンのいずれもが存在しない箇所を摺動する際に前記第1摺動部材が摺動する前記第1軌道上の少なくとも一部に形成されることを特徴とする。
前記スリットには、前記第1摺動部材の一部のみが摺動する第1スリットと、前記第1摺動部材の前記第1スリットを摺動しない部分が摺動する第2スリットとを含み、
前記第1スリット及び第2スリットは、それぞれ前記第1軌道に交差する方向に関して一側及び他側に配置され、前記一側及び他側において開いて形成されていることを特徴とする。
前記第1摺動部材は、前記第1軌道上を一向き及び逆向きに摺動し、
前記スリットは、前記交差する方向の一側が他側に対して前記第1軌道に直交する方向から離れるように拡幅され、
前記一側では前記スリットが開いて形成されており、
前記他側では前記スリットが開かずに形成されていることを特徴とする。
前記第1パターンは前記基板上に層状に突設され、
前記スリットは前記第1パターンに設けられた切欠きであることを特徴とする。
前記第1摺動部材及び前記第2摺動部材は、前記被検物の回転に伴って回転駆動され、
前記第1領域及び前記第2領域は、前記第1摺動部材及び前記第2摺動部材の回転軸に対応する前記基板上の点を中心とする円環又は円弧状の領域であることを特徴とする。
複数の減速ギアのいずれか1の動きに伴って駆動される第1摺動部材及び第2摺動部材を用いて前記制御弁の回転位置を検出する回転位置センサを備えることを特徴とする。
水が流れる配管に設けられた制御弁と、
前記制御弁の動きに伴って駆動される第1摺動部材及び第2摺動部材を用いて前記制御弁の回転位置を検出する回転位置センサと、
前記位置センサの検出結果に従って前記制御弁を開閉するギアモータと、
を備えることを特徴とする。
図1及び図2に、第1の実施例に係る回転位置センサ10の概略構成を示す。図1(A)に正面図、図1(B)に基準線BB(図1(C)参照)に関する断面図、及び図1(C)に基準線CC(図1(A)参照)に関する断面図を示す。図2に、回転軸Lを基準とする回転位置センサ10の構成各部の分解斜視図を示す。なお、制御弁等の被検物及び被検物を回転駆動するギアモータは図示せず、ギアモータ(不図示)の出力軸21a及びその先端(−Z端)に固定されたギア21のみを図示している。
なお、ベース11は、被検物に結合して回転するものであればよく、ギア21を介して回転駆動されるもののほか、出力軸21aに直接に結合されたもの(この場合、必ずしもギアではない形状でよい。)であってもよい。また、ギアモータのギア列を構成するギアのうちの1つをベース11としてもよい。ギアの回転角は出力軸21aの回転角との間に比例関係を有するので、該ギアの回転ストロークが360度以下である限り出力軸21aの回転角を求めることが可能だからである。
摺動具12は、銅等の導電性金属を用いて略四分円状に形成された平板状の部材である。その略四分円の中心近傍に円形の開口12cを有する略半円状の固定部12dが−Y方向に突出して形成され、略四分円のほぼ中央にX軸方向に並ぶ2つの円形の開口12eが形成されている。開口12c及び2つの開口12eにそれぞれベース11の裏面に形成された回転軸11c及び2つのピン(不図示)を挿通することで、摺動具12がベース11の裏面上でXY方向に位置決めされる。さらに2つのピン(不図示)の先端(−Z端)を例えば加熱して変形することで或いは留め具を用いることで、摺動具12がベース11の裏面に固定される。
基板14は、平板状の部材で、その中心には円形の開口14cが形成されている。その内部にベース11の回転軸11cが回転可能に挿通される(図1(C)参照)。
回転位置センサ10は、ベース11の回転軸11cを軸支持具13の開口13c及び基板14の開口14cに挿通し、基板14の裏面(−Z面)から送出される回転軸11cの先端を軸固定具15の開口15cに嵌入してZ軸方向(回転軸Lに平行な方向)に固定することで、ベース11が回転軸Lについて回転可能に組み立てられる(図1(C)参照)。それにより、ベース11に固定されたブラシ12a,12bの先端(接触部)がその弾性により一定の押圧力で基板14の表面に当接し、ベース11が回転軸Lについて回転することによりブラシ12a,12bが基板14上のパターン14a,14b1,14b2,14b3を摺動する。
回転位置の検出原理について、より詳細に説明する。
上述の構成の回転位置センサ10において、特にコモン側ブラシ12aは常時コモンパターン14aに接触しているため、コモン側ブラシ12a(接触部)にゴミ等の異物が付着した場合に、クリーニング部材等を用いてその異物を除去することができない。また、酸化被膜が形成された場合に、それを除去することもできない。それにより、ブラシとパターンの接触不良及びこれに伴う回転位置センサの動作不良を生じるおそれがある。
スリット14s2は、リミッタ側ブラシ12bがリミッタパターン14b3,14b2間の離間領域(非導電領域)に待避し、その領域内の軌道Lb上を摺動する際に、コモン側ブラシ12aが摺動するコモンパターン14a内の軌道La上の一部に形成される。本実施例では、コモン側ブラシ12aとリミッタ側ブラシ12bは回転軸Lに対する径方向に並設されており、スリット14s2は、リミッタパターン14b3,14b2間の離間角度内、基準角度(図1(B))から反時計回りに22.5度の位置に形成されている。
スリット14s1(14s2)を用いてコモン側ブラシ12aに付着した異物等を除去する方法を説明する。
図7に、本実施例の回転位置センサ10が備えられる給湯装置100の概略構成を示す。入水管121に流入した水は、主管122とバイパス管123とに分流する。主管122を流れる水はバーナーにより加熱される。主管流量制御弁111及びバイパス管流量制御弁112(以下、制御弁と総称する)を用いて、給湯出水管124に流れる水の流量及び主管122とバイパス管123とからの水量の比率を制御する。主管122とバイパス管123とからの水量の比率によって、湯温が制御される。
なお、本実施例では、給湯の流量及び温度の制御に用いられる制御弁111,112について回転位置センサ10を使用する場合について説明したが、これらの流量制御弁に限らずあらゆる制御弁について使用することができる。
次に、本発明の第2の実施例を、図8及び図9を用いて説明する。
次に、本発明の第3の実施例を、図10を用いて説明する。
なお、上記第1〜第3の実施例の回転位置センサ10では、ベース(平歯車)11に、出力軸21aを介して被検物の回転に伴って回転するギア(平歯車)21を係合することで、被検物の回転位置を検出する。ここで、ギア(平歯車)21に限らず、かさ歯車等を用いて被検物の回転をベース11に伝達することとしてもよい。また、ベース(平歯車)11に被検物の並進に伴って並進するラック等を係合することで、被検物の並進位置を検出する回転位置センサとして構成することとしてもよい。
11…ベース
12…摺動具
12a…コモン側ブラシ(ブラシ)
12b…リミッタ側ブラシ(ブラシ)
13…軸支持具
14…基板
14a…コモンパターン(パターン)
14b1,14b2,14b3…リミッタパターン(パターン)
14s1,14s2…スリット
15…軸固定具
100…給湯装置
111,112…制御弁
Claims (8)
- 被検物の回転角又は位置を検出する回転位置センサであって、
被検物の動きに伴って駆動される互いに電気的に接続された第1摺動部材及び第2摺動部材を有する摺動部と、
前記第1摺動部材により第1軌道に沿って摺動される導電性の第1パターンが連設された第1領域と、前記第2摺動部材により第2軌道に沿って摺動される導電性の第2パターンが複数離間して配設された第2領域と、を有する基板と、
前記第1パターン、前記第1摺動部材、前記第2摺動部材及び前記第2パターンを介して電気信号を検出することで前記被検物の回転角又は位置を求める検出部と、
を備え、
前記第1パターンは前記第1軌道に交差する方向に延びる縁部を含むスリットを1又は2以上有し、
前記第2領域の前記第2パターンのないパターン離間領域内に対応する位置に、前記縁部を含むスリットが設けられ、
前記パターン離間領域は、前記被検物の動きの両方向について前記スリットを超えて設けられることを特徴とする、回転位置センサ。 - 前記交差する方向は、前記第1軌道に略直交する方向であることを特徴とする、請求項1に記載の回転位置センサ。
- 前記スリットには、前記第1摺動部材の一部のみが摺動する第1スリットと、前記第1摺動部材の前記第1スリットを摺動しない部分が摺動する第2スリットとを含み、
前記第1スリット及び第2スリットは、それぞれ前記第1軌道に交差する方向に関して一側及び他側に配置され、前記一側及び他側において開いて形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の回転位置センサ。 - 前記第1摺動部材は、前記第1軌道上を一向き及び逆向きに摺動し、
前記スリットは、前記交差する方向の一側が他側に対して前記第1軌道に直交する方向から離れるように拡幅され、
前記一側では前記スリットが開いて形成されており、
前記他側では前記スリットが開かずに形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転位置センサ。 - 前記第1パターンは前記基板上に層状に突設され、
前記スリットは前記第1パターンに設けられた切欠きであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転位置センサ。 - 前記第1摺動部材及び前記第2摺動部材は、前記被検物の回転に伴って回転駆動され、
前記第1領域及び前記第2領域は、前記第1摺動部材及び前記第2摺動部材の回転軸に対応する前記基板上の点を中心とする円環又は円弧状の領域であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転位置センサ。 - 複数の減速ギアのいずれか1の動きに伴って駆動される第1摺動部材及び第2摺動部材を用いて前記制御弁の回転位置を検出する回転位置センサを備え、
前記回転位置センサは、請求項1〜6のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする、ギアモータ。 - 水が流れる配管に設けられた制御弁と、
前記制御弁の動きに伴って駆動される第1摺動部材及び第2摺動部材を用いて前記制御弁の回転位置を検出する回転位置センサと、
前記回転位置センサの検出結果に従って前記制御弁を開閉するギアモータと、
を備え、
前記回転位置センサは、請求項1〜6のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする、給湯装置。
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